(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021500984
(43)【公表日】20210114
(54)【発明の名称】経鼻送達デバイスおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/08 20060101AFI20201211BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20201211BHJP
   A61M 5/46 20060101ALI20201211BHJP
   A61M 5/145 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
   !A61M25/08 500
   !A61M5/142
   !A61M5/46
   !A61M5/145 506
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】2020524050
(86)(22)【出願日】20181030
(85)【翻訳文提出日】20200612
(86)【国際出願番号】IB2018058500
(87)【国際公開番号】WO2019087071
(87)【国際公開日】20190509
(31)【優先権主張番号】62/579,723
(32)【優先日】20171031
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518189792
【氏名又は名称】クレキシオ バイオサイエンシーズ エルティーディー.
【住所又は居所】イスラエル国、エルサレム、21 ナハム ハフトゥザディ ストリート
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】チャン、フィリップ
【住所又は居所】アメリカ合衆国、08558 ニュージャージー州、スキルマン、246 グランドビュー ロード
(72)【発明者】
【氏名】アードーシ、アーネスト
【住所又は居所】アメリカ合衆国、08850 ニュージャージー州、ミルトン、50 クルサウ アベニュー
(72)【発明者】
【氏名】カーパトリック、ジュニア、アラン ディー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国、18940 ペンシルバニア州、ニュータウン、12 ソーンベリー レーン
(72)【発明者】
【氏名】マジェウスキ、ジョン ピー.
【住所又は居所】アメリカ合衆国、08077 ニュージャージー州、リバートン、402 リッピンコット アベニュー
(72)【発明者】
【氏名】ウェッツェル、ダグラス
【住所又は居所】アメリカ合衆国、30097 ジョージア州、ダルース、6015 ステート ブリッジ ロード
(72)【発明者】
【氏名】カールソン、モーガン
【住所又は居所】アメリカ合衆国、03064 ニューハンプシャー州、ナシュア、4 クシン アベニュー
(72)【発明者】
【氏名】ロンガン、ジョン
【住所又は居所】アメリカ合衆国、03063 ニューハンプシャー州、ナシュア、43 カシィードロー サークル
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ、ジェームズ
【住所又は居所】アメリカ合衆国、03064 ニューハンプシャー州、ナシュア、4 クシン アベニュー
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA06
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD09
4C066DD12
4C066LL13
4C066QQ48
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4C267BB62
4C267CC15
4C267DD10
4C267GG16
4C267HH08
(57)【要約】
【解決手段】
薬剤を自己投与するための鼻腔内デバイスおよび方法が提供される。前記鼻腔内デバイスは、本体と、カテーテルと、フィードバック機構と、送達システムとを含む。前記本体は前記薬剤を貯蔵するように構成されたチャンバを有する。前記本体は当該本体の内部から外部に伸びるチャネルを定義する。前記カテーテルは、前記本体から前記チャネルを通って延びるように作動するよう構成されており、また前記チャンバと流体連通している。前記カテーテルの先端部は患者の鼻腔に入るように構成されている。前記フィードバック機構は前記鼻腔内における前記カテーテルの前記先端部の位置を示すように構成されている。前記送達システムは前記薬剤を前記チャンバから前記鼻腔内へ前記カテーテルを介して送達するように構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療上有効な量の薬剤を蝶形口蓋神経節(SPG)に向けて自己投与するための鼻腔内デバイスであって、
本体であって、前記薬剤を貯蔵するように構成されたチャンバを有し、当該本体の内部から当該本体の外部に延びるチャネルを定義するものである、前記本体と、
カテーテルであって、前記本体から前記チャネルを通って延びるように作動するよう構成されているものであり、当該カテーテルの先端部は患者の鼻腔に入るように構成されているものであり、当該カテーテルは前記チャンバと流体連通している、前記カテーテルと、
前記鼻腔内における前記カテーテルの前記先端部の位置を示すように構成されたフィードバック機構と、
前記薬剤を前記チャンバから前記鼻腔内へ前記カテーテルを介して送達するように構成された送達システムと
を有する鼻腔内デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記チャンバは交換可能なカートリッジによって定義されているものであり、前記交換可能なカートリッジは前記本体から着脱自在である、鼻腔内デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記カテーテルは前記交換可能なカートリッジに連結されおり、前記交換可能なカートリッジおよび前記カテーテルが単一のユニットとして前記本体から着脱自在になっている、鼻腔内デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記カテーテルは前記本体の前記チャネル内に軸方向に固定されている、鼻腔内デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記フィードバック機構は、前記カテーテルに固定的に取り付けられるストッパを有し、このストッパは前記鼻腔内への当該ストッパの進入を実質的に阻止するサイズである、鼻腔内デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記カテーテル上の前記ストッパの位置は前記患者の解剖学的構造に基づいて調整自在である、鼻腔内デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記フィードバック機構は前記カテーテルに連結されたセンサを有するものである、鼻腔内デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、さらに、前記本体に連結された位置コントローラを有するものであり、前記位置コントローラは前記カテーテルを前記本体から前進および後退させるように構成されている、鼻腔内デバイス。
【請求項9】
請求項8に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記位置コントローラは前記カテーテルを前記本体から前進および後退させるように構成されたモータを有するものであり、前記モータは前記患者によって作動されるものである、鼻腔内デバイス。
【請求項10】
請求項8に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記位置コントローラは前記カテーテルを前記本体から前進および後退させるように構成されたサムホイールを有するものであり、前記サムホイールは前記患者によって回転されるものである、鼻腔内デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記送達システムは、前記薬剤を前記チャンバから前記鼻腔内へ前記カテーテルを介して送達するように構成されたポンプを有するものである、鼻腔内デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載の鼻腔内デバイスにおいて、さらに、前記患者によって操作されるように構成されたアクチュエータを有するものであり、当該アクチュエータにより前記チャンバから前記鼻腔内へ前記カテーテルを介して前記薬剤の送達がなされるものである、鼻腔内デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記送達システムは、前記患者により圧迫されて前記チャンバから前記鼻腔内へ前記カテーテルを介して前記薬剤を送達するように構成された圧迫バルブを有するものである、鼻腔内デバイス。
【請求項14】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、さらに、前記カテーテルの前記先端部が前記患者の前記鼻腔内に進入し前記薬剤が前記チャンバから前記鼻腔内へ前記カテーテルを介して送達されるときに前記患者が把持するように構成されたハンドルを有するものである、鼻腔内デバイス。
【請求項15】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、さらに、前記カテーテルの前記先端部が前記患者の前記鼻腔内に進入し前記薬剤が前記チャンバから前記鼻腔内へ前記カテーテルを介して送達されるときに前記患者が噛むように構成されたバイトブロックを有するものである、鼻腔内デバイス。
【請求項16】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、さらに、前記患者により操作されるように構成されたアクチュエータを有するものであり、前記アクチュエータは前記カテーテルを前記本体から前記チャネルを通って延ばすものである、鼻腔内デバイス。
【請求項17】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記フィードバック機構は前記鼻腔内における前記カテーテルの前記先端部の位置を視覚的または聴覚的に示すように構成されている、鼻腔内デバイス。
【請求項18】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記鼻腔内デバイスは、治療上有効な量の前記薬剤を使用して群発性頭痛を治療するのに用いられるものである、鼻腔内デバイス。
【請求項19】
請求項1に記載の鼻腔内デバイスにおいて、前記薬剤はリドカインまたはその薬学的に許容される塩を含むものである、鼻腔内デバイス。
【請求項20】
痛みを自己治療する方法であって、
患者による鼻腔内デバイスの第1の作動に応答して鼻腔内デバイスのカテーテルを前記患者の鼻腔に挿入する工程と、
前記カテーテルの先端部を前記患者の蝶形口蓋神経節(SPG)に隣接して配置する工程と、
前記患者の前記鼻腔内における前記カテーテルの前記先端部の位置を示す工程と、
前記患者による前記鼻腔内デバイスの第2の作動に応答して治療上有効な量の薬剤を前記患者のSPGに向けて送達する工程と
を有する方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、前記カテーテルを前記患者の鼻腔に挿入する工程は前記患者が前記カテーテルを前記鼻腔に押し込む工程を有するものである、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法において、前記患者の鼻腔内に前記カテーテルを挿入する工程は、前記患者が、モータを作動させて、またはサムホイール若しくはスライダを手動で前進させることにより、前記カテーテルを前記鼻腔内に前進させる工程を有するものである、方法。
【請求項23】
請求項20に記載の方法において、前記患者の前記鼻腔内における前記カテーテルの前記先端部の位置を示す工程は前記患者の前記鼻腔内の前記カテーテルの前記先端部の位置を視覚的または聴覚的に示す工程を有するものである、方法。
【請求項24】
請求項20に記載の方法において、前記薬剤を前記患者の前記SPGに向けて送達する工程は前記患者が前記鼻腔内デバイスの圧迫バルブを圧迫する工程を有するものである、方法。
【請求項25】
請求項20に記載の方法において、前記薬剤を前記患者の前記SPGに向けて送達する工程は、前記患者が前記鼻腔内デバイスのポンプを作動させる工程を有するものである、方法。
【請求項26】
請求項20に記載の方法において、さらに、前記鼻腔内デバイスから前記薬剤を含むカートリッジを取り外す工程を有するものである、方法。
【請求項27】
請求項20に記載の方法において、前記痛みは群発性頭痛に関連するものである、方法。
【請求項28】
請求項20に記載の方法において、前記薬剤はリドカインまたはその薬学的に許容される塩を含むものである、方法。
【請求項29】
請求項20に記載の方法において、さらに、前記鼻腔に前記カテーテルを挿入する前に、薬剤カートリッジを前記鼻腔内デバイスに取り付ける工程を有するものであり、前記薬剤カートリッジは、前記カテーテルと、前記薬剤を収容する薬剤リザーバとを有するものである、方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、さらに、前記薬剤を前記SPGに向けて送達した後に、前記薬剤カートリッジを前記鼻腔内デバイスから取り外す工程を有するものである、方法。
【請求項31】
(a)請求項1〜19のいずれか1つに記載の鼻腔内デバイスと、(b)1若しくはそれ以上の交換可能なカートリッジであって、各カートリッジは前記薬剤を有する前記チャンバを有するものである、前記交換可能なカートリッジとを有するキット。
【請求項32】
(a)請求項1〜19のいずれか1つに記載の鼻腔内デバイスと、(b)1若しくはそれ以上の交換可能なカートリッジであって、各カートリッジは前記カテーテルと前記薬剤を有する前記チャンバとを有するものである、前記交換可能なカートリッジとを有するキット。
【請求項33】
(a)請求項1〜19のいずれか1つに記載の鼻腔内デバイスと、(b)1若しくはそれ以上の交換可能なカートリッジであって、各カートリッジは前記薬剤を有する前記チャンバを有するものである、前記交換可能なカートリッジと、(c)1若しくはそれ以上のカテーテルとを有するキット。
【請求項34】
請求項1〜19のいずれか1つに記載の鼻腔内デバイスにおいて、このデバイスは前記患者の解剖学的構造に従って前記カテーテルの前記先端部を前記SPGに向けて案内するようにプログラムされているものである、鼻腔内デバイス。
【請求項35】
請求項20〜30のいずれか1つに記載の方法において、前記鼻腔内デバイスは前記患者の解剖学的構造に従って前記カテーテルの前記先端部を前記SPGに向けて案内するようにプログラムされているものである、方法。
【請求項36】
請求項31〜33のいずれか1つに記載のキットにおいて、前記デバイスは、前記患者の解剖学的構造に従って前記カテーテルの前記先端部を前記SPGに向けて案内するようにプログラムされている、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経鼻送達デバイスに関し、より具体的には、薬剤を自己投与するための改善された経鼻送達デバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
頭痛や顔面痛に関連した特定の種類の痛みは、蝶形口蓋神経節またはその周辺領域に麻酔薬を直接適用する治療に反応することが知られている。蝶形口蓋神経節(SPG)は頭の中心に向かって位置する神経束である。SPGは、両側性で、1つは鼻の両側の後ろにある。SPGは、三叉神経自律性頭痛で最も一般的に見られる頭蓋の自律神経症状の発現に関与する重要な構造として頭痛障害において独特の役割を果たす。三叉神経自律性頭痛の一種である群発性頭痛は、しばしば頭の片側で激しい痛みの再発エピソードを特徴とする重度の頭痛である。
【0003】
頭痛や顔面痛に関連した痛みを治療する従来の方法には多くの安全性と有効性の問題があり、激しい痛みを経験している患者は通常、痛みが強くなる前に診療所に行くことができない。頭痛が始まったときにその痛みが治療されない場合、本格的な群発性頭痛の発作を緩和することは特に困難である。
【0004】
SPGの解剖学的位置は局所麻酔薬での治療を困難にするが、SPGの神経ブロックは様々な痛みの状態において効果的な緩和をもたらすことが知られている。この手法では、訓練を受けた医療専門家がSPGまたはその周辺領域に麻酔薬を適用するものであり、訓練を受けた医療専門家は、通常、麻酔薬に浸した先端部が綿のアプリケータを患者の鼻孔に挿入する。また、経鼻カテーテルデバイスが医師によりSPGまたはその周辺領域に薬剤を投与するために使用されてきた。これらの方法の成功は医師のスキルと経験に大きく依存し、激しい痛みを経験している患者は、通常、痛みが増す前に医師から治療を受けることができない。
【0005】
したがって、患者がオンデマンドで薬剤を適用して頭痛または顔面痛を迅速に軽減し再発を軽減または防止することを可能にする改善された経鼻送達デバイスおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
群発性頭痛や片頭痛などの頭痛や顔面痛に関連する痛みを伴うエピソードは、患者ごとに様々な頻度で発生する。群発性頭痛が発生した際、患者にとって、本格的な群発性頭痛の発作を防止または緩和するためにSPGまたはその周辺領域への薬剤の局所投与を受けに医師のところまで移動するのは、しばしば時間がかかりすぎる。したがって、医師またはその他の訓練を受けた医療専門家を必要とすることなく、患者が家庭環境で群発性頭痛を治療するための小型で携帯可能なデバイスを用いてSPGまたは周囲領域に局所的に薬剤を自己投与できることが望ましい。
【0007】
自己投与型の鼻腔内送達デバイスの課題は、訓練を受けた専門家が送達デバイスを配置し薬剤を投与しなくても、安全で実質的に痛みのない挿入を確実にすることである。本発明には適切な位置決めおよび薬剤送達を確実にするいくつかの態様があり、例えば、(1)組み込みセンサを介して、明確な副鼻腔の通路を感知し、それ自体を所定の位置に自律的に操縦すること、および/または(2)デバイスの位置決めにおいて患者を案内する外部基準および方向探知システムを提供して、カテーテルを更に操縦する必要なしに挿入を行うことができるようにすること、および/または(3)自身を自動的に操縦し、訓練を受けた医療専門家によって実行および制御された訓練セッション中のすべての動きを保存し、その後、デバイスが自己投与中の必要なときに前記動きを自動的に「再生」することができるようになっているデバイスを含む。
【0008】
1若しくはそれ以上の薬剤を患者に自己送達するための鼻腔内送達デバイスおよび方法が本明細書に開示される。鼻腔内送達デバイスは、患者の鼻孔へ挿入され鼻腔内に配置されるカテーテルを含む。経鼻送達デバイスはさらに、薬剤を貯蔵するように構成された薬剤リザーバまたはチャンバと、蝶形口蓋神経節に向けて薬剤を送達するように構成された送達システムと、他の部品の中でも好ましくは、鼻腔内のカテーテルの位置を示すように構成されたフィードバック機構とを含む。
【0009】
一態様において、鼻腔内送達デバイスは、挿入されたカテーテル内またはカテーテルの付属物内に、明確な通路を感知することができる様々なセンサを含む。例えば、カテーテルに連結され一体化された超音波および/または光学若しくは画像(ビデオ)センサは、カテーテルが鼻腔を明確な経路方向にのみ前進することを確実にする。また、このデバイスは鼻腔を通るカテーテルを操縦する方法およびシステムを含む。
【0010】
他の一態様では、前記デバイスは、外部日付を提供するように構成されたシステムを含む。位置基準を提供する可能な方法には、患者が着用する特殊なキャップ、フェイスマスク、および/または眼鏡フレームの使用が含まれる。システムはさらに、カテーテルの安全な挿入のため、患者がデバイスを正しく配置するように案内する手段を含む。患者を案内する1つの手段には、無線距離測定技術に基づく位置フィードバックが含まれ、その場合、アンテナが、キャップ、フェイスマスク、および/または眼鏡フレーム内に配置され、所望の投薬送達点に対する重要な解剖学的位置を正確に特定する。一実施形態によれば、キャップおよび/またはフェイスマスクは群発性頭痛の発症前に個々の患者に適合されていてよく、それにより、頭痛により患者の能力が低下したときに、キャップおよび/またはフェイスマスクを患者に迅速かつ容易に配置することができる。これにより、キャップおよび/またはフェイスマスクを簡易かつ確実に配置して、患者の鼻および/または耳に正確に合わせることができ、最小限の労力で正確な配置が保証される。キャップおよび/またはフェイスマスクは、MRIやCTスキャンなどの医用画像システムを用いて適合されてもよく、これにより、各患者の特定の解剖学的構造が考慮され、経鼻カテーテルの不適切な配置や挿入のリスクが軽減される。
【0011】
他の一態様では、患者がリラックスし頭痛または顔の痛みに苦しんでいないときにデバイス訓練セッションが訓練を受けた医療専門家により実行されてもよい。このセッションはデバイスが最初に患者に処方されたときに実行し得る。デバイス訓練中、訓練を受けた専門家は、(例えば、図10Bに示すような)訓練型カートリッジ上の制御部を用いて手動でデバイスの動き、位置、および向きを調節することができる一方、デバイスコントローラは訓練セッション全体を通じてセンサを用いて全ての動き、位置、および向きの詳細を記録することができる。また、このデバイスはある程度の自動補助を提供するものであり、この場合、それはセンサを用いて訓練セッション中に訓練を受けた専門家にフィードバックを提供する。デバイスが「訓練」されると、医療専門家はセッションを検証してデバイスのメモリに保存することができ、それにより患者は必要なときに簡単に自動的にそれを呼び出すことができる。好適な実施形態によれば、このデバイスはフィードバック機構を有し、このフィードバック機構は、これらに限られないがデータ記憶装置(例えば、デバイスメモリ)、プロセッサ、表示部、およびアクチュエータを含むデバイス制御のための関連回路を伴う1若しくはそれ以上の部品を含む。デバイスは訓練セッション中にデバイスメモリに格納された位置決め情報を用いて構成(プログラム)されていてよく、これは、患者がデバイスを用いて薬剤を投与する際にカテーテルの先端部をSPGに向けて案内するのに使用することができる。
【0012】
他の態様では、薬剤の自己投与のための鼻腔内デバイスは、本体と、カテーテルと、フィードバック機構と、送達システムとを含む。本体は薬剤を貯蔵するように構成されたチャンバを有する。本体は当該本体の内部から当該本体の外部に延びるチャネルを定義する。カテーテルは本体からチャネルを通って延びるように作動するよう構成されており、また前記チャンバと流体連通している。カテーテルの先端部は患者の鼻腔に入るように構成されている。フィードバック機構は鼻腔内におけるカテーテルの先端部の位置を示すように構成されている。送達システムは薬剤をチャンバから鼻腔内へカテーテルを介して送達するように構成されている。
【0013】
本開示のその他の態様は、SPGに向けて薬剤を自己投与することによって痛みを自己治療する方法を提供する。この方法は、患者による鼻腔内デバイスの第1の作動に応答して、鼻腔内デバイスのカテーテルを患者の鼻腔に挿入する工程と、カテーテルの先端部を患者の蝶形口蓋神経節(SPG)に隣接して配置する工程と、患者の鼻腔内におけるカテーテルの先端部の位置を示す工程と、患者による鼻腔内デバイスの第2の作動に応答して、薬剤を患者のSPGに向けて送達する工程とを有し得る。治療上有効な量の薬剤は、1つの鼻孔を通じて或る用量の薬剤を送達することにより投与することができ、あるいは代替的に1つの鼻孔を通じて或る用量の第1の部分を送達し且つ第2の鼻孔を通じて当該用量の第2の部分を送達することにより投与することができる。
【0014】
本明細書で用いられる場合、「SPGに向けた」薬剤の送達または投与および類似のそのような語句は、SPG自体、および/またはSPGに近接する周辺領域、例えばSPGを収容する翼口蓋窩を含むことが意図されるものであり、前記周辺領域には近くの組織や粘膜が含まれてもよい。
【0015】
SPGまたはSPG近くへの導入に適したあらゆる種類の薬剤が本発明に従って使用されることが企図される。本明細書において、薬剤という用語は1若しくはそれ以上の医薬活性化合物を含有する医薬製剤をいう。本発明による好適な薬剤の例には、麻酔薬などの顔面痛または頭痛(例えば、群発性頭痛または片頭痛)に関連する痛みを緩和または除去するものが含まれる。好適な薬剤には、リドカイン、ゾルミトリプタン、スマトリプタン、アンブカイン、アモラノン、アミロカイン、ベノキシネート、ベトキシカイン、ビフェナミン、ブピバカイン、ブタカイン、ブタンベン、ブタニリシカイン、ブテタミン、ブトキシカイン、カルチカイン、コカエチレン、コカイン、シクロメチカイン、ジブカイン、ジメチソキン、ジメトカイン、ジペロドン、ジクロニン、エクゴニジン、エクゴニン、アミノ安息香酸エチル、塩化エチル、エチドカイン、ユーカイン、ユープロシン、フェナルコミン、フォモカイン、ヘキシルカイン、ヒドロキシプロカイン、ヒドロキシテトラカイン、p−アミノ安息香酸イソブチル、ロイシノカインメシレート、レボキサドロール、メペリジン、メピバカイン、メプリルカイン、メタブトキシカイン、塩化メチル、ミルテカイン、ナエパイン、オクタカイン、オルソカイン、オキセタジン、パレトキシカイン、フェナカイン、フェノール、ピペコロキシリジド、ピペロカイン、ピリドカイン、ポリドカノール、プラモキシン、サメリジン、プリロカイン、プロパノカイン、プロパラカイン、プロピカイン、プロポキシカイン、プソイドコカイン、ピロカイン、キニーネ尿素、リソカイン、ロピバカイン、サリチルアルコール、テトラカイン、トリカイン、トリメカイン、ベラトリジン、ゾラミン、これら全ての薬学的に許容される塩、およびこれらの組み合わせを有する群又はこれらからなる群から選択される1若しくはそれ以上の医薬活性化合物が含まれ得る。
【0016】
例示的な実施形態によれば、薬剤はリドカインまたはその薬学的に許容される塩を含有するものであり、薬剤は例えば群発性頭痛に関連する痛みを治療するのに使用される。
【0017】
本発明の方法によって治療され得る痛みの非限定的な例には、群発頭痛、蝶形口蓋神経痛、片頭痛、非定型顔面痛、頭および/または首の癌性疼痛、舌および/または口の痛み、顎関節症(TMJ)の痛み、Sluder神経痛、発作性片頭痛、帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、血管運動性鼻炎、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、腰痛、外傷後頭痛、線維筋痛症、および硬膜穿刺頭痛が含まれる。
【0018】
本明細書で用いられる場合、「治療上有効な量」という用語は、特定の対象に投与したときに、対象の疾患、障害または症状を阻害し、緩和し、または治癒することによって、あるいは疾患、障害または症状の発症を予防的に阻害し、予防し、または遅延させることによって、治療効果を達成する量を指してもよい。治療上有効な量は、対象の疾患または障害の1若しくはそれ以上の症状をある程度緩和する量、および/または疾患または障害に関連し、又はその原因となる1若しくはそれ以上の生理学的または生化学的パラメータを部分的または完全に正常に戻す量、および/または疾患、障害または症状の発症の可能性を低減する量とすることができる。一実施形態によれば、治療上有効な量は、顔面痛または頭痛、例えば群発性頭痛または片頭痛などに関連する痛みを緩和または除去することによって、例えばリドカインまたはその薬学的に許容可能な塩を含有する薬剤を投与することによって、治療効果を達成する量である。
【0019】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念について抜粋したものを簡略化された形式で紹介するために提供されている。この概要は、特許請求の範囲に記載される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、また特許請求の範囲に記載される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。さらに、特許請求の範囲に記載される主題は、本開示の任意の部分に示されるいずれかまたは全ての欠点を解決する限定事項に制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
添付の図面と併せて例示のための以下の説明からより詳細な理解を得ることができる。
【図1】図1は、本開示の一態様による鼻腔内送達デバイスの正面斜視図を示す。
【図2】図2は、図1に示される鼻腔内送達デバイスの背面斜視図を示す。
【図3】図3は、本開示のその他の態様による鼻腔内送達デバイスの正面斜視図を示す。
【図4】図4は、図3に示される鼻腔内送達デバイスの背面斜視図を示す。
【図5】図5は、本開示の一態様によるフィードバック機構の概略を示す。
【図6】図6は、本開示の他の態様による鼻腔内送達デバイスの正面斜視図を示す。
【図7】図7は、本開示の更なる他の態様による鼻腔内送達デバイスの正面斜視図を示す。
【図8】図8は、図7に示される鼻腔内送達デバイスの背面斜視図を示す。
【図9】図9は、本開示の他の態様による鼻腔内送達デバイスの正面斜視図を示す。
【図10A】図10Aは、薬剤カートリッジが取り付けられた図9に示される鼻腔内送達デバイスの背面斜視図を示す。
【図10B】図10Bは、訓練型カートリッジが取り付けられた図9に示される鼻腔内送達デバイスの背面斜視図を示す。
【図11】図11は、患者内に配置された図9に示される鼻腔内送達デバイスの断面側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
群発性頭痛に関連する痛みなど患者の痛みを治療するために鼻道に挿入する鼻腔内デバイスについて説明する。従来の鼻腔内デバイスとは異なり、本明細書に説明するデバイスは患者が自宅で薬剤を自己投与するのに使用することができる。鼻腔内デバイスは患者が操作することができ、患者の解剖学的構造に基づいて構成(プログラム)することができる。デバイスは、好ましくは、患者が鼻道(例えば、鼻腔)内にデバイスを配置するのを助けるフィードバック機構および制御部を含む。
【0022】
この説明では特定の用語が便宜のために用いられているが、それは限定をするものではない。「近位(proximal)」および「遠位(distal)」という用語は一般的に、それぞれ、鼻腔内デバイスを操作している個人または患者に向かう位置若しくは方向及びそこから離れる位置若しくは方向をいう。「軸」、「垂直」、「横」、「左」、「右」、「上」、および「下」という用語は、参照される図面における方向を示す。「実質的に」という用語は、かなりの程度または大部分を意味し、必ずしも特定されているもの全体を意味するものではないことが意図される。用語には、上記に列挙した単語、その派生語、および同様の重要な単語が含まれる。
【0023】
図1および図2は、それぞれ、本開示の第1の態様による鼻腔内送達デバイス100の正面斜視図および背面斜視図である。鼻腔内送達デバイス100は、本体102と、位置コントローラ104とを含む。本体102は、上部106と、下部108(例えばグリップ部分またはハンドル部分)とを有する。上部106は好ましくは下部108からある角度で延びる。上部106は患者の鼻孔に入るように構成された鼻孔挿入先端部110を含む。図1および図2には明示的に示されていないが、上部106は、好ましくは、薬剤リザーバを、好ましくはカテーテルおよび薬剤リザーバの両方を備える交換可能な薬剤カートリッジである。鼻孔挿入先端部110は、本体102の内部から本体102の外部へ延びるチャネル112を定義する。チャネル112は内部にチューブ(図示せず)を受容するように構成されている。チューブは、例えばカテーテルなどの薄い可撓チューブとすることができる。カテーテルは、剛性、可撓性、または剛性と可撓性を有するものであってよく、剛性と可撓性の間のバランスにより、回転したり引っ掛かったりすることなく、鼻腔内へのカテーテルの前進が可能になる。カテーテルはまた、挿入中の痛み、不快感、および損傷を最小限に抑えるように構成されている。カテーテルの構成は、例えば、カテーテルが連結される送達デバイスの構成、実行される治療の方法、またはカテーテルの位置決めを容易にするその他の因子に依存し得る。本明細書に記載される送達デバイスの実施形態は1若しくはそれ以上の構成のカテーテルを含み得ることが理解されよう。
【0024】
鼻孔挿入先端部110は、上部106のストッパ表面114に連結されている。鼻孔挿入先端部110は、着脱自在、洗浄可能、交換可能、および消毒可能とすることができる。上面114は実質的に平坦な表面であってよく、鼻孔挿入先端部110は上面114から実質的に垂直に延びる。鼻孔挿入先端部110はカテーテルが通過する単一のユニットを含み得る、あるいは代替的に鼻孔挿入先端部110は入れ子式で鼻腔内に前進する2若しくはそれ以上の部品を含み得る。単一ユニットの挿入先端部110は、より柔軟なカテーテルの前進を可能にするために剛性のより高い形態を含み得る。入れ子式挿入先端部110は、上面114から入れ子式に延びる一連の1若しくはそれ以上のユニットを含み得る。1若しくはそれ以上のユニットは鼻腔内の可撓カテーテルを所望の位置に案内できる剛性を有する。一態様において、入れ子式挿入先端部110は、デバイス100が作動されるまで挿入先端部110が上面114を超えて延在しないように送達デバイス100内に格納し得る。
【0025】
本体102の下部108は患者によって把持または保持されるように構成されている。一態様において、下部108は当該下部108を握るのに患者がどちらの手または側を使うかということに依存しない。下部108は、位置コントローラ104と、薬剤送達制御部116(例えば、アクチュエータ)と、(図には表れていないが)チャンバとを含む。位置コントローラ104はチャネル112を通るカテーテルの動きを制御するように構成されている。前記動きは本体102からカテーテルを前進および後退させることを含む。一態様において、位置コントローラ104はサムホイールを含み、このサムホイールは患者により回転させてカテーテルを前進および後退させることができる。代替的な態様では、位置コントローラ104は、線形アクチュエータ、例えば電動ラック、圧電モータ(例えば、波動モータ)、空気圧または油圧ピストン、またはカテーテルを前進および後退させるように構成されるその他のコントローラを含み得る。他の代替的な態様では、位置コントローラ104は、カテーテルを把持して正確な位置制御でカテーテルを前進および後退させるように構成されたピンチローラー機構とともに、ブラシ付き直流(DC)モータまたはステッパーモータなどの小型モータを含み得る。位置コントローラ104は、好ましくはデバイス100の本体102内に少なくとも部分的に適合するようなサイズである。
【0026】
チャンバは内部に薬剤を貯蔵するように構成されている。チャンバは、本体102によって定義することができ、あるいは本体102から着脱自在の交換可能なカートリッジ106によって定義することができる。カテーテルは、着脱自在または非着脱自在に前記交換可能なカートリッジに連結され、チャンバと流体連通するようになっている。一態様において、カテーテルは交換可能なカートリッジに取り付けられ、当該交換可能なカートリッジとカテーテルが単一のユニットとして本体102から着脱自在になっている。
【0027】
また、デバイス100は、好ましくはフィードバック機構(図示せず)と、送達システム(図示せず)と、電源(図示せず)とを含む。前記フィードバック機構は、以下でより詳しく説明するように患者の鼻腔内におけるカテーテルの先端部の位置を示すように構成されている。電池などの電源は、位置コントローラ104、フィードバック機構、および送達システムのいずれかまたは全てに電力を供給するように構成されている。
【0028】
送達システムはチャンバに作動可能に連結されており、チャンバから鼻腔内へカテーテルを介して薬剤を送達するように構成されている。送達システムは、遠心ポンプ、蠕動ポンプ、圧電ポンプ、電動シリンジ、空気圧制御シリンジ、油圧制御シリンジ、バネ式若しくは形状記憶性金属制御シリンジ、ソフトウェア制御バルブ配置を用いた加圧リザーバ、それらの組み合わせ、または薬剤を送達するように構成されたその他の送達システムを含んでもよい。
【0029】
薬剤を投与するための鼻腔内送達デバイス100を使用する方法は、患者が鼻孔の1つに鼻孔挿入先端部110を位置合わせする工程を有する。鼻孔挿入先端部110は、快適に移動または上昇し得る限り、鼻孔が上部106の上面114に接触するまで鼻孔内へ挿入することができる。鼻孔挿入先端部110は、柔らかく適合する材料、または各患者用に特定の鼻孔の形状にカスタム成形された材料とすることができる。先端部110を挿入した後、カテーテルを先端部110のチャネル112を通って前進させ、鼻孔および鼻腔に挿入することができる。位置コントローラ104を手動で回転させるなど、位置コントローラ104の第1の作動によってカテーテルを前進させることができる。代替的に、ボタンまたはオン/オフスイッチを押して例えばカテーテルに作動可能に連結されたモータを作動させ、カテーテルを前進させてもよい。次いで、カテーテルを蝶形口蓋神経節(SPG)に隣接または近接して配置し得る。カテーテルの位置決めはフィードバック機構によって補助されるものであり、このフィードバック機構は、カテーテルが所定の位置にあるか、調整が必要かを示すフィードバックを患者に提供する。例えば、フィードバック機構は、光表示器、テキスト情報、トーンパターンおよび/若しくは合成音声などの可聴フィードバック、振動、それらの組み合わせ、またはカテーテルの位置を患者に知らせる他の表示器などの視覚的若しくは可聴表示器を使用することによりカテーテルの先端部の位置を示すことができる。一実施形態によれば、前記デバイスは、訓練を受けた医療専門家による以前の訓練セッションからのカテーテルの先端部をSPGに向けて案内する命令でプログラムされている。
【0030】
カテーテルが鼻腔内に配置された後、薬剤がチャンバからSPG領域に向けて送達される。患者は送達システムを用いてカテーテルを通じて薬剤を送達することができる。送達システムは薬剤送達制御部116を作動させること(例えば、第2の作動)によって始動され得る。薬剤送達制御部116は例えばモータを作動させるボタンまたはオン/オフスイッチを含むことができる。代替的に、薬剤送達制御部116は薬剤を鼻腔に送り込むために手動操作可能なポンプを含むことができる。また、送達エネルギーは事前加圧された薬剤リザーバにより供給することができ、この場合、使用者がバルブを制御して薬剤を放出することにより蓄えられた圧力で薬剤が送達される。また、薬剤送達制御部116はカテーテルの前進に基づいて始動されてもよい。例えば、カテーテルが所定の距離(例えば、最小距離)鼻腔内へ前進すると、送達制御部116が自動的に始動してもよい。
【0031】
SPGに向けた薬剤の送達後、カテーテルは鼻腔から後退される。カテーテルは、患者が前進のための回転方向とは逆の方向に位置コントローラ104を手動で回転させることにより後退させることができる。代替的に、ボタンまたはオン/オフスイッチを押して作動させることによりカテーテルが前進する場合、患者は、リバース若しくは後退ボタンまたはスイッチを作動させてカテーテルを後退させてもよい。カテーテルが後退すると、鼻孔挿入先端部110は患者の鼻孔から取り除かれる。鼻孔挿入先端部110、カテーテル、交換可能なカートリッジ、および任意の残りの薬剤は、鼻腔内送達デバイス100から取り外され廃棄されてもよい。
【0032】
図3および図4は鼻腔内送達デバイスの代替的な一態様を示す。図3および図4に示す態様の部分は、図1および図2で上述した態様と同様であり、特に明記されていない限り、それらの部分は上記のものと同様に機能する。
【0033】
図3および図4はそれぞれ、本開示の一態様による鼻腔内送達デバイス200の正面斜視図および背面斜視図を示すものである。鼻腔内送達デバイス200は、本体202と、カテーテル204と、ストッパ206とを含む。本体202は、上部208と、中間部210(例えばグリップ部分またはハンドル部分)と、下部212とを含む。上部208は本体202の内部から本体202の外部まで延びる(図には表れていない)チャネルを定義する。チャネルは内部にカテーテル204を受け入れるように構成されている。中間部210は上部208の近位に位置する。中間部210は患者が容易に保持し得るように成形または構成することができる。中間部210の中心の直径は、中間部210の上端および下端の直径よりも小さく、例えば親指と人差し指との間で握ることができる湾曲部を形成することができる。一態様において、中間部210は、実質的に中空であり、圧縮可能および拡張可能である可撓性材料を含む。本体202の下部212は、中間部210の近位に配置され、チャンバ214を定義する。
【0034】
第1の実施形態によれば、薬剤は上部208の薬剤チャンバに貯蔵される。この場合、チャンバ214はバルブを含み、このバルブは空気を含んで患者が当該バルブを圧迫したときにリザーバの内容物を加圧することができる。上部208およびカテーテルは、再利用可能部分(210および214)に適合された使い捨て部分を含んでもよく、それは薬剤送達の検知や使用者へのフィードバックを行う電子機器を含んでもよい。カテーテル204は上部208に着脱自在または非着脱自在に連結され、カテーテル204が上部208に含まれる薬剤チャンバと流体連通するようになっている。
【0035】
第2の実施形態によれば、チャンバ214は薬剤を内部に貯蔵するように構成することができる。この実施形態では、下部212は、鼻腔内送達デバイス200から取り外して別のカートリッジと交換することができる交換可能なカートリッジである。カテーテル204は、着脱自在または非着脱自在に下部212に連結され、カテーテル204がチャンバ214と流体連通するようになっている。カテーテル204は、本体202の上部208および中央部210を通って延びる。カテーテル204は、下部212に取り付けられて、下部212およびカテーテル204が単一のユニットとして本体202から着脱自在になっていてもよい。一態様において、カテーテル204は、本体202に軸方向に固定されてもよく、それによりチャネルを通じた本体202内外へのカテーテル204の並進が実質的に防止される。
【0036】
他の代替的な実施形態では、中央部210は一方の平面では剛性のみを有し、他方の平面では可撓性を有する。これにより、可撓性平面において加圧/圧迫が可能になり、下部212が可撓性であることを必要としない。完全な送達デバイス200は使い捨て可能であってよい。
【0037】
図3および図4に関連して説明した前述の実施形態によれば、ストッパ206はカテーテル204にスライド可能に取り付けられている。ストッパ206の位置は、ストッパ206をカテーテル204に沿って所望の位置に移動させることによって調整することができ、左または右の鼻孔に基づいて構成することができる。所望の位置が達成されると、ストッパ206はその位置でカテーテル204に固定またはロックすることができる。所望の位置は、患者の解剖学的構造に基づいていてもよく、処方する医師によって決定されてもよい。例えば、ストッパ206の所望の位置は、患者の鼻孔および鼻腔の長さおよび/またはサイズに基づき得る。ストッパ206は、鼻腔内への当該ストッパ206の進入を実質的に阻止するサイズである。
【0038】
また、デバイス200は、送達システム(図示せず)と、電源(図示せず)と、センサ216とを含み得る。この送達システムおよび電源は、鼻腔内送達デバイス100の送達システムおよび電源と実質的に同様に構成することができる。
【0039】
ストッパ206およびセンサ216はそれぞれ、患者の鼻腔内におけるカテーテル204の先端部218の位置を示すように構成されたフィードバック機構を構成することができる。鼻腔内送達デバイス200は、ストッパ206またはセンサ216のいずれか、またはストッパ206およびセンサ216の両方を含み得ることが理解される。例えば、ストッパ206は患者に触覚フィードバックを提供することができる。例えば、カテーテル204上のストッパ206の所望の位置は、鼻孔の開口部からSPG領域までの距離と実質的に同じであるカテーテル204の先端長さ(D)を定義する位置とすることができる。患者がカテーテル204を鼻腔に挿入するとき、ストッパ206が患者の鼻孔に接触すると、患者は触覚フィードバックを受けることとなる。
【0040】
図5は、センサ216を含むフィードバック機構250の概略を示す。フィードバック機構250は、カテーテル204の位置決めを容易にする電子制御ユニットなどの制御部を含む。フィードバック機構250はさらに、プロセッサ252と、メモリ254と、表示部256と、アクチュエータ258とを含む。フィードバック機構250が単一のユニットとして表されているが、他の態様では、フィードバック機構250は、別のコンポーネントに組み込まれた複数の別個であるが相互作用するユニットとして分散されていてもよく、あるいは鼻腔内送達デバイス200の上または外の異なる場所に配置されていてもよい。
【0041】
センサ216はカテーテル204の先端部218に連結されている。センサ216は、先端部218の位置および向きを感知し、プロセッサ252にフィードバックを提供することができる。センサ216は、例えば3D加速度計と3Dジャイロスコープの両方の機能を組み込んだ電子デバイスである慣性測定ユニット(IMU)を含み得る。プロセッサ252は、センサ216から受信した信号に応答して信号をアクチュエータ258に出力するように構成されている。アクチュエータ258は、例えば送達システムおよび/または位置コントローラを作動するように構成された1若しくはそれ以上のアクチュエータを含み得る。また、表示部256は、プロセッサ252に連結され、例えば鼻腔内のカテーテル204の位置に関連する様々なデータを患者に表示してもよい。カテーテル204の前進または後退を含み、前記データに応じて動作を実行することができる。使用中のフィードバックに加えて、プロセッサ252は、使用情報をメモリ254に記録し、当該使用情報をモバイルデバイス(図示せず)に例えばクラウドネットワーク上のワイヤレスリンクを介して提供することができる。また、前記使用情報は、アドヒアランス、コンプライアンスおよび/または緊急使用情報のために医療提供者に転送されてもよい。
【0042】
鼻腔内送達デバイス200を操作する方法は、鼻腔内送達デバイス100を操作する方法と実質的に同様とすることができる。代替的に、薬剤を投与するための鼻腔内送達デバイス200を使用する方法は、カテーテル204上の希望の位置にストッパ206を配置する工程を有する。ストッパ206は所望の位置でカテーテル204にロックされる。ストッパ206がロックされた後、患者は、カテーテル204の先端部218を鼻孔の1つと位置合わせし、カテーテル204を鼻孔内に挿入する。一態様において、カテーテル204は本体202に軸方向に固定されており、カテーテル204の挿入に伴い患者が鼻腔内送達デバイス200の本体202全体を鼻腔に向かって動かすようになっており、それによりカテーテル204が鼻腔に押し込まれる。代替的に、カテーテル204は上述したように位置コントローラを用いて挿入されてもよい。カテーテル204は、ストッパ206が鼻孔に接触するまで鼻腔に挿入される。
【0043】
ストッパ206が鼻孔に接触した後、次いで患者はSPGに向けて薬剤を送達することができる。SPGへの薬剤の送達は上記のような送達システムを用いて行うことができる。代替的に、薬剤の送達は圧迫バルブとして機能する下部212を圧迫することにより手動で行われてもよく、それにより薬剤は上部208からカテーテル204を通じてポンプ式に送り出される。この実施形態では、上述したように薬剤は上部208に貯蔵されており、チャンバ214はバルブであり、空気を含んで患者がそれを圧迫したときにリザーバの内容物を加圧することができる。
【0044】
代替的に、薬剤は、中央部210を圧迫することによってチャンバ214からポンプ式に送り出され、カテーテル204を通って押し出されてもよい。この態様では、中央部210は圧迫バルブとして機能する。この場合、下部212は剛性材料で形成することができ、それにより、中央部210を圧迫すると下部212内の圧力が増加し、薬剤がチャンバ214から押し出される。代替的に、下部212は可撓性材料で形成されていてもよく、下部212を圧迫することによりカテーテル204を通じて薬物をポンプ式に送り出すことができる。送達デバイス200は、個々の様々な圧力の適用に関係なく、所望の位置への薬剤の一貫した送達を提供する。
【0045】
SPGに向けた薬剤の送達後、カテーテル204は鼻腔から後退される。カテーテルは上述したように患者が位置コントローラを用いて後退させることができる。代替的に、患者は鼻腔内送達デバイス200の本体202を鼻腔から引き離すことによりカテーテル204を手動で後退させてもよい。カテーテルが後退したら、カテーテル204および交換可能なカートリッジ212は本体202から取り外され廃棄されてもよい。代替的に、鼻腔内送達デバイス100全体を廃棄してもよい。
【0046】
図6は鼻腔内送達デバイスのその他の代替的な態様を示す。図6に開示する態様の部分は図1〜図5について上述した態様と同様であり、特に明記されていない限りそれらの部分は上記と同様に機能する。
【0047】
図6は、本開示の一態様による鼻腔内送達デバイス300の正面斜視図を示す。鼻腔内送達デバイス300は本体302と位置コントローラ304とを含む。本体302は上部306と下部308(例えばグリップ部分またはハンドル部分)とを有する。上部306は鼻孔挿入先端部310とインターロックスイッチ311とを含む。好ましくは、上部306は薬剤チャンバとカテーテルとを含む交換可能なカートリッジである。鼻孔挿入先端部310は患者の鼻孔に入るように構成されている。鼻孔挿入先端部310は本体302の内部から本体302の外部まで延びるチャネル312を定義する。チャネル312は内部にカテーテル(図示せず)を受け入れるように構成されている。一態様において、鼻腔内送達デバイス300の鼻孔挿入先端部310は鼻腔内送達デバイス100の鼻孔挿入先端部110と実質的に同様に構成することができる。
【0048】
本体302の下部308は患者によって把持または保持されるように構成されている。下部308は位置コントローラ304と(図には表れていない)薬剤送達制御部316とを含む。(図には表れていない)上部306の薬剤チャンバは好ましくは下部308内に配置される。位置コントローラ304、薬剤送達制御部316、および鼻腔内送達デバイス300のチャンバは、それぞれ、位置コントローラ104、薬剤送達制御部116、および鼻腔内送達デバイス100のチャンバと実質的に同様に構成することができる。
【0049】
また、デバイス400は、上述した鼻腔内送達デバイス100、200、300、および400のフィードバック機構および電源と実質的に同様に構成されたフィードバック機構(図示せず)および電源(図示せず)を含み得る。
【0050】
鼻腔内送達デバイス300を操作する方法は、上述した鼻腔内送達デバイス100および200のいずれかを操作する方法と実質的に同様であってよい。さらに、鼻孔挿入先端部310を患者の鼻孔に挿入する間、インターロックスイッチ311は、鼻腔内送達デバイス300が完全に鼻孔に挿入されたことの指標を患者に提供することができる。一態様において、インターロックスイッチ311は、カテーテルが所望の位置にあるときにのみロックされ、解放され得る。インターロックスイッチ311は、ばね式とすることができ、患者の上唇に抗して圧縮するように構成されていてよい。
【0051】
図7および図8は、鼻腔内送達デバイスのその他の代替的な態様を示す。図7および図8に開示する態様の部分は図1〜図6で上述した態様と同様であり、特に明記されていない限り、それらの部分は上述したものと同様に機能する。
【0052】
図7および図8は、それぞれ本開示の一態様による鼻腔内送達デバイス400の正面斜視図および背面斜視図を示す。鼻腔内送達デバイス400は、本体402と、コントローラ404とを含む。本体402は、上部406と、下部408(例えばグリップ部分またはハンドル部分)とを有する。上部406は好ましくは薬剤チャンバとカテーテルとを有する交換可能なカートリッジである。上部406は、一対の挿入先端部410と、前進/後退スイッチ404と、口部材413(例えば、バイトブロック)と、電力制御部415とを含む。口部材413は、デバイス400を操作している患者の口に接触するように構成されおり、呼吸窓416、歯用棚417、または送達デバイス400の位置決めを容易にするその他の機構を含み得る。口部材413は、患者の解剖学的構造に基づいて調整可能であってよい。口部材413は、患者に合わせてカスタム成形することができ、好ましくは再利用可能な本体の一部として残る。口部材413は取り外され消毒されるように構成することができる。電力制御部415は、「オン」位置と「オフ」位置との間でデバイス400の電源を動作させるように構成されている。
【0053】
挿入先端部410は患者の各鼻孔に位置が合うように構成されている。挿入先端部410は本体402の内部から本体402の外部まで延びるチャネル412を定義する。各チャネル412は内部にカテーテル(図示せず)を受け入れるように構成されている。一態様において、鼻腔内送達デバイス400の各挿入先端部410は鼻腔内送達デバイス100および300の鼻孔挿入先端部110および310と実質的に同様に構成することができる。
【0054】
本体402の下部408は患者によって把持または保持されるように構成されている。下部408はコントローラ404を含む。上部406に含まれる薬剤チャンバは好ましくは下部408内に配置される。チャンバは上述のように内部に薬剤を格納するように構成されている。1つまたは2つのカテーテルをチャンバに連結して、各カテーテルがチャンバ内に貯蔵される薬剤と流体連通するようにすることができる。1つまたは2つのカテーテルのそれぞれは、チャンバから各チャネル412を通って延びる。
【0055】
コントローラ404は、位置コントローラを制御してチャネル412を通るカテーテルを動かすように構成され、さらに、1つまたは2つのカテーテルを介してチャンバから鼻腔内に薬剤を送達するように送達システムを制御するように構成されている。位置コントローラおよび送達システムは、鼻腔内送達デバイス100、200、および300の位置コントローラおよび送達システムと実質的に同様に構成することができる。コントローラ404は、患者が本体402の下部408を保持しながら作動させることができる「トリガー」を有してもよい。スイッチ411はどちら側(左または右)を扱うかを選択するのに用いられる。この実施形態では好ましくは、患者がトリガースイッチを押して保持すると、薬剤の投与と共に単一のカテーテルの前進および後退が自動的に行われる。治療は一回につき片側において行うことが好ましい。
【0056】
また、デバイス400は、上述した鼻腔内送達デバイス100および200のフィードバック機構および電源と実質的に同様に構成されたフィードバック機構(図示せず)および電源(図示せず)を含み得る。
【0057】
鼻腔内送達デバイス400を操作する方法は、上述した鼻腔内送達デバイス100、200、および300のいずれかを操作する方法と実質的に同様とすることができる。さらに、挿入先端部410とそれぞれの鼻孔との位置合わせ中に、患者はまた、口部材413を口と位置合わせする。代替的な態様では、口部材413は、例えば患者の歯および/または顎と位置合わせされてもよい。患者は歯で口部材413を把持してもよい。挿入先端部410および口部材413の位置合わせ後、鼻腔内送達デバイス400は上述したように操作することができる。
【0058】
図9〜図10Bは、鼻腔内送達デバイスの他の代替的な態様を示す。図9〜図10Bに開示される態様の部分は図1〜図8について上述した態様と同様であり、特に明記されていない限り、これらの部分は上記と同様に機能する。
【0059】
図9は本開示の一態様による鼻腔内送達デバイス500の正面斜視図を示す。また、図10Aは本開示の一態様による、薬剤カートリッジが取り付けられた鼻腔内送達デバイス500の背面斜視図を示すものであり、図10Bは本開示の一態様による、訓練型カートリッジが取り付けられた鼻腔内送達デバイス500の背面斜視図を示すものである。鼻腔内送達デバイス500は、本体502と、交換可能な薬剤カートリッジ504aまたは訓練型カートリッジ504bとを含む。本体502は、上部506と、下部508(例えば、グリップ部分またはハンドル部分)とを有する。上部506は、下部508からある角度で延在し、および/または下部508に対して回転自在とすることができる。上部506は、鼻孔挿入先端部510と、鼻係止部511とを含む。鼻孔挿入先端部510は患者の鼻孔へ入るように構成されており、それぞれの鼻孔と位置合わせされるように回転自在(例えばボール継手)であってもよい。鼻孔挿入先端部510は、本体502の内部から本体502の外部まで延びるチャネル512を定義する。チャネル512は内部にカテーテル501を受け入れるように構成されている。一態様において、鼻腔内送達デバイス500の鼻孔挿入先端部510は鼻腔内送達デバイス100および300の鼻孔挿入先端部110および310と実質的に同様に構成することができる。
【0060】
鼻係止部511は少なくとも1つの発光ダイオード(LED)515を含む。鼻係止部511は、鼻腔内送達デバイス500の使用中に、鼻腔内のカテーテルの位置および/または経路に関して患者にフィードバックを提供するように構成されている。例えば少なくとも1つのLED515は異なる色の光を含み得る。カテーテル挿入時に1つのライトが点灯し、カテーテルが所望の位置に到達すると、当該ライトがオフになり、別のライトがオンになり、カテーテルが適切に配置されていることを患者に示す。
【0061】
本体502の下部508は、患者によって把持または保持されるように構成されている。下部508は、交換用薬剤カートリッジ504a(図10A)または訓練型カートリッジ504b(図10b)と、口部材513(例えば、バイトブロック)と、液晶表示(LCD)表示部517と、唇凹部519と、電力制御部521と、把持用凹部523とを含む。口部材513および電力制御部521は、それぞれ、鼻腔内送達デバイス400の口部材413および電力制御部415と実質的に同様に構成することができる。LCD表示部517は鼻腔内送達デバイス200の表示部256と実質的に同様に構成することができる。唇凹部519は口部材513が患者の口に近接して配置されるときに患者の唇に接触するように構成されている。把持用凹部525は下部508の両手利き把持用に構成されている。
【0062】
交換可能な薬剤カートリッジ504aおよび訓練型カートリッジ504bは鼻腔内送達デバイス500から着脱自在である。交換可能な薬剤カートリッジ504aは(図には表れていない)チャンバを含み、訓練型カートリッジ504bは、チャンバと、位置コントローラ524と、薬剤送達制御部526とを含み得る。位置コントローラ524、薬剤送達制御部526、および鼻腔内送達デバイス500のチャンバは、位置コントローラ104、304、および404、薬剤送達制御部116、316、および鼻腔内送達デバイス100、300、および400のチャンバと実質的に同様に構成することができる。図10Bは、表示部528を含む、医師による訓練セッション中に使用され得るデバイスの一実施形態を示す。
【0063】
また、デバイス500は、上述したデバイス100、200、300、および400のフィードバック機構、送達システム、および電源と実質的に同様に構成されたフィードバック機構(図示せず)、送達システム(図示せず)、および電源(図示せず)を含み得る。
【0064】
本明細書に記載される送達デバイス100、200、300、400、および500の実施形態は、1若しくはそれ以上の構成のカテーテルを含み得ることが理解される。例えば、各送達デバイス100、200、300、400、および500は、剛性、可撓性、または剛性と可撓性の組み合わせのいずれかを有するカテーテルを含み得るものであり、剛性と可撓性との間のバランスにより上記で詳述したように回ったり引っ掛かったりすることなく鼻腔内へのカテーテルの前進が可能になる。
【0065】
鼻腔内送達デバイス500を操作する方法は、上述した鼻腔内送達デバイス100、200、300、および400のいずれかを操作する方法と実質的に同様とすることができる。図11は、鼻腔内送達デバイス500が挿入位置にありカテーテル501が鼻腔内に延在している状態を示す。
【0066】
本明細書に記載される鼻腔内送達デバイスは、患者が薬剤の自己投与中に当該デバイスの位置を鼻孔で快適に保持し維持できるように人間工学的に設計されている。患者は目的の位置に到達させるためにカテーテルを挿入し押し込む距離および強さを知る必要がなく、怪我を防ぐことができる。電動式鼻腔内送達デバイスの利点は安全にある。フィードバック機構によりリアルタイムで提供される速度、位置、および力のフィードバックによって怪我の可能性が大幅に減少する。例えば、過剰な挿入力が検知された場合、デバイスはカテーテルの前進を停止し、および/またはカテーテルを後退させるように構成されていてもよい。次いで、デバイスは修正措置に関する情報を患者に提供することができる。組織の損傷を回避するために、カテーテルの挿入速度が制御されてもよい。
【0067】
本発明の追加の実施形態は、(a)(任意選択的にデバイスに薬剤チャンバが取り付けられていない)本明細書に記載の鼻腔内デバイスと、(b)1若しくはそれ以上の交換可能なカートリッジであって、各交換可能なカートリッジは薬剤を有するチャンバを有するものである、カートリッジとを含むキットである。他の一実施形態によれば、キットは、(a)(任意選択的に、薬剤チャンバおよびカテーテルがデバイスに取り付けられていない)本明細書に記載される鼻腔内デバイスと、(b)1若しくはそれ以上の交換可能なカートリッジであって、各交換可能なカートリッジはカテーテルと薬剤を有するチャンバと有するものである、カートリッジとを有する。他の一実施形態によれば、キットは、(a)(任意選択的に薬剤チャンバおよびカテーテルがデバイスに取り付けられていない)本明細書に記載される鼻腔内デバイスと、(b)1若しくはそれ以上の交換可能なカートリッジであって、各交換可能なカートリッジは薬剤を有するチャンバを有するものである、カートリッジと、(c)1若しくはそれ以上のカテーテルとを有する。次いで、患者は薬剤を自己投与する前に、例えば交換可能なカートリッジを鼻腔内デバイスに取り付けることにより、キットの部品を組み立てる。各キットは、複数の投薬セッション用にデバイスと共に使用される、薬剤チャンバを有する1若しくはそれ以上の交換可能なカートリッジと、(カテーテルが交換可能なカートリッジの一部として含まれていない場合)任意選択的に1若しくはそれ以上のカテーテルとを含む。また、各キットは単一の包装または個別梱包された1若しくはそれ以上の消毒ワイプを含んでもよい。
【0068】
上述したこれらの特定の実施形態は、例示を目的とするものであり、その他に記載され特許請求されている開示の範囲を限定することを意図するものではない。当業者であれば、その広範な発明概念から逸脱することなく、上記に示され説明される例示的な実施形態に変更を加えることができることを理解されよう。したがって、本発明は、図示および説明される例示的な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲内の修正を含むことが意図されることが理解される。例えば、例示的な実施形態の特定の特徴は、特許請求の範囲に記載されている発明の一部であってもなくてもよく、また開示される実施形態の様々な特徴が組み合わされてよい。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【国際調査報告】