(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021509324
(43)【公表日】20210325
(54)【発明の名称】クラウド分析ネットワークにおけるデータ処理及び優先順位付け
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20210226BHJP
【FI】
   !A61B34/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】93
(21)【出願番号】2020535623
(86)(22)【出願日】20180926
(85)【翻訳文提出日】20200630
(86)【国際出願番号】IB2018057439
(87)【国際公開番号】WO2019130093
(87)【国際公開日】20190704
(31)【優先権主張番号】62/611,339
(32)【優先日】20171228
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/611,340
(32)【優先日】20171228
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/611,341
(32)【優先日】20171228
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/649,315
(32)【優先日】20180328
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/940,706
(32)【優先日】20180329
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所】アメリカ合衆国、プエルトリコ米国自治連邦区、00969 グアイナボ、ロス・フライレス・インダストリアル・パーク、ストリート・シー ナンバー475、スイート 401
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
【住所又は居所】アメリカ合衆国、45242 オハイオ州、シンシナティ、クリーク・ロード 4545
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
【住所又は居所】アメリカ合衆国、45242 オハイオ州、シンシナティ、クリーク・ロード 4545
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
【住所又は居所】アメリカ合衆国、45242 オハイオ州、シンシナティ、クリーク・ロード 4545
(72)【発明者】
【氏名】バコス・グレゴリー・ジェイ
【住所又は居所】アメリカ合衆国、45242 オハイオ州、シンシナティ、クリーク・ロード 4545
(57)【要約】
クラウドベース分析医療システムが開示される。このシステムは、プロセッサと、プロセッサに通信可能に連結されたメモリと、複数の外科用ハブからデータにアクセスするように構成された入力/出力インターフェースと、メモリ内に存在し、データを格納するように構成されたデータベースとを含む。この外科用ハブは、外科用器具及びプロセッサに通信可能に連結される。このメモリは、スクリーニング基準に基づいて外科用ハブによって決定された場合に、外科用ハブから重要なデータを受信するために、プロセッサによって実行可能な命令を格納し、この重要なデータの優先度状態を決定し、メモリ内に存在するクラウド格納場所にこの重要なデータをルーティングし、この重要なデータによって示される動作特性に基づいて、この重要なデータに対する応答を決定するように構成される。応答の時間成分は、その優先度状態に基づいて決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドベース分析医療システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに通信可能に連結された少なくとも1つのメモリと、
複数の外科用ハブからのデータにアクセスするように構成された入力/出力インターフェースであって、該複数の外科用ハブのそれぞれが、少なくとも1つの外科用器具及び該少なくとも1つのプロセッサに通信可能に連結されている、入力/出力インターフェースと、
該少なくとも1つのメモリ内に存在し、該データを格納するように構成されたデータベースと、
を含み、
該少なくとも1つのメモリが、該少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納するように構成されており、これにより、
該複数の外科用ハブから重要なデータを受信することであって、該複数の外科用ハブが、スクリーニング基準に基づいて重要なデータを判定する、ことと、
該重要なデータの優先度状態を決定することと、
該少なくとも1つのメモリ内に存在するクラウド格納場所に、該重要なデータをルーティングすることと、
該重要なデータによって示される動作特性に基づいて該重要なデータに対する応答を決定することであって、該応答の時間成分が、該優先度状態に基づいて決定される、ことと、を行う、クラウドベース分析医療システム。
【請求項2】
前記スクリーニング基準が、重大度、予想外性、不審性、及びセキュリティのうちの1つ又は2つ以上を含む、請求項1に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項3】
前記重大度スクリーニング基準が、周術期デバイス故障の程度と、患者の非標準的な術後処置への移行とを含む、請求項2に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリは更に、前記複数の外科用ハブに前記重要なデータに関する追加データの取得を要求するように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納するよう構成されている、請求項1に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのメモリが更に、複数のトリガ条件に基づいて追加のデータを要求するように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納するよう構成されている、請求項4に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項6】
前記複数のトリガ条件が、所定の予想外性閾値を超えること、前記重要なデータの無認可の改変、安全でないデータ通信、ウォッチリスト上への前記少なくとも1つの外科用器具の配置のうち、1つ又は2つ以上を含む、請求項5に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項7】
前記重要なデータが、前記複数の外科用ハブから集計されたデータを含む、請求項1に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記重要なデータを前記データベースに送信する、請求項1に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項9】
クラウドベース分析システムの該少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、
複数の外科用ハブから重要なデータを受信することであって、該複数の外科用ハブが、スクリーニング基準に基づいて重要なデータを決定し、該複数の外科用ハブのそれぞれが、少なくとも1つの外科用器具及び該少なくとも1つのプロセッサに通信可能に連結されている、ことと、
該重要なデータの優先度状態を決定することと、
該少なくとも1つのプロセッサに連結された少なくとも1つのメモリ内に存在するクラウド格納場所に、該重要なデータをルーティングすることと、
該重要なデータによって示される動作特性に基づいて該重要なデータに対する応答を決定することであって、該応答の時間成分が、該優先度状態に基づいて決定される、ことと、を行う、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記優先度状態は、前記重要なデータがウォッチリスト上に配置された前記少なくとも1つの外科用器具に対応することと、該重要なデータが自動応答に対応することと、該重要なデータが通知応答に対応することと、該重要なデータが緊急応答に対応することのうち、1つ又は2つ以上に基づいて、前記少なくとも1つのプロセッサにより決定される、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記少なくとも1つの外科用器具が、偽造製品、外科用器具の性能の逸脱、及び無認可の使用のうちの1つ又は2つ以上に基づいて、前記ウォッチリスト上に配置される、請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記自動応答が修正及び予防措置応答を含む、請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つのメモリ内のホールドリスト内に前記重要なデータを格納し、該重要なデータの正確さを検証する、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
クラウドベース分析医療システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサに通信可能に連結された少なくとも1つのメモリと、
複数の外科用ハブからのデータにアクセスするように構成された入力/出力インターフェースであって、該複数の外科用ハブのそれぞれが、少なくとも1つの外科用器具及び該少なくとも1つのプロセッサに通信可能に連結されている、入力/出力インターフェースと、
該少なくとも1つのメモリ内に存在し、該データを格納するように構成されたデータベースと、
を含み、
該少なくとも1つのメモリが、該少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納するように構成されており、これにより、
該複数の外科用ハブから重要なデータを受信することであって、該複数の外科用ハブが、スクリーニング基準に基づいて重要なデータを判定する、ことと、
該重要なデータの優先度状態を決定することと、
該少なくとも1つのメモリ内に存在するクラウド格納場所に、該重要なデータをルーティングすることと、
該複数の外科用ハブに、複数のトリガ条件に基づいて該重要なデータに関連する追加のデータを取得するよう要求することと、
該重要なデータ及び追加のデータに対応する不規則性の原因を判定することと、
該不規則性に対する応答を決定することであって、該応答の時間成分が該優先度状態に基づいて決定される、ことと、を行う、クラウドベース分析医療システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記不規則性に対応する前記少なくとも1つの外科用器具に信号を送信することによって、該不規則性に応答し、該信号が、該少なくとも1つの外科用器具の動作ロックアウトを引き起こす、請求項14に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数の外科用ハブに対し、所定の時間にわたって前記追加のデータを取得するよう要求する、請求項14に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数の外科用ハブに対し、所定の医学的事象の発生に基づいて、前記所定の時間にわたって前記追加のデータを取得するよう要求する、請求項16に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサが、所定の時間にわたって、前記不規則性に対応する患者の結果を監視することによって、該不規則性に応答する、請求項14に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記不規則性に対応する前記複数の外科用ハブに信号を送信して修正措置を示すことによって、該不規則性に応答する、請求項14に記載のクラウドベース分析医療システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記重要なデータの集計のために該重要なデータを前記データベースに送信し、該重要なデータは、肯定的な患者結果又は否定的な患者結果に対応するものとして分類される、請求項14に記載のクラウドベース分析医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2018年3月28日出願の「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許仮出願第62/649,315号に対する優先権の利益を主張し、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号、2017年12月28日出願の「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する同第62/611,340号、及び2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する同第62/611,339号に対する優先権の利益を主張し、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本開示は様々な外科用システムに関する。デジタル情報時代において、医療システム及び施設は多くの場合、より新しく改良された技術を利用したシステム又は手技を実施するのが遅れがちである。これは、患者の安全性、及び従来の治療を維持しようとする一般的な要求によるものである。しかしながら多くの場合、医療システム及び施設は、その結果として、他の近隣又は同様に位置する施設との通信及び共有知識を欠く場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者治療を改善するために、医療システム及び施設間の相互接続を改善するのに役立つ方法を見出すことが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般的な一態様では、クラウドベース分析医療システムが提供される。このクラウドベース分析医療システムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に連結された少なくとも1つのメモリと、複数の外科用ハブからのデータにアクセスするように構成された入力/出力インターフェースであって、複数の外科用ハブのそれぞれが、少なくとも1つの外科用器具及び少なくとも1つのプロセッサに通信可能に連結されている、入力/出力インターフェースと、少なくとも1つのメモリ内に存在し、データを格納するように構成されたデータベースと、を含み、少なくとも1つのメモリが、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納するように構成されており、これにより、複数の外科用ハブから重要なデータを受信することであって、複数の外科用ハブが、スクリーニング基準に基づいて重要なデータを判定する、ことと、重要なデータの優先度状態を決定することと、少なくとも1つのメモリ内に存在するクラウド格納場所に、重要なデータをルーティングすることと、重要なデータによって示される動作特性に基づいて重要なデータに対する応答を決定することであって、応答の時間成分が、優先度状態に基づいて決定される、ことと、を行う。
【0006】
別の一般的な一態様では、クラウドベース分析システムの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。この命令はプロセッサによって実行可能であり、これにより、複数の外科用ハブから重要なデータを受信することであって、複数の外科用ハブが、スクリーニング基準に基づいて重要なデータを決定し、複数の外科用ハブのそれぞれが、少なくとも1つの外科用器具及び少なくとも1つのプロセッサに通信可能に連結されている、ことと、重要なデータの優先度状態を決定することと、少なくとも1つのプロセッサに連結された少なくとも1つのメモリ内に存在するクラウド格納場所に、重要なデータをルーティングすることと、重要なデータによって示される動作特性に基づいて重要なデータに対する応答を決定することであって、応答の時間成分が、優先度状態に基づいて決定される、ことと、を行う。
【0007】
更に別の一般的な一態様では、クラウドベース分析医療システムが提供される。このクラウドベース分析医療システムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に連結された少なくとも1つのメモリと、複数の外科用ハブからのデータにアクセスするように構成された入力/出力インターフェースであって、複数の外科用ハブのそれぞれが、少なくとも1つの外科用器具及び少なくとも1つのプロセッサに通信可能に連結されている、入力/出力インターフェースと、少なくとも1つのメモリ内に存在し、データを格納するように構成されたデータベースと、を含み、少なくとも1つのメモリが、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を格納するように構成されており、これにより、複数の外科用ハブから重要なデータを受信することであって、複数の外科用ハブが、スクリーニング基準に基づいて重要なデータを判定する、ことと、重要なデータの優先度状態を決定することと、少なくとも1つのメモリ内に存在するクラウド格納場所に、重要なデータをルーティングすることと、複数の外科用ハブに、複数のトリガ条件に基づいて重要なデータに関連する追加のデータを取得するよう要求することと、重要なデータ及び追加のデータに対応する不規則性の原因を判定することと、不規則性に対する応答を決定することであって、応答の時間成分が優先度状態に基づいて決定される、ことと、を行う。
【図面の簡単な説明】
【0008】
様々な態様の特徴が、添付された特許請求の範囲で詳細に説明される。ただし、機構、及び動作の方法の両方についての様々な態様は、それらの更なる目的及び利点と共に、以降の添付図面と併せて、以下の説明を参照することにより最もよく理解することができる。
【図1】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのブロック図である。
【図2】本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内で外科処置を行うために使用される外科用システムである。
【図3】本開示の少なくとも1つの態様による可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブである。
【図4】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブ筐体、及び外科用ハブ筐体のドロアー内に摺動可能に受容可能な組み合わせ生成器モジュールの部分斜視図である。
【図5】本開示の少なくとも1つの態様による、双極、超音波、及び単極接点、並びに排煙構成要素を備える組み合わせ生成器モジュールの斜視図である。
【図6】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジングの複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。
【図7】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された垂直モジュール式ハウジングを示す。
【図8】本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドに接続するように構成されたモジュール式通信ハブを備える外科用データネットワークを示す。
【図9】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムを示す。
【図10】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える外科用ハブを示す。
【図11】本開示の少なくとも1つの態様による、ユニバーサルシリアルバス(USB)ネットワークハブ装置の一態様を示す。
【図12】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの制御システムの論理図を示す。
【図13】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された制御回路を示す。
【図14】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路を示す。
【図15】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された順序論理回路を示す。
【図16】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を実行するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。
【図17】本開示の少なくとも1つの態様による、本明細書で説明される外科用ツールを操作するように構成されたロボット外科用器具の概略図である。
【図18】本開示の少なくとも1つの態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具のブロック図を示す。
【図19】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を制御するように構成された外科用器具の概略図である。
【図20】本開示の少なくとも1つの態様による、他の利点の中でも、インダクタレス同調を提供するよう構成された発生器の簡略ブロック図である。
【図21】本開示の少なくとも1つの態様による、図20の発生器の形態である、発生器の一実施例を示す。
【図22】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのブロック図である。
【図23】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムの機能アーキテクチャを示すブロック図である。
【図24】本開示の少なくとも1つの態様による、スクリーニング基準を使用して重要なデータを決定し、かつ追加データを得るために外科用ハブに要求をプッシュするようにプログラムされた、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのフロー図である。
【図25】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムにより重要なデータに応答する一態様のフロー図である。
【図26】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムによるデータ格納及び優先順位付けの一態様のフロー図である。
【図27】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブの状況認識を示す時間線である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国仮特許出願第62/649,302号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国仮特許出願第62/649,294号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国仮特許出願第62/649,300号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国仮特許出願第62/649,309号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国仮特許出願第62/649,310号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED−GREEN−BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国仮特許出願第62/649,291号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/649,296号、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国仮特許出願第62/649,333号、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国仮特許出願第62/649,327号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国仮特許出願第62/649,315号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/649,313号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,320号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,307号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,323号。
【0010】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8499USNP/170766、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8499USNP1/170766−1、
・「SURGICAL HUB COORDINATION OF CONTROL AND COMMUNICATION OF OPERATING ROOM DEVICES」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8499USNP2/170766−2、
・「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8499USNP3/170766−3、
・「COOPERATIVE UTILIZATION OF DATA DERIVED FROM SECONDARY SOURCES BY INTELLIGENT SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8499USNP4/170766−4、
・「SURGICAL HUB CONTROL ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8499USNP5/170766−5、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8500USNP/170767、
・「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHARED WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8500USNP1/170767−1、
・「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8500USNP2/170767−2、
・「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8500USNP3/170767−3、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8501USNP/170768、
・「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8501USNP1/170768−1、
・「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8501USNP2/170768−2、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8502USNP/170769、
・「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8502USNP1/170769−1、
・「STERILE FIELD INTERACTIVE CONTROL DISPLAYS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8502USNP2/170769−2、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8503USNP/170770、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED−GREEN−BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8504USNP/170771、
・「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO−CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8504USNP1/170771−1、及び
・「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8504USNP2/170771−2。
【0011】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8506USNP/170773、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8506USNP1/170773−1、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8507USNP/170774、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8507USNP1/170774−1、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR MEDICAL FACILITY SEGMENTED INDIVIDUALIZATION OF INSTRUMENT FUNCTION」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8507USNP2/170774−2、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8508USNP/170775、及び
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8510USNP/170777。
【0012】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8511USNP/170778、
・「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8511USNP1/170778−1、
・「CONTROLS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8511USNP2/170778−2、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8512USNP/170779、
・「CONTROLLERS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8512USNP1/170779−1、
・「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8512USNP2/170779−2、
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8512USNP3/170779−3、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第____________号、代理人整理番号END8513USNP/170780。
【0013】
外科用装置及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち1つ又は2つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0014】
図1を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム100は、1つ又は2つ以上の外科用システム102と、クラウドベースシステム(例えば、格納装置105に連結されたリモートサーバ113を含み得るクラウド104)と、を含む。各外科用システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一実施例では、図1に示すように、外科用システム102は、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成された、可視化システム108と、ロボットシステム110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含む。いくつかの態様では、外科用システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含んでもよく、ここでM、N、O、及びPは1以上の整数である。
【0015】
図3は、外科手術室116内の手術台114上に横たわる患者に対して外科処置を実施するために使用される外科用システム102の一例を示す。ロボットシステム110は、外科処置において外科用システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ122と、を含む。患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開中に、外科医が外科医のコンソール118を介して手術部位を見る間、少なくとも1つの取り外し可能に連結された外科用ツール117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像装置124によって得ることができ、医療用撮像装置124は撮像装置124を配向するために患者側カート120によって操作され得る。ロボットハブ122は、外科医のコンソール118を介して外科医に対するその後の表示のために、手術部位の画像を処理するよう用いることができる。
【0016】
他のタイプのロボットシステムを、外科用システム102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,339号に記載されている。
【0017】
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析の様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国仮特許出願第62/611,340号に記載されている。
【0018】
様々な態様では、撮像装置124は、少なくとも1つの画像センサと1つ又は2つ以上の光学構成要素とを含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
撮像装置124の光学構成要素は、1つ若しくは2つ以上の照明光源及び/又は1つ若しくは2つ以上のレンズを含んでもよい。1つ又は2つ以上の照明光源は、手術野の一部を照明するように方向付けられてもよい。1つ又は2つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0020】
1つ又は2つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギーを放射するように構成され得る。光学スペクトル又は発光スペクトルと呼ばれることもある可視スペクトルは、人間の目に可視の(すなわち、人間の目で検出可能な)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と呼ばれることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm〜約750nmの波長に反応する。
【0021】
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する電磁スペクトルの一部分である(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長)。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波、及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線、及びガンマ線電磁放射線になる。
【0022】
様々な態様では、撮像装置124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉−腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
一態様では、撮像装置は、トポグラフィーと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを用いる。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにわたって特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR及び紫外光を含む特定の波長からの光に感受性の器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色、及び青色の受容体で捕捉することのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、1つの手術作業が完了した後に、処置された組織上で上述の試験の1つ又は2つ以上を実施するために手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
【0024】
いかなる外科手術においても手術室及び外科用器具の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場(surgical theater)」、すなわち手術室又は処置室に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療装置及び機器の最大級の滅菌性を必要とする。その滅菌プロセスの一部は、撮像装置124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性である。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの、微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、又は滅菌野は、外科処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域と見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0025】
様々な態様では、可視化システム108は、図2に示されるように、滅菌野に対して戦略的に配置された1つ又は2つ以上の撮像センサと、1つ又は2つ以上の画像処理ユニットと、1つ又は2つ以上の格納アレイと、1つ又は2つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS、及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
【0026】
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114に位置する操作者に可視であるように、滅菌野内に配置される。加えて、可視化タワー111は、滅菌野の外に位置付けられる。可視化タワー111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ107及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109、及び119を使用して、滅菌野の内側及び外部の操作者に対する情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像装置124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットは、例えば、非滅菌操作者が外科処置に関連する診断工程を実施することを可能にすることができる。
【0027】
一態様では、ハブ106は、滅菌野内で、可視化タワー111に位置する非滅菌操作者によって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌領域内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台に位置する滅菌操作者が見ることができるようにも構成される。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であってもよい。
【0028】
図2を参照すると、外科用器具112は、外科処置において外科用システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号において、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。可視化タワー111の位置で非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、滅菌野内でハブ106によって外科用器具ディスプレイ115に送られてもよく、ここで診断入力又はフィードバックは外科用器具112の操作者によって見られてもよい。外科用システム102と共に用いるのに好適な例示的外科用器具については、例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Surgical Instrument Hardware」の項目、及び「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号で説明されている。
【0029】
ここで図3を参照すると、ハブ106が、可視化システム108、ロボットシステム110、及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と通信している状態で示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及び格納アレイ134を含む。特定の態様では、図3に示すように、ハブ106は、排煙モジュール126及び/又は吸引/灌注モジュール128を更に含む。
【0030】
外科処置中、封止及び/又は切断のため組織へのエネルギー印加は、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注を伴う。異なる供給源からの流体、電力、及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式筐体136は、電力、データ、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
【0031】
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブ筐体と、ハブ筐体のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ生成器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ及び電力接点を含む。組み合わせ生成器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ生成器モジュールは、更に、排煙構成要素と、組み合わせ生成器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体、及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。
【0032】
一態様では、流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブ筐体内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延在する。一態様では、ハブ筐体は、流体インターフェースを備える。
【0033】
特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体136が様々な発生器を収容して、これらの間のインタラクティブ通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式筐体136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
【0034】
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用筐体を提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0035】
上記に加えて、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を更に含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0036】
更に、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを更に含む。
【0037】
図3〜図7を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128と、のモジュール式統合を可能にするハブのモジュール式筐体136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128間のインタラクティブ通信を更に促進する。図5に示すように、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット139内に支持される、統合された単極、双極、及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。図5に示すように、発生器モジュール140は、単極装置146、双極装置147、及び超音波装置148に接続するように構成され得る。あるいは、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136を介して相互作用する一連の単極、双極、及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式筐体136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式筐体136にドッキングされた発生器間のインタラクティブ通信と、を促進するように構成されてもよい。
【0038】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間のインタラクティブ通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
【0039】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128を摺動可能に受容するように構成された、本明細書ではドロアーとも称されるドッキングステーション又はドロアー151を含む。図4は、外科用ハブ筐体136、及び外科用ハブ筐体136のドッキングステーション151に摺動可能に受容可能な組み合わせ生成器モジュール145の部分斜視図を示す。組み合わせ生成器モジュール145の後側に電力及びデータ接点を有するドッキングポート152は、組み合わせ生成器モジュール145がハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151内の位置へと摺動されると、対応するドッキングポート150をハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の電力及びデータ接点と係合するように構成される。一態様では、組み合わせ生成器モジュール145は、図5に示すように、双極、超音波、及び単極モジュールと、単一のハウジングユニット139と共に一体化された排煙モジュールと、を含む。
【0040】
様々な態様では、排煙モジュール126は、捕捉/回収された煙及び/又は流体を手術部位から遠ざけて、例えば、排煙モジュール126へと搬送する流体ライン154を含む。排煙モジュール126から発生する真空吸引は、煙を手術部位のユーティリティ導管の開口部に引き込むことができる。流体ラインに連結されたユーティリティ導管は、排煙モジュール126で終端する可撓管の形態であってもよい。ユーティリティ導管及び流体ラインは、ハブ筐体136内に受容される排煙モジュール126に向かって延在する流体経路を画定する。
【0041】
様々な態様では、吸引/灌注モジュール128は、吸い込み(aspiration)流体ライン及び吸引(suction)流体ラインを含む外科用ツールに連結される。一実施例では、吸い込み及び吸引流体ラインは、手術部位から吸引/灌注モジュール128に向かって延在する可撓管の形態である。1つ又は2つ以上の駆動システムは、手術部位への、及び手術部位からの流体の灌注及び吸い込みを引き起こすように構成され得る。
【0042】
一態様では、外科用ツールは、その遠位端にエンドエフェクタを有するシャフトと、エンドエフェクタに関連付けられた少なくとも1つのエネルギー処置部と、吸い込み管と、灌注管と、を含む。吸い込み管は、その遠位端に入口ポートを有することができ、吸い込み管はシャフトを通って延在する。同様に、灌注管はシャフトを通って延在することができ、かつ、エネルギー送達器具に近接した入口ポートを有することができる。エネルギー送達器具は、超音波及び/又はRFエネルギーを手術部位に送達するように構成され、最初にシャフトを通って延在するケーブルによって発生器モジュール140に連結される。
【0043】
灌注管は流体源と流体連通することができ、吸い込み管は真空源と流体連通することができる。流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128内に収容され得る。一実施例では、流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128とは別にハブ筐体136内に収容され得る。このような実施例では、流体インターフェースは、吸引/灌注モジュール128を流体源及び/又は真空源に接続するように構成され得る。
【0044】
一態様では、モジュール140、126、128及び/又はハブのモジュール式筐体136上のそれらの対応するドッキングステーションは、モジュールのドッキングポートを位置合わせして、ハブのモジュール式筐体136のドッキングステーション内でこれらの対応部品と係合させるように構成された位置合わせ機構を含み得る。例えば、図4に示すように、組み合わせ生成器モジュール145は、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の対応するブラケット156と摺動可能に係合するように構成された側部ブラケット155を含む。ブラケットは協働して、組み合わせ生成器モジュール145のドッキングポート接点をハブのモジュール式筐体136のドッキングポート接点と電気係合させるように誘導する。
【0045】
いくつかの態様では、ハブのモジュール式筐体136のドロアー151はサイズが同じ又は実質的に同じであり、モジュールはドロアー151内に受容されるサイズに調整される。例えば、側部ブラケット155及び/又は156は、モジュールのサイズに応じてより大きくなっても小さくなってもよい。他の態様では、ドロアー151はサイズが異なり、それぞれ特定のモジュールを収容するように設計される。
【0046】
更に、適合しない接点を備えるドロアーにモジュールを挿入することを避けるために、特定のモジュールの接点を、特定のドロアーの接点と係合するように鍵付きにしてもよい。
【0047】
図4に示されるように、1つのドロアー151のドッキングポート150は、通信リンク157を介して別のドロアー151のドッキングポート150に連結されて、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間のインタラクティブ通信を容易にすることができる。あるいは又は更に、ハブのモジュール式筐体136のドッキングポート150は、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の無線インタラクティブ通信を容易にしてもよい。例えば、Air Titan−Bluetoothなどの任意の好適な無線通信を用いてもよい。
【0048】
図6は、外科用ハブ206の複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジング160の複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。横方向モジュール式ハウジング160は、モジュール161を横方向に受容して相互接続するように構成される。モジュール161は、モジュール161を相互接続するためのバックプレーンを含む横方向モジュール式ハウジング160のドッキングステーション162内に摺動可能に挿入される。図6に示すように、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング160内で横方向に配置される。あるいは、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング内で垂直方向に配置されてもよい。
【0049】
図7は、外科用ハブ106の複数のモジュール165を受容するように構成された垂直モジュール式ハウジング164を示す。モジュール165は、モジュール165を相互接続するためのバックプレーンを含む垂直モジュール式ハウジング164のドッキングステーション又はドロアー167内に摺動可能に挿入される。垂直モジュール式ハウジング164のドロアー167は垂直方向に配置されているが、特定の場合では、垂直モジュール式ハウジング164は、横方向に配置されたドロアーを含んでもよい。更に、モジュール165は、垂直モジュール式ハウジング164のドッキングポートを介して互いに相互作用し得る。図7の実施例では、モジュール165の動作に関連するデータを表示するためのディスプレイ177が提供される。加えて、垂直モジュール式ハウジング164は、マスタモジュール178内に摺動可能に受容される複数のサブモジュールを収容するマスタモジュール178を含む。
【0050】
様々な態様では、撮像モジュール138は、内蔵型のビデオプロセッサ及びモジュール式光源を備え、様々な撮像装置と共に使用するように適合されている。一態様では、撮像装置は、光源モジュール及びカメラモジュールと共に組み立てることが可能なモジュール式ハウジングで構成される。ハウジングは、使い捨て式ハウジングであってもよい。少なくとも1つの実施例では、使い捨て式ハウジングは、再利用可能なコントローラ、光源モジュール、及びカメラモジュールと取り外し可能に連結される。光源モジュール及び/又はカメラモジュールは、外科処置の種類に応じて選択的に選択することができる。一態様では、カメラモジュールはCCDセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはCMOSセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールは走査されたビームの撮像用に構成される。同様に、光源モジュールは、外科処置に応じて白色光又は異なる光を送達するように構成することができる。
【0051】
外科処置中に、手術野から外科用装置を除去して異なるカメラ又は異なる光源を含む別の外科用装置と交換することは非効率的であり得る。手術野の視野を一時的に喪失することは、望ましからぬ結果をもたらし得る。本開示のモジュール撮像装置は、手術野から撮像装置を除去する必要なく、外科処置中に光源モジュール又はカメラモジュール中間体(midstream)の交換を可能にするように構成される。
【0052】
一態様では、撮像装置は、複数のチャネルを含む管状ハウジングを備える。第1のチャネルは、第1のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得るカメラモジュールを摺動可能に受容するように構成されている。第2のチャネルは、第2のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得る光源モジュールを摺動可能に受容するように構成されている。別の実施例では、カメラモジュール及び/又は光源モジュールは、これらの対応するチャネル内の最終位置へと回転させることができる。スナップ嵌め係合の代わりにねじ係合が採用されてもよい。
【0053】
様々な実施例で、複数の撮像装置が、複数の視野を提供するために手術野内の様々な位置に位置決めされる。撮像モジュール138は、最適な視野を提供するために撮像装置間を切り替えるように構成することができる。様々な態様では、撮像モジュール138は、異なる撮像装置からの画像を統合するように構成することができる。
【0054】
本開示と共に使用するのに好適な様々な画像プロセッサ及び撮像装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「COMBINED SBI AND CONVENTIONAL IMAGE PROCESSOR」と題する2011年8月9日発行の米国特許第7,995,045号に記載されている。更に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SBI MOTION ARTIFACT REMOVAL APPARATUS AND METHOD」と題する2011年7月19日発行の米国特許第7,982,776号は、画像データからモーションアーチファクトを除去するための様々なシステムについて記載している。こうしたシステムは、撮像モジュール138と一体化され得る。更に、「CONTROLLABLE MAGNETIC SOURCE TO FIXTURE INTRACORPOREAL APPARATUS」と題する2011年12月15日公開の米国特許出願公開第2011/0306840号、及び「SYSTEM FOR PERFORMING A MINIMALLY INVASIVE SURGICAL PROCEDURE」と題する2014年8月28日公開の米国特許出願公開第2014/0243597号は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
図8は、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドベースシステム(例えば格納装置205に連結されたリモートサーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203は更に、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供するために、ローカルコンピュータシステム210に連結することができる。外科用データネットワーク201は、受動的、インテリジェント、又は切替式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェントな外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェントな外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0056】
手術室に配置されるモジュール式装置1a〜1nは、モジュール式通信ハブ203に連結されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、装置1a〜1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。装置1a〜1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。装置1a〜1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術室に位置するモジュール式装置2a〜2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、装置2a〜2mをクラウド204に接続することができる。装置2a〜2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。装置2a〜2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
【0057】
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数の装置1a〜1n/2a〜2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科処置中に、装置1a〜1n/2a〜2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、装置1a〜1n/2a〜2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式装置の中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギーベースの外科用装置に連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、格納アレイ134、ディスプレイに連結された外科用装置、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
【0058】
一態様では、外科用データネットワーク201は、装置1a〜1n/2a〜2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ(複数可)、ネットワークスイッチ(複数可)、及びネットワークルータ(複数可)との組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結された装置1a〜1n/2a〜2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、共有コンピューティングリソースに依存することは理解されるであろう。用語「クラウド」は「インターネット」の隠喩として用いられ得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、用語「クラウドコンピューティング」は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために用いることができ、この場合、サーバ、格納装置、及びアプリケーションなどの様々なサービスは、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的、又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつインターネットを介してモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続された装置に送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上の手術室内に位置する装置1a〜1n/2a〜2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置によって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実行することができる。ハブハードウェアは、複数の装置又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及び格納装置と通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0059】
装置1a〜1n/2a〜2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的成果の改善、コスト低減、及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a〜1n/2a〜2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病状を特定するために、装置1a〜1n/2a〜2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。これは、組織及び表現型の位置特定及びマージン確認を含む。撮像装置と一体化された様々なセンサ、及び複数の撮像装置によってキャプチャされた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を特定するために、装置1a〜1n/2a〜2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、装置1a〜1n/2a〜2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入、及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析することができる。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に採用してもよく、標準化されたアプローチを使用することは、外科治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0060】
一実装態様では、手術室装置1a〜1nは、ネットワークハブに対する装置1a〜1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介してモジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャスト装置として実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置する装置1a〜1nに接続性を提供する。ネットワークハブ207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ207は、装置データを転送するための任意の媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(MAC/IP)は格納しない。装置1a〜1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関する経路選択テーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体、及びクラウド204上のリモートサーバ213(図9)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0061】
別の実装形態では、手術室装置2a〜2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術室内に位置する装置2a〜2mをネットワークに接続するためのマルチキャスト装置である。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置2a〜2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するために装置2a〜2mのMACアドレスを格納かつ使用する。
【0062】
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結される。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、装置1a〜1n/2a〜2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室、又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケット形態のデータをクラウド204に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
【0063】
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSB装置をホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線又は無線能力を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置する装置1a〜1nと装置2a〜2mとの間の通信のために使用されてもよい。
【0064】
他の実施例では、手術室装置1a〜1n/2a〜2mは、固定及びモバイル装置から短距離にわたってデータを交換し(2.4〜2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。他の態様では、手術室装置1a〜1n/2a〜2mは、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリー)、IEEE 802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、並びにEv−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi−Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev−DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
【0065】
モジュール式通信ハブ203は、手術室装置1a〜1n/2a〜2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、装置1a〜1n/2a〜2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載される数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによってこのデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
【0066】
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンの装置として使用されてもよく、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術室装置1a〜1n/2a〜2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
【0067】
図9は、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム200は、多くの点で外科用システム102と類似する1つ又は2つ以上の外科用システム202を含む。各外科用システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置などの複数の手術室装置に接続されたモジュール式制御タワー236を備える。図10に示されるように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。図9の実施例に例示するように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結された撮像モジュール238、エネルギー装置241に連結された発生器モジュール240、排煙モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、格納アレイ234、任意でディスプレイ237に連結されたスマート装置/器具235、及び非接触センサモジュール242に連結される。手術室装置は、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータ格納装置に連結される。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。中でもとりわけ、装置/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載される有線又は無線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、装置/器具ディスプレイ、及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、画像及びオーバーレイ画像と共にモジュール式制御タワーに接続された装置から受信したデータを表示してもよい。
【0068】
図10は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続装置などのモジュール式通信ハブ203と、例えば局所処理、可視化、及び撮像を提供するためのコンピュータシステム210と、を備える。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続できるモジュール(例えば、装置)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送することができる。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチのそれぞれは、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続される。クラウド204への通信は、有線又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
【0069】
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を使用して、手術室の寸法を測定し、また超音波又はレーザ型非接触測定装置のいずれかを使用して手術現場のマップを生成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室を走査し、ここでセンサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成される。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信し、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整することによって手術室を走査する。
【0070】
コンピュータシステム210は、プロセッサ244とネットワークインターフェース245とを備える。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、格納装置248、メモリ249、不揮発性メモリ250、及び入力/出力インターフェース251に連結される。システムバスは、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、周辺装置相互接続(PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(PCMCIA)、小型計算機システム・インターフェース(SCSI)、又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるがこれらに限定されない任意の様々な利用可能なバスアーキテクチャを用いる、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含む任意のいくつかのタイプのバス構造(複数可)のうちのいずれかであってもよい。
【0071】
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、及び/又は、1つ若しくは2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ若しくは2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットアナログ−デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex−M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0072】
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC 61508及びISO 26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0073】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに格納される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM、又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0074】
コンピュータシステム210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータ格納媒体、例えばディスクストレージなどを含む。ディスクストレージとしては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS−60ドライブ、フラッシュメモリカード、又はメモリスティックのようなデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスクストレージは、格納媒体を、独立して、又はコンパクトディスクROM装置(CD−ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD−Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD−RWドライブ)、若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD−ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない他の格納媒体との組み合わせで含むことができる。ディスク格納装置のシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
【0075】
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザーと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられる。ディスクストレージ上に格納され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御する及び割り当てるように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスクストレージ上のいずれかに格納されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0076】
ユーザーは、I/Oインターフェース251に連結された入力デバイス(複数可)を介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力する。入力デバイスとしては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライト・ディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の入力デバイスは、インターフェースポート(複数可)を介し、システムバスを通してプロセッサに接続する。インターフェースポート(複数可)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、及びUSBが挙げられる。出力デバイス(複数可)は、入力デバイス(複数可)と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、またコンピュータシステムからの情報を出力デバイスに出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力デバイスの中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタなどのいくつかの出力デバイスが存在することを示すために提供される。出力アダプタとしては、例示としてのものであり限定するものではないが、出力デバイスとシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられる。遠隔コンピュータ(複数可)などの他の装置及び/又は装置のシステムは、入力機能及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
【0077】
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータ(複数可)などの1つ若しくは2つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータ(複数可)は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置、又は他の一般的なネットワークノードなどであり得、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータ(複数可)と共にメモリ格納装置のみが示される。遠隔コンピュータ(複数可)は、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE 802.3、Token Ring/IEEE 802.5などが挙げられる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク、並びにデジタル加入者回線(DSL)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0078】
様々な態様では、図10のコンピュータシステム210、図9〜図10の撮像モジュール238、及び/又は可視化システム208、及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(SIMD)、又は複数命令複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを使用して速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実行することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0079】
通信接続(複数可)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのために通信接続はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続はコンピュータシステム210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部技術及び外部技術が挙げられる。
【0080】
図11は、本開示の一態様による、USBネットワークハブ300装置の一態様の機能ブロック図を示す。図示した態様では、USBネットワークハブ装置300は、Texas Instruments製TUSB2036集積回路ハブを採用する。USBネットワークハブ300は、USB2.0規格に準拠する、上流USB送受信ポート302及び最大3つの下流USB送受信ポート304、306、308を提供するCMOS装置である。上流USB送受信ポート302は、差動データプラス(DP0)入力とペアリングされた差動データマイナス(DM0)入力を含む差動ルートデータポートである。3つの下流USB送受信ポート304、306、308は、各ポートが差動データマイナス(DM1〜DM3)出力とペアリングした差動データプラス(DP1〜DP3)出力を含む差動データポートである。
【0081】
USBネットワークハブ300装置は、マイクロコントローラの代わりにデジタル状態マシンを備えて実装され、ファームウェアのプログラミングを必要としない。完全準拠したUSB送受信機が、上流USB送受信ポート302及び全ての下流USB送受信ポート304、306、308の回路に統合される。下流USB送受信ポート304、306、308は、ポートに取り付けられた装置の速度に応じてスルーレートを自動的に設定することによって、最高速度及び低速の装置の両方をサポートする。USBネットワークハブ300装置は、バスパワーモード又はセルフパワーモードのいずれかで構成されてもよく、電力を管理するためのハブパワー論理312を含む。
【0082】
USBネットワークハブ300装置は、シリアルインターフェースエンジン310(SIE)を含む。SIE 310は、USBネットワークハブ300ハードウェアのフロントエンドであり、USB仕様書の第8章に記載されているプロトコルの大部分を取り扱う。SIE 310は、典型的には、トランザクションレベルまでのシグナリングを理解する。これが取り扱う機能としては、パケット認識、トランザクションの並べ替え、SOP、EOP、RESET、及びRESUME信号の検出/生成、クロック/データ分離、非ゼロ復帰逆転(NRZI)データ符号化/復号及びビットスタッフィング、CRC生成及びチェック(トークン及びデータ)、パケットID(PID)の生成、及びチェック/復号、並びに/又はシリアル・パラレル/パラレル・シリアル変換が挙げられ得る。310はクロック入力314を受信し、ポート論理回路320、322、324を介して上流USB送受信ポート302と下流USB送受信ポート304、306、308との間の通信を制御するためにサスペンド/レジューム論理並びにフレームタイマー316回路及びハブリピータ回路318に連結される。SIE 310は、シリアルEEPROMインターフェース330を介してシリアルEEPROMからコマンドを制御するためのインターフェース論理を介してコマンドデコーダ326に連結される。
【0083】
様々な態様では、USBネットワークハブ300は、最大6つの論理層(階層)内に構成された127個の機能を単一のコンピュータに接続することができる。更に、USBネットワークハブ300は、通信及び電力分配の両方を提供する標準化された4本のワイヤケーブルを使用して全ての周辺機器に接続することができる。電力構成は、バスパワーモード及びセルフパワーモードである。USBネットワークハブ300は、個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるバスパワーハブ、及び個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるセルフパワーハブの、電力管理の4つのモードをサポートするように構成されてもよい。一態様では、USBケーブル、USBネットワークハブ300を使用して、上流USB送受信ポート302はUSBホストコントローラにプラグ接続され、下流USB送受信ポート304、306、308はUSBに互換性のある装置を接続するために露出される、といった具合である。
【0084】
外科用器具のハードウェア
図12は、本開示の1つ又は2つ以上の態様による、外科用器具又はツールの制御システム470の論理図を示す。システム470は制御回路を備える。制御回路は、プロセッサ462及びメモリ468を備えるマイクロコントローラ461を含む。例えば、センサ472、474、476のうちの1つ又は2つ以上が、プロセッサ462にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータドライバ492によって駆動されるモータ482は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に連結して、Iビームナイフ要素を駆動する。追跡システム480は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を決定するように構成されている。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を決定するようにプログラム又は構成され得るプロセッサ462に提供される。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖管の移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ473は、器具の様々な動作条件を表示し、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含んでもよい。ディスプレイ473上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイさせることができる。
【0085】
一態様では、マイクロコントローラ461は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ若しくは2つ以上のPWMモジュール、1つ若しくは2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex−M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0086】
一態様では、マイクロコントローラ461は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC 61508及びISO 26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0087】
マイクロコントローラ461は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実行するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ461は、プロセッサ462及びメモリ468を含む。電動モータ482は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的連結部を備えたブラシ付き直流(DC)モータであってもよい。一態様では、モータ駆動器492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータ駆動器を、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480で使用するために容易に置き換えることができる。絶対位置決めシステムの詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
【0088】
マイクロコントローラ461は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。マイクロコントローラ461は、マイクロコントローラ461のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ、これが実際のフィードバックの判定に用いられる。観測された応答は、シミュレーションによる応答の滑らかで連続的な性質と、測定による応答とのバランスを取る好適な調整された値であり、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
【0089】
一態様では、モータ482は、モータ駆動器492によって制御されてもよく、外科用器具又はツールの発射システムによって使用され得る。様々な形態において、モータ482は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。別の構成において、モータ482はブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータを含んでよい。モータ駆動器492は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジ駆動器を備えてもよい。モータ482は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドルアセンブリ又はツールハウジングに解除可能に装着された電源アセンブリによって給電され得る。電源アセンブリは、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を含んでもよい。特定の状況下では、電源アセンブリの電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源アセンブリに連結可能かつ電源アセンブリから分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0090】
モータ駆動器492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941 492は、特にブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するためのフルブリッジコントローラである。駆動器492は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を用いて高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、レジスタで調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータ駆動器を、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に置換することができる。
【0091】
追跡システム480は、本開示の一態様による位置センサ472を備える制御されたモータ駆動回路構成を備える。絶対位置決めシステム用の位置センサ472は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供する。一態様では、変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。他の態様では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る発射部材を表す。更に別の態様では、変位部材は、発射バー又はIビームを表し、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る。それに応じて、本明細書で使用する場合、変位部材という用語は、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具又はツールの任意の移動可能な部材を総称して指すために使用される。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに連結される。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡することができる。様々な他の態様では、変位部材は、直線変位を測定するのに好適な任意の位置センサ472に連結されてもよい。したがって、長手方向可動駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに連結され得る。直線変位センサは、接触式又は非接触式変位センサを含んでよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformers、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducers、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0092】
電動モータ482は、変位部材上の駆動歯のセット又はラックと噛合係合で装着されるギアアセンブリと動作可能にインターフェースする回転式シャフトを含んでもよい。センサ素子は、位置センサ472素子の1回転が、変位部材のいくらかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に連結されてもよい。ギアリング及びセンサ機構を、ラックピニオン機構によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示することができる。変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するために、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表す。
【0093】
位置センサ472に付随するセンサ素子の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当し、d1は、変位部材に連結したセンサ素子が1回転した後で、変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ機構は、位置センサ472が変位部材のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して接続されてもよい。位置センサ472は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
【0094】
位置センサ472の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1より大きい整数である)が、単独で用いられても、ギアの減速との組み合わせで用いられてもよい。スイッチの状態はマイクロコントローラ461にフィードバックされ、マイクロコントローラ461は論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を判定する。位置センサ472の出力はマイクロコントローラ461に提供される。センサ機構の位置センサ472は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
【0095】
位置センサ472は、例えば、磁界の全磁界又はベクトル成分を測定するか否かに基づいて分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために用いられる技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいる。磁界の感知に用いられる技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサが挙げられる。
【0096】
一態様では、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480の位置センサ472は、磁気回転絶対位置決めシステムを備える。位置センサ472は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ472は、マイクロコントローラ461と連携して絶対位置決めシステムを提供する。位置センサ472は、低電圧低電力の構成要素であり、磁石の上方に位置する位置センサ472の領域に、4つのホール効果素子を含む。更に、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラがチップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法(digit-by-digit method)及びボルダーアルゴリズム(Volder's algorithm)としても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(CORDIC)プロセッサが設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ461に伝送される。位置センサ472は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ472は、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0097】
絶対位置決めシステムを備える追跡システム480は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源が、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ472によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサ(複数化)が設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサ(複数可)としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ機構を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを用いて、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れる。
【0098】
絶対位置決めシステムは、モータ482が単に前方又は後方に経たステップの数をカウントして装置アクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供する。
【0099】
例えば歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ474は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができる、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成される。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。センサ474の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ476が、閉鎖駆動システムによってアンビルに加えられる閉鎖力を測定することができる。例えば、負荷センサなどのセンサ476は、外科用器具又はツールの発射ストローク中にIビームに加えられる発射力を測定することができる。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭利な切刃を含む。あるいは、モータ482による電流引き込みを測定するために、電流センサ478を用いることができる。発射部材を前進させるのに必要な力は、例えば、モータ482によって引き込まれる電流に相当し得る。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。
【0100】
一形態では、歪みゲージセンサ474を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。治療される組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに連結することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に印加される力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成された微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ474を備える。一態様では、歪みゲージセンサ474は、クランプ動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は大きさを測定することができ、これは組織の圧縮を示すことができる。測定された歪みはデジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ461のプロセッサ462に提供される。負荷センサ476は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を操作するのに用いられる力を測定することができる。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために用いることができる。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。
【0101】
センサ474、476によってそれぞれ測定される、組織の圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ461によって使用することができる。一例では、メモリ468は、評価の際にマイクロコントローラ461によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを格納することができる。
【0102】
外科用器具又はツールの制御システム470はまた、図8〜図11に示されるようにモジュール式通信ハブと通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。
【0103】
図13は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された制御回路500を示す。制御回路500は、本明細書に説明される様々なプロセスを実装するように構成することができる。制御回路500は、少なくとも1つのメモリ回路504に連結された1つ又は2つ以上のプロセッサ502(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えるマイクロコントローラを備えることができる。メモリ回路504は、プロセッサ502によって実行されると、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するための機械命令をプロセッサ502に実行させる、機械実行可能命令を格納する。プロセッサ502は、当該技術分野で既知の多数のシングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサのうち任意の1つであってもよい。メモリ回路504は、揮発性及び不揮発性の格納媒体を含むことができる。プロセッサ502は、命令処理ユニット506及び演算ユニット508を含んでよい。命令処理ユニットは、本開示のメモリ回路504から命令を受信するように構成されてもよい。
【0104】
図14は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路510を示す。組み合わせ論理回路510は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。組み合わせ論理回路510は、入力514で外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理512によってデータを処理し、出力516を提供するように構成された組み合わせ論理512を含む有限状態マシンを含み得る。
【0105】
図15は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された順序論理回路520を示す。順序論理回路520又は組み合わせ論理522は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。順序論理回路520は有限状態マシンを含んでもよい。順序論理回路520は、例えば、組み合わせ論理522、少なくとも1つのメモリ回路524、及びクロック529を含んでもよい。少なくとも1つのメモリ回路524は、有限状態マシンの現在の状態を格納することができる。特定の例では、順序論理回路520は、同期式又は非同期式であってもよい。組み合わせ論理522は、入力526から外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理522によってデータを処理し、出力528を提供するように構成される。他の態様では、回路は、プロセッサ(例えば、図13のプロセッサ502)と、本明細書の様々なプロセスを実装する有限状態マシンと、の組み合わせを含んでもよい。他の態様では、有限状態マシンは、組み合わせ論理回路(例えば図14の組み合わせ論理回路510)と順序論理回路520の組み合わせを含むことができる。
【0106】
図16は、様々な機能を実行するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。特定の例では、第1のモータを起動させて第1の機能を実行することができ、第2のモータを起動させて第2の機能を実行することができ、第3のモータを起動させて第3の機能を実行することができ、第4のモータを起動させて第4の機能を実行することができる、といった具合である。特定の例では、ロボット外科用器具600の複数のモータは個々に起動されて、エンドエフェクタにおいて発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動を生じさせることができる。発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動は、例えばシャフトアセンブリを介してエンドエフェクタに伝達することができる。
【0107】
特定の例では、外科用器具システム又はツールは発射モータ602を含んでもよい。発射モータ602は、具体的にはIビーム要素を変位させるために、モータ602によって生成された発射運動をエンドエフェクタに伝達するように構成することができる、発射モータ駆動アセンブリ604に動作可能に連結されてもよい。特定の例では、モータ602によって生成される発射運動によって、例えば、ステープルをステープルカートリッジから、エンドエフェクタによって捕捉された組織内へと配備し、かつ/又はIビーム要素の切刃を前進させて、捕捉された組織を切断してもよい。Iビーム要素は、モータ602の方向を逆転させることによって後退させられ得る。
【0108】
特定の例では、外科用器具又はツールは閉鎖モータ603を含んでもよい。閉鎖モータ603は、具体的には閉鎖管を変位させてアンビルを閉鎖し、アンビルとステープルカートリッジとの間で組織を圧縮するためにモータ603によって生成された閉鎖運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、閉鎖モータ駆動アセンブリ605と動作可能に連結されてもよい。閉鎖運動によって、例えば、エンドエフェクタが開放構成から接近構成へと遷移して組織を捕捉することができる。エンドエフェクタは、モータ603の方向を逆転させることによって開放位置に遷移され得る。
【0109】
特定の例では、外科用器具又はツールは、例えば、1つ又は2つ以上の関節運動モータ606a、606bを含んでもよい。モータ606a、606bは、モータ606a、606bによって生成された関節運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、対応する関節運動モータ駆動アセンブリ608a、608bに動作可能に連結され得る。特定の例では、関節運動によって、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動することができる。
【0110】
上述したように、外科用器具又はツールは、様々な独立した機能を実施するように構成され得る複数のモータを含んでもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、他のモータが停止した状態を維持している間に、独立して又は別個に起動させて、1つ又は2つ以上の機能を実施することができる。例えば、関節運動モータ606a、606bを起動させて、発射モータ602が停止した状態を維持している間に、エンドエフェクタを関節運動させることができる。あるいは、発射モータ602を起動させて、関節運動モータ606が停止している間に、複数のステープルを発射させ、及び/又は刃先を前進させることができる。更に、閉鎖モータ603は、本明細書の以下でより詳細に説明されるように、閉鎖管及びIビーム要素を遠位に前進させるために、発射モータ602と同時に起動されてもよい。
【0111】
特定の例では、外科用器具又はツールは、外科用器具又はツールの複数のモータと共に用いることができる、共通の制御モジュール610を含んでもよい。特定の例では、共通の制御モジュール610は、一度に複数のモータのうちの1つに対応することができる。例えば、共通の制御モジュール610は、ロボット外科用器具の複数のモータ対して個々に連結及び分離が可能であってもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610などの1つ又は2つ以上の共通の制御モジュールを共有してもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610に独立してかつ選択的に係合することができる。特定の例では、共通の制御モジュール610は、外科用器具又はツールの複数のモータのうち一方との連携から、外科用器具又はツールの複数のモータのうちもう一方との連携へと選択的に切り替えることができる。
【0112】
少なくとも1つの例では、共通の制御モジュール610は、関節運動モータ606a、606bとの動作可能な係合と、発射モータ602又は閉鎖モータ603のいずれかとの動作可能な係合と、の間で選択的に切り替えることができる。少なくとも1つの実施例では、図16に示すように、スイッチ614は、複数の位置及び/又は状態間を移動又は遷移させることができる。例えば、第1の位置616では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を発射モータ602と電気的に連結してもよく、第2の位置617では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を閉鎖モータ603と電気的に連結してもよく、第3の位置618aでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第1の関節運動モータ606aと電気的に連結してもよく、第4の位置618bでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第2の関節運動モータ606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、同時に、別個の共通の制御モジュール610を、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、スイッチ614は、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、固体スイッチ、又は任意の好適な切り替え機構であってもよい。
【0113】
モータ602、603、606a、606bのそれぞれは、モータのシャフト上の出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、ジョーの外側の力センサによって、又はジョーを作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の方法で感知されてもよい。
【0114】
様々な例では、図16に示されるように、共通の制御モジュール610は、1つ又は2つ以上のHブリッジFETを備え得るモータ駆動器626を備えてもよい。モータ駆動器626は、例えば、マイクロコントローラ620(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源628から共通の制御モジュール610に連結されたモータへと伝達された電力を変調してもよい。特定の例では、上述したように、例えば、モータが共通の制御モジュール610に連結されている間にマイクロコントローラ620を用いて、モータによって引き込まれる電流を判定することができる。
【0115】
特定の例では、マイクロコントローラ620は、マイクロプロセッサ622(「プロセッサ」)と、1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体又はメモリユニット624(「メモリ」)と、を含んでもよい。特定の例では、メモリ624は、様々なプログラム命令を格納することができ、それが実行されると、プロセッサ622に、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算を実施させることができる。特定の例では、メモリユニット624の1つ又は2つ以上が、例えば、プロセッサ622に連結されてもよい。
【0116】
特定の例では、電源628を用いて、例えばマイクロコントローラ620に電力を供給してもよい。特定の例では、電源628は、例えばリチウムイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「パワーパック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、外科用器具600に電力を供給するため、ハンドルに解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルを、電源628として使用してもよい。特定の例では、電源628は、例えば、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0117】
様々な例では、プロセッサ622は、モータ駆動器626を制御して、共通の制御モジュール610に連結されたモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御することができる。特定の例では、プロセッサ622は、モータ駆動器626に信号伝達して、共通の制御モジュール610に連結されたモータを停止及び/又は使用不能にすることができる。用語「プロセッサ」は、本明細書で使用されるとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上で統合したその他の基本コンピューティング装置を含むと理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに格納された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブルデバイスである。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
【0118】
一例では、プロセッサ622は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の例では、マイクロコントローラ620は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの実施例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートで容易に利用可能な特性の中でもとりわけ、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ又は2つ以上のPWMモジュール、1つ又は2つ以上のQEIアナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットADCを含むARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、モジュール4410と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
【0119】
特定の例では、メモリ624は、共通の制御モジュール610に連結可能な外科用器具600のモータをそれぞれ制御するためのプログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ624は、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bを制御するためのプログラム命令を含んでもよい。このようなプログラム命令は、プロセッサ622に、外科用器具又はツールのアルゴリズム又は制御プログラムからの入力に従って、発射機能、閉鎖機能、及び関節運動機能を制御させることができる。
【0120】
特定の例では、例えば、センサ630などの1つ又は2つ以上の機構及び/又はセンサを用いて、特定の設定で使用すべきプログラム命令をプロセッサ622に警告することができる。例えば、センサ630は、エンドエフェクタの発射、閉鎖、及び関節運動に関連するプログラム命令を使用するようにプロセッサ622に警告することができる。特定の例では、センサ630は、例えば、スイッチ614の位置を感知するために用いることができる位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第1の位置616にあることを検出すると、エンドエフェクタのIビームの発射と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第2の位置617にあることを検出すると、アンビルの閉鎖と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第3の位置618a又は第4の位置618bにあることを検出すると、エンドエフェクタの関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用することができる。
【0121】
図17は、本開示の一態様による、本明細書で説明される外科用ツールを操作するように構成されたロボット外科用器具700の概略図である。ロボット外科用器具700は、単一又は複数の関節運動駆動連結部のいずれかを用いて、変位部材の遠位/近位並進、閉鎖管の遠位/近位変位、シャフトの回転、及び関節運動を制御するようにプログラム又は構成されてもよい。一態様では、外科用器具700は、発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、及び/又は1つ若しくは2つ以上の関節運動部材を個別に制御するようにプログラム又は構成されてもよい。外科用器具700は、モータ駆動式の発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、及び/又は1つ若しくは2つ以上の関節運動部材を制御するように構成された制御回路710を備える。
【0122】
一態様では、ロボット外科用器具700は、複数のモータ704a〜704eを介して、エンドエフェクタ702のアンビル716及びIビーム714(鋭い切刃を含む)部分、取り外し可能なステープルカートリッジ718、シャフト740、並びに1つ又は2つ以上の関節運動部材742a、742bを制御するように構成された制御回路710を備える。位置センサ734は、Iビーム714の位置フィードバックを制御回路710に提供するように構成されてもよい。他のセンサ738は、制御回路710にフィードバックを提供するように構成されてもよい。タイマー/カウンタ731は、制御回路710にタイミング及びカウント情報を提供する。モータ704a〜704eを動作させるためにエネルギー源712が設けられてもよく、電流センサ736はモータ電流フィードバックを制御回路710に提供する。モータ704a〜704eは、開ループ又は閉ループフィードバック制御において制御回路710によって個別に操作することができる。
【0123】
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに1つ又は2つ以上のタスクを実施させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ731は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路710に提供して位置センサ734によって決定されたIビーム714の位置をタイマー/カウンタ731の出力と相関させ、その結果、制御回路710は、Iビーム714が開始位置に対して特定の位置にあるときの、開始位置又は時間(t)に対する特定の時間(t)におけるIビーム714の位置を決定することができる。タイマー/カウンタ731は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
【0124】
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上の組織状態に基づいてエンドエフェクタ702の機能を制御するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、本明細書に説明されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、組織状態に基づいて発射制御プログラム又は閉鎖制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。閉鎖制御プログラムは、アンビル716によって組織に加えられる閉鎖力を制御し得る。その他の制御プログラムは、シャフト740及び関節運動部材742a、742bの回転を制御する。
【0125】
一態様では、制御回路710は、モータ設定点信号を生成することができる。モータ設定点信号は、様々なモータコントローラ708a〜708eに提供されてもよい。モータコントローラ708a〜708eは、本明細書で説明するように、モータ704a〜704eにモータ駆動信号を提供してモータ704a〜704eを駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ704a〜704eはブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ704a〜704eの速度は、それぞれのモータ駆動信号に比例してもよい。いくつかの実施例では、モータ704a〜704eはブラシレスDC電動モータであってもよく、それぞれのモータ駆動信号は、モータ704a〜704eの1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ708a〜708eは省略されてもよく、制御回路710がモータ駆動信号を直接生成してもよい。
【0126】
一態様では、制御回路710は、最初に、モータ704a〜704eのそれぞれを、変位部材のストロークの第1の開ループ部分では開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間のロボット外科用器具700の応答に基づいて、制御回路710は、閉ループ構成の発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ704a〜704eのうちの1つに提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後で、制御回路710は、変位部材ストロークの第2の部分に対して選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路710は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ704a〜704eのうちの1つを閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。
【0127】
一態様では、モータ704a〜704eは、エネルギー源712から電力を受け取ることができる。エネルギー源712は、主交流電源、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源によって駆動されるDC電源であってもよい。モータ704a〜704eは、それぞれの伝達機構706a〜706eを介して、Iビーム714、アンビル716、シャフト740、関節運動742a、及び関節運動742bなどの個々の可動機械的要素に機械的に連結されてもよい。伝達機構706a〜706eは、モータ704a〜704eを可動機械的要素に連結するための1つ又は2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ734は、Iビーム714の位置を感知し得る。位置センサ734は、Iビーム714の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ734は、Iビーム714が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路710に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路710は、パルスを追跡してIビーム714の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム714の運動を示す他の信号を提供することができる。また、一部の実施例では、位置センサ734は省略されてもよい。モータ704a〜704eのいずれかがステップモータである場合、制御回路710は、モータ704が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム714の位置を追跡することができる。位置センサ734は、エンドエフェクタ702内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。モータ704a〜704eのそれぞれの出力は、力を感知するためのトルクセンサ744a〜744eを含み、駆動シャフトの回転を感知するエンコーダを有する。
【0128】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のIビーム714部分などの発射部材を駆動するように構成されている。制御回路710はモータ制御部708aにモータ設定点を提供し、モータ制御部708aはモータ704aに駆動信号を提供する。モータ704aの出力シャフトは、トルクセンサ744aに連結される。トルクセンサ744aは、Iビーム714に連結された伝達機構706aに連結される。伝達機構706aは、エンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って遠位方向及び近位方向へのIビーム714の移動を制御するための回転要素及び発射部材などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704aは、第1のナイフ駆動ギア及び第2のナイフ駆動ギアを含むナイフギア減速セットを含むナイフギアアセンブリに連結されてもよい。トルクセンサ744aは、制御回路710に発射力フィードバック信号を提供する。発射力信号は、Iビーム714を発射又は変位させるために必要な力を表す。位置センサ734は、発射ストロークに沿ったIビーム714の位置又は発射部材の位置を、フィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ702は、制御回路710にフィードバック信号を提供するように構成された追加のセンサ738を含んでもよい。使用準備が整ったら、制御回路710は、モータ制御部708aに発射信号を提供することができる。発射信号に応答して、モータ704aは、発射部材をエンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。発射部材が遠位に並進すると、遠位端に位置付けられた切断要素を備えるIビーム714は、遠位に前進して、ステープルカートリッジ718とアンビル716との間に位置する組織を切断する。
【0129】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のアンビル716などの閉鎖部材を駆動するように構成されている。制御回路710は、モータ704bに駆動信号を提供するモータ制御部708bにモータ設定点を提供する。モータ704bの出力シャフトは、トルクセンサ744bに連結される。トルクセンサ744bは、アンビル716に連結された伝達機構706bに連結される。伝達機構706bは、開放位置及び閉位置からのアンビル716の移動を制御するための回転要素及び閉鎖部材などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704bは、閉鎖スパーギアと噛合係合して支持される閉鎖減速ギアセットを含む閉鎖ギアアセンブリに連結される。トルクセンサ744bは、制御回路710に閉鎖力フィードバック信号を提供する。閉鎖力フィードバック信号は、アンビル716に適用される閉鎖力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ702内の追加のセンサ738は、閉鎖力フィードバック信号を制御回路710に提供することができる。枢動可能なアンビル716は、ステープルカートリッジ718の反対側に位置決めされる。使用準備が整うと、制御回路710は、モータ制御部708bに閉鎖信号を提供することができる。閉鎖信号に応答して、モータ704bは、閉鎖部材を前進させて、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で組織を把持する。
【0130】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を回転させるためにシャフト740などのシャフト部材を回転させるように構成されている。制御回路710は、モータ704cに駆動信号を提供するモータ制御部708cにモータ設定点を提供する。モータ704cの出力シャフトは、トルクセンサ744cに連結される。トルクセンサ744cは、シャフト740に連結された伝達機構706cに連結される。伝達機構706cは、シャフト740の時計回り又は反時計回りの回転を360度まで及びそれを超えて制御するために回転要素などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704cは、ツール装着プレート上に動作可能に支持された回転ギアアセンブリによって動作可能に係合されるように、近位閉鎖管の近位端上に形成された(又はこれに取り付けられた)管状ギアセグメントを含む回転伝達装置アセンブリに連結される。トルクセンサ744cは、制御回路710に回転力フィードバック信号を提供する。回転力フィードバック信号は、シャフト740に加えられる回転力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。シャフトエンコーダなどの追加のセンサ738が、シャフト740の回転位置を制御回路710に提供してもよい。
【0131】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を関節運動させるように構成されている。制御回路710は、モータ704dに駆動信号を提供するモータ制御部708dにモータ設定点を提供する。モータ704dの出力シャフトは、トルクセンサ744dに連結される。トルクセンサ744dは、関節運動部材742aに連結された伝達機構706dに連結される。伝達機構706dは、エンドエフェクタ702の±65°の関節運動を制御するための関節運動要素などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704dは、関節運動ナットに連結され、関節運動ナットは、遠位スパイン部分の近位端部分上で回転可能に軸支され、遠位スパイン部分の近位端部分上で関節運動ギアアセンブリによって回転可能に駆動される。トルクセンサ744dは、制御回路710に関節運動力フィードバック信号を提供する。関節運動力フィードバック信号は、エンドエフェクタ702に適用される関節運動力を表す。関節運動エンコーダなどのセンサ738は、エンドエフェクタ702の関節運動位置を制御回路710に提供してもよい。
【0132】
別の態様では、ロボット外科用システム700の関節運動機能は、2つの関節運動部材、又は連結部742a、742bを含んでもよい。これらの関節運動部材742a、742bは、2つのモータ708d、708eによって駆動されるロボットインターフェース(ラック)上の個別のディスクによって駆動される。個別の発射モータ704aが提供されると、ヘッドが運動していないときにヘッドに抵抗保持運動及び負荷を提供するために、かつヘッドが関節運動しているときに関節運動を提供するために、関節運動連結部742a、742bのそれぞれは他の連結部に対して拮抗的に駆動され得る。関節運動部材742a、742bは、ヘッドが回転するときに固定された半径でヘッドに取り付けられる。したがって、ヘッドが回転すると、プッシュプル連結部の機械効率は変化する。この機械効率の変化は、他の関節運動連結部の駆動システムでより顕著であり得る。
【0133】
一態様では、1つ又は2つ以上のモータ704a〜704eは、ギアボックス、及び発射部材、閉鎖部材、又は関節運動部材への機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータを備えてもよい。別の例としては、変位部材、関節運動連結部、閉鎖管、及びシャフトなどの可動機械的要素を動作させる電動モータ704a〜704eが挙げられる。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電動モータ704a〜704eの1つに反して作用する障害(drag)と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
【0134】
一態様では、位置センサ734は、絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。一態様では、位置センサ734は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備えてもよい。位置センサ734は、制御回路710と連係して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
【0135】
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上のセンサ738と通信してもよい。センサ738は、エンドエフェクタ702上に位置付けられ、ロボット外科用器具700と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ738は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、ロードセル、圧力センサ、力センサ、トルクセンサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ702の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ738は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。センサ738は、分割された電極を使用して組織の位置を決定するために、ステープルカートリッジ718のデッキ上に配置されてもよい。トルクセンサ744a〜744eは、とりわけ、発射力、閉鎖力、及び/又は関節運動力などの力を感知するように構成されてもよい。したがって、制御回路710は、(1)遠位閉鎖管によって経験される閉鎖負荷及びその位置、(2)ラックにある発射部材及びその位置、(3)ステープルカートリッジ718のどの部分がその上に組織を有しているか、及び(4)両方の関節運動ロッド上の負荷及び位置を感知することができる。
【0136】
一態様では、1つ又は2つ以上のセンサ738は、把持状態の間のアンビル716における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0137】
一態様では、センサ738は、とりわけ、1つ又は2つ以上のリミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、磁気抵抗(MR)装置、巨大磁気抵抗(GMR)装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチとして実装されてもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
【0138】
一態様では、センサ738は、閉鎖駆動システムによってアンビル716に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ738は、閉鎖管によってアンビル716に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル716との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル716に対して及ぼされる力は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ738を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル716に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ738は、制御回路710のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路710は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル716に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0139】
一態様では、電流センサ736を用いて、モータ704a〜704eのそれぞれによって引き込まれる電流を測定することができる。Iビーム714などの可動機械的要素のいずれかを前進させるのに必要な力は、モータ704a〜704eのうちの1つによって引き込まれる電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路710に提供される。制御回路710は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ702内のIビーム714を目標速度又はその付近で移動させることができる。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、線形二次(LQR)、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月29日出願の「CLOSED LOOP VELOCITY CONTROL TECHNIQUES FOR ROBOTIC SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/636,829号に開示されている。
【0140】
図18は、本開示の一態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具750のブロック図を示す。一態様では、外科用器具750は、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具750は、アンビル766、Iビーム764(鋭い切断縁部を含む)、及び取り外し可能なステープルカートリッジ768を備え得るエンドエフェクタ752を備える。
【0141】
Iビーム764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ機構、及び位置センサ784によって測定することができる。Iビーム764が長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、Iビーム764の位置は、位置センサ784を使用する長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ784によって達成され得る。制御回路760は、Iビーム764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ若しくは2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えばIビーム764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたIビーム764の位置をタイマー/カウンタ781の出力と相関させ、その結果、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム764の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
【0142】
制御回路760は、モータ設定点信号772を生成してもよい。モータ設定点信号772は、モータコントローラ758に提供されてもよい。モータコントローラ758は、本明細書で説明するように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
【0143】
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信することができる。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達機構756を介してIビーム764に機械的に連結され得る。伝達機構756は、モータ754をIビーム764に連結するための1つ若しくは2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ784は、Iビーム764の位置を感知し得る。位置センサ784は、Iビーム764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ784は、Iビーム764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路760は、パルスを追跡してIビーム764の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム764の運動を示す他の信号を提供することができる。また、一部の実施例では、位置センサ784は省略されてもよい。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータ754が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム764の位置を追跡することができる。位置センサ784は、エンドエフェクタ752内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。
【0144】
制御回路760は、1つ又は2つ以上のセンサ788と通信することができる。センサ788は、エンドエフェクタ752上に位置付けられ、外科用器具750と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ752の1つ若しくは2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備え得る。センサ788は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。
【0145】
1つ又は2つ以上のセンサ788は、クランプ留め状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0146】
センサ788は、閉鎖駆動システムにより、アンビル766上に及ぼされる力を測定するように構成されてよい。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル766に対して及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル766に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル766に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0147】
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を用いることができる。Iビーム764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
【0148】
制御回路760は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ752内のIビーム764を目標速度又はその付近で移動させることができる。外科用器具750は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、LQR、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。外科用器具750は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。
【0149】
外科用器具750の実際の駆動システムは、ギアボックス、並びに関節運動及び/又はナイフシステムへの機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータによって、変位部材、切断部材、又はIビーム764を駆動するように構成されている。別の例は、交換式シャフトアセンブリの、例えば変位部材及び関節運動ドライバを操作する電気モータ754である。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電気モータ754に反して作用する障害と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
【0150】
様々な例示的態様は、モータ駆動の外科用ステープル留め及び切断手段を有するエンドエフェクタ752を備える外科用器具750を対象とする。例えば、モータ754は、エンドエフェクタ752の長手方向軸線に沿って遠位方向及び近位方向に変位部材を駆動してもよい。エンドエフェクタ752は、枢動可能なアンビル766と、使用のために構成される場合は、アンビル766の反対側に配置されたステープルカートリッジ768とを備えてもよい。臨床医は、本明細書に記載されるように、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に組織を把持してもよい。器具750を使用する準備が整った場合、臨床医は、例えば器具750のトリガを押すことによって発射信号を提供してもよい。発射信号に応答して、モータ754は、変位部材をエンドエフェクタ752の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。変位部材が遠位方向に並進するにつれて、遠位端に配置された切断要素を有するIビーム764は、ステープルカートリッジ768とアンビル766との間の組織を切断することができる。
【0151】
様々な実施例で、外科用器具750は、1つ又は2つ以上の組織状態に基づいて、例えば、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた制御回路760を備えてもよい。制御回路760は、本明細書に説明されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路760は、組織状態に基づいて発射制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。
【0152】
いつくかの実施例では、制御回路760は、最初に、モータ754を、変位部材のストロークの第1の開ループ部分に対する開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間の器具750の応答に基づいて、制御回路760は、発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ754に提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後、制御回路760は、変位部材ストロークの第2の部分に対して、選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路760は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ754を閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月29日出願の「SYSTEM AND METHODS FOR CONTROLLING A DISPLAY OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/720,852号に開示されている。
【0153】
図19は、本開示の一態様に従った、様々な機能を制御するように構成された外科用器具790の概略図である。一態様では、外科用器具790は、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具790は、アンビル766と、Iビーム764と、RFカートリッジ796(破線で示す)と交換することができる着脱可能なステープルカートリッジ768と、を備え得るエンドエフェクタ792を備える。
【0154】
一態様では、センサ788は、とりわけ、リミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、MR装置、GMR装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ638は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ788は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
【0155】
一態様では、位置センサ784は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備える絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。位置センサ784は、制御回路760と連係して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
【0156】
一態様では、Iビーム764は、上に組織切断刃を動作可能に支持するナイフ本体を備えるナイフ部材として実装されてもよく、アンビル係合タブ又は特徴部及び通路係合特徴部又は足部を更に含んでよい。一態様では、ステープルカートリッジ768は、標準的な(機械式)外科用締結具カートリッジとして実装されてもよい。一態様では、RFカートリッジ796はRFカートリッジとして実装されてもよい。これら、及び他のセンサ構成は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、同一出願の米国特許出願第15/628,175号(表題「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」、2017年6月20日出願)に記載されている。
【0157】
Iビーム764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ構成、及び位置センサ784として表される位置センサにより、測定可能である。Iビーム764が長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、Iビーム764の位置は、位置センサ784を使用する長手方向に移動可能な駆動部材120の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ784によって達成され得る。制御回路760は、本明細書に記載されているように、閉鎖部材764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ若しくは2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えばIビーム764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたIビーム764の位置をタイマー/カウンタ781の出力と相関させ、その結果、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム764の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
【0158】
制御回路760は、モータ設定点信号772を生成してもよい。モータ設定点信号772は、モータコントローラ758に提供されてもよい。モータコントローラ758は、本明細書で説明するように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
【0159】
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信することができる。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達機構756を介してIビーム764に機械的に連結され得る。伝達機構756は、モータ754をIビーム764に連結するための1つ若しくは2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ784は、Iビーム764の位置を感知し得る。位置センサ784は、Iビーム764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ784は、Iビーム764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路760は、パルスを追跡してIビーム764の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム764の運動を示す他の信号を提供することができる。また、一部の実施例では、位置センサ784は省略されてもよい。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータが実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム764の位置を追跡することができる。位置センサ784は、エンドエフェクタ792内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。
【0160】
制御回路760は、1つ又は2つ以上のセンサ788と通信することができる。センサ788は、エンドエフェクタ792上に位置付けられ、外科用器具790と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ792の1つ若しくは2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備え得る。センサ788は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。
【0161】
1つ又は2つ以上のセンサ788は、クランプ留め状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0162】
センサ788は、閉鎖駆動システムにより、アンビル766上に及ぼされる力を測定するように構成されてよい。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル766に対して及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル766に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサ部分によるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル766に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0163】
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を用いることができる。Iビーム764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
【0164】
RFエネルギー源794はエンドエフェクタ792に連結され、RFカートリッジ796が、ステープルカートリッジ768の代わりにエンドエフェクタ792にロードされるときに、RFカートリッジ796に適用される。制御回路760は、RFエネルギーのRFカートリッジ796への送達を制御する。
【0165】
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月28日出願の「SURGICAL SYSTEM COUPLABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」と題する米国特許出願第15/636,096号に開示されている。
【0166】
発生器ハードウェア
図20は、他の利点の中でも、インダクタレス同調を提供するよう構成された発生器800の簡略ブロック図である。発生器800の追加の詳細は、2015年6月23日発行の米国特許第9,060,775号、表題「SURGICAL GENERATOR FOR ULTRASONIC AND ELECTROSURGICAL DEVICES」に記載されており、その開示は、その全体が参考として本明細書に組み込まれている。発生器800は、電力変圧器806を介して非絶縁段階804と通信する患者絶縁段階802を含んでもよい。電力変圧器806の二次巻線808は、絶縁段階802内に収容され、例えば、超音波外科用器具、RF電気外科用器具、並びに単独又は同時に送達可能な超音波及びRFエネルギーモードを含む多機能外科用器具などの様々な外科用器具に駆動信号を送達するために駆動信号出力部810a、810b、810cを画定するためのタップ構成(例えば、センタタップ又は非センタタップ構成)を備え得る。具体的には、駆動信号出力部810a、810cは、超音波駆動信号(例えば、420Vの二乗平均根(RMS)駆動信号)を超音波外科用器具に出力してもよく、駆動信号出力部810b、810cは、電力変圧器806のセンタタップに対応する駆動信号出力部810bにより、RF電気外科用駆動信号(例えば、100VのRMS駆動信号)をRF電気外科用器具に出力してもよい。
【0167】
特定の形態では、超音波及び電気外科用の駆動信号は、別個の外科用器具に、及び/又は超音波エネルギー及び電気外科用エネルギーの両方を組織に送達する能力を有する単一の外科用器具(例えば多機能外科用器具)に、同時に供給されてもよい。専用の電気外科用器具及び/又は複合多機能超音波/電気外科用器具のどちらかへと提供される電気外科用信号は、治療用又は治療量以下のレベルの信号のどちらかであり、治療量以下の信号は、例えば、組織又は器具状態を監視して、発生器へとフィードバックを提供することに使用され得る、と理解されよう。例えば、超音波及びRF信号は、以下でより詳細に論じられるように、所望の出力信号を外科用器具に提供するために、単一の出力ポートを有する発生器から別個に又は同時に送達され得る。したがって、発生器は、超音波エネルギー及び電気外科用RFエネルギーを組み合わせて、複合エネルギーを多機能超音波/電気外科用器具に送達することができる。双極電極は、エンドエフェクタの一方又は両方のジョーの上に配置することができる。一方のジョーは、同時に働く、電気外科用RFエネルギーに加えて超音波エネルギーによって駆動されてもよい。超音波エネルギーが組織を切開するために用いられてもよい一方で、電気外科用RFエネルギーは、血管封止に用いられてもよい。
【0168】
非絶縁段階804は、電力変圧器806の一次巻線814に接続された出力部を有する電力増幅器812を含むことができる。ある特定の形態では、電力増幅器812は、プッシュプル増幅器を含んでもよい。例えば、非絶縁段階804は、対応するアナログ信号を電力増幅器812の入力に続いて供給するデジタル−アナログ変換器(DAC)回路818に、デジタル出力を供給するための論理デバイス816を更に含んでもよい。特定の形態では、論理デバイス816は、数ある論理回路の中で、例えば、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、FPGA、プログラマブル論理デバイス(PLD)を含んでもよい。したがって、論理デバイス816は、DAC回路818を介して電力増幅器812の入力を制御することにより、駆動信号出力部810a、810b、810cで出現する駆動信号の多くのパラメータ(例えば、周波数、波形、波形振幅)のうちのいずれかを、制御することができる。特定の形態では、また以下で説明するように、論理デバイス816、プロセッサ(例えば、以下で説明するDSP)と共に、多くのDSPベースの及び/又はその他の制御アルゴリズムを実行して、発生器800によって出力される駆動信号のパラメータを制御することができる。
【0169】
電力は、スイッチモードレギュレータ820、例えば電力変換装置によって、電力増幅器812の電力レールに供給され得る。ある特定の形態では、スイッチモードレギュレータ820は、例えば、調整可能なバックレギュレータを含んでもよい。非絶縁段階804は、第1のプロセッサ822を更に含んでもよく、この第1のプロセッサは、一形態では、例えば、Analog Devices(Norwood,MA)から入手可能なAnalog Devices ADSP−21469 SHARC DSPなどのDSPプロセッサを含んでもよいが、様々な形態において、任意の好適なプロセッサが使用されてもよい。特定の形態では、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812からDSPプロセッサ822がADC回路824を介して受信する、電圧フィードバックデータに応答するスイッチ−モードレギュレータ820の動作を制御し得る。一形態では、例えば、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812によって増幅された信号(例えば、RF信号)の波形エンベロープを、ADC回路824を介して入力として受信し得る。次いで、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812に供給されるレール電圧が、増幅された信号の波形エンベロープを追跡するように、スイッチ−モード調節器820(例えば、PWM出力)を制御し得る。波形エンベロープに基づいて、電力増幅器812のレール電圧を動的に変調することにより、電力増幅器812の効率は、固定レール電圧増幅器スキームに対して顕著に改善され得る。
【0170】
特定の形態では、論理デバイス816は、DSPプロセッサ822と共に、直接デジタルシンセサイザ制御スキームなどのデジタル合成回路を実装して、発生器800によって出力される駆動信号の波形形状、周波数及び/又は振幅を制御してもよい。一形態では、例えば、論理デバイス816は、FPGA内に埋め込まれてもよいRAM LUTなどの、動的に更新されるルックアップテーブル(LUT)内に格納された波形サンプルを呼び出すことによって、DDS制御アルゴリズムを実装してもよい。この制御アルゴリズムは、超音波変換器などの超音波変換器が、その共振周波数における明瞭な正弦波電流によって駆動され得る超音波用途で特に有用である。他の周波数が寄生共振を励起し得るため、動作分岐電流の全歪みの最小化又は低減は、これに対応して望ましくない共振効果を最小化又は低減することができる。発生器800によって出力される駆動信号の波形形状は、出力駆動回路内に存在する様々な歪み源(例えば、電力変圧器806、電力増幅器812)によって影響されるため、駆動信号に基づく電圧及び電流フィードバックデータは、DSPプロセッサ822によって実行される誤差制御アルゴリズムなどのアルゴリズムに入力されることができ、これは動的な、進行に応じたベース(例えば、リアルタイム)で、LUTに保存された波形サンプルを好適に事前に歪ませる又は修正することによって、歪みを補償する。一形態では、LUTサンプルに加えられる予歪みの量又は程度は、計算された動作分岐電流と所望の電流波形形状との間の誤差に基づいてもよく、誤差は、サンプルごとに決定される。このようにして、予め歪ませたLUTサンプルは、駆動回路により処理される場合、超音波変換器を最適に駆動するために、所望の波形形状(例えば、正弦波)を有する動作ブランチ駆動信号を生じ得る。そのような形態では、LUT波形サンプルは、したがって、駆動信号の所望の波形形状を表すのではなく、歪み効果を考慮した際の、動作分岐駆動信号の所望の波形形状を最終的に生成するために必要な波形形状を表す。
【0171】
非絶縁段階804は、発生器800によって出力される駆動信号の電圧及び電流をそれぞれサンプリングするために、各絶縁変圧器830、832を介して電力変圧器806の出力部に連結された第1ADC回路826及び第2ADC回路828を更に備え得る。特定の形態では、ADC回路826、828は、駆動信号のオーバーサンプリングを可能にするために、高速(例えば、毎秒80メガサンプル(MSPS))でサンプリングするように構成され得る。一形態では、例えば、ADC回路826、828のサンプリング速度は、駆動信号のおよそ200x(周波数による)のオーバーサンプリングを可能にし得る。特定の形態では、ADC回路826、828のサンプリング動作は、双方向マルチプレクサを介し、入力電圧及び電流信号を受信する単一のADC回路によって実施され得る。発生器800の形態での高速サンプリングの使用は、とりわけ、動作ブランチを通って流れる複素電流の計算(これは、上述のDDSベースの波形形状制御を実施するために、特定の形態で使用され得る)、サンプリングされた信号の正確なデジタルフィルタリング、及び高精度での実電力消費の計算を可能にし得る。ADC回路826、828によって出力される電圧及び電流フィードバックデータは、論理デバイス816によって受信かつ処理され得(例えば、先着順処理方式(FIFO)バッファ、マルチプレクサ)、例えば、DSPプロセッサ822による、以後の読み出しのために、データメモリに格納されてもよい。上記のように、電圧及び電流のフィードバックデータは、動的及び進行に応じたベースで、LUT波形サンプルを予め歪ませるか又は修正するための、アルゴリズムへの入力として使用され得る。特定の形態では、これは、電圧及び電流のフィードバックデータ対が得られる場合に、論理デバイス816によって出力された対応するLUTサンプルに基づき、又は別の方法でこれに関連して、格納された各電圧及び電流のフィードバックデータ対が索引されることを必要とし得る。この方法によるLUTサンプルと電圧及び電流のフィードバックデータとの同期は、予歪みアルゴリズムの正確なタイミング及び安定性に寄与する。
【0172】
特定の形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、駆動信号の周波数及び/又は振幅(例えば、電流振幅)を制御するために使用されてもよい。例えば、一形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、インピーダンス相を決定するために使用されてもよい。駆動信号の周波数はその後、判定されたインピーダンス相とインピーダンス相設定点(例えば、0°)との間の差を最小化又は低減するように制御されてもよく、したがって高調波歪みの効果を最小化又は低減し、これに対応してインピーダンス相測定正確性を向上させる。相インピーダンス及び周波数制御信号の決定は、例えば、DSPプロセッサ822に実装されてもよく、周波数制御信号は、論理デバイス816によって実装されるDDS制御アルゴリズムへの入力として供給される。
【0173】
別の形態では、例えば、電流のフィードバックデータは、駆動信号の電流振幅を電流振幅設定点で維持するために監視されてもよい。電流振幅設定点は、直接指定されてもよく、又は指定された電圧振幅及び電力設定点に基づいて間接的に判定されてもよい。特定の形態では、電流振幅の制御は、例えば、DSPプロセッサ822内の比例−積分−微分(PID)制御アルゴリズムといった、制御アルゴリズムによって実行され得る。駆動信号の電流振幅を好適に制御するために、制御アルゴリズムにより制御される変数には、例えば、論理デバイス816に格納されるLUT波形サンプルのスケーリング、及び/又はDAC回路834を介したDAC回路818(これは電力増幅器812に入力を供給する)のフルスケール出力電圧が挙げられ得る。
【0174】
非絶縁段階804は、とりわけユーザーインターフェース(UI)機能性を提供するために、第2のプロセッサ836を更に含んでもよい。一形態では、UIプロセッサ836は、例えば、Atmel Corporation(San Jose,California)から入手可能な、ARM 926EJ−Sコアを有するAtmel AT91SAM9263プロセッサを含んでもよい。UIプロセッサ836によってサポートされるUI機能の例としては、聴覚的及び視覚的なユーザーフィードバック、周辺装置との通信(例えば、USBインターフェースを介して)、フットスイッチとの通信、入力デバイス(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)との通信、並びに出力デバイス(例えば、スピーカ)との通信を挙げることができる。UIプロセッサ836は、DSPプロセッサ822及び論理デバイス816と(例えば、SPIバスを介して)通信し得る。UIプロセッサ836は、UI機能性を主にサポートしてもよいが、特定の形態では、UIプロセッサはまた、DSPプロセッサ822と協調して、危険の緩和を実現してもよい。例えば、UIプロセッサ836は、ユーザー入力及び/又は他の入力(例えば、タッチスクリーン入力、フットスイッチ入力、温度センサ入力)の様々な態様を監視するようにプログラミングされてもよく、かつ誤った状態が検出される際に、発生器800の駆動出力を無効化することができる。
【0175】
特定の形態では、DSPプロセッサ822及びUIプロセッサ836の両方は、例えば、発生器800の動作状態を判定かつ監視してもよい。DSPプロセッサ822に関し、発生器800の動作状態は、例えば、どの制御及び/又は診断プロセスがDSPプロセッサ822によって実行されるかを表してもよい。UIプロセッサ836に関し、発生器800の動作状態は、例えば、UI(例えば、ディスプレイスクリーン、音)のどの要素がユーザーに提供されるかを表し得る。DSPプロセッサ822及びUIプロセッサ836はそれぞれ、発生器800の現在の動作状態を別個に維持し、現在の動作状態からの可能な遷移を、認識かつ評価してもよい。DSPプロセッサ822は、この関係におけるマスターとして機能し、動作状態間の遷移が生じるときを決定してもよい。UIプロセッサ836は、動作状態間の有効な遷移を認識してもよく、また特定の遷移が適切であるかを確認してもよい。例えば、DSPプロセッサ822が、UIプロセッサ836に特定の状態へと遷移するように命令すると、UIプロセッサ836は、要求される遷移が有効であることを確認してもよい。要求される状態間の遷移がUIプロセッサ836によって無効であると判定される場合、UIプロセッサ836は、発生器800を故障モードにしてもよい。
【0176】
非絶縁段階804は、入力デバイスを監視するためのコントローラ838(例えば、発生器800をオン及びオフするために使用される静電容量式タッチセンサ、静電容量式タッチスクリーン)を更に含むことができる。特定の形態では、コントローラ838は、少なくとも1つのプロセッサ及び/又はUIプロセッサ836と通信する他のコントローラデバイスを含んでもよい。一形態では、例えば、コントローラ838は、1つ又は2つ以上の容量性タッチセンサを介して提供されるユーザー入力を監視するように構成されたプロセッサ(例えば、Atmelから入手可能なMeg168 8ビットコントローラ)を含み得る。一形態では、コントローラ838は、容量性タッチスクリーンからのタッチデータの獲得を制御及び管理するための、タッチスクリーンコントローラ(例えば、Atmelから入手可能なQT5480タッチスクリーンコントローラ)を含み得る。
【0177】
特定の形態では、発生器800が「電力オフ」状態にあるとき、コントローラ838は、(例えば、後述の電源854などの、発生器800の電源からのラインを介して)動作電力を受信し続けてもよい。このようにして、コントローラ838は、発生器800をオン及びオフするための入力デバイス(例えば、発生器800の前側パネルに配置された静電容量式タッチセンサ)を監視し続けることができる。発生器800が電源オフ状態にあるとき、コントローラ838は、ユーザーによる「オン/オフ」入力デバイスの起動が検出されれば、電源を起動することができる(例えば、電源854の1つ又は2つ以上のDC/DC電圧変圧器856の動作を有効化にする)。その結果、コントローラ838は、発生器800を「電源オン」状態に移行させるためのシーケンスを開始することができる。逆に、発生器800が電源オン状態にあるときに「オン/オフ」入力デバイスの起動が検出されれば、コントローラ838は発生器800を電源オフ状態に遷移させるためのシーケンスを開始することができる。例えば、特定の形態では、コントローラ838は、「オン/オフ」入力デバイスの起動をUIプロセッサ836に報告してもよく、これは、順次、発生器800の電源オフ状態への遷移のために必要なプロセスシーケンスを実行する。この形態では、コントローラ838は、発生器800の電源オン状態が確立された後に、発生器800から電力を排除するための別個の能力を有しないことがある。
【0178】
特定の形態では、コントローラ838は、ユーザーに電源オン又は電源オフシーケンスが開始されたことを警告するために、発生器800に可聴又は他の感覚的フィードバックを提供させてもよい。そのような警告は、電源オン又は電源オフシーケンスの開始時、及びシーケンスと関連する他のプロセスの開始前に提供されてもよい。
【0179】
特定の形態では、絶縁段階802は、例えば、外科用器具の制御回路(例えば、ハンドピーススイッチを含む制御回路)と、例えば論理デバイス816、DSPプロセッサ822及び/又はUIプロセッサ836などの非絶縁段階804の構成要素との間の、通信インターフェースを提供するために、器具インターフェース回路840を含んでもよい。器具インターフェース回路840は、例えば、IRベースの通信リンクなどの、絶縁段階802と非絶縁段階804との間の好適な度合いの電気的絶縁を維持する通信リンクを介し、非絶縁段階804の構成要素と情報を交換し得る。例えば、非絶縁段階804から駆動される絶縁変圧器によって電力供給される低ドロップアウト電圧レギュレータを使用して、器具インターフェース回路840に電力を供給することができる。
【0180】
一形態では、器具インターフェース回路840は、信号調整回路844と通信している論理回路842(例えば、論理回路、プログラマブルロジック回路、PGA、FPGA、PLD)を含み得る。信号調整回路844は、同一の周波数を有する双極呼びかけ信号を生成するために、論理回路842から周期信号(例えば、2kHz方形波)を受信するように構成されてもよい。呼掛け信号は、例えば、差動増幅器によって供給される双極電流源を使用して発生させることができる。呼びかけ信号は、(例えば、発生器800を外科用装置に接続するケーブル内の導電ペアを使用して)外科用装置制御回路に通信され、制御回路の状態又は構成を判定するために監視されてもよい。制御回路は、多数のスイッチ、抵抗器、及び/又はダイオードを含んでもよく、制御回路の状態又は構成が1つ又は2つ以上の特性に基づいて個別に識別可能であるように、呼掛け信号の1つ又は2つ以上の特性(例えば、振幅、整流)を修正してもよい。例えば、一形態では、信号調整回路844は、呼びかけ信号が通過する経路から生じる制御回路の入力にわたって出現する電圧信号のサンプルを生成するため、ADC回路を含み得る。論理回路842(又は、非絶縁段階804の構成要素)はその後、ADC回路サンプルに基づく制御回路の状態又は構成を決定し得る。
【0181】
一形態では、器具インターフェース回路840は、第1のデータ回路インターフェース846を含んで、論理回路842(又は器具インターフェース回路840のその他の要素)と、外科用器具内に配置されるか又は別の方法で関連付けられた第1のデータ回路と、の間の情報交換を可能にしてもよい。特定の形態では、例えば、第1のデータ回路は、発生器800を有する特定の外科用器具タイプ又はモデルとインターフェース接続させるために、外科用器具ハンドピースに一体的に取り付けられたケーブル内、又はアダプタ内に配設されてもよい。第1のデータ回路は、任意の好適な方法で実装されてもよく、例えば、第1のデータ回路に関して本明細書に記載されたものを含む任意の好適なプロトコルに従って、発生器と通信してもよい。特定の形態では、第1のデータ回路は、EEPROMデバイスなどの、不揮発性格納デバイスを含み得る。特定の形態では、第1のデータ回路インターフェース846は、論理回路842とは別個に実施されてもよく、また好適な回路(例えば、別個の論理デバイス、プロセッサ)を含み、論理回路842と第1のデータ回路との間の通信を可能にし得る。その他の形態では、第1のデータ回路インターフェース846は、論理回路842と一体であり得る。
【0182】
特定の形態では、第1のデータ回路は、第1のデータ回路が関連している特定の外科用器具に関する情報を格納し得る。そのような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他のタイプの情報を含むことができる。この情報は、器具インターフェース回路840によって(例えば、論理回路842によって)読み出され、出力デバイスを介したユーザーへの提供のため、及び/又は発生器800の機能又は動作の制御のために、非絶縁段階804の構成要素(例えば、論理デバイス816、DSPプロセッサ822、及び/又はUIプロセッサ836)に伝達され得る。加えて、任意の種類の情報が、第1のデータ回路インターフェース846を介して内部に格納させるために、(例えば、論理回路842を使用して)第1のデータ回路に伝達され得る。そのような情報は、例えば、外科用器具が使用された最新の手術数並びに/又はその使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。
【0183】
上記のように、外科用器具は、器具の互換性及び/又は廃棄性を促進するために、ハンドピースから取り外し可能であり得る(例えば、多機能外科用器具は、ハンドピースから取り外し可能であり得る)。そのような場合、従来の発生器は、使用されている特定の器具構成を認識し、これに対応して制御及び診断プロセスを最適化する能力が制限されている場合がある。しかし、この問題に対処するために、外科用器具に読み取り可能なデータ回路を追加することは、適合性の観点から問題がある。例えば、必要なデータ読み取り機能性を欠く発生器との後方互換性を保つように外科用器具を設計することは、例えば、異なる信号スキーム、設計複雑性及び費用のために、実用的でない場合がある。本明細書で論じられる器具の形態は、既存の外科用器具に実装されてもよいデータ回路を経済的に使用し、外科用器具と最新の発生器プラットフォームとの適合性を維持するための設計変更を最小限にすることによってこれらの懸念に対処する。
【0184】
加えて、発生器800の形態は、器具ベースのデータ回路との通信を可能にしてもよい。例えば、発生器800は、器具(例えば多機能外科用器具)内に収容される第2のデータ回路と通信するように構成することができる。いくつかの形態では、第2のデータ回路は、本明細書に記載される第1のデータ回路のものと類似した多くのものに実装される。器具インターフェース回路840は、この通信を可能にする第2のデータ回路インターフェース848を含むことができる。一形態では、第2のデータ回路インターフェース848は、トライステートデジタルインターフェースを含んでもよいが、他のインターフェースも使用されてもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、一般にデータを送信及び/又は受信するための任意の回路であってもよい。一形態では、例えば、第2のデータ回路は、第2のデータ回路が関連付けられた特定の外科用器具に関する情報を格納してもよい。そのような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他のタイプの情報を含むことができる。
【0185】
いくつかの形態では、第2のデータ回路は、関連する超音波変換器、エンドエフェクタ、又は超音波駆動システムの電気的及び/又は超音波的特性に関する情報を格納してもよい。例えば、第1のデータ回路は、本明細書に記載されたように、バーンイン周波数スロープを示してもよい。加えて、又はあるいは、第2のデータ回路インターフェース848を介して内部に格納させるために、第2のデータ回路に任意の種類の情報を伝達してもよい(例えば、論理回路842を使用して)。そのような情報は例えば、器具が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、1つ又は2つ以上のセンサ(例えば、器具ベースの温度センサ)によって取得されたデータを送信してもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、発生器800からデータを受信し、その受信したデータに基づいてユーザーに指標(例えば、発光ダイオード指標又はその他の可視指標)を提供し得る。
【0186】
特定の形態では、第2のデータ回路及び第2のデータ回路インターフェース848は、論理回路842と第2のデータ回路との間の通信が、この目的のための追加的な導体(例えば、ハンドピースを発生器800に接続するケーブルの専用導体)の提供を必要とせずにもたらされ得るように、構成され得る。一形態では、例えば、使用される導体のうちの1つが、信号調整回路844からハンドピース内の制御回路へ呼掛け信号を送信するなど、既存のケーブル配線上に実装されたワンワイヤバス通信方式を使用して、第2のデータ回路との間で情報を伝達することができる。このようにして、元来必要とされる場合がある外科用器具への設計変更又は修正は、最小化されるか又は低減される。更に、一般的な物理的チャネル上で実施される異なる種類の通信を周波数帯域分離することができるため、第2のデータ回路の存在は、必要なデータ読み取り機能を有しない発生器にとって「不可視」であり、したがって、外科用器具の後方互換性を可能にする。
【0187】
特定の形態では、絶縁段階802は、直流電流が患者を通るのを防ぐために、駆動信号出力部810bに接続された、少なくとも1つのブロッキングコンデンサ850−1を含んでもよい。単一のブロッキングコンデンサは、例えば、医学的規制又は基準に準拠することが必要とされる場合がある。単一コンデンサ設計における故障は比較的稀であるが、それでもなおそのような故障は否定的な結果をもたらす恐れがある。一形態では、第2のブロッキングコンデンサ850−2は、ブロッキングコンデンサ850−1と直列で提供され得、ブロッキングコンデンサ850−1と850−2との間の点からの電流漏洩が、漏洩電流により誘発される電圧をサンプリングするために、ADC回路852によって監視される。サンプルは、例えば、論理回路842によって受信されてもよい。発生器800は、(電圧サンプルによって示されるような)漏れ電流の変化に基づいて、ブロッキングコンデンサ850−1、850−2のうちの少なくとも1つが故障したときを判定することができ、これにより単一の故障点を有する単一コンデンサ設計に勝る利益を提供することができる。
【0188】
特定の形態では、非絶縁段階804は、好適な電圧及び電流でDC電力を送達するための電源854を含み得る。電源は、例えば、48VDCシステム電圧を送達するための、400W電源を含み得る。電源854は、電源の出力を受信して発生器800の様々な構成要素によって必要とされる電圧及び電流でDC出力を生成するための1つ又は2つ以上のDC/DC電圧変換器856を更に備えることができる。コントローラ838と関連して上述したように、DC/DC電圧変換器856のうちの1つ又は2つ以上は、ユーザーによる「オン/オフ」入力デバイスの起動がコントローラ838によって検出されたときにコントローラ838から入力を受信し、DC/DC電圧変換器856の動作又は起動を可能にしてもよい。
【0189】
図21は、発生器800(図20)の一形態である発生器900の例を示す。発生器900は、複数のエネルギーモダリティを外科用器具に送達するように構成されている。発生器900は、エネルギーを外科用器具に送達するためのRF信号及び超音波信号を単独で又は同時にのいずれかで提供する。RF信号及び超音波信号は、単独で、又は組み合わせて提供されてもよく、また同時に提供されてもよい。上述したように、少なくとも1つの発生器出力部は、単一のポートを通して複数のエネルギーモダリティ(例えば、とりわけ超音波、双極若しくは単極RF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波エネルギー)を送達することができ、これらの信号は、組織を治療するために個別に又は同時にエンドエフェクタに送達することができる。
【0190】
発生器900は、波形発生器904に連結されたプロセッサ902を備える。プロセッサ902及び波形発生器904は、プロセッサ902に連結されたメモリに格納された情報(開示を明瞭にするために示されず)に基づいて、様々な信号波形を発生するように構成されている。波形に関連するデジタル情報は、デジタル入力をアナログ出力に変換するために1つ又は2つ以上のDAC回路を含む波形発生器904に提供される。アナログ出力は、信号調節及び増幅のために、増幅器1106に供給される。増幅器906の調節され増幅された出力は、電力変圧器908に連結される。信号は、電力変圧器908を横断して患者絶縁側にある二次側に連結される。第1のエネルギーモダリティの第1の信号は、ENERGY1及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。第2のエネルギーモダリティの第2の信号は、コンデンサ910にわたって連結され、ENERGY2及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。2つを超えるエネルギーモダリティが出力されてもよく、したがって添え字「n」は、最大n個のENERGYn端子が提供され得ることを表示するために使用することができ、このnは、1超の正の整数であることが理解されよう。最大「n」個のリターンパス(RETURNn)が、本開示の範囲から逸脱することなく提供されてもよいことも理解されよう。
【0191】
第1の電圧感知回路912は、ENERGY1及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。第2の電圧感知回路924は、ENERGY2及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。電流感知回路914は、いずれかのエネルギーモダリティの出力電流を測定するために、図示される電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配設される。異なるリターンパスが各エネルギーモダリティに対して提供される場合、別個の電流感知回路が、各リターン区間で提供されなければならない。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力が対応している絶縁変圧器916、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器918に提供される。電力変圧器908の一次側(非患者絶縁側)上における絶縁変圧器916、928、922の出力は、1つ又は2つ以上のADC回路926に提供される。ADC回路926のデジタル化された出力は、更なる処理及び計算のためにプロセッサ902に提供される。出力電圧及び出力電流のフィードバック情報は、外科用器具に提供される出力電圧及び電流を調整するために、またいくつかあるパラメータの中で出力インピーダンスを計算するために使用することができる。プロセッサ902と患者絶縁回路との間の入力/出力通信は、インターフェース回路920を通して提供される。センサもまた、インターフェース回路920を介してプロセッサ902と電気通信してもよい。
【0192】
一態様では、インピーダンスは、ENERGY1/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第1の電圧感知回路912又はENERGY2/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第2の電圧感知回路924を、電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配置された電流感知回路914の出力で割ることによって、プロセッサ902により決定されてもよい。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力は、個別の絶縁変圧器916、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器916に提供される。ADC回路926からのデジタル化された電圧及び電流感知測定値は、インピーダンスを計算するためにプロセッサ902に提供される。一例として、第1のエネルギーモダリティENERGY1は、超音波エネルギーであってもよく、第2のエネルギーモダリティENERGY2は、RFエネルギーであってもよい。それでも、超音波エネルギーモダリティ及び双極又は単極RFエネルギーモダリティに加えて、他のエネルギーモダリティには、数ある中でも不可逆並びに/又は可逆電気穿孔法及び/若しくはマイクロ波エネルギーが挙げられる。また、図21に例示された例は、単一のリターンパス(RETURN)が2つ以上のエネルギーモダリティに提供され得ることを示しているが、他の態様では、複数のリターンパスRETURNnが、各エネルギーモダリティENERGYnに提供されてもよい。したがって、本明細書に記載されるように、超音波変換器のインピーダンスは、第1の電圧感知回路912の出力を電流感知回路914で割ることによって測定されてもよく、組織のインピーダンスは、第2の電圧感知回路924の出力を電流感知回路914で割ることによって測定されてもよい。
【0193】
図21に示すように、少なくとも1つの出力ポートを含む発生器900は、実行される組織の処置の種類に応じて、電力を、例えば、とりわけ、超音波、双極若しくは単極RF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波エネルギーなどの1つ又は2つ以上のエネルギーモダリティの形態でエンドエフェクタに提供するために単一の出力部を有し、かつ複数のタップを有する電力変圧器908を含むことができる。例えば、発生器900は、単極又は双極RF電気外科用電極のいずれかを用いて、超音波変換器を駆動するために高電圧かつ低電流で、組織封止のためのRF電極を駆動するために低電圧かつ高電流で、又はスポット凝固のための凝固波形で、エネルギーを送達することができる。発生器900からの出力波形は、周波数を外科用器具のエンドエフェクタに提供するために、誘導、切り替え、又はフィルタリングされ得る。超音波変換器の発生器900の出力部への接続部は、好ましくは、図21に示したENERGY1とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。一例では、RF双極電極の発生器900の出力部への接続部は、好ましくは、ENERGY2とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。単極出力の場合、好ましい接続部は、ENERGY2出力部及びRETURN出力部に接続された好適なリターンパッドへの活性電極(例えば、ペンシル型又は他のプローブ)であろう。
【0194】
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR OPERATING GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS AND SURGICAL INSTRUMENTS」と題する2017年3月30日公開の米国特許出願公開第2017/0086914号に開示されている。
【0195】
本説明全体で使用される用語「無線」及びその派生語は、非固体媒体を介して変調電磁放射線の使用を通じてデータを通信し得る回路、装置、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために使用されてもよい。この用語は、関連する装置がいかなる有線も含まないことを意味するものではないが、一部の態様では、それらは存在しない可能性がある。通信モジュールは、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリー)、IEEE 802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、これらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない多数の無線又は有線通信規格又はプロトコルのうちのいずれかを実装してもよい。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi−Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev−DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
【0196】
本明細書で使用するとき、プロセッサ又は処理ユニットは、いくつかの外部データソース、通常はメモリ又は何らかの他のデータストリーム上で動作を実行する電子回路である。この用語は、本明細書では、多くの専用「プロセッサ」を組み合わせたシステム又はコンピュータシステム(特にシステムオンチップ(SoC))内の中央プロセッサ(中央処理ユニット)を指すために使用される。
【0197】
本明細書で使用するとき、チップ上のシステム又はシステムオンチップ(SoC又はSOC)は、コンピュータ又は他の電子システムの全ての構成要素を統合する集積回路(「IC」又は「チップ」としても知られる)である。これは、デジタル、アナログ、混合信号、及び多くの場合は高周波数機能を、全て単一の基材上に含むことができる。SoCは、マイクロコントローラ(又はマイクロプロセッサ)を、グラフィックス処理ユニット(GPU)、Wi−Fiモジュール、又はコプロセッサなどの最新の周辺装置と統合する。SoCは、内蔵メモリを含んでもよく、含まなくてもよい。
【0198】
本明細書で使用するとき、マイクロコントローラ又はコントローラは、マイクロプロセッサを周辺回路及びメモリと統合するシステムである。マイクロコントローラ(又はマイクロコントローラユニットのMCU)は、単一の集積回路上の小型コンピュータとして実装されてもよい。これはSoCと同様であってもよく、SoCは、その構成要素の1つとしてマイクロコントローラを含み得る。マイクロコントローラは、1つ又は2つ以上のコア処理ユニット(CPU)と共にメモリ及びプログラム可能な入力/出力周辺機器を収容することができる。強誘電性のRAM、NORフラッシュ、又はOTP ROMの形態のプログラムメモリ、及び少量のRAMもまた、チップ上にしばしば含まれる。マイクロコントローラは、パーソナルコンピュータ又は様々な個別のチップで構成された他の汎用用途で使用されるマイクロプロセッサとは対照的に、組み込み型用途用に採用され得る。
【0199】
本明細書で使用するとき、コントローラ又はマイクロコントローラという用語は、周辺装置とインターフェースするスタンドアロンIC又はチップ装置であってもよい。これは、その装置の動作(及び装置との接続)を管理する外部装置上のコンピュータ又はコントローラの2つの部分間の連結部であってもよい。
【0200】
本明細書で説明されるプロセッサ又はマイクロコントローラはいずれも、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットアナログ−デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex−M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0201】
一態様では、プロセッサは、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC 61508及びISO 26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0202】
モジュール式装置は、外科用ハブ内に受容可能な(例えば図3及び図9に関連して説明される)モジュールと、対応する外科用ハブと接続又はペアリングするために様々なモジュールに接続され得る外科用装置又は器具と、を含む。モジュール式装置としては、例えば、インテリジェント外科用器具、医療用撮像装置、吸引/灌注装置、排煙器、エネルギー発生器、ベンチレータ、吸入器、及びディスプレイが挙げられる。本明細書に記載されるモジュール式装置は、制御アルゴリズムによって制御することができる。制御アルゴリズムは、モジュール式装置自体上で、特定のモジュール式装置がペアリングされる外科用ハブ上で、又はモジュール式装置及び外科用ハブの両方の上で(例えば、分散コンピューティングアーキテクチャを介して)、実行され得る。いくつかの例示では、モジュール式装置の制御アルゴリズムは、モジュール式装置自体によって(すなわち、モジュール式装置内の、モジュール式装置上の、又はモジュール式装置に接続されたセンサによって)感知されたデータに基づいて装置を制御する。このデータは、手術中の患者(例えば、組織特性又は注入圧)又はモジュール式装置自体(例えば、前進するナイフの速度、モータ電流、又はエネルギーレベル)に関連し得る。例えば、外科用ステープル留め及び切断器具の制御アルゴリズムは、ナイフが前進する際にナイフが遭遇する抵抗に基づき、器具のモータが組織を貫いてそのナイフを駆動させる速度を制御することができる。
【0203】
クラウドハードウェア
図22は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのブロック図である。一態様では、このコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムは、外科用ハブ、外科用器具、ロボットデバイス、及び手術室又は医療施設を含む様々な外科用システムの動作に関するデータを監視及び分析するように構成される。このコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムは、クラウドベース分析システムを含む。このクラウドベース分析システムは、外科用システムとして記述されるが、必ずしもそのように限定されるものではなく、一般的にクラウドベースの医療システムであってもよい。図22に示すように、クラウドベース分析システムは、複数の外科用器具7012(器具112と同じ又は同様であってもよい)と、複数の外科用ハブ7006(ハブ106と同じ又は同様であってもよい)と、クラウド7004(クラウド204と同じ又は同様であってもよい)に外科用ハブ7006を連結するための外科用データネットワーク7001(ネットワーク201と同じ又は同様であってもよい)とを含む。複数の外科用ハブ7006のそれぞれは、1つ又は2つ以上の外科用器具7012に通信可能に連結される。ハブ7006はまた、ネットワーク7001を介してコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのクラウド7004に通信可能に連結される。クラウド7004は、様々な外科用システムの動作に基づいて生成されたデータを格納、操作、及び通信するためのハードウェア及びソフトウェアのリモート集中源である。図22に示すように、クラウド7004へのアクセスは、インターネット又は何らかの他の好適なコンピュータネットワークであり得るネットワーク7001を介して達成される。クラウド7004に連結される外科用ハブ7006は、クラウドコンピューティングシステム(すなわち、クラウドベース分析システム)のクライアント側と見なすことができる。外科用器具7012は、本明細書に記載される様々な外科処置又は動作の制御及び実施のために、外科用ハブ7006と対になっている。
【0204】
加えて、外科用器具7012は、対応する外科用ハブ7006(送受信機も含み得る)への、及びそこからのデータ伝送のための送受信機を備えてもよい。外科用器具7012と対応するハブ7006との組み合わせは、医療手術を提供するための医療施設(例えば病院)内の手術室などの特定の位置を示し得る。例えば、外科用ハブ7006のメモリは、位置データを格納し得る。図22に示すように、クラウド7004は、中央サーバ7013(リモートサーバ113、213と同じ又は同様であってもよい)、ハブアプリケーションサーバ7002、データ分析モジュール7034、及び入力/出力(「I/O」)インターフェース7006を含む。クラウド7004の中央サーバ7013は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理し、これは、クライアント外科用ハブ7006による要求を監視することと、その要求を実行するためのクラウド7004の処理能力を管理することとを含む。各中央サーバ7013は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリと磁気格納デバイスなどの不揮発性メモリとを含み得る、好適なメモリデバイス7010に連結された1つ又は2つ以上のプロセッサ7008を備える。メモリデバイス7010は機械実行可能命令を含んでもよく、これが実行されると、以下で説明されるクラウドベースのデータ分析、動作、推奨、及び他の動作のために、プロセッサ7008にデータ分析モジュール7034を実行させる。更に、プロセッサ7008は、ハブ7006によって独立に実行されるハブアプリケーションとは独立に、又はハブアプリケーションと連携して、データ分析モジュール7034を実行することができる。中央サーバ7013はまた、メモリ7010内に存在することができる集計された医療データのデータベース7011を含む。
【0205】
ネットワーク7001を介した様々な外科用ハブ7006への接続に基づいて、クラウド7004は、様々な外科用器具7012及びそれらの対応するハブ7006によって生成された特定のデータからのデータを集計することができる。そのような集計データは、クラウド7004の集計された医療データのデータベース7011内に格納されてもよい。具体的には、クラウド7004は、有利なように、集計されたデータ上でデータ分析及び動作を実行して、個別のハブ7006がそれ自体だけでは達成できないような知見及び/又は機能をもたらすことができる。この目的のために、図22に示すように、クラウド7004及び外科用ハブ7006は、情報を送受信するように通信可能に連結される。I/Oインターフェース7006は、ネットワーク7001を介して複数の外科用ハブ7006に接続される。このようにして、I/Oインターフェース7006は、外科用ハブ7006と集計された医療データのデータベース7011との間で情報を転送するように構成され得る。したがって、I/Oインターフェース7006は、クラウドベース分析システムの読み出し/書き込み動作を容易にし得る。このような読み出し/書き込み動作は、ハブ7006からの要求に応じて実行されてもよい。これらの要求はハブアプリケーションを介してハブ7006に送信され得る。I/Oインターフェース7006は、1つ又は2つ以上の高速データポートを含んでもよく、これには、クラウド7004をハブ7006に接続するためのユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IEEE 1394ポート、並びにWi−Fi及びBluetooth I/Oインターフェースが含まれ得る。クラウド7004のハブアプリケーションサーバ7002は、外科用ハブ7006によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)に共有機能をホスト及び供給するように構成されている。例えば、ハブアプリケーションサーバ7002は、ハブ7006を介してハブアプリケーションによってなされた要求を管理し、集計された医療データのデータベース7011へのアクセスを制御し、また負荷バランス調整を実行することができる。データ分析モジュール7034は、図23を参照して更に詳細に説明される。
【0206】
本開示に記載される特定のクラウドコンピューティングシステムの構成は、具体的には、外科用器具7012、112などの医療用装置を使用して実行される医療動作及び処置の文脈において生じる様々な問題に対処するように設計されている。特に、外科用器具7012は、外科手術の性能を改善するための技術を実施するために、クラウド7004と相互作用するように構成されたデジタル外科用デバイスであってもよい。様々な外科用器具7012及び/又は外科用ハブ7006は、タッチ制御されたユーザーインターフェースを含んでもよく、これにより臨床医が外科用器具7012とクラウド7004との間の相互作用の態様を制御することができる。聴覚的に制御されたユーザーインターフェースなど、制御のための他の好適なユーザーインターフェースを使用することもできる。
【0207】
図23は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムの機能アーキテクチャを示すブロック図である。クラウドベース分析システムは、医療分野において具体的に生じる問題にデータ分析ソリューションを提供するために、クラウド7004のプロセッサ7008によって実行され得る複数のデータ分析モジュール7034を含む。図23に示すように、クラウドベースのデータ分析モジュール7034の機能は、外科用ハブ7006にアクセスされ得るハブアプリケーションサーバ7002によってホストされたハブアプリケーション7014を介して、支援され得る。クラウドプロセッサ7008及びハブアプリケーション7014は、データ分析モジュール7034を実行するために連携して動作することができる。アプリケーションプログラムインターフェース(API)7016は、ハブアプリケーション7014に対応するプロトコル及びルーチンのセットを定義する。加えて、API7016は、アプリケーション7014の動作のために、集計された医療データのデータベース7011内へのデータの格納及びここからの読み出しを管理する。キャッシュ7018も、データを(例えば一時的に)格納し、アプリケーション7014によって使用されるデータのより効率的な読み出しのためにAPI7016に連結される。図23のデータ分析モジュール7034は、リソース最適化モジュール7020、データ収集及び集計モジュール7022、認証及びセキュリティモジュール7024、制御プログラム更新モジュール7026、患者結果分析モジュール7028、推奨モジュール7030、並びにデータ分類及び優先順位付けモジュール7032を含む。他の好適なデータ分析モジュールもまた、いくつかの態様により、クラウド7004によって実装され得る。一態様では、データ分析モジュールは、傾向、結果、及び他のデータの分析に基づいて具体的な推奨を行うのに使用される。
【0208】
例えば、データ収集及び集計モジュール7022は、自己記述型データ(例えば、メタデータ)を生成するために使用することができ、このデータには、顕著な特徴又は構成(例えば、傾向)の識別、冗長データセットの管理、並びに対になったデータセット内へのデータの格納(これは手術によってグループ化することができるが、必ずしも実際の手術日付及び外科医に結び付けられていない)が含まれる。特に、外科用器具7012の動作から生成される対のデータセットは、例えば出血又は非出血事象などの二元分類を適用することを含み得る。より一般的には、二元分類は、望ましい事象(例えば、成功した外科処置)又は望ましくない事象(例えば、外科用器具7012の誤発射又は誤使用)のいずれかとして特徴付けることができる。集計された自己記述型データは、外科用ハブ7006の様々なグループ又はサブグループから受信された個々のデータに対応し得る。したがって、データ収集及び集計モジュール7022は、外科用ハブ7006から受信した生データに基づいて、集計メタデータ又は他の整理されたデータを生成することができる。この目的のために、プロセッサ7008は、データ分析モジュール7034を実行するために、ハブアプリケーション7014及び集計された医療データのデータベース7011に動作可能に連結することができる。データ収集及び集計モジュール7022は、集計整理されたデータを、集計された医療データのデータベース7011に格納することができる。
【0209】
リソース最適化モジュール7020は、この集計データを分析して、医療施設の固有の又は群に関するリソースの最適な使用を決定するように構成され得る。例えば、リソース最適化モジュール7020は、そのような器具7012の対応する予測される要求に基づいて、医療施設群に関する外科用ステープル留め器具7012の最適な順序点を決定することができる。リソース最適化モジュール7020はまた、様々な医療施設のリソース使用又は他の動作構成を評価し、これによりリソース使用を改善することができるかどうかを判定することができる。同様に、推奨モジュール7030は、データ収集及び集計モジュール7022から集計整理されたデータを分析して推奨を提供するように構成され得る。例えば、推奨モジュール7030は、特定の外科用器具7012が、例えば、期待される誤り率よりも高いことに基づいて改善バージョンにアップグレードするべきであることを、医療施設(例えば、病院などの医療サービス提供者)に推奨することができる。加えて、推奨モジュール7030及び/又はリソース最適化モジュール7020は、製品再注文ポイントなどのより良いサプライチェーンパラメータを推奨し、異なる外科用器具7012の使用の提案、又は手術結果を改善する手順工程を提供することができる。医療施設は、対応する外科用ハブ7006を介してそのような推奨を受信することができる。様々な外科用器具7012のパラメータ又は構成に関するより具体的な推奨も、提供することができる。ハブ7006又は外科用器具7012はそれぞれ、クラウド7004によって提供されるデータ又は推奨を表示するディスプレイスクリーンを有し得る。
【0210】
患者結果分析モジュール7028は、外科用器具7012の現在使用されている動作パラメータに関連付けられた手術結果を分析することができる。患者結果分析モジュール7028はまた、他の潜在的な動作パラメータを分析及び評価することができる。この接続では、推奨モジュール7030は、より良好な封止又はより少ない出血などの、より良好な手術結果をもたらすことに基づいて、これらの他の潜在的な動作パラメータを使用することを推奨することができる。例えば、推奨モジュール7030は、対応するステープル留め外科用器具7012に特定のカートリッジをいつ使用すべきかに関する推奨を、外科用ハブ7006に送信することができる。したがって、クラウドベース分析システムは、共通変数を制御している間に、生データの大きな収集を分析し、複数の医療施設に対して集中管理的な推奨(有利なように、集計されたデータに基づいて決定される)を提供するように構成され得る。例えば、クラウドベース分析システムは、単独の医療施設では独立に分析できないような方法で、医療診療のタイプ、患者のタイプ、患者の数、医療提供者の間の地理的類似性(医療提供者/施設が、同様の種類の器具などを使用する)に基づいて、データを分析、評価、及び/又は集計することができる。制御プログラム更新モジュール7026は、対応する制御プログラムが更新されたときに、様々な外科用器具7012の推奨を実施するように構成され得る。例えば、患者結果分析モジュール7028は、特定の制御パラメータと、成功した(又は失敗した)結果とをリンクさせる相関を識別することができる。このような相関は、更新された制御プログラムが制御プログラム更新モジュール7026を介して外科用器具7012に送信されるときに対処されてもよい。対応するハブ7006を介して送信される機器7012への更新は、クラウド7004のデータ収集及び集計モジュール7022によって収集及び分析された集計された性能データを組み込んでもよい。加えて、患者結果分析モジュール7028及び推奨モジュール7030は、集計された性能データに基づいて、器具7012を使用する改善された方法を識別することができる。
【0211】
クラウドベース分析システムはまた、クラウド7004によって実装されるセキュリティ機能を含んでもよい。これらのセキュリティ機能は、認証及びセキュリティモジュール7024によって管理されてもよい。各外科用ハブ7006は、ユーザー名、パスワード、及び他の好適なセキュリティ認証情報などの、関連する固有の認証情報を有することができる。これらの認証情報は、メモリ7010に格納され、許可されたクラウドアクセスレベルに関連付けることができる。例えば、正確な認証情報の提供に基づいて、外科用ハブ7006には、所定の範囲まで(例えば、特定の定義されたタイプの情報の送信又は受信のみ関与できるなど)、クラウドと通信するアクセスが付与され得る。この目的のために、クラウド7004の集計された医療データのデータベース7011は、提供された認証情報の正確さを検証するための、認証情報データベースを含んでもよい。様々な認証情報が、クラウド7004との相互作用のための様々なレベルの許可に関連付けられてもよい(例えばクラウド7004によって生成されたデータ分析を受信するための所定のアクセスレベルなど)。更に、セキュリティ目的のために、このクラウドは、禁止されたデバイスの「ブラックリスト」を含み得るハブ7006、機器7012、及び他のデバイスのデータベースを維持することができる。具体的には、ブラックリスト上に列挙された外科用ハブ7006は、クラウドと相互作用することを許可されない可能性があり、一方で、ブラックリスト上に列挙された外科用器具7012は、対応するハブ7006への機能的アクセスを有さない可能性があり、かつ/又は対応するハブ7006と対になったときに完全に機能することが阻止される可能性がある。付加的に又は代替的に、クラウド7004は、不適合性又は他の指定された基準に基づいて、器具7012にフラグを立てることができる。このようにして、クラウドベース分析システム全体にわたって、偽造医療機器及びそのような装置の不適切な再利用を、識別し、対処することができる。
【0212】
外科用器具7012は、無線送受信機を使用して、例えば、対応するハブ7006及びクラウド7004へのアクセスのための認証情報を表し得る無線信号を送信することができる。有線送受信機を使用して信号を送信することもできる。そのような認証情報は、外科用器具7012のそれぞれのメモリデバイスに格納され得る。認証及びセキュリティモジュール7024は、認証情報が正確であるか偽造であるかを判定することができる。認証及びセキュリティモジュール7024はまた、セキュリティ強化のために、認証情報を動的に生成してもよい。認証情報はまた、ハッシュベースの暗号化を使用することなどによって、暗号化されてもよい。適切な認証を送信すると、外科用器具7012は、対応するハブ7006及び最終的にはクラウド7004に信号を送信して、器具7012が医療データを取得して送信する準備ができていることを示してもよい。これに応答して、クラウド7004は、集計された医療データのデータベース7011に格納するための医療データを受信することが可能な状態に移行することができる。このデータ伝送準備は、例えば、器具7012上のライトインジケータによって示され得る。クラウド7004はまた、それらの関連する制御プログラムを更新するために、外科用器具7012に信号を送信することができる。クラウド7004は、特定のクラスの外科用器具7012(例えば、電気外科用器具)に向けられた信号を送信することができ、これにより、制御プログラムに対するソフトウェアアップデートが、適切な外科用器具7012にのみ送信される。更に、クラウド7004は、選択的データ送信及び認証情報に基づいてローカル又はグローバルの問題に対処するために、システムワイドのソリューションを実装するのに使用することができる。例えば、外科用器具7012のグループが共通の製造不良を有するものとして識別された場合、クラウド7004は、このグループに対応する認証情報を変更して、このグループの動作ロックアウトを実施することができる。
【0213】
クラウドベース分析システムは、複数の医療施設(例えば、病院などの医療施設)を監視することを可能にし、これにより、改善された慣行及び推奨の変更を判定することができる(例えば、推奨モジュール2030を介して)。したがって、クラウド7004のプロセッサ7008は、個々の医療施設に関連付けられたデータを分析して、施設を識別し、そのデータを、グループ内の他の医療施設に関連付けられた他のデータと合わせて集計することができる。グループは、例えば、同様の手術慣行又は地理的位置に基づいて定義することができる。このようにして、クラウド7004は、医療施設グループに対して、幅広い分析及び推奨を提供することができる。クラウドベース分析システムはまた、拡張状況認識のために使用することができる。例えば、プロセッサ7008は、(手術全体及び/又は様々な医療処置に対する)特定の施設についての費用及び有効性に関する推奨の効果を予測的にモデル化してもよい。その特定の設備に関連する費用及び有効性はまた、他の設備又は任意の他の同等の設備の対応する地域と比較することもできる。
【0214】
データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、重要性(例えば、データに関連付けられた医療事象の重大度、予想外性、不審性)に基づいてデータを優先順位付け及び分類することができる。この分類及び優先順位付けは、本明細書に記載されるクラウドベース分析及び動作を改善するために、上記の他のデータ分析モジュール7034の機能と併せて使用することができる。例えば、データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、データ収集及び集計モジュール7022並びに患者結果分析モジュール7028によって実行されるデータ分析に対する優先度を割り当てることができる。様々な優先順位レベルが、クラウド7004からの特定の応答(緊急性のレベルに対応する)をもたらし、例えば、緊急措置のためのエスカレーション、特別な処理、集計された医療データのデータベース7011からの除外、又は他の好適な応答をもたらすことができる。更に、必要に応じて、クラウド7004は、対応する外科用器具7012からの追加データのために、ハブアプリケーションサーバを介して要求(例えば、プッシュメッセージ)を送信することができる。このプッシュメッセージは、支持データ又は追加のデータを要求するために、対応するハブ7006上に表示された通知をもたらすことができる。このプッシュメッセージは、クラウドが有意な不規則性又は外れ値を検出し、クラウドがその不規則性の原因を判定することができないような状況で、必要とされる可能性がある。中央サーバ7013は、特定の重大な状況(例えば、データが所定の閾値を超えて予測値と異なると判定される場合、又はセキュリティが含まれていると見なされる場合など)において、このプッシュメッセージをトリガするようにプログラムすることができる。
【0215】
説明される様々な機能に関する更なる例示的な詳細が、以下の説明において提供される。様々な説明のそれぞれは、ハードウェア及びソフトウェアの実装の一例として図22及び図23に記載されるように、クラウドアーキテクチャを利用することができる。
【0216】
データ処理及び優先順位付け
本開示の態様は、データ処理、分類、及び優先順位付けを提供するためのクラウドコンピューティングシステム(上述のようなコンピュータ実装インタラクティブ外科用システム)について提示され、これは様々な医療動作中に生成される重要なデータに適用され得る。このクラウドコンピューティングシステムは、複数の外科用ハブ7006及びスマート医療用器具(外科用器具7012など)に通信可能に連結された、クラウドベース分析システムを構成する。典型的には、病院又は診療所などの医療施設は、データが生成される際に、必ずしも即座にそのデータの重要性を識別しない。例えば、周術期に使用した医療器具に故障が発生した場合、看護師及び臨床医などの医療施設の人員の対処は、医学的合併症の診断、緊急医療支援、及び患者の全体的な安全性に向けられ得る。この状況では、データの重要性は、時間的に対応した方法で分析されない、又は全く分析されない可能性がある。したがって、医療施設は、そのようなデータが生成される際に、必ずしも適時に応答しないか、又は重要なデータを認識することすらしない。加えて、個々の医療施設は、同じ地域や、同様の規模、及び/又は同様の実践又は患者による、他の同様な状況の施設からの重要なデータの管理の知識を欠く場合がある。このクラウドベース分析システムは、この重要なデータの問題に対処するように特別に設計されてもよく、具体的には、医療施設の動作の文脈におけるデータの重要性に基づいて実行されるデータ処理のタイミングに対処するように特別に設計されてもよい。このクラウドベース分析システムは、特定の基準に基づいて、重要なデータを迅速かつ効率的に識別することができる。一部の状況では、集計データを構成する個々の非重要なデータが集計された後に、集計データが重要であると判定される。本明細書で使用するとき、重要なデータ(集計され得る)の処理とは、特定の基準又は閾値に基づいて、データ分類、優先順位付け、及び他のデータ処理を指し得る。
【0217】
適時的かつ改善されたデータ分類、処理、及び優先順位付けを容易にするのを助けるために、複数の医療施設に接続された共通のソースが、これらの医療施設からの重要なデータを全体的に分類、処理、及び優先順位付けすることができれば、望ましいと考えられる。このようにして、複数の医療施設からのこの集計されたデータを使用することに基づいて、共通のソースによって知見が生成され得る。様々な態様では、このクラウドベース分析システムは、1つ又は2つ以上の外科用ハブ7006などの医療施設内のナレッジセンターに通信可能に連結され、かつ、複数の医療施設から医療データを分類、処理、及び優先順位付けするように構成されている、クラウド7004を含む。具体的には、このクラウドベースシステムは、重要なデータを識別し、これに関連する重要性の程度に基づいてそのような重要なデータに応答することができる。例えば、このクラウドベースシステムは、周術期手術器具7012の深刻な故障を示す重要なデータに基づいて、緊急措置を必要とする応答を優先させることができる(集中治療ユニット(ICU)手術後処置を必要とするものなど)。本明細書に記載されるデータ処理、分類、及び優先順位付けは、例えば、1つ又は2つ以上のデータ分析モジュール7034を実行することによって、クラウド7004の中央サーバ7013のプロセッサ7008によって実行されてもよい。
【0218】
重要なデータは、重大度、予想外性、不審性、又はセキュリティなどの要素に基づいて、重要であると判断することができる。他の重要性基準はまた、医療施設などによって、具体的に選択され得る。重要性はまた、外科用器具7012をフラグ付けすることによって示されてもよく、これは、所定のスクリーニング基準(上述した要素と同じであっても異なっていてもよい)に基づくことができる。例えば、外科用器具7012は、重篤な外科手術後合併症に相関付けられたその使用法に基づいて、フラグを付けることができる。クラウドベース分析システムの優先順位付けされたデータ処理をトリガするために、フラグ付けを使用することもできる。外科用器具7012の重要性又はフラグ付けの判定に関連して、クラウド7004は、外科用器具7012の使用に関連する追加のデータのために、プッシュメッセージ又は要求を1つ又は2つ以上の外科用ハブ7006に送信することができる。追加のデータは、外科用器具7012と関連付けられたデータを集計するために使用され得る。例えば、追加データを受信した後、クラウド7004は、特定の医療施設で他の対応する外科用器具7012に共通な、外科用器具7012(例えば、エネルギー外科用器具内で誤動作している発生器)内に欠陥があると判定することができる。したがって、クラウド7004は、そのような欠陥外科用器具7012の全てがリコールされるべきであると判定することができる。これらの欠陥外科用器具7012は、共通の識別番号又は質、又は一意の識別子(シリアル番号のファミリー識別子など)の共通の態様を共有し得る。
【0219】
一般に、クラウドベース分析システムは、単独の医療施設では独力で達成できないような、適時的かつ体系的な方法でデータを集計、分類、処理、及び優先順位付けすることが可能であり得る。クラウドベース分析システムは更に、各特定の施設における医療動作中に生成された特定の医療データの分析を、複数の施設が手配する必要性をなくすことによって、集計され、分類され、優先順序付けられたデータに対する適時応答を可能にすることができる。このようにして、このクラウドベースシステムは、データを集計して、外科用ハブ7006及び器具7012のネットワーク全体にわたる適切な応答を可能にするために、重要なデータ又はフラグ付けを判定することができる。具体的には、適切な応答としては、重要なデータの優先度状態に従ってクラウド7004により分類、処理、及び優先順位付けを行うことが挙げられ、これにより、ネットワーク全体にわたる集計された重要なデータ(又は重要な集計データ)に対する適時的かつ一貫性のある応答を可能にすることができる。データの重要性は、全ての外科用ハブ7006及び器具7012にわたって普遍的かつ一貫して定義され得る。更に、クラウドベース分析システムは、そのようなデータが優先度状態を割り当てられる前に、又は集計された医療データのデータベースに格納される前に、複数の医療施設からのデータの認証を検証することができる。重要なデータの分類と同様に、データ検証も、単独の施設では独立に達成できないような、システム全体にわたる普遍的かつ一貫した方法で実装することができる。
【0220】
図24は、本開示の一態様による、スクリーニング基準を使用して重要なデータを決定し、かつ追加データを得るために外科用ハブに要求をプッシュするようにプログラムされた、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのフロー図である。一態様では、外科用ハブ7006が外科用器具7012からデバイスデータ11002を受信すると、データは、既定のスクリーニング基準に基づいて、フラグを立てられ、及び/又は重要であることが判定され得る。図24に示すように、ハブ7006は、スクリーニング基準11004を適用して、デバイスにフラグを付け、重要なデータを識別する。スクリーニング基準は、重大度、予想外性、不審性、及びセキュリティを含む。重大度は、外科用器具7012を使用して実行される動作に起因する任意の有害な医療結果の重大度を指すことができる。重大度は、外科用器具7012の故障の重大度閾値を使用して評価することができる。例えば、重大度閾値は、1.0ミリリットル/分(mL/分)超などの出血の時間的又は失血速度閾値であり得る。他の好適な重大度閾値を使用することができる。予想外性は、動作中の時間における予測される平均値を著しく超える所定の組織圧縮パラメータなど、平均医療パラメータ値からの標準偏差の量などの閾値を超える偏差の医療パラメータを指すことができる。
【0221】
不審性は、不適切に操作又は改ざんされていると見られるデータを指すことができる。例えば、データによって示される、組織に印加される総治療エネルギー値は、外科用器具7012の発生器を介して印加される総量エネルギーを考慮すると不可能である場合がある。この状況では、このあり得ないデータは、不適切な操作又は改ざんを示唆する。同様に、セキュリティは、誤って削除された閉鎖力パラメータを含むデータなど、セキュリティが不適切なデータを指すことができる。スクリーニング基準はまた、特定の外科用ハブ7006によって、又はクラウド7004によって指定されてもよい。スクリーニング基準はまた、例えば優先順位付けのために使用され得る特定の閾値を組み込むことができる。一実施例では、周術期手術器具7012の故障の程度が複数の重大度閾値に従って複数のカテゴリに分類され得るように、複数の重大度閾値を実装することができる。具体的には、複数の重大度閾値は、位置ずれの重大度の程度を反映するよう、ステープル留め外科用器具7012からの位置ずれステープルの数に基づくことができる。クラウドベース分析システムを使用することによって、クラウドは、個々の医療施設では独力で達成できないような、適時的かつ適切な応答を提供するために、体系的に、重要なデータを特定し外科用器具7012にフラグを付けることができる。クラウド7004によるこの適時的応答は、重度の外科手術後合併症に特に有利であり得る。
【0222】
ハブ7006によって重要なデータを判定し、外科用器具7012にフラグ付けすることは、データを格納する位置を決定することを含み得る。データは、データが重要であるかどうか、及び対応する外科用器具7012がフラグ付けされているかどうかに基づいて、データをルーティング又は格納することができる。例えば、二元基準を使用して、データを2つの格納場所、すなわち、外科用ハブ7006のメモリに格納するデータか、それともクラウド7004のメモリ7010に格納するデータのいずれかに分類することができる。外科用器具7012は、この医療データを生成し、そのデータを送信し、このデータは、図24のデバイスデータ11002として、対応する外科用ハブデバイス7006に送信される。図24は、この二元分類プロセスの一例を示す。具体的には、一態様では、データルーティングは、重大度決定工程11006、11008に示される重大度スクリーニング基準に基づいて決定され得る。工程11006において、ハブ7006は、デバイスデータ11002を提供した外科用器具7012が周術期段階で動作中に故障又は誤動作を経験したかどうか、及びこの故障が重大であると見なされるかどうかを判定する(11006)。上記の重大度閾値又は他の好適な手段を使用して、故障が重大であるかどうかを判定することができる。例えば、重大な故障は、患者の望ましくない出血が外科用器具の使用中又は発射中に発生したかどうかに基づいて決定され得る。工程11006での判定が「はい」の場合、外科用器具7012の対応するデータ(すなわち、重要なデータ)は、ハブ7006によってクラウド7004に送信される(11012)。逆に、工程11006での判定が「いいえ」の場合、フロー図は工程11008に進むことができる。
【0223】
工程11006での判定が「いいえ」の場合、フロー図は、図24の工程11008に進み、ここで、外科用ハブ7006は、特定の外科用器具7012で動作が実行された後に、患者が非標準的な術後ケア(すなわち、ICU)に移行したか否かを判定する。ただし、工程11006での判定が「いいえ」であっても、工程11008での問い合わせは依然として実行されてもよい。工程11008での判定が「はい」である場合、重要なデバイスデータ11002はクラウド7004に送信される。例えば、通常の肥満手術処置後に、患者が手術室からICU内に移送された場合、工程11008での判定は「はい」となる。患者をICU内に移送すると、外科用ハブ7006は、肥満手術を実行するために使用された外科用器具7012から、患者がICU入りを必要とする合併症を経験したことを示す、適時的信号を受信することができる。この信号は工程11008の判定が「はい」であることを示すので、対応するデバイスデータ11002は、クラウド7004に送信される(11012)。更に、特定の外科用器具7012は、クラウド7004によるプロンプト特異的応答のためにクラウド7004によってフラグを付けられてもよい(緊急措置を必要とする優先順位付けを用いて外科用器具7012を指定するなど)。工程11008での判定が「いいえ」の場合、外科用器具7012から外科用ハブ7006に、処置が成功したことを示す信号を送信することができる。このシナリオでは、デバイスデータ11002は、外科用ハブ7006のメモリデバイス内にローカルに格納され得る(11010)。
【0224】
付加的に又は代替的に、特定の外科用器具7012はまた、クラウド7004によるデータ処理をトリガするために、ハブ7006又はクラウド7004によってフラグ付けされてもよい(これはクラウド7004の内部応答を含み得る)。外科用器具7012がフラグ付けされているか、又はデバイスデータ11002が重要であると判定されると、トリガされた応答は、クラウド7004に、外科用器具7012に関する追加データの取得の要求を含む信号を送信させ得る。追加データは、重要なデバイスデータ11002に関連し得る。クラウド7004はまた、特定の外科用器具7012がフラグ付けされていない場合であっても(例えば、外科用器具7012がフラグ付けされていることなくデバイスデータ11002が重要であると判定された場合など)、追加のデータを要求することができる。フラグ付けはまた、外科用器具7012に関連付けられたアラーム又はアラートを示すこともできる。一般に、ハブ7006は、デバイスデータ11002がクラウド7004に送信されるべきかどうかを判定するための判定ロジックを実行するように構成される。判定ロジックは、外科用器具7012の重要性又はフラグ付けを判定するためのスクリーニング基準と見なすことができる。工程決定工程11006、11008で使用される重大度閾値に加えて、データルーティングは、頻度閾値(例えば、外科用器具7012の使用が、エネルギー発生器が使用される回数などの使用量閾値を超えるなど)、データサイズ閾値、又は上述の他のスクリーニング基準などの他の好適な閾値に基づくことができる。フラグ付けはまた、クラウドベースシステムのデータベース内に特定の外科用器具の一意の識別子を格納することをもたらし得る。
【0225】
クラウド7004によってハブ7006への追加データがトリガされた要求11014は、図24に示すように、問い合わせのセットに基づいて作成されてもよい。このトリガされた要求11014は、クラウド7004の中央サーバ7013によって送信されるプッシュ要求であってもよい。具体的には、プロセッサ7008は、データ収集及び集計データ分析モジュール7022を実行して、このトリガ条件機能を実行することができる。このプッシュ要求は、デバイスデータ11002に関連付けられた新たなデータを無制限に収集するために、クラウド7004によってハブ7006に送信される更新要求を含み得る。すなわち、ハブ7006は、クラウド7004が更新要求を撤回する別のメッセージを送信するまで、追加のデータを収集することができる。プッシュ要求はまた、条件更新要求であってもよい。具体的には、プッシュ要求は、特定の条件又は事象が発生した場合にのみ追加情報を送信するよう、ハブ7006のプロンプトを開始することを含み得る。例えば、条件としては、組織を治療するために外科用器具7012によって使用される封止温度が所定の閾値を超えるかどうか、というものであってもよい。プッシュ要求はまた、期間制限要素を有し得る。換言すれば、プッシュ要求は、外科用ハブ7006に、3か月などの特定の所定の期間の追加データを取得させることができる。この期間は、例えば、外科用器具7012の推定される残存耐用寿命に基づくことができる。上述したように、追加データの要求11014は、特定の外科用器具7012がフラグ付けされた後に生じてもよく、これは上述の工程11006、11008での肯定判定に起因し得る。
【0226】
図24に示すように、追加データのためにトリガされた要求11014は、追加情報のトリガ条件と見なすことができる4つの問い合わせを含んでもよい。第1の問い合わせにおいて、ハブ7006は、デバイスデータ11002が、原因不明の外れ値を表すかどうかを判定する(11016)。例えば、外科用器具7012による外科処置中に組織に治療エネルギーを印加することにより、外科的パラメータが正常範囲内にある(例えば、温度及び圧力値が予想される範囲内にある)ように見えても、患者の出血が生じることがある。この状況では、重要なデバイスデータ11002は、原因不明の不規則値を示す。外れ値判定11016は、デバイスデータ11002の予測値との比較に基づいて、又は好適な統計プロセス制御方法に基づいて行うことができる。例えば、デバイスデータ11002の実際の値は、実際の値と、予想される平均値(すなわち平均)値との比較に基づいて、外れ値であると判定することができる。比較が特定の閾値を超えていることを計算することによっても、外れ値を示すことができる。例えば、統計的プロセス制御チャートを使用して、実際の値と期待値との間の差が閾値(例えば、3標準偏差)を超える標準偏差数であることを監視し、示すことができる。デバイスデータ11002が、原因不明で外れ値であると判定される場合、要求11014は、クラウド7004によってハブ7006にトリガされる。それに応じて、ハブ7006は、追加情報をクラウド7004に適時に送信し(11024)、これは、外れ値の理由を診断するための、異なる情報、サポート情報、又は追加情報を提供し得る。外れ値への他の知見もまた、このようにして導出することができる。例えば、クラウド7004は、追加的な外科処置パラメータ情報を受信し得る(例えば、患者の出血が発生したときに、外科処置の同じ時点で他の外科用器具7012によって使用される典型的なクランプ力など)。期待値は、集計された医療データのデータベース7012に格納された集計データに基づいて決定されてもよい(例えば、同様の状況の外科用器具7012群の結果又は性能を平均化することによって)。工程11016でデータが外れ値であると判定されない場合は、フロー図は工程11018に進む。
【0227】
第2の問い合わせは、トリガ条件の別の一例である。工程11018において、ハブ7006は、デバイスデータ11002が不審と分類され得るデータを含むかどうかを判定し(11018)、これは、認証及びセキュリティモジュール7024によって実施され得る。例えば、不審データは、認証されていない操作が検出された状況を含み得る。これには、データが予想と著しく異なるように見える状況(無認証の改ざんが示唆される状況)、データ又はシリアル番号が改変されているように見える状況、外科用器具7012又は対応するハブ7006のセキュリティが侵害されているように見える状況が挙げられる。著しく異なるデータとは、例えば、外科用器具7012の使用時間が予想よりも著しく低い、あるいは、その組織に対して予想され得る値(例えば、組織インピーダンス特性に基づいて計算される値)を著しく超えた出力レベルが適用されるなどの具体的な予想外の外科的パラメータにもかかわらず、外科処置が成功している、といった、全体的に予想外の手術結果を指すことができる。顕著なデータ不一致がある場合は、データ又はシリアル番号の改変を示す可能性がある。一実施例では、ステープル留め外科用器具7012は、外科手術において、別個の固有のステープルパターンを生成してもよく、これを用いて、そのステープル留め外科用器具7012のシリアル番号がその後改変されたかどうかを追跡又は検証することができる。更に、データ又はシリアル番号の改変(改ざんなど)は、外科用器具7012の他の関連情報を介して検出されてもよく、これは、集計された医療データのデータベース7011又は何らかの他の好適なデータ改変検出技術により、独立に検証することができる。
【0228】
更に、セキュリティ侵害(外科用ハブ7006への、又はクラウド7004内に格納された他の保護されたデータセットへの、認証されていない若しくは不規則なアクセスなど)は、認証及びセキュリティモジュール7024を組み込んだクラウドベースのセキュリティ及び認証システムによって検出することができる。セキュリティ及び認証システムは、侵害されたセキュリティ又は完全性を検出するための好適なクラウドベースの侵入検出システム(IDS)であり得る。クラウドIDSシステムは、クラウドコンピューティングネットワーク7001のトラフィック(すなわち、ネットワークパケット)を分析するか、又は様々な外科用ハブ7006で情報(例えば、システムログ又は監査トレイル)を収集することによって、セキュリティ侵害を検出することができる。侵害されたセキュリティ検出技術は、クラウド7004内に格納された既知の攻撃と、異常に基づく検出に対応する、既定のルールセットに対する収集された情報の比較を含む。クラウド7004は、一連の外科手術からのデータを監視して、明らかな理由なしに外れ値又はデータ変化が著しく低減されている(例えば、使用される外科用器具7012のパラメータに対応する変化、又は外科手技の変化などがないのに低減している)かどうかを判定することができる。加えて、不審性は、所定の不審性又は予想外性閾値、デバイスデータ11002の無認可の改変、安全でないデータ通信、あるいはウォッチリスト(以下に更に詳細に記載される)上の外科用器具7012の記載により測定することができる。不審性又は予想外性閾値は、外科用器具7012の設計仕様を超える偏差(例えば、標準偏差で測定される)を指すことができる。認証されていないデータ通信又は改変は、クラウド7004のデータ暗号化が違反又はバイパスされたときに、認証及びセキュリティモジュール7024によって決定され得る。要するに、上述の理由のいずれかによりデータが不審であるとハブ7006が判定すると(11018)、追加データの要求11014がトリガされ得る。これに応答して、ハブ7006は、追加情報をクラウド7004に適時に送信し(11024)、これは、不審性をよりよく特徴付けるための、異なる情報、サポート情報、又は追加情報を提供し得る。工程11018において、第2の問い合わせに対する回答が「いいえ」の場合、フロー図は工程11020に進む。
【0229】
第3及び第4の問い合わせは、追加のトリガ条件を示す。工程11020において、ハブ7006は、デバイスデータ11002が、ウォッチリスト上に維持された識別子(例えば、禁止デバイスの「ブラックリスト」)に一致する、外科用器具7012の一意の識別子を示すと判定することができる。上述のように、「ブラックリスト」は、禁止された外科用ハブ7006、外科用器具7012、及び他の医療用装置に対応する識別子を含むデータベース記録のセットとして維持され得るウォッチリストである。ブラックリストは、認証及びセキュリティモジュール7024によって実施され得る。更に、ブラックリスト上の外科用器具7012は、外科用ハブ7006へのアクセスの完全な機能が阻止又は制限され得る。例えば、エネルギー外科用器具7012は、クラウド7004又は外科用ハブ7006を介して信号をハブ7006又は外科用器具7012に伝送する機能が禁止されてよく(すなわち、動作ロックアウト)、これにより、発生器がエネルギー外科用器具7012に電力を印加することを防止できる。この動作ロックアウトは、一般に、重要なデバイスデータ11002によって示される不規則性に応答して実装され得る。外科用器具は、様々な理由のために、ブラックリスト上に含まれ得る。例えば、認証及びセキュリティモジュール7012が、内部認証コードを使用する偽造外科用器具7012の存在や、外科用器具7012又は関連製品がある地域から別の地域へ無認可で再販されたこと、設計仕様外の外科用器具7012の性能の逸脱、並びに、単一患者の使用のために設計された外科用器具7012又は関連製品が再使用されたことを判定した場合などが挙げられる。例えば、内部認証コードは、メモリデバイス7010内のクラウド7004によって維持される一意の識別子であってもよい。他の認証されていない使用法も、ブラックリスト上への配置をもたらすようにすることができる。
【0230】
偽造認証コードの使用は、クラウドIDSシステムによって検出可能なセキュリティ侵害であり得る。外科用器具7012の他の地域への再販は、例えば、再販された外科用器具7012又は外科用ハブ7006の地域固有のインジケータを介して検出され得る。地域固有のインジケータは、好適な暗号化技術を使用して暗号化することができる。このようにして、クラウド7004は、再販された外科用器具7012の地域固有インジケータが、意図される使用の対応する地域に一致しない場合を検出し得る。使い捨て外科用器具7012の再使用は、ロックアウト機構(例えば、ステープル留め外科用器具のステープラーカートリッジロックアウト機構)の改ざんを検出することや、使い捨て外科用器具7012のマイクロプロセッサをプログラミングして、2回以上の使用が行われた場合に対応する外科用ハブ7006に警告信号を送信すること、又は他の好適な検出技法によって監視することができる。性能の逸脱は、上記の統計的プロセス制御方法を使用して監視することができる。特定の外科用器具7012の設計仕様は、統計的プロセス制御方法の制御限界と考えることができる。一実施例では、制御の下限又は上限のうち1つに向かう顕著な傾向が、クラウド7004によって検出された場合、これは、クラウド7004が対応する外科用器具をブラックリストに追加するための十分な逸脱となる。上述したように、設計仕様を超える逸脱は、デバイスデータ11002が不審であるとの判定(11018)をもたらし得る。外科用器具7012は、要求された追加データの分析に基づいて、クラウド7004によってブラックリストに追加され、又はブラックリストから除去され得る。要するに、ハブ7006が、デバイスデータ11002に対応する外科用器具7012がウォッチリスト上にあると判定する(11020)場合、追加データの要求11014がトリガされ得る。これに応答して、ハブ7006は、追加情報をクラウド7004に適時に送信し(11024)、これは、異なる情報、サポート情報、又は追加情報を提供し得る。工程11020において、第2の問い合わせに対する回答が「いいえ」の場合、フロー図は工程11022に進む。
【0231】
工程11022におけるトリガ条件は、外科用器具7012が誤動作したことをデバイスデータ11002が示すかどうかを判定するハブ70006を含む。一態様では、外科用器具7012の誤動作は、対応する外科用ハブ7006を通じた自動の製品問い合わせをもたらす。ハブ7006が、追加データをクラウド7004に送信(11024)することには、外科用ハブ7006を介して即座にクラウドに送信される外科用器具7012の全ての関連データを含んでもよく、これにより、クラウド7004の中央サーバ7013のプロセッサ7008に、自動の製品問い合わせアルゴリズムを実行させることができる。しかしながら、そのようなアルゴリズムは、誤動作が顕著ではない場合は、直ちに実行されなくてもよい。クラウド7004は、このような自動の製品の問い合わせが実施されたときに、全ての外科用器具7012の可能な使用についてこの関連データのセットを記録するように構成され得る。自動の製品問い合わせアルゴリズムは、クラウド7004が、その誤動作に関連する以前の事象を検索することを含む。クラウド7004は、集計された医療データのデータベース7011内の記録群を、その誤動作に関連するあらゆる事象又は活動と共に、収容することができる。続いて、アルゴリズムの修正及び予防措置(CAPA)部分が、そのような誤動作又は不均一性を低減又は排除するために実施されてもよい。CAPA及び自動の製品問い合わせアルゴリズムは、クラウドベース分析システムのクラウド7004の可能な内部応答11102の一例である。
【0232】
CAPAは、誤動作又は非適合性の原因を調査し、記録し、分析することを含む。CAPAを実施するために、クラウド7004は、集計された医療データのデータベース7011内の収容された関連記録を分析することができ、これには、外科用器具7012の製造日、使用時間、初期パラメータ、最終的な状態/パラメータ、及び外科用器具7012の使用回数などの集計データフィールドが含まれ得る。したがって、個々のデータと集計データの両方を使用することができる。換言すれば、クラウド7004は、例えば、誤動作している外科用器具7012に対応する個々のデータと、誤動作している外科用器具7012に関連する全ての外科用器具7012から収集された集計データの両方を、分析することができる。初期及び最終パラメータは、例えば、外科用器具の印加されたRF信号の初期頻度及び最終頻度であってもよい。また、CAPAは、誤動作が発生したか又は検出されたときより前の期間の分析を含むことができる。このような期間は、例えば、1〜2分であり得る。このCAPA分析に基づいて、クラウド7004は、誤動作の根本原因を診断し、任意の好適な修正措置を推奨するか、又は実行することができる(例えば、誤って調整されたパラメータを再調整する)。自動の製品問い合わせアルゴリズムはまた、特定の外科用器具7012で治療された患者に対する結果のフォローアップを長くすることを伴うことができる。
【0233】
例えば、クラウド7004は、外科用器具7012のウォッチリストの優先順位状態を判定することができ、これにより、誤動作が検出されて対処された後の一定期間、外科用器具7012が監視され得る。更に、誤動作により、クラウド7004が、追跡される医学的項目(例えば、手術中に行われた組織封止の完全性)のリストを拡張させることができる。この追跡対象項目のリストは、患者結果分析モジュール7028による患者の結果監視と併せて実行されてもよい。クラウド7004はまた、不規則性に対応する患者の結果を監視することによって、誤動作によって示される不規則性に応答してもよい。例えば、クラウド7004は、30日間などの所定の期間、失敗した外科手術に不規則性が対応しているかどうかを監視することができる。任意の修正措置はまた、クラウド7004によって評価することができる。上記のフィールドに加えて、他のデータフィールドを監視することもできる。このようにして、クラウドは、個々の医療施設では達成できないような方法で、個々のデータ及び集計データを使用して、外科用器具7012の誤作動を適時診断しこれに応答することができる。
【0234】
一態様では、工程11016、11018、11020、11022のいずれかに対する応答(すなわち、トリガ条件)が肯定である場合(すなわち、トリガ条件が起動される場合)、図24に見られるように、デバイスデータ11002に関連付けられた又は関連する追加データが、クラウド7004に送信される。この追加データは、データ分類及び優先順位付けモジュール7032によって処理されてもよく、一方、患者結果分析モジュール7028は、例えば、データを分析することができる。対照的に、工程11016、11018、11020、11022の全てに対する回答が否定である場合、それぞれのデータは、対応する外科用ハブ7006内に格納される(11026)。したがって、工程11022での回答が「いいえ」の場合、デバイスデータ11002は、ハブ7006内にローカルに格納されてもよく、ハブ7006の追加のデータは要求されない。あるいは、デバイスデータは、例えば、追加データのためにクラウド7004によってトリガされた要求11014を伴わずに、メモリデバイス7010内に格納するために、クラウド7006に送信されてもよい。工程11016、11018、11020、11022はまた、工程11004で適用されたスクリーニング基準の一部として、重要なデータを識別するか、又は外科用器具をフラグ付けするために使用され得る(特定の外科用装置が工程11006、11008に基づいて既にフラグ付けされていない場合)。工程11016、11018、11020、11022以外の他のトリガ条件もまた、追加データの要求11014をトリガするために可能である。この要求は、全ての外科用ハブ7006又はそのサブセットに送信することができる。サブセットは地理的に特異的であってよく、例えば、イリノイ州とアイオワ州の医療施設で使用される外科用ハブ7006が同様に誤動作している場合、米国中西部の医療施設に対応する外科用ハブ7006のみが、追加情報のために要求される(11014)。要求された追加データは、外科用器具7012の特定の使用に関する異なるデータ又は支持データである可能性があり、これによりクラウド7004は、工程11016、11018、11020、11022によって表されるように、不規則性の原因への更なる知見を得ることができる。例えば、誤動作している外科用器具7012が患者の望ましくない出血を引き起こす場合、クラウド7004は、誤動作が出血を引き起こす理由を潜在的に診断するのに役立つよう、この出血に関するタイミング情報を要求することができる。
【0235】
データの重要性は、上記のスクリーニング基準に基づいて、又は任意の他の好適なデータ分析技術に基づいて識別することができる。一態様では、図25に示すように、重要なデータが判定されると、クラウド7004の内部分析応答11102が開始され得る。内部分析応答11102は、有利なように、リアルタイム又はほぼリアルタイムなどの適時的な方式で作製することができる。上述のように、データの重要性は、事象の重大度、データの予想外性、データの不審性、又は何らかの他のスクリーニング基準(例えば、内部の業務フラグ)に基づいて識別することができる。重要なデータの決定は、対応する外科用器具7012又は外科用ハブ7006自体の構成要素の不規則性又は故障を検出する外科用ハブ7006に基づいて、外科用ハブ7006によって生成された要求を伴うことができる。外科用ハブ7006による要求は、クラウド7004による重要なデータの特定の優先順位付け又は特別な処理の要求を含んでもよい。様々な態様では、クラウド内部分析応答11102は、重要なデバイスデータ11002に関連する事象の頻度に基づいてアラーム又は応答を昇格させるか、クラウドコンピューティングシステム内の様々な場所にデバイスデータ11002をルーティングするか、又は集計された医療データのデータベース7011からデバイスデータ11002を除外することができる。加えて、クラウド7004はまた、誤動作外科用器具7012のパラメータを自動的に変更することもでき、これにより、誤動作に対処するための改変をリアルタイム又はほぼリアルタイムで実施することができる。このようにして、例えば、医療施設内の臨床医によって容易に検出されない誤動作さえも、依然として、クラウド7004によって適時に有利に対処することができる。
【0236】
図25は、本開示の一態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムにより重要なデータに応答する一態様のフロー図である。具体的には、クラウド7004による内部分析応答11102は、応答の時間成分又は優先順位付けを決定する優先度状態を判定することを含む、重要なデータの処理を含み得る。応答11102自体は、図24のスクリーニング基準又はトリガ条件に関連して上述した特性などの、重要なデータによって示される動作特性に基づいてもよい。内部応答11102は、データ分類及び優先順位付けモジュール7032並びにデータ収集及び集計モジュール7022によって実施されてもよい。図25において、フロー図の優先順位付け分岐(図25でQ1とラベル付けされる)に示されるように、クラウドは、優先度昇格決定フレームワークを用いて、集計された医療データのデータベース7011から重要なデータを除外するかどうかの二元判定を組み込んでもよい。図25の工程11104では、クラウド7004は、集計された医療データのデータベース7011から重要なデータが除外されるべきかどうかを判定する。除外判定は、閾値判定と見なすことができる。
【0237】
検証目的のために、集計された医療データのデータベース7011から重要なデータを除外することが望ましい場合がある。例えば、特別なルーティングのためにフラグが立てられた又は指定された重要なデータは、クラウド7004によって維持されるホールドリスト上に配置されてもよい。このホールドリストは、クラウド7004内の集計された医療データのデータベース7011に対して、メモリ7010内の別個の格納場所に維持される(キャッシュ7018など)。除外された重要なデータはまた、メモリ7010内のより恒久的な格納場所に格納され得る。したがって、工程11104への回答が「はい」の場合、クラウド7004は、ホールドリスト内に重要なデータを格納する(11118)。クラウド7004は、次いで、重要なデバイスデータ11002が正確であることを認証又は検証することができる。例えば、クラウド7004は、デバイスデータ11002が対応する患者結果に照らして論理的であるかどうかを分析し、又はデバイスデータ11002の追加の関連データを分析することができる。適切な検証がなされたら、デバイスデータ11002はまた、集計された医療データのデータベース7011内に格納されてもよい。しかし、デバイスデータ11002が検証されない場合、クラウド7004は、優先度昇格決定フレームワークにおいて、検証されていないデバイスデータ11002を含まなくてもよい。すなわち、検証の前に、デバイスデータ11002は、内部クラウド応答11102の優先度状態分類11106に従って優先度状態を割り当てられなくてもよい。
【0238】
しかしながら、デバイスデータ11002が検証された場合、フロー図は優先度状態分類11106に進むことができる。したがって、工程11104での除外判定に対する回答が「いいえ」の場合、デバイスデータ11002は、優先度昇格決定フレームワークに従って優先され、これは、重要なデータを処理するための所定の昇格方法を定義することができる。図25に示すように、所定の昇格優先順位付けシステム11106(すなわち、優先順位昇格決定フレームワーク)は、ウォッチリスト、自動応答、通知、及び必要とされる緊急措置を含む4つのカテゴリを含むことができる。この所定の昇格優先順位付けシステム11106は、優先度状態に従って重要なデータを分類し、特定の閾値に基づいて状態間で昇格させることに基づく、トリアージの一形態と見なすことができる。例えば、優先度は、所定の数の外科手術にわたってステープル留め外科用器具7012によって発射されたステープルの位置ずれの数などの、事象閾値の頻度に基づいて、優先度を昇格させることができる。複数の位置ずれの頻度又は他の閾値を使用することもできる。優先度状態分類11106の最も低い優先度レベルは、レベルAで指定されたウォッチリストレベルである。上述のように、ウォッチリストは、禁止された外科用ハブ7006に対応する識別子のデータベース記録のセットとしてメモリ7010内に維持されたブラックリストであってもよい。外科用ハブ7006は、重要なデバイスデータ11002又は追加のデータの性質に応じて、異なる範囲で禁止され得る。例えば、外科用ハブ7006は、部分的にロックアウトされてもよく、これにより、問題を経験しているデバイス構成要素のみが機能を阻止される。あるいは、ウォッチリスト上の外科用ハブ7006は、任意の方法で機能が制限されない場合がある。代わりに、外科用ハブ7006は、発生する任意の追加の不規則性に関して、クラウド7004によって監視されてもよい。したがって、ウォッチリストは、レベルA(最も緊急性の低い状態)で指定される。優先度状態分類11106に示すように、レベルBにおける自動応答は、その次に緊急性の高い優先度状態である。自動応答は、例えば、所定の診断検査のセットを介して、クラウド7004の患者結果分析モジュール7028によるデバイスデータ11002の自動化された初期分析であり得る。
【0239】
3番目に緊急性の高い優先度状態は、優先度状態分類11106のレベルCで指定される通知である。この状況では、クラウド7004は、デバイスデータ11002の性質に応じて、医療施設の職員、臨床医、医療施設部署、又は他の責任者に無線信号を送信する。通知信号は、例えば、医療施設内の好適な位置に配置された受信装置で受信され得る。通知信号の受信は、医療施設において責任者に通知するために、振動又は音によって示され得る。受信装置の所持者(例えば、医療施設の臨床医)は、次いで、示された不規則性を解決するために、重要なデバイスデータ11002若しくは追加のデータの更なる分析又は他の分析を行うことができる。不規則性の解決策が既知である場合、その解決策は適時に実施されてもよい。優先度状態分類11106に示される最も緊急性の高い優先度状態は、必要とされる緊急措置であり、これはレベルDとして示される。必要とされる緊急措置は、責任者、装置、又は器具が、重要なデータによって暗示された問題を直ちに分析し診断するべきであることを示す。適切な診断がなされたら、適切な応答を即座に行うべきである。このようにして、クラウド7004は、個々の医療施設では独力で達成できないような、重要なデータの優先順位付け及びトリアージの包括的なアプローチを実装し得る。重要なデータは、医療分野で生じる時間的制約のある問題に対処することができる好適な優先順位レベルに従って、適時に取り扱うことができる。更に、クラウド7004は、特定の地域内で分類された全ての医療施設から集計された重要なデータを優先順位付けすることができる。したがって、重要なデータを取り扱うための時間的制約のある優先順位付けされたアプローチは、医療施設のグループなど、システム全体に適用することができる。更に、クラウド7004は、適時的に(対応する優先度状態に従ってリアルタイム又はほぼリアルタイムなど)、重要なデータ(及びそのような重要なデータによって暗示される関連する問題)に応答する責任者向けのアラートを生成することができる。このアラートは、責任者の好適な受信機によって受信することができる。デバイスデータ11002の優先度状態はまた、デバイスデータ11002によって暗示された外科的問題の重大度に基づいて決定され得る。上述したように、クラウド7004は、外科用ハブ7006又は外科用器具7012(ハブ7006を介して)から追加データを受信し、これによりクラウド7004にデバイスデータ11002の優先度状態を上昇させることができる。
【0240】
一態様では、優先度状態に基づいて、デバイスデータ11002は、優先度に応じて特定の時間にフラグ付けスクリーニングを行うことができる。例えば、デバイスデータ11002は、重要なデータとして示されていても、まだフラグ付けされていない場合がある。更に、デバイスデータ11002は、優先度状態分類11106に従って、自動応答レベルの優先度を最初に受信してもよい。この状況では、工程11108での重大度判定は、優先度のレベルBに従って比較的迅速であり得る。具体的には、工程11108は、最初に外科用器具7012をウォッチリスト上に配置することなく達成され得る。工程11108で使用される重大度閾値は、11006で使用される重大度閾値と同じであっても異なっていてもよい。工程11108での重要度判定とは別に、重要なデバイスデータ11002又は追加のデータによって示される不規則性に関連する他の判定が行われてもよい。これらの判定は、重要な事象の発生を診断するために使用されてもよい。したがって、工程11108での回答が「はい」の場合、工程11110で事象の頻度を評価することができる。逆に、工程11108での回答が「いいえ」の場合、デバイスデータ11002又は追加のデータは、ホールドリスト内に格納され得る(11118)。付加的に又は代替的に、デバイスデータ11002又は追加のデータは、フロー図のルーティング分岐(図25でQ2とラベル付けされる)に従って、クラウド7004内の異なる格納場所にルーティングすることができる。クラウド7004は、デバイスデータ11002又は追加のデータの代替ルーティング11120のために、ハブ7006からの要求を待つことができる。工程11110で、クラウド7004は、重要な事象が発生している頻度を判定する。この頻度に基づいて、優先度状態分類11106により割り当てられた優先度状態を昇格させることができる(工程11116参照)。例えば、重要な事象とは、外科用器具7012の発生器が、組織を治療的に治療するのに不十分な封止温度を適用することであり得る。換言すれば、工程11110の問い合わせは、重要なデータによって暗示された医学的事象が、問題が最初に特定された後に、増加した頻度で発生しているか否かを問い合わせる。
【0241】
この不十分な封止温度が発生する回数の増加は、例えば、頻度閾値に基づいて、工程11116で優先度状態を昇格させるよう監視され得る(工程11112を参照)。工程11110で事象の頻度が増加しない場合、データはホールドリスト内に格納され得る(11118)。工程11110での回答が「はい」である場合(すなわち、事象の頻度が増加している場合)、フロー図は工程11112に進む。工程11112で、別のデータ検証問い合わせが行われる。具体的には、上記の頻度閾値などの特定の閾値を適用して、デバイスデータ11002又は追加のデータの組み合わせが、集計された医療データのデータベース7011に重要なデータが追加されるべきであることを確認するために十分に正確であるかどうかを判定することができる。更に、工程11112におけるデータ検証問い合わせは、重要なデータのサンプルサイズが十分に大きい(すなわち、限界量に達した)かどうかに関する決定を含んでもよい。付加的に又は代替的に、サンプルサイズは、クラウド7004の適切な内部応答11102を判定するのに十分な情報が存在するかどうかについて分析される。データ検証問い合わせは更に、所定の標準又は検証検査と比較することによるデータの精度の検証を含み得る。工程11112での問い合わせに対する回答が否定である場合、重要なデータは、クラウド7004内の別の格納場所(例えば、ホールドリスト)内に格納される。工程11110での問い合わせに対する回答が肯定である場合、デバイスデータ11002又は追加のデータが、集計された医療データのデータベース7011に追加される。工程11116では、優先度状態分類11106に従って、デバイスデータ11002又は追加のデータの優先度状態が増加される。しかしながら、事象頻度の判定に加えて、集計された医療データのデータベース7011への追加は、それ自体が、工程7で重要なデータの優先度状態の上昇をもたらす操作となり得る。いずれの場合も、デバイスデータ11002又は追加のデータの優先度状態は、例えば、追加の分析又はデータに基づいて、適切に昇格又は降格され得る。クラウド7004の内部応答11102は、重要なデータの現在の優先度状態(すなわち、レベルA〜Dのうちの1つ)に従って作製され得る。
【0242】
重要なデータを優先することに加えて、クラウド7004の内部応答11102は更に、集計された重要なデータを適時にルーティング、グループ分け、又は分類することも含むことができる。具体的には、データは、メモリデバイス7010などのクラウド7004内の異なる格納場所にルーティングされてもよい。このルーティングは、工程11120において、図25でQ2とラベル付けされたフロー図の分岐をルーティングすることによって示される。そのため、クラウド7004の中央サーバ7013のメモリデバイス7010は、重要なデータの特性又は重要なデータに対応する応答に対応する、様々な場所に整理することができる。例えば、メモリデバイス7010の総メモリ容量は、工程11122、11124、11126で使用されるものなどの個々のデータルーティングカテゴリに従ったデータのみを格納する部分に分割することができる。図25の工程11120に示すように、重要なデータは、異なる様々なクラウド格納場所にルーティングされてもよい。工程11120は、フロー図の優先順位分岐と関連して、又はこれとは別に、生じ得る。工程11120は、ハブ7006によって生成された要求によってトリガされてもよい。ハブ7006は、例えば、外科用器具7012と関連付けられた故障又は不規則性が検出されたことにより、そのような要求を送信してもよい。関連付けられた重要なデータは、次いで、クラウド7004によって、別のクラウド格納場所への代替ルーティング11120を受信することができる。工程11122では、代替ルーティング11120は、地理的場所ベースのルーティングを含み得る。すなわち、異なるクラウド格納場所が、クラウドメモリデバイス7010の場所ベースの分類に対応し得る。クラウドメモリデバイス7010の様々なサブセットは、様々な地理的領域に対応し得る。例えば、テキサス州にある製造工場で製造された外科用器具は、クラウドメモリデバイス7010内の格納装置内において一緒にグループ化され得る。別の例では、特定の製造会社で製造された外科用器具は、クラウドメモリデバイス7010内で一緒に分類され得る。したがって、場所ベースの分類は、様々な製造拠点又は運営会社との関連付けに基づいて、クラウド7004が重要なデータをルーティングすることを含み得る。
【0243】
工程11124では、代替ルーティング11120は、クラウド7004の迅速な内部応答11102を必要とする、デバイスデータ11002又は追加データのためのルーティングを含み得る。工程11124でのこの代替ルーティング11120は、優先度状態分類11106と統合され得る。例えば、優先度レベルC及びDにおけるものなどの、昇格した又は緊急優先度の重要なデータは、クラウド7004によって、迅速応答を可能にするために、メモリデバイス7010の迅速応答部分へとルーティングされ得る。例えば、このような重要なデータは、迅速応答が必要であることを意味する迅速応答キャッシュ7018にルーティングされてもよい。工程11126では、特別な処理を必要とする故障のタイプを暗示するデバイスデータ11002又は追加のデータが、メモリデバイス7010の特別処理部分にルーティングされる。例えば、外科用器具7012は、外科用器具7012の全グループに共通の制御プログラムの欠落によって、動作中に故障又は誤動作が生じたと判定され得る。この状況では、外科用器具7012のグループを更新する集合的制御プログラムを送信するために、特別な処理が必要となり得る。したがって、クラウドは、メモリデバイス7010の特別処理部分に重要なデータをルーティングして、この特別処理をトリガすることができる。続いて、この特別処理は更に、患者結果に対する制御プログラム更新の影響を分析及び監視する患者結果分析データ分析モジュール7028も含み得る。患者結果分析モジュール7028は更に、上述したように必要に応じて、自動の製品問い合わせアルゴリズムを実行してもよい。
【0244】
図26は、本開示の一態様による、コンピュータにより実行されるインタラクティブ外科用システムによるデータ分類及び優先順位付けの一態様のフロー図である。この分類及び優先順位付けは、データ分類及び優先順位決定モジュール7032、データ収集及び集計モジュール7022、並びに患者結果分析モジュール7028によって実施されてもよい。上述のように、重要なデバイスデータ11002又は追加のデータは、図26に示される事象1〜3などの様々な医療事象を暗示又は対応させることができる。事象は、例えば、組織治療のフェーズから、別のフェーズへのシフトであってよく、例えば特定の外科用器具での切断に対応するフェーズから、凝固に対応するフェーズへのシフトであってもよい。図26では、第1の医療事象11202に関連付けられた重要なデータは、外科用ハブ7006によって検出され、クラウド7004に送信される。重要なデータを受信すると、クラウド7004は、工程11208で重要なデータを分析して、例えば工程11016で上述したように、重要なデータの期待値と同等であると判定する。重要なデータが同等のものとして決定される場合(すなわち、重要なデータの値が期待される場合)、この重要なデータは、例えば、集計された医療データのデータベース7011内の大きなデータセット内で集計されてもよい。つまり、工程11216において、重要なデータは、クラウドの集計されたデータベース内に格納される。図26に示すように、重要なデータは更に、工程11218、11220において二元分類の対象となる。例えば、重要なデータは、良好な特性か不良な特性かによって区別することができる。データ分類及び優先順位付けモジュールは、例えば、出血又は非出血事象に関連する重要なデータを分類することができる。このようにして、患者結果分析モジュール7028は、工程11218での肯定的な患者結果、又は工程11210での否定的な患者結果に対応するように、重要なデータを分類し得る。
【0245】
図26は更に、第2の医療事象11204に関連付けられた重要なデータは、外科用ハブ7006によって検出され、クラウド7004に送信されることを示す。第2の医療事象11204に関連付けられた重要なデータは、工程11210で不審又は異常なデータであると判定され、これは、工程11118を参照して上述したようなトリガ条件である。したがって、クラウド7004は、プッシュメッセージを外科用ハブ7006に送信することによって、工程11212で、外科用ハブ7006からの追加データを要求するようにトリガされる(11114)。上述のように、追加のデータによって、クラウド7004の患者結果分析モジュール7028が、重要なデータによって暗示された不規則性の原因に関する更なる知見を得ることができる。患者結果分析モジュール7028が、第2の医療事象11214の原因を十分に診断する場合、工程11216において、集計された医療データのデータベース7011に、重要なデータ又は関連する追加データが集計される(工程11114も参照)。続いて、重要なデータ又は追加のデータは、工程11218、11220で、良好/不良の二元分類に従って分類される。クラウド7004が第2の医療事象11204の原因を十分に診断できない場合、プロセスは工程11224に進んでもよく、この工程で、重要なデータは、対応する医療施設の好適な人員又は部署によって評価される。工程11224は、工程11104で閾値データ除外判定を含むことができる。すなわち、不審なデータ又は異常なデータについて妥当な理由が容易に判定できないため、データは、工程11118に従ってホールドリストに格納され得る。更に、デバイスデータ11002又は追加のデータは、優先度状態レベルCに指定されてもよく、これは、工程11224で評価をトリガする(すなわち、医療施設の職員、臨床医、医療施設部署、又は他の責任者がこのデータを評価する)。
【0246】
図26に示すように、第3の医療事象11206に関連付けられた重要なデータは、外科用ハブ7006によって検出され、クラウド7004に送信される。第3の医療事象11206に関連付けられた重要なデータは、クラウド7004によって判定され、対応する外科用器具7012が工程11220で故障又は誤動作を経験していることを示す。上述のように、重要な閾値を使用して、故障が重大であるかどうかを判定することができる。故障又は誤動作は、図24の工程11022でトリガ状態に戻ることを指している可能性があり、これにより、外科用器具の誤動作が、外科用ハブ7006を通じて自動の製品問い合わせをもたらし得る。上述のように、自動の製品問い合わせアルゴリズムは、患者結果分析モジュール7028が、クラウド7004内(例えば、メモリデバイス7010)に格納された関連する事象のデータを検索することを含み得る。関連する事象のデータは、動画、製造業者、時間、及び他の好適な種類のデータを含むことができる。自動の製品問い合わせの結果に応じて、第3の医療事象11206の重要なデータは、優先度状態分類11106に従って優先順位付けが行われ得る。したがって、例えば、この問い合わせは、十分な理由なしに不審な又は異常な結果をもたらし得るため、重要なデータは優先度レベルCで指定される。この接続では、対応する医療施設の好適な人員又は部署は、重要なデータと、工程11224での自動の製品問い合わせの結果とを評価する。この評価の結果は、例えば、この結果が工程11226で無視される誤差であること、あるいは、この結果が工程11228において患者結果分析モジュール7028を介して追加の特別な処理を必要とすることであり得る(工程11126も参照)。工程11228におけるこのような特別な処理は、上述のように、自動の製品問い合わせアルゴリズムのCAPA部分であり得る。したがって、クラウドベース分析システムは、適切な人員又は部署により応答をリアルタイム又はほぼリアルタイムでトリガするためのアラートを適時に生成することができる。
【0247】
一般に、本明細書に記載されるクラウドベース分析システムは、上述の優先度状態及び特定の閾値に基づいて、重要なデータを決定し、適時のデータ処理、分類、及び優先順位付けを実行することができる。したがって、クラウドベース分析システムは、有利なように、複数の医療施設にわたって、適時的、体系的、かつ全体的な方法で重要なデータを処理する。重要なデータ処理は、割り当てられた優先順位レベルに基づく、クラウド7004による内部応答を含む。更に、外科用ハブ7006によるリクエストに基づいて、クラウド7004のメモリデバイス7010内のデータの特別なルーティングが達成され得る。上述のように、再ルーティング、優先順位付け、確認、又は要求支援を使用して、クラウド7004によるデータの分析を改善することができる。
【0248】
状況認識
状況認識は、データベース及び/又は器具から受信したデータから、外科処置に関連する情報を判定又は推測するための、外科用システムのいくつかの態様の能力である。この情報には、実行される処置のタイプ、手術を行う組織のタイプ、又は処置の対象である体腔が含まれ得る。外科処置に関連する文脈情報により、外科用システムは、例えば、接続されているモジュール式装置(例えば、ロボットアーム及び/又はロボット外科用ツール)を制御し、外科処置の過程で外科医に文脈に即した情報又は提案を提供する方法を改善することができる。状況認識は、例えば図22〜図26に記載される機能のいずれかを実行及び/又は改善するために適用されてもよい。
【0249】
ここで図27を参照すると、例えば、外科用ハブ106又は206などのハブの状況認識を示す時間線5200が示されている。時間線5200は例示的な外科処置、及び外科用ハブ106、206が、外科処置の各工程でデータソースから受信したデータから導き出すことができるコンテキスト情報である。時間線5200は、手術室を設置することから開始し、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除手術の過程で、看護師、外科医、及び他の医療関係者によって取られるであろう典型的な工程を示す。
【0250】
状況認識外科用ハブ106、206は、外科処置の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ106、206とペアリングされたモジュール式装置を使用する度に生成されるデータを含むデータをデータソースから受信する。外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置及び他のデータソースからこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどの工程が実施されているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出することができる。外科用ハブ106、206の状況認識システムは、例えば、レポートを生成するために処置に関するデータを記録する、医療関係者によって取られている工程を検証する、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供する、コンテキストに基づいてモジュール式装置を調節する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像装置の視界(FOV)を調節する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更するなど)、及び上記の任意の他のこうした動作を行うことが可能である。
【0251】
この例示的な処置における第1の工程5202として、病院職員は、病院のEMRデータベースから患者のEMRを読み出す。EMRにおける選択された患者データに基づいて、外科用ハブ106、206は、実行される処置が胸郭処置であることを判定する。
【0252】
第2の工程5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンする。外科用ハブ106、206は、スキャンされた用品を様々な種類の処置で利用される用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせ(mix of supplies)が胸郭処置に対応することを確認する。更に、外科用ハブ106、206はまた、処置が楔形処置ではないと判定することができる(入来する用品が、胸郭楔形処置に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸郭楔形処置に対応していないかのいずれかであるため)。
【0253】
第3の工程5206では、医療関係者は、外科用ハブ106、206に通信可能に接続されたスキャナを介して患者のバンドをスキャンする。続いて、外科用ハブ106、206は、スキャンされたデータに基づいて患者の識別情報を確認することができる。
【0254】
第4の工程5208では、医療スタッフが補助装置をオンにする。利用される補助装置は、外科処置の種類及び外科医によって使用される技術に従って変わり得るが、この例示的な場合では、これらとしては、排煙器、吸入器、及び医療用撮像装置が挙げられる。起動されると、モジュール式装置である補助装置は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式装置の特定の近傍内に位置する外科用ハブ106、206と自動的にペアリングすることができる。続いて、外科用ハブ106、206は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式装置の種類を検出することによって、外科処置に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置のこの特定の組み合わせに基づいて、外科処置がVATS手術であると判定する。患者のEMRからのデータの組み合わせ、手術に用いられる医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式装置の種類に基づいて、外科用ハブ106、206は、外科チームが実施する特定の処置を概ね推定することができる。外科用ハブ106、206が、何の特定の処置が実施されているかを知ると、続いて外科用ハブ106、206は、メモリから、又はクラウドからその処置の工程を読み出して、次に接続されたデータソース(例えば、モジュール式装置及び患者監視装置)からその後受信したデータを相互参照して、外科処置のどの工程を外科チームが実行しているかを推定することができる。
【0255】
第5の工程5210では、職員は、EKG電極及び他の患者監視装置を患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者監視装置は、外科用ハブ106、206とペアリングすることができる。外科用ハブ106、206が患者監視装置からデータの受信を開始すると、外科用ハブ106、206は患者が手術室にいることを確認する。
【0256】
第6の工程5212では、医療関係者は患者に麻酔をかける。外科用ハブ106、206は、例えば、EKGデータ、血圧データ、ベンチレータデータ、又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式装置及び/又は患者監視装置からのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推定することができる。第6の工程5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部分が開始する。
【0257】
第7の工程5214では、操作されている患者の肺が虚脱される(換気が対側肺に切り替えられる間に)。外科用ハブ106、206は、例えば、患者の肺が虚脱されたことをベンチレータデータから推定することができる。外科用ハブ106、206は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予期される工程(事前にアクセス又は読み出すことができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術工程であると判定することができる。
【0258】
第8の工程5216では、医療用撮像装置(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像装置からのビデオ映像が開始される。外科用ハブ106、206は、医療用撮像装置への接続を通じて医療用撮像装置データ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信する。医療用撮像装置データを受信すると、外科用ハブ106、206は、外科処置の腹腔鏡部分が開始したことを判定することができる。更に、外科用ハブ106、206は、実施されている特定の処置が、肺葉切除とは対照的に区域切除術であると判定することができる(処置の第2の工程5204で受信したデータに基づいて、楔形処置は外科用ハブ106、206によって既に割り引かれていることに留意されたい)。医療用撮像装置124(図2)からのデータは、患者の解剖学的構造の可視化に関して配向されている医療用撮像装置の角度を判定することによる、用いられている(すなわち、起動されており、外科用ハブ106、206とペアリングされている)数又は医療用撮像装置を監視することによる、及び用いられている可視化装置の種類を監視することによる、ことを含む多くの異なる方法の中から実施されている処置の種類に関するコンテキスト情報を判定するために用いられ得る。例えば、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置し、一方、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前肋間位置に配置する。例えば、パターン認識又は機械学習技術を使用して、状況認識システムは、患者の解剖学的構造の可視化に基づいて、医療用撮像装置の位置を認識するように訓練され得る。別の例として、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は単一の医療用撮像装置を利用するが、VATS区域切除術を実施するための別の技術は複数のカメラを利用する。更に別の例として、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として外科用ハブに通信可能に連結され得る)を使用し、これはVATS肺葉切除術では使用されない。医療用撮像装置からのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ106、206は、実行中の特定の種類の外科処置、及び/又は特定の種類の外科処置に使用されている技術を判定することができる。
【0259】
第9の工程5218で、外科チームは、処置の切開工程を開始する。外科用ハブ106、206は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定することができる。外科用ハブ106、206は、受信されたデータを外科処置の読み出しされた工程と相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、上述された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定することができる。特定の例では、エネルギー器具は、ロボット外科用システムのロボットアームに取り付けられたエネルギーツールであり得る。
【0260】
第10の工程5220で、外科チームは、処置の結紮工程に進む。外科用ハブ106、206は、器具が発射されていることを示す外科用ステープル留め及び切断器具からのデータを受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前工程と同様に、外科用ハブ106、206は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内の工程と相互参照することによって、この推定を導出することができる。特定の例では、外科用器具は、ロボット外科用システムのロボットアームに取り付けられた外科用ツールであり&