(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021509265
(43)【公表日】20210325
(54)【発明の名称】生体サンプルからの複数の分析物の検出のための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/02 20060101AFI20210226BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20210226BHJP
   G01N 33/533 20060101ALI20210226BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20210226BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20210226BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20210226BHJP
   C12N 15/10 20060101ALI20210226BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20210226BHJP
【FI】
   !C12Q1/02
   !G01N33/53 D
   !G01N33/533
   !G01N33/53 Y
   !C12Q1/686 Z
   !C12Q1/6869 Z
   !C12Q1/6851 Z
   !C12N15/10 100Z
   !C12Q1/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】52
(21)【出願番号】2020535087
(86)(22)【出願日】20181219
(85)【翻訳文提出日】20200818
(86)【国際出願番号】US2018066602
(87)【国際公開番号】WO2019126388
(87)【国際公開日】20190627
(31)【優先権主張番号】62/607,873
(32)【優先日】20171219
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】514263713
【氏名又は名称】バイオロジカル ダイナミクス,インク.
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92121 カリフォルニア州 サンディエゴ スイート 140 タウン・センター・ドライブ 9393
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン,ラジャラム
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92121 カリフォルニア州 サンディエゴ タウン・センター・ドライブ 9393 スイート 140
(72)【発明者】
【氏名】ヒネストロサ サラザー,ジュアン パブロ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92121 カリフォルニア州 サンディエゴ タウン・センター・ドライブ 9393 スイート 140
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,ロバート ポール
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92121 カリフォルニア州 サンディエゴ タウン・センター・ドライブ 9393 スイート 140
(72)【発明者】
【氏名】セアルソン,デイヴィッド ジョセフ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92121 カリフォルニア州 サンディエゴ タウン・センター・ドライブ 9393 スイート 140
(72)【発明者】
【氏名】マドセン,ジェイムズ グレゴリー
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92121 カリフォルニア州 サンディエゴ タウン・センター・ドライブ 9393 スイート 140
(72)【発明者】
【氏名】コベルマン,ロバート
【住所又は居所】アメリカ合衆国 92121 カリフォルニア州 サンディエゴ タウン・センター・ドライブ 9393 スイート 140
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA13
4B063QA20
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4B063QX02
(57)【要約】
本発明は、生体物質を、流体サンプルから単離し、識別し、分析し、および定量化するための方法、デバイス、ならびにシステムを含む。様々な態様において、上記方法、デバイス、ならびにシステムは、最小限の量の物質を必要とし、および/または、血液、血清あるいは血漿などの複合流体から高純度の生体物質を結果としてもたらす、迅速な手順を可能にし得る。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体サンプルを分析するための方法であって、前記方法は:
a)AC誘電泳動電界を生成するように構成された電極を使用して、生体サンプル中の複数の分析物を捕捉する工程であって、ここで、前記複数の分析物は、DNA、RNA、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア、および細胞小胞からなる群から選択される少なくとも2つのタイプの分析物を含む、工程と;
b)前記複数の分析物を検出する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記生体サンプル中の前記複数の分析物を捕捉する工程は、誘電泳動低電界領域および誘電泳動高電界領域を生成するように構成された電極を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生体サンプル中の前記複数の分析物を捕捉する工程は、第1の電極を使用して第1の分析物を、および第2の電極を使用して第2の分析物を優先的に捕捉することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記生体サンプル中の前記複数の分析物を捕捉する工程は、同じ電極上で1つを超える分析物を捕捉することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記DNAは無細胞DNAを含む、請求項1−4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記検出する工程は、前記複数の分析物中の少なくとも2つのタイプの分析物を定量化することを含む、請求項1−5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記複数の分析物を検出する工程は、DNA、RNA、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア、あるいは細胞小胞の少なくとも2つの異なる種を検出することを含む、請求項1−6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも2つのタイプの分析物を定量化することは、1つのタイプの分析物のみを定量化する方法と比較して、方法の診断力または予測力あるいは精度を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、1000%あるいはそれ以上増加させる、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも2つのタイプの分析物を定量化することは、1のタイプの分析物のみを定量化する方法と比較して、偽陽性率を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、1000%あるいはそれ以上減少させる、請求項6−8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも2つのタイプの分析物を定量化することは、1のタイプの分析物のみを定量化する方法と比較して、偽陰性率を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、1000%あるいはそれ以上減少させる、請求項6−9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記方法の性能は、0.60〜0.70、0.70〜0.79、0.80〜0.89、あるいは0.90〜1.00の範囲の受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項6−10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記生体サンプルは被験体から得られる、請求項1−11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記生体サンプルは、体液、血液、血清、血漿、尿、唾液、細胞、組織、あるいはこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記生体サンプルは細胞を含み、前記方法は前記細胞を溶解する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記生体サンプル中で検出された前記少なくとも2つのタイプの分析物を使用して、被験体の疾患あるいは疾病を検出する工程をさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記疾患あるいは疾病は癌である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
検出する工程は、癌のタイプ、癌の段階、初期の時点と比較した腫瘍量の増大、初期の時点と比較した腫瘍量の減少、初期の時点と比較して腫瘍量に変化がないこと、あるいは癌治療の有効性、または癌の不在を決定することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記検出する工程は、前記複数の分析物の1つの分析物を、分析物に特異的に結合する抗体と接触させることを含む、請求項1−17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
抗体は検出可能な標識を含む、請求項1−18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
前記検出可能な標識は蛍光部分を含む、請求項1−19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記複数の分析物の1つの分析物は、PD−L1、CA19.9、CA125、GPC−1、CEA、CA 15.3、プロラクチン、Ki−67、エストロゲン受容体α、CD30、CD30L、CD10、αフェトプロテイン、サバイビン、前立腺特異抗原、AZU1、βヒト絨毛性ゴナドトロピン、およびCYFRA−21からなる群から選択される、請求項1−20のいずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
前記検出する工程は、前記複数の分析物の1つの分析物を、オリゴヌクレオチドと接触させることを含む、請求項1−21のいずれか1つに記載の方法。
【請求項23】
前記検出する工程は、前記複数の分析物の1つの分析物を、インターカレーティング色素、主溝に優先的に結合する色素、あるいは副溝に優先的に結合する色素に接触させることを含む、請求項1−22のいずれか1つに記載の方法。
【請求項24】
前記複数の分析物は、DNAおよびRNAの少なくとも1つを含み、ここで、前記方法は、ポリメラーゼ連鎖反応により、DNAあるいはRNAの少なくとも1つを増幅する工程をさらに含む、請求項1−23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
前記複数の分析物は、DNAおよびRNAの少なくとも1つを含み、ここで、検出する工程は、前記DNAおよびRNAの少なくとも1つを配列決定することを含む、請求項1−24のいずれか1つに記載の方法。
【請求項26】
検出する工程は、定量的リアルタイムPCR、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、直接SYBR goldアッセイ、直接PicoGreenアッセイ、マイクロサテライトマーカーアッセイのヘテロ結合性の喪失(LOH)、電気泳動、メチル化分析、MALDI−ToF、PCR、およびデジタルPCRからなる群の少なくとも1つを含む、請求項1−25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項27】
前記生体サンプルは流体を含む、請求項1−26のいずれか1つに記載の方法。
【請求項28】
捕捉後に、前記分析物を前記電極から溶離する工程をさらに含む、請求項1−27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項29】
前記誘電泳動低電界領域は、1〜40ボルトのピーク−ピーク電圧;および/または、5Hz〜5,000,000Hzの周期数を有する交流を使用して生成される、請求項2−28のいずれか1つに記載の方法。
【請求項30】
前記誘電泳動高電界領域は、1〜40ボルトのピーク−ピーク電圧;および/または、5Hz〜5,000,000Hzの周期数を有する交流を使用して生成される、請求項2−29のいずれか1つに記載の方法。
【請求項31】
電極のアレイはヒドロゲルでコーティングされる、請求項1−30のいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
前記ヒドロゲルは合成ポリマーの2つ以上の層を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ヒドロゲルは前記電極上でスピンコーティングされる、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記ヒドロゲルは、スピンコーティングの前に約0.5cP〜約5cPの粘度を有する、請求項31−33のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
前記ヒドロゲルは、約0.01ミクロン〜1ミクロンの厚さを有する、請求項31−34のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本特許出願は、2017年12月19日に出願された米国仮特許出願62/607,873号の利益を主張するものであり、参照によってその全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くの生物試験法が、研究用であるか診断用であるかにかかわらず、単一のタイプの生物学的に関連する分析物を分析することができる。現在の方法およびデバイスはしばしば、複合生体サンプルから標的分子を単離することにより、サンプルを分析し始める。様々なタイプの高分子を互いに分離する必要なく、複合サンプルの様々な高分子を一度に分析することができる新しい方法およびデバイスが必要とされる。そのような方法は、アッセイの精度の向上につながる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に開示されるデバイス、方法、およびキットは、複合生体サンプルの分析の向上へのニーズを満たすものである。本明細書に記載される実施形態のいくつかは、被験体から得られたサンプルを含む生体サンプルで見られる様々な高分子または細胞の構成要素を、単離、検出、定量化、および/または分析することができる。そのような高分子および細胞の構成要素の例としては、無細胞DNAおよびDNA断片を含むDNA、RNA、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア、あるいは細胞小胞が挙げられる。本明細書に記載されるように、同じデバイスおよび方法を使用して、複数のタイプの高分子を検知する能力は、データを生成するプロセスを簡略化するか、縮小するか、同じサンプルから高分子を個別に単離および分析することにより導入されるバイアスを減少あるいは除去することができ、ならびに、同時に検出および分析することができる分子の数およびタイプを増加させることにより、サンプル分析力および精度を増大させることができる。その結果、本明細書に記載される実施形態は、生成される結果の精度、精密度、および信頼度を増大させることができる。これらの特性は、疾患または疾病を検出し、診断し、分類し、同定し、疾患または疾病を患う被験体の予後を判定し、あるいは癌を含む疾患または疾病を患う被験体のための処置レジメンの進展あるいは有効性を評価するために使用されるアッセイにおいて、非常に有益であり得る。
【0004】
生体サンプルを分析するための方法が本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、上記方法は、AC誘電泳動電界を生成するように構成された電極を使用して、生体サンプル中の複数の分析物を捕捉する工程を含み、ここで、上記複数の分析物は、DNA、RNA、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア、および細胞小胞からなる群から選択される少なくとも2つのタイプの分析物を含む、工程と;複数の分析物を検出する工程と、を含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、生体サンプル中の複数の分析物を捕捉する工程は、誘電泳動低電界領域および誘電泳動高電界領域を生成するように構成された電極を使用することを含む。いくつかの実施形態において、生体サンプル中の複数の分析物を捕捉する工程は、第1の電極を使用して第1の分析物を、および第2の電極を使用して第2の分析物を優先的に捕捉すること含む。いくつかの実施形態において、生体サンプル中の複数の分析物を捕捉する工程は、同じ電極上で1つを超える分析物を捕捉することを含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、DNAは無細胞DNAを含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、検出する工程は、複数の分析物中の少なくとも2つのタイプの分析物を定量化することを含む。いくつかの実施形態において、複数の分析物を検出する工程は、DNA、RNA、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア、あるいは細胞小胞の少なくとも2つの異なる種を検出することを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタイプの分析物を定量化することは、1つのタイプの分析物のみを定量化する方法と比較して、方法の診断力または予測力あるいは精度を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、1000%あるいはそれ以上増加させる。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタイプの分析物を定量化することは、1のタイプの分析物のみを定量化する方法と比較して、偽陽性率を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、1000%あるいはそれ以上減少させる。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのタイプの分析物を定量化することは、1のタイプの分析物のみを定量化する方法と比較して、偽陰性率を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、1000%あるいはそれ以上減少させる。いくつかの実施形態において、方法の性能は、0.60〜0.70、0.70〜0.79、0.80〜0.89、あるいは0.90〜1.00の範囲の受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)を特徴とする。
【0008】
いくつかの実施形態において、生体サンプルは被験体から得られる。いくつかの実施形態において、生体サンプルは、体液、血液、血清、血漿、尿、唾液、細胞、組織、あるいはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、生体サンプルは細胞を含み、方法は上記細胞を溶解する工程をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、方法は、生体サンプル中で検出された少なくとも2つのタイプの分析物を使用して、被験体の疾患または疾病を検出する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、疾患または疾病は癌である。いくつかの実施形態において、検出する工程は、癌のタイプ、癌の段階、初期の時点と比較した腫瘍量の増大、初期の時点と比較した腫瘍量の減少、初期の時点に比較して腫瘍量に変化がないこと、または癌治療の有効性、あるいは癌の不在を決定する工程をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、検出する工程は、複数の分析物の1つ分析物を、分析物に特異的に結合する抗体と接触させる工程を含む。いくつかの実施形態において、抗体は検出可能な標識を含む。いくつかの実施形態において、検出可能な標識は蛍光部分を含む。いくつかの実施形態において、複数の分析物の1つの分析物は、PD−L1、CA19.9、CA125、GPC−1、CEA、CA 15.3、プロラクチン、Ki−67、エストロゲン受容体α、CD30、CD30L、CD10、αフェトプロテイン、サバイビン、前立腺特異抗原、AZU1、βヒト絨毛性ゴナドトロピン、およびCYFRA−21からなる群から選択される。
【0011】
いくつかの実施形態において、検出する工程は、複数の分析物の1つの分析物をオリゴヌクレオチドと接触させる工程を含む。いくつかの実施形態において、検出する工程は、複数の分析物の1つの分析物を、インターカレーティング色素、主溝に優先的に結合する色素、あるいは副溝に優先的に結合する色素に接触させることを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、複数の分析物は、DNAおよびRNAの少なくとも1つを含み、ここで、方法は、ポリメラーゼ連鎖反応により、DNAまたはRNAの少なくとも1つを増幅する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、複数の分析物は、DNAおよびRNAの少なくとも1つを含み、ここで、検出する工程は、順番に並べること、DNAおよびRNAの少なくとも1つを配列決定する工程を含む。いくつかの実施形態において、検出する工程は、定量的リアルタイムPCR、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、直接SYBR goldアッセイ、直接PicoGreenアッセイ、マイクロサテライトマーカーアッセイのヘテロ結合性の喪失(LOH)、電気泳動、メチル化分析、MALDI−ToF、PCR、およびデジタルPCRからなる群の少なくとも1つを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、生体サンプルは流体を含む。いくつかの実施形態において、方法は、捕捉後に、分析物を電極から溶離する工程をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、誘電泳動低電界領域は、1ボルト〜40ボルトのピーク−ピーク電圧;および/または、5Hz〜5,000,000Hzの周期数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、誘電泳動高電界領域は、1ボルト〜40ボルトのピーク−ピーク電圧;および/または5Hz〜5,000,000Hzの周期数を有する交流を使用して生成される。
【0015】
いくつかの実施形態において、電極のアレイはヒドロゲルでコーティングされる。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、合成ポリマーの2つ以上の層を含む。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは電極上でスピンコーティングされる。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、スピンコーティングの前に約0.5cP〜約5cPの粘度を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.01ミクロン〜1ミクロンの厚さを有する。
【0016】
引用による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許、または特許出願が引用によって組み込まれるよう具体的かつ個別に示されるかのように、同じ程度まで引用により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
特許または特許出願のファイルは、色付きで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を備えるこの特許または特許出願公開のコピーは、請求および必要な料金の支払い後に当該事務局によって提供される。
【0018】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲で説明される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる例示的実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを参照することによって得られるであろう。
【0019】
【図1】例示的なデバイスの上面図を示す。
【図2】様々な量のゲノムDNAに関連した電極を示す。
【図3】核酸を細胞から単離するための例示的な方法を示す。
【図4】細胞を含む流体から、細胞外核酸を単離するための例示的な方法を示す。
【図5】微小電極アレイから溶離されたDNAのPCR増幅を示す。
【図6】微小電極アレイから溶離されたRNAのRT−PCR増幅を示す。
【図7】電極アレイ上で視覚化されるcfDNA(緑)とPD−L1タンパク質染色(赤)の統合された画像を示す。サンプルは非小細胞肺癌の患者からのものである。
【図8】健康な対照および非小細胞肺癌を患う患者の一連のサンプル中で検出されたcfDNAならびにPD−L1タンパク質の量のチャートを示す。その量は、電極アレイ上で各サンプルを実行し、cfDNAおよびPD−L1を染色し、結果として生じる染色された物質(material)を画像化し、ならびに、cfDNAおよびPD−L1の量を定量化することにより検出された。
【図9】本明細書に記載されるデバイスを用いて単離された、腺癌、扁平上皮癌、および卵巣癌を患う患者、ならびに健康な対照からの血漿サンプルの結果を示す。
【図10】52人の健康な患者および53人の癌患者(肺癌、乳房癌、卵巣癌、および膵臓癌)についてのcfDNA濃度の比較を示す。
【図11A】癌の処置を受ける際の2人の患者のcfDNAの濃度を示す。この図は、Y軸上にcdDNAの濃度をng/mLとして示し、X軸上に時間を表す。
【図11B】癌の処置を受ける際の2人の患者のcfDNAの濃度を示す。この図は、Y軸上にcdDNAの濃度をng/mLとして示し、X軸上に時間を表す。
【図12A】ASPC−1膵臓癌細胞株に由来する微小電極デバイス上で単離されたRNAを示す。
【図12B】非小細胞肺癌を患う患者あるいは健康な患者から得られた血漿サンプルから単離されたRNAを示す。
【図13】腺癌を患う患者から得られた血漿から単離された癌胎児抗原(CEA)を示す。いくつかのサンプルは、2μg/mLの裸のCEAタンパク質(naked CEA protein)を人為的に添加された。染色は、エキソソーム結合CEAにおいて最も顕著である。
【図14】敗血症を患っているか、あるいは患っていない患者から得られた血漿から単離された無細胞DNAを示す。
【図15】健康な患者と2人の敗血症患者それぞれについてのcfDNA濃度の比較を示す。結果は、健康な対照と比較して、敗血症患者における300bp以上のサイズの断片に対するcfDNA濃度の増加を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
流体組成物から細胞の構成要素あるいは分子を単離または分離するのに適した方法、デバイス、およびシステムが本明細書に記載されている。そのような成分および分子の例としては、無細胞DNAおよびDNA断片を含むDNA、RNA、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア、あるいは細胞小胞が挙げられる。
【0021】
特定の実施形態では、流体組成物から単離された成分および分子を検出および定量化する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、1つを超えるタイプの成分あるいは分子が、流体組成物から単離、検出、あるいは定量化される。多くのアッセイは、伝統的に、特定のタイプのみの分析物の検出および定量化に向けられている。例えば、QPCRは、タンパク質ではなく核酸を検出および定量化することができる。対照的に、ELISAは、核酸ではなくタンパク質を検出および定量化することができる。その結果として、様々なタイプの分析物からのデータに依拠する研究あるいは試験は、一連の別々の試験としてしばしば行なわれる。本明細書に記載される方法、デバイス、およびシステムの1つの例示的な利点では、いくつかの異なるタイプの分析物を一度に単離、検出、および定量化することができる。例えば、このことにより、所望の粒子は、無細胞DNAとDNA断片を含むDNA、無細胞RNAを含むRNA、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、(エンドソームの表面上で発現されたタンパク質を含む)タンパク質、タンパク質断片、細胞膜断片、ミトコンドリア、細胞小胞、およびエンドソーム起源の小胞を、同じアッセイの一部として検出ならびに定量化することができる。いくつかの実施形態において、様々な分析物を、ともに処理し、ともに染色し、および、ともに視覚化することができる。その結果として、様々な分析物を検出するために必要なワークフローを、大幅に簡略化することができる。
【0022】
別の例示的な利点では、いくつかのアッセイは、複数の変数の使用および複数のバイオマーカーの検出から利益を得る。癌において、例えば、癌の存在を示すことができる様々なバイオマーカーがある。サンプルの中に存在する特定のサイズの無細胞DNA断片の量は、癌の存在の可能性を示し得る。同様に、PD−L1あるいはCA125を含む特定のタンパク質の存在も、癌の存在の可能性を示し得る。他の疾患あるいは症状も企図される。例えば、これらは、感染性の疾患または疾病、敗血症、移植合併症または拒絶反応に関連するものを含む、同種免疫性および自己免疫性疾患または疾病、炎症性の疾患または疾病、あるいは心臓の疾患または心臓の疾病を含む。
【0023】
本発明者らは、これらの試験が単離で行われた場合、時々決定的でないことがあることを発見した。正常な無細胞DNAプロファイルを有する患者は、PD−L1発現が高い可能性がある。このことは、試験が、癌あるいは非癌のいずれかとして分類される寸前の(on the edge)の結果をもたらす場合、時々当てはまることがある。本発明者らは、驚くべきことに、タンパク質、核酸、あるいは他の細胞の構成要素の1つのみを検出することができる試験よりも、1つより多い分析物を同時に検出することができる試験の方がより正確、より精密、より選択的、より特異的、およびより包括的であり得るということを発見した。本明細書に提示された驚くべき結果は、複数のタイプの分析物の分析が従来の試験によって正常であると分類されるかもしれない患者の疾患あるいは疾病をより良く診断および検出することができる可能性があることを示す。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法の性能は、0.60〜0.69、0.70〜0.79、0.80〜0.89、あるいは、0.90〜1.00の範囲の受信者動作特性(ROC)曲線下面積(AUC)を特徴とする。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法は、患者の疾患あるいは疾病を検出、診断、あるいは分析に使用される他の試験、例えば、病理学、ELISA、QPCR、あるいはDNA配列決定よりも、10%、20%、30%、5%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%、あるいは1000%を超えて正確、選択的、精密、特異的、包括的であり得る。
【0024】
粒子または分子を流体組成物から単離あるいは分離するための方法、デバイス、およびシステムが本明細書のある実施形態で提供され、上記方法、デバイス、およびシステムは、電極のアレイを含み、および(例えば、電極のアレイに通電される際に)AC動電学的力を生成することができるデバイスに流体を適用する工程を含む。いくつかの実施形態では、誘電泳動電界は、AC動電学的力効果の成分である。他の実施形態において、AC動電学的力効果の成分は、AC電気浸透効果またはAC電熱効果である。いくつかの実施形態において、誘電泳動電界を含むAC動電学的力は、高電界領域(正のDEP、すなわち、不均一電界により電界線の強い集中が存在する区域)、および/または低電界領域(負のDEP、すなわち、不均一電界により電界線の弱い集中が存在する区域)を含む。
【0025】
特定の例では、粒子、細胞成分、あるいは分子(例えば、核酸)は、誘電泳動電界の電界領域(例えば、高電界領域)で単離される(例えば、細胞から単離または分離される)。いくつかの実施形態において、粒子、細胞の構成要素、あるいは分子は、体液、血液、血清、血漿、尿、唾液、細胞、組織、あるいはこれらの組み合わせから単離される。いくつかの実施形態において、粒子、細胞の構成要素、あるいは分子は、無細胞である流体または流体の一部から単離される。いくつかの実施形態において、粒子、細胞の構成要素、あるいは分子は、無細胞DNAを含むDNA、RNA、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア、あるいは細胞小胞、ならびに、上記のいずれかの断片あるいは一部であるか、これらを含む。
【0026】
いかなる分析物も、本明細書に記載される方法を使用して検出され得ることが理解される。いくつかの例では、分析物は、タンパク質マーカーであり得る生物学的マーカーを含む。いくつかの例では、マーカーは、ウイルスまたは細胞をさらに含む。いくつかの実施形態において、分析物は、抗体を使用して検出される。いくつかの実施形態において、抗体は、検出可能なマーカーで標識化される。いくつかの実施形態において、検出可能なマーカーは、蛍光マーカーである。
【0027】
本明細書に記載される方法で使用される蛍光タグあるいは発光タグは、核酸(DNA、RNA)およびタンパク質を標識するために使用される任意の適切な蛍光タンパク質あるいは発光タンパク質であり得、それは、限定されないが、ローダミン、Cy2、Cy3、Cy5 Alexaフルオロフォア、ルシフェリン、fura−2色素、緑色蛍光タンパク質(GFP)、シアン蛍光タンパク質、ならびに黄色蛍光タンパク質を含む、ルシフェラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アクリジン色素、シアニン色素、フルオロン色素、オキサジン色素、フェナントリジン色素およびローダミン色素を含む。本明細書に開示される抗体は、様々な蛍光タグおよびフルオロフォアでカスタム合成され得る。
【0028】
本明細書に記載される方法で利用される、結合した第一抗体および二次抗体を含む一次抗体および二次抗体が検出される分析物、あるいは検出される分析物に結合する抗体に、特異的に結合することが理解される。用語「特異的に結合する」とは、抗体が無関係なアミノ酸配列に結合するよりも大きな親和性でエピトープに結合することを意味する。1つの態様において、そのような親和性は、関連しないアミノ酸配列のための抗体の親和性よりも、少なくとも1倍大きい、少なくとも2倍大きい、少なくとも3倍大きい、少なくとも4倍大きい、少なくとも5倍大きい、少なくとも6倍大きい、少なくとも7倍大きい、少なくとも8倍大きい、少なくとも9倍大きい、少なくとも10倍大きい、少なくとも20倍大きい、少なくとも30倍大きい、少なくとも40倍大きい、少なくとも50倍大きい、少なくとも60倍大きい、少なくとも70倍大きい、少なくとも80倍大きい、少なくとも90倍大きい、少なくとも100倍大きい、あるいは、少なくとも1000倍大きい。
【0029】
「エピトープ」とは、抗体の可変領域結合ポケットとの結合相互作用を形成することができる、抗原あるいは他の高分子の一部を指す。
【0030】
重鎖の不変領域のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは異なる種類に割り当てることができる。5つの主要なクラスの免疫グロブリン:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、ならびに、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2にさらに分けることができる。異なるクラスの免疫グロブリンに相当する、重鎖不変ドメイン(Fc)は、それぞれα、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。様々なクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元構造は周知である。
【0031】
任意の脊椎動物種の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、不変ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパまたは(「κ」あるいは「K」)およびラムダまたは(「λ」)と呼ばれる、2つの明らかに異なるタイプの1つに割り当てることができる。
【0032】
用語「抗体の抗原結合部分」、「抗原結合性断片」、「抗原結合ドメイン」、「抗体断片」、または「抗体の機能性断片」は、本明細書で互換的に使用され、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1以上の断片に言及する。そのような用語に含まれる抗体断片の限定しない例としては、限定されないが、(i)Fab断片(V、V、C、およびCH1のドメインからなる一価断片);(ii)F(ab’)断片(ヒンジ領域でのジスルフィド架橋により結合した2つのFab断片を含有する二価断片);(iii)VおよびCH1のドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一のアームのVおよびVのドメインを含有するFv断片;(v)Vドメインを含有するdAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544 546);ならびに、(vi)単離されたCDRを含む。加えて、この定義において、単一の重鎖および単一の軽鎖を含む「半分の」抗体が含まれる。二重特異性抗体などの単鎖抗体の他の形態も本明細書に包含される。
【0033】
本明細書に記載される方法で使用される対照抗体は、検出される分析物に特異的に結合しない。
【0034】
本明細書に記載される免疫学的アッセイは、本明細書に記載されるデバイスで実施され得る。
【0035】
この評価に利用され得る他のアッセイとしては、限定されないが、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、インサイチュハイブリダイゼーション(ISH)、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、および比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)が挙げられる。
【0036】
本明細書に記載される方法におけるAC動電学的電界の適用は、誘電泳動を含む。AC動電学的電界の適用は、誘電泳動低電界領域および誘電泳動高電界領域を作る。この適用は、結合した分析物をサイズによって分け、結合された分析物を検出することができ、いくつかの例では、当技術分野において既知の方法を使用して定量化することができる。
【0037】
ある例では、キャリブレーターは、単離されたタンパク質マーカーを直接定量化するために、対象のサンプルと共に実行することができる。キャリブレーターは、制御された緩衝液において一定濃度でスパイクされた対象のタンパク質であり得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、検出可能なマーカーは、蛍光顕微鏡によって検出される。
【0039】
マーカーの非限定的な例は、例えば、癌マーカーおよび炎症のマーカーを含む。癌マーカーおよび炎症のマーカーは本明細書に例証されているが、記載される方法が開示されるマーカーに限定されないことが理解されよう。本明細書に開示される免疫学的アッセイは、限定されないが、腫瘍マーカー、心臓マーカー、貧血症マーカー、代謝性マーカー、腎臓マーカー、糖尿病マーカー、甲状腺ホルモンマーカー、生殖ホルモンマーカー、およびそれらの組み合わせを含む、他のマーカーと共に使用することができる。
【0040】
本明細書に記載される方法を使用して検出されるタンパク質マーカーとしては、限定されないが、癌胎児性抗原(CEA)、CA125、CA27.29、CA15−3、CA19.9、プロラクチン、Ki−67、エストロゲン受容体α、CD30、CD30L、CD10、生存、AZU1、α−フェトプロテイン(αFP)、β−ヒト絨毛性ゴナドトロピン、(βHCG)、グリピカン−1(GPC−1)、CYFRA−21、RNAベースのマーカー、および前立腺特異的抗原(PSA)が挙げられる。
【0041】
本明細書に記載される方法を使用して検出され得るさらなる癌マーカーとしては、限定されないが、BRAF、BRCA1、BRCA2、CD20、カルシトニン、カルレチニン、CD34、CD99MIC 2、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン(様々な型)、デスミン、上皮膜抗原(EMA)、第VIII因子、CD31 FL1、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、総嚢胞性疾患流体タンパク質(GCDFP−15)、HER2/neu、HER3、HMB−45、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、インヒビン、ケラチン(様々な型)、リンパ球マーカー、MART−1(Melan−A)、メソテリン、Myo D1、MUC−1、MUC−16ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ(PLAP)、リンパ球共通抗原(CD45)、S100タンパク質、シナプトフィジン、チログロブリン、甲状腺転写因子1、腫瘍M2−PK、およびビメンチンが挙げられる。
【0042】
本明細書に記載される方法を使用して検出され得る炎症のさらなるマーカーとしては、限定されないが、癌胎児性抗原(CEA)、血漿α−フェトプロテイン(αFP)、βヒト絨毛性ゴナドトロピン(βHCG)、C反応性タンパク質(CRP)、リソソーム粒状体、ヒスタミン、IFN−ガンマ、インターロイキン(IL)−8、ロイコトリエンB4、一酸化窒素、プロスタグランジン、TNF−α、およびIL−1が挙げられる。
【0043】
心臓マーカーはクレアチンキナーゼ(CKMB)、ミオグロビン、およびトロポニン1を含む。貧血症のためのマーカーはフェリチンを含む。代謝マーカーはコルチゾール(CORT)およびヒト成長ホルモン(HGH)を含む。腎臓マーカーはシスタチンC(CysC)、βミクログロブリン(BMG)、無傷の副甲状腺ホルモン(iPTH)を含む。糖尿病マーカーはCペプチド、糖化ヘモグロビン(HbA1c)、およびインスリン(IRI)を含む。甲状腺ホルモンマーカーは甲状腺刺激ホルモン(TSH)を含み、その一方で、生殖ホルモンマーカーはβHCG、濾胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモンII(LHII)、およびプロラクチン(Prolactatin)(PRL)を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、方法、デバイス、あるいはシステムは、以下の工程の1つ以上を含む:第1の誘電泳動電界領域(例えば、高電界DEP領域)中の対象の細胞を集中させる工程、上記第1の誘電泳動電界領域中の細胞を溶解する工程、および/または、第1あるいは第2の誘電泳動電界領域中の核酸を集中させる工程。他の実施形態において、方法、デバイス、あるいはシステムは、以下の工程の1つ以上を含む:第1の誘電泳動電界領域(例えば、低電界DEP領域)中の細胞を集中させる工程、第2の誘電泳動電界領域(例えば、高電界DEP領域)中の核酸を集中させる工程、および、細胞と残留物質を洗い流す工程。方法はさらに、以下の工程の1つ以上を実施することができる、デバイスおよび/またはシステムを随意に含む:核酸から残留物質(例えば、細胞)を洗浄するか、そうでなければ、除去する工程(例えば、核酸をアレイの高電界DEP領域内に集中および維持しながら、水または緩衝液でアレイをすすぐ工程)、残留タンパク質を分解する工程(例えば、溶解細胞および/または他の供給源からの残留タンパク質、そのような分解は、熱、プロテアーゼ、あるいは化学物質などでの任意の適切なメカニズムに従って生じる)、分解タンパク質を核酸から洗い流す工程、および核酸を収集する工程。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、デバイスの操作、システムの操作の結果は、随意にDNA配列決定に適切な量および純度の単離された核酸である。
【0045】
いくつかの例では、本明細書に記載される方法は短時間で実施され、デバイスは短時間で操作され、および、システムは短時間で操作されることが有利である。いくつかの実施形態では、期間は、デバイスへの流体の添加から単離された核酸の入手までの時間から測定される「手順時間」に関して短い。いくつかの実施形態では、手順時間は、3時間未満、2時間未満、1時間未満、30分未満、20分未満、10分、または5分未満である。
【0046】
別の態様では、期間は、デバイスへの流体の添加から単離された核酸の入手までの時間から、手順に人が参加しなければならない累積的な時間として測定される「実地時間(hands−on time)」に関して短い。いくつかの実施形態では、実地時間は、40分未満、20分未満、10分未満、5分未満、1分未満、または30秒未満である。
【0047】
いくつかの例では、本明細書に記載されるデバイスは単一の容器を含み、本明細書に記載されるシステムは単一の容器を含むデバイスを含み、本明細書に記載される方法は、単一の容器、例えば、本明細書に記載されているような誘電泳動デバイスにおいて実施可能であるということは有利である。いくつかの態様では、そのような単一の容器の実施形態は、流体を取り扱う工程の回数を最小限に抑え、および/または、短時間で実施される。いくつかの例では、本方法、デバイス、およびシステムは、1つ以上の遠心分離工程および/または培地交換を使用する方法、デバイス、およびシステムと対比される。いくつかの例では、遠心分離は、核酸を単離するために必要とされる実地時間を増加させる。他の態様では、単一の容器の手順またはデバイスは、最小限の量の消費可能な試薬を使用して、核酸を単離する。
【0048】
デバイスおよびシステム
いくつかの実施形態において、流体から細胞物質を集めるためのデバイスが本明細書に記載される。一態様では、細胞を含む流体から、流体の無細胞部分から、あるいは他の粒子物質から細胞物質を集めるためのデバイスが本明細書に記載される。
【0049】
いくつかの実施形態において、細胞物質を単離するためのデバイスが本明細書に開示され、上記デバイスは:a.ハウジング;b.タンパク質分解剤を含むヒーターあるいは熱源および/またはリザーバー;ならびに、c.上記ハウジング内の複数の交流(AC)電極を備え、上記AC電極は、AC動電学的高電界領域およびAC動電学的低電界領域を確立するために選択的に電圧を印加するように構成され、それにより、AC動電学的効果が、デバイスの低電界領域における細胞の集中をもたらす。いくつかの実施形態では、複数の電極は、誘電泳動高電界領域および誘電泳動低電界領域を確立するために選択的に電圧が印加されるように構成される。いくつかの実施形態では、タンパク質分解剤はプロテアーゼである。いくつかの実施形態では、タンパク質分解剤はプロテイナーゼKである。いくつかの実施形態では、デバイスは、溶離剤を含む第2のリザーバーをさらに含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、本明細書にはデバイスが開示され、上記デバイスは:a.複数の交流(AC)電極であって、上記AC電極は、AC動電学的高電界領域およびAC動電学的低電界領域を確立するために選択的に電圧が印加されるように構成される、AC電極;ならびに、b.サーモサイクリング、および、PCRあるいは他の酵素反応を行うことができるモジュールを含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、本明細書にはデバイスが開示され、上記デバイスは:a.複数の交流(AC)電極であって、AC動電学的高電界領域およびAC動電学的低電界領域を確立するために選択的に電圧が印加されるように構成される、AC電極;および、b.AC電極によって捕捉あるいは単離された物質を画像化することができるモジュールを含む。いくつかの実施形態はさらに、捕捉された物質の視覚化を可能にする、試薬を追加および除去するためのチャンバおよびフルイディックスを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、複数の電極は、誘電泳動高電界領域および誘電泳動低電界領域を確立するために選択的に電圧が印加されるように構成される。いくつかの実施形態において、デバイスは、流体を含む生体サンプルから、無細胞DNAとDNA断片を含むDNA、RNA、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア、および細胞小胞を単離することができる。いくつかの実施形態において、デバイスは、生体サンプル中の細胞からこれらの物質を単離することができる。いくつかの実施形態において、デバイスは、PCR増幅あるいは他の酵素反応を実施することができる。いくつかの実施形態において、DNAは単離され、PCRあるいは他の酵素反応が1つのチャンバにおいて実施される。いくつかの実施形態において、DNAは単離され、PCRあるいは他の酵素反応は1つのチャンバの複数の領域において実施される。いくつかの実施形態において、DNAは単離され、PCRあるいは他の酵素反応は複数のチャンバにおいて実施される。
【0053】
いくつかの実施形態において、デバイスはさらに、PCR増幅あるいは他の酵素反応を実施するために、溶出管、チャンバ、およびリザーバーの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、PCR増幅あるいは他の酵素反応は、複数の温度帯を含む曲がりくねったマイクロチャネルにおいて実施される。いくつかの実施形態において、PCR増幅あるいは他の酵素反応は、不混和性流体中に捕捉された水滴中で実施される(つまり、デジタルPCR)。いくつかの実施形態では、サーモサイクリングは対流を含む。いくつかの実施形態において、デバイスは、電極に接触するか、あるいは電極の近位にある表面を備え、ここで、上記表面は、生体分子を選択的に捕捉することができる生体リガンドで機能化される。
【0054】
いくつかの実施形態において、生体サンプルから細胞物質を単離するためのシステムが本明細書で開示され、上記システムは:a.複数の交流(AC)電極を含むデバイスであって、上記AC電極は、AC動電学的高電界領域およびAC動電学的低電界領域を確立するために、選択的に電圧を印加するように構成され、それにより、AC動電学的効果は、デバイスの高電界領域における細胞の集中をもたらす、デバイス;およびb.シーケンサー、サーモサイクラー、あるいは、単離または収集された核酸上で酵素反応を実施するための他のデバイスを含む。いくつかの実施形態では、複数の電極は、誘電泳動高電界領域および誘電泳動低電界領域を確立するために選択的に電圧が印加されるように構成される。
【0055】
様々な実施形態において、DEP電界は、本明細書に記載されるように電極のアレイに電圧が選択的に印加されることによって作られるか、あるいは作られ得る。電極は随意に、貴金属(例えば、プラチナ、プラチナイリジウム合金、パラジウム、金など)などの金属を含む腐食に耐性を示す任意の適切な材料(material)で作られる。様々な実施形態において、電極は、適切なDEPおよび/または他の動電学的電界が生成されるように、任意の適切なサイズであり、任意の適切な配向であり、任意の適切な間隔であり、任意の適切な手法で電圧が印加されるか、あるいは電圧が印加され得る。
【0056】
いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムが本明細書に記載され、電極は別々のチャンバに入れられ、正のDEP領域と負のDEP領域は、細孔または穴構造を介したAC DEP電界の通過により、内部チャンバ内に作成される。細胞、微粒子、ナノ粒子、および核酸の分離を行うための所望の正のDEP(高電界)領域およびDEPの負の(低電界)領域を形成するために、様々な幾可学的形状が使用される。いくつかの実施形態において、細孔または穴構造は、多孔質物質(ヒドロゲル)を含み(あるいは充填され)、または多孔質膜構造で覆われている。いくつかの実施形態において、別々のチャンバへ電極を分離することによって、そのような細孔/穴構造DEPデバイスは、DEPプロセスの間に、内部の分離チャンバ内で生じる電気化学効果、加熱、あるいは無秩序な流体の運動を減らす。
【0057】
一態様では、電極を含むデバイスが本明細書に記載され、ここで、電極は、別々のチャンバに入れられ、および、DEP電界は、細孔構造を通過することよって、内部チャンバ内に作られる。例示的なデバイスは、ハウジング内に複数の電極と、電極を含むチャンバとを含んでいる。デバイスのコントローラーは、開示のために本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開WO2009/146143A2にさらに記載されるように、電極を独立して制御する。
【0058】
いくつかの実施形態において、チャンバ付きのデバイスは、様々な細孔および/または穴構造(ナノスケール、マイクロスケール、さらにはマクロスケール)を伴って作られ、ならびに、細胞、ナノ粒子、あるいは他の実体が内部チャンバに分散するか、運ばれるのを制御、制限、あるいは抑制する膜、ゲル、あるいは濾過物質を含むが、AC/DC電界、溶質分子、緩衝液、および他の小分子はチャンバを通過することができる。
【0059】
様々な実施形態において、デバイスの様々な構成が可能である。例えば、デバイスは、例えば、AC動電学を可能にするために反復する不均一電界を作るように構成された正方形または長方形のパターンの電極のより大きなアレイを含む。例示目的のためだけに、適切な電極アレイは、限定されないが、10x10電極構成、50x50電極構成、10x100電極構成、20x100電極構成、あるいは20x80電極構成を含み得る。
【0060】
そのようなデバイスは、限定されないが、多重化電極およびチャンバ付きのデバイス、再構成可能な電界パターンを作ることができるデバイス、DC電気泳動プロセスと流体プロセスを組み合わせるデバイス;サンプル調製デバイス、サンプル調製、単離された核酸分子の酵素学的な操作、および、その後の検出および分析を含む診断デバイス、ラボオンチップデバイス、ポイントオブケア、ならびに他の臨床診断システムあるいはバージョンを含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、平面の白金電極アレイデバイスは、サンプル流体が流れるハウジングを含む。いくつかの実施形態では、流体は入口端部から出口端部へと流れ、随意に側方の分析物出口を含む。例示的なデバイスは複数のAC電極を含む。いくつかの実施形態において、サンプルは、ミクロンサイズの実体あるいは細胞、より大きなナノ粒子、およびより小さなナノ粒子または生体分子の組み合わせからなる。いくつかの例では、より大きなナノ粒子はサンプル中に分散した細胞残屑である。いくつかの実施形態において、より小さなナノ粒子は、タンパク質、より小さなDNA、RNA、および細胞断片である。いくつかの実施形態において、平面電極アレイデバイスは、個別に制御することができるが同時に作動させることができる3つの20x20アレイへ随意に区分される60x20電極アレイである。随意の補助のDC電極は正電荷へ切り替え可能であり、その一方で、随意のDC電極は電気泳動のために負電荷へ切り替えられる。いくつかの例では、制御されたACおよびDCシステムの各々は、様々な実施形態において、連続的および/またはパルス化手法の両方で使用される(例えば、各々は、比較的短時間の間隔でパルス化をオンおよびオフすることができる)。サンプルの流れの側面に沿った随意の平面電極アレイは、ナノ多孔性材料(例えば、合成ポリマーのヒドロゲル)で覆われる場合、AC DEPと同様に、DC電気泳動力を生成するために随意に使用される。加えて、マイクロ電気泳動分離プロセスは、x−y−z次元でアレイの平面電極および/または補助電極を使用して、ナノポア層内で随意に実行される。
【0062】
様々な実施形態において、これらの方法、デバイス、およびシステムは、1,000Hz〜100MHzの範囲のAC周波数範囲、ならびに、およそ1ボルト〜2000ボルトのピークトゥピークの範囲の電圧で;1ボルト〜1000ボルトのDC電圧で、毎分10マイクロリットル〜毎分10ミリリットルの流量で、1°C〜120°Cの温度範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、約3〜約15kHzのAC周波数範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、5〜25ボルトのピーク−ピーク電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、約1〜約50ボルト/cmの電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、約1〜約5ボルトのDC電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、毎分約10マイクロリットル〜毎分約500マイクロリットルまでの流量で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、約20°C〜約60°Cの温度範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、1000Hz〜10MHzのAC周波数範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、1000Hz〜1MHzのAC周波数範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、1000Hz〜100kHzのAC周波数範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、1000Hz〜10kHzのAC周波数範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、10kHz〜100kHzのAC周波数範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、100kHz〜1MHzのAC周波数範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、およそ1ボルト〜1500ボルトのピーク−ピーク電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、およそ1ボルト〜1500ボルトのピーク−ピーク電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、およそ1ボルト〜1000ボルトのピーク−ピーク電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、およそ1ボルト〜500ボルトのピーク−ピーク電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、およそ1ボルト〜250ボルトのピーク−ピーク電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、およそ1ボルト〜100ボルトのピーク−ピーク電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、およそ1ボルト〜50ボルトのピーク−ピーク電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、1ボルト〜1000ボルトのDC電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、1ボルト〜500ボルトのDC電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、1ボルト〜250ボルトのDC電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、1ボルト〜100ボルトのDC電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、1ボルト〜50ボルトのDC電圧で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、毎分10マイクロリットル〜毎分1mlの流量で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、毎分0.1マイクロリットル〜毎分500マイクロリットルの流量で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、毎分0.1マイクロリットル〜毎分250マイクロリットルの流量で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、毎分0.1マイクロリットル〜毎分100マイクロリットルの流量で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、1°C〜100°Cの温度範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、20°C〜95°Cの温度範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは、25°C〜100°Cの温度範囲で作動する。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、およびシステムは室温で作動する。
【0063】
いくつかの実施形態において、コントローラーは、電極の各々を独立して制御する。いくつかの実施形態において、コントローラーは、ソケットおよびプラグ接続によるなどしてデバイスに外部接続されるか、あるいはデバイスハウジングと一体化される。
【0064】
さらに、堅牢な電極のスケールされた断面(x−y次元)アレイと、DEP、電気泳動、および流体力を組み合わせる補助電極の戦略的に置かれた(x−y−z次元)配置、ならびにそれらの使用が本明細書に記載される。いくつかの実施形態において、臨床的に関連する量の血液、血清、血漿、あるいは他のサンプルは、より高いイオン強度および/または伝導条件下でより直接的に分析される。電極上または電極の近くで生じ得るあらゆる電気化学(電気分解)反応、加熱、および無秩序な流体の運動の効果を弱めるために、ならびに、細胞、細菌、ウイルス、ナノ粒子、DNA、および他の生体分子の有効な分離を実行することができるようにするために、材料(天然または合成の多孔性ヒドロゲル、膜、制御されたナノポア材料、および薄い誘電体層状材料)の1つ以上の多孔層で堅牢な電極構造(例えば、白金、パラジウム、金など)を覆うことが本明細書で記載されている。いくつかの実施形態において、高分解能分離を達成するためにAC周波数交差点を使用することに加えて、オンデバイス(オンアレイ)DC微量電気泳動法は二次的な分離に使用される。例えば、DNAナノ粒子(20−50kb)、高分子量DNA(5−20kb)、中間分子量DNA(1−5kb)、および低分子量DNA(0.1−1kb)断片の分離は、アレイ上のDC微量電気泳動法によって遂行され得る。いくつかの実施形態において、デバイスは、様々な血液細胞、細菌、およびウイルスの同時分離、ならびに、そのようなデバイス上で同時に実行されるDNAの様々な目的のために随意に細分化される。
【0065】
いくつかの実施形態において、デバイスは、ハウジング、および、ヒーターまたは熱源、および/または、タンパク質分解剤を含むリザーバーを含んでいる。いくつかの実施形態において、ヒーターまたは熱源は、流体の温度を所望の温度(例えば、タンパク質を分解するのに適切な温度、約30°C、40°C、50°C、60°C、70°Cなど)に増加させることができる。いくつかの実施形態において、ヒーターまたは熱源は、PCRサーモサイクラーとしての作用に適している。他の実施形態では、ヒーターまたは熱源は、一定の温度(等温条件)を維持するために使用される。いくつかの実施形態では、タンパク質分解剤はプロテアーゼである。他の実施形態では、タンパク質分解剤は、プロテイナーゼKであり、ヒーターまたは熱源はタンパク質分解剤を不活性化するために使用される。
【0066】
いくつかの実施形態において、デバイスは、ハウジング内の複数の交流(AC)電極をさらに含み、上記AC電極は、誘電泳動(DEP)高電界領域および誘電泳動(DEP)低電界領域を確立するために、選択的に電圧を印加するように構成することができ、それにより、AC動電学的効果は、デバイスの低電界領域中における細胞の集中をもたらす。いくつかの実施形態において、電極は、第1のAC動電学的電界領域を提供するために選択的に電圧が印加され、および、第2のAC動電学的電界領域を提供するために、その後、あるいは、継続的に、選択的に電圧が印加される。例えば、電極、およびDEP電界における細胞の集中のさらなる説明は、開示のために本明細書に組み込まれるPCT国際公開WO2009/146143号A2において見られる。
【0067】
いくつかの実施形態において、デバイスは溶離剤を含む第2のリザーバーを含む。溶離剤は、デバイスから単離された細胞物質を溶離するのに適した任意の流体である。いくつかの例では、溶離剤は水または緩衝液である。いくつかの例では、溶離剤はDNA配列決定方法に必要とされる試薬を含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、デバイスは複数のリザーバーを含み、各リザーバーは、デバイス中の単離された細胞物質の染色および洗浄に役立つ試薬を含んでいる。例としては、抗体、オリゴヌクレオチド、プローブ、および色素、緩衝液、洗浄液、水、界面活性剤、ならびに溶剤が挙げられる。
【0069】
複数の交流(AC)電極を含むシステムおよびデバイスが本明細書でさらに提供され、上記AC電極は、誘電泳動(DEP)高電界領域ならびに誘電泳動(DEP)低電界領域を確立するために、選択的に電圧を印加するように構成される。いくつかの例では、ACの動電学的効果は、DEP電界の低電界領域における細胞の集中、および/または高電界領域における分子(例えば、核酸などの高分子)の集中(あるいは、収集または単離)をもたらす。
【0070】
さらに、複数の直流(DC)電極を含むシステムおよびデバイスが本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、複数のDC電極は、アレイ全体にわたって広がっている少なくとも2つの長方形の電極を含む。いくつかの実施形態において、電極はアレイの縁に位置する。いくつかの実施形態では、DC電極はAC電極間に点在する。
【0071】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるシステムまたはデバイスは、核酸を操作するための手段を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるシステムまたはデバイスは、酵素反応を実施する手段を含む。他の実施形態では、本明細書に記載されるシステムまたはデバイスは、ポリメラーゼ連鎖反応、等温増幅、ライゲーション反応、制限分析、核酸クローニング、転写あるいは翻訳アッセイ、または他の酵素ベースの分子生物学的アッセイを実施する手段を含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるシステムまたはデバイスは、核酸シーケンサーを含む。シーケンサーは随意に、限定されないが、サンガーシーケンサー、パイロシーケンサー、イオン半導体シーケンサー、ポロニーシーケンサー、ライゲーションデバイスによるシーケンシング、DNAナノボールシーケンシングデバイス、あるいは単一分子配列決定デバイスを含む、任意の適切なDNAシーケンシングデバイスである。
【0073】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるシステムまたはデバイスは、一定の温度を維持することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるシステムまたはデバイスは、アレイまたはチャンバを冷却することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるシステムまたはデバイスは、アレイまたはチャンバを加熱することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるシステムまたはデバイスは、サーモサイクラーを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるデバイスは、局所的な温度制御要素を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるデバイスは、温度の感知および制御の両方を行うことができる。
【0074】
いくつかの実施形態において、デバイスは加熱素子あるいは熱素子をさらに含む。いくつかの実施形態において、加熱素子あるいは熱素子は電極の真下に位置する。いくつかの実施形態において、加熱素子あるいは熱素子は金属を含む。いくつかの実施形態において、加熱素子あるいは熱素子は、タンタル、アルミニウム、タングステン、あるいはこれらの組み合わせを含む。通常、加熱素子あるいは熱素子によって達成される温度は、それを流れる電流に比例する。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるデバイスは、局所的な冷却素子を含む。いくつかの実施形態において、熱抵抗性の素子は、露出した電極アレイの下に直接置かれる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるデバイスは、約20°C〜約120°Cの間の温度を達成および維持することができる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるデバイスは、約30°C〜約100°Cの間の温度を達成および維持することができる。他の実施形態では、本明細書で開示されるデバイスは、約20°C〜約95°Cの間の温度を達成および維持することができる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるデバイスは、約25°C〜90°C、約25°C〜約85°C、約25°C〜約75°C、約25°C〜約65°C、あるいは約25°C〜約55°Cの間の温度を達成および維持することができる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるデバイスは、約20°C、約30°C、約40°C、約50°C、約60°C、約70°C、約80°C、約90°C、約100°C、約110°C、あるいは約120°Cの温度を達成および維持することができる。
【0075】
電極
複数の交流電極は、本明細書に記載される分離プロセスに適した任意の手法で随意に構成される。例えば、電極、および/またはDEP電界における細胞の集中を含むシステムまたはデバイスのさらなる説明が、開示のために本明細書に組み込まれるPCT国際公開WO2009/146143号において見られる。
【0076】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される電極は、任意の適切な金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、電極は限定されないが、以下を含むことができる:アルミニウム、銅、炭素、鉄、銀、金、パラジウム、白金、イリジウム、白金イリジウム合金、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、タンタル、チタン、タングステン、ポリシリコン、および酸化インジウム錫、あるいはこれらの組み合わせ、ならびに、白金シリサイド、チタンシリサイド、金シリサイド、あるいはタングステンシリサイドなどのシリサイド材料。いくつかの実施形態において、電極は、スクリーン印刷することができる導電性インクを含み得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、電極の端から端(E2E)対内外径比は、約0.5mm〜約5mmである。いくつかの実施形態では、E2E対内外径比は、約1mm〜約4mmである。いくつかの実施形態では、E2E対内外径比は、約1mm〜約3mmである。いくつかの実施形態では、E2E対内外径比は、約1mm〜約2mmである。いくつかの実施形態では、E2E対内外径比は、約2mm〜約5mmである。いくつかの実施形態では、E2E対内外径比は、約1mmである。いくつかの実施形態では、E2E対内外径比は、約2mmである。いくつかの実施形態では、E2E対内外径比は、約3mmである。いくつかの実施形態では、E2E対内外径比は、約4mmである。いくつかの実施形態では、E2E対内外径比は、約5mmである。
【0078】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される電極はドライエッチングされる。いくつかの実施形態において、電極はウェットエッチングされる。いくつかの実施形態において、電極は、ドライエッチングとウェットエッチングの組み合わせを受ける。
【0079】
いくつかの実施形態において、それぞれの電極は個々に部位制御される。
【0080】
いくつかの実施形態において、電極のアレイはユニットとして制御される。
【0081】
いくつかの実施形態において、パッシベーション層が使用される。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は、当該技術分野において知られている任意の適切な材料から形成することができる。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は窒化ケイ素を含む。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は二酸化ケイ素を含むことができる。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は、約2.0〜約8.0の相対的な誘電率を有する。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は、約3.0〜約8.0、約4.0〜約8.0、あるいは約5.0〜約8.0の相対的な誘電率を有する。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は、約2.0〜約4.0の相対的な誘電率を有する。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は、約2.0〜約3.0の相対的な誘電率を有する。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、あるいは約4.0の相対的な誘電率を有する。
【0082】
いくつかの実施形態において、パッシベーション層は、約0.1ミクロン〜約10ミクロンの間の厚さである。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は約0.5ミクロン〜8ミクロンの間の厚さである。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は約1.0ミクロン〜5ミクロンの間の厚さである。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は約1.0ミクロン〜4ミクロンの間の厚さである。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は約1.0ミクロン〜3ミクロンの間の厚さである。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は約0.25ミクロン〜2ミクロンの間の厚さである。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は約0.25ミクロン〜1ミクロンの間の厚さである。
【0083】
いくつかの実施形態において、パッシベーション層は、限定されないが、窒化ケイ素または二酸化ケイ素を含む、任意の適切な絶縁性の低k誘電材料で構成される。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は、ポリアミド、炭素、ドープ窒化ケイ素、炭素ドープ二酸化ケイ素、フッ素ドープ窒化ケイ素、フッ素ドープ二酸化ケイ素、多孔性の二酸化ケイ素、あるいはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、パッシベーション層は、スクリーン印刷することができる誘電性インクを含み得る。
【0084】
電極の幾可学的形状
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される電極は、本明細書で開示される方法を実行するのに適切な任意の手法で配置され得る。
【0085】
いくつかの実施形態において、電極はドット構成であり、例えば、電極は通常円形または丸い構成を含む。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約25°〜約60°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約30°〜約55°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約30°〜約50°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約35°〜約45°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約25°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約30°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約35°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約40°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約45°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約50°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約55°である。いくつかの実施形態において、ドット間の配向の角度は約60°である。
【0086】
いくつかの実施形態において、電極は実質的に細長い構成である。
【0087】
いくつかの実施形態において、電極は波線または非線形線に似た構成である。いくつかの実施形態において、電極のアレイは波線または非線形線の構成であり、ここで、上記構成は、リンカーによって接続される1対のドットの形状を含む反復単位を含み、ここで、上記ドットおよびリンカーは電極の境界を画定し、ここで、上記リンカーは、1対のドット間の中間点の方へと、あるいはその中間点で内側に先細りになり、ここで、上記ドットの直径は、上記反復単位の長さに沿った最も幅広い点であり、ここで、反復単位の並列セット間の端から端までの距離は等距離であるか、だいたい等距離である。いくつかの実施形態において、図8に示されるように、電極は波線に似たストリップである。いくつかの実施形態において、電極間の端から端までの距離は、波線構成全体にわたって等距離であるか、だいたい等距離である。いくつかの実施形態において、波線の電極の使用は、本明細書で開示されるように、DEP電界勾配の増強をもたらす。
【0088】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される電極は、平面構成である。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される電極は非平面構成である。
【0089】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるデバイスは、その表面上で生体分子を選択的に捕捉する。例えば、本明細書に開示されるデバイスは、例えば、a.核酸ハイブリダイゼーション;b.抗体−抗原相互作用;c.ビオチン−アビジン相互作用;d.イオンまたは静電相互作用;あるいは、e.これらの任意の組み合わせによって、核酸などの生体分子を捕捉することができる。したがって、本明細書に開示されるデバイスは、機能化された表面を組み込むことがあり、これは、相補的な核酸プローブなどの捕捉分子、抗体あるいは生体分子(核酸など)を捕捉することができる他のタンパク質捕捉物、ビオチンあるいはアビジンなどの他の相補的な標的分子を捕捉することができる他の固定捕捉物、イオン相互作用または静電相互作用によって生体分子を捕捉することができる捕捉分子、あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0090】
いくつかの実施形態において、表面は、a.ポリマー(例えば、ポリエチレングリコールPEG);b.イオンまたは静電相互作用;c.界面活性剤;あるいは、d.それらの任意の組み合わせによって、非特異的な結合相互作用を最小限に抑え、および/または阻害するように機能化される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、そのような相互作用に干渉することによって非特異的な結合相互作用を減らす添加剤、例えば、Tween 20など、ウシ血清アルブミン、非特異的な免疫グロブリンなどの使用を含む。
【0091】
いくつかの実施形態において、デバイスは、(a)横に並んで、(b)垂直に面して、あるいは(c)水平に面して配向された複数の微小電極デバイスを含む。他の実施形態では、電極は、サンドイッチされた構成であり、例えば、垂直フォーマットで互いに上に積み重ねられる。
【0092】
ヒドロゲル
材料の1つ以上の層で電極構造を覆うことは、限定されないが、電極上あるいはその電極の近くで生じ得る電気分解反応、加熱、および無秩序な流体の運動を含む、有害な電気化学効果を弱めることができ、依然として、細胞、細菌、ウイルス、ナノ粒子、DNA、および他の生体分子の有効な分離を行うことができる。いくつかの実施形態において、電極構造上で層状になっている材料は1つ以上の多孔層であり得る。他の実施形態では、1つ以上の多孔層はポリマー層である。他の実施形態では、1つ以上の多孔層はヒドロゲルである。
【0093】
一般的に、ヒドロゲルは、構成解除(disconfiguration)または分解することなく、電極表面で電気化学的効果に耐えることができるように、十分な機械的強さを備えていなければならず、かつ、比較的、化学的に不活性でなければならない。一般的に、ヒドロゲルは、小さな水性のイオンに対して十分に透過性であるが、生体分子を電極表面から遠ざける。
【0094】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは1つの層またはコーティングである。
【0095】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは多孔性の勾配を含み、ここで、ヒドロゲル層の底部はヒドロゲル層の上部よりも大きな多孔性を有する。
【0096】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは複数の層またはコーティングを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは2つのコートを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは3つのコートを含む。いくつかの実施形態において、底部(第1の)コーティングは、その後のコーティングよりも大きな多孔性を有する。いくつかの実施形態において、上部コートは、第1のコーティングよりも少ない多孔性を有する。いくつかの実施形態において、上部コートは、直径で100ピコメートルよりも大きな粒子に対するサイズカットオフとして機能する、平均的な細孔直径を有する。
【0097】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.001S/m〜約10S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.01S/m〜約10S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1S/m〜約10S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約1.0S/m〜約10S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.01S/m〜約5S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.01S/m〜約4S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.01S/m〜約3S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.01S/m〜約2S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1S/m〜約5S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1S/m〜約4S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1S/m〜約3S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1S/m〜約2S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1S/m〜約1.5S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1S/m〜約1.0S/mの導電率を有する。
【0098】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは約0.1S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは約0.2S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは約0.3S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは約0.4S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは約0.5S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは約0.6S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは約0.7S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは約0.8S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは約0.9S/mの導電率を有する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは約1.0S/mの導電率を有する。
【0099】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1ミクロン〜約10ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1ミクロン〜約5ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1ミクロン〜約4ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1ミクロン〜約3ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.1ミクロン〜約2ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約1ミクロン〜約5ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約1ミクロン〜約4ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約1ミクロン〜約3ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約1ミクロン〜約2ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、約0.5ミクロン〜約1ミクロンの厚さを有する。
【0100】
いくつかの実施形態において、スピンコーティング前のヒドロゲル溶液の粘度は、約0.5cP〜約5cPの範囲である。いくつかの実施形態において、ヒドロゲル溶液の1回のコーティングは、スピンコーティングの前で約0.75cPおよび5cPの粘度を有する。いくつかの実施形態において、複数のコートヒドロゲルでは、第1のヒドロゲル溶液はスピンコーティングの前に約0.5cP〜約1.5cPの粘度を有する。いくつかの実施形態において、第2のヒドロゲル溶液は、約1cP〜約3cPの粘度を有する。ヒドロゲル溶液の粘度は、溶媒中のポリマー濃度(0.1%−10%)とポリマー分子量(10,000〜300,000)、および、溶媒の開始粘度に基づく。
【0101】
いくつかの実施形態において、第1のヒドロゲルコーティングは、約0.5ミクロン〜1ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、第1のヒドロゲルコーティングは、約0.5ミクロン〜0.75ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、第1のヒドロゲルコーティングは、約0.75〜1ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、第2のヒドロゲルコーティングは、約0.2ミクロン〜0.5ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、第2のヒドロゲルコーティングは、約0.2〜0.4ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、第2のヒドロゲルコーティングは、約0.2〜0.3ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態において、第2のヒドロゲルコーティングは、約0.3〜0.4ミクロンの厚さを有する。
【0102】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、ヒドロゲルを形成する任意の適切な合成ポリマーを含む。一般的に、任意の十分に親水性および重合化可能な分子は、本明細書で開示されるように使用される合成ポリマーヒドロゲルの生成において利用され得る。単量体中の重合可能な部分は、限定されないが、置換または非置換のα,β,不飽和カルボニル(二重結合は炭素に直接結合し、その炭素は、酸素に二重結合し、かつ別の酸素、窒素、硫黄、ハロゲン、あるいは炭素に単結合する);ビニル(二重結合は酸素、窒素、ハロゲン、リン、あるいは硫黄に単結合する);アリル(二重結合は、酸素、窒素、ハロゲン、リン、あるいは硫黄に結合する炭素に単結合する);ホモアリル(二重結合は炭素に単結合し、その炭素は別の炭素に単結合し、その別の炭素は、酸素、窒素、ハロゲン、リン、あるいは硫黄に単結合する);アルキニル部分(2つの炭素原子間に三重結合が存在する)を含む、アルケニル部分を含み得る。いくつかの実施形態において、アクリロイルまたはアクリルアミドの単量体、例えば、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミドなどは、本明細書に開示されるようにヒドロゲルの形成に役立つ。多くの好ましいアクリルアミド単量体は、アクリルアミド、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミド、およびメタクリルアミドを含む。いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、ポリマー、例えば、エポキシドベースのポリマー、ビニルベースのポリマー、アリルベースのポリマー、ホモアリルベースのポリマー、環状無水物ベースのポリマー、エステルベースのポリマー、エーテルベースのポリマー、アルキレングリコールベースのポリマー(例えば、ポリプロピレングリコール)などを含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(pHEMA)、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、あるいは任意の適切なアクリルアミド、あるいはビニルベースのポリマー、またはその誘導体を含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは蒸着によって塗布される。
【0105】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは原子移動ラジカル重合(ATRP)によって重合される。
【0106】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルは可逆的な追加−断片化連鎖移動反応(RAFT)重合によって重合される。
【0107】
いくつかの実施形態において、添加剤は、ゲルの導電率を増大させるためにヒドロゲルに加えられる。いくつかの実施形態において、ヒドロゲル添加剤は、導電性ポリマー(例えば、PEDOT:PSS)、塩(例えば、塩化銅)、金属(例えば、金)、可塑剤(例えば、PEG200、PEG400、あるいはPEG600)、または共溶媒である。
【0108】
いくつかの実施形態において、ヒドロゲルはさらに、限定されないが、ヒスチジン、ヒスチジンペプチド、ポリヒスチジン、リジン、リジンペプチド、および他のカチオン性化合物または材料を含む、DNAハイブリッドの安定性を維持するのを助ける化合物あるいは材料を含む。
【0109】
誘電泳動電界
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、デバイス、およびシステムは、流体物質(随意に他の物質(汚染物質、残留細胞物質など)を含む)から、細胞、粒子、および/または分子(核酸など)を収集、分離、および/または単離するためのメカニズムを提供する。
【0110】
いくつかの実施形態において、AC動電学的電界は、核酸などの生体分子を収集、分離、または単離するために生成される。いくつかの実施形態において、AC動電学的電界は誘電泳動電界である。これに応じて、いくつかの実施形態では、誘電泳動(DEP)は、本明細書に記載される方法の様々な工程で利用される。
【0111】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムはDEP電界などを生成することができる。特定の実施形態では、DEPは、(例えば、同時にあるいは異なるときに)細胞および/または核酸を集中させるために使用される。ある実施形態では、本明細書で記載される方法は、第1、第2、および任意のさらなる随意のDEP電界を作るために、電極のアレイに電圧を印加する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、第1、第2、および任意のさらなる随意のDEP電界を作るために、電圧が印加され得る。
【0112】
DEPは、不均一電界にさらされるとき、誘電体粒子上に力が加えられる現象である。本明細書に記載される方法の工程、明細書に記載されるデバイスとシステムの態様などに応じて、様々な実施形態にける誘電体粒子は、生体細胞および/または分子、例えば、核酸分子である。本明細書に記載される方法の様々な工程、あるいは、本明細書に記載されるデバイスまたはシステムの態様は、様々な構成要素、例えば、無傷細胞あるいは他の特定の物質を単離および分離するために利用され得;さらに、DEP電界の様々な電界領域は、本明細書に記載される方法の様々な工程、あるいはデバイスとシステムの態様で使用され得る。この誘電泳動力は、粒子を帯電することを必要としない。いくつかの例では、力の強さは、媒体、および特定の粒子の電気特性、粒子の形状および大きさ、ならびに電界の周波数に依存する。いくつかの例では、特定の周波数の電界は、粒子を選択的に操作する。本明細書に記載される特定の態様において、これらのプロセスは、(例えば、流体媒体中の)他の成分からの、あるいは互いの、細胞および/または小さな粒子(核酸分子を含む分子など)の分離を可能にする。
【0113】
本明細書で提供される様々な実施形態では、本明細書に記載される方法またはデバイスは、複数のDEP電界領域を生成することを含む。例えば、方法またはデバイスは、アレイを用いて第1のDEP電界領域および第2のDEP電界領域を生成することを含む。本明細書で提供される様々な実施形態において、本明細書に記載されるデバイスまたはシステムは、アレイを用いて、第1のDEP電界領域および第2のDEP電界領域を生成することができる。いくつかの例では、第1と第2の電界領域は、1つの電界の一部である(例えば、第1と第2の領域は同時に存在するが、デバイス内および/またはアレイ上の異なる位置で見られる)。いくつかの実施形態において、第1と第2の電界領域は異なる電界である(例えば、第1の領域は第1の時間に電極を電圧で印加することにより作られ、第2の領域は第2の時間に電極を電圧で印加することにより作られる)。特定の態様では、第1のDEP電界領域は、細胞を(例えば、低電界DEP領域へと)集中させるか単離するのに適切である。いくつかの実施形態において、第2のDEP電界領域は、例えば、高電界DEP領域へと、分子(例えば、核酸、無細胞の核酸)などのより小さな粒子を集中させるのに適している。いくつかの例では、本明細書に記載される方法は、第1あるいは第2のDEP電界領域のいずれかの使用を随意に除外する。
【0114】
いくつかの例において、以下に記載されるように、第1のDEP電界は、あるサイズ以上、あるサイズ以下、あるいはサイズのある範囲内の無細胞の核酸を含む、核酸を集中させるか、または単離するのに適切である。いくつかの例では、第2のDEP電界は、あるサイズ以上、あるサイズ以下、あるいはサイズのある範囲内の無細胞の核酸を含む、核酸を集中させるか、あるいは単離するのに適している。第1および第2のDEP電界は、同じまたは異なるサイズの核酸を集中させるか、あるいは単離するように構成することができる。したがって、本明細書に開示される方法およびデバイスは、様々な異なるサイズの核酸を評価するために使用することができる。
【0115】
3つ以上のDEP電界領域を含む実施形態がさらに本明細書に記載され、ここで、電界領域の各々は、少なくとも1つの他の電界領域と同じまたは異なる数で作動するように構成することができる。したがって、上記実施形態は、様々な特性に基づいて、生体サンプル中の様々な物質を集中させるか、あるいは単離することができる。例えば、第1のDEP電界領域は細胞を単離するように構成することができ、第2のDEP電界領域は、500bp以上の無細胞DNAを単離するか、あるいは集中させるように構成することができ、第3のDEP電界領域は、300bp〜500bpの間の無細胞DNAを単離するか、あるいは集中させるように構成することができ、第4のDEP電界領域は、300bp以下の無細胞DNAを単離するか、あるいは集中させるように構成することができる。そのような実施形態のいくつかは、各電界領域内で単離あるいは集中されたDNAの量を定量化することを含む。
【0116】
いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、本明細書に開示されるデバイスの第2のDEP電界領域と同じチャンバ内にある。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域と第2のDEP電界領域は、電極のアレイの同じ領域を占める。
【0117】
いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、本明細書に開示されるデバイスまたは完全に別のデバイスの第2のDEP電界領域とは別のチャンバ内にある。
【0118】
第1のDEP電界領域
いくつかの態様、例えば、高伝導度緩衝液(>100mS/m)において、本明細書に記載される方法は、電極のアレイを含むデバイスに細胞あるいは他の特定の粒子を含む流体を適用する工程と、それによって、第1のDEP電界領域に上記細胞を集中させる工程とを含む。いくつかの態様では、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、細胞あるいは他の粒子物質を含む流体を、電極のアレイを含むデバイスに適用し、それにより、第1のDEP電界領域において細胞を集中させることができる。その後あるいは同時に、第2、あるいは任意の第3および第4のDEP領域は、核酸などの生体分子を含む他の流体成分を収集あるいは単離することができる。
【0119】
第1のDEP電界領域は、流体から細胞を集中させるのに適した任意の電界領域であり得る。この用途について、その細胞は通常、電極のアレイの近くに集中する。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は誘電泳動低電界領域である。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は誘電泳動高電界領域である。いくつかの態様、例えば、低伝導度緩衝液(<100mS/m)において、本明細書に記載される方法は、電極のアレイを含むデバイスに細胞を含む流体を適用する工程と、それによって、第1のDEP電界領域に上記細胞あるいは他の粒子物質を集中させる工程とを含む。
【0120】
いくつかの態様では、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、電極のアレイを含むデバイスに細胞あるいは他の粒子物質を含む流体を適用する工程と、第1のDEP電界領域において細胞を集中させる工程とを含む。様々な実施形態では、第1のDEP電界領域は、流体から細胞を集中させるのに適切な任意の電界領域であり得る。いくつかの実施形態において、細胞は電極のアレイに上で集中される。いくつかの実施形態において、細胞は誘電泳動高電界領域において捕捉される。いくつかの実施形態において、細胞は誘電泳動低電界領域において捕捉される。高電界対低電界の捕捉は通常、流体の導電率に依拠し、ここで、通常、交差点は約300−500mS/mの間である。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、約300mS/mよりも大きな流体導電率で実施された誘電泳動低電界領域である。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、約300mS/mよりも小さな流体導電率で実施された誘電泳動低電界領域である。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、約300mS/mよりも大きな流体導電率で実施された誘電泳動高電界領域である。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、約300mS/mよりも小さな流体導電率で実施された誘電泳動高電界領域である。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、約500mS/mよりも大きな流体導電率で実施された誘電泳動低電界領域である。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、約500mS/mよりも小さな流体導電率で実施された誘電泳動低電界領域である。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、約500mS/mよりも大きな流体導電率で実施された誘電泳動高電界領域である。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、約500mS/mよりも小さな流体導電率で実施された誘電泳動高電界領域である。
【0121】
いくつかの実施形態において、第1の誘電泳動電界領域は交流によって作られる。交流は、細胞を集中させるのに適切な、任意の電流量、電圧、周波数などを有する。いくつかの実施形態では、第1の誘電泳動電界領域は、0.1マイクロアンペア〜10アンペアのアンペア数、1−50ボルトのピーク−ピーク電圧;および/または、1〜10,000,000Hzの周期数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、5〜25ボルトのピーク−ピーク電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、3〜15kHzの周波数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、1ミリアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、0.1マイクロアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、1マイクロアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、100マイクロアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、500マイクロアンペア〜500ミリアンペアのアンペア数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、1〜25ボルトのピーク−ピーク電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、1〜10ボルトのピーク−ピーク電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、25〜50ボルトのピーク−ピーク電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、10〜1,000,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、10〜100,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、100〜10,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、10,000〜100,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、100,000〜1,000,000Hzの周波数を使用して生成される。
【0122】
いくつかの実施形態において、第1の誘電泳動電界領域は直流によって作られる。直流は、細胞を集中させるのに適切な、任意のアンペア数、電圧、周波数などを有する。いくつかの実施形態では、第1の誘電泳動電界領域は、0.1マイクロアンペア〜1アンペアのアンペア数;10ミリボルト〜10ボルトの電圧;および/または、1ミリ秒〜1000秒のパルス幅、および0.001〜1000Hzのパルス周波数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、1マイクロアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、100マイクロアンペア〜500ミリアンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、1ミリアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、1マイクロアンペア〜1ミリアンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、500ミリ秒〜500秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、500ミリ秒〜100秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、1秒〜1000秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、500ミリ秒〜1秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、0.01〜1000Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、0.1〜100Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、1〜100Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、100〜1000Hzのパルス周波数を使用して生成される。
【0123】
いくつかの実施形態では、流体は細胞型の混合物を含む。例えば、血液は、赤血球および白血球を含む。環境サンプルは、広い濃度範囲の、多くの型の細胞および他の粒子物質を含む。いくつかの実施形態において、1つの細胞型(あるいは、サンプルを含む細胞型の総数より少ない任意の数の細胞型)は、第1のDEP電界において優先的に集中される。限定されないが、この実施形態は、糞便性大腸菌などの特定の環境汚染物に核酸単離手順を集中させるために有益であり、それによって、DNA配列決定を使用して、汚染物質のソースを特定することができる。他の非限定的な実施形態では、第1のDEP電界は、細胞ではなくウイルスを特異的に集中させる(例えば、300mS/mを超える導電率の流体において、ウイルスはDEP高電界領域に集中するが、より大きい細胞は、DEP低電界領域に集中する)ように操作される。
【0124】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、デバイス、あるいはシステムは、特異的な細胞型を単離あるいは分離するのに適している。いくつかの実施形態において、方法、デバイス、あるいはシステムのDEP電界は、特定の細胞型のDEP電界の電界領域への分離あるいは集中を可能にするように特別に調整される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、デバイス、あるいはシステムは、1つを超える電界領域を提供し、ここで、1つを超える型の細胞が単離あるいは集中される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、デバイス、あるいはシステムは、様々な型の細胞の、そのDEP電界領域内への単離あるいは集中を可能にするように調整可能である。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、DEP電界を調整する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるデバイスまたはシステムは、DEP電界を調整することができる。いくつかの例では、そのような調整は、所望の目的に特に適したDEPを提供する際のものであり得る。例えば、アレイ、エネルギー、あるいは別のパラメータの修正は、DEP電界を調整するために随意に利用される。より微細な分解能のための調整パラメータは、電極の直径、電極間の端から端までの距離、電圧、周期数、流体導電率、およびヒドロゲル組成物を含む。
【0125】
いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、電極のアレイの全体を含む。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、電極のアレイの一部を含む。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は、電極のアレイの約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約25%、約20%、あるいは約10%を含む。いくつかの実施形態において、第1のDEP電界領域は電極のアレイの約三分の一を含む。
【0126】
第2のDEP電界領域
第2のDEP電界領域は、第1のDEP電界領域と同じまたは異なるように構成することができる。上記のように、第2のDEP電界領域は、第1のDEP電界領域と同じまたは異なる高分子および細胞の構成要素を単離するか、あるいは集中させるように構成することができる。これらは、無細胞DNAおよびDNA断片を含むDNA、RNA、ヌクレオソーム、エキソソーム、細胞外小胞、タンパク質、細胞膜断片、ミトコンドリア、あるいは細胞小胞を含む、高分子および細胞の構成要素を含む。
【0127】
いくつかの態様では、第1のDEP電界領域および第2のDEP電界領域は、同じ型の高分子あるいは細胞の構成要素の異なるサブセットを単離するか、集中させるように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1のDEP電界領域は、第1のサイズまたはサイズの第1の範囲の第1の高分子または第1の細胞の構成要素を単離するか、あるいは集中させるように構成することができ、ならびに、第2のDEP電界領域は、第1のサイズまたはサイズの第2の範囲の第1の高分子あるいは第1の細胞の構成要素を単離するか、あるいは集中させるように構成することができる。一実施例では、第1のDEP電界領域は、300−500bpの間の無細胞DNAを単離するか、あるいは集中させるように構成することができる、ならびに、第2のDEP電界領域は、300bp未満の無細胞DNAを単離するか、あるいは集中させるように構成することができる。したがって、複数の電界領域を使用して、同じ型の高分子または細胞の構成要素のサブセット間を区別することができる。例示的な利点では、複数の電界領域の使用は、同じ型の高分子または細胞の構成要素の1つ以上のサブセットの定量化を可能にすることもできる。
【0128】
一態様では、(以下に提供される)細胞の溶解後、本明細書に記載される方法は、第2のDEP電界領域において核酸を集中させる工程を含む。他の態様では、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、第2のDEP電界領域において核酸を集中させることができる。いくつかの実施形態において、第2のDEP電界領域は、核酸を集中させるのに適した任意の電界領域である。いくつかの実施形態において、核酸は電極のアレイ上に集中される。いくつかの実施形態において、第2のDEP電界領域は誘電泳動高電界領域である。第2のDEP電界領域は、随意に、第1のDEP電界領域と同じである。
【0129】
いくつかの実施形態において、第2の誘電泳動電界領域は交流によって作られる。いくつかの実施形態において、交流は、核酸を集中させるのに適した、任意の電流量、電圧、周波数などを有する。いくつかの実施形態では、第2の誘電泳動電界領域は、0.1マイクロアンペア〜10アンペアのアンペア数、1−50ボルトのピーク−ピーク電圧;および/または、1〜10,000,000Hzの周期数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、0.1マイクロアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、1マイクロアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、100マイクロアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、500マイクロアンペア〜500ミリアンペアのアンペア数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、1〜25ボルトのピーク−ピーク電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、1〜10ボルトのピーク−ピーク電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、25〜50ボルトのピーク−ピーク電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、10〜1,000,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、10〜100,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、100〜10,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、10,000〜100,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、100,000〜1,000,000Hzの周波数を使用して生成される。
【0130】
いくつかの実施形態において、第2の誘電泳動電界領域は直流によって作られる。直流は、核酸を集中させるのに適した任意のアンペア数、電圧、周波数などを有する。いくつかの実施形態では、第2の誘電泳動電界領域は、0.1マイクロアンペア〜1アンペアの電流量;10ミリボルト〜10ボルトの電圧;および/または、1ミリ秒〜1000秒のパルス幅、および0.001〜1000Hzのパルス周波数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、5〜25ボルトのピーク−ピーク電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、3〜15kHzの周波数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、2ミリアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、1マイクロアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、100マイクロアンペア〜500ミリアンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、1ミリアンペア〜1アンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、1マイクロアンペア〜1ミリアンペアのアンペア数を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、500ミリ秒〜500秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、500ミリ秒〜100秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、1秒〜1000秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、500ミリ秒〜1秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、0.01〜1000Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、0.1〜100Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、1〜100Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、第2のDEP電界領域は、100〜1000Hzのパルス周波数を使用して生成される。
【0131】
いくつかの実施形態において、第2のDEP電界領域は、電極のアレイの全体を含む。いくつかの実施形態において、第2のDEP電界領域は、電極のアレイの一部を含む。いくつかの実施形態において、第2のDEP電界領域は、電極のアレイの約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約25%、約20%、あるいは約10%を含む。いくつかの実施形態において、第2のDEP電界領域は電極のアレイの約三分の一を含む。
【0132】
核酸の単離
一態様では、流体から核酸を単離するための方法が本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、核酸は無細胞の核酸である。いくつかの実施形態において、流体から無細胞の核酸を単離するための方法が本明細書に開示され、上記方法は:a.電極のアレイを含むデバイスに流体を適用する工程;b.第1のAC動電学的(例えば、誘電泳動)電界領域において複数の細胞物質を集中させる工程;c.第2のAC動電学的(例えば、誘電泳動)電界領域において核酸を単離する工程;および、d.細胞物質を洗い流す工程を含む。いくつかの例では、残留細胞物質は低電界領域の近くに集中させられる。いくつかの実施形態において、残留物質はデバイスから洗い流され、および/または核酸から洗い流される。いくつかの実施形態において、核酸は第2のAC動電学的電界領域に集中させられる。
【0133】
いくつかの実施形態において、核酸は、最初は細胞内にある。図3に見られるように、方法は、いくつかの例において、高電界領域の近くに細胞を集中させる工程を含む。いくつかの実施形態において、細胞を含む流体から核酸を単離するための方法が本明細書で開示され、上記方法は:a.電極のアレイを含むデバイスに流体を適用する工程;b.第1のAC動電学的(例えば、誘電泳動)電界領域において複数の細胞を集中させる工程;c.第2のAC動電学的(例えば、誘電泳動)電界領域で核酸を単離する工程;および、d.細胞を洗い流す工程を含む。いくつかの例では、細胞は高電界領域において溶解される。溶解後、核酸は高電界領域内に残り、および/または高電界領域において集中させられる。いくつかの例では、残留細胞物質は低電界領域の近くに集中させられる。いくつかの実施形態において、残留物質はデバイスから洗い流され、および/または核酸から洗い流される。いくつかの実施形態において、核酸は第2のAC動電学的電界領域に集中させられる。
【0134】
一態様では、細胞または他の粒子物質を含む流体から核酸を単離するための方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態において、核酸は細胞(例えば、流体中の無細胞DNA)内にはない。いくつかの実施形態において、細胞または他の粒子物質を含む流体から核酸を単離するための方法が本明細書で開示され、上記方法は:a.電極のアレイを含むデバイスに流体を適用する工程;b.第1のAC動電学的(例えば、誘電泳動)電界領域において複数の細胞を集中させる工程;c.第2のAC動電学的(例えば、誘電泳動)電界領域で核酸を単離する工程;および、d.細胞を洗い流す工程を含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、細胞を洗い流した後に、残留タンパク質を分解する工程をさらに含む。図4は、細胞を含む流体から細胞外核酸を単離するための例示的な方法を示す。いくつかの実施形態において、細胞は低電界領域上あるいはその近くに集中し、ならびに、核酸は、高電界領域上あるいはその近くに集中する。いくつかの例では、細胞はデバイスから洗い流され、および/または核酸から洗い流される。
【0135】
一態様では、本明細書に記載される方法、システム、およびデバイスは、細胞または他の粒子物質を含む流体から核酸を単離する。一態様では、誘電泳動は細胞を集中させるために使用される。いくつかの実施形態では、流体は、液体、随意に水もしくは水溶液、または分散液である。いくつかの実施形態において、流体は体液を含む任意の適切な流体である。典型的な体液は、血液、血清、血漿、胆汁、乳汁、脳脊髄液、胃液、射精液、粘液、腹水、唾液、汗、涙、尿などを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、医学的な治療または診断の手順、デバイス、またはシステムの一部として、本明細書に記載される方法、システム、またはデバイスを使用して、体液から単離される。いくつかの実施形態では、流体は、流体中に可溶化および/または分散した、組織および/または細胞である。例えば、組織は、核酸が本明細書に記載される方法、デバイス、またはシステムを使用して単離することができる癌腫瘍であり得る。
【0136】
いくつかの実施形態において、流体は水である。
【0137】
いくつかの実施形態において、流体は他の粒子物質をさらに含み得る。そのような粒子物質は、例えば、封入体(例えば、セロイドまたはマロリー体)、細胞円柱(例えば、顆粒円柱、硝子円柱、細胞円柱、蝋様円柱、および偽円柱)、ピック体、レーヴィ体、神経原線維変化、筋原繊維形成、細胞残屑、および他の粒子物質であってもよい。いくつかの実施形態では、粒子物質は凝集タンパク質(例えば、ベータアミロイド)である。
【0138】
流体は、高いまたは低い導電率を含む任意の導電率を有し得る。いくつかの実施形態では、導電率は、約1μS/m〜約10mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は、約10μS/m〜約10mS/mである。他の実施形態では、導電率は、約50μS/m〜約10mS/mである。さらに他の実施形態では、導電率は、約100μS/m〜約10mS/m、約100μS/m〜約8mS/m、約100μS/m〜約6mS/m、約100μS/m〜約5mS/m、約100μS/m〜約4mS/m、約100μS/m〜約3mS/m、約100μS/m〜約2mS/m、および約100μS/m〜約1mS/mである。
【0139】
いくつかの実施形態では、導電率は約1μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約10μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約100μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約1mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約2mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約3mS/mである。さらに他の実施形態では、導電率は約4mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約5mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約10mS/mである。さらに別の実施形態では、導電率は約100mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約1S/mである。他の実施形態において、導電率は約10S/mである。
【0140】
いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも1μS/mである。まだ他の実施形態では、導電率は少なくとも10μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも100μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも1mS/mである。さらなる実施形態では、導電率は少なくとも10mS/mである。まだ他の実施形態では、導電率は少なくとも100mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも1S/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも10S/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で1μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で10μS/mである。他の実施形態では、導電率は最大で100μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で1mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で10mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で100mS/mである。さらに他の実施形態では、導電率は最大で1S/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で10S/mである。
【0141】
いくつかの実施形態において、流体は、10ml未満を含む小量の液体である。いくつかの実施形態において、流体は8ml未満である。いくつかの実施形態において、流体は5ml未満である。いくつかの実施形態において、流体は2ml未満である。いくつかの実施形態において、流体は1ml未満である。いくつかの実施形態において、流体は500μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は200μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は100μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は50μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は10μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は5μl未満である。いくつかの実施形態では、流体は1μl未満である。
【0142】
いくつかの実施形態では、デバイスに適用される、または方法において使用される、流体の量は、約100,000,000未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、約10,000,000未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、約1,000,000未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、約100,000未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、約10,000未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は、約1,000未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は無細胞である。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるデバイス、システム、および方法を用いる、細胞または他の粒子物質を含む流体からの核酸の単離は、約30分未満、約20分未満、約15分未満、約10分未満、約5分未満、または約1分未満の時間を要する。他の実施形態において、本明細書に記載されたデバイス、システム、および方法を用いる、細胞または他の粒子物質を含む流体からの核酸の単離は、30分以下、約20分以下、約15分以下、約10分以下、約5分以下、約2分以下、または約1分以下の時間を要する。さらなる実施形態では、本明細書に記載されたデバイス、システム、および方法を用いる、細胞または他の粒子物質を含む流体からの核酸の単離は、約15分未満、好ましくは約10分未満、または約5分未満の時間を要する。
【0144】
いくつかの例では、細胞外DNA、無細胞DNA断片、あるいは他の核酸(外部の細胞)は、細胞または他の粒子物質を含む流体から単離される。いくつかの実施形態では、流体は細胞を含む。いくつかの実施形態では、流体は細胞を含まない。
【0145】
細胞溶解
一態様では、第1の電泳動電界領域中の細胞を集中させた後、方法は、細胞から核酸を遊離する方法を含む。他の態様では、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、細胞から核酸を遊離することができる。いくつかの実施形態において、核酸は、第1のDEP電界領域の細胞から遊離される。
【0146】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、細胞を溶解することにより、複数の細胞から核酸を遊離する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、細胞を溶解することにより複数の細胞から核酸を遊離することができる。細胞溶解の1つの方法は、アレイ上の細胞の単離後に細胞に直流を印加する工程を含む。直流は、細胞を溶解するのに適した、任意の適切なアンペア数、電圧などを有する。いくつかの実施形態では、電流は、約1ボルト〜約500ボルトの電圧を有する。いくつかの実施形態では、電流は、約10ボルト〜約500ボルトの電圧を有する。いくつかの実施形態では、電流は、約10ボルト〜約250ボルトの電圧を有する。さらに他の実施形態では、電流は、約50ボルト〜約150ボルトの電圧を有する。高電界は膜の完全性を損なうため、電圧は一般に、細胞溶解のドライバーである。
【0147】
いくつかの実施形態において、溶解に使用される直流は、細胞を溶解するのに適した任意の持続時間、周期数などを有する1つ以上のパルスを含む。いくつかの実施形態において、約100ボルトの電圧は、細胞を溶解するために約1ミリ秒間印加される。いくつかの実施形態において、約100ボルトの電圧は、第2のソース上に2あるいは3回印加される。
【0148】
いくつかの実施形態において、直流の周期数は、ボルト/cm、パルス幅、および流体導電率に依存する。いくつかの実施形態において、パルスは、約0.001〜約1000Hzの周波数を有する。いくつかの実施形態において、パルスは、約10〜約200Hzの周波数を有する。他の実施形態において、パルスは、約.01Hz〜1000Hzの周期数を有する。さらに他の実施形態において、パルスは、約0.1Hz〜1000Hz、約1Hz〜1000Hz、約1Hz〜500Hz、約1Hz〜400Hz、約1Hz〜300Hz、あるいは約1Hz〜約250Hzの周期数を有する。いくつかの実施形態では、パルスは、約0.1Hzの周波数を有する。いくつかの実施形態では、パルスは、約1Hzの周波数を有する。さらに他の実施形態では、パルスは、約5Hz、約10Hz、約50Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、あるいは約1000Hzの周波数を有する。
【0149】
他の実施形態では、パルスは、約1ミリ秒(ms)〜1000秒(s)の持続時間を有する。いくつかの実施形態において、パルスは、約10ms〜1000sの持続時間を有する。さらに他の実施形態では、パルスは、約100ms〜1000s、約1s〜1000s、約1s〜500s、約1s〜250s、あるいは1s〜150sの持続時間を有する。いくつかの実施形態において、パルスは、約1ms、約10ms、約100ms、約1s、約2s、約3s、約4s、約5s、約6s、約7s、約8s、約9s、約10s、約20s、約50s、約100s、約200s、約300s、約500s、あるいは約1000sの存続時間を有する。いくつかの実施形態において、パルスは、10〜50%のデューティサイクルを有する0.2〜200Hzの周波数を有する。
【0150】
いくつかの実施形態において、直流は、1回のパルスあるいは複数のパルスとして印加される。約1〜20のパルスを含む、任意の適切な数のパルスが適用され得る。約1ミリ秒〜1000秒を含む、パルス間の任意の適切な時間がある。いくつかの実施形態では、パルスの持続期間は、.01〜10秒である。
【0151】
いくつかの実施形態において、細胞は、単離細胞に印加された直流と組み合わせた他の方法を使用して溶解される。さらに他の実施形態では、細胞は直流を使用せずに溶解される。様々な態様では、デバイスおよびシステムは、他の手段と組み合わせた直流を用いて細胞を溶解することができるか、あるいは、直流を使用せず細胞を溶解することができる場合がある。限定されないが、化学溶解剤(例えば、酸)、酵素溶解剤、熱、圧力、剪断力、音響エネルギー、浸透圧ショック、あるいはそれらの組み合わせの適用を含む、当業者に既知の細胞溶解の任意の方法が適切であり得る。リゾチームは酵素溶解剤の一例である。
【0152】
残留物質の除去
いくつかの実施形態において、第2のDEP電界領域で標的とされた細胞物質を集中させた後、方法は、標的とされた細胞物質から残留物質を随意に洗い流す工程を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるデバイスまたはシステムは、標的とされた細胞物質から残留物質を洗い流すのに適している流体を含むリザーバーを随意に含むことができる。いくつかの実施形態において、標的とされた細胞物質は、電極に電圧を印加し続けることにより、第2のDEP電界領域などの電極のアレイの近くで保持される。「残留物質」とは、流体中に元々存在するもの、細胞中に元々存在するもの、手順の間に添加されるもの、限定されないが、細胞(つまり、残留細胞物質)の溶解を含むプロセスの任意の工程を通じて作成されたものなどである。例えば、残留物質は、非溶解細胞、細胞壁断片、タンパク質、脂質、炭水化物、無機質、塩、緩衝液、血漿、および望ましくない核酸を含む。いくつかの実施形態において、溶解した細胞物質は、溶解時に複数の細胞から遊離された残留タンパク質を含む。標的とされた細胞物質のすべてが第2のDEP電界に集中するとは限らない場合がある。いくつかの実施形態では、一定量の標的とされた細胞物質は、残留物質を用いて洗い流される。
【0153】
いくつかの実施形態では、残留物質は、任意の適切な流体、例えば、水、TBE緩衝液などで洗い流される。いくつかの実施形態では、残留物質は、任意の適切な量の流体で洗い流されるか、任意の適切な時間洗い流されるか、1を超える流体を用いて洗い流されるか、または他の任意のバリエーションである。いくつかの実施形態では、残留物質を洗い流す方法は、標的とされた細胞物質の単離の望ましいレベルに関し、高純度の標的とされた細胞物質は、より厳重な洗い流しおよび/または洗浄を必要とする。他の実施形態において、残留物質を洗い流す方法は、特定の出発物質およびその組成物に関する。いくつかの例では、脂質が多い出発物質は、脂質を可溶化するのに適した疎水性流体を伴う、洗い流し手順を必要とする。
【0154】
いくつかの実施形態では、方法は、残留タンパク質を含む残留物質を分解する工程を含む。いくつかの実施形態では、デバイスまたはシステムは、残留タンパク質を含む残留物質を分解することができる。例えば、タンパク質は、1つ以上の化学分解(例えば、酸加水分解)および酵素分解により分解される。いくつかの実施形態では、酵素分解剤はプロテアーゼである。他の実施形態において、タンパク質分解剤はプロテイナーゼKである。残留物質の分解の随意の工程は、任意の適切な時間、温度などで実施される。いくつかの実施形態では、分解された残留物質(分解タンパク質を含む)は、核酸から洗い流される。
【0155】
いくつかの実施形態では、残留物質を分解するために使用される薬剤は、不活性化または分解される。いくつかの実施形態では、デバイスまたはシステムは、残留物質を分解するために使用される薬剤を分解または不活性化することができる。いくつかの実施形態では、残留物質を分解するために使用される酵素は、熱(例えば、50〜95°Cで5〜15分間)により不活性化される。例えば、プロテアーゼ(例えば、プロテイナーゼK)を含む酵素は、熱(一般的には、15分、70°C)を使用して分解および/または不活性化される。残留タンパク質が酵素により分解されるいくつかの実施形態では、方法は、タンパク質の分解後に、分解酵素(例えば、プロテイナーゼK)を不活性化する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、熱は、デバイス中の加熱モジュールにより提供される(例えば、30〜95℃の温度範囲)。
【0156】
方法の特定の工程の順序および/または組み合わせは、変更可能である。いくつかの実施形態では、デバイスまたは方法は、任意の順序または組み合わせで、特定の工程を実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、残留物質および分解タンパク質は、別の工程または同時の工程で洗い流される。すなわち、残留物質が洗い流され、その後、残留タンパク質が分解され、次に、核酸から分解されたタンパク質が洗い流される。いくつかの実施形態において、最初に残留タンパク質を分解し、その後、組み合わされた工程で核酸から残留物質と分解タンパク質の両方を洗い流す。
【0157】
いくつかの実施形態において、標的とされた細胞物質はデバイス中で保持され、PCR、あるいは、核酸を操作または増幅する他の手順などのさらなる手順で随意に使用される。いくつかの実施形態において、デバイスおよびシステムは、PCRあるいは他の任意の手順を実施することができる。他の実施形態において、標的とされた細胞物質は、デバイスから収集および/または溶離される。いくつかの実施形態において、デバイスならびにシステムは、デバイスまたはシステムから標的とされた細胞物質を採取および/または溶離することができる。いくつかの実施形態において、単離された細胞物質は、(i)第2の誘電泳動電界領域をオフにすること;および、(ii)溶離剤中のアレイから物質を溶離することにより収集される。典型的な溶離剤は、水、TE、TBE、およびL−ヒスチジン緩衝液を含む。
【0158】
核酸およびその収率
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、デバイス、あるいはシステムは、そのような方法、デバイス、あるいはシステムから得られ得るあらゆる所望の核酸を入手、単離、または分離するために随意に利用される。本明細書に記載される方法、デバイス、およびシステムにより単離された核酸は、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)、およびこれらの組み合わせを含む。DNAは無細胞DNAとDNA断片を含み得る。いくつかの実施形態では、核酸は、配列決定に適した形態、または増幅、ライゲーション、あるいはクローニングを含む核酸のさらなる操作に適切な形態で単離される。
【0159】
いくつかの実施形態において、単離、分離、または捕捉された核酸は、そのサイズに基づいて選択的あるいは優先的に単離、分離、または捕捉されるDNA断片を含む。いくつかの実施形態において、選択的あるいは優先的に単離、分離、または捕捉されるDNA断片は、250−600bp、250−275bp、275−300bp、300−325bp、325−350bp、350−375bp、375−400bp、400−425bp、425−450bp、450−475bp、475−500bp、500−525bp、525−550bp、550−575bp、575−600bp、300−400bp、400−500bp、および/または300−500bp長さである。いくつかの実施形態において、選択的あるいは優先的に単離、分離、または捕捉されるDNA断片は、600−700bp、700−800bp、800−900bp、900−1000bp、1−2kbp、2−3kbp、3−4kbp、4−5kbp、5−6kbp、6−7kbp、7−8kbp、8−9kbp、または9−10kbpである。いくつかの実施形態において、選択的あるいは優先的に単離、分離、または捕捉されるDNA断片は、300、400、500、600、700、800、900、あるいは1000bpサイズよりも大きい。
【0160】
いくつかの実施形態において、DNA断片は無細胞DNA断片である。
【0161】
様々な実施形態において、単離あるいは分離された核酸は、少なくとも99質量%の他の物質を含まず、少なくとも99質量%の残留細胞物質(例えば、核酸が得られる溶解された細胞からの)を含まず、少なくとも98質量%の他の物質を含まず、少なくとも98質量%の残留細胞物質を含まず、少なくとも95質量%の他の物質を含まず、少なくとも95質量%の残留細胞物質を含まず、少なくとも90質量%の他の物質を含まず、少なくとも90質量%の残留細胞物質を含まず、少なくとも80質量%の他の物質を含まず、少なくとも80質量%の残留細胞物質を含まず、少なくとも70質量%の他の物質を含まず、少なくとも70質量%の残留細胞物質を含まず、少なくとも60質量%の他の物質を含まず、少なくとも60質量%の残留細胞物質を含まず、少なくとも50質量%の他の物質を含まず、少なくとも50質量%の残留細胞物質を含まず、少なくとも30質量%の他の物質を含まず、少なくとも30質量%の残留細胞物質を含まず、少なくとも10質量%の他の物質を含まず、少なくとも10質量%の残留細胞物質を含まず、少なくとも5質量%の他の物質を含まず、少なくとも5質量%の残留細胞物質を含まない、核酸を含む組成物である。
【0162】
様々な実施形態において、核酸は任意の適切な純度を有する。例えば、DNA配列決定の手順が約20%の残留細胞物質を有する核酸サンプルで機能し得る場合、80%までの核酸の単離が適切である。いくつかの実施形態では、単離された核酸は、約80質量%未満、約70質量%未満、約60質量%未満、約50質量%未満、約40質量%未満、約30質量%未満、約20質量%未満、約10質量%未満、約5質量%未満、あるいは約2質量%未満の非核酸細胞物質および/またはタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸は、約99質量%を超える、約98質量%を超える、約95質量%を超える、約90質量%を超える、約80質量%を超える、約70質量%を超える、約60質量%を超える、約50質量%を超える、約40質量%を超える、約30質量%を超える、約20質量%を超える、または約10質量%を超える核酸を含む。
【0163】
核酸は、未修飾の形態、誘導体化された形態、断片化された形態、断片化されていない形態などの任意の適切な形態で単離される。いくつかの実施形態では、核酸は配列決定に適切な形態で収集される。いくつかの実施形態では、核酸は、ショットガン・シークエンシング法、増幅、または他の操作に適切な断片化された形態で収集される。核酸は、例えば、合成方法による配列決定で使用されるようなヌクレオチドなどの、DNA配列決定手順で使用される試薬を含む溶液において、デバイスから収集されてもよい。
【0164】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、出発サンプルの核酸のほぼ典型である単離された核酸を結果としてもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、出発サンプルの核酸のほぼ典型であるサンプルから核酸を単離することができる。すなわち、方法により収集される、あるいは、デバイスまたはシステムにより収集することができる核酸の集団は、流体中の細胞に存在する核酸の集団に実質的に比例する。いくつかの実施形態では、本態様は、流体が、多くの細胞型の複合混合物であり、開業医が、様々な細胞型の関連する集団を判定するための核酸に基づく手順を望む用途において効果的である。
【0165】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法を使用して単離された、あるいは、本明細書に記載されるデバイスによって単離され得る核酸は高品質であり、および/または、DNA配列決定などの下流の手順、PCRなどの核酸増幅、あるいはライゲーション、クローニング、またはさらなる翻訳または形質転換アッセイなどの他の核酸操作で直接使用するのに適している。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で0.01%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で0.5%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で0.1%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で1%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で2%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で3%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で4%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、収集された核酸は、最大で5%のタンパク質を含む。
【0166】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法によって単離された、あるいは、本明細書に記載されるデバイスによって単離され得る核酸は、少なくとも0.5ng/mLの濃度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法によって単離された、あるいは、本明細書に記載されるデバイスによって単離され得る核酸は、少なくとも1ng/mLの濃度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法によって単離された、あるいは、本明細書に記載されるデバイスによって単離され得る核酸は、少なくとも5ng/mLの濃度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法によって単離された、あるいは、本明細書に記載されるデバイスによって単離され得る核酸は、少なくとも10ng/mLの濃度を有する。
【0167】
いくつかの実施形態において、約50ピコグラムの核酸は、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスを使用して、約5,000の細胞から単離される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも10ピコグラムの核酸を生じさせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも20ピコグラムの核酸を生じさせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも50ピコグラムの核酸を生じさせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも75ピコグラムの核酸を生じさせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも100ピコグラムの核酸を生じさせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも200ピコグラムの核酸を生じさせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも300ピコグラムの核酸を生じさせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも400ピコグラムの核酸を生じさせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも500ピコグラムの核酸を生じさせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも1,000ピコグラムの核酸を生じさせる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、あるいはデバイスは、約5,000の細胞から少なくとも10,000ピコグラムの核酸を生じさせる。
【0168】
アッセイおよびアプリケーション
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって単離された核酸を随意に増幅する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、PCR反応は、電極のアレイ上あるいはそのアレイの近くで、あるいはデバイス内で行われる。いくつかの実施形態において、デバイスまたはシステムは、サーモサイクリングに適切なヒーターおよび/または温度制御機構を含む。
【0169】
PCRは、2つの効率的な熱伝導性要素(例えば、アルミニウムまたは銀)の間に反応化学分析物を配置すること、および、TECを使用して反応温度を調節することにより、従来のサーモサイクリングを使用して随意に行われる。さらなる設計は、ガラスまたは熱ポリマーのような透過性材料を介する赤外線加熱を随意に使用する。いくつかの例では、設計は、基板を介して網状に繋げられた導電配線を含むスマートポリマーまたはスマートガラスを使用する。この導電配線は、材料の迅速な熱伝導を可能にし、および、(適切なDC電圧を印加することにより)効率的なPCR反応を持続させるために必要とされる温度変化と温度勾配をもたらす。ある例では、加熱は、抵抗性チップヒーター、および温度を急速に、かつ通過する電流の量に比例して変化させる他の抵抗素子を使用して適用される。
【0170】
いくつかの実施形態において、従来の蛍光光度法(ccd、pmt、他の光学検出器、および光学フィルター)と共に使用され、増幅倍数(fold amplification)はリアルタイムで、あるいは時間間隔をおいてモニタリングされる。ある例では、最終的な増幅倍数の定量化は、AFU(倍化を分析するための相互に関連する任意の蛍光単位)に変換される光学的検出を介して報告されるか、あるいは、インピーダンス測定または他の電気化学的感知を介して電気信号に変換される。
【0171】
微小電極アレイの小さなサイズを考慮すると、これらの要素は微小電極アレイの周囲に随意に追加され、PCR反応は主なサンプル処理チャンバ(DEPアレイ上)で実施され、あるいは、増幅される分析物は、流体カートリッジ内の別のチャンバへとフルイディックスによって随意に運ばれて、オンカートリッジを可能にする。
【0172】
ラボオンチップ手順
いくつかの例では、光送達スキームは、光の励起および/または発光、および/または、増幅倍数の検出を提供するために利用される。特定の実施形態では、これは、外部の構成要素を使用する必要をなくすための光導波管として、フローセル材料(アクリル(PMMA)環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)等のような熱のポリマー)を使用することを含む。加えて、いくつかの例では、光源−発光ダイオード−LED、垂直共振器面発光レーザ−VCSEL、および他の照明スキームは、フローセルの内部で直接統合され、または微小電極アレイ表面上に直接構築されて、内部制御され動力が供給された光源を有する。小型のPMT、CCD、またはCMOS検出器もフローセルへと組み込むことができる。この最小化および小型化は、類似する従来のデバイス(すなわち、標準的なベンチトップPCR/QPCR/蛍光測定器)のフットプリントを低減させつつ、迅速な信号送達および検出が可能なコンパクトなデバイスを可能にする。
【0173】
オンチップ増幅
いくつかの例では、シリコン微小電極アレイは、PCRに必要な熱サイクルに耐えることができる。いくつかの適用では、少量の標的核酸が移行工程中に失われる可能性があるので、オンチップPCRは有利である。本明細書に記載されるデバイス、システム、またはプロセスの特定の実施形態では、複数のPCR技術の任意の1つ以上が随意に使用され、そのような技術は、以下のいずれか1つ以上を随意に含む:フローセルにおける直接的な熱サイクリング;様々な温度帯を有するマイクロチャネルを通って物質を移動させること;および、システム上で増幅され得るか、PCR機械に移され得るPCR管へ量を移動させること。いくつかの例では、出口が不混和性流体を含むT字路と界面安定化剤(界面活性剤など)を含む場合に、液滴PCRが実施される。ある実施形態では、液滴は任意の適切な方法によって熱サイクルされる。
【0174】
いくつかの実施形態において、増幅は、等温反応、例えば、転写増幅法、核酸配列ベース増幅、RNA技術のシグナル媒介性増幅、SDA法(strand displacement amplification)、ローリングサークル増幅、DNAのLAMP法、等温MDA法(isothermal multiple displacement amplification)、ヘリカーゼ依存性増幅、単一プライマー等温増幅、あるいは環状ヘリカーゼ依存増幅(circular helicase−dependent amplification)を使用して実施される。
【0175】
様々な実施形態において、増幅は、均質溶液で、あるいはアンカードプライマー(anchored primer)を有する不均一系(heterogeneous system )として実施される。後者のいくつかの実施形態において、結果として生じるアンプリコンは、より高い多重度のために表面に直接連結される。いくつかの実施形態において、アンプリコンを変性することで、電極上あるいはその電極の近くに単鎖産物を与える。その後、ハイブリダイゼーション反応は、一塩基多型(SNP)、短いタンデム反復(STR)、突然変異、挿入/欠失、メチル化などの、遺伝子情報調べるために任意に実施される。メチル化は並行分析によって随意に決定され、ここで、1つのDNAサンプルはバイサルファイト処理され、1つはバイサルファイト処理されていない。バイサルファイトは、未修飾のCを脱プリン化してUにする。メチル化Cは、いくつかの例において影響を受けない。いくつかの実施形態において、対立遺伝子特異的塩基伸長が、対象の塩基を報告するために使用された。
【0176】
特定の相互作用ではなく、表面は、捕捉のための非特異的部分で随意に修飾される。例えば、表面は、ポリカチオン(つまり、ポリリシン)で修飾され、逆バイアス(‐V)によって遊離することができるDNA分子を捕捉することができる。いくつかの実施形態において、表面への修飾は、表面にわたって均一であるか、あるいは電極領域または非電極領域を機能化するために特異的にパターン化される。ある実施形態では、これは、フォトリソグラフィー、電気化学的活性化、スポッティングなどを用いて遂行される。
【0177】
いくつかの用途では、チップは複数の領域を含む場合があり、各領域は、特定のサイズあるいは異なるサイズのDNA断片を捕捉するように構成される。チップ領域は、選択的に様々な領域の様々なサイズの断片を捕捉するために、電圧、アンペア数、周期数、ピッチ、電極の直径、ウェルの深さ、あるいは他の要因に対して時々変化することがある。いくつかの実施形態において、各領域は複数の電極のアレイを含む。
【0178】
様々な実施形態において、デバイスまたは領域は、順次にあるいは平行に実行される。いくつかの実施形態において、複数のチップ設計を使用して、収集された物質のサイズ範囲を狭くし、バンドパスフィルターを作る。いくつかの例では、現在のチップの幾可学的形状(例えば、200umの中心間のピッチの直径80umの電極(80/200))は500bpの遮断フィルターとして機能する(例えば、約10Vppおよび10kHzの電圧および周波数の条件を使用して)。そのような例では、500bpを越える核酸が捕捉され、500bp未満の核酸は捕捉されない。代替の電極直径およびピッチの幾可学的形状は、チップの組み合わせが所望の断片サイズを提供するように、異なる遮断サイズを有する。いくつかの例では、100umの中心間ピッチの直径40umの電極(40/100)はより低い遮断閾値を有するが、400umの中心間ピッチ上の直径160umの電極(160/400)は、同様の条件下で、80/200の幾可学的形状に対してより高い遮断閾値を有する。様々な実施形態において、シングルチップまたは複数のチップ上の幾可学的形状は、特定のサイズの断片または粒子を選択するために組み合わせられる。例えば、600bpの遮断チップは、溶液中に600bp未満の核酸を残し、その後、その物質は、500bpの遮断チップ(600bpのチップに対向している)で随意に再捕捉される。これにより、500−600bpからなる核酸集団が溶液中に残る。その後、この集団は、同じチャンバ、サイドチャンバー、あるいは他の構成で随意に増幅される。いくつかの実施形態において、サイズ選択は、単一の電極形状を使用して遂行され、ここで、>500bpの核酸は電極上で単離され、その後、洗浄され、その後、<600bpの核酸を遊離するために、ACEK高電界の強度(電圧、周期数、導電率の変化)を低減することにより、500−600bpの上清核酸集団を結果としてもたらす。いくつかの実施形態において、デバイスは、250−600bp、250−275bp、275−300bp、300−325bp、325−350bp、350−375bp、375−400bp、400−425bp、425−450bp、450−475bp、475−500bp、500−525bp、525−550bp、550−575bp、575−600bp、300−400bp、400−500bp、および/または300−500bp長さの核酸断片を選択的に捕捉するように構成される。
【0179】
いくつかの実施形態において、チップデバイスは、温度勾配カラムを作る下端でヒーターと垂直に配向される。ある例では、底部は変性温度であり、中部はアニーリング温度であり、上部は伸長温度である。いくつかの例では、対流が断続的にプロセスを駆動する。いくつかの実施形態において、電熱による流動(electrothermal flows)およびプロセスの加速を特にもたらす電極設計を含む、方法またはシステムが本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、そのような設計が、同じデバイス上、あるいは適切に配置された別々のデバイス上に随意にある。いくつかの例では、上部での能動冷却あるいは受動冷却は、フィンまたはファン(fins or fans)などによって急な温度勾配をもたらす。いくつかの例では、本明細書に記載されるデバイスまたはシステムは、デバイス上の、あるいは反応チャンバのモニター温度中の温度センサを備えるか、または本明細書に記載された方法は上記センサを使用し、そのようなセンサは、フィードバック方式で温度を調節するために任意に使用される。いくつかの例では、そのようなセンサは、様々な熱転写特性を有する材料と結合され、連続的および/または不連続的勾配プロファイルを作成する。
【0180】
いくつかの実施形態において、増幅は一定温度で進行する(つまり、等温増幅)。
【0181】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示されるような単離された核酸を配列決定する工程を含む。いくつかの実施形態において、核酸はサンガーシーケンシングあるいは次世代シーケンシング(NGS)によって配列決定される。いくつかの実施形態において、次世代シーケンシング方法は、限定されないが、パイロシークエンシング、イオン半導体シーケンシング、ポロニー配列決定、ライゲーションシーケンシング、DNAナノボールシーケンシング、ライゲーションシーケンシング、あるいは一分子シーケンシングを含む。
【0182】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される単離された核酸は、サンガーシーケンシングにおいて使用される。いくつかの実施形態において、サンガーシーケンシングは、核酸単離(ラボオンチップ(Lab−on−Chip))と同じデバイス内で行われる。サンプルの準備のためのラボオンチップのワークフローおよびサンガーシーケンシングの結果は、以下の工程を組み込む:a)ACEチップを使用するサンプル抽出;b)標的配列のオンチップ増幅の実施;c)ACEによるPCR産物の捕捉;d)標的鎖を濃縮するためのサイクルシークエンスの実施;e)濃縮された標的鎖の捕捉;f)サンガー連鎖停止反応の実施;オンチップ多色蛍光検出を用いるキャピラリー電気泳動による、標的配列の電気泳動分離の実施。必要に応じて、核酸の洗浄、試薬の添加、および電圧を切ることが実施される。反応は、複数の捕捉ゾーンを有するシングルチップ上で、別々のチップおよび/または反応チャンバ上で実施することができる。
【0183】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、核酸上で反応を実施する(例えば、DNAあるいはRNAの断片化、制限分解、ライゲーション)工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるように、反応は、アレイ上あるいはその近くで、またはデバイス内で生じる。
【0184】
他のアッセイ
本明細書に開示される単離された核酸は、様々なアッセイフォーマットで利用され得る。例えば、核酸プローブまたはアンプリコンと共に扱われるデバイスは、ドットブロット分析または逆ドットブロット分析、塩基スタッキング一塩基多型(SNP)分析、電子的なストリンジェンシー(electronic stringency)を用いる分析において、またはSTR分析において利用されてもよい。加えて、本明細書に開示されるそのようなデバイスは、例えば、酵素的な報告を用いる遺伝子発現解析、固定された核酸増幅などの酵素的な核酸修飾、あるいはタンパク質−核酸相互作用のためのフォーマット、または、制限エンドヌクレアーゼ切断、endo−ヌクレアーゼまたはexo−ヌクレアーゼ切断、小溝結合タンパク質アッセイ、ターミナルトランスフェラーゼ反応、ポリヌクレオチドキナーゼもしくはホスファターゼ反応、リガーゼ反応、トポイソメラーゼ反応、および他の核酸の結合もしくは修飾タンパク質反応を含む、固相フォーマットに適した他の核酸修飾などのためのフォーマットで利用されてもよい。
【0185】
加えて、本明細書で開示されるデバイスは、免疫学的アッセイに有用であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスの位置は、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ、あるいは他のフォーマットにより体液サンプル中の抗体を分析するために、抗原(例えば、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、プロテオグリカン、糖タンパク質など)と関連付けられる場合がある。代替的に、デバイスの位置は、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ、または他のアッセイフォーマットにより、サンプル中の抗原を検出するために、抗体と共に扱われることもある。実験法あるいはpH/電荷の計算によって抗体およびタンパク質の等電点を極めて容易に決定することができるので、デバイスの電子アドレッシング(electronic addressing)と電子濃度の利点は、電子アドレッシングされた種あるいは分析種(analyte species)が帯電するように、緩衝液のpHを単に調節することによって利用することができる。
【0186】
いくつかの実施形態では、単離された核酸は、免疫学的アッセイ型のアレイまたは核酸アレイにおける使用に有用である。
【0187】
定義および略語
冠詞「a」、「an」および「the」は非限定的である。例えば、「方法」は、句の意味の最も広い定義を含み、1つを超える方法であり得る。
【0188】
「Vp−p」はピーク−ピーク電圧である。
【0189】
「TBE」は、トリス塩基(Tris base)、ホウ酸、およびEDTAの混合物を含む緩衝溶液である。
【0190】
「TE」は、トリス塩基およびEDTAの混合物を含む緩衝溶液である。
【0191】
「L−ヒスチジン緩衝液」は、L−ヒスチジンを含む溶液である。
【0192】
「DEP」は誘電泳動の略語である。
【実施例】
【0193】
実施例1:チップ構造
【0194】
200umの中心間のピッチの、45x20カスタム80μm直径の環状白金微小電極アレイは、前の結果(下記の文献1−3を参照)に基づいて作られた。900の微小電極すべてがともに活性化され、交流バイアスされて、市松模様の電界の幾何学的形状(checkerboard field geometry)を形成する。正のDEP領域が、微小電極上に直接生じ、負の低電界領域が微小電極間に生じる。アレイは200nm−500nmの厚さの多孔性のポリ−Hemaヒドロゲル層でオーバーコーティングされ(手順:PolySciences Inc.から購入したエタノール原液中の12%のpHemaを、エタノールを使用して5%に希釈する。スピンコーターを使用して、70uLの5%の溶液を上記チップ上で6K RPMの回転速度で回転させる。その後、チップ+ヒドロゲル層を60°Cのオーブンに45分間入れる。)、ならびにマイクロ流体カートリッジ内に封入され、アクリル窓でコーティングされた50μLのサンプルチャンバを形成する。微小電極への電気接続部は、フローセルにおけるPCBボードのMolexコネクタからアクセスされる。ファンクションジェネレーター(HP 3245A)は、溶液導電率に応じて、10KHzおよび10−14ボルトのピーク−ピーク電圧で正弦電気信号を提供する。画像は、螢光顕微鏡(Leica)およびEGFPキューブ(485nmの発光バンドパスフィルターおよび525nmの励起バンドパスフィルター)で捕捉した。励起源は、PhotoFluor II 200WのHgアーク灯であった。
【0195】
[1]R. Krishnan, B.D. Sullivan, R.L. Mifflin, S.C. Esener, and M.J. Heller, “Alternating current electrokinetic separation and detection of DNA nanoparticles in high−conductance solutions.”Electrophoresis, vol. 29, pages 1765−1774, 2008.
【0196】
[2]R. Krishnan and M.J. Heller, “An AC electrokinetic method for enhanced detection of DNA nanoparticles.”J. Biophotonics, vol. 2, pages 253−261, 2009.
【0197】
[3]R. Krishnan, D.A. Dehlinger, G.J. Gemmen, R.L. Mifflin, S.C. Esener, and M.J. Heller, “Interaction of nanoparticles at the DEP microelectrode interface under high conductance conditions” Electrochem.Comm., vol. 11, pages 1661−1666, 2009.
【0198】
実施例2:ヒトゲノムDNAの単離
ヒトゲノムDNA(gDNA)をPromega(Promega、Madison、WI)から購入し、それは、20−40kbpの大きさであった。(サイジングゲルは示さず)。gDNAを脱イオン水において以下の濃度へと希釈した:50ナノグラム、5ナノグラム、1ナノグラム、および50ピコグラム。Invitrogen(Life Technologies、Carlsbad、CA)から購入した1xSYBR Green Iの緑色蛍光二本鎖DNA色素を使用して、gDNAを染色した。その後、この混合物を微小電極アレイに挿入し、10kHzの正弦波で1分間、14ボルトのピーク−ピーク電圧(Vpp)で実行した。1分の終わりに、gDNAを視覚化できるように、緑色蛍光フィルター(FITC)を使用して、顕微鏡上で、10倍対物レンズを備えるCCDカメラを用いて微小電極パッドの写真を撮影した(図2)。チップは、50μLの水中の50pgのgDNA(つまり、1ng/mLの濃度)まで同定することができた。さらに、50のピコグラムでは、アレイ上に900の微小電極があるので、各微小電極は、平均して〜60フェムトグラムのDNAを有していた。ACEデバイスの低レベルの濃縮能力は、血漿および血清中のCfc−DNAバイオマーカーを同定するために必要とされる、1−10ng/mLの範囲内である(下記の文献4−6を参照)。
【0199】
[4]T.L. Wu et al, “Cell−free DNA: measurement in various carcinomas and establishment of normal reference range.” Clin Chim Acta., vol. 21, pages 77−87, 2002.
【0200】
[5]R. E. Board et al, “DNA Methylation in Circulating Tumour DNA as a Biomarker for Cancer”, Biomarker Insights, vol. 2, pages 307−319, 2007.
【0201】
[6]O. Gautschi et al, “Circulating deoxyribonucleic Acid as prognostic marker in non−small−cell lung cancer patients undergoing chemotherapy.”J Clin Oncol., vol. 22, pages 4157−4164, 2004.
【0202】
実施例3:GVDを用いたヒドロゲルの形成
GVD Corporation(Cambridge、mA)(www.gvdcorp.comを参照)によって開発された独自のアッセイシステムを使用して、ポリヒドロキシエチルメタクリラート(pHEMA)などをヒドロゲル蒸着によってチップ表面上に積層することもできた。pHEMAなどのヒドロゲルを、様々な厚さ(100、200、300、400nm)で堆積させ、電極チップ上で密度の架橋(5、25、および40%)を、GVD Corporationによって開発された技術を使用して実施した。標準ACEプロトコル(前処置なし、7Vp−p、10KHz、2分、0.5XPBS、Sybr Green 1で標識された500ng/mlのgDNA)を使用して、ヒドロゲルフィルムを試験した。電極上の蛍光を画像化によってキャプチャした。シラン誘導体などの接着促進剤を用いて、微小電極アレイの表面(つまり、パッシベーション層および露出電極)への堆積速度または固着増加(anchoring growth)を変更することにより、プロセスを最適化することもできる。
【0203】
実施例4:開示されたデバイスおよび方法対従来の方法の性能
メーカーのプロトコルに従ってQIAGEN(登録商標)循環核酸精製キット(cat#55114)を使用して、慢性リンパ性白血病(CLL)患者から1mlの血漿を精製した。簡潔に言えば、プロテイナーゼK溶液で1mlの血漿のインキュベーションを60°Cで30分間実施した。その反応物を氷上でクエンチし、全量を真空に接続されたQIAamp Miniカラムに適用した。液体をカラムに通し、3つの異なる緩衝液(それぞれ600−750ul)で洗浄した。カラムを、20,000xgで3分間遠心分離機にかけ、10分間56°Cで焼いて(baked)、余分な液体を取り除いた。サンプルを、20,000xgでの1分間の遠心分離によって、55μlの溶離用緩衝液において溶離した。処理時間の合計は〜2.5時間であった。
【0204】
チップダイ(chip die)のサイズは10×12mmであり、60〜80μmmの直径のPt電極が、180〜200μmの中心間のピッチでそれぞれ存在する。アレイを、5%のpHEMAヒドロゲル層(エタノール溶液からのスパンキャスト(spun cast)6000rpm、Polysciencesの12%のpHEMAストック)でオーバーコーティングした。0.5xPBSを使用して、2V rms、5Hz、15秒間、チップを前処理した。緩衝液を除去し、25μlのCLL患者の血漿を加えた。電源を入れて、DNAを、11Vp−p、10Khzで3分間単離し、その後、100μl/分の流量で500μlのTE緩衝液で洗浄した。電圧を切り、フローセル量をマイクロ遠心チューブに溶離した。処理時間の合計は〜10分であった。
【0205】
同じプロセスを変更することなく、新鮮な全血に適用することができる。全体の希釈されていない血液のDNAを抽出および精製する能力は、本明細書に開示されるチップ技術によって独自に可能になる。
【0206】
メーカーのプロトコルに従ってPicoGreenを使用して、DNA定量化をQiagenおよびチップの溶離液上で実施した。
【0207】
後のゲル電気泳動、PCRおよびサンガーシーケンシング反応は、両方の抽出技術で同様の性能を示し、チップは、血漿と同様に全血も処理することができる。マン・ホイットニーのU検定のノンパラメトリック統計的検定も、Qiagenおよびチップ技術を使用して、血漿から単離されたDNA量の間で実行した。DNA精製のいずれの方法を使用しても、統計的差異はなかった(p<0.05、両側)。
【0208】
【表1】
【0209】
実施例5:複数のバイオマーカーの検出
標準的な手法を使用して、一連の患者の全血サンプルから血漿を単離した。患者のうち数人は健康な対照であり、他の患者は非小細胞肺癌を患っていることがわかっていた。
【0210】
Invitrogen(Life Technologies、Carlsbad、CA)から購入した1xSYBR Green Iの緑色蛍光二本鎖DNA色素を使用して、各サンプル中の無細胞DNA断片を染色した。その後、各混合物を微小電極アレイに挿入し、10kHzの正弦波で1分間、14ボルトのピーク−ピーク電圧(Vpp)で実行した。その後、Alexa Fluor 594に結合したウサギ抗ヒトPD−L1(28−8)抗体でサンプルを染色した。
【0211】
cfDNAを視覚化することができるように青/緑色蛍光フィルター(FITC)を使用し、およびAlexa Fluor 594を画像化するために緑/オレンジ色の蛍光フィルター(TRITC)を使用して、顕微鏡上で、4倍対物レンズを備えるCMOSカメラを用いて、微小電極パッドの写真を撮影した。各サンプルについてcfDNAおよびPD−L1の量を決定し、画像を統合した(図7)。各サンプル中のcfDNAおよびPD−L1の量を、XY散布図上にプロットした(図8)。その結果は、健康な対照のサンプルが、低量のcfDNAおよびPD−L1を含有していたことを示す。これに対して、癌患者のサンプルのほとんどは、cfDNAおよびPD−L1の両方が高かった。驚くべきことに、いくつかのサンプルでは、2つのマーカーのうちの1つのみがレベルの上昇を示した。例えば、1つのサンプルはPD−L1染色が特に高かったが、比較的正常なレベルのcfDNAを有していた。(プロットの右下に菱形で示されたドット)。cfDNAとPD−L1のレベルの両方を同時に検出する能力により、このサンプルが癌患者のものであることを正確に判定することができた。
【0212】
実施例6:健康な患者および癌患者から得られた血漿からの無細胞DNAの単離および定量化
52人の健康な患者および53人の癌患者から血漿サンプルを得た。実施例1に記載されるような本明細書に開示されるデバイス上で、300bpより大きいサイズの無細胞DNA断片を血漿から単離した。DNAをSYBR Green染色を使用して標識し、4倍対物レンズに取り付けられたCMOSセンサを用いて定量化した。その後、無細胞DNAの量を、血漿の1マイクロリットル当たりのピクトグラムで各サンプルについて定量化した。
【0213】
図9は、腺癌、扁平上皮癌、および卵巣癌を患う患者、ならびに健康な対照からのサンプルの結果を示す。図10は、52人の健康な患者および53人の癌患者(肺癌、乳癌、卵巣癌、および膵臓癌)についてのcfDNA濃度の比較を示す。結果は、健康な対照と比較して、癌患者におけるサイズが300bp以上の断片のcfDNA濃度の増加を示す。
【0214】
実施例7:無細胞DNA定量化を用いた治療効果のトラッキング
ニボルマブ(Opdivo)治療を受けているIV期の腺癌を患う2人の患者の処置の過程で、血漿サンプルを得た。上記サンプルを、実施例2に記載されるように処理および分析した。結果は、図11Aおよび図11Bに示される。図11Aにおける患者は、ニボルマブ処置に応答せず(これは、処置の後に、一定のレベルの検出されたcfDNAによって示される)、その後、疾患の進行の兆候を示し始めた。その後、患者にアテゾリズマブ(Tecentriq)を投与し、それに応答した。上記応答は、cfDNA濃度の減少によって示される。その結果は、患者が治療に応答するにつれて、300bpより大きなcfDNAの濃度が減少し、疾患が進行するにつれて、300bpより大きなcfDNAの濃度が増加することを示す。上記図は、Y軸上にng/mLとしてcdDNAの濃度を示し、X軸上に時間を表す。
【0215】
実施例8:RNAの単離および検出
ASPC−1膵癌細胞株培養液の上清を超遠心分離機にかけ、SYTO RNASelectを使用して、インサイチュで染色した。結果として生じる生成物をプールし、様々な濃度(0倍、1倍、および10倍)でLiHep血漿サンプルにスパイクした。その後、上記サンプルを微小電極アレイによって捕捉した。図12Aに示されるように、結果を画像化した。
【0216】
微小電極を使用して、非小細胞肺癌および健康な患者から得られた血漿からRNAも単離した。結果として生じるRNAを、SYTO RNASelectで染色した。その結果を図12Bに示す。
【0217】
実施例9:癌胎児抗原(CEA)の単離および検出
腺癌を患う患者から血漿を得た。その後、微小電極アレイによってサンプルを分析した。ヒトCEAに対する標識抗体を使用して、電極によって収集された、結果として生じる物質を染色した。いくつかのサンプルを、2μg/mLの裸のCEAタンパク質で人工的にスパイクした。結果は、裸のCEAではなく、エキソソーム結合CEAが抗体によって染色されたことを示す(図13)。したがって、その結果は、エキソソーム結合CEAが微小電極によって保持されたことを示す。
【0218】
実施例10:敗血症患者から得られた血漿からの無細胞DNAの単離および定量化
血漿サンプルを、敗血症に苦しむ患者および健康な患者から得た。実施例1に記載されるような本明細書に開示される微小電極デバイス上で、300bpより大きいサイズの無細胞DNA断片を血漿から単離した。DNAをSYBR Green染色を使用して標識し、4倍対物レンズに取り付けられたCMOSセンサを用いて定量化した。その後、無細胞DNAの量を、血漿の1マイクロリットル当たりのピクトグラムで各サンプルについて定量化した。
【0219】
図14は、敗血症患者および健康な対照からのサンプルの結果を示す。図15は、健康な患者と2人の敗血症患者のそれぞれのcfDNA濃度の比較を示す。結果は、健康な対照と比較して、敗血症患者におけるサイズが300bp以上の断片に対するcfDNA濃度の増加を示す。
【0220】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、記載されてきたが、こうした実施形態がほんの一例として提供されているに過ぎないということは当業者にとって明白である。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用され得ることを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法、および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【国際調査報告】