(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021500812
(43)【公表日】20210107
(54)【発明の名称】無線ネットワークにおけるオンデマンドルート同期及びビームフォーミング
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/18 20090101AFI20201204BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20201204BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20201204BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20201204BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20201204BHJP
【FI】
   !H04W84/18
   !H04W8/00 110
   !H04W56/00
   !H04W16/28
   !H04B7/06 950
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】46
(21)【出願番号】2020522993
(86)(22)【出願日】20181029
(85)【翻訳文提出日】20200423
(86)【国際出願番号】IB2018058460
(87)【国際公開番号】WO2019087046
(87)【国際公開日】20190509
(31)【優先権主張番号】62/581,827
(32)【優先日】20171106
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/919,465
(32)【優先日】20180313
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南1丁目7番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アブエルサウード モハメド
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 95112 サンノゼ ノース ファースト ストリート 1730
(72)【発明者】
【氏名】迫田 和之
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 95112 サンノゼ ノース ファースト ストリート 1730
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD25
5K067EE25
5K067EE34
5K067HH22
5K067HH23
5K067JJ41
(57)【要約】
無線メッシュネットワーク内の局(ノード)が、ネットワーク規模の同期及び潜在的近隣間におけるアクティブリンクの形成を必要とせずにメッシュネットワーク内にノードを形成することによって無線通信を実行する。ノードは、付近のノードから送信されたビーコンをリスンすることによって、ネットワーク内の近隣に関する情報を取得する。ルート設定処理によってデータ送信セッションが引き起こされて開始するとすぐに、同期及びアクティブリンクが確立される。新たなルートの確立時に実行されるリンク形成プロセスは、ビームフォーミング及び同期の両方を実行する。新たなルートが他のアクティブルートに交わらない状況では独立同期が実行されるが、交わったルートが存在する時には、新たなルートが全ての交わったルートと同期して、ノードが両ルートにサービス提供するように構成される。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)それぞれが異なる送信方向を有する複数のアンテナパターンセクタを有する指向性ミリメートル波(mmW)通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するように構成された無線通信回路と、
(b)前記メッシュネットワーク上で動作するように構成された局内の、前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、
(c)前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリと、
を備え、
(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、
(i)前記局を、前記メッシュネットワーク上の近隣ピア局に関する情報を決定するための前記メッシュネットワーク上のピア局として動作させるステップと、
(ii)ネットワーク規模の同期を伴わず、潜在的近隣間のアクティブリンクを形成する必要なく、メッシュネットワーク内にノードを形成するステップと、
(iii)ルート設定手順によってデータ送信セッションが引き起こされて開始するとすぐに、同期及びアクティブリンクを確立するステップと、
を実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記無線通信回路は、sub−6GHz無線通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するようにも構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メッシュネットワークに新規ノードが参加する際に前記新規ノードを認証するステップと、前記メッシュネットワーク内の各ノードにおける利用可能な近隣ノードのリストを維持するステップとをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メッシュネットワークに新規ノードが参加した時点で前記新規ノードを他のメッシュノードリストに追加し、データセッションにおいてデータ通信を実行することが必要になった時点で、利用可能な近隣ノードに関する収集された情報に基づいて他のノードとのリンクを確立するステップをさらに実行する、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、データセッションの開始時にルート設定を開始するステップをさらに実行し、ルート設定中、メッシュノードは、他のメッシュノードを通じたルーティングによってソースノードと宛先ノードとの間の前記データセッションのリンクを形成するように構成され、リンク形成プロセスは、ビームフォーミング動作及び同期動作の両方を含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メッシュネットワーク内で確立された新たなルートが現在アクティブなルートに交わらない状況において、前記新たなルートを前記アクティブなルートのイニシエータに単独で同期させるステップをさらに実行する、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記新たなルートが他のアクティブなルートに交わってノードが両ルートにサービス提供するように構成された状況において、前記新たなルートを全ての交わったルートに同期させるステップをさらに実行する、
請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、全ての交わったルートから新たなマスタクロックを選択するステップをさらに実行し、前記新たなマスタクロックは、同期信号の送信を開始するように構成され、他のノードは、全てのルートを通じて前記同期信号を伝播するように構成される、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、新たなセッションイニシエータを前記新たなマスタクロックとして自動的に確立するステップを実行する、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
メッシュネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)それぞれが異なる送信方向を有する複数のアンテナパターンセクタを有する指向性ミリメートル波(mmW)通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するように構成された無線通信回路と、
(b)前記メッシュネットワーク上で動作するように構成された局内の、前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、
(c)前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリと、
を備え、
(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、
(i)前記局を、前記メッシュネットワーク上の近隣ピア局に関する情報を決定するための前記メッシュネットワーク上のピア局として動作させるステップと、
(ii)ネットワーク規模の同期を伴わず、潜在的近隣間のアクティブリンクを形成する必要なく、メッシュネットワーク内にノードを形成するステップと、
(iii)新規ノードが前記メッシュネットワークに参加する際に前記新規ノードを認証し、前記メッシュネットワーク内の各ノードにおける利用可能な近隣ノードのリストを維持するステップと、
(iv)ルート設定手順によってデータ送信セッションが引き起こされて開始するとすぐに、同期及びアクティブリンクを確立するステップと、
を実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項11】
前記無線通信回路は、sub−6GHz無線通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するようにも構成される、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メッシュネットワークに新規ノードが参加した時点で前記新規ノードを他のメッシュノードリストに追加し、データセッションにおいてデータ通信を実行することが必要になった時点で、利用可能な近隣ノードに関する収集された情報に基づいて他のノードとのリンクを確立するステップをさらに実行する、
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、データセッションの開始時にルート設定を開始するステップをさらに実行し、ルート設定中、メッシュノードは、他のメッシュノードを通じたルーティングによってソースノードと宛先ノードとの間の前記データセッションのリンクを形成するように構成され、リンク形成プロセスは、ビームフォーミング動作及び同期動作の両方を含む、
請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メッシュネットワーク内で確立された新たなルートが現在アクティブなルートに交わらない状況において、前記新たなルートを前記アクティブなルートのイニシエータに単独で同期させるステップをさらに実行する、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記新たなルートが他のアクティブなルートに交わってノードが両ルートにサービス提供するように構成された状況において、前記新たなルートを全ての交わったルートに同期させるステップをさらに実行する、
請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、全ての交わったルートから新たなマスタクロックを選択するステップをさらに実行し、前記新たなマスタクロックは、同期信号の送信を開始するように構成され、他のノードは、全てのルートを通じて前記同期信号を伝播するように構成される、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、新たなセッションイニシエータを前記新たなマスタクロックとして自動的に確立するステップを実行する、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
メッシュネットワークにおける無線通信の実行方法であって、
(a)それぞれが異なる送信方向を有する複数のアンテナパターンセクタを有する指向性ミリメートル波(mmW)通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するように構成された局である無線通信回路を動作させるステップと、
(b)前記局を、近隣ピア局に関する情報を決定するためのピア局として動作させるステップと、
(c)ネットワーク規模の同期を伴わず、潜在的近隣間のアクティブリンクを形成する必要なく、メッシュネットワーク内にノードを形成するステップと、
(d)ルート設定手順によってデータ送信セッションが引き起こされて開始するとすぐに、同期及びアクティブリンクを確立するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
sub−6GHz無線通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するステップをさらに含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
新規ノードが前記メッシュネットワークに参加する際に前記新規ノードを認証し、前記メッシュネットワーク内の各ノードにおける利用可能な近隣ノードのリストを維持するステップをさらに含む、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2017年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/581,827号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
〔連邦政府が支援する研究又は開発に関する記述〕
該当なし
【0003】
〔コンピュータプログラム付属書の引用による組み入れ〕
該当なし
【0004】
〔著作権保護を受ける資料の通知〕
本特許文献中の資料の一部は、アメリカ合衆国及びその他の国の著作権法の下で著作権保護を受けることができる。著作権の権利所有者は、合衆国特許商標庁の一般公開ファイル又は記録内に表される通りに第三者が特許文献又は特許開示を複製することには異議を唱えないが、それ以外は全ての著作権を留保する。著作権所有者は、限定ではないが米国特許法施行規則§1.14に従う権利を含め、本特許文献を秘密裏に保持しておく権利のいずれも本明細書によって放棄するものではない。
【0005】
本開示の技術は、一般に局間の指向性無線通信に関し、具体的には、オンデマンド同期及びビームフォーミングの実行に関する。
【背景技術】
【0006】
ミリメートル波長(mm波又はmmW)形態の無線ネットワークがますます重要になってきている。さらなる高トラフィック容量ニーズに起因して、ネットワークオペレータは高密度化の概念を受け入れ始めている。現在のsub−6GHz無線技術は、無線ネットワークにおける高データ需要に対処するには十分でない。1つの容易な選択肢は、ミリメートル波帯(mmW)と呼ばれる30〜300GHzバンドにおけるさらなるスペクトルを利用することである。
【0007】
一般に、mmW無線システムを可能にするには、高周波帯のチャネル障害及び伝搬特性に正しく対応する必要がある。高自由空間経路損失、高い侵入損失、反射損失及び回折損失は、利用可能なダイバーシチを低減し、見通し外(NLOS)通信を制限する。
【0008】
mmWの短波長は、実用的な寸法の高利得電子操作型指向性アンテナ(high−gain electronically steerable directional antennas)の使用を可能にする。この技術は、経路損失を克服して受信機における高い信号対雑音比(SNR)を確実にするのに十分な配列利得(array gain)を提供することができる。高密度展開環境及びmmW帯における指向性メッシュネットワークの使用は、ノード間の信頼できる通信を実現して見通し内制約チャネル制約を克服するための効率的な方法を提供する。
【0009】
領域内で作動した新規通信ノード(局)は、発見すべき近隣ノードと参加すべきネットワークとを探索する。ノードからネットワークへの初期アクセスプロセスは、近隣ノードをスキャンして全てのアクティブなローカルノードを発見することを含む。このプロセスは、参加すべき特定のネットワーク/ネットワークリストを新規ノードが探索し、或いは新規ノードを受け入れる予定のいずれかの既存のネットワークに参加するためのブロードキャスト要求を新規ノードが送信することを通じて実行することができる。
【0010】
メッシュネットワークに接続するノードは、全ての近隣ノードを発見して、ゲートウェイ/ポータルメッシュノードに到達するための最良の方法、及びこれらの各近隣ノードの能力を判断する必要がある。新規ノードは、候補となる近隣ノードの全てのチャネルを特定の期間にわたって検査する。この特定の時間後にアクティブノードが検出されなければ、ノードは次のチャネルに移行する。
【0011】
ノードが検出されると、新規ノードは、自機(そのPHY層)を調節領域における動作のために構成するのに十分な利用可能情報を収集する必要がある。mm波通信では、指向性送信に起因してこのタスクがさらに困難である。このプロセスにおける課題は、(a)周辺ノードIDの知識、(b)ビームフォーミングにとって最良な送信パターンの知識、(c)期間全体にわたるネットワーク全体の同期維持、(d)衝突及びデフネスに起因するチャネルアクセス問題、及び(e)閉塞及び反射に起因するチャネル障害、として要約することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、mm波D2D技術及びメッシュ技術の普及を可能にするために、上記の問題の一部又は全部を克服する改善された近隣発見方法が求められている。しかしながら、既存のメッシュネットワーキング技術は、ブロードキャストモードで動作するネットワークのメッシュ発見ソリューションに取り組んでおり、指向性無線通信を伴うネットワークをそれほど目的としていない。
【0013】
従って、無線通信ネットワークにおける強化された同期及びビームフォーミング機構に対するニーズが存在する。本開示は、このニーズを満たすとともに、これまでの技術を凌駕するさらなる利点をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0014】
それぞれが異なる送信方向を有する複数のアンテナパターンセクタを有する指向性ミリメートル波(mmW)通信を含む他の無線通信局(ノード)と無線で通信するように構成されたプログラムを伴う無線通信回路(局、ノード)。この局は、メッシュネットワーク上の近隣のピア局とのアソシエーションを確立して保持するメッシュネットワーク上のピア局として動作する。ノードは、ネットワーク規模の同期、及び潜在的近隣間におけるアクティブリンク(データの送信に使用され、モニタされ、維持されるリンク)の形成を必要とすることなく、メッシュネットワーク内に形成される。従って、ルート設定手順によってデータ送信セッションが引き起こされて開始するとすぐに、同期及びアクティブリンクが確立される。
【0015】
ノードは、この安定状態における接続性によってその近隣リスト内などの近隣を認識し、これらの近隣にビームフォーミング又は実際の接続を行うことなく近隣の能力及び位置に関する追加情報を得ることができる。ノードは、付近のノードから送信されたビーコンをリスンすることによってこれらの近隣を認識するようになる。各ノードは、特定のビーコン送信間隔で全方向にビーコンを送信する。ノードは、少なくとも1つの他のノードとの終端間接続を確立しようと意図するノードによってルート又はデータセッションが開始されない限り、ビーコン信号を受け取った他のノードとのアクティブリンクを形成する必要はない。
【0016】
本開示は、リンクバジェット及びMAC効率の改善を含む複数の利点をもたらすと同時に、APにおける通信の衝突を低減する。BFトレーニングをデータ送信間隔(DTI)にまで延長する必要性も低減される。さらに、APからSTAへの明確なスケジューリング情報の交換のためのオーバヘッドも抑えられる。
【0017】
本開示では、一般に後述する意味を有する複数の用語を利用する。
【0018】
A−BFT:アソシエーション−ビームフォーミングトレーニング期間:ネットワークに参加する新規局(STA)のアソシエーション及びBFトレーニングに使用される、ビーコンで通知される期間。
【0019】
AP:アクセスポイント:1つの局(STA)を含み、関連するSTAの無線媒体(WM)を通じて配信サービスへのアクセスを提供するエンティティ。
【0020】
ビームフォーミング(BF):全方向アンテナパターン又は準全方向アンテナパターンを使用しない指向性送信。ビームフォーミングは、対象の受信機における受信信号電力又は信号対雑音比(SNR)を改善するために送信機において使用される。
【0021】
BI:ビーコン間隔は、ビーコン送信時間の合間の時間を表す周期的スーパーフレーム期間(cyclic superframe period)である。
【0022】
BRP:BF精緻化プロトコル:受信機トレーニングを可能にし、最良の指向性通信を達成するために送信機側及び受信機側を繰り返しトレーニングするBFプロトコル。
【0023】
BSS:ベーシックサービスセット:ネットワーク内のAPとの同期に成功した一連の局(STA)。
【0024】
BSSID:基本サービスセット識別。
【0025】
BHI:ビーコン送信間隔(BTI)及びアソシエーション−ビームフォーミングトレーニング期間(A−BFT)を含むビーコンヘッダ間隔。
【0026】
BTI:ビーコン送信間隔は、連続するビーコン送信間の間隔である。
【0027】
CBAP:競合ベースのアクセス期間:競合ベースの拡張分散チャネルアクセス(enhanced distributed channel access:EDCA)を使用する指向性マルチギガビット(DMG)BSSのデータ転送間隔(DTI)内の期間。
【0028】
DTI:データ転送間隔:完全なBFトレーニングに続いて実際のデータ転送を行うことができる期間。DTIは、1又は2以上のサービス期間(SP)及び競合ベースのアクセス期間(CBAP)を含むことができる。
【0029】
MACアドレス:媒体アクセス制御(MAC)アドレス。
【0030】
MBSS:メッシュベーシックサービスセット:メッシュ局(MSTA)の自己完結型ネットワーク(self−contained network)を形成するベーシックサービスセット(BSS)であり、配信システム(DS)として使用することができる。
【0031】
MCS:変調符号化スキーム:PHY層データレートに換算できる指数。
【0032】
MSTA:メッシュ局(MSTA):メッシュ施設を実装する局(STA)。メッシュBSS内で動作するMSTAは、他のMSTAに配信サービスを提供することができる。
【0033】
全方向性:無指向性アンテナ送信モード。
【0034】
準全方向性:最も広いビーム幅を達成できる指向性マルチギガビット(DMG)アンテナ動作モード。
【0035】
受信セクタスイープ(RXSS):連続する受信間にスイープが行われる、異なるセクタを介したセクタスイープ(SSW)フレームの受信。
【0036】
RXBF:受信機ビームフォーミング。
【0037】
SLS:セクタレベルスイープ段階:SSWフィードバック及びSSW ACKなどを使用してイニシエータをトレーニングするためのイニシエータセクタスイープ(ISS)、レスポンダリンクをトレーニングするためのレスポンダセクタスイープ(RSS)といった4つほどのコンポーネントを含むことができるBFトレーニング段階。
【0038】
SNR:dB単位の受信信号対雑音比。
【0039】
SP:サービス期間:アクセスポイント(AP)によってスケジュールされるSP。スケジュールされたSPは、一定の時間間隔で開始する。
【0040】
スペクトル効率:特定の通信システムにおいて所与の帯域幅を通じて送信できる情報率であり、通常はビット/秒又はHzで表される。
【0041】
STA:局:無線媒体(WM)への媒体アクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)インターフェイスのアドレス指定可能なインスタンスである論理エンティティ。
【0042】
スイープ:送信機又は受信機のアンテナ構成が送信間で変更される、短期ビームフォーミングインターフレーム(SBIFS)間隔によって分離された一連の送信。
【0043】
SSW:セクタスイープは、異なるセクタ(方向)で送信を行って、受信信号及び強度などに関する情報を収集する動作である。
【0044】
送信セクタスイープ(TXSS):連続する送信間にスイープが行われる、異なるセクタを介した複数のセクタスイープ(SSW)又は指向性マルチギガビット(DMG)ビーコンフレームの送信。
【0045】
本明細書の以下の部分では、本明細書で説明する技術のさらなる態様が明らかになり、この詳細な説明は、本技術の好ましい実施形態を制限することなく完全に開示するためのものである。
【0046】
本明細書で説明する技術は、例示のみを目的とする以下の図面を参照することによって十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】IEEE 802.11無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)において行われるアクティブスキャンのタイミング図である。
【図2】メッシュ局と非メッシュ局との組み合わせを示すメッシュネットワークのノード図である。
【図3】IEEE 802.11 WLANのメッシュ識別要素を示すデータフィールド図である。
【図4】IEEE 802.11 WLANのメッシュ構成要素を示すデータフィールド図である。
【図5】IEEE 802.11adプロトコルでのアンテナセクタスイーピング(SSW)の概略図である。
【図6】IEEE 802.11adプロトコルでのセクタレベルスイーピング(SLS)のシグナリングを示すシグナリング図である。
【図7】IEEE 802.11adのセクタスイープ(SSW)フレーム要素を示すデータフィールド図である。
【図8】IEEE 802.11adのSSWフレーム要素内のSSWフィールドを示すデータフィールド図である。
【図9A】802.11adに利用される、ISSの一部として送信される時に示されるSSWフィードバックフィールドを示すデータフィールド図である。
【図9B】802.11adに利用される、ISSの一部として送信されない時に示されるSSWフィードバックフィールドを示すデータフィールド図である。
【図10】本開示の実施形態に従って利用される、無線ネットワークにおける無線mm波ノードの無線ノードトポロジー例を示す図である。
【図11】本開示の実施形態による局ハードウェアのブロック図である。
【図12】本開示の実施形態による、mmWアンテナシステムによって生成されるビームパターン図である。
【図13】本開示の実施形態による、sub−6GHzアンテナによって生成されるビームパターン図である。
【図14A】本開示の実施形態による、近隣リストを管理するノードのフロー図である。
【図14B】本開示の実施形態による、近隣リストを管理するノードのフロー図である。
【図15A】本開示の実施形態による、認証手順を示すノードトポロジー図である。
【図15B】本開示の実施形態による、認証手順を示すノードトポロジー図である。
【図15C】本開示の実施形態による、認証手順を示すノードトポロジー図である。
【図15D】本開示の実施形態による、認証手順を示すノードトポロジー図である。
【図16A】本開示の実施形態による、ブロードキャストを通じた発見ビームの新規ノード認証のメッセージ受け渡し図である。
【図16B】本開示の実施形態による、ブロードキャストを通じた発見ビームの新規ノード認証のメッセージ受け渡し図である。
【図17】本開示の実施形態による、ビームフォーミングを通じた新規ノード認証のメッセージ受け渡し図である。
【図18A】本開示の実施形態による、ルート要求ブロードキャストを示すノードトポロジー図である。
【図18B】本開示の実施形態による、ルート要求ブロードキャストを示すノードトポロジー図である。
【図18C】本開示の実施形態による、ルート要求ブロードキャストを示すノードトポロジー図である。
【図19A】本開示の実施形態による、ブロードキャストを通じたルート応答を示すノードトポロジー図である。
【図19B】本開示の実施形態による、ブロードキャストを通じたルート応答を示すノードトポロジー図である。
【図19C】本開示の実施形態による、ブロードキャストを通じたルート応答を示すノードトポロジー図である。
【図20A】本開示の実施形態による、ブロードキャストを通じたルート応答伝播を示すノードトポロジー図である。
【図20B】本開示の実施形態による、ブロードキャストを通じたルート応答伝播を示すノードトポロジー図である。
【図20C】本開示の実施形態による、ブロードキャストを通じたルート応答伝播を示すノードトポロジー図である。
【図21A】本開示の実施形態による、ビーコンRREQ及びRRESを用いたビームフォーミングを示すノードトポロジー図である。
【図21B】本開示の実施形態による、ビーコンRREQ及びRRESを用いたビームフォーミングを示すノードトポロジー図である。
【図21C】本開示の実施形態による、ビーコンRREQ及びRRESを用いたビームフォーミングを示すノードトポロジー図である。
【図22A】本開示の実施形態による、ビーコンRREQ、RRES及びRRESフィードバックを用いたビームフォーミングを示すノードトポロジー図である。
【図22B】本開示の実施形態による、ビーコンRREQ、RRES及びRRESフィードバックを用いたビームフォーミングを示すノードトポロジー図である。
【図22C】本開示の実施形態による、ビーコンRREQ、RRES及びRRESフィードバックを用いたビームフォーミングを示すノードトポロジー図である。
【図23A】本開示の実施形態による、デマンドルーティング、ビームフォーミング及び同期のフロー図である。
【図23B】本開示の実施形態による、デマンドルーティング、ビームフォーミング及び同期のフロー図である。
【図23C】本開示の実施形態による、デマンドルーティング、ビームフォーミング及び同期のフロー図である。
【図23D】本開示の実施形態による、デマンドルーティング、ビームフォーミング及び同期のフロー図である。
【図24】本開示の実施形態による、直交ルータ同期を示すノードトポロジー図である。
【図25】本開示の実施形態による、重複ルートの同期を示すノードトポロジー図である。
【図26】本開示の実施形態による、RREQフレームフォーマットのデータフィールド図である。
【図27】本開示の実施形態による、RRESフレームフォーマットのデータフィールド図である。
【図28】本開示の実施形態による、RRES ACKフレームフォーマットのデータフィールド図である。
【図29】本開示の実施形態による、クロックマスタ同期割り当て要求のデータフィールド図である。
【図30】本開示の実施形態による、クロックマスタ同期割り当て応答のデータフィールド図である。
【図31】本開示の実施形態による、クロックマスタ同期割り当て応答ACKのデータフィールド図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
1.既存の指向性無線ネットワーク技術
1.1 WLANシステム
WLANシステムの802.11では、パッシブスキャン及びアクティブスキャンという2つのスキャンモードが規定される。以下は、パッシブスキャンの特性である。(a)ネットワークに参加しようと試みる新規局(STA)が、各チャネルを検査し、最大でMaxChannelTimeにわたってビーコンフレームを待つ。(b)ビーコンが受け取られなかった場合、新規STAは別のチャネルに移行し、従ってスキャンモードで信号を送信しないのでバッテリ電力を節約する。STAは、ビーコンを見逃さないように各チャネルにおいて十分な時間にわたって待つべきである。ビーコンが失われた場合、STAはさらなるビーコン送信間隔(BTI)にわたって待つべきである。
【0049】
以下は、アクティブスキャンの特性である。(a)ローカルネットワークに参加したいと望む新規STAが、以下に従って各チャネル上でプローブ要求フレームを送信する。(a)(1)STAは、あるチャネルに移行して、着信フレーム、又はプローブ遅延タイマの満了を待つ。(a)(2)タイマの満了後にフレームが検出されなかった場合、このチャネルは未使用とみなされる。(a)(3)チャネルが未使用である場合、STAは新たなチャネルに移行する。(a)(4)チャネルが使用中である場合、STAは、通常のDCFを使用して媒体にアクセスしてプローブ要求フレームを送信する。(a)(5)チャネルがそれまでに使用中でなかった場合、STAは、プローブ要求に対する応答を受け取るために所望の期間(例えば、Minimum Channel Time)にわたって待つ。チャネルが使用中であってプローブ応答が受け取られた場合、STAは、さらなる時間(例えば、Maximum Channel Time)にわたって待つ。
【0050】
(b)プローブ要求は、一意のサービスセット識別子(SSID)、SSIDのリスト又はブロードキャストSSIDを使用することができる。(c)周波数帯によっては、アクティブスキャンが禁止されていることもある。(d)アクティブスキャンは、特に多くの新規STAが同時に到着してネットワークにアクセスしようと試みる場合に干渉及び衝突の原因となり得る。(e)アクティブスキャンは、パッシブスキャンの使用に比べてSTAがビーコンを待つ必要がないので、STAがネットワークにアクセスするための高速な(素早い)方法である。(f)インフラストラクチャベーシックサービスセット(BSS)及びIBSSでは、少なくとも1つのSTAがプローブを受け取って応答しようと目を光らせている。(g)メッシュベーシックサービスセット(MBSS)内のSTAは、いずれかの時点で応答に目を光らせていないこともある。(h)無線測定キャンペーンがアクティブの時には、ノードがプローブ要求に応答しないこともある。(i)プローブ応答の衝突が生じることもある。STAは、最後のビーコンを送信したSTAが最初のプローブ応答を送信できるようにすることによってプローブ応答の送信を協調させることができる。他のノードは、衝突を回避するためにバックオフ時間及び通常の分散制御機構(DCF)チャネルアクセスに従ってこれらを使用することができる。
【0051】
図1に、プローブを送信するスキャン局と、プローブを受け取ってこれに応答する2つの応答局とを示す、IEEE 802.11 WLANにおけるアクティブスキャンの使用を示す。この図には、最小プローブ応答タイミング及び最大プローブ応答タイミングも示す。図示の値G1は、確認応答の送信前のフレーム間間隔であるSIFSに設定されるのに対し、G3は、バックオフ期間の完了後であってRTSパッケージの送信前に送信側が待機する時間遅延を表すDCFフレーム間間隔であるDIFSである。
【0052】
1.2 IEEE 802.11sメッシュWLAN
IEEE 802.11s(以下、802.11s)は、802.11標準に無線メッシュネットワーキング能力を加えた標準である。802.11sでは、新たなタイプの無線局と、メッシュネットワーク発見、ピアツーピア接続の確立及びメッシュネットワークを通じたデータのルーティングを可能にする新たなシグナリングとが規定される。
【0053】
図2には、非メッシュSTAの混合がメッシュSTA/APに接続し(実線)、メッシュSTAがメッシュポータルを含む他のメッシュSTAに接続する(点線)メッシュネットワークの一例を示す。メッシュネットワーク内のノードは、802.11標準で規定されている同じスキャン技術を近隣発見に使用する。メッシュネットワークの識別は、ビーコン及びプローブ応答フレームに含まれるメッシュID要素によって行われる。1つのメッシュネットワークでは、全てのメッシュSTAが同じメッシュプロファイルを使用する。メッシュプロファイルは、メッシュプロファイル内の全てのパラメータが一致する場合に同じものとみなされる。メッシュプロファイルは、その近隣のメッシュSTAがスキャンを通じてメッシュプロファイルを取得できるようにビーコン及びプローブ応答フレームに含まれる。
【0054】
メッシュSTAがスキャンプロセスを通じて近隣メッシュSTAを発見すると、発見されたメッシュSTAはピアメッシュSTA候補とみなされる。このメッシュSTAは、発見されたメッシュSTAがメンバであるメッシュネットワークのメンバになって近隣メッシュSTAとのメッシュピアリングを確立することができる。発見された近隣メッシュSTAは、受信ビーコンと同じメッシュプロファイルを使用している場合、或いはプローブ応答フレームがその近隣メッシュSTAを示す場合、ピアメッシュSTA候補とみなすことができる。
【0055】
メッシュSTAは、(a)近隣MACアドレス、(b)動作チャネル番号、及び(c)最近観察されたリンク状況及び品質情報を含む発見された近隣情報をメッシュ近隣テーブル内に維持しようと試みる。近隣が検出されなかった場合、メッシュSTAは、その最優先プロファイルのメッシュIDを使用してアクティブな状態を保つ。近隣メッシュSTAを発見するための全ての上述したシグナリングはブロードキャストモードで実行される。802.11sは、指向性無線通信を伴うネットワークを対象としたものではないと理解されたい。
【0056】
図3に、メッシュネットワークの識別を通知するために使用されるメッシュ識別要素(メッシュID要素)を示す。メッシュIDは、メッシュネットワークに参加する用意がある新規STAによってプローブ要求で送信され、また既存のメッシュネットワークSTAによってビーコン及び信号で送信される。長さ0のメッシュIDフィールドは、プローブ要求フレーム内で使用されるワイルドカードメッシュIDを示す。ワイルドカードメッシュIDは、非メッシュSTAがメッシュネットワークに参加するのを防ぐ特定のIDである。なお、メッシュ局は、非メッシュ局よりも多くの特徴を有するSTAであり、例えば他のいくつかのモジュールに加えてメッシュ機能を提供するモジュールとして動作するSTAを有するようなものであると認識されたい。STAがこのメッシュモジュールを有していない場合には、メッシュネットワークへの接続を許可すべきではない。
【0057】
図4に、メッシュSTAによって送信されるビーコンフレーム及びプローブ応答フレームに含まれる、メッシュサービスの通知に使用されるメッシュ構成要素を示す。メッシュ構成要素の主要内容は、(a)経路選択プロトコル識別子、(b)経路選択メトリック識別子、(c)輻輳制御モード識別子、(d)同期方法識別子、及び(e)認証プロトコル識別子である。メッシュ構成要素の内容は、メッシュIDと共にメッシュプロファイルを形成する。
【0058】
802.11a標準は、メッシュ発見、メッシュピアリング管理、メッシュセキュリティ、メッシュビーコン送信及び同期、メッシュ調節機能、メッシュ電力管理、メッシュチャネルスイッチング、3アドレス、4アドレス、及び拡張アドレスフレームフォーマット、メッシュ経路選択及び転送、外部ネットワークとの相互作用、メッシュ間輻輳制御、並びにメッシュBSSにおける緊急サービスサポートを含む多くの手順及びメッシュ機能を定める。
【0059】
1.3 WLANにおけるミリメートル波
一般に、ミリメートル波帯におけるWLANでは、高い経路損失を考慮して通信にとって十分なSNRを提供するために、送信、受信、又はこれらの両方に指向性アンテナを使用する必要がある。送信又は受信において指向性アンテナを使用すると、スキャンプロセスも指向性になる。IEEE 802.11ad及び新たな標準802.11ayでは、ミリメートル波帯を介した指向性送受信のためのスキャン及びビームフォーミング手順が規定される。
【0060】
1.4 IEEE 802.11adのスキャン及びBFトレーニング
mm波WLANの最先端システムの例は、802.11ad標準である。
【0061】
1.4.1 スキャン
新規STAは、特定のSSID、SSIDリスト、又は全ての発見されたSSIDをスキャンするためにパッシブ又はアクティブスキャンモードで動作する。パッシブなスキャンを行うには、STAが、SSIDを含むDMGビーコンフレームをスキャンする。アクティブなスキャンを行うには、DMG STAが、所望のSSID又は1又は2以上のSSIDリスト要素を含むプローブ要求フレームを送信する。DMG STAは、プローブ要求フレームの送信前に、DMGビーコンフレームの送信又はビームフォーミングトレーニングの実行を行うことが必要な場合もある。
【0062】
1.4.2 BFトレーニング
BFトレーニングは、セクタスイープを使用するBFトレーニングフレーム送信の双方向シーケンスであり、各STAが送信及び受信の両方に適したアンテナシステム設定を決定するために必要なシグナリングを行う。
【0063】
802.11adのBFトレーニングプロセスは、3段階で実行することができる。(1)セクタレベルスイープ段階を実行することにより、リンク取得のために指向性送信及び低利得(準全方向性)受信を実行する。(2)複合送受信(combined transmit and receive)のために、受信利得及び最終調整を加える精緻化段階を実行する。(3)その後、データ送信中にトラッキングを実行して、チャネル変更に合わせた調整を行う。
【0064】
1.4.3 802.11adのSLS BFトレーニング段階
ここでは、802.11ad標準のセクタレベルスイープ(SLS)必須段階に焦点を置く。SLS中には、一対のSTAが、異なるアンテナセクタを介して一連のセクタスイープ(SSW)フレーム(又は、PCP/APにおける送信セクタトレーニングの場合にはビーコン)を交換して、最も高い信号品質を提供するセクタを発見する。最初に送信を行う局はイニシエータと呼ばれ、2番目に行う局はレスポンダと呼ばれる。
【0065】
送信セクタスイープ(TXSS)中には、異なるセクタ上でSSWフレームが送信され、対を成すノード(レスポンダ)が準全方向性パターンを利用してこれを受け取る。レスポンダは、最良のリンク品質(例えば、SNR)を提供するイニシエータのアンテナアレイセクタを決定する。
【0066】
図5に、802.11adでのセクタスイープ(SSW)の概念を示す。この図には、STA1がSLSのイニシエータであってSTA2がレスポンダである例を示す。STA1は、送信アンテナパターン微細セクタ(transmit antenna pattern fine sectors)を全てスイープし、STA2は、準全方向性パターンで受け取る。STA2は、STA1から受け取った最良のセクタをSTA2にフィードバックする。
【0067】
図6に、802.11ad仕様で実装されるセクタレベルスイープ(SLS)プロトコルのシグナリングを示す。送信セクタスイープの各フレームは、セクタカウントダウン指示(CDOWN)、セクタID及びアンテナIDに関する情報を含む。最良のセクタID及びアンテナID情報は、セクタスイープフィードバック及びセクタスイープACKフレームと共にフィードバックされる。
【0068】
図7に、以下で概説するフィールドを含む、802.11ad標準で利用されるセクタスイープフレーム(SSWフレーム)のフィールドを示す。Duration(継続時間)フィールドは、SSWフレーム送信の最後までの時間に設定される。RAフィールドは、セクタスイープの所定の受信者であるSTAのMACアドレスを含む。TAフィールドは、セクタスイープフレームの送信STAのMACアドレスを含む。
【0069】
図8に、SSWフィールド内のデータ要素を示す。SSWフィールドで搬送される主要情報は以下の通りである。Direction(方向)フィールドは、0に設定されると、ビームフォーミングイニシエータによってフレームが送信されることを示し、1に設定されると、ビームフォーミングレスポンダによってフレームが送信されることを示す。CDOWNフィールドは、TXSSの最後までの残りのDMGビーコンフレーム送信の数を示すダウンカウンタである。セクタIDフィールドは、このSSWフィールドを含むフレームを送信するセクタ番号を示すように設定される。DMG Antenna(アンテナ)IDフィールドは、送信機がこの送信のために現在どのDMGアンテナを使用しているかを示す。RXSS Length(長さ)フィールドは、CBAPで送信された時にのみ有効であり、そうでない場合には留保される。このRXSS Lengthフィールドは、送信側STAによって要求された受信セクタスイープの長さを指定し、SSWフレームの単位で定義される。SSW Feedback(SSWフィードバック)フィールドについては以下で定義する。
【0070】
図9A及び図9Bに、SSWフィードバックフィールドを示す。図9Aに示すフォーマットは、内部下位層サービス(ISS)の一部として送信される時に利用され、図9Bのフォーマットは、ISSの一部として送信されない時に使用される。Total Sectors in the ISS(ISS内総セクタ)フィールドは、イニシエータがISSにおいて使用する総セクタ数を示す。Number of RX DMG Antennas(RX DMGアンテナ数)サブフィールドは、イニシエータが次の受信セクタスイープ(RSS)中に使用する受信DMGアンテナの数を示す。Sector Select(セクタ選択)フィールドは、直前のセクタスイープにおいて最良の品質で受け取られたフレーム内のSSWフィールドのvalue of Sector ID(セクタID値)サブフィールドを含む。DMG Antenna Select(DMGアンテナ選択)フィールドは、直前のセクタスイープにおいて最良の品質で受け取られたフレーム内のSSWフィールドのDMG Antenna ID(DMGアンテナID)サブフィールドの値を示す。SNRレポートフィールドは、直前のセクタスイープ中に最良の品質で受け取られた、セクタ選択フィールドに示されるフレームのSNRの値に設定される。Poll Required(ポール要求)フィールドは、非PCP/非AP STAによって1に設定されると、PCP/APに非PCP/非APとの通信を開始するように要求することを示す。Poll Requiredフィールドは、0に設定されると、PCP/APが通信を開始するかどうかに関する設定を非PCP/非APが有していないことを示す。
【0071】
2.オンデマンドルート同期及びビームフォーミング概論
2.1.課題の記述
IEEE802.11WLAN標準には、STA間のタイミング同期を実現するためのタイミング同期機能(TSF)が指定されている。タイミング同期は、局がビーコンフレームを通じて定期的にタイミング情報を交換することによって達成される。
【0072】
(インフラ)BSSでは、APがTSF情報をビーコンで送信する。TSFは、同じ基本サービスセット(BSS)内の全ての局のタイマを同期状態に保つ。
【0073】
独立基本サービスセット(IBSS、アドホック)では、各局が競い合ってビーコンを送信する。各局は、マイクロ秒(μs)の増分でカウントを行うTSFタイマを維持する。局は、受信タイミングが局自体のTSFタイマよりも遅い場合、受信タイミングを採用する。
【0074】
現在のmm波通信システムは、送信機と受信機との間の十分なリンクバジェットを獲得するために指向性通信に大きく依拠している。先行技術に見られるように、使用する正しいビームの決定には相当なシグナリングが必要である。APは、送信ビームフォーミングと共に複数のビーコンフレームを送信する。
【0075】
ビーコンは、ネットワークの公表、同期の維持、及びネットワークリソースの管理のために、常に全方向に定期的に送信される。
【0076】
現在の技術動向は、高アンテナ利得による良好なリンクバジェットの確保を可能にする微細ビームフォーミングに向かっている。しかしながら、STAは、微細ビームを採用する場合、十分な伝送角度をカバーするために多くのフレームを送信しながらも、待ち時間制約のためにビーコン送信のオーバヘッドを低減することが必要である。
【0077】
mm波PHY技術を利用してメッシュネットワークを形成することを検討する場合、ネットワーク全体を同期状態に維持することは非常に厳しい制約であり、特に、多くのノードがメッシュノードに接続されているが積極的にデータの送信又は受信を行っていない時には必要でない場合もある。ノードは、1つの経路が実行可能でない場合、接続先のノードのバックアップリストを維持するためにできるだけ多くのノードを発見したいと望むこともできるが、全ての近隣との同期は厳密にすべきではない。
【0078】
2.2.本開示の寄与
あるネットワークを発見したノードがそのネットワークのメンバとして自機を登録できるようにし、このノードがアクティブになる必要性が生じてトラフィックが開始されるとすぐにビームフォーミング及び同期を実行するネットワークプロトコルについて説明する。
【0079】
ノードは、潜在的近隣のビーコンをリスンしてこれらのノードにビーコンを送信することを通じて、このような全ての潜在的近隣をリストする。ビームフォーミングによる潜在的近隣への接続は、常に維持されるわけではない。
【0080】
トラフィックが開始されると、終端間トラフィックルート内のノードがビームフォーミングされ、ルート選択手順全体を通じて同期される。
【0081】
アクティブなデータトラフィックルートの一部であるノードでは、同期及びビームフォーミングが維持される。
【0082】
新たなデータトラフィックルートのクロックマスタは、トラフィックイニシエータノードとすることも、或いは他のいずれかのノードが、自機が一部を成す他のデータトラフィックと同期するためのクロックマスタになるように要求する場合には、他のノードとすることもできる。
【0083】
3.本開示の実施形態
3.1.検討中のトポロジー
図10に、ノードがメッシュ様トポロジーで互いに接続されているがアクティブなリンクが確立又は維持されていない検討中のネットワーク例10のトポロジーを示す。図には、STA1(12)、STA2(14)、STA3(16)、STA4(18)、STA5(20)、STA6(22)、STA7(24)及びSTA8(26)を示す。各局の近隣リストも示しており、これらの局は、全方向に28個のビーコンを送信しているように示す。
【0084】
この安定状態にあるノードの接続性は、ノードが既存の近隣(例えば、近隣リスト)を認識し、これらの近隣にビームフォーミング又は実際の接続を行うことなく、近隣の能力、及び場合によっては位置に関する何らかの情報を得ることができるようなものである。ノードは、付近のノードの送信ビーコンをリスンすることによって近隣を認識する。各ノードは、特定のビーコン送信間隔で全方向にビーコンを送信している。ノードは、少なくとも1つの他のノードとの間に終端間接続を確立しようと意図するノードがルート又はデータセッションを開始しない限り、自機のビーコンを受け取った他のノードとの間にアクティブなリンク(データ送信に使用され、モニタされ、維持されるリンク)を形成するとは考えていない。
【0085】
各ノードは、受け取られたビーコンの送信元である他のノードのリストを維持する。ノードの近隣リストは、メッシュネットワークの一部として、また必要に応じてこれらの近隣ノードのうちのいずれかとの間に潜在的なリンクを形成するものとして認証される。近隣リストは、新たな近隣が発見された時点で、又は近隣がノードのカバレッジエリアから外れた場合に、或いはノードがオフになった(又は別様に停止した)場合に更新される。
【0086】
近隣リストの作成は、同じ帯域上で近隣ノードから方向ビーコンを受け取ることや、或いはmmW帯の能力を知らせる異なる帯域又はチャネル上でビーコンを受け取ることなどを通じたあらゆる所望の形で行うことができる。
【0087】
3.2.STAハードウェアの構成
図11に、ノード(ネットワーク内の無線局)のハードウェア構成の実施形態例30を示す。この例では、コンピュータプロセッサ(CPU)36及びメモリ(RAM)38がバス34に結合され、バス34は、ノードにセンサ、アクチュエータなどへの外部I/OをもたらすI/O経路32に結合される。プロセッサ36上では、通信プロトコルを実装するプログラムを実行するための、メモリからの命令が実行される。この図示のホストマシンは、近隣ノードとの間でフレームを送受信する複数のアンテナ44a、44b、44c〜44n、46a、46b、46c〜46n、及び48a、48b、48c〜48nへの無線周波数(RF)回路42a、42b、42cに結合されたmmWモデル40を含むように構成される。また、このホストマシンは、(単複の)アンテナ54への無線周波数(RF)回路52に結合されたsub−6GHzモデム50を含むことも分かる。
【0088】
従って、この図示のホストマシンは、2つのモデム(マルチバンド)と、2つの異なる帯域で通信を行うための関連するRF回路とを含むように構成される。mmW帯モデム及びその関連するRF回路は、mmW帯でデータを送受信するように構成される。sub−6GHzモデム及びその関連するRF回路は、sub−6GHz帯でデータを送受信するように構成される。
【0089】
図12に、ノードが複数の(例えば、36個の)mm波アンテナセクタパターンを生成するために利用できるmm波アンテナ方向の実施形態例70を示す。この例では、ノードが、3つのRF回路72a、72b、72cと接続アンテナとを実装し、各RF回路及び接続アンテナは、ビームフォーミングパターン74a、74b、74cを生成する。図示のアンテナパターン74aは、12個のビームフォーミングパターン76a、76b、76c、76d、76e、76f、76g、76h、76i、76j、76k及び76n(「n」は、あらゆる数のパターンをサポートできることを表す)を有する。この特定の構成を使用する局の例は、36個のアンテナセクタを有する。しかしながら、説明を容易かつ明確にするために、以下の節では、一般にさらに少ない数のアンテナセクタを有するノードについて説明する。なお、アンテナセクタには、あらゆる任意の数のビームパターンをマッピングすることができると理解されたい。通常、ビームパターンは、鋭角ビーム(sharp beam)を生成するように形成されるが、複数の角度から信号を送受信するようにビームパターンを生成することも可能である。
【0090】
アンテナセクタは、mm波RF回路の選択と、mm波アレイアンテナコントローラによって指示されるビームフォーミングとによって決まる。STAハードウェアコンポーネントは、上述したものとは異なる機能分割を有することもできるが、このような構成は、説明する構成の変形例とみなすことができる。mm波RF回路及びアンテナの中には、ノードが近隣ノードと通信する必要がないと判断した時に無効にできるものもある。
【0091】
少なくとも1つの実施形態では、RF回路が、周波数変換器及びアレイアンテナコントローラなどを含み、送受信のためにビームフォーミングを実行するように制御される複数のアンテナに接続される。このように、STAは、複数のビームパターンの組を使用して信号を送信することができ、各ビームパターン方向がアンテナセクタとみなされる。
【0092】
この例では、mmWモデムに結合された3つのRF回路を示しているが、mmWモデムには任意の数のRF回路を結合することができると理解されるであろう。一般に、RF回路の数が多ければ多いほど、アンテナビーム方向のカバレッジが広くなる。利用するRF回路の数及びアンテナの数は、特定の装置のハードウェア制約、及びその対象用途によって決まる。RF回路及びアンテナの中には、ノードが近隣STAと通信する必要がないと判断した時に無効にできるものもある。
【0093】
図13に、この例ではRF回路92に取り付けられた準全方向アンテナ94を使用すると想定するsub−6GHzモデムのアンテナパターンの実施形態例90を示す。なお、本教示から逸脱することなく他のアンテナパターン変形例を利用することもできると理解されたい。
【0094】
少なくとも1つの実施形態では、mm波RF回路が、周波数変換器及びアレイアンテナコントローラなどを含み、送受信のためのビームフォーミングを実行するように制御される複数のアンテナに接続される。このように、STAは、複数のビームパターンの組を使用して信号を送信することができ、各ビームパターン方向がアンテナセクタとみなされる。
【0095】
3.3.ネットワークの形成
メッシュネットワークに参加しようと試みる新規ノードは、近隣ノードからのビーコンをリスンするように構成される。これらのビーコンは、近隣ノードの存在を知らせるものであり、ネットワークが動作している帯域と同じ帯域又は異なる帯域で送信することができる。
【0096】
新規ノードは、メッシュノードとして機能し始める前に、全ての近隣ノードをリスンしてその近隣リストを形成する。ビーコンが見つかると、新規ノードは、そのビーコンのメッシュプロファイル又はSSIDを自機のメッシュプロファイル又はSSIDと照合し、照合に成功した場合には近隣ノードへのリンクを認証することを検討する。なお、説明するプロトコルは、新規ノード又は既存のノードが、近隣リストを更新する前に新たに発見された近隣のためのあらゆるリンクを認証する必要があることを要件とする。近隣ノードへのリンクが正常に認証された場合、この近隣ノードは近隣リストに加わる。近隣が見つからなかった場合、新規ノードは、独自のメッシュを形成してビーコンを送信するオプションを有することができる。メッシュネットワークを確立した新規ノード(新規ノード及びこのノードに接続された他のいずれかのノード)は、将来的にメッシュプロファイル/SSIDが一致した場合に別のメッシュネットワークに参加することができる。新規ノードは、メッシュノードへのリンクを認証すると、メッシュプロファイルIDを含むビーコンの送信を開始することができる。
【0097】
図14A及び図14Bに、このビーコン送信を行うメッシュノード、並びに新規ノード及びメッシュノードのビーコン受信のプロセスの実施形態例110を示す。なお、無線局(ノード)ハードウェア(例えば、図11)において実行されるプログラムは、条件及び履歴に応じて異なるモード又は状態(例えば、メッシュノード及び新規ノードなど)で動作するように構成されると理解されたい。
【0098】
プロセスが開始して(112)、メッシュノードがビーコン送信間隔毎にビーコンを送信し(114)、これらのビーコンは帯域内又は帯域外ビーコンとすることができる。ノードは、アクティブでない時には、他のノードからのビーコンを受け取るように探索(「リスン」)を行う(116)。受け取ったビーコンがメッシュノード近隣リスト内のノードに属するかどうかを判定する(118)。ノードがリスト内に存在しない場合、その新規ノードがメッシュプロファイルに一致するかどうかを判定するチェックを行う。(120)。新規ノードがプロファイルに一致する場合、ブロック122において近隣をリストに追加する認証を開始し、実行はブロック126に進む。一方で、ブロック120において新規ノードがメッシュプロファイルに一致しないことが分かった場合、実行は直接ブロック126に進む。ブロック118において近隣リスト内の近隣からビーコンが受け取られたと判定された場合、ブロック124において近隣リストをこの近隣情報で更新する。
【0099】
ブロック126において、次のビーコンを送信する時間であるかどうかをチェックする。そうでない場合、実行はブロック116に戻ってビーコンをリスンする。次のビーコンを送信する時間である場合、メッシュノードは、リストからノードを取り出すべきかどうかを判定するために近隣リスト(データベース)をチェックする(128)。近隣ノードから音沙汰がなく、長時間又はx回のビーコン間隔にわたってビーコンが受け取られなかった場合、メッシュノードは、このノードIDを近隣リストから消去する(130)。
【0100】
以下の節では、3つのメッセージハンドシェーキング認証手順の例を示す。(1)ビームフォーミングを伴わない認証、及び(2)ビームフォーミング後の認証という、発見された近隣を認証する2つの考えらる方法について検討する。
【0101】
3.3.1.ビームフォーミングを伴わない認証
図15A〜図15Dに、ビームフォーミングを伴わない認証の実施形態例150を示す。図15Aでは、メッシュノード152が指向性ビーコンを送信し、新規ノード154が全方向アンテナを利用して受信する。図15Bでは、ノードが、発見された近隣IDを含む認証要求160を全ての方向にブロードキャストしているのが分かる。認証要求は、認証する必要があるメッシュノードから受け取られた最良のビーコンIDと、新規ノードが送信を行っている送信元ビームのIDとを含む。メッシュノード152は、認証要求と、受け取られた要求内の発見されたノードIDに一致するそのIDとを受け取る。
【0102】
図15Cでは、メッシュノードが、新規ノード154が受信(166)すべき認証応答164を送信することによって応答する。メッシュノードは、要求ノードの方向を知っているので、メッシュノードからの送信は、要求ノードに向けられた1又は複数のビームを利用していることが分かる。認証要求メッセージでは、メッシュノードIDに関連する各メッシュノードの最良ビームIDがブロードキャストされる。なお、認証要求には、複数のメッシュノードID及びその関連するビームIDを含めることができる。メッシュノードは、認証要求を受け取ると、認証を要求している新規ノードにおいてどのビーコンが受け取られたかが分かり、この新たな近隣ノードと通信するためのビームを決定することができる。認証応答は、ノードが最も高い出力で認証要求を受け取ったビームのビームIDを含む、認証手順を実行するのに必要な情報も伝える。
【0103】
図15Dでは、認証応答を受け取った新規ノードが、メッシュノードに通信すべき最良のビームを認識し、このビームを利用して認証ACK信号168を送信(伝送)し、これがメッシュノードによって指向的に受け取られる(170)。
【0104】
図16A及び図16Bに、メッシュノードが全ての発見されたノードをグループ化して認証すべきメッシュノードのリストを作成する実施形態例190を示す。図示のように、新規ノードは、認証すべき全てのノードから情報を収集し、その全てのID及び受け取った最良ビーコンのビームIDを含む認証要求をブロードキャストする。図では、各ノードが全ての方向に、すなわちノード4からは194、196及び198に、ノード3からは202、204、206に、ノード1からは210、212、214に、ノード2からは218、220及び222に発見ビーコンを送信することが分かる。新規ノードは、これらのビーコン192、200、208、及び216を受け取ってはいるが未だに応答していないことが分かる。
【0105】
図16Bでは、新規ノードが、226a〜226fとして示す認証要求224をローカルノードによって受け取られるように全方向に送信することが分かる。認証要求を受け取ったノードは、チャネルアクセススキームを使用してチャネルにアクセスし、準備が整った時点で認証応答を送信する。図には、ノード2からの認証応答230a、ノード1からの232a、ノード3からの234a、及びノード4からの236aを示しており、新規ノードは、これらの認証応答を受け取り(228)、230b、232b、234b及び236bとして示す認証応答フィードバック(ACK)によって認証応答に直接応答する。新規ノードは、さらなる認証応答をリスンし続け、受け取るとすぐにこれらに応答する。
【0106】
3.3.2.ビームフォーミング後の認証
この認証機構では、ビーコンを送信したノードに戻されるビームフォーミングフレームを通じて、発見されたノードに新規ノードに関する通知が行われる。
【0107】
図17に、新規ノードが新たな近隣を発見した時に、新規ノード及び発見されたメッシュノードがそのアンテナでビームフォーミングを行う認証の実施形態例250を示す。この例図では、ノード4が、新規ノードによって受け取られる(252)発見ビーコンを全方向254、256及び258に送信していることが分かる。ビーコン262を送信したメッシュノードと新規ノードとの間でビームフォーミング260が行われ、その後に新規ノードが認証要求266aを送信することによって新規ノードの認証264が行われ、これにノード4が認証応答266bで応答する。
【0108】
従って、新規ノードは、ビームフォーミングに成功した後に、認証要求メッセージを送信して認証応答を待つことによって認証手順を開始する。十分なはずの粗ビームフォーミング(coarse beamforming)を例示しているが、2つのノード間では微細ビームフォーミングを使用することもできる。新規ノードは、認証応答が受け取られるとメッシュノードに認証応答ACKを送信する。
【0109】
3.4.オンデマンドBF、同期及びルート割り当て
1つのソースノードから宛先ノードへのトラフィックが開始された時には、常に通常のトラフィックルートを初期化して維持すべきである。リンク中断の発生時に遅延を避けるために、バックアップルートを準備することもできる。バックアップルートは、将来的に使用できるように初期化し、ビームフォーミングし、同期しておくべきである。
【0110】
3.4.1.ルートの開始
図18A〜図18Cに、ルート要求伝播を開始する実施形態例270を示す。これらの図には、ローカルノードSTA1 12、STA2 14、STA3 16、STA4 18、STA5 20、STA6 22、STA7 24、STA8 26の例を示すとともに、ノード間の認証済みリンクを破線で示し、各ノードの近隣リスト例も示す。
【0111】
以下、このルート要求伝播の動作を示す。(a)アプリケーションが、ノードに宛先メッシュノードへのルートを発見させる。なお、このアプリケーションは、ネットワーク内の別のノードに転送されるように意図されたトラフィックを生成するいずれかのアプリケーションを表す。この動作は、無線ノードに接続されたコンピュータ、又はノード自体において動作するアプリケーションを通じて行うことができる。(b)このノードは、外部サーバ又はピアツーピア通信のための別のメッシュノードに接触するゲートウェイメッシュノードとすることができる。(c)この時点で、ノードは、近隣リストを使用して認証され、これらの各近隣の最も強いビーコンビームIDの情報を記憶する。しかしながら、この情報は最新のものでない可能性もある。(d)図18Aでは、ノード2 14がデータセッションを開始するために全方向にルート要求(RREQ)272を送信する。(e)RREQは、到達すべきノードのリストと、これらのノードの最良ビーコンビームIDと、ルーティングに必要なその他の情報とを含む。(f)あるノードは、このフレームを受け取ると、このフレームが認証済みノードからのものであるかどうかをチェックする。フレームが認証済みノードからのものである場合、このメッシュノードは、これが自機宛てのものであるかどうかをチェックする。この動作は、RREQフレームによって意図される近隣のIDをチェックすることによって行うことができる。(g)ノードは、リスト内に存在する場合、ノード1がRREQ274を、ノード3がRREQ276を、ノード4がRREQ278を、ノード5がRREQ280を宛先に向けて送信する図18Bに示すように、ソースを除く全ての近隣にこのフレームを転送する。(h)ノードは、この他のノードへの全方向のRREQブロードキャストを受け取る。フレーム衝突を避けるために、チャネルアクセススキームが使用される。(i)STA6のRREQ送信282及びSTA8のRREQ送信284を含む図18Cに示すように、RREQのブロードキャストは、RREQフレームがネットワーク全体を通じて伝播して宛先ノードであるノード7 24において終了するまで継続する。
【0112】
図19A〜図19Cに、ルート要求伝播の実施形態例290を示す。一例として、ローカルノードSTA1 12、STA2 14、STA3 16、STA4 18、STA5 20、STA6 22、STA7 24、STA8 26を示すとともに、認証済みリンクを破線で示し、各ノードの近隣リスト例も示す。
【0113】
以下は、ルート応答伝播ブロードキャストの特徴である。(a)この例ではノード7 24である宛先ノードは、全てのRREQを受け取るとRRESフレームを準備する。(b)図19Aに示すように、宛先ノードは、このRRESをイニシエータソースに対して全方向にブロードキャストする。(c)少なくとも1つの実施形態では、RRESメッセージが、このRRESを受け取るように意図された全てのノードをリストするためのフィールドを有する。(d)あるノードは、この(単複の)フレームを受け取ると、この(これらの)フレームが認証済みノードからのものであるかどうかをチェックする。(単複の)フレームが認証済みフレームからのものである場合、このメッシュノードは、これが自機宛てのものであるかどうかをチェックする。少なくとも1つの実施形態では、RRESフレームによって意図される近隣のIDをチェックすることによってこの動作を行うことができる。(e)メッシュノードは、RRESフレームにリストされたノードのリスト内に存在する場合、STA4がRRES294を、STA6がRRES296を、STA8がRRES298を送信する図19Bに示すように、ソースを除く全ての近隣にこのフレームを転送する。(f)RRESは、到達すべきノードのリストと、これらのノードの最良ビーコンビームIDと、ルーティングに必要なその他の情報とを含む。(g)STA1がRRES300を送信し、STA3がRRES302を送信し、STA5がRRES304を送信する図19Cに示すように、RRESのブロードキャストは、RRESフレームがネットワーク全体を通じて伝播して、この例ではノード2(STA2)14であるイニシエータノードにおいて終了するまで継続する。
【0114】
図20A〜図20Cに、RRESを送出するルート要求伝播の実施形態例310を示す。一例として、ローカルノードSTA1 12、STA2 14、STA3 16、STA4 18、STA5 20、STA6 22、STA7 24、STA8 26を示すとともに、認証済みリンクを破線で示し、各ノードの近隣リスト例も示しており、これらの図には、ルート応答ビームフォーミングの例を示す。(a)メッシュノードは、ビーコンの受信を通じて認証された近隣の最良ビーコンビームIDを認識する。近隣に向けた連続ビーコン送信を想定する。(b)メッシュノードは、この情報をフィードバックする。(c)近隣は、RREQを受け取ると、最良ビームに関する情報を抽出して、受け取ったRREQの送信元である認証済みの近隣と通信する。(d)STA7 24から送信(312)されているRRESを示す図20Aに示すように、近隣は、この情報を使用してRRESを送信することができる。(e)その後、STA4 18がRRES314を送信し、STA6 22がRRES316を送信し、STA8 26がRRES318を送信していることを示す図20Bに示すように、近隣は、RREQフレームを通じて認証された近隣に指向性ビームを使用してRREQを送信する。ビームのIDは、RREQブロードキャストフレームから取得されたIDに一致する。(f)近隣は、受け取ったRREQの送信元であるノードの最良ビームIDをRRESフレームに追加する。同様に、図20Cでは、ノードSTA1 12がRRES320を送信し、STA3 16がRRES322を送信し、STA5 20がRRES324を送信している。この情報は、メッシュノードから受け取られたRREQフレームにおいて入手可能であり、各RREQは、発信元のビームIDを含む。
【0115】
3.4.2.ルートビームフォーミング
図21A〜図21Cに、ルートビームフォーミングの実施形態例330を示す。以下は、本開示によるルートビームフォーミングの属性である。(a)ルート設定によってビームフォーミングが引き起こされる。(b)ルート全体を通じたノードは、RRESをブロードキャストするか、それともビームフォーミングするかにかかわらず、RREQ及びRRES交換プロセスの最後に、互いに向けて自機のリンクをビームフォーミングする。(c)リンクは、ルート設定全体を通じてビームフォーミングされる。恒久的ルートテーブル内に存在するリンクは、従来のビームフォーミングプロセスを通じて維持され、選択ルート内に存在しないリンクは、将来的な高速ビームフォーミングのために、ビームフォーミング情報に関する情報を維持することができる。(d)図21A〜図21Cに示すように、RREQ及びRRESフレームに加えてビーコン送信スイーピングを使用してセクタスイーピングを完了することができる。
【0116】
図21Aでは、メッシュノード332が全方向337にビーコン336を送信し、メッシュノード334が準全方向受信338を使用してこれを受け取る。図21Bでは、メッシュノード334が全方向341にRREQ334をブロードキャストし、メッシュノード332が準全方向受信342でこれを受け取り、これに応答してメッシュノード332がメッシュノード334に指向性送信344を送信し、これが準全方向受信346によって受け取られる。
【0117】
図22A〜図22Cは、ビーコンRREQ及びRRESを用いたルートビームフォーミングの実施形態例350を示す。例えばビーコン受信のずいぶん後にRREQ及びRRES信号が送信された場合などの、ビーコン最良ビーム情報の信頼性が低い場合、ビームフォーミングは、RREQ信号及びRRES信号の交換のみに依拠することができる。図示のように、RRESの受信後に第3のフレームを送信して、受け取ったRRESの送信元である最良ビームをフィードバックすべきである。図22Aでは、メッシュノード354がスイープ357においてメッシュノードブロードキャスト356を実行し、これを例えばメッシュノード352が準全方向受信358で受け取る。次に、図22Bでは、メッシュノード352が方向361にブロードキャスト360を行い、これをノード354が準全方向受信362によって受け取り、その後に図22Cにおいて、メッシュノード354がメッシュノード352への指向性送信364で応答して、メッシュノード352が指向性受信366を実行する。
【0118】
3.4.3.同期
アクティブルート、また場合によってはバックアップルートが形成されると、割り当てられた終端間ルートを通じて同期信号が送信され伝播される。デフォルトでは、選択ルート内の別のメッシュノードがクロックマスタ(同期マスタ)になることをイニシエータが許可することによって例示するような特別な状況が発生しない限り、イニシエータノードがこのルートのクロックマスタになって最初の同期信号を送信する。例えば、選択ルート内の1又は2以上のメッシュノードが特別な状態を有していてマスタクロックになるように要求した場合、RRESを通じてこの情報をイニシエータに転送し、イニシエータがクロックマスタになるノードを選択することができる。フレームは、イニシエータがマスタクロックとして機能するように選択したメッシュノードに送信される。
【0119】
最初の同期信号は、イニシエータメッシュノード又は選択されたメッシュノードから送信されるフレームであり、存在する場合にはアクティブルート及びバックアップルートを通じて伝播する。同期を維持するために、ルート全体を通じてビーコンが同期情報を伝達することができる。アクティブルート方向のビーコンのみが、割り当てられたルート内のビームフォーミングされた近隣に同期信号を伝達する。ビーコン同期信号は、選択されたビームフォーミングビームに隣接する他のビームを通じて送信することもできる。これは、付近のビームにビーム切り替えが起きた場合にリンクに何らかの信頼性を加えるためである。
【0120】
図23A〜図24Dに、RREQ、RRES、ビームフォーミング及び同期管理を行うメッシュノードの実施形態例370を示す。図23Aでは、プロセスが開始した(372)後に、ノードが全方向にビーコンを送信する(374)。その後、ノードは、アイドルになった時点で近隣ビーコンをリスンする(376)。その後、各近隣IDに関連する最良ビーコンビームIDを保存する(378)。RREQが受け取られたかどうかをチェックする(380)。RREQが受け取られた場合、実行は図23Bのブロック382に進み、そのRREQが認証済みノードからのものであるかどうかをチェックする。RREQが認証済みノードからのものである場合、ブロック384において、この近隣の通信から最良ビームIDを抽出し、この近隣の最良ビーム情報を更新する。その後、メッシュノードが最終宛先ノードであるかどうかをチェックする(386)。メッシュノードが最終宛先ノードである場合、ブロック388において、ビームフォーミングデータが利用可能であれば指向性ビームを使用して全ての近隣にRRESを送信し、実行は図23Dのブロック412に進む。一方で、ブロック386においてメッシュノードが最終宛先でないと判定された場合、ブロック390において、RREQの発信元を除く全ての近隣にRREQを転送し、実行は図23Dのブロック412に進む。
【0121】
図23Aのブロック380に戻り、RREQが受け取られなかった場合、実行は図23Bのチェック392に進んでRRESが受け取られたかどうかを判定する。RRESが受け取られなかった場合、実行は図23Cのブロック402に進んで同期ノード割り当ての受け取りをチェックする。この同期ノード割り当てが受け取られた場合、全てのルート内の全ノードにノード固有の同期信号を送信する(404)。その後、いずれの場合にも実行は図23Dのブロック412に進む。図23Bのブロック392に戻り、RRESが受け取られた場合、そのRRESが認証済みノードからのものであるかどうかを判定するチェックを行う(394)。RRESが認証済みノードからのものでない場合、実行は図23Dのブロック412に進む。RRESが認証済みノードからのものである場合、この認証済みRRESの通信から最良ビームを決定して(396)この近隣の最良ビームIDを更新し、メッシュノードがソースノードであるかどうかを判定する(398)。メッシュノードがソースノードであると判定された場合、実行は図23Cのブロック406に進み、確立されたルート内に同期ノードが存在するかどうかをチェックする。確立されたルート内に同期ノードが存在する場合、ブロック410において、1つのノードをクロックマスタとして選別してこのノードに通知フレームを送信し、同期ノードが存在しなければ、ブロック408において新たなルート内の全てのノードに同期信号を送信する。その後、いずれの場合にも実行は図23Dのブロック412に進む。ブロック398においてメッシュノードがソースノードでないと判定された場合、適切な近隣にRRESを転送して(400)、実行は図23Dのブロック412に進む。
【0122】
その後、これらの場合、図23Dのブロック412に進んで、ビーコン送信時間であるかどうかを判定する。ビーコン送信時間でない場合、実行は図23Aのブロック380に戻る。一方で、ビーコン送信時間である場合、ブロック414に進んで、ノードがアクティブルートの一部であるかどうかをチェックする。ノードがアクティブルートの一部でない場合、実行は図23Aのブロック374に戻る。一方で、ノードがアクティブルートの一部である場合、ブロック416において、アクティブルート内のメッシュノードに送信するビーコンに同期信号を添付し、その後にアクティブルート内のメッシュノードのフラグビームフォーミング要件の後で、実行は図23Aのブロック374に進む。ビームフォーミング要件が存在する理由は、アクティブルート(データが送信されるルート)内のノードのみがビームフォーミングされ、アクティブルート内のノードに送信されるビーコンが、そのノードがビームフォーミングリンクを維持すべきである旨を伝えるビームフォーミング要件フラグを伝達するからであると理解されるであろう。
【0123】
3.5.多重ルート管理
図24及び図25に、アクティブルートが既に存在するメッシュネットワークにおいて新たなルートを開始する実施形態例430、450を示す。これらの図には、局(STA1〜8)12、14、16、18、20、22、24、26及びSTA9 432と、それぞれの近隣リスト例とを示す。図示のリンクには、認証済みリンク、アクティブリンク、或いはSTA3 16におけるイニシエータノード434からSTA6 22における宛先ノード436までを示す新たなアクティブルートとしてのマークを付けている。
【0124】
上述したように、RRESは、ルート設定全体を通じて、既に(別のアクティブルートの一部である)他のノードにクロックを同期させている選択ルート内のノードに関する情報を伝達すべきである。また、RRESは、クロックマスタになりたいと望む、又はそのように要求している特別な状態のノードに関する情報を伝達することもできる。
【0125】
図24を参照すると、イニシエータ434(STA3 16)は、新たに形成されたルート内の全てのメッシュノードからこの全ての情報を受け取り、RRESで転送された情報に基づいて、イニシエータ434がクロックマスタになるか、それとも選択ルート内の別のメッシュノードがクロックマスタとしての役割を果たすかを決定する。ルート(STA6 22までの対象ルート、並びにSTA2 14、STA1 12、STA8 26及びSTA7 24間のアクティブリンク)は重複しておらず、従ってイニシエータSTA3 16は、自機、又は宛先ノード436(STA6 22)への新たなルート内の他のメッシュノードのいずれかを選別する。新規ノードが選択された場合、このノードにクロックマスタ同期割り当てフレームが送信される。ノードは、このフレームを受け取ると、新たな設定ルート内の全てのノードに同期信号を送信し始める。フレームを受け取ったノードは、ルート内の近隣ノードに同期データを含む将来的なビーコンを送信する。他のビーコンは、全てが同期データを有していなくてもよい。イニシエータは、クロックマスタである場合、設定同期フレームを送信してそのビーコンに同期データを追加する。
【0126】
図25には、図24に示すアクティブリンクと、STA3 16からSTA4 18を通じてSTA6 22に至るアクティブリンクと、イニシエータ455としてのSTA9 432からSTA1 12、STA4 18を通じて宛先454としてのSTA5に至る新たなアクティブルートとが存在する。従って、新たなアクティブルートが既存のルートに重複しており、従ってイニシエータは、自機、又は新たなルート内の他のメッシュノードのいずれかを選別することが分かる。ネットワークの他の部分と既に同期している他のルート内のノードは、このことをRRESで報告する。イニシエータは、他のサブネットワーク内のノード、及びクロックマスタの役割を要求する特別な状態のノードのリストを受け取り、共同ルートのクロックマスタを決定する。
【0127】
プロセスの最後には、これらの3つのルートを1つのクロックマスタに同期させる。どのノードをクロックマスタにすべきであるかの選択は、新たなルートのイニシエータにおいて行われる。イニシエータは、場合によっては自機を選択することもできる。
【0128】
新規ノードが選択された場合、このノードにクロックマスタ同期割り当てフレームが送信される。ノードは、このフレームを受け取ると、新たな設定ルート内の全てのノードと、そのサブネットワークにも同期信号を送信し始める。新たなルートに交わる他のノードは、そのサブネットワークを新たなクロックマスタに同期させる役割を担う。
【0129】
フレームを受け取ったノードは、ルート内の近隣ノードに同期データを含む将来的なビーコンを送信する。他のビーコンは、全てが同期データを有していなくてもよい。本開示は、他の形の同期信号転送を利用するように構成することもできる。イニシエータは、クロックマスタである場合、設定同期フレームを送信し、自機をクロックマスタとして表明し、そのビーコンに同期データを追加するが、他の同期シグナリングを検討することもできる。
【0130】
3.6.フレームフォーマット
3.6.1.ルート要求フレーム(RREQ)
図26に、RREQフレームの実施形態例470を示す。このフレームは、1つのノードから別のノードに送信されて、他のノードに宛先ノードまでのルートを発見するように要求する。宛先ノードが受信ノードである場合には、ルート応答フレームを生成すべきである。宛先ノードが受信ノードでない場合には、受信ノードがルート要求フレームを再生して、受け取られたルート要求の送信元であるノード以外の全てのノードに転送する。
【0131】
このフレームにビームフォーミング能力を加えるために、全部又は一部の指向性ビームからフレームを送信し、受信RREQフレーム又は受信ビーコンから習得した場合には、近隣IDリスト及びこの近隣の最良送信ビームIDを伝える。フレームは、送信元のビームのビームIDを伝える。フレームには、トレーニングTXセクタ数又はトレーニングRXセクタ数などの、トレーニングに役立つことができる他の何らかの情報を含めることができる。以下、RREQフレームのフィールドについて説明する。
【0132】
近隣IDリスト:このフレームが向けられる近隣のリスト。このフレームを受け取ったあらゆる近隣は、その独自のIDがこのリスト内に存在するかどうかをチェックする。すなわち、受信機は、その(近隣ノード自体の)IDが受信パケットにリストされたIDのうちの1つに一致するかどうかをチェックして、パケットがこの受信機に送信されたものであるかどうかを認識する。近隣IDが一致した場合、受信ノードはフレームを処理する。
【0133】
近隣最良TXビームリスト:利用可能な場合、「近隣IDリスト」にリストされた近隣に関連する最良TXビーム。通常、この情報はビーコンフレームから取得される。
【0134】
総送信トレーニングセクタ数:この数は、この要素を送信したSTAがビームフォーミングトレーニングに使用する送信セクタの総数である。このトレーニングセクタ数の値は、受信ノードがビームフォーミング期間の設定及びビームフォーミングパラメータの調整に使用する。
【0135】
総受信トレーニングセクタ数:この要素を送信したSTAがビームフォーミングトレーニングに使用する受信セクタの総数。この数は、受信ノードがビームフォーミング期間の設定及びビームフォーミングパラメータの調整に使用する。
【0136】
トレーニングサイクル数:トレーニングイニシエータがトレーニングパターンを繰り返すサイクルの数。この数は、受信ノードがビームフォーミング期間の設定及びビームフォーミングパラメータの調整に使用する。
【0137】
DMGアンテナ相反性(antenna reciprocity):アンテナ相反性を想定する。送信に使用するセクタを受信にも使用する。この数は、受信ノードがビームフォーミング期間の設定及びビームフォーミングパラメータの調整に使用する。
【0138】
3.6.2.ルート応答フレーム(RRES)
図27に、RRESフレームの実施形態例480を示す。このフレームは、ルート要求フレームに応答するために1つのノードから別のノードに送信される。ソースノードが受信ノードである場合、ルート応答フレームはこのノードで終了する。ソースノードが受信ノードでない場合、受信ノードは、経路メトリックを計算してそのフィールドを更新した後に、受け取られたルート応答の送信元であるノード以外の全てのノードにルート応答フレームを転送する。
【0139】
このフレームにビームフォーミング能力を加えるために、全部又は一部の指向性ビームからフレームを送信し、受信RREQフレーム又は受信ビーコンから以前に習得した場合には、近隣IDリスト及びこの近隣の最良送信ビームIDを伝える。フレームは、送信元であるビームのビームIDを伝えるべきである。例えば、フレームには、トレーニングTXセクタ数、トレーニングRXセクタ数又はその他の望ましい情報などの、トレーニングに役立つことができる他の何らかの情報を追加することができる。RRESフレームは、以下のフィールドを含む。
【0140】
近隣IDリスト:このフレームが向けられる近隣のリスト。このフレームを受け取ったあらゆる近隣は、その独自のIDがこのリスト内に存在するかどうかをチェックする。近隣IDが一致した場合、受信ノードはフレームを処理する。
【0141】
近隣最良TXビームリスト:「近隣IDリスト」にリストされた近隣に関連する最良TXビーム。通常、この情報は、受信RREQフレーム又はビーコンフレームから取得される。
【0142】
総送信トレーニングセクタ数:この要素を送信したSTAがビームフォーミングトレーニングに使用する送信セクタの総数。この数は、受信ノードがビームフォーミング期間の設定及びビームフォーミングパラメータの調整に使用する。
【0143】
総受信トレーニングセクタ数:この要素を送信したSTAがビームフォーミングトレーニングに使用する受信セクタの総数。この数は、受信ノードがビームフォーミング期間の設定及びビームフォーミングパラメータの調整に使用する。
【0144】
トレーニングサイクル数:トレーニングイニシエータがトレーニングパターンを繰り返すサイクルの数。この数は、受信ノードがビームフォーミング期間の設定及びビームフォーミングパラメータの調整に使用する。
【0145】
DMGアンテナ相反性:送信に使用するセクタが受信に使用するセクタであるアンテナ相反性を想定する。この数は、受信ノードがビームフォーミング期間の設定及びビームフォーミングパラメータの調整に使用する。
【0146】
3.6.3.ルート応答ACKフレーム
図28に、RRES ACKフレームの実施形態例490を示す。このフレームは、RRESフレームの受信を確認応答するためにユニキャストされる確認応答(ACK)フレームである。このACKフレームは、ビームフォーミングプロセスに役立つ情報を伝えることができる。このフレームには、近隣ID及びこの近隣の最良TXビームIDが追加され、この情報は受信RRESフレームから習得される。以下、RRES ACKフレームのフィールドについて概説する。
【0147】
近隣ID:近隣IDは、ACKをどこに送信先するかを示す。このフレームを受け取ったあらゆる近隣は、その(近隣ノード自体の)IDが受信パケットにリストされたIDのうちの1つに一致するかどうかをチェックする。これは、パケットがこの受信機に送信されたものであるかどうかを確認するためである。近隣IDが一致した場合、受信ノードはフレームを処理する。
【0148】
近隣最良TXビームリスト:近隣IDに関連する最良TXビーム。通常、この情報は、受信RRESフレーム又はビーコンフレームから取得される。
【0149】
3.6.4.クロックマスタ同期割り当て要求
図29に、クロックマスタ同期フレームの実施形態例500を示す。このフレームは、ルート経路内のノードがルート設定イニシエータにこのルートのクロックマスタになるように要求するために送信するものであり、以下のフィールドを有する。
【0150】
ノードID:クロックマスタになるように要求するノードのID。イニシエータは、このIDを使用して、自機及びこの要求を送信した他のノードから新たなルートのクロックマスタを選別する。
【0151】
ルートイニシエータID:この要求が向けられるノードとしてのルートイニシエータのID。
【0152】
要求優先度ID:ノードがクロックマスタになるように要求している理由を表す所定の値。この情報は、ルートイニシエータがルートのクロックマスタとして機能するノードを選別するために使用する。
【0153】
3.6.5.クロックマスタ同期割り当て応答
図30に、以下のフィールドを有するクロックマスタ同期割り当て応答の実施形態例510を示す。
【0154】
ノードID:クロックマスタになるように要求するノードのID。このノードは、この応答が向けられるノードである。
【0155】
ルートイニシエータID:ルートイニシエータのID。このノードは、このメッセージを送信しているノードである。
【0156】
クロックマスタ応答:このフィールドは、ノードがルートのクロックマスタであるかどうかを示す。真である場合、ノードはルートのクロックマスタとして機能し始める。偽である場合、ノードは、他のノードが同期情報を提供すると考える。
【0157】
3.6.6.クロックマスタ同期割り当てACK
図31に、クロックマスタ同期割り当てACKフレームの実施形態例520を示す。このフレームは、クロックマスタ同期割り当て応答の受信を確認応答するものである。このフレームは、ルートを通じた同期維持の役割を受け入れて開始するノードをルート設定イニシエータに通知するためのものであり、以下のフィールドを有する。
【0158】
ノードID:クロックマスタになるように要求するノードのID。このノードは、このメッセージを送信しているノードである。
【0159】
ルートイニシエータID:ルートイニシエータのID。このノードは、このACKが向けられるノードである。
【0160】
クロックマスタ応答ACK:真である場合、ノードは、応答フレームの受信を確認応答し、新たなクロックマスタとしての役割を開始する。偽である場合、ノードは、応答の受信を確認応答し、ルートのクロックマスタとしての役割を果たさないことを明言する。
【0161】
4.開示要素の要約
以下は、本開示に関連する態様の部分的要約である。ノードは、ネットワーク規模の同期、又は潜在的近隣間のアクティブリンクの形成を伴わずにメッシュネットワークを形成するように構成される。ルート設定手順によってデータ送信セッションが引き起こされて開始するとすぐに、同期及びアクティブリンクが確立される。新規ノードは、ネットワークに参加する度に認証され、利用可能な近隣ノードのリストが維持される。新規ノードは、ネットワークに参加すると、他のメッシュノードリストにも追加される。必要に応じて、利用可能な近隣ノードに関する収集された情報に基づいてリンクが確立される。データセッションが開始するとすぐにルート設定が開始され、メッシュノードが、他のメッシュノードを通じたソースノードと宛先ノードとの間のリンクを形成する。リンク形成は、ビームフォーミング及び同期の両方を含む。新たなルートが現在アクティブなルートに交わらない場合には、メッシュネットワーク内に確立された新たなルートが単独でアクティブなルートのイニシエータと同期する。新たに確立されたルートが他のアクティブなルートに交わって、ノードが両ルートにサービス提供する必要がある場合には、新たなルートを全ての交わったルートと同期させることが好ましい。全ての交わったルートの中から新たなマスタクロックを選択し、この新たなマスタが同期信号の送信を開始して、ノードが全ルートを通じてこの信号を伝播させる。新たなセッションイニシエータは、自動的に新たなマスタクロックとみなすことができる。
【0162】
5.実施形態の一般的範囲
提示した技術の説明した強化は、様々な無線(例えば、mm波)送信機、受信機及び送受信機内に容易に実装することができる。また、最新の無線送信機、受信機及び送受信機が、1又は2以上のコンピュータプロセッサ装置(例えば、CPU、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コンピュータ対応ASICなど)、及び命令を記憶する関連するメモリ(例えば、RAM、DRAM、NVRAM、FLASH、コンピュータ可読媒体など)を含むように実装されることにより、メモリに記憶されたプログラム(命令)がプロセッサ上で実行されて、本明細書で説明した様々なプロセス法のステップを実行することが好ましいと理解されたい。
【0163】
当業者は、様々な最新の無線通信装置に関連するステップを実行するコンピュータ装置の使用を認識しているため、図には簡略化のためにコンピュータ装置及びメモリデバイスを示していない。提示した技術は、メモリ及びコンピュータ可読媒体が非一時的であり、従って一時的電子信号を構成しない限り、これらに関して限定するものではない。
【0164】
また、これらのコンピュータシステムにおけるコンピュータ可読媒体(命令を記憶するメモリ)は「非一時的」なものであり、ありとあらゆる形態のコンピュータ可読媒体を含むが、唯一の例外が一時的伝搬信号であると理解されるであろう。従って、開示した技術は、ランダムアクセス型であるもの(例えば、RAM)、定期的なリフレッシュを必要とするもの(例えば、DRAM)、時間と共に劣化するもの(例えば、EEPROM、ディスク媒体)、又は短期間にのみ及び/又は電力の存在時にのみデータを記憶するものを含むあらゆる形態のコンピュータ可読媒体を含むことができ、一時的な電子信号には「コンピュータ可読媒体」という用語が当てはまらないという点が唯一の制約である。
【0165】
本明細書では、コンピュータプログラム製品としても実装できる、本技術の実施形態による方法及びシステム、及び/又は手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式又はその他の計算表現のフローチャートを参照して本技術の実施形態を説明することができる。この点、フローチャートの各ブロック又はステップ、及びフローチャートのブロック(及び/又はステップ)の組み合わせ、並びにあらゆる手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はコンピュータ可読プログラムコードの形で具体化された1又は2以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアなどの様々な手段によって実装することができる。理解されるように、このようなあらゆるコンピュータプログラム命令は、以下に限定されるわけではないが、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ、又は機械を生産するための他のあらゆるプログラマブル処理装置を含む1又は2以上のコンピュータプロセッサ上によって実行して、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行されるコンピュータプログラム命令が、(単複の)特定される機能を実施するための手段を生み出すようにすることができる。
【0166】
従って、本明細書で説明したフローチャートのブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、(単複の)特定の機能を実行する手段の組み合わせ、(単複の)特定の機能を実行するステップの組み合わせ、及びコンピュータ可読プログラムコード論理手段の形で具体化されるような、(単複の)特定の機能を実行するコンピュータプログラム命令をサポートする。また、本明細書で説明したフローチャートの各ブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現、及びこれらの組み合わせは、(単複の)特定の機能又はステップを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコードとの組み合わせによって実装することもできると理解されるであろう。
【0167】
さらに、コンピュータ可読プログラムコードロジックなどの形で具体化されるこれらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置に特定の態様で機能するように指示することができる1又は2以上のコンピュータ可読メモリ又はメモリデバイスに記憶して、これらのコンピュータ可読メモリ又はメモリデバイスに記憶された命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック内に指定される機能を実施する命令手段を含む製造の物品を生産するようにすることもできる。コンピュータプログラム命令をコンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置によって実行し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で一連の動作ステップが実行されるようにしてコンピュータで実施される処理を生成し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行される命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック、(単複の)手順、(単複の)アルゴリズム、(単複の)ステップ、(単複の)演算、(単複の)数式、又は(単複の)計算表現に特定される機能を実施するためのステップを提供するようにすることもできる。
【0168】
さらに、本明細書で使用する「プログラム」又は「プログラム実行文」という用語は、本明細書で説明した1又は2以上の機能を実行するために1又は2以上のコンピュータプロセッサが実行できる1又は2以上の命令を意味すると理解されるであろう。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで具体化することができる。命令は、装置の非一時的媒体に局所的に記憶することも、又はサーバなどに遠隔的に記憶することもでき、或いは命令の全部又は一部を局所的に又は遠隔的に記憶することもできる。遠隔的に記憶された命令は、ユーザが開始することによって、或いは1又は2以上の要因に基づいて自動的に装置にダウンロード(プッシュ)することができる。
【0169】
さらに、本明細書で使用するプロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)及びコンピュータという用語は、命令、並びに入力/出力インターフェイス及び/又は周辺装置との通信を実行できる装置を示すために同義的に使用されるものであり、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、CPU及びコンピュータという用語は、単一の又は複数の装置、シングルコア装置及びマルチコア装置、及びこれらの変種を含むように意図するものであると理解されるであろう。
【0170】
本明細書の説明から、本開示は、限定ではないが以下の内容を含む複数の実施形態を含むことができると理解されるであろう。
【0171】
1. メッシュネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)それぞれが異なる送信方向を有する複数のアンテナパターンセクタを有する指向性ミリメートル波(mmW)通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するように構成された無線通信回路と、(b)前記メッシュネットワーク上で動作するように構成された局内の、前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、(c)前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリと、を備え、(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、(d)(i)前記局を、前記メッシュネットワーク上の近隣ピア局に関する情報を決定するための前記メッシュネットワーク上のピア局として動作させるステップと、(d)(ii)ネットワーク規模の同期を伴わず、潜在的近隣間のアクティブリンクを形成する必要なく、メッシュネットワーク内にノードを形成するステップと、(d)(iii)ルート設定手順によってデータ送信セッションが引き起こされて開始するとすぐに、同期及びアクティブリンクを確立するステップと、を実行する、装置。
【0172】
2.前記無線通信回路は、sub−6GHz無線通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するようにも構成される、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0173】
3.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メッシュネットワークに新規ノードが参加する際に前記新規ノードを認証するステップと、前記メッシュネットワーク内の各ノードにおける利用可能な近隣ノードのリストを維持するステップとをさらに実行する、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0174】
4.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メッシュネットワークに新規ノードが参加した時点で前記新規ノードを他のメッシュノードリストに追加し、データセッションにおいてデータ通信を実行することが必要になった時点で、利用可能な近隣ノードに関する収集された情報に基づいて他のノードとのリンクを確立するステップをさらに実行する、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0175】
5.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、データセッションの開始時にルート設定を開始するステップをさらに実行し、ルート設定中、メッシュノードは、他のメッシュノードを通じたルーティングによってソースノードと宛先ノードとの間の前記データセッションのリンクを形成するように構成され、リンク形成プロセスは、ビームフォーミング動作及び同期動作の両方を含む、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0176】
6.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メッシュネットワーク内で確立された新たなルートが現在アクティブなルートに交わらない状況において、前記新たなルートを前記アクティブなルートのイニシエータに単独で同期させるステップをさらに実行する、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0177】
7.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記新たなルートが他のアクティブなルートに交わってノードが両ルートにサービス提供するように構成された状況において、前記新たなルートを全ての交わったルートに同期させるステップをさらに実行する、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0178】
8.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、全ての交わったルートから新たなマスタクロックを選択するステップをさらに実行し、前記新たなマスタクロックは、同期信号の送信を開始するように構成され、他のノードは、全てのルートを通じて前記同期信号を伝播するように構成される、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0179】
9.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、新たなセッションイニシエータを前記新たなマスタクロックとして自動的に確立するステップを実行する、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0180】
10.メッシュネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)それぞれが異なる送信方向を有する複数のアンテナパターンセクタを有する指向性ミリメートル波(mmW)通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するように構成された無線通信回路と、(b)前記メッシュネットワーク上で動作するように構成された局内の、前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、(c)前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリと、を備え、(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、(d)(i)前記局を、前記メッシュネットワーク上の近隣ピア局に関する情報を決定するための前記メッシュネットワーク上のピア局として動作させるステップと、(d)(ii)ネットワーク規模の同期を伴わず、潜在的近隣間のアクティブリンクを形成する必要なく、メッシュネットワーク内にノードを形成するステップと、(d)(iii)新規ノードが前記メッシュネットワークに参加する際に前記新規ノードを認証し、前記メッシュネットワーク内の各ノードにおける利用可能な近隣ノードのリストを維持するステップと、(d)(iv)ルート設定手順によってデータ送信セッションが引き起こされて開始するとすぐに、同期及びアクティブリンクを確立するステップと、を実行する、装置。
【0181】
11.前記無線通信回路は、sub−6GHz無線通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するようにも構成される、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0182】
12.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メッシュネットワークに新規ノードが参加した時点で前記新規ノードを他のメッシュノードリストに追加し、データセッションにおいてデータ通信を実行することが必要になった時点で、利用可能な近隣ノードに関する収集された情報に基づいて他のノードとのリンクを確立するステップをさらに実行する、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0183】
13.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、データセッションの開始時にルート設定を開始するステップをさらに実行し、ルート設定中、メッシュノードは、他のメッシュノードを通じたルーティングによってソースノードと宛先ノードとの間の前記データセッションのリンクを形成するように構成され、リンク形成プロセスは、ビームフォーミング動作及び同期動作の両方を含む、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0184】
14.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記メッシュネットワーク内で確立された新たなルートが現在アクティブなルートに交わらない状況において、前記新たなルートを前記アクティブなルートのイニシエータに単独で同期させるステップをさらに実行する、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0185】
15.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記新たなルートが他のアクティブなルートに交わってノードが両ルートにサービス提供するように構成された状況において、前記新たなルートを全ての交わったルートに同期させるステップをさらに実行する、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0186】
16.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、全ての交わったルートから新たなマスタクロックを選択するステップをさらに実行し、前記新たなマスタクロックは、同期信号の送信を開始するように構成され、他のノードは、全てのルートを通じて前記同期信号を伝播するように構成される、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0187】
17.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、新たなセッションイニシエータを前記新たなマスタクロックとして自動的に確立するステップを実行する、いずれかの先行又は後続する実施形態の装置。
【0188】
18.メッシュネットワークにおける無線通信の実行方法であって、(a)それぞれが異なる送信方向を有する複数のアンテナパターンセクタを有する指向性ミリメートル波(mmW)通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するように構成された局である無線通信回路を動作させるステップと、(b)前記局を、近隣ピア局に関する情報を決定するためのピア局として動作させるステップと、(c)ネットワーク規模の同期を伴わず、潜在的近隣間のアクティブリンクを形成する必要なく、メッシュネットワーク内にノードを形成するステップと、(d)ルート設定手順によってデータ送信セッションが引き起こされて開始するとすぐに、同期及びアクティブリンクを確立するステップと、を含む方法。
【0189】
19.sub−6GHz無線通信を利用して他の無線通信局と無線で通信するステップをさらに含む、いずれかの先行又は後続する実施形態の方法。
【0190】
20.新規ノードが前記メッシュネットワークに参加する際に前記新規ノードを認証し、前記メッシュネットワーク内の各ノードにおける利用可能な近隣ノードのリストを維持するステップをさらに含む、いずれかの先行又は後続する実施形態の方法。
【0191】
本明細書で使用する単数形の「a、an(英文不定冠詞)」及び「the(英文定冠詞)」は、文脈において別途明確に示されていない限り複数形の照応を含む。ある物体に対する単数形での言及は、明確にそう述べていない限り「唯一」を意味するものではなく、「1又は2以上」を意味する。
【0192】
本明細書で使用する「組(set)」という用語は、1又は2以上の物体の集合を意味する。従って、例えば物体の組は、単一の物体又は複数の物体を含むことができる。
【0193】
本明細書で使用する「実質的に(substantially)」及び「約(about)」という用語は、わずかな変動の記述及び説明のために使用するものである。これらの用語は、事象又は状況に関連して使用した時には、これらの事象又は状況が間違いなく発生する場合、及びこれらの事象又は状況が発生する可能性が非常に高い場合を意味することができる。これらの用語は、数値に関連して使用した時には、その数値の±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下などの、±10%以下の変動範囲を意味することができる。例えば、「実質的に」整列しているということは、±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、又は±0.05°以下などの、±10%以下の角度変動範囲を意味ことができる。
【0194】
また、本明細書では、量、比率及びその他の数値を範囲形式で示すこともある。このような範囲形式は、便宜的に簡略化して使用するものであり、範囲の限界として明確に指定された数値を含むが、この範囲に含まれる全ての個々の数値又は部分的範囲も、これらの各数値及び部分的範囲が明確に示されているかのように含むものであると柔軟に理解されたい。例えば、約1〜約200の範囲内の比率は、約1及び約200という明確に列挙した限界値を含むが、約2、約3、約4などの個々の比率、及び約10〜約50、約20〜約100などの部分的範囲も含むと理解されたい。
【0195】
本明細書の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらは本開示の範囲を限定するものではなく、現在のところ好ましい実施形態の一部を例示するものにすぎないと解釈すべきである。従って、本開示の範囲は、当業者に明らかになると考えられる他の実施形態も完全に含むと理解されるであろう。
【0196】
当業者に周知の本開示の実施形態の要素の構造的、化学的及び機能的同等物も、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、本特許請求の範囲に含まれるように意図される。さらに、本開示の要素、構成要素又は方法ステップは、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかにかかわらず、一般に公開されるように意図するものではない。本明細書における請求項の要素については、その要素が「〜のための手段」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ミーンズプラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。また、本明細書における請求項の要素については、その要素が「〜のためのステップ」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ステッププラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0197】
12 STA1
14 STA2
16 STA3
18 STA4
20 STA5
22 STA6
24 STA7
26 STA8
28 全方向に送信されるビーコン
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図23D】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【国際調査報告】