(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021508898
(43)【公表日】20210311
(54)【発明の名称】陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造及び実現方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20210212BHJP
   A61N 5/10 20060101ALI20210212BHJP
【FI】
   !G05B19/05 Z
   !A61N5/10 H
   !A61N5/10 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】2020543018
(86)(22)【出願日】20181128
(85)【翻訳文提出日】20200805
(86)【国際出願番号】CN2018117785
(87)【国際公開番号】WO2019148951
(87)【国際公開日】20190808
(31)【優先権主張番号】201810113845.X
(32)【優先日】20180205
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518316882
【氏名又は名称】合肥中科離子医学技術装備有限公司
【住所又は居所】中華人民共和国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大廈816室
(71)【出願人】
【識別番号】520295591
【氏名又は名称】中国科学院等離子体物理研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF PLASMA PHYSICS CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所】中国安徽省合肥市蜀山湖路科学島(番地なし)
【住所又は居所原語表記】Science Island, Shushan Road Hefei, Anhui 230000 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】宋 雲涛
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
(72)【発明者】
【氏名】馮 漢升
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
(72)【発明者】
【氏名】李 実
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
(72)【発明者】
【氏名】張 静
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
(72)【発明者】
【氏名】曹 海林
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
(72)【発明者】
【氏名】王 守元
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
(72)【発明者】
【氏名】李 柱
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
(72)【発明者】
【氏名】朱 言信
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
(72)【発明者】
【氏名】朱 新俊
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
(72)【発明者】
【氏名】張 偉
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
(72)【発明者】
【氏名】葉 春琳
【住所又は居所】中国安徽省合肥市高新区望江西路860号創新大厦816室
【テーマコード(参考)】
4C082
5H220
【Fターム(参考)】
4C082AA01
4C082AC05
4C082AE01
4C082AR01
4C082AR05
4C082AR08
5H220BB03
5H220BB10
5H220CC09
5H220CX09
5H220JJ12
(57)【要約】
本発明は、陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造及び実現方法を提供する。陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造は、ハードワイヤード構造とトポロジー構造とを含み、ハードワイヤード構造及びトポロジー構造は、第1安全インターロックシステム(1)、第2安全インターロックシステム(2)、第1治療室(11)、第2治療室(12)を含み、各安全インターロックシステム及び治療室の構成部分は、ホスト、PLC1、PLC2及び交換機を含む第1安全インターロックシステム(1)と、交換機、PLC1及びリモートPLC2を含む第2安全インターロックシステム(2)と、交換機、PLC及びCompactRIOを含む第1治療室(11)と、交換機、PLC及びCompactRIOを含む第2治療室(12)と、を含む。本発明は、2つの方式により安全インターロックシステム全体を構築することにより、安全インターロックサブシステムを迅速に制御することができ、装置稼働状態を検出する作用を奏することができる。2つの方式で並行して処理することにより、応答時間の要求を満たすだけでなく、モニタリングの役割も果たすことができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードワイヤード構造及びトポロジー構造を含む陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造であって、
前記ハードワイヤード構造及びトポロジー構造は、第1安全インターロックシステム、第2安全インターロックシステム、第1治療室及び第2治療室を含み、各安全インターロックシステム及び治療室の構成部分は、
ホスト、PLC1、PLC2及び交換機を含む第1安全インターロックシステムと、
交換機、PLC1及びリモートPLC2を含む第2安全インターロックシステムと、
交換機、PLC及びCompactRIOを含む第1治療室と、
交換機、PLC及びCompactRIOを含む第2治療室と、
を含み、
ハードワイヤード構造において、第1安全インターロックシステムのPLC1、第2安全インターロックシステムのPLC1、第1治療室のPLC及びCompactRIO、第2治療室のPLC及びCompactRIOは、それぞれ光ファイバにより機械室に接続されて伝送し、
トポロジー構造において、第1安全インターロックシステムのホスト、PLC1、PLC2はいずれも第1安全インターロックシステムに含まれる交換機に接続され、第2安全インターロックシステムの交換機は、第2安全インターロックシステムに含まれるPLC1に接続され、このPLC1はリモートPLC2に接続され、第1治療室のPLC及びCompactRIOは、それぞれ第1治療室に含まれる交換機に接続され、第2治療室のPLC及びCompactRIOは、それぞれ第2治療室に含まれる交換機に接続され、前記第1安全インターロックシステム、第2安全インターロックシステム、第1治療室、第2治療室のそれぞれに含まれる交換機は、いずれも光ファイバにより機械室に接続されることを特徴とする陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造。
【請求項2】
各安全インターロックシステムと治療室の間には、いずれも直接接続されるハードワイヤード信号があり、PLCには光電変換が含まれ、安全インターロックシステムとの治療室の直接伝送は光ファイバ通信によることを特徴とする請求項1に記載の陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造。
【請求項3】
第1安全インターロックシステム、第2安全インターロックシステム、第1治療室及び第2治療室は、環状のネットワークトポロジーを構成し、各システム又は治療室のいずれにも2経路の信号があることを特徴とする請求項1に記載の陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造。
【請求項4】
各安全インターロックシステム又は治療室において、PLC、CompactRIO、又はホストのイーサネット信号を交換機により光ファイバ信号に変換して伝送することを特徴とする請求項1に記載の陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造。
【請求項5】
第2安全インターロックシステムにおいて、リモートPLC2中で採取したドッドをインターフェースモジュール及びバスアダプタにより光ファイバ信号に変換し、さらに第2安全インターロックシステムのPLC1に伝送し、PLC1は採取した信号を処理し、セキュリティレベルSIL3を満たすために、リモートPLC2から第2安全インターロックシステムに伝送するプロトコルは、Profibusプロトコルを採用することを特徴とする請求項1に記載の陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造。
【請求項6】
前記PLCは、二重冗長電源モジュール、安全CPU、安全IOモジュールを含み、サブシステムの安全インターロックを担当し、サブシステムの稼働状態をリアルタイムにモニタリングし、PLCにアクセスされるのはデジタルハードワイヤード信号であることを特徴とする請求項1に記載の陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造。
【請求項7】
前記CompactRIOは、治療室内の設備に接続され、高速信号取得と高速応答の機能を奏し、冗長電源モジュール、CPU、プログラマブルロジックデバイス及び安全IOモジュールを含むことを特徴とする請求項1に記載の陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造。
【請求項8】
前記交換機は、PLC、CompactRIO及びホストを接続し、全てのサブシステムの信号は、光ファイバにより交換機に伝送され、交換機は産業用イーサネットによりホストに接続され、ホストインターフェースにより各安全インターロックサブシステムの稼働状況をモニタリングし、安全インターロックのログをチェックすることを特徴とする請求項1に記載の陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造。
【請求項9】
前記論理構造の実現方法は以下のとおりであり、
各システムは、隣り合うシステムとデータ交換する必要があり、データ交換の方式には、ハードワイヤード信号及びネットワークの2種類があり、両者は優先順位で判断され、優先順位が高い方はハードワイヤード伝送を採用し、優先順位が低い方はネットワーク伝送を採用し、ハードウェアの本数が限られているので、比較的緊急の信号のみがハードワイヤード接続を採用することを特徴とする請求項1に記載の陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造。
【請求項10】
第2安全インターロックシステムがハードワイヤにより第1安全インターロックシステムに優先順位が最も高い信号を送信した場合、第1安全インターロックシステムのPLC2がこの信号を受信した後、全ての従属設備をオフにし、交換機によりホストにこのときの状態を報告し、第2安全インターロックシステムが第1安全インターロックシステムにハードワイヤード信号を送信する際に、第2安全インターロックシステムは同様にネットワークトポロジーによりホストに信号を送信し、ホストへ現在の第2安全インターロックシステムの状態を伝え、ホストは自体の論理的判断に基づいて第1安全インターロックシステムの操作にエラーがあるか否かを検出し、操作にエラーがある場合、ホストインターフェース上でエラーを報告し、エラー指令を出し、エラーがない場合、いずれの操作も実行せず、
第1治療室がネットワークトポロジーにより第2安全インターロックシステムに優先順位が低い信号を送信した場合、優先順位が低い信号は一般的に状態量又は制御量が相対的に緊急信号に該当しないため、第2安全インターロックシステムは、この信号を受信した後、論理に基づいて対応する操作を実行し、実行した後の状態をネットワークトポロジーによりホストに送信し、第1治療室が第2安全インターロックシステムに信号を送信すると同時に、第1治療室もネットワークトポロジーによりホストに信号を送信し、ホストは信号を受信し、論理的判断して第2安全インターロックシステムが実行した結果が正しいか否かを検証し、エラーがある場合、ホストインターフェース上でエラーを報告するとともに、第2安全インターロックシステムにエラー指令を出し、エラーがない場合、いずれの操作も実行しないことを特徴とする請求項9に記載の陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全インターロックシステムに関し、特に陽子線治療用の安全インターロック論理構造に関し、具体的には、陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造及び実現方法に関する。
【背景技術】
【0002】
安全インターロックシステムは、陽子線治療装置制御システムにおける重要な構成部分である。陽子線治療装置の安全インターロックシステムは、安全システムとインターロックシステムを含み、各サブシステム間に保護システム及び故障処理の連動メカニズムを構築し、リスクを最大限に予防、回避し、陽子線治療装置の各安全インターロックサブシステム(例えば、RFシステム、真空システム、イオン源システム等)の保護論理関係を保証し、安全インターロックシステムの故障リスクに対応する保護論理を確保し、人、装置及び環境の安全保護を一括で提供する。
【0003】
陽子線治療装置の安全インターロックは、プログラマブルロジックコントローラPLCにより構築することができ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)により実現することもできる。異なる実現方法は、それぞれ独自の利点と欠点がある。例えば、(1)プログラマブルロジックデバイス(PLD)は安全機能を有さず、冗長システムに作製される必要がある一方、プログラマブルロジックコントローラPLCは専用の安全モジュールを有するので冗長システムに作製される必要ない。(2)プログラマブルロジックデバイス(PLD)は、開発サイクルが長く、回路基板をカスタマイズする必要がある一方、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)は、統一基準であり、カスタマイズする必要がない。(3)また、プログラマブルロジックデバイス(PLD)の応答時間はnsオーダーに達することができ、応答時間が一定である一方、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)の応答時間はμsオーダーであり、応答時間が一定ではなく、この欠点を克服するために、NI社のCompactRIOモジュールを使用した。CompactRIOモジュールは、FPGA処理が内蔵され、緊急処理が必要なイベントに迅速に対応可能である。研究開発時間、コスト、応答時間、安全性などの総合的に評価したところ、陽子線治療装置の安全インターロックシステムは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)及びCompactRIOにより実現される。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)及びCompactRIOに基づく陽子線治療装置用の安全インターロックの論理構造を提供することを目的とする。この2つの方式により安全インターロックシステム全体を構築する。1つ目はリアルタイムのハードワイヤード構造であり、安全インターロックサブシステムを迅速に制御することができる。2つ目はネットワークトポロジー構造であり、装置稼働状態を検出する作用を奏する。2つの方式で並行して処理することにより、応答時間の要求を満たすだけでなく、モニタリングの役割も果たすことができる。
【0005】
本発明の目的は、以下の技術的解決策により実現することができる。
本発明によれば、ハードワイヤード構造及びトポロジー構造を含む陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造であって、前記ハードワイヤード構造及びトポロジー構造は、第1安全インターロックシステム、第2安全インターロックシステム、第1治療室及び第2治療室を含み、各安全インターロックシステム及び治療室の構成部分は、
ホスト、PLC1、PLC2及び交換機を含む第1安全インターロックシステムと、
交換機、PLC1及びリモートPLC2を含む第2安全インターロックシステムと、
交換機、PLC及びCompactRIOを含む第1治療室と、
交換機、PLC及びCompactRIOを含む第2治療室と、
を含む陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造が提供される。
【0006】
ハードワイヤード構造において、第1安全インターロックシステムのPLC1、第2安全インターロックシステムのPLC1、第1治療室のPLC及びCompactRIO、第2治療室のPLC及びCompactRIOは、それぞれ光ファイバにより機械室に接続されて伝送する。
トポロジー構造において、第1安全インターロックシステムのホスト、PLC1、PLC2はいずれも第1安全インターロックシステムに含まれる交換機に接続され、第2安全インターロックシステムの交換機は、第2安全インターロックシステムに含まれるPLC1に接続され、このPLC1はリモートPLC2に接続され、第1治療室のPLC及びCompactRIOは、それぞれ第1治療室に含まれる交換機に接続され、第2治療室のPLC及びCompactRIOは、それぞれ第2治療室に含まれる交換機に接続され、前記第1安全インターロックシステム、第2安全インターロックシステム、第1治療室、第2治療室のそれぞれに含まれる交換機は、いずれも光ファイバにより機械室に接続される。
【0007】
各安全インターロックシステムと治療室の間には、いずれも直接接続されるハードワイヤード信号があり、PLCには光電変換が含まれ、安全インターロックシステムとの治療室の直接伝送は光ファイバ通信による。
【0008】
第1安全インターロックシステム、第2安全インターロックシステム、第1治療室及び第2治療室は、環状のネットワークトポロジーを構成し、各システム又は治療室のいずれにも2経路の信号がある。
【0009】
各安全インターロックシステム又は治療室において、PLC、CompactRIO、又はホストのイーサネット信号を交換機により光ファイバ信号に変換して伝送する。
【0010】
第2安全インターロックシステムにおいて、リモートPLC2中で採取したドッドをインターフェースモジュール及びバスアダプタにより光ファイバ信号に変換し、さらに第2安全インターロックシステムのPLC1に伝送し、PLC1は採取した信号を処理し、セキュリティレベルSIL3を満たすために、リモートPLC2から第2安全インターロックシステムに伝送するプロトコルは、Profibusプロトコルを採用する。
【0011】
PLCは、二重冗長電源モジュール、安全CPU、安全IOモジュールを含み、サブシステムの安全インターロックを担当し、サブシステムの稼働状態をリアルタイムにモニタリングすることができ、PLCにアクセスされるのはデジタルハードワイヤード信号である。
【0012】
CompactRIOは、治療室内の設備に接続され、高速信号取得と高速応答の機能を奏し、冗長電源モジュール、CPU、プログラマブルロジックデバイス及び安全IOモジュールを含む。
【0013】
交換機は、PLC、CompactRIO及びホストを接続し、全てのサブシステムの信号は、光ファイバにより交換機に伝送され、交換機は産業用イーサネットによりホストに接続され、ホストインターフェースにより各安全インターロックサブシステムの稼働状況をモニタリングし、安全インターロックのログをチェックすることができる。
【0014】
この論理構造の実現方法は以下のとおりである。各システムは、隣り合うシステムとデータ交換する必要がある。データ交換の方式には、ハードワイヤード信号及びネットワークの2種類がある。両者は優先順位で判断され、優先順位が高い方はハードワイヤード伝送を採用し、優先順位が低い方はネットワーク伝送を採用する。また、ハードウェアの本数が限られているので、比較的緊急の信号のみがハードワイヤード接続を採用する。
【0015】
第2安全インターロックシステムがハードワイヤにより第1安全インターロックシステムに優先順位が最も高い信号を送信した場合、第1安全インターロックシステムのPLC2がこの信号を受信した後、全ての従属設備をオフにし、交換機によりホストにこのときの状態を報告する。第2安全インターロックシステムが第1安全インターロックシステムにハードワイヤード信号を送信する際に、第2安全インターロックシステムは同様にネットワークトポロジーによりホストに信号を送信し、ホストへ現在の第2安全インターロックシステムの状態を伝え、ホストは自体の論理的判断に基づいて第1安全インターロックシステムの操作にエラーがあるか否かを検出し、操作にエラーがある場合、ホストインターフェース上でエラーを報告し、エラー指令を出し、エラーがない場合、いずれの操作も実行しない。
【0016】
第1治療室がネットワークトポロジーにより第2安全インターロックシステムに優先順位が低い信号を送信した場合、優先順位が低い信号は一般的に状態量又は制御量が相対的に緊急信号に該当しないため、第2安全インターロックシステムは、この信号を受信した後、論理に基づいて対応する操作を実行し、実行した後の状態をネットワークトポロジーによりホストに送信し、第1治療室が第2安全インターロックシステムに信号を送信すると同時に、第1治療室もネットワークトポロジーによりホストに信号を送信し、ホストは信号を受信し、論理的判断して第2安全インターロックシステムが実行した結果が正しいか否かを検証する。エラーがある場合、ホストインターフェース上でエラーを報告するとともに、第2安全インターロックシステムにエラー指令を出し、エラーがない場合、いずれの操作も実行しない。
【0017】
本発明は、従来技術に比べて以下の利点を有する。
1、本発明のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)及びCompactRIOは、繰り返してコードを書くことができ、プログラムの最適化、アップグレード、及び製品のアップグレードは便利である。
【0018】
2、本発明のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)及びCompactRIOは安全性を有し、システムの冗長化を省略することで、時間とコストが節約される。
【0019】
3、本発明のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)及びCompactRIOのプログラムはグラフィカルプログラミングを採用することにより、作業者のチェックが便利であり、システムのメンテナンスに有利である。
【0020】
4、本発明において、安全インターロックのサブシステム故障の間はハードワイヤード接続を採用し、伝送経路には光ファイバ通信を採用することにより、伝送時間が短縮され、安全インターロックサブシステムの稼働状態を迅速に判断することができる。
【0021】
5、本発明のネットワーク環状トポロジー構造は、ネットワークと光ファイバインターフェースを含み、ネットワーク、光ファイバにより中央制御室に取り付けられたホストに通信することにより、ホストは、安全インターロックサブシステムの稼働状態及び故障ログ情報を常にモニタリングすることができ、作業者のモニタリング、チェック及び分析が便利である。
【0022】
6、本発明は、安全PLC及びCompactRIOに含まれる二重冗長電源を使用することにより、システム電源のネットワーク通信、光ファイバ通信の信頼性が効果的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
当業者の理解を容易にするために、以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0024】
【図1】本発明の陽子線治療装置用安全インターロックのハードワイヤード論理構造の模式図である。
【図2】本発明の陽子線治療装置用安全インターロックのネットワーク論理構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施例にて本発明の技術的解決策を明確かつ完全に説明する。説明される実施例は、すべての実施例ではなく、本発明の実施例の一部にすぎないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲内にあるものとする。
【0026】
陽子線治療装置用安全インターロックの論理構造は、リアルタイムのハードワイヤード構造及びネットワークトポロジー構造を含む。図1−2に示すように、前記ハードワイヤード構造及びトポロジー構造は、第1安全インターロックシステム、第2安全インターロックシステム、第1治療室及び第2治療室を含む。
各安全インターロックシステム及び治療室の全ての構成部品について、(1)第1安全インターロックシステム1は、ホスト、PLC1、PLC2及び交換機を含み、(2)第2安全インターロックシステム2は、交換機、PLC1及びリモートPLC2を含み、(3)第1治療室11は、交換機、PLC及びCompactRIOを含み、(4)第2治療室12は、交換機、PLC及びCompactRIOを含む。
【0027】
図1に示すように、ハードワイヤード構造において、第1安全インターロックシステム1のPLC1、第2安全インターロックシステム2のPLC1、第1治療室11のPLC及びCompactRIO、第2治療室12のPLC及びCompactRIOは、それぞれ光ファイバにより機械室に接続されて伝送する。
【0028】
図2に示すように、トポロジー構造において、第1安全インターロックシステム1のホスト、PLC1及びPLC2は、いずれも第1安全インターロックシステム1に含まれる交換機に接続され、第2安全インターロックシステム2の交換機は、第2安全インターロックシステム2に含まれるPLC1に接続され、このPLC1はリモートPLC2に接続される。第1治療室11のPLC及びCompactRIOは、それぞれ第1治療室11に含まれる交換機に接続される。第2治療室12のPLC及びCompactRIOは、それぞれ第2治療室12に含まれる交換機に接続される。前記第1安全インターロックシステム1、第2安全インターロックシステム2、第1治療室11、第2治療室12のそれぞれに含まれる交換機は、いずれも光ファイバにより機械室に接続される。
【0029】
ハードウェアの伝送経路:各安全インターロックシステムと治療室の間には、いずれも直接接続されるハードワイヤード信号があり、PLCモジュールには光電変換が含まれるため、システムと治療室の直接伝送は、光ファイバ通信による。各システム又は各治療室の間の距離が遠いので、ハードワイヤード信号により直接伝送すると減衰がある。一方、光ファイバは、信号が安定し、速度が速く、減衰が小さい。
【0030】
光ファイバネットワークの伝送経路:第1安全インターロックシステム1、第2安全インターロックシステム2、第1治療室11及び第2治療室12は、環状のネットワークトポロジーを構成する。各システム又は治療室には、いずれも2経路の信号がある。これによって、1つの経路の光ファイバが切断された場合、ホストは、もう1つの経路の光ファイバによりローカルデバイスにアクセスすることができる。また、各システム又は各治療室の間の距離が遠いので、干渉防止能力を強化するために、産業用イーサネットを光ファイバ信号に変換して伝送する。各安全インターロックシステム又は治療室のいずれにおいても、PLC、CompactRIO又はホスト産業用イーサネット信号を交換機により光ファイバ信号に変換して伝送する必要がある。
【0031】
第2安全インターロックシステム2において、制御領域全体が長く、ドット数が多いため、リモートIOが外部で接続される。リモートPLC2中で採取したドッドをインターフェースモジュール及びバスアダプタにより光ファイバ信号に変換し、さらに第2安全インターロックシステムのPLC1に伝送し、PLC1で採取した信号を処理する。また、セキュリティレベルSIL3を満たすために、リモートPLC2から第2安全インターロックシステムに伝送するプロトコルは、Profibusプロトコルを採用する。
【0032】
本発明に含まれる部品
安全機能PLC
PLC全体の構成には、二重冗長電源モジュール、安全CPU、安全IOモジュールが含まれる。安全機能PLCは、サブシステムに対する安全インターロックを担当し、サブシステムの稼働状態をリアルタイムにモニタリングする。PLCにアクセスされるのはデジタルハードワイヤード信号である。
【0033】
安全機能CompactRIO
安全機能CompactRIOは、治療室内の設備に接続され、高速信号取得と高速応答の機能を奏し、冗長電源モジュール、CPU、プログラマブルロジックデバイス(FPGA)及び安全IOモジュールを含む。
【0034】
交換機
交換機は、安全機能PLC、安全機能CompactRIO、及びホストを接続することができる。全てのサブシステムの信号は、光ファイバにより交換機内に伝送され、交換機とホストは、産業用イーサネットにより接続され、ホストインターフェースにより各安全インターロックサブシステムの稼働状況をモニタリングし、安全インターロックのログをチェックすることができる。
【0035】
さらに、陽子線治療環境の過酷な電磁環境及び放射線環境に適用するために、前記プログラマブルロジックコントローラ(PLC)及びCompactRIOは、電磁放射防止の能力を有する。
【0036】
さらに、陽子線治療装置の安全設計要求を満たすために、前記プログラマブルロジックコントローラ(PLC)及びCompactRIOは、安全性機能を有し、配線はセキュリティレベルSIL3を満たす。
【0037】
さらに、陽子線治療の時間応答を満たすために、安全インターロックサブシステムの間の故障システムはハードワイヤで接続され、伝送経路において光ファイバにより伝送する。
【0038】
さらに、陽子線治療装置のモニタリング作用を満たすために、各安全インターロックサブシステムの間は、環状のネットワークトポロジー構造を採用し、スムーズな伝送経路を保証する。
【0039】
さらに、陽子線治療装置の安全インターロックシステムにおけるハードウェア設備の電源の安定を保証するために、前記電源モジュールは、二重冗長構造を採用し、商用電源及びバックアップ電源モジュールから構成される。
【0040】
各システムは、隣り合うシステムとデータ交換する必要がある。データ交換の方式には、ハードワイヤード信号及びネットワークの2種類がある。両者は優先順位で判断され、優先順位が高い方はハードワイヤード伝送を採用し、優先順位が低い方はネットワーク伝送を採用する。また、ハードウェアの本数が限られているので、比較的緊急の信号のみがハードワイヤード接続を採用する。第2安全インターロックシステム2がハードワイヤにより第1安全インターロックシステム1に優先順位が最も高い信号を送信した場合、第1安全インターロックシステム1のPLC2がこの信号を受信した後、全ての従属設備をオフにし、交換機によりホストにこのときの状態を報告する。第2安全インターロックシステム2が第1安全インターロックシステム1にハードワイヤード信号を送信する際に、第2安全インターロックシステム2は同様にネットワークトポロジーによりホストに信号を送信し、ホストへ現在の第2安全インターロックシステム2の状態を伝え、ホストは自体の論理的判断に基づいて第1安全インターロックシステム1の操作が間違っているか否かを検出し、操作が間違っている場合、ホストインターフェース上でエラーを報告し、エラー指令を出し、間違っていない場合、いずれの操作も実行しない。
【0041】
第1治療室11がネットワークトポロジーにより第2安全インターロックシステム2に優先順位が低い信号を送信した場合、優先順位が低い信号は一般的に状態量又は制御量が相対的に緊急信号に該当しないため、第2安全インターロックシステム2は、この信号を受信した後、論理に基づいて対応する操作を実行し、実行した後の状態をネットワークトポロジーによりホストに送信し、第1治療室11が第2安全インターロックシステム2に信号を送信すると同時に、第1治療室11もネットワークトポロジーによりホストに信号を送信し、ホストは信号を受信し、論理的判断して第2安全インターロックシステム2が実行した結果が正しいか否かを検証する。エラーがある場合、ホストインターフェース上でエラーを報告するとともに、第2安全インターロックシステム2にエラー指令を出し、エラーがない場合、いずれの操作も実行しない。
【0042】
上述した本発明の好ましい実施例は本発明を説明するためのものに過ぎない。好ましい実施例は、すべての詳細を詳細に説明するものではなく、本発明を説明された特定の実施例のみに限定するものでもない。本明細書の内容に基づいて多くの修正及び変化を行うことができる。本明細書は、当業者が本発明をよく理解して使用できるように、本発明の原理および実際の用途をよりよく説明するためにこれらの実施例を選択し、具体的に説明している。本発明は、特許請求の範囲、それらの全範囲及び同等物によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、2つの方式により安全インターロックシステム全体を構築することにより、安全インターロックサブシステムを迅速に制御することができ、装置稼働状態を検出する作用を奏することができる。2つの方式で並行して処理することにより、応答時間の要求を満たすだけでなく、モニタリングの役割も果たすことができる。
【図1】
【図2】
【国際調査報告】