(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021500590
(43)【公表日】20210107
(54)【発明の名称】検査ツール、リソグラフィ装置、電子ビーム源、及び検査方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20201204BHJP
【FI】
   !G03F7/20 521
   !G03F7/20 501
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】2020514189
(86)(22)【出願日】20181001
(85)【翻訳文提出日】20200428
(86)【国際出願番号】EP2018076639
(87)【国際公開番号】WO2019081162
(87)【国際公開日】20190502
(31)【優先権主張番号】17198202.8
(32)【優先日】20171025
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
【住所又は居所】オランダ国 ヴェルトホーフェン 5504 ディー アール、デ ラン 6501
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】スマクマン,エルウィン,ポール
【住所又は居所】オランダ国,ヴェルトホーフェン 5500 エーエイチ,ピー.オー.ボックス 324
(72)【発明者】
【氏名】マングナス,アルベルタス,ヴィクター,ゲラルドス
【住所又は居所】オランダ国,ヴェルトホーフェン 5500 エーエイチ,ピー.オー.ボックス 324
(72)【発明者】
【氏名】フイスマン,トーマス,ヤリク
【住所又は居所】オランダ国,ヴェルトホーフェン 5500 エーエイチ,ピー.オー.ボックス 324
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA05
2H197AA09
2H197BA11
2H197CA03
2H197CA06
2H197CA09
2H197CA10
2H197CC05
2H197CD03
2H197CD05
2H197CD06
2H197CD12
2H197CD13
2H197EA25
2H197EB22
2H197EB23
2H197GA01
2H197HA03
2H197JA17
(57)【要約】
基板用の検査方法が記載され、この検査方法は、−半導体基板のサンプルに対して第一偏光状態を有する電子ビームを提供することと、−第一偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第一応答信号を検出することと、−半導体基板のサンプルに対して第二偏光状態を有する電子ビームを提供することと、−第二偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第二応答信号を検出することと、−第一応答信号及び第二応答信号に基づいて、サンプルの幾何学的又は材料特徴を決定することと、を含む。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板用の検査方法であって、
前記半導体基板のサンプルに対して第一偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
前記第一偏光状態を有する前記電子ビームの前記サンプルとの相互作用によって生じた前記サンプルの第一応答信号を検出することと、
前記半導体基板の前記サンプルに対して第二偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
前記第二偏光状態を有する前記電子ビームの前記サンプルとの相互作用によって生じた前記サンプルの第二応答信号を検出することと、
前記第一応答信号及び前記第二応答信号に基づいて、前記サンプルの幾何学的又は材料特徴を決定することと、
を含む、検査方法。
【請求項2】
前記幾何学的特徴が、前記サンプルの傾きである、請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記幾何学的特徴が、前記サンプルのトポグラフィ特徴である、請求項1に記載の検査方法。
【請求項4】
前記第一偏光状態が、非偏光状態であり、かつ前記第二偏光状態が、偏光状態である、請求項1に記載の検査方法。
【請求項5】
前記第一偏光状態が、偏光状態であり、かつ前記第二偏光状態が、偏光状態である、請求項1に記載の検査方法。
【請求項6】
前記第一偏光状態が、負の偏光状態であり、かつ前記第二偏光状態が、正の偏光状態である、請求項5に記載の検査方法。
【請求項7】
前記偏光状態の偏光の程度が、少なくとも10%である、請求項4、5、又は6に記載の検査方法。
【請求項8】
第一偏光状態を有するeビーム、及び第二偏光状態を有するeビームを生成するように構成されたeビーム源と、
前記第一偏光状態を有する前記電子ビーム、及び前記第二偏光状態を有する前記eビームをサンプル上に誘導するように構成されたビームマニピュレータと、
前記第一偏光状態を有する前記電子ビームの前記サンプルとの相互作用によって生じた前記サンプルの第一応答信号、及び前記第二偏光状態を有する前記電子ビームの前記サンプルとの相互作用によって生じた前記サンプルの第二応答信号を検出するように構成された検出器と、
前記第一応答信号及び前記第二応答信号に基づいて、前記サンプルの幾何学的又は材料特徴を決定するように構成された処理ユニットと、
を含む、検査ツール。
【請求項9】
前記eビーム源が、
電子ビームを発するように構成された先端形状ショットキーエミッタであって、そのために、前記先端形状ショットキーエミッタが金属コーティングを含む、先端形状ショットキーエミッタと、
前記金属コーティングを磁化し、それによって、使用中に前記電子ビームをスピン偏光させるように構成された磁場ジェネレータと、
を含む、請求項8に記載の検査ツール。
【請求項10】
前記金属コーティングが鉄を含む、請求項9に記載の検査ツール。
【請求項11】
電子ビームを発するように構成された先端形状ショットキーエミッタであって、そのために、前記先端形状ショットキーエミッタが金属コーティングを含む、先端形状ショットキーエミッタと、
前記金属コーティングを磁化し、それによって、使用中に前記電子ビームをスピン偏光させるように構成された磁場ジェネレータと、
を含む、請求項8〜10に記載の検査ツール用の電子ビーム源。
【請求項12】
前記ショットキーエミッタが、ZrOコーティングを備えたタングステンコアを含む、請求項11に記載の電子ビーム源。
【請求項13】
放射ビームを調節するように構成された照明システムと、
パターニングデバイスを支持するように構築されたサポートであって、前記パターニングデバイスが、パターン形成された放射ビームを形成するために、前記放射ビームの断面にパターンを与えることが可能である、サポートと、
基板を保持するように構築された基板テーブルと、
前記パターン形成された放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムと、
を含む、リソグラフィ装置であって、
前記装置が、請求項8〜10の何れか一項に記載の検査ツールを更に含む、リソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001] 本出願は、2017年10月25日に出願された欧州特許出願公開第17198202.8号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[002] 本発明は、検査ツール、リソグラフィ装置、電子ビーム源、及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[003] リソグラフィ装置は、基板に、通常は基板のターゲット部分に所望のパターンを付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用することができる。そのような場合、ICの個々の層に形成すべき回路パターンを生成するために、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用してもよい。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つのダイの一部又はいくつかのダイを含む)に転写することができる。パターンの転写は、典型的には、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像により行われる。概して、単一の基板は、連続的にパターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含む。従来のリソグラフィ装置は、ターゲット部分にパターン全体を1回で露光することにより各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、照射ビームによりパターンを所与の方向(「スキャン」方向)にスキャンすると同時に基板をこの方向に平行又は反平行に同期してスキャンすることにより各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。基板上にパターンをインプリントすることによりパターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0004】
[004] 典型的にはリソグラフィ装置で付与される放射ビームは、例えば、DUV放射ビーム(例えば、248nm若しくは193nmの波長を有する)又はEUV放射ビーム(例えば、11nm若しくは13.5nmの波長を有する)でもよい。
【0005】
[005] 集積回路の製造は、典型的には、複数の層のスタッキングを必要とする場合があり、それによって、層が正確に位置合わせされる必要がある。かかるアライメントがなければ、層間の必要とされる接続に欠陥が生じる場合があり、集積回路の故障につながる。
【0006】
[006] 典型的には、集積回路の1つ又は複数の底層は、トランジスタ又はそれらのコンポーネントなどの最小構造を含む。後続の層の構造は、典型的にはより大きく、且つ外部との底層における構造の接続を可能にする。そこで、2つの層のアライメントが、集積回路の底部分において最大の課題となる。
【0007】
[007] 回路又は回路層が適切にパターンを付与されることを確実にするために、基板は、eビーム検査ツールなどの検査ツールを使用して、検査に供されることが多い。
【0008】
[008] かかる検査ツールの一例は、例えば、基板上のパターンの寸法を調べるために使用される高分解能SEM(走査電子顕微鏡)である。かかる高分解能SEMは、典型的には、基板の表面に向けて加速され、基板の表面で拡散し、及び新しい電子(すなわち、二次電子)を生成する、200eV〜30keVのエネルギーを有する電子を使用する。これにより、二次電子及び/又は後方散乱電子が、表面から放出される。次いで、これらの二次電子及び/又は後方散乱電子が、検出器によって記録され得る。電子ビームを用いて基板のエリアをスキャンすることによって、基板の表面構造に関する情報が取得され得る。
【0009】
[009] 現在利用可能であるような高分解能SEMなどのeビーム検査ツールの性能を向上させることが望ましい。
【発明の概要】
【0010】
[0010] eビーム検査ツールの性能を向上させることが望ましい。
【0011】
[0011] 本発明の一実施形態によれば、基板用の検査方法であって、
−半導体基板のサンプルに対して第一偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
−第一偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第一応答信号を検出することと、
−半導体基板のサンプルに対して第二偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
−第二偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第二応答信号を検出することと、
−第一応答信号及び第二応答信号に基づいて、サンプルの幾何学的又は材料特徴を決定することと、
を含む検査方法が提供される。
【0012】
[0012] 本発明の一実施形態によれば、
−第一偏光状態を有するeビーム、及び第二偏光状態を有するeビームを生成するように構成されたeビーム源と、
−第一偏光状態を有する電子ビーム、及び第二偏光状態を有するeビームをサンプル上に誘導するように構成されたビームマニピュレータと、
−第一偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第一応答信号、及び第二偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第二応答信号を検出するように構成された検出器と、
−第一応答信号及び第二応答信号に基づいて、サンプルの幾何学的又は材料特徴を決定するように構成された処理ユニットと、
を含む検査ツールが提供される。
【0013】
[0013] 本発明の一実施形態によれば、
−電子ビームを発するように構成された先端形状ショットキーエミッタであって、そのために、先端形状ショットキーエミッタが金属コーティングを含む、先端形状ショットキーエミッタと、
−金属コーティングを磁化し、それによって、使用中に電子ビームをスピン偏光させるように構成された磁場ジェネレータと、
を含む電子ビーム源が提供される。
【0014】
[0014] 本発明の一実施形態によれば、
−放射ビームを調節するように構成された照明システムと、
−パターニングデバイスを支持するように構築されたサポートであって、パターニングデバイスが、パターン形成された放射ビームを形成するために、放射ビームの断面にパターンを与えることが可能である、サポートと、
−基板を保持するように構築された基板テーブルと、
−パターン形成された放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムと、
を含む、リソグラフィ装置であって、
−装置が、本発明による検査ツールを更に含む、リソグラフィ装置が提供される。
【0015】
[0015] ここで、対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら、本発明の実施形態を、単に例示として、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】[0016]本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を描く。
【図2】[0017]本発明の一実施形態による検査ツールを描く。
【図3】[0018]本発明による検査ツールを用いて調べることができる構造の断面図を概略的に描く。
【図4】[0019]異なる電子ビームの相互作用体積の断面図を概略的に描く。
【図5】[0019]異なる電子ビームの相互作用体積の断面図を概略的に描く。
【図6】[0020]異なる幾何学的フィーチャを検査する際の異なる電子ビームの検出器信号を概略的に描く。
【図7】[0021]ショットキーエミッタ及び改良ショットキーエミッタを概略的に描く。
【図8】[0022]本発明による検査ツールの断面図を概略的に描く。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0023] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に描いている。装置は、放射ビームB(例えば、UV放射又は他の任意の好適な放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一位置決めデバイスPMに接続されたマスク支持構造(例えばマスクテーブル)MTを含む。装置はまた、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT又は「基板サポート」を含む。装置は、放射ビームBに付与されるパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)にパターニングデバイスMAにより投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSを更に含む。
【0018】
[0024] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御のための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型又は他のタイプの光学コンポーネント、又はこれらの任意の組み合わせなどの、種々のタイプの光学コンポーネントを含み得る。
【0019】
[0025] マスク支持構造は、パターニングデバイスを支持する、すなわちパターニングデバイスの重量を支える。マスク支持構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び例えばパターニングデバイスが真空環境内に保持されるかどうかなどの他の条件に応じた様式でパターニングデバイスを保持する。マスク支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電式又は他のクランプ技術を使用することができる。マスク支持構造は、例えば、必要に応じて固定され得る又は移動可能であり得る、フレーム又はテーブルであってもよい。マスク支持構造は、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して、所望の位置にあることを確実にし得る。本明細書での「レチクル」又は「マスク」という用語のいかなる使用も、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義であると見なしてよい。
【0020】
[0026] 本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成する目的で放射ビームの断面にパターンを付与するために使用できる任意のデバイスを指すものとして広く解釈されるべきである。例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合に、放射ビームに付与されるパターンが基板のターゲット部分における所望のパターンに厳密には対応しない場合があることを留意すべきである。通例、放射ビームに付与されるパターンは、ターゲット部分に生成される集積回路のなどのデバイス内の特定の機能層に対応することになる。
【0021】
[0027] パターニングデバイスは、透過型又は反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが挙げられる。マスクは、リソグラフィにおいて周知であるとともに、バイナリ、レベルソン型位相シフト、及び減衰型位相シフトなどのマスクタイプ、並びに種々のハイブリッドマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリクス配列が用いられ、小型ミラーの各々は、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜させることができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリックスにより反射される放射ビームにパターンを付与する。
【0022】
[0028] 本明細書で使用される「投影システム」という用語は、使用される露光放射に適したもの、又は液浸液の使用若しくは真空の使用などのその他の要因に適したものとして、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型及び静電型光学システム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、任意のタイプの投影システムを包含するものとして広く解釈されるべきである。本明細書での「投影レンズ」という用語のいかなる使用も、より一般的な用語である「投影システム」と同義であると見なしてよい。
【0023】
[0029] ここで描かれているように、装置は、透過型(例えば、透過型マスクを用いる)である。代替的に、装置は、反射型(例えば、上で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイを用いるか、又は反射マスクを用いる)であってもよい。
【0024】
[0030] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル若しくは「基板サポート」(及び/又は2つ以上のマスクテーブル若しくは「マスクサポート」)を有するタイプであってもよい。そのような「マルチステージ」機械では、追加のテーブル又はサポートを並行して使用してもよく、或いは、1つ若しくは複数の他のテーブル又はサポートを露光のために使用している間に、1つ若しくは複数のテーブル又はサポートに対して予備ステップを実行してもよい。
【0025】
[0031] リソグラフィ装置はまた、投影システムと基板との間の空間を満たすために、比較的高い屈折率を有する液体、例えば水で基板の少なくとも一部分が覆われ得るタイプであってもよい。液浸液はまた、リソグラフィ装置内の他の空間に、例えば、マスクと投影システムとの間に適用されてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために使用することができる。本明細書で使用される「液浸」という用語は、基板などの構造が液体に浸されなければならないことを意味するのではなく、露光中に投影システムと基板との間に液体が位置することを意味するに過ぎない。
【0026】
[0032] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受け取る。例えば、放射源がエキシマレーザである場合には、放射源とリソグラフィ装置とが別体であってもよい。そのような場合に、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成するとは見なされず、放射ビームは、例えば、好適な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILに渡される。他の場合では、放射源は、例えば放射源が水銀ランプである場合、リソグラフィ装置の一体部であってもよい。必要であればビームデリバリシステムBDと共に、放射源SO及びイルミネータILは、放射システムと呼ばれることがある。
【0027】
[0033] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するように構成されたアジャスタADを含み得る。通例では、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれσ外側及びσ内側と呼ばれる)を調節することができる。加えて、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの、他の種々のコンポーネントを含み得る。イルミネータは、ビーム断面における所望の均一性及び強度分布を有するように放射ビームを調節するために使用されてもよい。
【0028】
[0034] 放射ビームBは、マスク支持構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持される、パターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射して、パターニングデバイスによりパターンが付与される。マスクMAを通り抜けた後に、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは基板Wのターゲット部分Cにビームの焦点を合わせる。第二位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ又は静電容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTは、例えば、異なるターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動させることができる。同様に、第一位置決めデバイスPM及び別の位置センサ(図1には明示的に描かれていない)は、例えば、マスクライブラリの機械検索後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めするために使用することができる。概して、マスクテーブルMTの移動は、第一位置決めデバイスPMの一部を形成する、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現されてもよい。同様に、基板テーブルWT又は「基板サポート」の移動は、第二位置決めデバイスPWの一部を形成する、ロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現されてもよい。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、又は固定されてもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせされてもよい。図示の基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占めるが、基板アライメントマークはターゲット部分間の空間に位置してもよい(これらはスクライブラインアライメントマークとして知られている)。同様に、2つ以上のダイがマスクMA上に設けられる状況では、マスクアライメントマークがダイの間に位置してもよい。
【0029】
[0035] 描かれている装置は、以下のモードのうちの少なくとも1つのモードで使用することができる。
1.ステップモードでは、マスクテーブルMT又は「マスクサポート」及び基板テーブルWT又は「基板サポート」は基本的に静止状態に維持され、その一方で、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち、単一静的露光)。次いで、基板テーブルWT又は「基板サポート」は、異なるターゲット部分Cを露光させることができるようにX方向及び/又はY方向にずらされる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズにより、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、マスクテーブルMT又は「マスクサポート」及び基板テーブルWT又は「基板サポート」は同期してスキャンされ、その一方で、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMT又は「マスクサポート」に対する基板テーブルWT又は「基板サポート」の速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により決定されてもよい。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズにより単一動的露光でのターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、それに対して、スキャン動作の長さによりターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決定される。
3.別のモードでは、マスクテーブルMT又は「マスクサポート」は、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、かつ放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間に基板テーブルWT又は「基板サポート」が移動又はスキャンされる。このモードでは、通例はパルス放射源が用いられ、かつプログラマブルパターニングデバイスが基板テーブルWT又は「基板サポート」の毎回の移動後に又はスキャン中の連続する放射パルス間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイなどの、プログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0030】
[0036] 上で説明した使用モードの組み合わせ及び/若しくは変形、又は全く異なる使用モードも用いることができる。
【0031】
[0037] 図示した実施形態では、リソグラフィ装置は、本発明による検査ツールITを更に含む。かかる検査ツールITは、例えば、構造、特にリソグラフィ装置によって処理される基板Wの関心のあるエリアの上又は中に存在する埋込構造の特性を決定することを可能にし得る。一実施形態では、以下により詳細に論じるように、検査ツールは、基板を検査するための電子ビーム源を含み得る。
【0032】
[0038] 一実施形態では、第二位置決めデバイスPWは、基板Wを検査ツールITの動作範囲内に位置決めするように構成され得る。かかる実施形態では、検査ツールITは、例えば、言及した構造の特性、例えば、電気特性、材料特性、及び/又は幾何学的特性を決定するように構成され得る。一実施形態では、この情報は、後にリソグラフィ装置の制御ユニットに提供され、及び露光プロセス中に、例えば、情報に基づいて、照明システム、投影システム、又は位置決めデバイスの一方の1つ又は複数を制御することによって使用され得る。
【0033】
[0039] 図示した実施形態では、リソグラフィ装置は、放射ビームに関してDUV放射を付与するように構成され得る。この場合、パターニングデバイスMAは、透過型パターニングデバイスでもよく、投影システムPSは、1つ又は複数のレンズを含み得る。
【0034】
[0040] 代替的に、本発明によるリソグラフィ装置は、放射ビームに関してEUV放射を付与するように構成されてもよい。この場合、パターニングデバイスMAは、反射型パターニングデバイスでもよく、投影システムPSは、1つ又は複数のミラーを含み得る。かかる実施形態では、装置は、照明システムIL及び/又は投影システムPSを収納する1つ又は複数の真空チャンバを含み得る。
【0035】
[0041] 本発明の一態様によれば、リソグラフィ装置は、処理すべき又は処理済みの基板のインライン又はオフライン検査を行うために、本発明による検査ツールを含み得る。
【0036】
[0042] 本発明の一態様によれば、半導体基板などのオブジェクトを検査するように構成された検査ツールが提供される。図2は、かかる検査ツール100の一実施形態を概略的に示す。本発明によれば、検査ツール100は、更にeビーム源110とも呼ばれる電子ビーム源110を含む。かかるeビーム源110は、一般に知られており、本発明において、オブジェクト130(例えば、基板)のエリア上に電子ビーム120を投影するために付与され得る。図示したような実施形態においては、オブジェクト130は、クランプ機構134(例えば、真空クランプ又は静電クランプ)を用いてオブジェクトテーブル132に取り付けられる。eビームが投影されるオブジェクトのエリアは、サンプルとも呼ばれ得る。かかるeビーム源110は、例えば、0.2keV〜100keVの範囲のエネルギーを有する電子ビーム120を生成するために使用され得る。eビーム源110は、典型的には、直径が約0.4〜5nmのスポットに電子ビーム120の焦点を合わせるための1つ又は複数のレンズを有し得る。一実施形態では、eビーム源110は、電子ビーム120を偏向させ得る1つ又は複数の走査コイル又は偏向器板を更に含み得る。このようにすることで、電子ビーム120は、例えば、オブジェクトのエリアがスキャンされ得るように、X軸及びY軸(X軸及びZ軸に垂直な)に沿って(XY面は、オブジェクトの表面に平行である)偏向され得る。
本発明の一実施形態では、電子ビーム源は、複数の電子ビームを関心のあるエリアのそれぞれの複数のサブエリア上に投影するように構成される。このようにすることで、単位時間当たりに調べることができる、又は検査することができる関心のあるエリアを拡大することができる。更に、本発明の一実施形態では、電子ビーム源は、異なるエネルギーレベルを有する電子ビームを生成するように構成され得る。以下により詳細に説明するように、1つ又は複数のeビームに関して付与されるエネルギーレベルに応じて、異なる部分又は構造(例えば、埋込構造)を調べることができる。
かかるeビーム120が表面に衝突すると、表面上の相互作用及び表面下の材料との相互作用が生じ、露光表面が放射及び電子の両方を放出する結果となる。典型的には、電子ビーム120がサンプルと相互作用すると、ビームを構成する電子が、相互作用体積として知られるティアドロップ形体積内で、散乱及び吸収によりエネルギーを失う。電子ビームとサンプルとの間のエネルギー交換は、典型的には、
−非弾性散乱による二次電子の放出と、
−サンプルとの弾性散乱相互作用による相互作用体積の中から反射又は後方散乱される電子の放出と、
−X線の放出と、
−例えば、深紫外線〜赤外線の範囲内の電磁放射の放出と、
の組み合わせをもたらす。
電磁放射の後者の放出は、一般に、カソードルミネセンス光又はCL光と呼ばれる。
本発明の一実施形態では、検査ツール100は、二次電子の検出用の検出器150、及びサンプルによって放出されるような後方散乱電子用の検出器151を更に含む。図2では、矢印140は、放出された二次電子又は後方散乱電子を表す。
【0037】
[0043] 図示したような実施形態では、検査ツールは、例えば、検出器150及び151によって検出されるような放出された二次電子又は後方散乱電子を処理するためのマイクロプロセッサ又はコンピュータなどを含む制御ユニット170又は処理ユニットを更に含む。
【0038】
[0044] 一実施形態では、制御ユニット170は、検出器150、151から信号152を受信するための入力端子172を含み、信号152は、検出された放出二次電子又は後方散乱電子を表す。
【0039】
[0045] 一実施形態では、制御ユニットは、eビーム源110を制御するための制御信号112を出力するための出力端子174を更に有し得る。一実施形態では、制御ユニット170は、検査すべきオブジェクト(例えば、半導体基板)の関心のあるエリア上にeビーム120を投影するようにeビーム源110を制御し得る。
一実施形態では、制御ユニット170は、関心のあるエリアをスキャンするためにeビーム源110を制御するように構成され得る。
【0040】
[0046] オブジェクトの関心のあるエリアのかかるスキャン中に、検出器は、関心のあるエリアの異なる部分から二次電子又は後方散乱電子140を受け取り得る。一例として、付与されるeビームは、例えば、直径が1〜4nmの断面を有し得るが、関心のあるエリアは、100nm×100nmである。そのため、関心のあるエリアがスキャンされると、関心のあるエリアにわたるeビームに対する応答が、検出器150、151によって捕捉されている場合があり、検出された信号は、照明ピクセル当たりの検出された電子から成る。ピクセルサイズは、例えば、eビームの断面よりも小さくても、或いは大きくてもよい。
【0041】
[0047] 図3は、複数の層及び異なる材料を含む半導体構造400の断面図を極めて概略的に示す。図3に概略的に示すような構造400は、第一材料の底層402及び第二材料の最上層408を含み、第二層は、X方向に沿って伝搬する際に、トポロジーの変化(具体的には、高さの増加)を有する。図3は、構造400の最上面412に衝突するeビーム410を更に概略的に示す。点線414で示されるのは、eビーム410の相互作用体積、すなわち、eビームの付与の結果として、二次電子又は後方散乱電子が生成され得る体積である。eビームは、たった数ナノメートルの直径を有し得るが、相互作用体積は、典型的には、材料特徴及びランディングエネルギーに応じて、より大きな直径(例えば10〜1000nm)を有することが注目され得る。図4は、右に向けたeビームのスキャン(矢印420によって示される)を更に示し、これによって相互作用体積414がX軸に沿って移動する。上記スキャン中に、相互作用体積414は、サンプルの表面412をたどる。そのため、かかるスキャン移動中に、相互作用体積414は、トポグラフィの変化、すなわち、位置x=xで生じる高さの段差によって影響を受ける。結果として、検出される二次電子及び/又は後方散乱電子の量も影響を受ける。図3の下部分は、X方向に沿った電子ビーム410のスキャン中に検出された検出器信号Iを概略的に示す。見て分かるように、eビーム410が高さの段差に近づくと、検出器信号Iにおいて減少450が生じるが、eビーム410が高さの段差を通過すると、短い増加460が生じる。従って、当業者には理解されるように、検出器信号Iのかかる変動の発生を使用して、サンプルの層における高さの段差の位置を決定することができる。
【0042】
[0048] 本発明の一実施形態によれば、半導体サンプルの検査のために、スピン偏光電子ビームを付与することが提案される。電子の固有磁気モーメントを使用することによって、電子ビームをスピン偏光させ、サンプルを検査するために、かかるeビームを付与することが提案される。以下により詳細に説明するように、このような手法は、高分解能SEMなどの公知のSEMベースの検査ツールの幾つかの向上をもたらし得ると考えられる。具体的には、以下の向上が実現され得ると期待される。
−より高い空間分解能の提供、
−オペレータが望むような幾何学的フィーチャに対する感度の調整及び増強、
−信号対雑音比の向上によるSEMのスループットの増加。
【0043】
[0049] 公知の高分解能SEMメトロロジでは、電子を使用して表面をスキャンする一方で、表面の像を再構築するために、その結果得られた放出二次電子及び/又は後方散乱電子が記録される。入射電子のスピンはランダムに配向され、典型的には、SEMの像形成に影響を与える要因として論じられない。しかし、関心のあるサンプルとの高分解能SEM相互作用を表すシミュレーションに基づいて、異なる電子スピンを有する電子が、eビームを受けるサンプルにおいて、関心のあるサンプルとのスピン軌道相互作用(これは、材料依存特徴である)により、空間的/角度的に異なって散乱することを導出することができる。これは、図4に概略的に示される。図4は、表面412に激突した際に非偏光eビーム410によって生成されるような相互作用体積414を概略的に示す。図4に概略的に示すように、相互作用体積414は、σと表示される、負のスピン偏光を有する電子で主に占有される第一相互作用体積414.1と、σと表示される、正のスピン偏光を有する電子で主に占有される第二相互作用体積414.2との結果と見なすことができる。スピンに応じて異なって表現されるように、eビーム400の電子は、異なる位置を占有し、又は異なる位置へと散乱する。
【0044】
[0050] 従って、スピン偏光電子のこの特徴を使用する際に、これらの電子が材料と相互作用する体積を再整形することが可能であるべきである。具体的には、SEMにおいて、スピン偏光ビームが走査電子ビームとして付与される場合には、相互作用体積、すなわち、SEMによって測定された信号を決定する体積が、電子ビームに対してもはや対称的ではない相互作用体積に再整形されると考えられる。
【0045】
[0051] これは、図5に概略的に示される。図の左側の図5(a)は、電子ビーム510(−)(負のスピン偏光σを有する電子ビーム)が表面412に激突した際の表面412の下の相互作用体積514(−)を示し、図の右側の図5(b)は、電子ビーム510(+)(正のスピン偏光σを有する電子ビーム)が表面412に激突した際の表面412の下の相互作用体積514(+)を示している。理解されるように、入射電子のスピン偏光を制御することによって、それらの相互作用体積を制御することができる。本発明者らは、スピン軌道結合が、相互作用体積に非対称性を導入するスピン選択性散乱をもたらすと考える。この非対称相互作用体積は、以下のように空間分解能の増加を可能にし得る。
−総相互作用体積は、僅かに狭くなり、従って電子の拡散を減少させ得る。
−以下により詳細に論じるように、エッジ付近で、信号のコントラストが改変され、場合によっては向上され得る。このコントラストの向上は、信号におけるエッジの位置決定を向上し得る。
【0046】
[0052] 本発明の一実施形態では、この特徴を使用することにより、調べているサンプルの幾何学的又は材料特性がより正確に決定される。具体的には、本発明の一実施形態では、基板用の検査方法が提案され、この検査方法は、以下のステップ:
−基板のサンプルに対して偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
−偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの応答信号を検出することと、
−応答信号に基づいて、サンプルの幾何学的特徴を決定することと、
を含む。
【0047】
[0053] かかる実施形態では、電子ビームの偏光状態は、特定の程度にスピン偏光された電子ビームを指す。eビームのスピン偏光の程度pは、例えば、
【数1】
と定義することができ、式中、
=正のスピン偏光電子の数、
=負のスピン偏光電子の数、
n=電子の総数=n+n
【0048】
[0054] 本発明の一実施形態では、サンプルを検査するために付与される電子ビームは、少なくとも10%のスピン偏光の程度pを有する。好適な実施形態では、付与される電子ビームのスピン偏光の程度は、30〜50%である。上記で示したように、偏光状態を有する電子ビームを使用した場合、相互作用体積のサイズが減少する。具体的には、図4の非偏光ビーム414の相互作用体積414を相互作用体積414.1又は414.2と比較すると、スピン偏光ビームの相互作用体積の幅、すなわち、X方向の相互作用体積のサイズは、非偏光ビームの相互作用体積の幅よりも小さいことを観察できる。その結果、スピン偏光eビームを用いてサンプルが検査される場合、付与されるより小さな相互作用体積により、向上した空間分解能でそれを検査することができる。
【0049】
[0055] 一実施形態では、検査方法は、例えば、基板の表面上の構造の寸法などの幾何学的特徴を決定するために適用することができる。一例として、構造のライン幅は、例えば、このようにして、向上した分解能で決定され得る。かかる実施形態では、半導体基板上の構造の幾何学的フィーチャが決定され得る。
【0050】
[0056] 本発明の一実施形態では、検査方法は、具体的には、半導体基板の表面上の構造の検査のために、かかる半導体基板に適用される。本発明による方法を使用して、幾何学的フィーチャ又は特性と、材料特性又は特徴との両方を調べることができる。
【0051】
[0057] 本発明の更に別の実施形態では、少なくとも2つの連続した電子ビームを検査すべきサンプルに付与し、それによって、2つの電子ビームが異なる偏光状態を有する検査方法が提供される。かかる検査方法は、例えば、以下のステップ:
−例えば基板のサンプルに対して第一偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
−第一偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第一応答信号を検出することと、
−半導体基板のサンプルに対して第二偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
−第二偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第二応答信号を検出することと、
−第一応答信号及び第二応答信号に基づいて、サンプルの幾何学的又は材料特徴を決定することと、
を含み得る。
【0052】
[0058] かかる検査方法を使用して、サンプルのより詳細な幾何学的又は材料特徴を調査することができる。これを図6に概略的に示す。図6は、3つの異なる幾何学的構造の電子ビームによるスキャンを概略的に示し、これにより、これらの構造は、σと表示される、負のスピン偏光を有する電子ビーム、σと表示される、正のスピン偏光を有する電子ビーム、及び「非偏光」と表示される、非偏光状態の電子ビームによってスキャンされる。グラフ(a)〜(i)は、異なる幾何学的構造が、3つの異なる電子ビームを用いてスキャンされた際に取得され得る検出器信号を示す。
【0053】
[0059] 具体的には、グラフ(a)〜(c)は、実質的に水平な面612がスキャンされた際に取得され得る検出器信号を示す。グラフ(d)〜(f)は、斜めの又は傾斜した面614がスキャンされた際に取得され得る検出器信号を示す。グラフ(g)〜(i)は、高さの段差(具体的には、高さの減少)を有する面616がスキャンされた際に取得され得る検出器信号を示す。
【0054】
[0060] 実質的に水平な面612のスキャンに関して、3つの異なる電子ビーム、すなわち、σ、σ、及び「非偏光」を用いて取得された検出器信号が、実質的に同様の検出器信号になることが分かる。なお、検出器信号は、例えば、付与された電子ビームの強度の差を考慮に入れるために規格化されてもよい。
【0055】
[0061] 斜めの面614のスキャンに関して、3つの異なる電子ビーム、すなわち、σ、σ、及び「非偏光」を用いて取得された検出器信号が、異なる検出器信号になることが分かる。これは、3つの異なる電子ビームが、図4及び図5に示すように、異なる相互作用体積で表面をスキャンするという事実に起因し得る。
そのため、付与された3つの異なる電子ビームからの任意の2つの信号を比較することによって、スキャンされた面614が傾きを有するという判定を行うことができる。図示したような配置では、面614は、負の傾きを有すると見なすことができる。かかる負の傾きは、σと表示される、負のスピン偏光を有する電子ビームを用いて面がスキャンされる場合に、比較的小さな検出器信号をもたらす。これは、負のスピン偏光を有する電子ビームの相互作用体積(例えば、図5に示すような体積514(−))において生成される後方散乱電子及び二次電子が、正のスピン偏光を有する電子ビームの相互作用体積(例えば、図5に示すような体積514(+))において生成される後方散乱電子及び二次電子よりも、面614からより離れていることを考慮すれば、説明することができる。或いは、入射電子のスピン偏光に応じて、電子は、平均で、傾いた面により近くなる、或いは傾いた面からより遠く離れ得る。その結果、負のスピン偏光電子ビームによって取得された検出器信号は、正のスピン偏光電子ビームによって、又は非偏光電子ビームによって取得された検出器信号よりも低くなる。そのため、図6のグラフ(d)〜(f)に示されるような信号の2つの任意の組み合わせに基づいて、スキャンされる面が斜めであると決定することができる。斜めの面の傾きが急であるほど、3つの異なる電子ビーム、すなわち、σ、σ、及び「非偏光」によって生成される検出器信号間の差が大きくなることも言える。そのため、従来の高分解能SEMでは、検出器の利得設定により、理想の平坦面と斜めの又は傾いた面を区別することは難しい、或いは恐らく不可能でさえあるが、本発明は、異なる偏光状態を有する少なくとも2つの電子ビームを用いて面を検査することによって、かかる区別をつけることを可能にする。本発明の一実施形態を用いて、傾きの方向及び大きさの両方を識別することができる。
【0056】
[0062] グラフ(g)〜(i)は、高さの段差を有する面616がスキャンされた場合に取得され得る検出器信号を示す。見て分かるように、かかる高さの段差は、3つの異なる電子ビーム、すなわち、σ、σ、及び「非偏光」の検出器信号にも異なるように影響を与える。負の高さの段差が電子ビームによってスキャンされる場合、高さの段差近くをスキャンする際に、検出器信号において短い増加又はピーク660が観察され得るが、eビームが負の高さの段差を通過すると、短い減少又はディップ650が生じ得る。スピン偏光電子ビームを用いることによって、かかる状況において生じ得る非対称相互作用体積により、ピーク660及びディップ650の両方が影響を受け得る。グラフ(g)及び(h)から観察することができるように、電子ビームが高さの段差に近づく際に生じる短いディップ660は、負のスピン偏光電子ビームが付与される場合により小さくなり、正のスピン偏光電子ビームが付与される場合により大きくなる。そのため、本発明によれば、スピン偏光電子ビームの使用は、スピン偏光に応じて相互作用体積の形状を制御することを可能にする。これは、例えば高分解能SEMによって、どのようにジオメトリが測定されるかを修正することを許容する。高分解能SEMが典型的に用いられる主要ジオメトリは、構造のエッジ、すなわち高さの段差を観察することである(図6に提示される第三ジオメトリを参照)。図6のグラフ(g)〜(i)及び図3に示すように、検出器信号は、エッジの一方の側で信号の増加を示し、信号の低下は、エッジの他方の側で認識され得る。この効果は、エッジ付近の電子が、最上面からだけでなく、エッジの側からも逃げることができる事実によってもたらされる(エッジブルーミングとも呼ばれる)。(スピン偏光電子ビームを用いて)相互作用体積をそれがエッジと限定的に(図6におけるσ)相互作用するように制御又は再整形することによって、信号において、あまり顕著ではないピーク及びより顕著なディップ。反対のスピン偏光(図6におけるσ)を使用した場合は、その反対が成り立つ。そのため、スピン偏光の付与の程度を調整することによって、エッジの感度を調整することができ、CD(クリティカルディメンジョン)測定の感度を上げることが可能になる。また、例えば図3又は図6に示されるように、エッジ構造に対して反対のスピン偏光を使用することによって取得された検出器信号間の差を考慮することによって、信号に対する平坦面による寄与を除去することができる。図6を参照して、例えば、グラフ(g)とグラフ(h)との間の差を決定し、この信号を処理して、高さの段差又はエッジの位置を決定することが可能である。平坦面に由来するかかる寄与は、典型的には、背景オフセット又は雑音と見なされる。そのため、上述の方法を用いることによって、高分解能SEMの信号対雑音比を増加させることができる。分解能又はエッジ感度を上げることの代わりに、これは、エリア当たりの測定時間の減少を可能にする。つまり、これは、技術のスループットの増加を可能にする。
【0057】
[0063] 上記で論じたように、本発明は、偏光状態を有する電子ビームを用いてサンプルを検査する検査方法を提供する。
【0058】
[0064] 本発明の更なる局面によれば、本発明による検査方法を行うように構成された検査ツールが提供される。
【0059】
[0065] 一実施形態では、本発明による検査ツールは、以下のコンポーネント:
−スピン偏光eビームを生成するように構成されたeビーム源と、
−電子ビームをサンプル上に誘導するように構成されたビームマニピュレータと、
−偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの応答信号を検出するように構成された検出器と、
−応答信号に基づいて、サンプルの幾何学的又は材料特徴を決定するように構成された処理ユニットと、
を含み得る。
【0060】
[0066] 一実施形態では、適用されたeビーム源は、第一偏光状態を有するeビーム、及び第二偏光状態を有するeビームを生成するように構成され得る。図6を参照すると、第一偏光状態及び第二偏光状態は、例えば、説明したような3つの偏光状態であるσ、σ、及び「非偏光」の任意の組み合わせでよい。
【0061】
[0067] スピン偏光電子ビームの付与に関して、スピン偏光電子ビームは、例えば、円偏光赤外線レーザを用いてGaAsカソードの照明を行うことによって生成され得ることが指摘され得る。そのため、本発明による検査ツールの一実施形態では、検査ツールは、GaAsカソードを含むスピン偏光電子ビーム源と、カソード上に円偏光レーザビームを発するように構成されたIRレーザとを含む。
【0062】
[0068] 本発明の一態様によれば、本発明による検査ツールにおいて適用され得る代替電子ビーム源が提供される。
【0063】
[0069] 本発明による電子ビーム源は、ショットキーエミッタを適用する。具体的には、一実施形態において、標準高分解能SEMショットキーエミッタが適用され得る。標準ショットキーエミッタは、典型的には、ZrO薄膜を有するタングステン(W)コアから成り、約1800Kで動作する。この温度では、加速電場を有する材料から抽出される多くの高エネルギー電子が生成される。ZrOは、温度が高くなるにつれ仕事関数を低下させる特別な特性を有し、これは、電子の抽出、ひいては生成することができる最大輝度及び電流にとって有益である。同時に、この温度は、ZrOをゆっくりと溶かし、その後、これはW面にわたり分布する。これは、そうでなければ、ガス放出により、ZrOがWコアからそのうち消失し、電子ビーム源(具体的には、ショットキーエミッタ)を劣化させるので、必要とされる。
【0064】
[0070] 本発明の一態様によれば、改良ショットキーエミッタが提案され、改良ショットキーエミッタは、スピン偏光電子ビームの生成を可能にする。
【0065】
[0071] ショットキーエミッタがスピン偏光電子を生成することを可能にするために、磁性金属コーティング又は層をエミッタに加えることが提案される。このようにすることで、放出された電子ビームをスピン偏光させることができる。しかしながら、また一方で、1800Kで依然として強磁性の金属が存在しないことが注目され得る。最高キュリー(転移温度)は、Coの場合、1388Kであり、別の候補は、1043Kのキュリー温度を有するFeである。ショットキーエミッタの動作温度の低下(ひいては、出力輝度及び電流の減少)を回避するために、代わりに、材料の常磁性に依存することが提案される。エミッタに塗布される金属コーティング又は層を磁化するために、外部磁場が用いられ得る。かかる外部磁場は、金属層を磁化することができ、その結果として、電子ビームを偏光させる電子に対してスピンバリアを生成することができる。好適な実施形態では、金属層に関して、Feが、その高磁化率のために使用される。
【0066】
[0072] 図7は、検査ツールで使用され得る改良ショットキーエミッタの一実施形態を概略的に示す。図7の左側には、従来のショットキーエミッタ710が概略的に示され、エミッタ710は、ZrOコーティング730を備えた先端形状Wコア720を有する。動作中、ショットキーエミッタ710は、電子ビーム740を生成することができ、それによって、矢印750で示されるビームの電子の偏光は、好ましい方向を持たない。そのため、生成された電子ビーム740は、非偏光である、又は非偏光状態にあると見なされ得る。
【0067】
[0073] 図7の右側には、本発明の一実施形態による改良ショットキーエミッタ800が概略的に示されている。改良ショットキーエミッタ800は、ZrOコーティング830を備えた先端形状Wコア820を有する。エミッタ800は、金属コーティング840、例えば、鉄又は第一鉄コーティングを更に含む。使用中に、ショットキーエミッタ800が、矢印850で示される外部磁場で動作すると、電子ビーム860を生成することができ、この電子は、矢印870によって概略的に示される好ましい偏光を有する。
【0068】
[0074] 外部磁場850を生成するために、様々な選択肢がある。一実施形態では、外部磁場は、1つ又は複数の通電コイルによって生成され得る。かかるコイルは、例えば、エミッタ800の近くに配置され、金属層840の磁化を可能にし得る。一実施形態では、1つ又は複数のコイルは、磁束をエミッタ800にガイドするために強磁性ヨークなどの磁性ヨークに取り付けられてもよい。外部磁場を生成するための1つ又は複数のコイルの使用は、磁場の強さが簡単に調節されるという利点をもたらした。例えば、1つ又は複数のコイルへの電流を逆にすることによって、外部磁場を逆にすることができ、その結果として、電子ビーム860のスピン偏光を逆にすることができる。
【0069】
[0075] 代替として、又は加えて、外部磁場850を生成するために、永久磁石も用いられ得る。かかる永久磁石も、磁束をエミッタ800にガイドするために強磁性ヨークなどの磁性ヨークに取り付けられ得る。かかる実施形態において外部磁場を調節するために、永久磁石及びエミッタ800の相対位置が、例えば、アクチュエータなどの位置決めデバイスによって、調節可能にされてもよい。
【0070】
[0076] 図8は、本発明による検査ツール200のより詳細な実施形態を概略的に描く。検査ツール200は、電子銃210と呼ばれるeビーム源、及び結像システム240を含む。
【0071】
[0077] 電子銃210は、電子源212、サプレッサ電極214、アノード216、アパーチャ218の一セット、及びコンデンサ220を含む。電子源212は、上記で論じたようなショットキーエミッタ又は改良ショットキーエミッタでもよい。アノード216の正電荷により、電子ビーム202を抽出することができ、電子ビーム202は、アパーチャの外で不要な電子ビームを無くすための異なるアパーチャサイズを有し得る調整可能アパーチャ218を用いて制御され得る。電子ビーム202を集光するために、コンデンサ220が電子ビーム202に用いられ、これは、拡大も提供する。図2に示されるコンデンサ220は、例えば、電子ビーム202を集光することができる静電レンズでもよい。一方、コンデンサ220は、磁気レンズでもよい。
【0072】
[0078] 結像システム240は、例えば、ブランカー248、アパーチャ242の一セット、検出器244、偏向器の4セット250、252、254、及び256、一対のコイル262、ヨーク260、及び電極270を含み得る。電極270は、電子ビーム202を遅延させ、及び偏向させるために使用され、並びに上極部片及びサンプル300の組み合わせにより、静電レンズ機能を更に有する。その上、コイル262及びヨーク260が、磁気対物レンズとなるように構成される。
【0073】
[0079] 偏向器250及び256は、電子ビーム202を広視野にスキャンするために用いることができ、偏向器252及び254は、電子ビーム202を狭視野にスキャンするために使用することができる。全ての偏向器250、252、254、及び256は、電子ビーム202のスキャン方向を制御することができる。偏向器250、252、254、及び256は、静電偏向器又は磁気偏向器でもよい。ヨーク260の開口は、サンプル300に対向し、これが、磁場をサンプル300内に浸漬させる。一方、電極270は、ヨーク260の開口の下に配置され、従って、サンプル300は、ダメージを受けない。電子ビーム202の色収差を補正するために、位相板270、サンプル300、及び上極部片が、電子ビーム202の色収差を無くすためのレンズを形成する。
【0074】
[0080] 実施形態は、以下の条項を使用して更に記述することができる。
1.基板用の検査方法であって、
−半導体基板のサンプルに対して第一偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
−第一偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第一応答信号を検出することと、
−半導体基板のサンプルに対して第二偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
−第二偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第二応答信号を検出することと、
−第一応答信号及び第二応答信号に基づいて、サンプルの幾何学的又は材料特徴を決定することと、
を含む、方法。
2.幾何学的特徴が、サンプルの傾きである、条項1に記載の検査方法。
3.幾何学的特徴が、サンプルのトポグラフィ特徴である、条項1に記載の検査方法。
4.第一偏光状態が、非偏光状態であり、及び第二偏光状態が、偏光状態である、条項1に記載の検査方法。
5.第一偏光状態が、偏光状態であり、及び第二偏光状態が、偏光状態である、条項1に記載の検査方法。
6.第一偏光状態が、負の偏光状態であり、及び第二偏光状態が、正の偏光状態である、条項5に記載の検査方法。
7.偏光状態の偏光の程度が、少なくとも10%である、条項4、5、又は6に記載の検査方法。
8.基板用の検査方法であって、
−基板のサンプルに対して偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
−偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの応答信号を検出することと、
−応答信号に基づいて、サンプルの幾何学的特徴を決定することと、
を含む、検査方法。
9.幾何学的特徴が、サンプルの傾きである、条項8に記載の検査方法。
10.幾何学的特徴が、サンプルのトポグラフィ特徴である、条項8に記載の検査方法。
11.偏光状態の偏光の程度が、少なくとも10%である、条項8、9、又は10に記載の検査方法。
12.半導体基板用の検査方法であって、
−半導体基板のサンプルに対して偏光状態を有する電子ビームを提供することと、
−偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの応答信号を検出することと、
−応答信号に基づいて、サンプルの幾何学的又は材料特徴を決定することと、
を含む、検査方法。
13.偏光状態の偏光の程度が、少なくとも10%である、条項12に記載の検査方法。
14.先行する条項の何れか一項に記載の検査方法を行うように構成された検査ツール。
15.検査ツールであって、
−第一偏光状態を有するeビーム、及び第二偏光状態を有するeビームを生成するように構成されたeビーム源と、
−第一偏光状態を有する電子ビーム、及び第二偏光状態を有するeビームをサンプル上に誘導するように構成されたビームマニピュレータと、
−第一偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第一応答信号、及び第二偏光状態を有する電子ビームのサンプルとの相互作用によって生じたサンプルの第二応答信号を検出するように構成された検出器と、
−第一応答信号及び第二応答信号に基づいて、サンプルの幾何学的又は材料特徴を決定するように構成された処理ユニットと、
を含む、検査ツール。
16.eビーム源が、
−電子ビームを発するように構成された先端形状ショットキーエミッタであって、そのために、先端形状ショットキーエミッタが金属コーティングを含む、先端形状ショットキーエミッタと、
−金属コーティングを磁化し、それによって、使用中に電子ビームをスピン偏光させるように構成された磁場ジェネレータと、
を含む、条項15に記載の検査ツール。
17.金属コーティングが鉄を含む、条項16に記載の検査ツール。
18.電子ビーム源であって、
−電子ビームを発するように構成された先端形状ショットキーエミッタであって、そのために、先端形状ショットキーエミッタが金属コーティングを含む、先端形状ショットキーエミッタと、
−金属コーティングを磁化し、それによって、使用中に電子ビームをスピン偏光させるように構成された磁場ジェネレータと、
を含む、電子ビーム源。
19.ショットキーエミッタが、ZrOコーティングを備えたタングステンコアを含む、条項18に記載の電子ビーム源。
20.放射ビームを調節するように構成された照明システムと、
パターニングデバイスを支持するように構築されたサポートであって、パターニングデバイスが、パターン形成された放射ビームを形成するために、放射ビームの断面にパターンを与えることが可能である、サポートと、
基板を保持するように構築された基板テーブルと、
パターン形成された放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムと、
を含むリソグラフィ装置であって、
装置が、条項14〜17の何れか一項に記載の検査ツールを更に含む、リソグラフィ装置。
【0075】
[0081] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用についての具体的な言及がなされ得るが、本明細書で説明するリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用の誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造などの、他の用途を有し得ることを理解すべきである。当業者であれば、そのような代替的な用途の文脈では、本明細書での「ウェーハ」又は「ダイ」という用語のいかなる使用も、より一般的な用語である「基板」又は「ターゲット部分」とそれぞれ同義であると見なされ得ることを認識するであろう。本明細書で言及される基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジツール及び/又はインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書における開示は、そのような基板プロセシングツール及び他の基板プロセシングツールに適用されてもよい。更に、基板は、例えば、積層ICを生成するために、2回以上処理され得るので、本明細書で使用される基板という用語は、処理された複数の層を既に含む基板を指すこともある。
【0076】
[0082] 光リソグラフィの文脈での本発明の実施形態の使用についての具体的な言及が上記でなされたが、本発明が他の用途、例えばインプリントリソグラフィに使用され得ることと、文脈が許す限り、本発明が光リソグラフィに限定されないことが認識されるであろう。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスにおけるトポグラフィが基板上に生成されるパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層に押し込まれてもよく、その後、電磁放射、熱、圧力又はこれらの組み合わせを加えることによりレジストを硬化させる。パターニングデバイスは、レジストが硬化された後に、レジストから外されて、レジストにパターンを残す。
【0077】
[0083] 本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365、248、193、157若しくは126nm又はそれらの近辺の波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、並びにイオンビーム又は電子ビームなどの、粒子ビームを含む、全てのタイプの電磁放射を包含する。
【0078】
[0084] 「レンズ」という用語は、文脈が許す限り、屈折型、反射型、磁気型、電磁型及び静電型光学コンポーネントを含む、種々のタイプの光学コンポーネントの任意の1つ又は組み合わせを指すことがある。
【0079】
[0085] 本発明の具体的な実施形態を上で説明してきたが、上で説明した以外の仕方で本発明が実施され得ることが認識されよう。例えば、本発明は、上で開示した方法を記述する機械可読命令の1つ若しくは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はかかるコンピュータプログラムが記憶されたデータ記録媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスク若しくは光ディスク)の形態をとってもよい。
【0080】
[0086] 上の説明は、限定的なものではなく例示的なものと意図されている。したがって、以下に記載する特許請求の範囲から逸脱することなく、説明した本発明に修正を加え得ることは、当業者には明らかであろう。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】