(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021501249
(43)【公表日】20210114
(54)【発明の名称】燃料添加剤組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C10L 1/185 20060101AFI20201211BHJP
   C10L 1/06 20060101ALI20201211BHJP
   C10L 10/04 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
   !C10L1/185
   !C10L1/06
   !C10L10/04
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】11
(21)【出願番号】2020542218
(86)(22)【出願日】20181105
(85)【翻訳文提出日】20200413
(86)【国際出願番号】IB2018058676
(87)【国際公開番号】WO2019097353
(87)【国際公開日】20190523
(31)【優先権主張番号】201721041306
(32)【優先日】20171117
(33)【優先権主張国】IN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520130052
【氏名又は名称】ドルフ ケタール ケミカルズ フリー ゾーン エスタブリッシュメント
【住所又は居所】アラブ首長国連邦,フジャイラ,ダブリューエイチ#110ビー,フェーズ−1,フジャイラ フリー ゾーン,ピー.オー.ボックス 50132
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニヤム,マヘッシ
【住所又は居所】インド国,マハラシュトラ州,ムンバイ 400064,マラド(ダブリュ),オルレム,ドゥモント・ストリート,ドルフ・ケタール・タワー(番地なし)
【テーマコード(参考)】
4H013
4H015
【Fターム(参考)】
4H013CD04
4H013CD06
4H015AA06
4H015AB01
(57)【要約】
燃料添加剤組成物及びその使用方法である。本発明は、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物であって、前記燃料添加剤組成物が、(a)イソ−ボルネオール、又は(b)ボルネオールの酸化物誘導体を含む、燃料添加剤組成物、及びその使用方法に関する。また、燃料添加物組成物は、(a)イソボルネオール若しくは(b)ボルネオールか、又は、オキシランと(a)イソ−ボルネオール若しくは(b)ボルネオールとの酸化物化合物の混合物を含む。実施形態では、本発明は、燃料及び本発明の燃料添加剤組成物を含む組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物であって、前記燃料添加剤組成物が、(a)イソボルネオール、又は(b)ボルネオールの酸化物誘導体を含む、燃料添加剤組成物。
【請求項2】
酸化物誘導体がオキシラン化合物と、イソボルネオール又はボルネオールとの反応生成物である、請求項1に記載の燃料添加剤組成物。
【請求項3】
前記オキシラン化合物が、(i)エチレンオキシド、(ii)プロピレンオキシド、(iii)ブチレンオキシド、及び(iv)いかなる他の酸化物化合物からなる群から選択される、請求項2に記載の燃料添加剤組成物。
【請求項4】
オキシラン化合物が、イソボルネオール又はボルネオールと反応し、イソボルネオール又はボルネオールの酸化物誘導体を生成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料添加剤組成物。
【請求項5】
イソボルネオール又はボルネオールが約1:1〜1:50のモル比でオキシラン化合物と反応する、請求項4に記載の燃料添加剤組成物。
【請求項6】
燃料及び請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料添加剤組成物を含む組成物。
【請求項7】
燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する方法であって、請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料添加剤組成物で燃料を処理するステップを含む、方法。
【請求項8】
燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物を使用する方法であって、燃料を、請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料添加剤組成物で処理することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料添加剤組成物及びその使用方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物、及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
燃料噴射システムとエンジンは、車両の排ガス制御、燃料性能、燃費、耐久性を向上させるように設計される。しかしながら、燃料の燃焼時には、燃料噴射器、吸気弁、及び/又は燃焼室等の燃料送出システム内に、堆積物が形成され、エンジンの機能を妨害する結果、燃料の不完全燃焼を招き、その結果、エンジンの排出量が増え、出力が低下し、燃費が悪くなる。
【0004】
燃焼室堆積物干渉(CCDI)と燃焼室堆積物剥離(CCDF)は、一部のエンジンで生じうるエンジン堆積物の問題である。CCDIは、一部のエンジン設計では、ピストントップとシリンダヘッド上のエンジン堆積物の物理的接触に起因して、冷間時にエンジンの衝撃音として現れることがある。CCDFは、燃焼室の堆積物が剥がれ落ちて、弁面と弁シートの間に付着し、弁の密閉性が低下して圧縮圧力が低下することで発生する。
【0005】
燃料噴射器、気化器、及び吸気弁もまた、堆積物形成が懸念される部位である。ピントルインジェクタ堆積物等の燃料インジェクタの狭い燃料通路における堆積物により、燃料流量が低下し、噴霧パターンが変化することにより、動力、燃費、及びエンジン駆動性に悪影響を及ぼしうる。堆積物は、キャブレター付エンジンにも同様の問題を引き起こしうるが、それは、気化器もまた、小さなチャネル及びオリフィスを用いて燃料を計測するからである。さらに、吸気弁に形成された堆積物は、燃料と空気の化学量論を変化させ、不完全燃焼をもたらし、その結果、エンジンからの排出物が増加し、エンジン効率を低下させる可能性がある。最近、内燃機関における堆積物の形成を制御するいくつかの添加剤組成物が提供されている。
【0006】
これまで公知の添加剤組成物の一つには、エチレンジアミン(EDA)、ポリイソブチレン(PIB)フェノール、及びホルマリンの反応生成物、すなわち窒素含有添加剤があげられる。本発明者が、エチレンジアミン(EDA)、ポリイソブチレン(PIB)フェノール、及びホルマリンを約1:2:2のモル比で反応させて、当該公知の添加剤組成物を製造したところ、当該公知の添加剤組成物(比較先行技術添加剤組成物)では、上記産業上の課題は解決されないことを見出したが、それは、当該比較先行技術添加剤組成物を約93ppm投与しても、吸気弁堆積物はブランク試験の149mg/vから、当該比較先行技術添加剤組成物で処理された燃料の98mg/vに低下し、燃焼室堆積物「メルセデス」試験、M102E(CEC-05-A-93)エンジン清浄度評価試験で試験した場合、比較先行技術添加剤組成物で処理された燃料の燃焼室堆積物(CCD)は、ブランク試験の6367mg/エンジンから5433mg/エンジンに低下し、基準値を超える改善がないことが示されたからである。従って、本発明者は、当該比較先行技術添加剤組成物は、当業界にとって好ましい選択ではありえないことに注力した。
【0007】
従って、燃料噴射システム及び/又は燃焼室から、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する改良された添加剤組成物を開発する必要性が依然として存在し、これは、上記産業上の課題を解決する当業者の好ましい選択肢となりうるものであり、その参照は本明細書に開示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、当業界は、上記産業上の課題を解決し、参照により本明細書に開示される、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物を必要とし、その参照は本明細書に開示される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明は、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物を提供することにより、上記の既存の産業上の課題の解決策を提供することを目的とする。
【0010】
従って、本発明の主な目的は、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物を提供することであり、これは、本明細書で参照される上記の産業上の1又はそれ以上の課題を解決することができる。
【0011】
本発明の他の目的は、車両からの排出物が制御され、燃料性能、燃費、及び耐久性が改善されるか、又は少なくとも損なわれない、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する本発明の燃料添加剤組成物を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、車両の排気ガスを制御し、燃料性能、燃費、及び耐久性が改善されるか、又は少なくとも損なわれないような、本発明の燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する、本発明の燃料添加剤組成物の使用方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、公知の添加剤と比較して吸気弁堆積物(IVD)及び/又は燃焼室堆積物(CCD)の性能が改善される、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物を提供することである。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物を提供することである。
【0015】
本発明のさらに他の目的及び利点は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない実施例とあわせて読むと、以下の説明からより明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
先行技術の上記産業上の課題を克服し、本発明の上記目的を達成するために、本発明者は、驚くべきことに、かつ、予期せぬことに、非窒素添加剤を燃料に添加すると、燃料噴射システム及びエンジン、又は内燃機関における堆積物の形成の問題が解決し、かつ、窒素酸化物(NOX)の放出(形成)が回避されることを見出した。本発明者は、当該非窒素添加剤がボルネオール又はイソボルネオールを含むことを見出した。観察されるように、ボルネオール又はイソボルネオールは、NOXを放出しない非窒素添加物である。
【0017】
従って、一実施形態では、本発明は、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物に関し、当該燃料添加剤組成物はボルネオール又はイソボルネオールを含む。
【0018】
本発明の一実施形態では、イソボルネオールは、国際純粋応用化学連合(IUPAC)名を(1R,3R,4R)−4,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−オールという。
【0019】
本発明の一実施形態では、イソボルネオールは、(a)ボルネオールのD−異性体、(b)ボルネオールのL−異性体、又は(c)それらの混合物を含んでよい。
【0020】
本発明者はさらに、ボルネオール又はイソボルネオールをオキシラン化合物と組み合わせる場合、又は、好ましくは、ボルネオール又はイソボルネオールの酸化物誘導体を用いる場合、驚くべきことに、システムに窒素酸化物(NOX)を添加、又は形成しなくても、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内堆積物の形成という、上記産業上の課題がさらに解決されることを見出した。本発明者はさらに、用いられうるオキシラン又は酸化物化合物が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はいかなる他の酸化物化合物を含む群からも選択されうることを見出した。
【0021】
したがって、他の実施形態では、本発明は、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物に関し、当該燃料添加剤組成物は、少なくともボルネオール又はイソボルネオール及びオキシラン化合物の組み合わせを含む。
【0022】
本発明の好ましい一実施形態では、オキシラン化合物は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びそのようないかなる他の酸化物化合物を含む群から選択される。
【0023】
したがって、他の実施形態では、本発明は、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物に関し、燃料添加剤組成物はボルネオール又はイソボルネオールの酸化物誘導体を含む。
【0024】
本発明の好ましい一実施形態では、ボルネオール又はイソボルネオールの酸化物誘導体は、ボルネオール又はイソボルネオールとオキシラン又は酸化物との反応生成物である。
【0025】
本発明の好ましい一実施形態では、オキシラン又は酸化物化合物は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びそのようないかなる他の酸化物化合物を含む群から選択される。
【0026】
本発明の一実施形態では、オキシラン化合物をイソボルネオール又はボルネオールと反応させ、イソボルネオール又はボルネオールの酸化物誘導体を生成する。
【0027】
本発明の一実施形態では、ボルネオール又はイソボルネオール及びオキシラン化合物を、約1:1〜1:50のモル比で混合することにより、少なくともボルネオール又はイソボルネオール及びオキシラン化合物の組み合わせを含む本発明の燃料添加剤組成物を得ることができる。
【0028】
本発明の好ましい一実施形態では、オキシラン化合物をイソボルネオール又はボルネオールと反応させ、イソボルネオール又はボルネオールの酸化物誘導体を生成する。
【0029】
本発明の一実施形態では、当技術分野で公知のいかなる方法によっても、オキシラン化合物をイソボルネオール又はボルネオールと反応させて、イソボルネオール又はボルネオールの酸化物誘導体を生成することができる。
【0030】
本発明の好ましい一実施形態では、ボルネオール又はイソボルネオール及びオキシラン又は酸化物化合物を、約1:1〜1:50のモル比で反応させて、ボルネオール又はイソボルネオールの酸化物誘導体を含む本発明の燃料添加剤組成物を得ることができる。
【0031】
本発明の一実施形態では、ボルネオール又はイソボルネオールの酸化物誘導体は、従来技術の公知のいかなる方法によっても調製することができる。それは、ボルネオール又はイソボルネオールをオキシラン又は酸化物化合物と反応又は処理して調製することができる。従って、本発明の範囲は、本発明のボルネオール又はイソボルネオールの酸化物誘導体を調製する方法によっては限定されない。
【0032】
本発明の一実施形態では、本発明の燃料添加剤組成物は、さらに、酸化防止剤、腐食防止剤、発泡防止剤、スケール防止剤、ガス水和物防止剤、分散剤、流動点降下剤、脱乳化剤、粘度調整剤、摩擦調整剤、金属不活性化剤、極圧剤、摩耗防止剤、シール膨潤剤、ワックス制御ポリマー、及びそれらの混合物を含む群から選択される1又はそれ以上の追加化合物を含んでもよい。
【0033】
本発明の一実施形態では、本発明の燃料添加剤組成物は、メタノール、エタノール、及びそれらのより高いホモログを含む群から選択されうる燃料可溶性アルカノール、かつ、メチル第三ブチルエーテル、エチル第三ブチルエーテル、メチル第三アミルエーテル、及びそれらの類似化合物、並びにそれらの混合物を含む群から選択されうる燃料可溶性エーテルを含む、混合剤を1又はそれ以上をさらに含むことができる。
【0034】
本発明の一実施形態では、本発明の添加剤組成物は、無鉛モータ及び航空機ガソリンを含む群から選択されうる火花点火内燃機関、及び、通常、ガソリン沸騰範囲の炭化水素、及びアルコール、エーテル、及び他の適当な酸素含有有機化合物を含む群から選択される燃料可溶性酸素添加混合成分をともに含んでよい改質ガソリンの運転に用いるのに適する、いかなるベース燃料を含む燃料とともに用いられてよい。
【0035】
従って、一実施形態では、本発明の燃料及び燃料添加剤組成物を含む組成物に関する。
【0036】
本発明の一実施形態では、本発明の添加剤組成物は、単独で、又は様々なサブコンビネーションで燃料に配合されてよい。
【0037】
従って、本発明の一実施形態では、本発明はまた、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する方法に関し、本方法は、本明細書に記載されるように、本発明の燃料添加剤組成物で燃料を処理することを含む。
【0038】
従って、本発明の一実施形態では、本発明はまた、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物を使用する方法に関し、この方法は、本明細書に記載されるように、本発明の燃料添加剤組成物で燃料を処理することを含む。
【0039】
本発明者は、本発明の燃料添加剤組成物が、上記産業上の課題を克服し、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内において、吸気弁堆積物(IVD)及び燃焼室堆積物(CCD)の性能が、少なくとも上記先行技術添加剤と比較して改善されるように、堆積物の形成を制御(又は防止)し、かつ、既に形成された堆積物を低減(又は除去)するのに適することを見出した。
【0040】
本発明の燃料添加剤組成物の性能及び有効性は、既存の方法により評価できる。例えば、メルセデスベンツ試験M102E(CEC-F-05-93)、メルセデスベンツ試験M111(CEC-F-20-98)、BMW318i又はFord2.3L試験等の様々な業界標準試験を用いて、吸気弁堆積物(IVD)及び/又は燃焼室堆積物(CCD)を制御する添加剤の性能を測定することにより、評価できる。燃料添加剤組成物を含む燃料のエンジン清浄性能及び有効性は、様々な業界標準試験を用いて評価できる。例えば、プジョーXUD9試験及びプジョーDW10B試験を用いて、インジェクタの堆積物の制御能や低減能を測定する。本発明の燃料添加剤組成物の性能及び有効性並びに本発明の燃料添加剤組成物を含む燃料のエンジン清浄性能及び有効性は、いかなる燃料を用いても評価することができる。例えば、EN ISO 22854で測定すると酸素含有量が約2.7%m/m(w)未満、かつ、EN ISO 12185で測定すると密度@15℃が約720〜約775kg/mであるガソリン燃料である燃料RF-12-09-、又はEN 1601で測定すると酸素含有量が約0.1%m/m(w)未満、かつ、のガソリン燃料、ISO 12185又はISO 3675で測定すると密度@15℃が約748〜約754kg/mである燃料RF-02-03-密度(150C)を用いて評価することができる。
【0041】
本発明の範囲は、当該試験方法及び当該用いられる燃料に限定されないことに留意されたい。
【0042】
本発明の範囲は特定の燃料に限定されず、ガソリン、中間留分、重質留分、バンカー燃料、船舶燃料やこれらに限定されない燃料が含まれることが意図され、これらは、炭化水素、酸素化物、バイオマス、及びガソリン担体液、脱乳化剤、腐食防止剤、摩擦調整剤、消泡剤、燃焼改良剤、セタン改良剤、潤滑改良剤、中間留分流改良剤、及びワックス沈降防止剤等であって、これらに限定されない、1又はそれ以上の補助添加剤を含んでよいことに留意されたい。
【0043】
本発明者は、以下の実施例によって、本発明の燃料添加剤組成物の上記利点を実証したが、これらの実施例は、説明を目的とし、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
【実施例】
【0044】
上記のように、比較先行技術添加剤は、エチレンジアミン(EDA)、ポリイソブチレン(PIB)フェノール、及びホルマリンを約1:2:2のモル比で反応させて調製され、ここで、ポリイソブチレン(PIB)フェノールは、フェノールと、分子量約950ダルトンの市販の高反応性PIB(HRPIB)とを反応させて調製される。得られた反応生成物をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定すると、分子量が約3574ダルトンであることが分かった。
【0045】
本発明の添加剤は、触媒としてKOHを用いてイソボルネオールとプロピレンオキシドをモル比約1:1.5で反応させて得られ、用いたイソボルネオールの分子量をGPCで測定すると約154であり、プロピレンオキシドの分子量をGPCで測定すると約58であった。約200g(1.30モル、12.80重量%)のイソボルネオールを約1157g(19.94モル、73.98重量%)のプロピレンオキサイドと反応させて本発明の添加剤を獲得し、得られた本発明の添加剤の分子量をGPCで測定すると、3009ダルトンであることが分かった。
【0046】
ガソリン燃料添加剤組成物の性能と有効性を「メルセデス」試験、M102E(CEC‐05‐A‐93)とメルセデスベンツ試験M111(CEC‐F‐20‐98)、エンジン清浄度評価試験で、吸気弁堆積物(IVD)や、燃焼室堆積物(CCD)を制御する添加剤の性能を測定して評価し、燃料のブランク試料と比較した。当該例で用いた燃料はガソリン燃料(RF−02−03)であった。
【0047】
上記のように、投与量約93ppmで、比較先行技術添加剤組成物で処理された燃料について、IVDは、ブランク試験の149mg/vから98mg/vに低減し、CCDは、ブランク試験の6367mg/エンジンから5433mg/エンジンに低減し、比較先行技術添加剤組成物は基準値より改善されなかった。
【0048】
対照的に、本発明の添加剤組成物で処理された燃料について、驚くべきことに、投与量約20ppmで、IVDはブランク試験の149mg/vから66mg/vに低下し、CCDはブランク試験の6367mg/エンジンから4126mg/エンジンに低下し、本発明の添加剤組成物で処理された燃料について、本発明の添加剤組成物の基準値よりも改善されたことが示された。
【0049】
同様に、M111試験方法を用いて試験を行ったところ、約20ppmの投与量で、本発明の添加剤組成物では、驚くほどに、IVDはブランク試験の132mg/vから95mg/vに低下し、投与量約60ppmで、本発明の添加剤組成物は、驚くほどに、IVDはブランク試験の132mg/vから83mg/vに低下し、投与量約100ppmで、意外にも予期せぬことには、本発明の添加剤組成物を処理した燃料を本発明の添加剤組成物で処理した場合、IVDはブランク試験用の132mg/vから66mg/vに低下し、本発明の添加剤組成物の基準値を超える改善が示された。
【0050】
このように、本発明の驚くべき予期せぬ技術的利点は、燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減することが実証されている。
【手続補正書】
【提出日】20200413
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物であって、前記燃料添加剤組成物が、(i)エチレンオキシド、(ii)プロピレンオキシド、及び(iii)ブチレンオキシドからなる群から選択されるオキシラン化合物と、イソボルネオール又はボルネオールと、の反応生成物である、(a)イソボルネオール又は(b)ボルネオールの酸化物誘導体を含む、燃料添加剤組成物。
【請求項2】
イソボルネオール又はボルネオールが約1:1〜1:50のモル比でオキシラン化合物と反応する、請求項1に記載の燃料添加剤組成物。
【請求項3】
燃料及び請求項1又は2に記載の燃料添加剤組成物を含む組成物。
【請求項4】
燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する方法であって、請求項1又は2に記載の燃料添加剤組成物で燃料を処理するステップを含む、方法。
【請求項5】
燃料噴射システム及びエンジン内、又は内燃機関内の、堆積物の形成を制御し、かつ、既に形成された堆積物を低減する燃料添加剤組成物を使用する方法であって、前記燃料を、請求項1又は2に記載の燃料添加剤組成物で処理することを含む、方法。
【国際調査報告】