(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021508263
(43)【公表日】20210304
(54)【発明の名称】保護・運動用手拘束システムおよび装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/37 20060101AFI20210205BHJP
   A61F 5/02 20060101ALI20210205BHJP
   A63B 23/16 20060101ALN20210205BHJP
【FI】
   !A61F5/37 Z
   !A61F5/02 N
   !A63B23/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】2020531127
(86)(22)【出願日】20181207
(85)【翻訳文提出日】20200625
(86)【国際出願番号】US2018064618
(87)【国際公開番号】WO2019113548
(87)【国際公開日】20190613
(31)【優先権主張番号】62/595,783
(32)【優先日】20171207
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518052740
【氏名又は名称】パヴィーニ、マリー
【氏名又は名称原語表記】PAVINI,Marie
【住所又は居所】アメリカ合衆国,バーモント州 05737,チッテンデン,マウンテン スプリング ロード 35
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】パヴィーニ,マリー
【住所又は居所】アメリカ合衆国,バーモント州 05737,チッテンデン,マウンテン スプリング ロード 35
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098BB10
4C098BC02
4C098BC11
4C098BC42
(57)【要約】
本明細書に開示される実施形態は、手首タイスロットと、複数の通気口と、拘束アームロッドへの随意選択の取り付けおよび手へのアクセスを改善するためのスタッフ方向の上方変位のための取り外し可能な可撓性軟質アンダーラップならびにヒンジボールベアリング式取付点と、運動強化ならびに中間レベルの拘束のための抵抗バンドタイ用および剛性タイ用のスロットとを有するパッド付き透明ハードシェル手拘束具に対して手首タイを使用して手を固定することによって、手を保護拘束することを提案するものである。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッド付き手支持部材と、
手受容開口部を画定するために前記パッド付き手支持部材全体にわたって延在するカバー部材であって、前記開口部は、手が前記パッド付き手支持部材の中央に位置決めされた状態で前記カバー部材が手と接触しないように構成されおよび寸法決めされ、前記手受容開口部は各端で開口している、カバー部材と、
手首を取り囲み、手を前記拘束具から引き抜こうとすることに反応して堅く締まり、反対の動作に反応して緩まることによって前記手受容開口部内で手を固定するように構成された少なくとも1つの手首取付具と
を備える、保護・運動用手拘束具。
【請求項2】
前記パッド付き手支持部材および前記カバー部材によって画定された前記手受容開口部は、前記拘束具内に位置決めされた手へのアクセスを可能にするのに十分な空間を形成して、前記拘束具から手を除去せずに、診断または治療介入が手の甲、手首もしくは指に対して行われることを可能にする、請求項1に記載の手拘束具。
【請求項3】
前記少なくとも1つの手首取付具は、患者の手が前記拘束具の中にある状態で前記患者の手首の周りに位置決めされるように構成されたスリップループを有するように構成された少なくとも1つのストラップを備える、請求項1または請求項2に記載の手拘束具。
【請求項4】
前記少なくとも1つの手首取付具または腕動作制限要素が通されて固定され得る、前記カバー部材内の複数のスロットをさらに備える、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の手拘束具。
【請求項5】
前記少なくとも1つの手首取付具は、ウェビングストラップを備え、前記拘束具は、前記ウェビングを固定するために取り付けられたクリップをさらに備える、請求項1〜請求項4のいずれに記載の手拘束具。
【請求項6】
前記カバー部材は、前記拘束具から除去せずに、前記患者の手の観察を可能にするように透明である、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の手拘束具。
【請求項7】
拘束アームの取り付けのために前記カバー部材上に配置された枢動可能な取付部材をさらに備える、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の手拘束具。
【請求項8】
前記カバー部材と前記パッド付き手支持体との間に位置決めされた実質的に剛性のフレーム部材をさらに備え、前記パッド付き手支持体用の取付手段は、前記フレーム部材上に位置決めされる、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の手拘束具。
【請求項9】
前記カバー部材は、前記実質的に剛性のフレーム部材によって支持される軟質で透明な適合性材料である、請求項8に記載の手拘束具。
【請求項10】
拘束アームを取り付けるように構成された前記フレーム部材上の枢動可能な取付具をさらに備える、請求項8または請求項9のいずれかに記載の手拘束具。
【請求項11】
前記フレーム部材に固定された細長く実質的に剛性の拘束アームをさらに備える、請求項8〜請求項10のいずれかに記載の手拘束具。
【請求項12】
前記拘束アームは、長さ調整のために伸縮自在であり、前記手拘束具の反対側の肩または腕取付具を含む、請求項7または請求項11に記載の手拘束具。
【請求項13】
手が前記拘束具内に固定されているときに、前記患者の指にアクセス可能な位置にある前記カバー部材の内側の中央側に位置決めされた活動制御スイッチをさらに備える、請求項1〜請求項12のいずれかに記載の手拘束具。
【請求項14】
実質的に剛性のU字形フレーム部材と、
前記フレーム部材の底部に固定された弾性パッド付き手支持部材と、
反対側で前記フレーム部材に取り付けられ、前記パッド付き手支持部材全体にわたって延在して前記手支持部材との間に手受容開口部を画定する、透明な適合性材料製の外側へ湾曲したカバー部材であって、前記手受容開口部は手が前記パッド付き手支持部材の中央に位置決めされた状態で前記カバー部材が手と接触しないように構成および寸法決めされ、前記手受容開口部は各端で開口しており、前記拘束具内に位置決めされた手にアクセスすることができるように十分な空間を形成して、前記拘束具から手を除去せずに、診断または治療介入が手の甲、手首もしくは指に対して行われることを可能にする、カバー部材と、
手首を取り囲み、手を前記拘束具から引き抜こうとすることに反応して堅く締まり、反対の動作に反応して緩まることによって前記手受容開口部内で手を固定するように構成された少なくとも1つのスリップループ手首取付具と
を備える、保護・運動用手拘束具。
【請求項15】
前記フレーム部材に取り付けられ枢動可能な取付部材と、
前記枢動可能な取付部材によって前記フレーム部材に固定可能な細長く実質的に剛性の拘束アームであって、長さ調整のために伸縮自在である、拘束アームと、
前記フレーム部材に対する前記取付具の反対側の前記拘束アーム上に配置された肩または腕取付具と
をさらに備える、請求項14に記載の手拘束具。
【請求項16】
手が前記拘束具内に固定されているときに、前記患者の指にアクセス可能な位置にある前記フレーム部材の内側の中央部に位置決めされた活動制御スイッチをさらに備える、請求項14または請求項15に記載の手拘束具。
【請求項17】
挿管患者のための保護または運動を提供する方法であって、
透明なカバー部材によって覆われたパッド付き手支持部材を備える手拘束具であって、前記カバー部材は手受容開口部を画定するためにパッド付き手支持部材全体にわたって延在し、前記開口部は手が前記パッド付き手支持部材の中央に位置決めされた状態で前記カバー部材が手と接触しないように構成および寸法決めされた、手拘束具内で、非外傷的に患者の片手または両手を保持するステップと、
前記患者の手が前記手拘束具内に固定された状態で、診断または治療介入のために臨床的に必要とされるように、前記手拘束具の開口端から患者の指、手の甲または手首にアクセスするステップと、
前記手拘束具と固定構造体との間で伸長可能なまたは伸長不可能な腕制限要素を固定することによって、前記患者の腕の動作を選択的に制限または許可するステップと
を含む、前記方法。
【請求項18】
前記手拘束具と前記患者の肩または上腕との間で実質的に剛性の拘束アームを固定することによって、前記患者の手の移動を制限するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記手拘束具と固定構造体との間で抵抗バンドを固定することによって、前記手拘束具から前記患者の手を除去せずに、前記拘束された患者の腕運動を容易にするステップをさらに含む、請求項17または請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記手拘束具から前記患者の手を除去せずに、患者の状態、例えば、循環血色、カテーテルの抜け、病変/紫斑を評価するために前記透明なカバー部材を通して手を見るステップをさらに含む、請求項17〜請求項19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記手拘束具から前記患者の手を除去せずに、パルスオキシメータの観察、指穿刺グルコースチェック、毛細血管再充満チェック、手を握ること、手の甲の静脈内挿入、動脈ライン挿入または挿入ラインの監視の少なくとも1つを含む接触観察、診断または治療介入の少なくとも1つを実行するステップをさらに含む、請求項17〜請求項20のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には、医療用保護装置および拘束具の分野に関する。特に、本発明は、保護・運動用手拘束具、および関連する患者の拘束ならびに運動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
かなり長期間にわたって寝たきり状態にある集中治療室の挿管患者にとって、意味のある早期離床および鎮静作用最小化は、罹患率及び死亡率を低下させること、回復を早めること、および認知力ならびに精神力を維持することによって生活の質を改善することにおいて重要な要素である。しかしながら、気管内チューブ(ETT)または他の呼吸用チューブ、経鼻胃管、静脈(IV)ライン、および他の医療器具が装着されている場合、このような器具の除去(例えば、自己抜管)の防止も、ICUにおける罹患率および死亡率を低減させることができる。器具の除去を防止するためには、患者の動作範囲を大幅に制限する拘束具が使用され、その後、動くことができないという不安を低減するために鎮静剤の投与が行われる。介護職員は、早期に医療器具を取り外すと悲惨な結果を招くので、拘束具を緩めるまたは除去することに抵抗があり、これらの矛盾する懸念事項のバランスをとることに関してジレンマに陥っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
適度な動作範囲を可能にしながら、依然として患者による器具の除去を防ぐ試みにおいて、様々なタイプの拘束具が採用されてきた。しかしながら、適度な動作を可能にする既存の拘束システムは、依然として、確実にまたは十分に器具除去を防ぐものではない。例えば、ミット拘束具は、患者がミットを一緒に押すことによって自身がミットから離れてしまう可能性があるので、効果がないことが多い。このタイプの拘束具に関する他の問題としては、手首の周方向束縛、手の静脈内投与部位、手首の動脈ライン部位のアクセスが見えにくいまたは遅れる、および継続的な循環監視が挙げられる。手首拘束具を使用することで、患者が覚醒状態である場合、望ましい状態である場合が多いが、患者は、外したいチューブに向けて手を移動させるのではなく、結び付けられた手に向けてチューブを移動させることができる場合がある。多くの場合、これは、昏迷状態で行われるが、患者がさらに覚醒することにより、自分がベッドに結び付けられているということを認識することに伴う極度の不安を引き起こし得る。このタイプの拘束具に関する他の問題としては、拘束具がきつくなりすぎたときが容易に目に見えないので、手の浮腫、動脈および静脈の圧迫が挙げられる。肘固定具またはアームボードも使用されるが、覚醒患者は、そのような拘束具から自身を離すことができる場合がある。これらのタイプの拘束具に関する他の問題は、静脈内投与部位が不明瞭になること、神経麻痺、および褥瘡の生成もしくは悪化を含む。既存のシステムの問題は、ICUのスタッフに負担をかける可能性があり、ICUスタッフは、別の患者および文書作成業務ならびに薬剤分散業務を犠牲にして1人の患者を看るのにより多くの時間を費やさなければならない場合がある。本明細書に開示される実施形態は、覚醒患者が腕を移動させることができると同時に、自己抜管の可能性を低減する、または自己抜管を妨げることを可能にする拘束システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示される実施形態は、反射的に除去を試み得る覚醒患者のETTの自己抜管を防止するのに有用であり、さらにできる限りの筋力の維持に必要な早期離床および運動、人工呼吸器からの解放に必要な横隔膜運動の促進、およびベッドに結び付けられていないことによる患者のストレスの低減を可能にし、その結果、鎮静作用最小化および認知力の改善を可能にするものである。開示される実施形態は、バイタルチューブおよびラインの自己除去を不可能にするために患者の手を収容する。さらに、実施形態は、自己抜管を防止するために、他の拘束システムの患者拘束アームロッドの手首部分のような基板、もしくは同じ用途あるいは別個の構成要素としての任意の他の基板に取り付けられ得る、または同時に出願される本出願人の同時係属の国際出願である「ENDOTRACHEAL TUBE GUARD WITH OPTIONAL HOLDING SYSTEM AND OPTIONAL SENSOR」と題された国際出願PCT/US181/64603号明細書(以降、「ENDOTRACHEAL TUBE GUARD出願」と呼ぶ。参照により本願明細書に引用したものとする)に開示される保護装置と組み合わせて使用され得る。
【0005】
本明細書に開示される実施形態は、単体で使用されたときに、または本出願人の上記のENDOTRACHEAL TUBE GUARD出願に開示されている随意選択の厳しい拘束のための器具と共に使用されたときに、手首タイスロットと、複数の通気口と、保護・運動用拘束具への随意選択の取り付けおよび手へのアクセスを改善するためのスタッフ方向の上方変位のための取り外し可能な可撓性軟質アンダーラップならびにヒンジボールベアリング式取付点と、運動強化ならびに中間レベルの拘束のための抵抗バンドタイ用および剛性タイ用のスロットとを有するパッド付き透明ハードシェルハンドケージに対して手首タイを使用して手を固定することによって、手を保護拘束することを提案するものである。ハンドケージの直径は、入れられる手と確実に接触しないように、近位端から遠位端までの間で変化し得る。本開示は、手の自己除去が妨げられるように、手首前部における手首タイの最大交差を可能にするように構成されたデュアルスロットの実施形態を含む。ハンドケージは、入れられた手が表面に載置されているときに、ハンドケージが皮膚と接触しないように十分な大きさであるので、皮膚接触を最小限に抑えることによって、リスクが高い患者の手の皮膚の外傷、例えば、挿管患者に必要な典型的な時間使用されたときの皮膚の損傷が防止される。また、シングルスロットの実施形態も開示される。開示される実施形態は、手首の周方向束縛を抑えながら手首の回転運動、手の制限された移動、および手の可視化ならびに手へのアクセスを実現すると同時に、自己除去を不可能にするような方法で固定される手拘束具を含む。開示される手拘束具の実施形態は、手静脈ラインまたは手首動脈ラインに対する継続的な可視化ならびに即時の看護的アクセス、皮膚評価ならびに爪床の循環評価、およびコミュニケーション、治療ならびに世話のような患者の手助けの使用を提供する。
【0006】
本明細書に開示されるシステムの実施形態は、ENDOTRACHEAL TUBE GUARD出願に開示されている自己抜管をさらに妨げるための器具と併せて使用され得、さまざまな程度の運動および拘束を提供するための可変引張強度の抵抗バンドと交換可能な抵抗運動および/または中間レベルの拘束のための抵抗バンドタイを含み得、厳しいレベルの拘束のための剛性タイを含み得、手とハンドケージとの接触を防止するためにハンドケージ内部に手首タイスペーサを含み得、および/または子供から大人までのほとんどの手のサイズで利用され得る。開示されるシステムは、早期離床への患者の参加の促進、潜在的に鎮静作用が低減されることによるせん妄のリスクの低減と同時に、その後に、確実に覚醒患者が装置を外すことができないようにするのを助けること、横隔膜強度および分泌クリアランスのための胸部運動量の増加により人工呼吸器からの回復を速めること、褥瘡および皮膚の損傷を最小限に抑えることを可能にし、これら全ては、自己抜管を防止するためにスタッフの監視要件を低減するように行われる。開示される実施形態は、手首を動脈ラインに、手の甲を静脈ラインに利用できるようにすると同時に、患者の除去を不可能にし、浅動脈の周方向束縛を抑えるように巻き付ける手首ストラップを含み得る。取り外し可能な可撓性軟質アンダーラップは、手がハンドケージの外側に到達して、医療用チューブ、ラインまたはカテーテルに引っかからないようにすると同時に、アンダーラップの下の表面よりも硬くない手の載置面を提供する。容易な取り外し可能性は、身体検査およびアクセスのために医療従事者による迅速なアクセスを確実にする。
【0007】
デュアルスロットの実施形態は、手首タイが手首を包み込み、2つのスロットからハンドケージを通り抜けるようにすることで、手首前部における交差の角度が、単一スロットから通されたときよりも小さくなる。デュアルスロットの実施形態およびシングルスロット実施形態の両方において、ハンドケージの外側の調整可能な固定機構は、手首ループが小さすぎて外すために手を引き抜くことができなくなるように、手首タイで任意のサイズの手を固定する。
【0008】
開示される実施形態は、介入を誘導するスタッフ監視のために、活動性低下の動き、正常活発な動き、活動過多の興奮した動きを示すための色信号および/または絵文字信号を出力するスクリーンに送信される患者の腕の移動の速さに基づいて、不安および興奮を監視するための随意選択の無線活動センサを含み得る。開示される実施形態はさらに、スイッチパッドを有するセンサを作動させることにより、ビデオ治療ゲーム内で結果が現れるように、患者対話型ビデオ治療ゲームの関与を可能にするための随意選択の無線活動センサを含み得る。
【0009】
本発明を例示するために、図面は、本発明の1つまたは複数の実施形態の態様を示している。しかしながら、本発明は、図面に示される正確な配置および手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示に従って作製されたダブルスロット実施形態の右手内側掌側から見た、保護・運動用手拘束具の写真である。
【図2】本開示に従って作製されたシングルスロット実施形態の左手内側掌側から見た、保護・運動用手拘束具の写真である。
【図3】本開示に従って作製されたハンドケージの側方裏側から見た写真である。
【図4】本開示に従って作製されたハンドケージの底部前側から見た写真である。
【図5】本開示に従って作製されたハンドケージの上部から見た写真である。
【図6】本開示に係る保護・運動用手拘束具の代替形態の斜視図である。
【図7】図6に示されている拘束具のハンドケージ部分の詳細斜視図である。
【図8】本開示に係る2つの保護・運動用手拘束具を装着した患者を示した写真である。
【図9】本開示に係る保護・運動用手拘束具のさらなる代替形態の写真である。
【図10】本開示に係る、保護・運動用手拘束具の一実施形態の「引き結び」構成を有する代替の手首ストラップ上面図の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
保護・運動用手拘束具10の第1の実施形態が、図1〜図5に示されている。図面に示されているように、拘束具10は、患者の手の周りで気流を生じさせるために通気され得る、透明な外側保護カバー12を含む。内側カバー12は、底部全体にわたって、取り外し可能な軟質の手支持体14(アンダーラップ)である。手支持体14は、例えば、ネオプレンシートまたは他の同様の非外傷性、弾力性、かつ洗浄可能な材料を含み得る。カバー12および軟質手支持体14は、気流がカバーの側面に対する摩擦を回避するためだけでなく、指に取り付けられたパルスオキシメータセンサまたはIVのような器具を配置または除去することができるように医療従事者による患者の指および手の甲へのアクセスを可能にするために、手の周りの十分な空間を可能にするようなサイズにしなければならない。また、拘束具10を除去せずに、小さな採血のための指先穿刺も可能である。
【0012】
スロット18がカバー12の側面に設けられ、手首タイ20のような調整可能なタイが患者の手の周りの適所で拘束具10を固定するためにスロット18を通って延在することが可能になる。一実施形態では、手首ストラップ20は、調整可能なスリップコネクタ22で固定され得、スリップコネクタ22は、医療従事者が両手で容易に操作することができるが、患者が振って緩めることはできない。手首ストラップ20は、拘束具10を固定する、安全な非皮膚刺激性手段を提供する。図10にさらに詳細に示されているように、ストラップ20aの一方の端部が小さな固定ループ20bに通されて、より大きなスリップまたは「引き結び状」ループが形成され、そこを通して手が配置される、引き結び式の構成がほとんどの臨床的状況では望ましい。このような「引き結び状」スリップループは、患者が手を引き抜こうとしたときに堅く締まり、その後、手が前方に移動したときに、循環および皮膚の完全性に対する負の影響を最小限に抑えるために、再び自然に緩む。ストラップ20aは、本明細書に開示される他のストラップ20のように、スロットに通されて、結び目またはコネクタ22によって、または後述する図7に示されるようなクリップ42で固定され得る。図1〜図5および図10では単一の手首ストラップ20/20aが示されているが、安全性を高めるために、1つまたは複数の追加の手首ストラップが複数の取付スロット18の他のスロットを通して追加され得る。代替の調整可能な外側手首タイ22aおよび内側手首タイ22bは、それぞれ図2に示されている。手首ストラップには、随意選択で、患者の移動により生じる手にかかる圧力をさらに分散させるためにスリップオン式パッドが設けられてよい。
【0013】
シェル12は、様々な材料で作られ得る。厳密には必要ではないが、活発なまたは拘束具を除去しようとする患者への損傷の可能性を低減するために、カバーはある程度の追従性を有する場合の方が好ましい。厚さが約1/8インチ(約0.318cm)〜約1/4インチ(約0.635cm)の剛性ビニル材料は、1つの適切な材料の選択肢である。加えて、随意選択の外側ケージ24が、保護強化のためにカバー12の全体または一部の周りに設けられてよい。
【0014】
患者の快適さを高めるために、特に、意識があり、自分の周囲を認識している患者のために、図2に示されているようにカバー12の内部の患者の指が届きやすい時範囲内の位置に、対話型活動センサ/スイッチパッド25が設けられ得る。このようなスイッチパッドは、例えば、ナースコールボタン、部屋のAVシステム用の制御装置、および/またはPCAボタン、または、理想的には様々な状況において意識のある患者によって制御される任意の他の器具用の制御装置を含み得る。さらに、ビデオ制御および患者監視のための対話型活動センサ26、28が、カバー12に統合され得る、またはカバー12上に配置され得る。さらに図2に示されているのは、本明細書の他の場所で記載されているように拘束アームへの取り付けに使用され得る取付具30である。いくつかの実施形態では、取付点30がスイベルおよび回転ボールベアリング取付部材であることが望ましい場合がある。
【0015】
制御された移動を制限または許可するさらなる手段として、抵抗バンド32またはそれより可撓性のない「剛性」ストラップコネクタ34のような腕動作制限要素の取り付けに、スロット18が使用され得る。抵抗バンド32またはストラップコネクタ34の各々は、カバー12への取付具の反対側で患者のベッドのような固定構造体に固定され得る。抵抗バンド32は、制御された移動および運動を可能にし得る。ストラップに関連して本明細書で使用される場合、「剛性」とは、伸張不可能であるという意味である、または移動が少なくとも一方向、つまりストラップを引き寄せる方向に固定され得るような伸縮の制限のことを指す。この点に関して、「剛性」は、抵抗バンドのような伸縮性材料との区別としてのみ使用される。したがって、「剛性」ストラップコネクタ34がカバー12と患者のベッドとの間に取り付けられると、手および腕の移動は、必要に応じて制限され得る。(ベッドに固定される剛性ストラップコネクタ34の一例が、図8に示されている。)
【0016】
保護・運動用手拘束具の代替的な実施形態が、図6および図7に示されている。この実施形態では、拘束具10aは、フレーム40上で支持されるカバー部材12aを含み、フレーム40は、実質的に剛性であり、略U字形状であり得る。手が載置されるパッド付き/軟質手支持体(例えば、図1の支持体14)は、図6および図7には示されていないが、例えば、クリップ、スナップ、面ファスナ、または他の適切な取り外し可能な取付手段によって、フレーム40の下面に取り外し可能に取り付けられる。フレーム40には、ストラップ取り付け用のスロット18が設けられる。この実施形態では、スイッチ24は、2ボタンスイッチとして設けられる。加えて、代替のストラップ固定点として、フレーム40の側面にストラップクリップ42が設けられ得る。これらは、上述したように、手首ストラップまたは抵抗バンドまたは剛性コネクタストラップを固定するのに使用され得る。
【0017】
拘束具10aは、ここでは、伸縮式拘束アーム44が枢動可能な接続部46によってフレーム40に取り付けられた状態で示されている。伸縮式拘束アーム44は、ロック機構50によってロックされる伸縮セクション48a、48bからなる剛性アーム48を含む。様々な市販の伸縮部材ロック機構が使用され得る。肩・上腕取付パッドストラップ52は、剛性アーム48の上端部に設けられる。このことにより、患者の上腕への安全な取り付けが可能であり、その結果、ストラップまたは抵抗バンドによって制御され得るように可動性の制限が可能になる。拘束アーム44はさらに、患者の損傷の可能性を低減するために、ネオプレンスリーブのような軟質保護スリーブで覆われ得る。
【0018】
保護・運動用手拘束具のさらなる代替形態が、図8および図9に示されている。この実施形態では、拘束具10bは、底部が開口した半管型の構造体として形成されたカバー12bを含む。面ファスナタイプのコネクタ58は、カバー12bの側面に固定され、このことにより、軟質手支持体14bを底部全体で固定し、面ファスナコネクタ58によってしっかりと、かつ取り外し可能に取り付けることができる。拘束具10bの他の特徴は、全般的には、上述した通りである。伸縮式拘束アーム44bは、枢動可能な接続部46によってカバー12bに取り付けられる。この場合、拘束アーム44bは、ネオプレン保護スリーブ60によって覆われた状態で示されている。
【0019】
図8は、本明細書に記載されているような拘束具の実施形態を使用した患者の可動性および拘束のオプションを示す。この図では、拘束具10bが示されているが、本開示に従う拘束具10、拘束具10a、または拘束具10bのいずれかまたはその変形形態も同様に使用され得る。図8では、患者の左腕において、拘束具10bは、拘束アーム44bの端部の肩ストラップ52によって肩で固定されている。しかしながら、左腕は、それ以外では動作に対して固定されておらず、患者は、運動および快適さのために動作することができるように肩で腕を持ち上げることができる。指は、自由なままであるが、カバー12bによって取り囲まれるように保護される。患者の右側では、拘束具10bは、カバー12bと患者のベッドとの間に接続された「剛性」コネクタストラップ34によって制限移動に限定される。
【0020】
本開示の別の態様では、保護用手拘束具の内部で挿管患者の手を保持した状態での挿管患者の保護および/または運動のための方法が提供される。一実施形態では、このような方法は、手受容開口部を画定するように全体にわたって延在する透明カバー部材によって覆われたパッド付き手支持部材を備える手拘束具内で、患者の片手または両手を非外傷的に拘束するステップを含み得る。手受容開口部は、手がパッド付き手支持部材の中央に位置決めされた状態でカバー部材が手と接触しないように構成され、寸法決めされ得る。このような手拘束具は、随意選択で、代替の手拘束具の実施形態に関して上述したような追加の特徴または構造を含んでよい。該方法は、患者の手が手拘束具内に固定された状態で、診断または治療介入のために臨床的に必要とされるように、手拘束具の開口端から患者の指、手の甲または手首にアクセスするステップをさらに含む。さらなるステップでは、患者の腕の動作は、手拘束具と固定構造体との間で伸長可能なまたは伸長不可能な腕制限要素を固定することによって、選択的に制限または許可され得る。
【0021】
追加の随意選択の方法ステップは、手拘束具と患者の肩または上腕との間で実質的に剛性の拘束アームを固定することによって患者の手の移動を制限するステップ、および/または手拘束具と固定構造体との間で抵抗バンドを固定することによって手拘束具から患者の手を除去せずに拘束された患者の腕の運動を容易にするステップを含み得る。
【0022】
したがって、手拘束具(単数または複数)を除去せずに、評価および介入が可能である。このような評価または介入は、例えば、手拘束具から患者の手を除去せずに、患者の状態、例えば、循環血色、カテーテルの抜け、病変/紫斑を評価するために透明なカバー部材を通して手を見ること、または手拘束具から患者の手を除去せずに、パルスオキシメータの観察、指穿刺グルコースチェック、毛細血管再充満チェック、手を握ること、手の甲の静脈内挿入、動脈ライン挿入または挿入ラインの監視の少なくとも1つを含む、接触観察、診断または治療介入の少なくとも1つを実行することを含み得る。
【0023】
開示される実施形態は、ラテックスを含まず、MRIおよび他の画像診断に適しており、潜在的に使い捨て可能であり、軽量であり、快適であり、迅速かつ容易に着脱可能であり、頑丈であり、パッド付きであり、かつ洗浄可能である、センサ、綿、弾性布帛、ネオプレン、アクリルおよびプラスチックのような従来の容易に入手可能な医学的に承認された材料から作製され得る。この装置は、例えば、ENDOTRACHEAL TUBE GUARD出願に記載されているチューブガードと共に使用されるか否かに関係なく、患者が器具を除去する、または反対側の手の器具を除去することを防止し、別個の拘束具として使用される場合に手がチューブに接触するのを妨げ、手を顔の方に寄せてチューブを除去するのを防止する。主に、本明細書には挿管患者に関して説明されるが、当業者は、開示される実施形態が、挿管されているか、または別の方法で医療支援装置または診断装置に侵襲的に接続されている患者の保護に等しく適用可能であることを理解するであろう。
【0024】
開示される実施形態の一例では、医療スタッフは、手首前部で交差し、手がハンドケージと接触せずに掌が内側を向いた状態でハンドケージの外表面で調整可能に固定するためにハンドケージのスロットを通る手首後部に渡された単一バンドが存在するように手の周りに巻き付けられた手首タイによって、患者の手を器具(片手に1つずつ)内に配置する。手首ストラップの開口部が小さすぎて開口部を通して手を除去することができない状態で手がハンドケージと確実に接触しないように、必要に応じて、随意選択の手首タイスペーサがハンドケージの内表面で使用され得る。患者は、身体の上または近くのチューブおよびラインを把持することができず、器具自体を除去することもできない。移動および運動は、手首の全動作範囲、随意選択の抵抗バンドの使用、堅く結び付けられていない場合の腕の移動、および/または対話型ビデオ治療セッションおよびゲームを含む活動センサとの併用によって促進される。
【0025】
当業者には明らかなように、開示されるシステムの実施形態は、3段階レベルの拘束を可能にし、これらのレベルの全ては、覚醒被験者および覚醒傾向の被験者が拘束具から切り離される、または顔と手を接近させることを防止するものであり、抵抗運動療法のための1つの構成、対話型ビデオ療法との併用のための1つの構成、および不安および興奮監視のための1つの構成を含む。ENDOTRACHEAL TUBE GUARD出願に開示されている器具と併せて使用される場合、自己抜管がさらに妨げられる。開示されるシステムの他の利点は、覚醒患者または決然とした患者であっても患者による自己抜管および自己除去を防止しながら安全なレベルの自由度および運動を提供すること、手の甲の静脈ラインおよび手首動脈ラインへの継続的なアクセスおよび皮膚評価を行うこと、手の完全可視化、褥瘡の低減、混乱または興奮している患者が手を外し、続いて、結び付けられていない自由な構成の間であっても反対側の腕の拘束具を外すのを同時に防止することを含む。開示されている実施形態は、患者が好みに応じて手首を捻ることによって手首の位置を変えることができるように手首の回転を可能にし、ハンドケージの外側にパッドを有することによって、ハンドケージの透明性および収容された手の可視化を妨げない状態で、速度下の接触によるスタッフ、見舞人、または患者への悪影響を防止するのを可能にする。
【0026】
開示される実施形態は、ほとんどの手のサイズに対応するように構成され、3段階以上のレベルの拘束に迅速に変換され得、360°の皮膚評価および手首、手、腕の下面の褥瘡のリスクの低減を可能にし、または運動療法(抵抗バンド)もしくは3段階のレベルの拘束間の迅速かつ容易な切り替えを有し得る。
【0027】
開示される実施形態のさらなる特徴は以下を含む。
・3段階以上のレベルの手拘束で固定可能である(すなわち、「安全な3段階以上のレベル構成の手拘束具」である)。
・必要な最低限のレベルの拘束と鎮静作用の両方を促進する挿管患者の絶えず変化する要求に対応すると同時に、そのような意図を持った患者による自己除去を不可能にするために、(ベッドまたは椅子に)結び付けられていない状態ではあまりにも危険であり、(ベッドまたは椅子に)にしっかりと結び付けられた状態では厳しすぎる、もしくは不安をかき立ててしまう場合に、および/または故意であろうとなかろうと患者が運動することができる場合に、利用され得る複数のレベルの可動性および抵抗運動療法を可能にする、不安低減中間移動・運動形態を有する安全な3段階以上のレベル構成の手拘束具。
・手首での回転運動を可能にし、手へのアクセスを改善するために医療スタッフがハンドケージを上向きにヒンジ固定し、アンダーラップを取り外すことを可能にし、患者の顔と手の接近を不可能にする、腕拘束ロッドの手首部分へのヒンジボールベアリング式固定機構によって取り付け可能である、安全な3段階以上のレベル構成の手拘束具。
・センサを介して、患者の動作、不安、および興奮を無線で監視する、安全な3段階以上のレベル構成の手拘束具。
・センサおよびスイッチパッドを介して、ビデオ療法セッションおよびゲームと対話し、患者の要求によって警告を発し、通信、画面上のフォトアルバム制御、ビデオ通話のために対話し、および/または他の機能を実行する、安全な3段階以上のレベル構成の手拘束具。
・ハンドケージ設計によって、ベッドまたは椅子に結び付けられていないときでも、完全な覚醒状態の患者およびラインおよびチューブを妨害する意図を持った患者による指および手の自己除去を不可能にし、ひいては自己抜管を妨げ、鎮静作用を最小限に抑えることを可能にする、安全な3段階以上のレベル構成の手拘束具。
・静脈ライン部位ならびに動脈ライン部位、浮腫、変色、および循環評価ならびに監視のために手の継続的可視性を有する、安全な3段階以上のレベル構成の手拘束具。
・速度下の接触による悪影響を実質的に低減するために、透明なメッシュ通気ハードシェルハンドケージの外側にパッドを備えた、安全な3段階以上のレベル構成の手拘束具。
・周方向束縛が無く、手および手首の静脈ライン部位および動脈ライン部位を妨げない、安全な3段階以上のレベル構成の手拘束具。
・皮膚の完全性を妨げないために皮膚接触を最小限に抑えた、安全な手拘束具。
・ENDOTRACHEAL TUBE GUARD出願に開示されている器具と組み合わされたときに、除去のためにETTの周りの圧迫を抑制することによって気管内チューブの除去の防止を強化する、安全な3段階以上のレベル構成の手拘束具。
【0028】
本明細書に開示されているシステムを使用すれば、必要な最小限の拘束を促進する患者の変化する状態を通して所望される多くのレベルの拘束のために、単一の器具が効果的に採用され得る。開示されるシステムは、他の場合では掌ストラップから抜け出てしまう恐れのある覚醒状態でありリスクのある患者のためにベッドまたは椅子に結び付けられていない間の自己抜管を防止し、人工呼吸器からの前進に必要な精神力を促進する早期離床および運動を促すという、固有の特徴を提供する。実施形態は、手または腕の下面に圧力をかけず、それ結果、褥瘡および皮膚の損傷のリスクを低減し、静脈ラインおよび動脈ラインのために手の甲および手首前部を露出させて、この領域の皮膚の完全性をさらに最適化する。開示されるシステムによって提供される移動の向上した多自由度は、患者の興奮を低減することができ、したがって、鎮静剤を減らし、最小限に抑えることができ、このことが、患者の認知力向上を促進し、ひいては、せん妄およびPTSDの一形態である集中治療後症候群(post−ICU syndrome)の発生率を低下させる。患者に適切な制限構成が整うと、直接的な看護師または付添人の監視は必要でなくなる場合があるが、一方で、継続的な1対1の監視無しで現在利用可能な拘束具を解除することは、自己抜管を引き起こす。
【0029】
図1および図2に示されているデュアルスロットおよびシングルスロット実施形態のプロトタイプを、模擬臨床条件下で、男性および女性の被験者に対して試験した。図1および図2に示されているすプロトタイプを、年齢25〜40歳、および身長5’2”インチ(約157.5cm)〜5’10”インチ(約175.26cm)の覚醒状態の男性および女性の挿管されていない健康な被験者に取り付けた。この試験の間、結び付けられていない状態で、ハンドケージに取り付けられた手首タイの中の手が自由でないことが、器具の除去または反対側の手の器具の除去を防止したことがわかった。被験者は、ハンドケージの外側にあるものは何も把持できなかった。試験された器具は、これらの被験者のこの身長のカテゴリーの様々な手のサイズに適合した。手首の周方向束縛がないことで、循環が妨げられることはなかった。抵抗バンドタイ構成では、顔または胴に置かれた物体に到達することができないような形で腕を移動させることによって、運動の強化が可能であった。剛性タイ構成では、ハンドケージに対して顔を曲げることができたが、手に対しては曲げることができなかった。器具は、被験者によって快適であると評された。
【0030】
例示的な実施形態が上記のように開示され、添付図面において例示されている。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書内で具体的に開示されている内容に対して様々な変更、省略および追加がなされ得ることは、当業者には理解されるであろう。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【国際調査報告】