(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021501016
(43)【公表日】20210114
(54)【発明の名称】弁付き導管
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20201211BHJP
【FI】
   !A61F2/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】2020524200
(86)(22)【出願日】20180912
(85)【翻訳文提出日】20200617
(86)【国際出願番号】US2018050771
(87)【国際公開番号】WO2019089137
(87)【国際公開日】20190509
(31)【優先権主張番号】62/579,752
(32)【優先日】20171031
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/129,673
(32)【優先日】20180912
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
【住所又は居所】アメリカ合衆国,デラウェア 19711,ニューアーク,ペーパー ミル ロード 555
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】カイル ダブリュ.コラビート
【住所又は居所】アメリカ合衆国,デラウェア 19711,ニューアーク,ペーパー ミル ロード 551
(72)【発明者】
【氏名】エドウィン ダブリュ.フィールド
【住所又は居所】アメリカ合衆国,デラウェア 19711,ニューアーク,ペーパー ミル ロード 551
(72)【発明者】
【氏名】コリン ティー.バーンズヘフナー
【住所又は居所】アメリカ合衆国,デラウェア 19711,ニューアーク,ペーパー ミル ロード 551
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097DD01
4C097EE02
4C097EE06
4C097SB02
(57)【要約】
本開示の各種側面は、弁付き導管を含む装置、システム及び方法に関する。該弁付き導管は、少なくとも1つの小葉と、導管内での血栓形成を軽減する内面とを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面と外面とを有する導管と、
該導管内の血栓形成を軽減するように該導管の該内面に配置される内側部分及び該導管の該外面に非機械的に付着される外側部分を有する少なくとも1つの小葉と
を含んでなる弁付き導管。
【請求項2】
前記少なくとも1つの小葉の前記外側部分が、接着剤、熱接合又は化学的接合によって前記導管の前記外面に付着されている、請求項1に記載の弁付き導管。
【請求項3】
前記導管は洞を含まない、請求項1又は2に記載の弁付き導管。
【請求項4】
前記導管は機械的結合を含まない、請求項1〜3の何れか一項に記載の弁付き導管。
【請求項5】
前記少なくとも1つの小葉の前記外側部分が前記導管の前記外面に装着されており、該装着は無縫合である、請求項1〜4の何れか一項に記載の弁付き導管。
【請求項6】
前記少なくとも1つの小葉の前記外側部分が、前記導管の前記外面に接着フィルムの層によって付着されている、請求項1〜5の何れか一項に記載の弁付き導管。
【請求項7】
前記接着フィルムは前記導管の周囲に配置されている、請求項6に記載の弁付き導管。
【請求項8】
前記導管及び前記接着フィルムの周囲に配置された可撓性フィルムを更に備える、請求項6又は7に記載の弁付き導管。
【請求項9】
前記可撓性フィルムは延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含み、かつ、前記接着フィルムはフッ化エチレンプロピレン(FEP)を含む、請求項8に記載の弁付き導管。
【請求項10】
前記可撓性フィルムによって前記導管に結合された支持枠を更に備える、請求項8又は9に記載の弁付き導管。
【請求項11】
前記支持枠はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成されている、請求項10に記載の弁付き導管。
【請求項12】
前記導管の前記外面に、前記少なくとも1つの小葉に隣接して配置された少なくとも1つの放射線不透過性マーカーを更に備える、請求項1〜11の何れか一項に記載の弁付き導管。
【請求項13】
前記導管の前記内面は、径が一定であり、かつ、巨視的な妨害物を含まない、請求項1〜12の何れか一項に記載の弁付き導管。
【請求項14】
前記少なくとも1つの小葉は前記導管内の長さ方向に沿った長手方向位置に配置されており、かつ、前記導管は、前記少なくとも1つの小葉が配置された該長手方向位置と、その隣接する近位部及び遠位部とを通して、径が一定である、請求項1〜13の何れか一項に記載の弁付き導管。
【請求項15】
内面、外面、近位部及び遠位部を有する導管と、
該導管の該内面と該外面との間に開口を有する小葉装着部と、
該導管内での血栓形成を軽減するため、該導管の該内面又は該外面を機械的に改変することなく該導管の該外面に装着された装着区域を有する少なくとも1つの小葉と
を含んでなる弁付き導管。
【請求項16】
前記少なくとも1つの小葉は3つの小葉を有し、かつ、該3つの小葉は前記導管の内部において間隙によって互いに分離されている、請求項15に記載の弁付き導管。
【請求項17】
前記導管は、前記導管の前記内面において前記3つの小葉の間に前記間隙を形成するため、前記小葉の各々の前記装着区域で前記小葉を分離する交連間隙を含む、請求項16に記載の弁付き導管。
【請求項18】
前記装着区域は、前記導管の前記外面に接着剤、熱接合又は化学的接合によって装着される、請求項15〜17の何れか一項に記載の弁付き導管。
【請求項19】
前記装着区域は第1の部分と第2の部分とを含み、該第1の部分は前記導管の前記外面の前記近位部に装着され、該第2の部分は前記導管の前記外面の前記遠位部に装着されている、請求項15〜18の何れか一項に記載の弁付き導管。
【請求項20】
前記小葉装着部は前記導管の一部であり、前記小葉装着部は前記導管の残りの部分よりも密度が高い、請求項15に記載の弁付き導管。
【請求項21】
前記導管内の血流の方向を示すために、前記導管の前記外面上に方向表示を更に備える、請求項15に記載の弁付き導管。
【請求項22】
右室流出路又は主肺動脈の部分的又は完全な再建が望まれる場合に、自己肺動脈弁又は以前に移植された肺動脈弁導管の交換に起因する血栓形成を減少させる方法であって、
遠位端、近位端、内部、外部、及び小葉装着部を有する人工導管と、該導管の外側に配置される部分と該導管の内側に配置される部分とを有する少なくとも1つの可撓性人工小葉とを備え、該導管の外側にある該小葉部分は、該装着部において該導管の該外部に装着され、該導管の該装着部には穿孔がない、医療機器を提供する工程と、
該医療機器を手術により移植する工程と
を含んでなる方法。
【請求項23】
右室流出路又は主肺動脈の部分的又は完全な再建が望まれる場合に、自己肺動脈弁又は以前に移植された肺動脈弁導管を交換する方法であって、
人工導管と、生理用食塩水で洗い流され、かつ、予備凝固処理されてない、該人工導管に装着された少なくとも1つの可撓性人工弁小葉とを備える医療機器を提供する工程と、
該医療機器を手術で移植する工程と
を含んでなる方法。
【請求項24】
右室流出路又は主肺動脈の部分的又は完全な再建が望まれる場合に、自己肺動脈弁又は以前に移植された肺動脈弁導管を交換する方法であって、
生理用食塩水で洗い流され、かつ、予備凝固処理されてない医療機器であって、非生物学的導管と、該非生物学的導管に装着された少なくとも1つの非生物学的可撓性ポリマー弁小葉とを備える医療機器を提供する工程と、
該医療機器の流入及び流出領域を特定する工程と、
移植時に冠れん縮のリスクがないことを確保するため、冠動脈の意図した場所にアクセスする工程と、
軽く張った状態で、流入導管及び/又は流出導管を任意で移植に適した長さにトリミングする工程と、
該医療機器を装着する工程と
を含んでなる方法。
【請求項25】
弁付き導管用の梱包インサートであって、該梱包インサートは、折り畳まれて一以上の支持部を形成し、かつ、該弁付き導管内に挿入されて該弁付き導管内で一以上の小葉を支持するように構成されている支持構造を含んでなる、梱包インサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月31日に出願された米国仮出願第62/579752号の利益を主張して2018年9月12日に出願された米国特許出願第16/129673号明細書に対する優先権の利益を主張するものであり、上記特許出願の内容全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、概して、人工弁に関し、より詳細には、内部に弁構造を有する導管を含む装置、システム、及び、方法に関する。
【背景技術】
【0003】
補綴心臓弁の開発では、自然弁の機能や性能に似せる試みがなされてきた。可撓性のある小葉(leaflet)が比較的強固な枠に機械的に連結されることがあり、移植された際には、この枠が小葉を支持し寸法安定性を与える。補綴心臓弁は、短期的には血行動態・生体力学的に優れた性能を発揮することが可能だが、石灰化や弁尖破壊などの欠陥を生じやすく、その場合には再手術や再交換が必要になる。
【0004】
小葉は通常、小葉を支持構造に固定する何らかの手段を要する。生体内では、上流圧が下流圧を超えると小葉が開き、下流圧が上流圧を超えると小葉が閉じる。小葉の開放端は下流圧の影響によって接合し、人工心臓弁を閉じて、下流の血液が人工心臓弁を逆流するのを防ぐ。
【0005】
小葉の開閉で繰り返し負荷がかかる状態にあり、人工心臓弁の耐久性は小葉、枠、枠に小葉を結合させる装着部の間の負荷分散に幾分依存する。小葉の機械的破損は、例えば、可撓性の小葉が比較的強固な枠によって支持される取付け部の縁で生じ得る。小葉の開閉で繰り返し負荷がかかることによって、疲労、クリープ疲労などの機序により材料破損が引き起こされるが、これは小葉の材質に幾分依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
小葉を導管内部に結合させるために幾つもの製造技術が用いられてきたが、これらの製造技術には、手間がかかる、及び/又は欠陥を生じやすい可能性がある。加えて、例えば米国特許出願公開第2016/00100939号明細書に示されたような小葉の機械的固定は、血栓形成の一因となることがある。したがって、長期耐久性を有し、且つより製造し易い、導管及び弁構造を包合する弁付き導管が強く求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に記載される実施形態は、弁付き導管の装置、システム、及び方法に関する。
【0008】
一例によると(「実施例1」)、弁付き導管は、内面と外面とを有する導管と、該導管内の血栓形成を軽減するように該導管の内面に配置される内側部分及び該導管の外面に非機械的に付着される外側部分を有する少なくとも1つの小葉と、を含む。
【0009】
実施例1に加えて、別の例によると(「実施例2」)、少なくとも1つの小葉の外側部分は、接着剤、熱接合又は化学的接合によって導管の外面に付着されている。
【0010】
実施例1〜2の何れかに加えて、別の例によると(「実施例3」)、導管は洞を含まない。
【0011】
実施例1〜2の何れかに加えて、別の例によると(「実施例4」)、導管は機械的結合を含まない。
【0012】
実施例1〜4の何れかに加えて、別の例によると(「実施例5」)、少なくとも1つの小葉の外側部分が導管の外面に装着されており、装着は無縫合である。
【0013】
実施例1〜5の何れかに加えて、別の例によると(「実施例6」)、少なくとも1つの小葉の外側部分が、導管の外面に接着フィルム層によって付着されている。
【0014】
実施例6に加えて、別の例によると(「実施例7」)、接着フィルムは導管の周囲に配置される。
【0015】
実施例6〜7の何れかに加えて、別の例によると(「実施例8」)、導管及び接着フィルムの周囲に配置された可撓性フィルムを更に含む。
【0016】
実施例8に加えて、別の例によると(「実施例9」)、可撓性フィルムは延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含み、接着フィルムはフッ化エチレンプロピレン(FEP)を含む。
【0017】
実施例8〜9の何れかに加えて、別の例によると(「実施例10」)、可撓性フィルムによって導管に結合される支持枠を更に含む。
【0018】
実施例10に加えて、別の例によると(「実施例11」)、支持枠はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成される。
【0019】
実施例1〜11の何れかに加えて、別の例によると(「実施例12」)、導管の外面に、少なくとも1つの小葉に隣接して配置された少なくとも1つの放射線不透過性マーカーを更に含む。
【0020】
実施例1〜12の何れかに加えて、別の例によると(「実施例13」)、導管の内面は径が一定であり、巨視的な妨害物を含まない。
【0021】
実施例1〜13の何れかに加えて、別の例によると(「実施例14」)、少なくとも1つの小葉は導管内の長さ方向に沿った長手方向位置に配置されており、かつ、導管は、少なくとも1つの小葉が配置された該長手方向位置と、その隣接する近位部及び遠位部とを通して、径が一定である。
【0022】
一例によると(「実施例15」)、弁付き導管は、内面、外面、近位部および遠位部を有する導管と、導管の内面と外面との間に開口を有する小葉装着部と、導管内での血栓形成を軽減するため、導管の内面又は外面を機械的に改変することなく導管の外面に装着される装着区域を有する少なくとも1つの小葉とを含む。
【0023】
実施例15に加えて、別の例によると(「実施例16」)、少なくとも1つの小葉は3つの小葉を有し、3つの小葉は導管の内部において間隙によって互いに分離されている。
【0024】
実施例16に加えて、別の例によると(「実施例17」)、導管は、導管の内面において3つの小葉の間に間隙を形成するため、小葉の各々の装着区域で小葉を分離する交連間隙(commissure gap)を含む。
【0025】
実施例15〜17の何れかに加えて、別の例によると(「実施例18」)、装着区域は、接着剤、熱接合又は化学的接合によって、導管の外面に装着される。
【0026】
実施例15〜18の何れかに加えて、別の例によると(「実施例19」)、装着区域は、第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分は、導管の外面の近位部に装着され、第2の部分は、導管の外面の遠位部に装着される。
【0027】
実施例15〜19の何れかに加えて、別の例によると(「実施例20」)、小葉装着部は導管の一部であり、小葉装着部は導管の残りの部分よりも密度が高い。
【0028】
実施例15〜20の何れかに加えて、別の例によると(「実施例21」)、弁付き導管は、導管内の血流の方向を示すために、導管の外面上に方向表示を更に含む。
【0029】
一例によると(「実施例22」)、右室流出路及び/又は主肺動脈の部分的又は完全な再建が望まれる場合に、自己肺動脈弁又は以前に移植された肺動脈弁導管の交換に起因する血栓形成を減少させる方法は、遠位端、近位端、内部、外部、及び小葉装着部を有する人工導管と、導管の外側に配置される部分と導管の内側に配置される部分とを有する少なくとも1つの可撓性人工小葉とを含み、導管の外側にある小葉部分は、装着部において導管の外部に装着され、導管の装着部には穿孔がない、医療機器を提供する工程と、前記医療機器を手術により移植する工程とを含む。
【0030】
一例によると(「実施例23」)、右室流出路及び/又は主肺動脈の部分的又は完全な再建が望まれる場合に、自己肺動脈弁又は以前に移植された肺動脈弁導管を交換する方法は、人工導管と、生理用食塩水で洗い流され、予備凝固処理(pre-clotted)されてない人工導管に装着された少なくとも1つの可撓性人工弁小葉とを備える医療機器を提供する工程と、医療機器を手術で移植する工程とを含む。
【0031】
一例によると(「実施例24」)、右室流出路及び/又は主肺動脈の部分的又は完全な再建が望まれる場合に、自己肺動脈弁又は以前に移植された肺動脈弁導管を交換する方法であって、生理用食塩水で洗い流され、かつ、予備凝固処理されてない医療機器であって、非生物学的導管と、非生物学的導管に装着された少なくとも1つの非生物学的可撓性ポリマー弁小葉とを含む医療機器を提供する工程と、医療機器の流入及び流出領域を特定する工程と、移植時に冠れん縮のリスクがないことを確保するため、冠動脈の意図した場所にアクセスする工程と、軽く張った状態で、流入導管及び/又は流出導管を任意で移植に適した長さにトリミングする工程と、医療機器を装着する工程とを含む。
【0032】
一例によると(「実施例25」)、弁付き導管用の梱包インサートは、折り畳まれて一以上の支持部を形成し、かつ、該弁付き導管内に挿入されて該弁付き導管内で一以上の小葉を支持するように構成されている支持構造を含んでなる。
【0033】
上記実施例は一例として示され、本開示によって別途明示されない限り、本発明の何れかの概念の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
添付図面は本開示の更なる理解のために含まれ、本明細書に組み込まれて一部を構成し、実施形態を示しており、解説と共に本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0035】
【図1A】図1Aは、ある実施形態に係わる弁付き導管の例を図示する。
【図1B】図1Bは、図1Aに示された弁構造の閉鎖状態の内部下流図を示す。
【図2】図2は、ある実施形態に係わる、弁付き導管の別の例を図示する。
【図3】図3は、ある実施形態に係わる、弁付き導管の別の例の断面図である。
【図4A】図4Aは、ある実施形態に係わる、弁付き導管で用いられる導管の切断パターンの一例を図示する。
【図4B】図4Bは、ある実施形態に係わる、弁付き導管で用いられる導管の切断パターンの別の例を図示する。
【図4C】図4Cは、ある実施形態に係わる、弁付き導管で用いられる導管の切断パターンの更に別の例を図示する。
【図5】図5は、ある実施形態に係わる、弁付き導管で用いられることがある小葉の一例を図示する。
【図6A】図6Aは、ある実施形態に係わる、小葉の導管への装着工程の例を図示する。
【図6B】図6Bは、図6Aに示される小葉の導管への装着工程の別の例を図示する。
【図6C】図6Cは、図6A〜図6Bに示される小葉の導管への装着工程の更に別の例を図示する。
【図7A】図7Aは、ある実施形態に係わる、展開構成の弁付き導管の梱包インサートの例を図示する。
【図7B】図7Bは、図7Aに示す梱包インサートの折り畳まれた構成の側面図である。
【図7C】図7Cは、図7A〜7Bに示す梱包インサートの折り畳まれた構成の上面図である。
【図8】図8は、本開示の実施形態に係わる機器と比較した従来技術の機器における血栓反応の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
当業者には当然のことながら、本開示の各種局面は意図する機能を実施するよう構成されたいかなる数の方法及び装置によって実現されてもよい。また、本明細書中で参照される添付の図面は正確な縮尺ではなく、本開示の各種側面を説明するために誇張されることがあり、故に、図面は制限するものとして解釈されるべきではないことに注意されたい。
【0037】
本明細書中の実施形態は、各種教義や信念に基づいて記載されることがあるが、記載される実施形態は、理論により縛られるべきではない。例えば、本明細書中で実施形態は人工弁付き導管に関して記載される。しかしながら、本開示の範囲内の実施形態は、同様の構造及び/又は機能を有する如何なる弁付き導管、弁構造にも適用できる。さらに、本開示内の範囲内の実施形態は、心臓以外にも適用できる。
【0038】
本明細書中の実施形態は、人工弁として機能し得る弁構造を有する導管の各種装置、システム、及び、方法を含む。肺動脈弁及び対応する肺動脈の一部を交換するために用いることができるがこれに限られない。弁構造は、一方向弁として機能する一以上の小葉と、導管腔が形成された導管とを含むことがある。小葉は流圧差に応じて、開放して流れを可能にし、閉鎖することで導管腔を塞ぎ、流れを止める。
【0039】
図1Aは、実施形態に係わる弁付き導管100の一例を示す。弁付き導管100は導管102を含み、導管102内には弁構造104が配される。導管102は、弁構造104が一方向への流れを可能にするように、上流端及び下流端を含み得る。
【0040】
非制限的な例として、弁付き導管100は、左心低形成症候群の治療として実施されることが多いノーウッド手術後、右心室を肺動脈に接続するシャントとして用いられることがある。非制限的な一例では、弁付き導管100は、小児患者の右心室流出路閉塞(RVOT)の矯正又は再建手術に適用することができる。再建手術は、ファロー四徴症、総動脈幹症、右旋性大血管転位、純型肺動脈閉鎖又は大動脈弁疾患などの先天性心疾患に必要となることがある。また、弁付き導管100は、以前に移植されたホモグラフト又は機能不全或いは機能が不十分となった弁付き導管の交換に適用されることがある。さらに、弁付き導管100は、心臓の他の部位を含む、広範囲の心疾患に適用されることがある。概して、本開示中で用いられる「遠位」という用語は弁付き導管100の流出端(遠位端)又は弁付き導管100の流出方向を意味し、一方、「近位」という用語は弁付き導管100の流入端、又は弁付き導管100の一次流とは逆の方向を意味する。
【0041】
図1Bは、図1Aに示される弁構造104の閉鎖状態の内部下流図を図示する。弁構造104は、導管102内部に延長する小葉106を含む。図1Bでは3つの小葉106が示されるが、弁構造104は1、2、4、5、6、7、8又はそれ以上の数の小葉106を含むことがある。図1Bに示されるように、閉鎖状態では、小葉106は導管102の中心108に向かって閉じる。開放状態では、血液が弁構造104を通過し得るため、小葉106は導管102の内面110に向かって押される。小葉106は、図1Bに示されるように、導管102の内面110が実質的に平滑な内側を有し、内径が実質的に一定である態様(例えば、洞を含まない、及び/又は、導管102の壁厚に追加される厚さが5%未満である)で、弁構造104や導管102に結合されることができる。
【0042】
導管102の実質的に平滑な内面110は、導管102の流れ面(内面110)に内側又は外側に向かった隆起を含まない。導管102は洞を含まない。洞は、周辺領域よりも大きな内径を有する導管領域である。図1Bに示されるように、導管102は洞を全く含まない。
【0043】
加えて、図3〜6を参照して更に説明するように、導管102の内面110は、小葉106を導管102に装着するために機械的に改変されていない。より具体的には、他の機器では小葉の装着に用いられた縫合糸に関連した孔やその他の穿孔がみられることがあるが、導管102の内面110は孔やその他の穿孔を全く含まない。図3〜6を参照して更に詳述するように、小葉106は、導管102を穿刺することなく、或いは、小葉106を導管102に取り付けるために導管102を機械的に改変することなく導管102に装着される。導管102に小葉102の装着のために機械的改変がないため(例えば、孔又は縫合がない)、例えば、導管102を通過する血流を改変させないことで、有利に血栓形成の機会を減少させる。
【0044】
ある一定の実施形態では、導管120の内面110は、図1Bに示されるように、径が一定であり、肉眼で見えるような巨視的な妨害物が全くみられない。加えて、小葉106は、導管102内の、導管102の長さに沿った長手方向の位置に配置されることがあり(例えば、図1Aに示されるように)、導管102は、小葉106が配置された長手方向の位置と、導管102の隣接近位部及び隣接遠位部とで、径が一定である。
【0045】
図1Bに示されるように、各小葉106の間に間隙112が存在する。間隙112によって、導管102を通った逆流が可能になる。逆流が発生することで、小葉106の裏側で血栓形成を引き起こし得る血液滞留の機会が減少する。間隙112は、逆流による漏れが最小になり、導管102を通して血液を送り出す患者の心臓への負担を増加させないような大きさとされる。間隙112は、図4A〜4Cに詳細が示されるように、導管102内の間隙112と関連する。
【0046】
洞がないこと、機械的改変がないこと(例えば、縫合、リベット、ピン、ステープル又は同様の装着機構などによる機械的結合がない)、及び、小葉106間の間隙112は、各々が、そして組み合わさって、形成の機会を減少させる。例えば、小葉106を導管に結合させる機械的改変がないこと(例えば、縫合、リベット、ピン、ステープル又は同様の装着機構がない)で、導管102を通る血流の乱流の機会を減少させ、その結果として血栓形成の機会を減少させる。加えて、導管102内に洞がないことで、導管102内に血液が滞留する機会を減少させ、その結果として血栓形成の機会を減少させる。さらに、小葉間の間隙112によって逆流を可能にすることで、血流を滞留させる可能性のある導管102領域を洗い流し、その結果として血栓形成の機会を減少させる。
【0047】
図2は、ある実施形態に係わる弁付き導管100の別の例を図示する。弁付き導管100は、導管102と、弁104とを含む。導管102は、流入部212と流出部214とを含む。導管102上の矢印で示されるように、弁104は、流入部212から流出部214へ導管102を通って血液が流れるように構成される。矢印は、医師が方向を決めて適切な移植を行えるように、導管102内での血流の方向を示す、導管102上に印刷してあるデザイン上の特徴であってもよい。矢印(方向表示)は、複数の異なる形状、大きさ、長さであってもよく、他に考慮すべき事項を含んでいてもよい。
【0048】
図1の関連で上述したように、弁104は、一以上の小葉(図示されず)を含む。小葉は、弁104に結合又は装着されることがある。本明細書で用いられる「結合」という用語は、接合、接続、装着、付着、固定又は接着を意味する。小葉は、導管102の外面に接着剤、熱接合、化学的接合などによって(例えば、非機械的に)付着される。これによって、装着のために小葉又は導管102の面を穿刺又は機械的に改変することなく、小葉は導管102に装着又は結合される。ある一定の事例では、小葉は、接着フィルム216によって、導管102に装着、付着、固定又は接着される。また、縫合糸が導管102に部分的に配置される(例えば、導管102の内腔には入り込まない)限りにおいて、小葉を導管102の外面に装着するのに縫合糸が用いられることはある。
【0049】
接着フィルム216は、導管102の周囲に巻き付けられた切れ目のない又は断続的な層となりうる。緻密領域が導管102の弁領域350内にあるとした場合、小葉106を導管102の外面に結合させるため、接着フィルム216は、導管102の緻密部(図3を参照して説明)及び/又は緻密領域外で、導管102の周囲に配置又は巻き付けられる。他の実施形態では、接着フィルム216が、導管102の弁領域350及び導管102の弁領域350外に配置され得る。また、幾つかの実施形態では、導管102全体を覆うことがある。
【0050】
例えば、接着剤、熱接合、化学的接合などによって小葉を導管102の外面に結合又は装着することで、血栓及び/又は組織沈着を防ぐための長期に渡る抗凝血薬療法を実施しなくとも、導管径及び有効弁開口面積(EOA)が維持される。加えて、このように小葉を導管102に結合することで、石灰化、鉱化への耐性を補い、血栓形成を最小限に抑える。
【0051】
図3は、ある実施形態に係わる弁付き導管100の別の例の断面図である。弁付き導管100は導管102を含み、導管102は、内面318、外面320、近位(又は流入)部212、及び、遠位(又は流出)部214を有する。導管102は、導管102の内面318と外面320との間に開口324を有する小葉装着部322を含む。小葉装着部322は、導管102の一体部位でもよい。
【0052】
弁付き導管は、導管102内で導管の中心108に向かって延びる小葉106も含む。図3に示されるように、小葉106は、導管102の外面320に付着される。小葉106は、図3に示されるように、導管102の外に配置される部分、開口324を通過する部分、及び、導管102内に配置される部分を含むことがある。小葉106は、接着フィルム216によって導管102の外面320に付着される。接着フィルム216は、小葉装着部322の境界内に配置されることがある。加えて、小葉装着部322は、導管102の近位(又は流入)部212及び遠位(又は流出)部214と比べて緻密になっていることがある。
【0053】
小葉装着部322は、導管200が取り扱い中や使用中にその形状を保てるよう緻密化及び/又は硬化がなされていることがある。緻密化は、選択された位置において、加熱及び/又は加圧などによって材質を選択的により緻密にする工程を意味する。ある一定の実施形態では、導管102は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)により形成される。ePTFEは比較的多孔性があると言えるため、緻密化によって、多孔性が減少し、その領域がより硬化される。
【0054】
弁付き導管100はまた、導管102と接着フィルム216の周囲に配置された可撓性フィルム326を含む。可撓性フィルム326は、ある一定の実施形態では、一以上の層からなる可撓性フィルム326のことがある。可撓性フィルム326は、導管102及び接着フィルム216の周りに複数回巻き付けられることがある。可撓性フィルム326は、導管102の強度及び/又は小葉106の導管102への装着を高めるために必要に応じて巻き付けられることがある。小葉装着部322が導管102の弁領域350内にあるとした場合、小葉106を導管102の外面320に結合させるため、接着フィルム216は、導管102の小葉装着部322(図3を参照して説明)及び/又は小葉装着部322外に配置される、又は、導管102の周囲に巻き付けられる。他の実施形態では、接着フィルムが、導管102の弁領域350及び導管102の弁領域350外に配置され得る。また、幾つかの実施形態では、導管102全体を覆うことがある。
【0055】
可撓性フィルム326は、例えば、柱強度を導管102に加えることで導管102の長手方向の抗張力を強化し、小葉106が導管102内に固定されることを確実にする。ある一定の実施形態では、上述したように、導管102はePTFEのことがある。特に適しているのが伸長・弾性性能のあるePTFEグラフトである。ePTFEグラフトは切れ目のない管腔面を有し、面の平滑性を犠牲にすることなく各種長さが提供される。このため、導管102の内面318(管腔流れ面)によれを生じさせることなく、導管102の外面320を解剖学的構造に適合するように伸長することができる。可撓性フィルム326もePTFEでもよく、接着フィルム216はフッ化エチレンプロピレン(FEP)製とする。可撓性フィルム326と接着フィルム216とを組み合わせて用いることにより、小葉106が導管102に(例えば、熱的に)接着され得る。
【0056】
ある一定の実施形態では、弁付き導管100は、可撓性フィルム326によって導管102に結合された支持枠328も含むことがある。支持枠328は、圧迫を防ぐ、或いは、解剖学的な圧縮力によって引き起こされる導管102や弁104の圧迫を減少させることができる。加えて、支持枠328は、一定の実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成されている。これらの事例では、支持枠328は放射線を透過し、故に、医師は、支持枠328が他の素材で形成された場合と比べて、小葉106及び小葉装着部322の位置をよりよく視認できる。小葉106及び/又は小葉装着部322を可視化することで、医師が導管102を目的の位置に正確に場所を決めて配置する技術を向上させ得る。別の事例では、支持枠328は放射線不透過の材料で形成される。
【0057】
支持枠328は放射線不透過であっても、不透過でなくてもよい。一定の事例では、弁付き導管100は、術後に導管102の弁領域350のX線透視下での可視化を補助するために、一以上の放射線不透過性マーカー330を含むことがある。一以上の放射線不透過性マーカー330は、導管102の外面320上で小葉106に隣接して配置され得る。一定の実施形態では、図3に示されるように、弁付き導管100は放射線不透過性マーカー330を小葉106及び小葉装着部322の長手方向の両側に含むことがある。このように、医師が小葉106及び小葉装着部322を目的の位置に精密に配置するためにマーカーがある。放射線不透過性マーカー330は、一定の実施形態では、導管102の周囲に巻き付けられた放射線不透過素材(例えば、金)の連続又は不連続の帯である。
【0058】
図4Aは、単一の導管構成部が利用される実施形態に係わる、弁付き導管で用いられる導管102の切断パターン432の例を図示する。切断パターン432は複数の分離したスリット434を含む(例えば、図3に示される開口324を形成する)。スリット434は、導管102に結合される小葉(図示せず)の数に対応する。例えば図6A〜6Cに詳細が示されるように、1以上の小葉がスリット434に配置され、小葉の一部が導管102に付着されてもよい。図4Aに示されるように、切断パターン432中のスリット434はつながっていない。つまり、組み立ての際、導管102は複数片に分離されず、単一の導管構成部が用いられる。図4Aには2つのスリット434が示されるが、切断パターン432は追加スリット(例えば、三尖弁に対して3つのスリット、4つのスリットなど)を有することがある。スリット434は、レーザー切断、手動切断、その他類似の方法で形成され得る。
【0059】
スリット434は、間隙112によって分離される。上述したように、スリット434は、導管102に結合される小葉(図示せず)の数に対応する。間隙112は、導管102内の小葉間の分離に対応する(例えば、交連ポスト領域)。小葉が閉じると(例えば、弁の閉鎖)、図1に示されるように小葉間に空間ができる。スリット434及び間隙112は、導管102に結合される小葉の数に対応する。間隙112は、弁の閉鎖時に、血液が小葉の裏側の領域を洗い流すことを可能にする。逆流が発生することで、小葉裏側で血栓形成を引き起こし得る血液滞留の機会が減少する。間隙112は、逆流による漏れが最小になり、導管102を通して血液を送り出す患者の心臓への負担を増加させないような大きさとされる。
【0060】
図4Bは、ある実施形態に係わる、弁付き導管で用いられる導管102の切断パターン436の別の例を図示する。切断パターン436は複数の分離されたスリット434を含み、スリットの数は導管102に結合される小葉(図示せず)の数に対応する。切断パターン436は、導管102内の横方向切断438も含み、図4Bの102aと102bに示すように、組み立ての際に導管102を2つの導管構成部に分離することが可能になる。横方向切断438は、スリット434の長手方向部分の近辺、隣接、又は中間地点に配置される。横方向切断438及びスリット434は、レーザー切断、手動切断、その他類似の方法で形成され得る。図4Bには2つのスリット434が示されるが、切断パターン436は追加スリット(例えば、三尖弁に対して3つのスリット、4つのスリットなど)を有することがある。
【0061】
スリット434及び横方向切断438は、導管102に結合される小葉の数に対応する。図4Aと同様に、スリット434は間隙112によって分離される。間隙112は、導管102内の小葉間の分離に対応する(例えば、交連ポスト領域)。小葉が閉じると(例えば、弁の閉鎖)、図1に示されるように小葉間に空間ができる。間隙112は、弁の閉鎖時に、血液が小葉の裏側の領域を洗い流すことを可能にする。逆流が発生することで、小葉裏側で血栓形成を引き起こし得る血液滞留の機会が減少する。間隙112は、逆流による漏れが最小になり、導管102を通して血液を送り出す患者の心臓への負担を増加させないような大きさとされる。
【0062】
図4Cは、ある実施形態に係わる、弁付き導管で用いられる導管102の切断パターン440の別の例を図示する。切断パターン440は、複数の分離されたスリット434を含み、スリットの数は導管102に結合される小葉(図示せず)の数に対応する。切断パターン440は、導管102内の切断である横方向切断438も含み、図4Cの102aと102bに示すように、組み立ての際に導管102を2つの導管構成部に分離させることが可能になる。横方向切断438及びスリット434は、レーザー切断、手動切断、その他の類似の方法で形成され得る。図4Bには2つのスリット434が示されるが、切断パターン440は追加スリット(例えば、三尖弁に対して3つのスリット、4つのスリットなど)を有することがある。
【0063】
上述したように、スリット434及び横方向切断438は、導管102に結合される小葉の数に対応する。図4Aと同様に、スリット434は間隙112によって分離される。間隙112は、弁の閉鎖時に、導管102内の小葉間の分離に対応する(例えば、弁の閉鎖時に、間隙112は交連ポスト領域に維持される)。
【0064】
図5は、ある実施形態に係わる弁付き導管で用いられ得る小葉106の例を図示する。図5に示されるように、小葉106は複数のタブ542を含むことがある。タブ542は、小葉106の一部を切断し、小葉106をタブ542に分割することで形成されることがある。図6A〜6Cを参照して更なる詳細が示されるように、タブ542は、小葉106を導管(図示せず)に付着するために用いられることがある。
【0065】
ある一定の実施形態では、小葉106は位置合わせタブ544を含む。位置合わせタブ544は、タブ542と同様に形成される。小葉106に位置合わせタブ544がある場合、位置合わせタブ544は導管102との接続に用いられ、小葉106を導管102に装着する際に小葉106の位置合わせを補助する。
【0066】
ある実施形態によると、小葉106は、フィブリルのマトリックス内に複数の空間を有する延伸フルオロポリマーメンブレン、及び、エラストマー、エラストマー性材料、又は非エラストマー性材料を含む複合材料を含むことがある。当然のことながら、本開示の範囲内で、複合材料の形成に複数のタイプのフルオロポリマーメンブレン、及び、複数のタイプのエラストマー、エラストマー性材料又は非エラストマー性材料が組み合わされ得る。また、当然のことながら、本開示の範囲で、エラストマー又はエラストマー性材料は、複数のエラストマー及びエラストマー性材料、無機充填材、治療薬、放射線不透過性マーカーなどの複数のタイプの非エラストマー性材料を含み得る。ある一定の事例では、小葉106はePTFEと、テトラフルオロエチレン(TFE)及びパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)のコポリマー(TFE−co−PMVE)との複合物である非生物学的ポリマー弁でもよい。
【0067】
図6Aは、ある実施形態に係わる、小葉106を導管102に装着する工程の例を図示する。図の簡素化のため導管102の上流部分214が図6Aに示されるが、図4Aを参照して述べた通り、導管102及び小葉106は、導管102を複数の部分に分離せずに結合されてもよい。
【0068】
小葉106は、導管102のスリット434に位置合わせされる。上述したように、複数の小葉106が導管102に結合されることがある。図の簡素化のため、図6A〜6Cは、1つの小葉106の導管102への装着を図示する。一定の実施形態では、導管102は、導管102に沿って長手方向に延びる位置合わせ線646を含む。位置合わせ線646は、導管102内での小葉106の位置合わせを容易にする。一定の実施形態では、導管102内での小葉106の形状と位置合わせを適切に保つため、小葉106は、位置合わせ線646内に配置される位置合わせタブ544を含む。位置合わせ線646は、位置合わせタブ544が配置される導管102の間隙でもよい。
【0069】
小葉106がスリット434に位置合わせされると、タブ542は、導管102の外面上に折り畳まれることがある。図6Bに示されるように、位置合わせタブ544は円周内側に折り畳まれることがある。
【0070】
図6Cに示されるように、タブ542は異なる方向に折り畳まれることがある。例えば、タブ542が交互に、導管102の近位(又は流入)部212の外面と導管102の遠位(又は流出)部214の外面に折り畳まれることがある。タブ542(及び、位置合わせタブ544)は小葉106の装着区域であってもよく、導管102の外面に接着剤、熱接合又は化学的接合によって(例えば、図2〜3を参照して上述したように)付着することができる。小葉106の区域は、(例えば、図3に示されるように)近位(又は流入)部212と遠位(又は流出)部214との間にある導管102の開口に延びる。導管102内の小葉106の残りの部分は弁付き導管100の弁として機能する。
【0071】
図7Aは、ある実施形態に係わる、弁付き導管用梱包インサート700の展開構成の例を図示する。弁付き導管の配送及び/又は保管において、弁付き導管が損傷しないことを確実にするため、本明細書中で解説される弁付き導管と共に梱包インサート700が用いられることがある。梱包インサート700は、単数又は複数の小葉106を分離して保持するため、導管102の内腔に配置されることがある。
【0072】
図7Aに示されるように、梱包インサート700は展開構成を含む。梱包インサート700は複数の支持部702を含み、支持部702は、弁付き導管と同梱される小葉106の数と同じである。支持部702は、支持部704が展開構成から折り畳まれるのを容易にするため、スコアライン704を含む。支持部702は、折り畳む際の位置合わせのためにノッチ706も含むことがある。図7B〜7Cに示す折り畳まれた構成に移行するには、支持部702がスコアライン704に沿って折り畳まれ、折り目がつけられなければならない。支持部702は、角度708ずつ均等に間隔を空けて配置されることがある。梱包インサート700が3つの支持部702を含む実施形態では、角度708はおよそ120度である。
【0073】
図7B〜7Cに示されるように、梱包インサート700は、折り畳まれた構成で先端710を形成する。折り畳まれた構成で、小葉106は、小葉106間の分離を維持するよう支持部702上に載せられ得る。
【0074】
本明細書中で説明される導管は、少なくとも1つの可撓性人工弁小葉が人工導管に装着される、人工導管であってもよい。移植前に、人工弁小葉及び/又は人工導管は、生理用食塩水で洗い流されることがあり、予備凝固処理は必要としない。続いて、人工弁小葉及び人工導管が手術で移植され得る。人工弁小葉及び人工導管は、右室流出路及び/又は主肺動脈の部分的又は完全な再建が望まれる状態において、自己肺動脈弁又は以前に移植された肺動脈弁導管と交換され得る。一定の事例では、人工弁小葉及び人工導管の導入には、導管の流入及び流出領域を特定することと、移植時に冠れん縮のリスクがないことを確保するため、冠動脈の意図した場所にアクセスすることと、及び、軽く張った状態で、流入導管及び/又は流出導管を任意で移植に適した長さにトリミングすることとを含む。
【0075】
一定の実施形態では、本明細書中で説明される導管は、例えば、米国特許第7306729号明細書(Bacino)に概要が記載されるように、多孔性のePTFEメンブレンから作成される延伸フルオロポリマー材料を含む。
【0076】
上述した延伸フルオロポリマー材料の形成に用いられる延伸可能フルオロポリマーは、PTFEホモポリマーを含むことがある。代替の実施形態では、PTFE、延伸可能変性PTFE及び/又はPTFE延伸コポリマーを用いることがある。適切なフルオロポリマー材料の非制限的例は、例えば、米国特許第5708044号明細書(Branca)、米国特許第6541589号明細書(Baillie)、米国特許第7531611号明細書(Sabol等)、米国特許出願第11/906877号明細書(Ford)、及び、米国特許出願第12/410050号明細書(Xu等)に記載される。
【0077】
延伸フルオロポリマーメンブレンは、望ましい小葉性能を達成するための孔などの適切な微細構造を備え得る。小葉で用いられるのに適する可能性があるその他の生体適合性ポリマーは、ウレタン、シリコーン(オルガノポリシロキサン)、シリコン−ウレタンコポリマー、スチレン/イソブチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリエチレン−co−ポリ(酢酸ビニル)、ポリエステルコポリマー、ナイロンコポリマー、フッ化炭化水素ポリマー及びコポリマーのグループ、又は、前述のそれぞれの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0078】
各種例では、本明細書に記載される小葉構成物の何れかは(例えば、小葉構成物)生体適合性の人工材料(例えば、ePTFE及びePTFE複合物、又は所望のその他の材料を含む)で形成されることがある。人工小葉への使用に適する可能性があるその他の生体適合性ポリマーは、ウレタン、シリコーン(オルガノポリシロキサン)、シリコン−ウレタンコポリマー、スチレン/イソブチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリエチレン−co−ポリ(酢酸ビニル)、ポリエステルコポリマー、ナイロンコポリマー、フッ化炭化水素ポリマー及びコポリマーのグループ、又は、前述のそれぞれの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
他の例では、このような小葉構成物は、ウシ組織、ブタ組織又は同種のものを含む再利用組織など天然材料から形成される。
【0080】
本明細書中で用いられる「エラストマー」という用語は、元の長さの少なくとも1.3倍に伸長され、離すとすぐに元の長さ程度に戻る性能があるポリマー又はポリマーの混合物を意味する。「エラストマー性材料」という用語は、エラストマーに類似した伸長及び復元性質を呈するポリマー又はポリマーの混合物を意味するが、必ずしも同じ度合の伸長及び/又は復元の性質を示さなくともよい。「非エラストマー性材料」という用語は、エラストマーやエラストマー性材料とは異なる伸長及び復元性質を呈し、エラストマー又はエラストマー性材料とはみなされないポリマー又はポリマーの混合物を意味する。
【0081】
本明細書中のいくつかの実施形態によると、小葉構成物は、複数の孔及び/又は空隙を有する少なくとも1つの多孔性人工ポリマーメンブレン層と、少なくとも1つの多孔性人工ポリマーメンブレン層の孔及び/又は空隙を充填するエラストマー、エラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料とを有する複合材料を含む。他の例によると、小葉構成物は、複合材料上に、エラストマー、エラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料の層を更に含む。幾つかの例によると、複合材料は、質量換算で約10%〜90%の多孔性人工ポリマーメンブレンを含む。
【0082】
多孔性人工ポリマーメンブレンの例として、孔及び/又は空隙を形成するノード及びフィブリル構成を有する延伸フルオロポリマーメンブレンがある。幾つかの例では、延伸フルオロポリマーメンブレンは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)メンブレンである。多孔性人工ポリマーメンブレンの別の例は、微細孔ポリエチレンメンブレンを含む。
【0083】
エラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料の例は、テトラフルオロエチレン及びパーフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー(TFE/PMVEコポリマー)、(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、ウレタン、シリコーン(オルガノポリシロキサン)、シリコン−ウレタンコポリマー、スチレン/イソブチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリエチレン−co−ポリ(酢酸ビニル)、ポリエステルコポリマー、ナイロンコポリマー、フッ化炭化水素ポリマー及びコポリマー、又は、前述のそれぞれの混合物が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの例では、TFE/PMVEコポリマーは、60〜20質量%のテトラフルオロエチレンと、それに対して、それぞれ40〜80質量%のパーフルオロメチルビニルエーテルを主要成分として含むエラストマーである。幾つかの例では、TFE/PMVEコポリマーは、67〜61質量%のテトラフルオロエチレンと、それに対して、それぞれ33〜39質量%のパーフルオロメチルビニルエーテルを主要成分として含むエラストマー性材料である。幾つかの例では、TFE/PMVEコポリマーは、73〜68質量%のテトラフルオロエチレンと、それに対して、それぞれ27〜32質量%のパーフルオロメチルビニルエーテルを主要成分として含む非エラストマー性材料である。TFE−PMVEコポリマーのTFE及びPMVE構成要素は、質量%で表される。参考までに、40、33〜39、及び27〜32質量%のPMVEは、それぞれ29、23〜28、及び18〜22モル%に相当する。
【0084】
幾つかの例では、TFE−PMVEコポリマーは、エラストマー、エラストマー性及び/又は非エラストマー性の性質を呈する。
【0085】
幾つかの例では、複合材料は、約73〜約68質量%のテトラフルオロエチレンと、それに対して、それぞれ約27〜約32質量%のパーフルオロメチルビニルエーテルを含むTFE−PMVEコポリマーの層又はコーティングを更に含む。
【0086】
幾つかの例では、小葉構成物は、約60〜約20質量%のテトラフルオロエチレンと、それに対して、それぞれ約40〜約80質量%のパーフルオロメチルビニルエーテルを含むTFE−PMVEコポリマーに一体化された延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)メンブレンであり、小葉構成物300は、約73〜約68質量%のテトラフルオロエチレンと、それに対して、それぞれ約27〜約32質量%のパーフルオロメチルビニルエーテルを含むTFE−PMVEコポリマーのコーティングを血液接触面に更に含む。
【0087】
上述したように、エラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料が、延伸フルオロポリマーメンブレン内の空隙又は孔の全てを実質的に充填するような状態で、エラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料が、延伸フルオロポリマーメンブレンと組み合わされることがある。
【0088】
ある実施形態によると、複合材料は、例えば、米国特許第7306729号明細書(Bacino)に概要が記載されるように、多孔性のePTFEメンブレンからなる延伸フルオロポリマー材料を含み得る。
【0089】
上述した複合材料の幾つかを形成する延伸フルオロポリマーメンブレンは、PTFEホモポリマーを含み得る。代替実施形態では、PTFE、延伸可能変性PTFE及び/又はPTFE延伸コポリマーの混合物が用いられ得る。適切なフルオロポリマー材料の非制限的例は、例えば、米国特許第5708044号明細書(Branca)、米国特許第6541589号明細書(Baillie)、米国特許第7531611号明細書(Sabol等)、米国特許出願第11/906877号明細書(Ford)、及び、米国特許出願第12/410050号明細書(Xu等)に記載される。
【0090】
サンプル試験
2015年10月12日に出願されたW.L.Gore&Associates,Inc.(Armstrong等)の米国特許出願公開第2016/0100939号明細書「Valved Conduit」による弁付き導管(「対照弁」)は縫合により装着された小葉を含み、導管の弁領域に洞がある。本開示の実施形態に基づいて作成されるなどによるもう1つの弁付き導管(「試験弁」)は、非機械的に装着された小葉を含み、内面は径が一定であり、肉眼では妨害物が全く見えず、導管の弁領域には洞がない。図8は、血液への曝露を含む模擬動作条件で、このような対照弁と試験弁の性能を示している。図8に示されるように、対照弁は、試験弁と比較して比較的大きな血栓形成反応を呈している。結果に示されるように、対照弁は、試験弁と比較して著しく大きな血栓形成反応を呈した。このような試験は、本開示の実施形態によって血栓形成の相対的減少が達成されることを示している。
【0091】
以下には特定の方法や機器が記載されるが、当業者が適切と判断する他の方法や機器が代替として利用され得ることが理解されるべきである。
【0092】
試験方法
非制限的例として、このような弁付き導管の血栓形成反応を評価する適切な試験方法は、弁付き導管のサンプルを所望時間(例えば、1時間超)動作させるため、実験室で脈動流のある生体外閉鎖血液循環系(例えば、ヘパリン添加ブタ血液)を利用することを含む。弁付き導管のサンプルは、その後、閉鎖血液循環系から取り除かれ、血栓形成の評価及び検証のため切開され得る。
【0093】
本開示の発明の特徴について、概要と特定の実施形態の両方が記載された。当業者には当然のことながら、本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に各種変更や変形が行われ得る。したがって、添付図面とその同等物の範囲にあることを前提として、実施形態は本開示の変更や変形を扱うことが意図される。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【国際調査報告】