(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021508935
(43)【公表日】20210311
(54)【発明の名称】照明モジュール及び照明キット
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20210212BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20210212BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210212BHJP
   F21Y 105/14 20160101ALN20210212BHJP
【FI】
   !F21S2/00 481
   !F21S2/00 110
   !F21S2/00 250
   !F21V33/00 400
   !F21Y115:10
   !F21Y105:14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】2020555298
(86)(22)【出願日】20181218
(85)【翻訳文提出日】20200701
(86)【国際出願番号】EP2018085422
(87)【国際公開番号】WO2019134820
(87)【国際公開日】20190711
(31)【優先権主張番号】18150007.5
(32)【優先日】20180102
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アイントホーフェン ハイ テク キャンパス 48
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デルデン マルチヌス ヘルマヌス ウィルヘルムス マリア
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アイントホーフェン ハイ テク キャンパス 7 フィリップス ライティング ビー ヴィ 知的財産部
(72)【発明者】
【氏名】ボオイ シルヴィア マリア
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アイントホーフェン ハイ テク キャンパス 7 フィリップス ライティング ビー ヴィ 知的財産部
(72)【発明者】
【氏名】ツァン ペーター テイン シュー コン
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アイントホーフェン ハイ テク キャンパス 7 フィリップス ライティング ビー ヴィ 知的財産部
【テーマコード(参考)】
3K014
3K244
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB00
3K244AA05
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244GA02
3K244KA03
3K244KA08
3K244KA09
3K244KA15
3K244KA20
(57)【要約】
複数の第1の領域(23)及び複数の第2の領域(25)を含む主面(21)を有するキャリア(20)であって、各第2の領域は第1の領域に隣接している、キャリア(20)を備える、照明モジュール(10)が開示される。照明モジュールはまた、複数のライトエンジン(40)であって、各ライトエンジンは前記キャリアの第1の領域に位置する、複数のライトエンジン(40)と、主面に面し、主面から空間的に離れた光学的に透過性の光出口構造(50)とを備える。各第1の領域は、光学的に透過性で、音響的に反射性である別個のカバー(30)によって覆われる。各カバーは、隣接する第2の領域(25)に向けて音波(33)を反射するよう成形されるように、光出口構造の面法線(51)と非ゼロの角度(θ)で面法線(31)を有する面部分を有する。各第2の領域は、反射された前記音波を吸収するように構成される音響的に吸収性の部材(35)を有する。複数のそのような照明モジュールを含む照明キット(100)も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の領域及び複数の第2の領域を含む主面を有するキャリアであって、各第2の領域は第1の領域に隣接している、キャリアと、
前記主面に面し、前記主面から空間的に離れた光学的に透過性の光出口構造と、
を備える、照明モジュールであって、
前記キャリアの各第1の領域は、少なくとも1つのライトエンジンを有し、
各第1の領域は、光学的に透過性で、音響的に反射性である別個のカバーによって覆われ、
各カバーは、隣接する第2の領域に向けて音波を反射するよう成形されるように、前記光出口構造の面法線と非ゼロの角度で面法線を有する面部分を有し、
前記キャリアの各第2の領域は、反射された前記音波を吸収するように構成される音響的に吸収性の部材を有する、照明モジュール。
【請求項2】
前記音響的に吸収性の部材は、光反射性コーティングを有する、請求項1に記載の照明モジュール。
【請求項3】
前記音響的に吸収性の部材は、発泡材料、ガラスウール及び微細穿孔部材のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の照明モジュール。
【請求項4】
前記キャリアは、音響的に吸収性の材料で作られる、請求項1、2又は3に記載の照明モジュール。
【請求項5】
各第1の領域は、少なくとも1つのライトエンジンを収容する音響的に吸収性の凹部を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明モジュール。
【請求項6】
前記音響的に吸収性の凹部は、光反射性内面を有する、請求項5に記載の照明モジュール。
【請求項7】
前記光出口構造は、前記主面に架かる布である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明モジュール。
【請求項8】
前記複数の第1の領域及び前記複数の第2の領域は、前記主面上に規則的なパターンで配置される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明モジュール。
【請求項9】
前記規則的なパターンは、市松模様パターンであり、各カバーは、ピラミッド形状を有する、請求項8に記載の照明モジュール。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明モジュールを複数含む照明キットであって、前記照明モジュールは、互いに結合されるように構成される、照明キット。
【請求項11】
当該照明キットは、前記照明モジュールを直視で見えないようにするために、一緒に結合された状態の前記照明モジュールに架けるための布を含む、請求項10に記載の照明キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音波を吸収するように構成される照明モジュールに関する。
【0002】
本発明はさらに、複数のそのような照明モジュールを含む照明キットに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、発光ダイオード(LED)ベースの照明モジュールによって実装される、ソリッドステート照明(SSL:solid state lighting)の導入等、照明技術の進歩は照明分野を変容させた。例えば、非常に大きな表面積、例えば、数平方メートル(m2)の表面積を有する照明パネル(非限定的な例として、表面積が2〜20m2のパネル等)が現在利用可能である。これは、広い部屋、オフィス、ホール等の囲まれた空間(enclosed space)での照明体験を変容させ得る。いくつかの用途分野におけるそのようなパネルは、そのような囲まれた空間の天井の少なくとも一部として提供され、そのようなパネルによって規定される天井の部分から発する実質的に均一な照明を提供する。
【0004】
そのような(大面積)照明モジュールに関連する1つの特定の課題は、それらの光学機能に加えて、それらが取り付けられる囲まれた空間において望ましい音響を維持するために音響減衰機能を実行する必要もあることである。金属フレームによって所定の位置に保持されるガラス繊維ベースのキャリアプレートを使用してそのような音響減衰が提供される解決策が存在する。このアセンブリは、ライトエンジンのハウジングを形成する。そのようなハウジング内で、多数のLEDが、LEDが高反射音響パネルに面するように懸架されてもよく、それによって照明モジュールの光出口窓を間接的に照らし、光出口窓は、音波がハウジング内のガラス繊維パネルによって減衰されることができるように音波が光出口窓を通過することを可能にする織編物(woven or knitted fabric)等の音響的透明部材によって規定されてもよい。プラスチック及びガラス等の材料は、それらの高い音響反射率に起因して、光出口窓の材料の選択肢としては不適切である。しかしながら、典型的なガラス繊維パネルの光反射率は80%〜85%に制限され、とりわけ大面積用途においては最適ではない。これは、ゾル−ゲルコーティング等の高度なコーティングを使用して改善される可能性があるが、多くの場合、コストが高くつく。
【0005】
米国特許出願公開第2015 / 0136521 A1号は、各キャビティが、第1キャビティ壁と第2キャビティ壁とを有し、第1キャビティ壁及び第2キャビティ壁がキャビティ後端部までテーパ状になり、0°<Y<90°の範囲内の値を有するキャビティ開口部角度(Y)を画定する、複数の平行に配置された長尺状のキャビティを含む、音響パネルであって、第1キャビティ壁及び第2キャビティ壁が光反射性材料を含み、長尺状のキャビティのキャビティ後端部において各長尺状のキャビティが、光出口面を有する光源を収容し、音響パネルが音響パネルに対する法線に沿って見られた場合第1キャビティ壁が光源の光出口面を隠し、音響パネルがさらに音低減材料を含む、音響パネルを開示している。この解決策は、費用対効果の高い方法で優れた音響減衰を提供するが、光源によって発せられた光の大部分がキャビティ壁に入射し、光学損失を引き起こすことに起因して、その光学性能は依然として最適ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、良好な光学性能を有しながら音波を効果的に吸収するように構成された費用対効果の高い照明モジュールを提供することを目的とする。
【0007】
本発明はさらに、複数のそのような照明モジュールを含む照明キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様によれば、複数の第1の領域及び複数の第2の領域を含む主面を有するキャリアであって、各第2の領域は第1の領域に隣接している、キャリアを備える、照明モジュールが提供される。照明モジュールはさらに、主面に面し、主面から空間的に離れた光学的に透過性の光出口構造を備える。前記キャリアの各第1の領域は、少なくとも1つのライトエンジン(light engine)を有する。各第1の領域は、光学的に透過性で、音響的に反射性である別個のカバーによって覆われる。各カバーは、隣接する第2の領域に向けて音波を反射するよう成形されるように、光出口構造の面法線と非ゼロの角度で面法線を有する面部分を有する。前記キャリアの各第2の領域は、反射された前記音波を吸収するように構成される音響的に吸収性の部材を有する。
【0009】
本発明の文脈において、用語「ライトエンジン」は、LED等の1つ以上の固体照明要素を備える光源を指し、これによって、とりわけエネルギ効率の高い照明モジュールを提供する。
【0010】
本発明の実施形態は、音響的に反射性の材料、例えば、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等のポリマー又はプラスチック、ガラス、及びその他の適切な材料で作られた光学的に透過性のカバーが、差し迫った音波を照明モジュールの第2の領域に向けて効果的に偏向するために使用され得る一方、ライトエンジンによって発せられた光の大部分が、音響的に吸収性の部材によって反射される必要なしに、カバーを通って照明モジュールから、例えば、光出口面を介して出ることを可能にし、これにより、音響的に吸収性の部材が照明モジュールの主面全体を覆う必要がなく、優れた光学的及び音響的特性を達成し、これにより、コストを削減できる、という洞察に基づいている。
【0011】
照明モジュールの光学効率をさらに改善するために、音響的に吸収性の部材は、光反射性コーティングを有し、これにより、第2の領域における音響的に吸収性の部材に入射する、ライトエンジンによって生成された光が、吸収されるのではなく反射されるようにしてもよい。
【0012】
音響的に吸収性の部材は、発泡材料、例えば、メラミンフォーム、ガラスウール、及び折られ(fold)てもよい、微細穿孔プレート(micro-perforated plate)等の微細穿孔部材のうちの少なくとも1つを含んでもよい。そのような部材は、例えば、日本の古河電工グループによって販売されているMCPET又は日本の積水化成品会社によって販売されているReftelas(登録商標)等の高反射性光学コーティング又は高反射性白色プラスチック材料を担持する、小さな穴、例えば、目打ち線(perforation)を有する金属板であってもよい。
【0013】
また、キャリアは、照明モジュールの音響減衰特性をさらに高めるために、少なくとも部分的に音響的に吸収性の材料で作られてもよい。
【0014】
特定の実施形態では、各第1の領域は、少なくとも1つのライトエンジンを収容する音響的に吸収性の凹部を含み、これにより、凹部に入る音波は吸収され、これにより照明モジュールの音響特性はさらに改善される。照明モジュールの光学性能をさらに改善するために、各音響的に吸収性の凹部は、音響的に吸収性の凹部の壁による光の吸収によって引き起こされる光損失を低減するために、光反射性内面を有してもよい。
【0015】
一部の実施形態では、各カバーは、複数のライトエンジンを覆う。これは、例えば、長尺のチャネル等の長尺の第1の領域の各々が、ライトエンジンの線形アレイを収容する場合である。代替的に、各ライトエンジンは、別個のカバーによって覆われる。これは、例えば、第1及び第2の領域が市松模様パターン(checkerboard pattern)に配置され、各第1の領域が1つのライトエンジンを含む場合である。この実施形態では、各カバーは、入射音波を複数の方向に、すなわち、音響的に吸収性の材料が位置する複数の隣接する第2の領域に向けて散乱する多面カバー(multi-faceted cover)であってもよい。例えば、各カバーは、三面又は四面のピラミッド形状を有してもよい。しかしながら、他の多角形状、円錐形状、バッフル板等が使用されてもよい。
【0016】
光出口面は、照明モジュールの内部を直視で見えないようにし、これにより照明モジュールの外観の審美性を高めるために、主面に面し、主面に架かり(span)、主面から空間的に離れている布又は微細穿孔箔(micro-perforated foil)等の光学的に透過性の光出口構造である。さらに、そのような光出口構造は、照明モジュールの光学性能をさらに調整するためにディフューザとして機能してもよい。
【0017】
光出口構造を介して照明モジュール内に入る音波を偏向させるために、各カバーは、斯かる入射音波が音響的に吸収性の材料が位置する第2の領域に向けて偏向されるように、前記光出口構造の面法線と非ゼロの角度で面法線を有する少なくとも1つの面領域を有する。
【0018】
複数の第1の領域及び複数の第2の領域は、例えば、縞模様又はゼブラパターン、市松模様パターン、ハニカムパターン等の規則的なパターンで主面上に配置されてもよい。
【0019】
本発明の他の態様によれば、本明細書で述べられるいずれかの実施形態の照明モジュールを複数含む照明キットであって、照明モジュールは、互いに結合されるように構成される、照明キットが提供される。このようにして、大面積照明パネルが、本発明の1つ以上の実施形態による複数の照明モジュールを組み合わせることによりモジュール式に構築されることができ、これにより、そのような大面積照明パネルの製造の複雑さを大幅に低減することができる。さらに、そのような照明パネルの吸音特性は、照明パネル内で異なる向きの照明モジュールを使用して、例えば、パネル内の隣接する照明モジュールの向きが互いに90°回転している縞模様又はゼブラパターンの第1及び第2の領域の配置を有する照明モジュールを使用して斯かる照明パネルをアセンブルすることによって、方向性に依存しないようにされることができる。
【0020】
さらに、そのようなモジュール式照明キットは、照明モジュールを直視で見えないようにするために、(例えば照明パネルを形成するために)一緒に結合された状態の照明モジュールに架ける(span across)ための布を含み、これにより、個々の照明モジュールが、布等の上述した光出口構造を備える必要をなくしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に、非限定的な例として述べられる。
【図1】本発明の実施形態による照明モジュールの動作原理を概略的に示す。
【図2】一実施形態による照明モジュールの断面図を概略的に示す。
【図3】別の実施形態による照明モジュールの断面図を概略的に示す。
【図4】一実施形態による照明モジュールの上面図を概略的に示す。
【図5】別の実施形態による照明モジュールの上面図を概略的に示す。
【図6】一例の実施形態による照明アセンブリの上面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面は単に概略的なものであり、縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。同じ参照番号は、図面全体にわたって同じ又は類似の部分を示すために用いられることも理解されたい。
【0023】
図1は、動作原理を説明する本発明の実施形態による照明モジュール10の内部の上面図を概略的に示す。照明モジュール10は、1つ以上のSSL要素、例えば、ライトエンジン40の光透過性カバー30を介して照明モジュール10の光出口窓等の光出口構造50に向けて光出力を向けるように配置されたLED等の、複数のライトエンジン40(明確にするために、図1には1つだけが示されている)を含む。光透過性カバー30は、透明、半透明、又は拡散性であってよい。光透過性カバー30は、高い音響反射率、例えば、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の音響反射率を有する材料で作られ、当該パーセンテージは、音波33を別の方向に偏向する光透過性カバー30に入射する音波33の割合を表す。光透過性カバー30は、例えば、PMMA、PET、PC等のポリマー又はガラス材料等の、光学的に透過性及び音響的に反射性の特性を有する任意の材料で作られてもよい。光透過性カバー30は、典型的には、光透過性カバー30の面部分が、光出口構造50の面法線51と非ゼロの角度θで面法線31を有し、この面部分に入射する音波33が、偏向された音波33がその材料によって吸収されるように音響的に吸収性の部材35が位置する、ライトエンジン40に隣接する領域に偏向されるように成形される。例えば、角度θは、典型的には、0°より大きく90°より小さく、10°〜80°の範囲、20°〜70°の範囲、又は30°〜60°の範囲にあってもよい。
【0024】
このようにして、照明モジュール10は、複数の第1の領域を有し、各第1の領域は、1つ以上のライトエンジン40を収容し、各第1の領域は、音響的に吸収性の部材35を含む第2の領域に隣接している。その結果、カバー30の音響的に反射性の性質に起因して、ライトモジュール30の音響的吸収又は減衰は、表面全体がそのような音響的に吸収性の部材35で覆われている従来技術のライトモジュールに匹敵する。これは、音響的に吸収性の部材35が、音波33を吸収することができる複数の面を有するからである。例えば、方形の棒状の音響的に吸収性の部材35は、音波33を受けることができる3つの露出面、すなわち、光出口構造50に面する第1の面であって、該第1の面に直接入射する、光出口構造50を通る音波33を吸収することができる第1の面、及び、隣接する光透過性カバー30によって偏向された音波を吸収することができる、第1の面から延びる一対の側面を有する。
【0025】
光透過性カバー30は、光出口構造50に面する連続的な面、例えば、円錐面又は別の形状の湾曲面を有してもよく、又は、光出口構造50に面する多面の面、例えば、長尺の三角形の面、3面又は4面のピラミッド面、六角形のタイル面、八角形のタイル面等の多角形の面を有してもよい。さらに別の実施形態では、光透過性カバー30は、バッフルプレートとして形成される。光透過性カバー30の他の適切な形状は、当業者には直ちに明らかであろう。
【0026】
各第1の領域は、光学的に透過性で、音響的に反射性である別個のカバー30によって覆われている。光透過性カバー30は、複数のライトエンジン40、例えば、線形アレイとして配置されてもよい、複数のSSL要素を覆ってもよく、又は代替的に、各ライトエンジン40は、別個の光透過性カバー30によって覆われてもよい。光透過性カバー30は、覆っている1つ以上のライトエンジン40によって生成された光の混合チャンバとして動作してもよく、さらには光学機能を実行してもよく、例えば、覆っている1つ以上のライトエンジン40によって生成された光出力のディフューザ、レンズ、コリメータ等として機能してもよい。
【0027】
音響的に吸収性の部材35は、方形の断面を有するブロック等の、任意の適切な形状を有してもよい。他の断面形状も同様に実現可能である。一実施形態では、音響的に吸収性の部材35の断面形状は、吸収することができる音響波長スペクトルの幅を最大にするように調整される。例えば、音響的に吸収性の部材35の断面形状は、この目的のために棒状、台形、くさび状等であってもよい。音響的に吸収性の部材35は、この目的のために複数の音響的に吸収性の材料部分から形成されてもよい。例えば、対向するくさび部分から形成される方形の棒状の音響的に吸収性の部材35は、音響的に吸収性の材料の単一片から形成される方形の棒状の音響的に吸収性の部材35と比べて異なる吸音特性を有するであろう。
【0028】
音響的に吸収性の部材35は、音波33を効果的に吸収することができる任意の適切な材料であってもよい、1つ以上の音響的に吸収性の材料を含んでもよい。そのような材料の多くは、ガラスウール等の、伝統的な吸音タイルにおいて一般に配備される繊維材料、メラミンフォーム、ポリウレタンフォーム等の発泡ベースの材料、及び微細穿孔プレート等、それ自体周知である。そのような微細穿孔プレートは、その約0.2%〜0.5%が、0.05mm〜0.5mmの範囲の直径を有する微細な穴があけられている表面積を有してもよい。しかしながら、他の寸法も無論同様に実現可能である。そのような微細穿孔プレートは、音響的に吸収性の部材35の所望の寸法を達成するために折られてもよい。微細穿孔プレート等の音響的に吸収性の材料、又は他の任意の音響的に吸収性の材料は、例えば、音響的に吸収性の材料の吸音率を高めて、照明モジュール10の音響性能をさらに改善する、ガラスウール等の物質で満たされてもよい。音響的に吸収性の部材35は、好ましくは、音響的に吸収性の部材35に入射する、ライトエンジン40によって生成された光の光損失を最小限にするために、光反射性コーティング、例えば、白色塗料コーティング又は反射性の箔によって覆われる。
【0029】
一実施形態では、ライトエンジン40は、LED等の固体照明要素である。ライトエンジン40は、光透過性カバー30を直接又は間接的に照らすように配置されてもよい。そのような間接照明の場合、ライトモジュール10は、ライトエンジン40の発光出力分布をそれらの光透過性カバー30に向けてリダイレクトする、例えばライトエンジン40が収容されるキャビティの、反射面又はリフレクタの配列を備えてもよい。ライトエンジン40は、ライトモジュール10の光学性能を最適化するために直接照らす構成(direct lit arrangement)で配置されることが好ましい。
【0030】
図2は、一実施形態による照明モジュール10の断面図を概略的に示す。照明モジュール10は、複数の第1の領域23を含む主面21を有するキャリア20を含み、各第1の領域23内に1つ以上のライトエンジン40が位置付けられる、すなわち、キャリア20によって担持され、各第1の領域23は、音響的に吸収性の部材35を担持する少なくとも1つの隣接する第2の領域25を有する。各第1の領域23は、さらに、第1の領域23に存在する1つ以上のライトエンジン40を覆う光透過性カバー30を含み、ライトエンジン40によって発せられた光は、光透過性カバー30を通り、キャリア20の第1の主面21に対向する光出口構造50を介して照明モジュール10を出る。キャリア20は、例えば、金属又は木材等の音響的に反射性の材料、ガラスウール等の音響的に吸収性の材料等の、任意の適切な材料から成る、又は当該任意の適切な材料を含んでもよい。キャリアは、中実構造、例えば、連続的な金属若しくはウッドパネル、又はオープン構造、例えば、金属フレーム等であってもよい。
【0031】
光出口構造50は、一部の実施形態では開口であってもよく、又は代替実施形態では、布等の音響的に透過性の部材を備え、照明モジュール10の内部が、光出口構造50を規定する音響的に透過性の部材によって直視で見えないようにする一方、音波33が、音響的に透過性の部材を通して照明モジュール10に入り、1つ以上の音響的に吸収性の部材35により直接吸収され得る、又は上記でより詳細に説明されるように1つ以上の光透過性カバー30によって1つ以上の音響的に吸収性の部材35上に反射され得るようにしてもよい。光出口構造50がそのような布を含む場合、当業者には理解されるように、布は、照明モジュール10の表面全体にわたって架けられてもよい。
【0032】
代替的に、以下でさらに詳細に説明されるように、複数の照明モジュール10は、照明モジュール10が組み合わされて大面積照明装置、例えば、表面積が数平方メートルの照明パネルを形成し得る照明キットとして提供されてもよい。この場合、そのような布は、個々の照明モジュール10ではなく、アセンブルされた照明パネルにわたって架けられてもよい。そのような大面積照明装置は、同様の照明モジュール10、例えば、30cm×30cm、60cm×60cm、30cm×60cm、30cm×120cm等の寸法又は他の任意の適切な寸法を有するタイル形状を有する照明モジュール10によって構築されることができる。これは、そのような大面積照明装置が、アセンブルされた照明モジュール10にわたって架けられる布によって画定される光出口面等の均一に照らされる光出口面を維持しながら、より判りやすく(more straightforward manner)アセンブルされることができるという利点を有する。そのようなモジュール式照明装置のアセンブリを容易にするために、各照明モジュール10は、個々の照明モジュール10の結合(coupling together)を容易にする、さねはぎ機構(tongue and groove mechanism)、雄雌クリック機構(male-female click mechanism)等のマッチング機構を備えてもよい。例えば、そのようなマッチング機構は、照明モジュール10のハウジングを規定する1つ以上の側面に設けられてもよい。そのようなマッチング機構はそれ自体よく知られているので、これらは、簡潔さのためだけにさらに詳細には説明されない。
【0033】
図3は、キャリア20が複数のキャビティ27を含み、各キャビティ27が1つ以上のライトエンジン40を収容する、別の例示的な実施形態による照明モジュール10の断面図を概略的に示す。キャリア20は、キャビティ27に入る音波22も吸収され、これにより、照明モジュール10の音響性能をさらに改善するように、この実施形態では音響的に吸収性の材料で作られてもよい。この実施形態の照明モジュール10の光学性能を最適化するために、各キャビティ27の内面又は少なくとも側壁は、キャビティ27及びその後光出口構造50を介して照明モジュール10を出る、1つ以上のライトエンジン40によって生成された光の量を増加させるために、白色塗料コーティング又は光反射性の箔等の光反射層を担持する。
【0034】
キャリア20の主面21上の第1の領域23及び第2の領域25は、(例示的な実施形態による光出口構造50(図示せず)を介す照明モジュール10の上面図を示す)図4に概略的に示される縞模様若しくはゼブラパターン、又は(他の例示的な実施形態による光出口構造50(図示せず)を介す照明モジュール10の上面図を示す)図5に概略的に示される市松模様パターン等の領域の規則的なパターンを規定してもよい。他の規則的なパターン、例えば、ハニカムパターン、三角形パターン等も無論同様に実現可能である。さらなる例として、図4のゼブラパターンにおける各第1の領域23は、共通の、長尺の、光透過性カバー30によって覆われる複数のライトエンジン40を担持し、ゼブラパターンは、長尺の第1の領域23と、音響的に吸収性の部材部材35、例えば、棒状の部材35が、直接入射する、又は前述のように光透過性カバー30によって反射された音波33を吸収するように位置する、長尺の第2の領域25とを交互に含む。代替的に、各ライトエンジン40は、個々の光透過性カバー30によって覆われてもよい。
【0035】
図5に概略的に示される市松模様パターンでは、各第1の領域23は、1つのライトエンジン40を収容し、各ライトエンジン40は、それ自体の光透過性カバー30によって覆われる。図1を用いて述べられた光透過性カバー30の任意の適切な実施形態が、この目的のために考慮されてもよい。例えば、光透過性カバー30は、前述のように入射音波33を第1の領域23に隣接する第2の領域25の音響的に吸収性の部材35上に偏向するピラミッド形状のカバーであってもよい。
【0036】
前述のように、複数の照明モジュール10は、照明モジュール10が大面積照明装置にアセンブルされることができる照明キットとして提供されてもよい。照明モジュール10が上記のような規則的なパターンを含む場合、このようにアセンブルされた照明装置は、とりわけ同一の照明モジュール10が照明キットで使用された場合、その表面積全体に実質的に均一な吸音特性を有する。代替的に、照明キットは、アセンブルされた大面積照明装置の全体的な音響性能が、大面積照明装置の特定のロケーション内に特定の規則的なパターンを有する照明モジュール10の位置付けによって調整され得るように、異なる規則的なパターンを有する照明モジュール10を含んでもよい。
【0037】
そのような規則的なパターンが、例えば図4に概略的に示されるゼブラパターンの場合等、方向性の性質のものである場合、そのような照明モジュール10からアセンブルされた大面積照明装置の全体的な音響性能は、すべての照明モジュール10の方向性規則的パターンが、アセンブルされた大面積照明装置内で整列される場合、方向依存性であってもよい。そのような大面積照明装置100において方向に依存しない音響性能を生み出すために、図6に概略的に示されるような照明モジュール10の交互のパターンがアセンブルされてもよい。ここでは、大面積照明装置100の全体的な音響挙動が方向に依存しなくなるように、第1の方向、例えば、垂直方向に延びる自身の方向性パターンを有する各照明モジュール10が、第1の方向に直交する第2の方向、例えば、水平方向に延びる自身の方向性パターンを有する照明モジュール10'に隣接している。
【0038】
上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、例示するものであり、当業者は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替的な実施形態を設計できることに留意されたい。請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「含む(comprising)」という語は、請求項に列挙された要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素に先行する「1つの(a)」又は「1つの(an)」という語は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。本発明は、複数の個別の要素を有するハードウェアにより実現されることができる。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項において、これらの手段のいくつかは、同一のハードウェアのアイテムにより具体化されることができる。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【国際調査報告】