(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021509400
(43)【公表日】20210325
(54)【発明の名称】複数のフラビウイルスの予防および治療を目的としたMHCクラスI関連ペプチド
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/12 20060101AFI20210226BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20210226BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20210226BHJP
   A61K 47/52 20170101ALI20210226BHJP
   A61K 47/69 20170101ALI20210226BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20210226BHJP
   C07K 14/18 20060101ALI20210226BHJP
   C12N 15/51 20060101ALI20210226BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20210226BHJP
【FI】
   !A61K39/12
   !A61K38/08
   !A61K38/10
   !A61K47/52
   !A61K47/69
   !A61P31/14
   !C07K14/18ZNA
   !C12N15/51
   !G01N33/50 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】63
(21)【出願番号】2020534924
(86)(22)【出願日】20190104
(85)【翻訳文提出日】20200820
(86)【国際出願番号】GB2019050024
(87)【国際公開番号】WO2019135086
(87)【国際公開日】20190711
(31)【優先権主張番号】62/614,375
(32)【優先日】20180106
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519241440
【氏名又は名称】イマージェクス ヴァクシンズ ホールディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EMERGEX VACCINES HOLDING LIMITED
【住所又は居所】英国 オーエックス13 6ビーエイチ オックスフォードシャー、 アビンドン、 ウートン ロード、 ダンモア コート 4/5
【住所又は居所原語表記】4/5 Dunmore Court, Wootton Road, Abingdon, Oxfordshire OX13 6BH, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100100181
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 正博
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ラミラ
【住所又は居所】アメリカ合衆国 89434 ネヴァダ州 スパークス、 コルレオーネ ドライヴ 1810
【テーマコード(参考)】
2G045
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA40
2G045CA18
2G045DA36
2G045FA37
4C076AA95
4C076CC35
4C076DD21A
4C076DD67H
4C076EE59A
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4C084NA14
4C084ZB33
4C085AA03
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4C085CC08
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA02
4H045DA86
4H045EA20
4H045EA31
4H045EA50
(57)【要約】
本発明は、1つ以上のCD8+T細胞エピトープを含むフラビペプチドを含むワクチン組成物を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドを含むワクチン組成物。
【請求項2】
請求項1の前記ワクチン組成物であって、前記フラビウイルスペプチドが配列番号1から14に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上、または配列番号15から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含む前記ワクチン組成物。
【請求項3】
請求項1または2の前記ワクチン組成物であって、異なるCD8+T細胞エピトープをそれぞれ含む2つ以上のフラビウイルスペプチドを含む前記ワクチン組成物。
【請求項4】
請求項3の前記ワクチン組成物であって、前記の2つ以上のフラビウイルスペプチドが配列番号1から23に記載される前記ペプチドまたはその変異体のうち2つ以上である前記ワクチン組成物。
【請求項5】
請求項4の前記ワクチン組成物であって、前記の2つ以上のフラビウイルスペプチドが配列番号1から14に記載される前記ペプチドまたはその変異体のうち2つ以上、または配列番号15から23に記載される前記ペプチドまたはその変異体のうち2つ以上である前記ワクチン組成物。
【請求項6】
前述の請求項のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物であって、それぞれが異なるHLAスーパータイプと相互作用する、CD8+T細胞エピトープを含む2つ以上のフラビウイルスペプチドを含む前記ワクチン組成物。
【請求項7】
前述の請求項のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物であって、少なくとも2つの異なるHLAスーパータイプと相互作用するCD8+T細胞エピトープを含む少なくとも1つのフラビウイルスペプチドを含む前記ワクチン組成物。
【請求項8】
請求項6または7の前記ワクチン組成物であって、前記の少なくとも2つの異なるHLAスーパータイプが:
(i)HLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A24、HLA−B7、HLA−B8、HLA−B27、HLA−B44、HLA−B58およびHLA−B62から選択される;
(ii)HLA−A2、HLA−A3、HLA−A24、およびHLA−B7から選択される;
(iii)HLA−A2およびHLA−A24;または
(iv)HLA−A2、HLA−A3およびHLA−A24である前記ワクチン組成物。
【請求項9】
前述の請求項のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物であって、前記CD8+T細胞エピトープがフラビウイルス間で維持される前記ワクチン組成物。
【請求項10】
前述の請求項のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物であって、前記CD8+T細胞エピトープがジカウイルス、西ナイルウイルス、デングウイルス、黄熱病ウイルス、および/または日本脳炎ウイルスの間で維持される前記ワクチン組成物。
【請求項11】
前述の請求項のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物であって、前記CD8+T細胞エピトープがフラビウイルスとチクングニアウイルスの間で維持される前記ワクチン組成物。
【請求項12】
前述の請求項のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物であって、配列番号15に記載される前記フラビウイルスペプチドまたはその変異体、配列番号16に記載される前記フラビウイルスペプチドまたはその変異体、配列番号17に記載される前記フラビウイルスペプチドまたはその変異体、配列番号18に記載される前記フラビウイルスペプチドまたはその変異体、配列番号19に記載される前記フラビウイルスペプチドまたはその変異体、配列番号20に記載される前記フラビウイルスペプチドまたはその変異体、配列番号21に記載される前記フラビウイルスペプチドまたはその変異体、配列番号22に記載される前記フラビウイルスペプチドまたはその変異体、および配列番号23に記載される前記フラビウイルスペプチドまたはその変異体を含む前記ワクチン組成物。
【請求項13】
前述の請求項のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物であって、CD4+T細胞エピトープを含むペプチドを含む前記ワクチン組成物。
【請求項14】
請求項13の前記ワクチン組成物であって、前記CD4+T細胞エピトープが全てのHLAクラスII型と相互作用する前記ワクチン組成物。
【請求項15】
請求項13または14の前記ワクチン組成物であって、前記CD4+T細胞エピトープが配列番号24または25に記載される配列を含む前記ワクチン組成物。
【請求項16】
前述の請求項のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物であって、前記フラビウイルスペプチドがナノ粒子と結合する前記ワクチン組成物。
【請求項17】
請求項2から16のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物であって、前記2つ以上のフラビウイルスペプチドのそれぞれがナノ粒子と結合する前記ワクチン組成物。
【請求項18】
請求項16または17の前記ワクチン組成物であって、前記ナノ粒子が金ナノ粒子、リン酸カルシウムナノ粒子またはシリコンナノ粒子である前記ワクチン組成物。
【請求項19】
請求項18の前記ワクチン組成物であって、前記金ナノ粒子がα−ガラクトースおよび/またはβ−G1cNHAcでコーティングされる前記ワクチン組成物。
【請求項20】
請求項16から19のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物であって、前記フラビウイルスペプチドがリンカーを介して前記ナノ粒子と結合する前記ワクチン組成物。
【請求項21】
配列番号1から23に記載される前記CD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むワクチン組成物。
【請求項22】
請求項21の前記ワクチン組成物であって、異なるCD8+T細胞エピトープをそれぞれ含む2つ以上のフラビウイルスペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む前記ワクチン組成物。
【請求項23】
請求項21の前記ワクチン組成物であって、異なるCD8+T細胞エピトープを含むフラビウイルスペプチドをそれぞれコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含む前記ワクチン組成物。
【請求項24】
請求項21または22の前記ワクチン組成物であって、各フラビウイルスペプチドが配列番号1から23に記載されるペプチドまたはその変異体を含む前記ワクチン組成物。
【請求項25】
フラビウイルス感染を予防または治療する方法であって、フラビウイルスに感染しているか、またはこれに感染するリスクのある個体に前述の請求項のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物を投与することを含む方法。
【請求項26】
個体におけるフラビウイルス感染を予防または治療する方法における使用を目的とした請求項1から24のうちいずれか1つの前記ワクチン組成物。
【請求項27】
前記の請求項24の方法または請求項25のワクチン組成物であって、前記フラビウイルス感染がジカウイルス感染、西ナイルウイルス感染、デングウイルス感染、黄熱病ウイルス感染、および/または日本脳炎ウイルス感染である前記方法。
【請求項28】
受動免疫療法における使用を目的とした細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を生成するための方法であって、フラビウイルスに感染した対象から採取したT細胞に配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドを接触させることを含む前記方法。
【請求項29】
請求項28の前記方法であって、前記CTLが前記CTLのレシピエントの自己由来であるかまたはHLA適合である前記方法。
【請求項30】
対象におけるフラビウイルス感染を診断するための方法であって、(i)前記対象から採取したT細胞に配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドを接触させることおよび(ii)前記T細胞の前記フラビウイルスペプチドに対する応答を判定することを含む前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラビウイルスペプチドを含むワクチン組成物、およびフラビウイルス感染の治療および予防のためのそのような組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フラビウイルスは、ヒトに感染して公衆衛生に重大な脅威を及ぼすことのあるプラス鎖単鎖エンベロープRNAウイルスの科である。具体的には、フラビウイルスはジカ熱(Zika fever)、デング熱(Dengue fever)、日本脳炎(Japanese encephalitis)、黄熱病(yellow fever)および西ナイル熱(West Nile fever)の原因微生物である。これらの疾患は、熱、嘔吐、頭痛、関節痛および筋肉痛を含む症状を共通の特徴とするが、各疾患はより重篤な症状と関連することもある。たとえば、妊娠中のジカウイルスの母子伝播によって脳奇形が引き起こされることがあり、またジカウイルス感染はギランバレー症候群とも関連付けられている。デング熱は重篤なデング出血性症候群またはデングショック症候群に進行することもある。黄熱病は肝障害を誘発することがあり、これによって出血および腎障害がもたらされることがある。西ナイル熱は神経系まで拡散して脳炎または髄膜炎を引き起こすことがある。
【0003】
フラビウイルスは、感染したカやマダニなどの媒介節足動物によって伝播することを意味するアルボウイルスである。フラビウイルスの地理的分布は、主としてその媒介節足動物の地理的分布によって決定される。媒介動物は、ほとんどが東南アジアや南米などの熱帯または亜熱帯地域に限定されている。しかし、気候変動によって一部の媒介動物の分布が拡大し、このためフラビウイルス感染に罹患するリスクの高い集団が増加しているとみられる。さらに、ジカウイルスおよび黄熱病ウイルスの蔓延の原因となるカは、密度の高い都市部で生存するよう適応できることが示されている。したがって、フラビウイルス感染を抑制するための方法を見つけることが重要である。一部のフラビウイルス(西ナイルウイルスなど)がヒトには偶発的にのみ感染する一方で、他のフラビウイルス(黄熱病ウイルス、デングウイルス、ジカウイルス)は主として節足動物−ヒト生活環に存在する。そのようなフラビウイルスはヒト宿主において盛んに増殖し、高いウイルス価によって媒介節足動物に再び感染し、また新たなヒト宿主に感染する。いずれにしても、媒介動物による伝播およびサルおよび鳥類などの他の種に感染する能力は、フラビウイルスが迅速に且つ容易に蔓延する傾向にあることを意味する。したがって、フラビウイルス感染の蔓延を抑制することは困難である。
【0004】
フラビウイルスゲノムの構造も、蔓延を抑制することの困難さに寄与する。単鎖RNAの複製には、プルーフリーディングおよび修正メカニズムがわずかにしか存在しない。したがって、複製の過程で発生する変異はしばしばゲノムに残存し、次世代に受け継がれる。したがってフラビウイルスの進化は迅速である。
【0005】
黄熱病ウイルス感染および日本脳炎ウイルス感染には安全且つ有効なワクチンが存在するが、これはジカウイルス、デングウイルス、または西ナイルウイルス感染には当てはまらない。デングウイルスに対するワクチンは存在するものの、過去に感染したことのない者では転帰が悪化する可能性があるので、過去にデングウイルスに感染した個体における使用のみが推奨される。デングウイルスの血清型(DENV−1、DENV−2、DENV−3またはDENV−4)の1つに曝露することは、その後の他のデング血清型の感染を悪化させる可能性がある。ジカウイルスはデングウイルスと密接に関連しているので、いずれのジカウイルスワクチンも、デングウイルス感染の抗体依存的促進の可能性を最小化する必要がある。したがって、ジカウイルス、デングウイルス、および西ナイルウイルス感染に対して有効なワクチンに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ウイルスを含有するワクチンにしばしば随伴する有害な臨床作用を回避しながら、免疫応答を刺激するフラビウイルスワクチン組成物に関する。ワクチン組成物は、複数のフラビウイルス種(ジカウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルス、黄熱病ウイルス、および/または日本脳炎ウイルスなど)および/または特定の種の複数の系統または血清型(アフリカジカウイルス、アジアジカウイルス、DENV−1、DENV−2、DENV−3および/またはDENV−4など)に対する防御を提供する可能性がある。
【0007】
驚くべきことに、本発明者らは、たとえば金ナノ粒子などのナノ粒子を用いて、フラビウイルスに対するT細胞応答を刺激するようデザインされたワクチン組成物に対し、効率の良い応答を誘導することができることを確認している。ナノ粒子の使用によって、ワクチン組成物においてウイルスを用いる必要がなくなる。診療所における有害反応と関連することのある従来のアジュバントの使用も回避される。したがって、ワクチン組成物の投与後に個体が有害反応を経験する可能性は低下する。
【0008】
また本発明者らは、異なるフラビウイルスの間で維持され、且つそれらのウイルスに感染した細胞上のMHC分子によって提示されるペプチドを数多く同定している。そのような維持ペプチドをワクチン組成物に含めることで、複数種のフラビウイルスおよび/または特定の種の複数系統または血清型に対する防御能を付与することができる。異なるHLAスーパータイプと結合する複数の維持ペプチドをワクチン組成物に含めることにより、異なるHLAタイプを有する個体において有効なワクチンがもたらされる。
【0009】
したがって、本発明は配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドを含むワクチン組成物を提供する。一部の実施形態においては、フラビウイルスペプチドはナノ粒子と結合することがある。
【0010】
本発明はさらに:
−配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むワクチン組成物;
−フラビウイルス感染を予防または治療するための方法であって、フラビウイルスに感染しているか、またはこれに感染するリスクのある個体に前述の請求項のうちいずれか1つのワクチン組成物を投与することを含む方法;
−個体におけるフラビウイルス感染を予防または治療する方法における使用を目的とした本発明のワクチン組成物;
−受動免疫療法における使用を目的とした細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を生成するためのエクスビボ法であって、フラビウイルスに感染した対象から採取したT細胞に配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドを接触させることを含む方法;および
−対象におけるフラビウイルス感染を診断するための方法であって、(i)対象から採取したT細胞に配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドを接触させることおよび(ii)T細胞のフラビウイルスペプチドに対する応答を決定する(ディターミング:determing)することを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)デング、ジカおよびチクングニアウイルスはいずれも同じカによって運ばれ、且つ三者の間には著しい臨床的重複が存在する。(b)ジカ、デング、黄熱病、日本脳炎ウイルスおよび他の66以上のフラビウイルスの間にも著しい臨床的重複が存在する。
【図2】完全合成フラビウイルスワクチン。コアは、細菌病原体関連分子パターン(PAMP)として認識される炭水化物リガンドによって不動態化された、素量制限ナノクラスターである。維持内部ウイルス領域に由来するペプチドの組み合わせを、抗原提示細胞内で容易に開裂されるリンカーによって表面に結合させ、主要組織適合性(MHC)クラスI分子と決定的な結合をもたらす。粒子全体の直径は5nmであり、自己集合超分子化学を用いた1段階反応で合成することができる。
【図3】(a)健常(ナイーブ)ヒトHLA−A2+ドナーを利用し、サイトカインカクテル中で末梢血単核球(PBMC)をペプチドエピトープで刺激し、抗原特異的CTL応答を誘導した。その後、ペプチド装填標的を共培養することによってこれらの刺激されたPBMCの抗原特異的応答を測定した。ペプチド装填にはTAP−欠損細胞(T2)を用い、ブランクT2細胞を対照として用いた。増殖したPBMCのCD107a脱顆粒およびインターフェロンγ(IFN−g)マーカーの双方をフローサイトメトリーで測定した。6つのペプチドエピトープのいずれも、ペプチド装填T2細胞に対してCD8+ CD107aおよびIFNg発現をペプチド特異的に誘導した。ペプチド「PMA」は特に明白なIFNg+効果を有する。(b)健常(ナイーブ)ヒトHLA−A2+ドナーを利用し、サイトカインカクテル中で末梢血単核球(PBMC)をペプチドエピトープで刺激し、抗原特異的CTL応答を誘導した。その後、Hep2G感染細胞(DV2/Zika)と共培養することによってこれらの刺激されたPBMCを測定した。未感染HepG2細胞を対照として用いた。増殖したPBMCのCD107a脱顆粒およびインターフェロンγ(IFN−g)マーカーの双方をフローサイトメトリーで測定した。
【図4】健常(ナイーブ)ヒトHLA−A24+ドナーを利用し、サイトカインカクテル中で末梢血単核球(PBMC)をペプチドエピトープで刺激し、抗原特異的CTL応答を誘導した。その後、ペプチド装填標的を共培養することによってこれらの刺激されたPBMCの抗原特異的応答を測定した。ペプチド装填にはHep2G細胞を用い、ブランクHep2G細胞を対照として用いた。デング(DV2)およびジカに感染したHepG2細胞も用いた。CD8/IFNgの双方の二重発現について、フローサイトメトリーで増殖PBMCを測定した。4つのペプチドエピトープのいずれも、ペプチド装填HepG2細胞に対してCD8+ IFNg発現をペプチド特異的に誘導した。ペプチド「PMA」は特に明白なIFNg+効果を有する。
【図5】トランスジェニックA2マウスをNP−デングペプチド200ngで免疫した。脾細胞を分離した後、ジカまたはデング感染細胞のいずれかに曝露した。図5は、HepG2標的細胞が、トランスジェニックA2マウス由来の脾細胞を刺激することのできるペプチドクラスI標的を含むことを示す。ペプチドの酸ストリッピングにより細胞は無反応となる。
【図6】トランスジェニックA2マウスをNP−デングペプチド200ngで免疫した。脾細胞を分離した後、ジカまたはデング感染細胞のいずれかに曝露した。図6に示すように、HepG2細胞のフラビウイルス感染により自己ペプチドが置換され、細胞表面上のウイルス由来ペプチドの露出がもたらされる。図6は、非免疫マウス由来の脾細胞がデングまたはジカ感染細胞に反応しないことを示す。対照的に、NP−デングまたはNP−ジカで免疫されたA2マウスは、デングまたはジカ感染HepG2細胞のいずれも死滅させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(ワクチン組成物)
本発明は、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドを含むワクチン組成物を提供する。本発明は、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むワクチン組成物を提供する。これらのワクチン組成物は、以下の考察で明らかとなる数多くの長所を有する。しかし、重要な長所をここに要約する。
【0013】
第1に、本発明のワクチン組成物は、(i)配列番号1から23に記載されかつ本発明者らによって新規に同定されたCD8+T細胞エピトープ、またはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチド;または(ii)配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドのポリヌクレオチドを有利に含む。実施例で立証されるように、ワクチン組成物はそれゆえフラビウイルスに対する細胞性免疫応答(CD8+T細胞応答など)を刺激することが可能である。CD8+細胞傷害性Tリンパ球(CTL)は、感染細胞に対するその細胞傷害性活性を介してウイルスクリアランスを媒介する。それゆえ、細胞性免疫を刺激することはフラビウイルス感染に対する有益な防御を提供する。
【0014】
第2に、本発明者らによって同定された数多くのCD8+T細胞エピトープは、多くの異なるフラビウイルスの間で維持され、且つそれらのウイルスに感染した細胞上でMHC分子によって提示されることが可能である。たとえば、本発明者らは、デングウイルスに感染した細胞において発現される一部のCD8+T細胞エピトープが、ジカウイルスなどの他のフラビウイルス、またはアルファウイルスであるチクングニアウイルスなどの他の関連ウイルスによって発現されるペプチドと100%相同であることを特定した(表1参照)。そのような維持ペプチドをワクチン組成物に含めることで、(i)関連する型のウイルス、(ii)複数種のフラビウイルスおよび/または(iii)特定の種の複数系統または血清型に対する防御能力を付与する、すなわち交差防御を付与することができる。付与しようとする交差防御にとっては、ウイルス間の100%相同性は必要でない。むしろ、一定の残基が正しい位置に保持されている場合、異なるウイルスに感染した細胞に発現されるCD8+T細胞エピトープとたとえば約50%以上(60%、70%、75%、80%、90%、95%、98%または99%など)相同である配列での免疫後に交差防御が発生することがある。したがって、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上、または対応するポリヌクレオチドを含むワクチン組成物は、表1および2に列挙するもの全体およびそれを上回る多様な既存のフラビウイルスに対する交差防御を提供することが可能でありえる。1つ以上の維持ペプチドをワクチン組成物に含めることで、フラビウイルスゲノムの迅速な進化に随伴する新興フラビウイルス株に対する防御能力も付与することがある。このように、単一のフラビウイルスワクチン組成物を用いて、多様な異なるフラビウイルスに対する防御を付与することができる。これにより、フラビウイルス感染の蔓延を抑制する費用対効果の高い手段が提供される。
【0015】
第3に、本発明者らによって同定された異なるCD8+T細胞エピトープは異なるHLAスーパータイプと結合することが可能である。異なるHLAスーパータイプ(または対応するポリヌクレオチド)と結合することの可能なCD8+T細胞エピトープをそれぞれ含む複数のペプチドを含めることにより、異なるHLA型を有する個体において有効なワクチン組成物がもたらされる。このように、単一のフラビウイルスワクチン組成物を用いて、ヒト集団の大部分に防御を付与することができる。これによってもまた、フラビウイルス感染の蔓延を抑制する費用対効果の高い手段が提供される。
【0016】
第4に、本発明のワクチン組成物に含まれるフラビウイルスペプチドは、たとえば金ナノ粒子などのナノ粒子と結合することができる。以下により詳細に記述するように、ナノ粒子への結合によってワクチン組成物にアジュバントを含める必要性が低減または除外される。ナノ粒子への結合によってワクチン組成物にウイルスを含める必要性も低減または除外されるので、ある個体に本発明のワクチン組成物を接種する際に有害な臨床作用を引き起こす可能性が低くなる。
【0017】
(ペプチド)
本発明のワクチン組成物は、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドを含む。変異体は以下に詳細に定義する。ワクチン組成物は約1から約50種類のそのようなペプチド、たとえば約2から40、3から30、4から25、5から20、6から15、7、8、9または10種類のそのようなペプチドを含むことがある。配列番号1から23は表1に提示する。
【0018】
【表1】

【0019】
配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドは、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つのみを含むことがある。またその代わりに、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドは、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち2つ以上、たとえば3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、または22以上を、任意の組み合わせで含むことがある。配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドは、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープの全てを含むことがある。
【0020】
配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドは、配列番号1から14に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上を含むことがある。配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドは、配列番号15から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上を含むことがある。たとえば、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドは、(a)配列番号15またはその変異体、(b)配列番号16またはその変異体、(c)配列番号17またはその変異体、(d)配列番号18またはその変異体、(e)配列番号19またはその変異体、(f)配列番号20またはその変異体、(g)配列番号21またはその変異体、(h)配列番号22またはその変異体、または(i)配列番号23またはその変異体を含むことがある。配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドは、たとえば(a)および(b);(a)および(c);(a)および(d);(a)および(e);(a)および(f);(a)および(g);(a)および(h);(a)および(i);(b)および(c);(b)および(d);(b)、および(e);(b)および(f);(b)および(g);(b)および(h);(b)および(i);(c)および(d);(c)および(e);(c)および(f);(c)および(g);(c)および(h);(c)および(i);(d)および(e);(d)および(f);(d)および(g);(d)および(h);(d)および(i);(e)および(f);(e)および(g);(e)および(h);(e)および(i);(f)および(g);(f)および(h);(f)および(i);(g)および(h);(g)および(i);(h)および(i);(a)、(b)および(c);(a)、(b)および(d);(a)、(b)および(e);(a)、(b)および(f);(a)、(b)および(g);(a)、(b)および(h);(a)、(b)および(i);(a)、(c)および(d);(a)、(c)および(e);(a)、(c)および(f);(a)、(c)および(g);(a)、(c)および(h);(a)、(c)および(i);(a)、(d)および(e);(a)、(d)および(f);(a)、(d)および(g);(a)、(d)および(h);(a)、(d)および(i);(a)、(e),および(f);(a)、(e)および(g);(a)、(e)および(h);(a)、(e)および(i);(a)、(f)および(g);(a)、(f)および(h);(a)、(f)および(i);(a)、(g)および(h);(a)、(g)および(i);(a)、(h)および(i);(b)、(c)および(d);(b)、(c)および(e);(b)、(c)および(f);(b)、(c)および(g);(b)、(c)および(h);(b)、(c)および(i);(b)、(d)および(e);(b)、(d)および(f);(b)、(d)および(g);(b)、(d)および(h);(b)、(d)および(i);(b)、(e)および(f);(b)、(e)および(g);(b)、(e)および(h);(b)、(e)および(i);(b)、(f)および(g);(b)、(f)および(h);(b)、(f)および(i);(b)、(g)および(h);(b)、(g)および(i);(b)、(h)および(i);(c)、(d)および(e);(c)、(d)および(f);(c)、(d)および(g);(c)、(d)および(h);(c)、(d)および(i);(c)、(e)および(f);(c)、(e)および(g);(c)、(e)および(h);(c)、(e)および(i);(c)、(f)および(g);(c)、(f)および(h);(c)、(f)および(i);(c)、(g)および(h);(c)、(g)および(i);(c)、(h)および(i);(d)、(e)および(f);(d)、(e)および(g);(d)、(e)および(h);(d)、(e)および(i);(d)、(f)および(g);(d)、(f)および(h);(d)、(f)および(i);(d)、(g)および(h);(d)、(g)および(i);(d)、(h)および(i);(e)、(f)および(g);(e)、(f)および(h);(e)、(f)および(i);(e)、(g)および(h);(e)、(g)および(i);(e)、(h)および(i);(f)、(g)、(h);(f)、(g)および(i);(f)、(h)および(i);(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)および(e);(a)、(b)、(c)、(d)および(f);(a)、(b)、(c)、(d)および(g);(a)、(b)、(c)、(d)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)および(i);(a)、(b)、(c)、(e)および(f);(a)、(b)、(c)、(e)および(g);(a)、(b)、(c)、(e)および(h);(a)、(b)、(c)、(e)および(i);(a)、(b)、(c)、(f)および(g);(a)、(b)、(c)、(f)および(h);(a)、(b)、(c)、(f)および(i);(a)、(b)、(c)、(g)および(h);(a)、(b)、(c)、(g)および(i);(a)、(b)、(c)、(h)および(i);(a)、(b)、(d)、(e)および(f);(a)、(b)、(d)、(e)および(g);(a)、(b)、(d)、(e)および(h);(a)、(b)、(d)、(e)および(i);(a)、(b)、(d)、(f)および(g);(a)、(b)、(d)、(f)および(h);(a)、(b)、(d)、(f)および(i);(a)、(b)、(d)、(g)および(h);(a)、(b)、(d)、(g)および(i);(a)、(b)、(d)、(h)および(i);(a)、(b)、(e)、(f)および(g);(a)、(b)、(e)、(f)および(h);(a)、(b)、(e)、(f)および(i);(a)、(b)、(e)、(g)および(h);(a)、(b)、(e)、(g)および(i);(a)、(b)、(e)、(h)および(i);(a)、(b)、(f)、(g)および(h);(a)、(b)、(f)、(g)および(i);(a)、(b)、(f)、(h)および(i);(a)、(b)、(g)、(h)および(i);(a)、(c)、(d)、(e)および(f);(a)、(c)、(d)、(e)および(g);(a)、(c)、(d)、(e)および(h);(a)、(c)、(d)、(e)および(i);(a)、(c)、(d)、(f)および(g);(a)、(c)、(d)、(f)および(h);(a)、(c)、(d)、(f)および(i);(a)、(c)、(d)、(g)および(h);(a)、(c)、(d)、(g)および(i);(a)、(c)、(d)、(h)および(i);(a)、(c)、(e)、(f)および(g);(a)、(c)、(e)、(f)および(h);(a)、(c)、(e)、(f)および(i);(a)、(c)、(e)、(g)および(h);(a)、(c)、(e)、(g)、(i);(a)、(c)、(e)および(h)、(i);(a)、(c)、(f)、(g)および(h);(a)、(c)、(f)、(g)および(i);(a)、(c)、(f)、(h)および(i);(a)、(c)、(g)、(h)および(i);(a)、(d)、(e)、(f)および(g);(a)、(d)、(e)、(f)および(h);(a)、(d)、(e)、(f)および(i);(a)、(d)、(e)、(g)および(h);(a)、(d)、(e)および(g)、(i);(a)、(d)、(e)、(h)および(i);(a)、(d)、(f)、(g)および(h);(a)、(d)、(f)、(g)および(i);(a)、(d)、(f)、(h)および(i);(a)、(d)、(g)、(h)および(i);(a)、(e)、(f)、(g)および(h);(a)、(e)、(f)、(g)および(i);(a)、(e)、(f)、(h)および(i);(a)、(e)、(g)、(h)および(i);(a)、(f)、(g)、(h)および(i);(b)、(c)、(d)、(e)および(f);(b)、(c)、(d)、(e)および(g);(b)、(c)、(d)、(e)および(h);(b)、(c)、(d)、(e)および(i);(b)、(c)、(d)、(f),および(g);(b)、(c)、(d)、(f)および(h);(b)、(c)、(d)、(f)および(i);(b)、(c)、(d)、(g)および(h);(b)、(c)、(d)、(g)および(i);(b)、(c)、(d)、(h)および(i);(b)、(c)、(e)、(f)および(g);(b)、(c)、(e)、(f)および(h);(b)、(c)、(e)、(f)および(i);(b)、(c)、(e)、(g)および(h);(b)、(c)、(e)、(g)および(i);(b)、(c)、(e)、(h)および(i);(b)、(c)、(f)、(g)および(h);(b)、(c)、(f)、(g)および(i);(b)、(c)、(f)、(h)および(i);(b)、(c)、(g)、(h)および(i);(b)、(d)、(e)、(f)および(g);(b)、(d)、(e)、(f)および(h);(b)、(d)、(e)、(f)および(i);(b)、(d)、(e)、(g)および(h);(b)、(d)、(e)、(g)および(i);(b)、(d)、(e)および(h)、(i);(b)、(d)、(f)、(g)および(h);(b)、(d)、(f)、(g)および(i);(b)、(d)、(f)、(h)および(i);(b)、(d)、(g)、(h)および(i);(b)、(e)、(f)、(g),および(h);(b)、(e)、(f)、(g)および(i);(b)、(e)、(f)、(h)および(i);(b)、(e)、(g)、(h)および(i);(b)、(f)、(g)、(h)および(i);(c)、(d)、(e)および(f)、(g);(c)、(d)、(e)、(f)および(h);(c)、(d)、(e)、(f)および(i);(c)、(d)、(e)、(g)および(h);(c)、(d)、(e)、(g)および(i);(c)、(d)、(e)、(h)および(i);(c)、(d)、(f)、(g)および(h);(c)、(d)、(f)、(g)および(i);(c)、(d)、(f)、(h)および(i);(c)、(d)、(g)、(h)および(i);(c)、(e)、(f)、(g)および(h);(c)、(e)、(f)、(g)および(i);(c)、(e)、(f)、(h)および(i);(c)、(e)、(g)、(h)および(i);(c)、(f)、(g)、(h)および(i);(d)、(e)、(f)、(g)および(h);(d)、(e)、(f)、(g)および(i);(d)、(e)、(f)、(h)および(i);(d)、(e)、(g)、(h)および(i);(d)、(f)、(g)、(h)および(i);(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(g);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(f)および(g);(a)、(b)、(c)、(d)、(f)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)、(f)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(g)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)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【0021】
フラビウイルスペプチドは、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上だけでなく、1つ以上の他のCD8+T細胞エピトープ、1つ以上のCD4+T細胞エピトープおよび/または1つ以上のB細胞エピトープを含むことがある。たとえば、フラビウイルスペプチドは、配列番号1から23に記載されるもの以外のCD8+T細胞エピトープを2つ以上、たとえば3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上、15以上、または20以上の含むことがある。フラビウイルスペプチドは、2つ以上、たとえば3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上、15以上、または20以上のCD4+T細胞エピトープを含むことがある。フラビウイルスペプチドは、2つ以上、たとえば3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上、15以上、または20以上のB細胞エピトープを含むことがある。
【0022】
ワクチン組成物は、配列番号1から23から選択される異なる配列を含むCD8+T細胞エピトープをそれぞれ含む、2つ以上のフラビウイルスペプチドを含むことがある。それゆえワクチン組成物は、配列番号1から14から選択される異なる配列を含むCD8+T細胞エピトープまたはそれの変異体をそれぞれ含む、2つ以上のフラビウイルスペプチドを含むことがある。ワクチン組成物は、配列番号15から23から選択される異なる配列を含むCD8+T細胞エピトープまたはその変異体をそれぞれ含む、2つ以上のフラビウイルスペプチドを含むことがある。フラビウイルスペプチドのそれぞれは、前述の段落に記載される特性のいずれかを有することがある。たとえば、各フラビウイルスペプチドは配列番号1から23に記載される複数のCD8+T細胞エピトープまたはその変異体、および任意に、1つ以上の他のCD8+T細胞エピトープ、1つ以上のCD4+T細胞エピトープおよび/または1つ以上のB細胞エピトープを含むことがある。1つの態様においては、ワクチン組成物は、配列番号1から23から選択される異なる配列を含むCD8+T細胞エピトープまたはその変異体をそれぞれ含む3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、または22以上のフラビウイルスペプチドを含むことがある。ワクチン組成物は、たとえば、配列番号1から23から選択される異なる配列を含むCD8+T細胞エピトープまたはその変異体をそれぞれ含む、23のフラビウイルスペプチドを含むことがある。ワクチン組成物は、たとえば、配列番号1から14から選択される異なる配列を含むCD8+T細胞エピトープまたはその変異体をそれぞれ含む、14のフラビウイルスペプチドを含むことがある。ワクチン組成物は、たとえば、配列番号15から23から選択される異なる配列を含むCD8+T細胞エピトープまたはその変異体をそれぞれ含む、9つのフラビウイルスペプチドを含むことがある。
【0023】
ワクチン組成物は、たとえば、(a)が配列番号15またはその変異体、(b)が配列番号16またはその変異体、(c)が配列番号17またはその変異体、(d)が配列番号18またはその変異体、(e)が配列番号19またはその変異体、(f)が配列番号20またはその変異体、(g)が配列番号21またはその変異体、(h)が配列番号22またはその変異体、および(i)が配列番号23またはその変異体である以下のうち1つの組み合わせで、配列番号15から23から選択される2つ以上のフラビウイルスペプチドを含むことがある:(a)および(b);(a)および(c);(a)および(d);(a)および(e);(a)および(f);(a)および(g);(a)および(h);(a)および(i);(b)および(c);(b)および(d);(b),および(e);(b)および(f);(b)および(g);(b)および(h);(b)および(i);(c)および(d);(c)および(e);(c)および(f);(c)および(g);(c)および(h);(c)および(i);(d)および(e);(d)および(f);(d)および(g);(d)および(h);(d)および(i);(e)および(f);(e)および(g);(e)および(h);(e)および(i);(f)および(g);(f)および(h);(f)および(i);(g)および(h);(g)および(i);(h)および(i);(a)、(b)および(c);(a)、(b)および(d);(a)、(b)および(e);(a)、(b)および(f);(a)、(b)および(g);(a)、(b)および(h);(a)、(b)および(i);(a)、(c)および(d);(a)、(c)および(e);(a)、(c)および(f);(a)、(c)および(g);(a)、(c)および(h);(a)、(c)および(i);(a)、(d)および(e);(a)、(d)および(f);(a)、(d)および(g);(a)、(d)および(h);(a)、(d)および(i);(a)、(e),および(f);(a)、(e)および(g);(a)、(e)および(h);(a)、(e)および(i);(a)、(f)および(g);(a)、(f)および(h);(a)、(f)および(i);(a)、(g)および(h);(a)、(g)および(i);(a)、(h)および(i);(b)、(c)および(d);(b)、(c)および(e);(b)、(c)および(f);(b)、(c)および(g);(b)、(c)および(h);(b)、(c)および(i);(b)、(d)および(e);(b)、(d)および(f);(b)、(d)および(g);(b)、(d)および(h);(b)、(d)および(i);(b)、(e)および(f);(b)、(e)および(g);(b)、(e)および(h);(b)、(e)および(i);(b)、(f)および(g);(b)、(f)および(h);(b)、(f)および(i);(b)、(g)および(h);(b)、(g)および(i);(b)、(h)および(i);(c)、(d)および(e);(c)、(d)および(f);(c)、(d)および(g);(c)、(d)および(h);(c)、(d)および(i);(c)、(e)および(f);(c)、(e)および(g);(c)、(e)および(h);(c)、(e)および(i);(c)、(f)および(g);(c)、(f)および(h);(c)、(f)および(i);(c)、(g)および(h);(c)、(g)および(i);(c)、(h)および(i);(d)、(e)および(f);(d)、(e)および(g);(d)、(e)および(h);(d)、(e)および(i);(d)、(f)および(g);(d)、(f)および(h);(d)、(f)および(i);(d)、(g)および(h);(d)、(g)および(i);(d)、(h)および(i);(e)、(f)および(g);(e)、(f)および(h);(e)、(f)および(i);(e)、(g)および(h);(e)、(g)および(i);(e)、(h)および(i);(f)、(g)、(h);(f)、(g)および(i);(f)、(h)および(i);(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)および(e);(a)、(b)、(c)、(d)および(f);(a)、(b)、(c)、(d)および(g);(a)、(b)、(c)、(d)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)および(i);(a)、(b)、(c)、(e)および(f);(a)、(b)、(c)、(e)および(g);(a)、(b)、(c)、(e)および(h);(a)、(b)、(c)、(e)および(i);(a)、(b)、(c)、(f)および(g);(a)、(b)、(c)、(f)および(h);(a)、(b)、(c)、(f)および(i);(a)、(b)、(c)、(g)および(h);(a)、(b)、(c)、(g)および(i);(a)、(b)、(c)、(h)および(i);(a)、(b)、(d)、(e)および(f);(a)、(b)、(d)、(e)および(g);(a)、(b)、(d)、(e)および(h);(a)、(b)、(d)、(e)および(i);(a)、(b)、(d)、(f)および(g);(a)、(b)、(d)、(f)および(h);(a)、(b)、(d)、(f)および(i);(a)、(b)、(d)、(g)および(h);(a)、(b)、(d)、(g)および(i);(a)、(b)、(d)、(h)および(i);(a)、(b)、(e)、(f)および(g);(a)、(b)、(e)、(f)および(h);(a)、(b)、(e)、(f)および(i);(a)、(b)、(e)、(g)および(h);(a)、(b)、(e)、(g)および(i);(a)、(b)、(e)、(h)および(i);(a)、(b)、(f)、(g)および(h);(a)、(b)、(f)、(g)および(i);(a)、(b)、(f)、(h)および(i);(a)、(b)、(g)、(h)および(i);(a)、(c)、(d)、(e)および(f);(a)、(c)、(d)、(e)および(g);(a)、(c)、(d)、(e)および(h);(a)、(c)、(d)、(e)および(i);(a)、(c)、(d)、(f)および(g);(a)、(c)、(d)、(f)および(h);(a)、(c)、(d)、(f)および(i);(a)、(c)、(d)、(g)および(h);(a)、(c)、(d)、(g)および(i);(a)、(c)、(d)、(h)および(i);(a)、(c)、(e)、(f)および(g);(a)、(c)、(e)、(f)および(h);(a)、(c)、(e)、(f)および(i);(a)、(c)、(e)、(g)および(h);(a)、(c)、(e)、(g)、(i);(a)、(c)、(e)および(h)、(i);(a)、(c)、(f)、(g)および(h);(a)、(c)、(f)、(g)および(i);(a)、(c)、(f)、(h)および(i);(a)、(c)、(g)、(h)および(i);(a)、(d)、(e)、(f)および(g);(a)、(d)、(e)、(f)および(h);(a)、(d)、(e)、(f)および(i);(a)、(d)、(e)、(g)および(h);(a)、(d)、(e)および(g)、(i);(a)、(d)、(e)、(h)および(i);(a)、(d)、(f)、(g)および(h);(a)、(d)、(f)、(g)および(i);(a)、(d)、(f)、(h)および(i);(a)、(d)、(g)、(h)および(i);(a)、(e)、(f)、(g)および(h);(a)、(e)、(f)、(g)および(i);(a)、(e)、(f)、(h)および(i);(a)、(e)、(g)、(h)および(i);(a)、(f)、(g)、(h)および(i);(b)、(c)、(d)、(e)および(f);(b)、(c)、(d)、(e)および(g);(b)、(c)、(d)、(e)および(h);(b)、(c)、(d)、(e)および(i);(b)、(c)、(d)、(f),および(g);(b)、(c)、(d)、(f)および(h);(b)、(c)、(d)、(f)および(i);(b)、(c)、(d)、(g)および(h);(b)、(c)、(d)、(g)および(i);(b)、(c)、(d)、(h)および(i);(b)、(c)、(e)、(f)および(g);(b)、(c)、(e)、(f)および(h);(b)、(c)、(e)、(f)および(i);(b)、(c)、(e)、(g)および(h);(b)、(c)、(e)、(g)および(i);(b)、(c)、(e)、(h)および(i);(b)、(c)、(f)、(g)および(h);(b)、(c)、(f)、(g)および(i);(b)、(c)、(f)、(h)および(i);(b)、(c)、(g)、(h)および(i);(b)、(d)、(e)、(f)および(g);(b)、(d)、(e)、(f)および(h);(b)、(d)、(e)、(f)および(i);(b)、(d)、(e)、(g)および(h);(b)、(d)、(e)、(g)および(i);(b)、(d)、(e)および(h)、(i);(b)、(d)、(f)、(g)および(h);(b)、(d)、(f)、(g)および(i);(b)、(d)、(f)、(h)および(i);(b)、(d)、(g)、(h)および(i);(b)、(e)、(f)、(g),および(h);(b)、(e)、(f)、(g)および(i);(b)、(e)、(f)、(h)および(i);(b)、(e)、(g)、(h)および(i);(b)、(f)、(g)、(h)および(i);(c)、(d)、(e)および(f)、(g);(c)、(d)、(e)、(f)および(h);(c)、(d)、(e)、(f)および(i);(c)、(d)、(e)、(g)および(h);(c)、(d)、(e)、(g)および(i);(c)、(d)、(e)、(h)および(i);(c)、(d)、(f)、(g)および(h);(c)、(d)、(f)、(g)および(i);(c)、(d)、(f)、(h)および(i);(c)、(d)、(g)、(h)および(i);(c)、(e)、(f)、(g)および(h);(c)、(e)、(f)、(g)および(i);(c)、(e)、(f)、(h)および(i);(c)、(e)、(g)、(h)および(i);(c)、(f)、(g)、(h)および(i);(d)、(e)、(f)、(g)および(h);(d)、(e)、(f)、(g)および(i);(d)、(e)、(f)、(h)および(i);(d)、(e)、(g)、(h)および(i);(d)、(f)、(g)、(h)および(i);(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(g);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(f)および(g);(a)、(b)、(c)、(d)、(f)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)、(f)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(g)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)、(g)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(e)、(f)および(g);(a)、(b)、(c)、(e)、(f)および(h);(a)、(b)、(c)、(e)、(f)および(i);(a)、(b)、(c)、(e)、(g)および(h);(a)、(b)、(c)、(e)、(g)および(i);(a)、(b)、(c)、(e)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(f)、(g)および(h);(a)、(b)、(c)、(f)、(g)および(i);(a)、(b)、(c)、(f)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(d)、(e)、(f)および(g);(a)、(b)、(d)、(e)、(f)
および(h);(a)、(b)、(d)、(e)、(f)および(i);(a)、(b)、(d)、(e)、(g)および(h);(a)、(b)、(d)、(e)、(g)および(i);(a)、(b)、(d)、(e)、(h)および(i);(a)、(b)、(d)、(f)、(g)および(h);(a)、(b)、(d)、(f)、(g)および(i);(a)、(b)、(d)、(f)、(h)および(i);(a)、(b)、(d)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(e)、(f)、(g)および(h);(a)、(b)、(e)、(f)、(g)および(i);(a)、(b)、(e)、(f)、(h)および(i);(a)、(b)、(e)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g);(a)、(c)、(d)、(e)、(f)および(h);(a)、(c)、(d)、(e)、(f)および(i);(a)、(c)、(d)、(e)、(g)および(h);(a)、(c)、(d)、(e)、(g)および(i);(a)、(c)、(d)、(e)、(h)および(i);(a)、(c)、(d)、(f)、(g)および(h);(a)、(c)、(d)、(f)、(g)および(i);(a)、(c)、(d)、(f)、(h)および(i);(a)、(c)、(d)、(g)、(h)、(i);(a)、(c)、(e)、(f)、(g)、(h);(a)、(c)、(e)、(f)、(g)、(i);(a)、(c)、(e)、(f)、(h)、(i);(a)、(c)、(e)、(g)、(h)および(i);(a)、(c)、(f)、(g)、(h)、(i);(a)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h);(a)、(d)、(e)、(f)、(g)および(i);(a)、(d)、(e)、(f)、(h)および(i);(a)、(d)、(e)、(g)、(h)および(i);(a)、(d)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g);(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(h);(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(i);(b)、(c)、(d)、(e)、(g)および(h);(b)、(c)、(d)、(e)、(g)および(i);(b)、(c)、(d)、(e)、(h)および(i);(b)、(c)、(d)、(f)、(g)および(h);(b)、(c)、(d)、(f)、(g)および(i);(b)、(c)、(d)、(f)、(h)および(i);(b)、(c)、(d)、(g)、(h)および(i);(b)、(c)、(e)、(f)、(g)および(h);(b)、(c)、(e)、(f)、(g)および(i);(b)、(c)、(e)、(f)、(h)および(i);(b)、(c)、(e)、(g)、(h)および(i);(b)、(c)、(f)、(g)、(h)および(i);(b)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h);(b)、(d)、(e)、(f)、(g)および(i);(b)、(d)、(e)、(f)、(h)および(i);(b)、(d)、(e)、(g)、(h)および(i);(b)、(d)、(f)、(g)、(h)および(i);(b)、(e)、(f)、(g)、(h),および(i);(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h);(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(i);(c)、(d)、(e)、(f)、(h)および(i);(c)、(d)、(e)、(g)、(h)および(i);(c)、(d)、(f)、(g)、(h)および(i);(c)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(g)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(g)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(f)、(g)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)、(f)、(g)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(f)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(e)、(f)、(g)および(h);(a)、(b)、(c)、(e)、(f)、(g)および(i);(a)、(b)、(c)、(e)、(f)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(e)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h);(a)、(b)、(d)、(e)、(f)、(g)および(i);(a)、(b)、(d)、(e)、(f)、(h)および(i);(a)、(b)、(d)、(e)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(d)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h);(a)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(i);(a)、(c)、(d)、(e)、(f)、(h)および(i);(a)、(c)、(d)、(e)、(g)、(h)および(i);(a)、(c)、(d)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(c)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h);(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(i);(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(h)および(i);(b)、(c)、(d)、(e)、(g)、(h)および(i);(b)、(c)、(d)、(f)、(g)、(h)および(i);(b)、(c)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(b)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(h);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(d)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(c)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(b)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(a)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i);または(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)および(i)。
【0024】
ワクチン組成物は、1つ以上のエピトープをそれぞれ含む1つ以上の(約1から50、2から40、3から30、4から25、5から20、6から15、7、8、10または10など)追加的ペプチドをさらに含むことがある。エピトープはCD8+T細胞エピトープ、CD4+T細胞エピトープおよび/またはB細胞エピトープでありえる。CD8+T細胞エピトープは、好ましくは配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープ以外のCD8+T細胞エピトープまたはその変異体である。CD8+T細胞エピトープは、たとえば、フラビウイルスCD8+エピトープ、すなわち1つ以上のフラビウイルスによって発現され、且つ(i)クラスI MHC分子による提示および(ii)CD8+T細胞上に存在するT細胞受容体(TCR)による認識が可能であるペプチドでありえる。またその代わりに、CD8+T細胞エピトープは1つ以上のフラビウイルスによって発現されないCD8+T細胞エピトープでありえる。CD4+T細胞エピトープは、たとえば、フラビウイルスCD4+エピトープ、すなわち1つ以上のフラビウイルスによって発現され、且つ(i)クラスII MHC分子による提示および(ii)CD4+T細胞上に存在するT細胞受容体(TCR)による認識が可能であるペプチドでありえる。またその代わりに、CD4+T細胞エピトープは1つ以上のフラビウイルスによって発現されないCD4+T細胞エピトープでありえる。CD8+およびCD4+T細胞エピトープは以下により詳細に記載される。
【0025】
フラビウイルスペプチドは、1つ以上のフラビウイルスによって発現されるペプチドである。ジカウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルスおよび黄熱病ウイルス、さらにはセントルイス脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、Kunjin脳炎ウイルス、ロシオ脳炎ウイルス、ロシア春夏脳炎ウイルス、ネギシ(Negeishi)ウイルス、キャサヌール森林ウイルス、オムスク出血熱ウイルス、ポワッサンウイルス、跳躍病ウイルス、リオブラボーウイルス、チュレーニーウイルス、ウンタヤウイルスおよびモドックウイルスを含む、フラビウイルスの数多くの種が存在する。デングウイルスの4つの血清型(DENV−1、DENV−2、DENV−3およびDENV−4)およびジカウイルスの2系統(アフリカジカウイルスおよびアジアジカウイルス)が存在する。
【0026】
本発明のワクチン組成物に含まれるいずれのフラビウイルスペプチドも、ジカウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルス、黄熱病ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、Kunjin脳炎ウイルス、ロシオ脳炎ウイルス、ロシア春夏脳炎ウイルス、Negeishiウイルス、キャサヌール森林ウイルス、オムスク出血熱ウイルス、ポワッサンウイルス、跳躍病ウイルス、リオブラボーウイルス、チュレーニーウイルス、ウンタヤウイルスおよびモドックウイルスのうち1つ以上によって発現されるペプチドを含むことがある。たとえば、本発明のワクチン組成物に含まれるフラビウイルスペプチドは、ジカウイルスおよびデングウイルス、またはジカウイルス、デングウイルスおよび西ナイルウイルスによって発現されるペプチドを含むことがある。たとえば、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドは、(i)ジカウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルス、黄熱病ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、Kunjin脳炎ウイルス、ロシオ脳炎ウイルス、ロシア春夏脳炎ウイルス、Negeishiウイルス、キャサヌール森林ウイルス、オムスク出血熱ウイルス、ポワッサンウイルス、跳躍病ウイルス、リオブラボーウイルス、チュレーニーウイルス、ウンタヤウイルスおよびモドックウイルスのうち1つ以上;(ii)ジカウイルスおよびデングウイルス;または(iii)ジカウイルス、デングウイルスおよび西ナイルウイルスによって発現されることがある。同様に、組成物がフラビウイルスペプチドである追加的ペプチドを含む場合、その追加的フラビウイルスペプチドは(i)ジカウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルス、黄熱病ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、Kunjin脳炎ウイルス、ロシオ脳炎ウイルス、ロシア春夏脳炎ウイルス、Negeishiウイルス、キャサヌール森林、オムスク出血熱ウイルス、ポワッサンウイルス、跳躍病ウイルス、リオブラボーウイルス、チュレーニーウイルス、ウンタヤウイルスおよびモドックウイルスのうち1つ以上;(ii)ジカウイルスおよびデングウイルス;または(iii)ジカウイルス、デングウイルスおよび西ナイルウイルスによって発現されることがある。したがって、ワクチン組成物はフラビウイルスのうち1種以上、たとえば1から20、2から19、3から18、4から17、5から16、6から15、7から14、8から13、9から12、10または11種のフラビウイルスなどに由来するフラビウイルスペプチドを含むことがある。
【0027】
本発明のワクチン組成物に含まれるフラビウイルスペプチドがジカウイルスによって発現されるペプチドを含む場合、当該ペプチドはアフリカジカウイルス、アジアジカウイルス、またはアフリカジカウイルスおよびアジアジカウイルスの双方によって発現されることがある。本発明のワクチン組成物に含まれるフラビウイルスペプチドがデングウイルスによって発現されるペプチドを含む場合、当該ペプチドはDENV−1、DENV−2、DENV−3およびDENV−4のうち1つ以上の任意の組み合わせ、たとえば:1;2;3;4;1および2;1および3;1および4;2および3;2および4;3および4;1、2および3;1、2および4;1、3および4;2、3および4;または1、2、3および4などによって発現されることがある。
【0028】
フラビウイルスペプチドは1つ以上のフラビウイルスの表面上、または細胞内で1つ以上のフラビウイルス内に発現されるペプチドでありえる。ペプチドは構造的ペプチド、またはフラビウイルスの代謝または複製に関与するペプチドなどの機能的ペプチドでありえる。好ましくは、ペプチドは内部ペプチドである。好ましくは、ペプチドは2つ以上の異なるフラビウイルスまたはフラビウイルス血清型間で維持される。2つ以上の異なるフラビウイルスまたはフラビウイルス血清型のそれぞれが、あるペプチドと50%以上(60%、70%、75%、80%、90%、95%、98%または99%など)相同な配列をコードする場合、当該ペプチドはその2つ以上の異なるフラビウイルスまたはフラビウイルス血清型間で維持される。
【0029】
フラビウイルスペプチドは任意の数のアミノ酸を含む可能性があり、すなわち任意の長さでありえる。典型的には、フラビウイルスペプチドは約8から約30、35または40アミノ酸長,たとえば約9から約29、約10から約28、約11から約27、約12から約26、約13から約25、約13から約24、約14から約23、約15から約22、約16から約21、約17から約20、または約18から約29アミノ酸長などである。
【0030】
フラビウイルスペプチドは、ポリペプチドフラビウイルス抗原からたとえばタンパク質分解開裂などによって化学的に誘導されることがある。より典型的には、フラビウイルスペプチドは技術上周知の方法を用いて合成されることがある。
【0031】
用語「ペプチド」は、アミノ酸残基がペプチド結合(−CO−NH−)で連結された分子のみでなく、ペプチド結合が逆転した分子も含む。そのようなレトロインベルソペプチド模倣体は、たとえばMeziere他(1997)J.Immunol.159,3230−3237に記載されたものなどの、技術上既知である方法を用いて作製されることがある。このアプローチは、骨格を包含するが側鎖の配向は包含しない変換を含むシュードペプチドを作製することを包含する。Meziere他(1997)は、これらのシュードペプチドが少なくともMHCクラスIIおよびTヘルパー細胞応答に対して有用であることを示す。CO−NH結合の代わりにNH−CO結合を含むレトロインバースペプチドの方がタンパク質分解に対する抵抗性がさらに強い。
【0032】
同様に、アミノ酸残基の炭素原子間の間隔を保持する適切なリンカー部分が用いられるならば、ペプチド結合は全て省いてもよく;リンカー部分がペプチド結合とほぼ同じ電荷分布およびほぼ同じ平面性を有するならば特に好ましい。エキソタンパク質分解消化に対する感受性の低減を促すために、ペプチドをそのN末端またはC末端で簡便にブロッキングできることも評価される。たとえば、ペプチドのN末端アミノ基はカルボン酸と反応させることで保護し、かつペプチドのC末端カルボキシル基はアミンと反応させることで保護することがある。他の修飾の例はグリコシル化およびリン酸化を含む。他の有望な修飾は、RまたはK側鎖アミン上にある水素をメチレン基で置換できることである(−NH2を−NH(Me)または−N(Me)に修飾できる)。
【0033】
用語「ペプチド」は、インビボでペプチドの半減期を延長または短縮するペプチド変異体も含む。本発明にしたがって使用されるペプチドの半減期を延長することの可能なアナログの例は、ペプチドのペプトイドアナログ、ペプチドのD−アミノ酸誘導体、およびペプチド−ペプトイドハイブリッドである。本発明にしたがって使用されるポリペプチド変異体のさらなる実施形態は、ポリペプチドのD−アミノ酸型を含む。L−アミノ酸ではなくD−アミノ酸を用いたポリペプチドの調製は、通常の代謝プロセスによるこうした物質のあらゆる望まれない分解を大きく低下させ、投与する必要のある物質の量をその投与頻度と共に低下させる。
【0034】
(変異体)
上記のように、本発明のワクチン組成物は、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上の変異体を含むフラビウイルスペプチドを含むことがある。配列番号1から23から選択される配列の変異体は、該当する配列と2アミノ酸以上異ならないCD8+T細胞エピトープである。たとえば、配列番号1から23から選択される配列の変異体は、該当する配列と比較して1アミノ酸の置換、欠失、または挿入を含むことがある。アミノ酸の置換は、たとえば保存的アミノ酸置換などでありえる。
【0035】
保存的置換は、アミノ酸を同様な化学的構造、同様な化学的特性または同様な側鎖体積を有する他のアミノ酸で置換する。導入されるアミノ酸は、その置換するアミノ酸と同様な極性、親水性、疎水性、塩基性、酸性、中性または電荷を有することがある。またその代わりに、保存的置換は、既存の芳香族または脂肪族アミノ酸の代わりに他の芳香族または脂肪族であるアミノ酸を導入することができる。保存的アミノ酸変更は技術上周知であり、以下の表2に定義する20の主要なアミノ酸の特性にしたがって選択することができる。アミノ酸が同様な極性を有する場合、表3のアミノ酸側鎖の疎水性親水性指標スケールを参照してこれを決定することもできる。
【0036】
(表2:アミノ酸の化学的特性)
【表2】
【0037】
(表3:疎水性親水性スケール)
【表3】
【0038】
(CD8+T細胞エピトープ)
本発明のワクチン組成物は、配列番号1から23(表1を参照)に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドを含む。変異体は上記に定義する。配列表1から23に記載のCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドは、1つ以上の(たとえば2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上、15以上、または20以上など)他のCD8+T細胞エピトープをさらに含むことがある。ワクチン組成物は、1つ以上のCD8+T細胞エピトープをそれぞれ含む1つ以上の(たとえば1から50、2から40、3から30、4から25、5から20、6から15、7、8、9または10など)追加的ペプチドをさらに含むことがある。好ましくは、追加的ペプチドはフラビウイルスペプチドである。
【0039】
CD8+T細胞エピトープは、(i)クラスI MHC分子による提示および(ii)CD8+T細胞上に存在するT細胞受容体(TCR)による認識が可能なペプチドである。好ましくは、TCRによる認識によってCD8+T細胞の活性化がもたらされる。CD8+T細胞活性化は、増殖、サイトカイン産生および/または細胞傷害性効果の亢進をもたらしうる。
【0040】
典型的には、CD8+T細胞エピトープは約9アミノ酸長である。しかしCD8+T細胞エピトープはより短いこともあれば長いこともある。たとえば、CD8+T細胞エピトープは約8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長でありえる。CD8+T細胞エピトープは約8から15、9から14または10から12アミノ酸長でありえる。
【0041】
CD8+T細胞エピトープを含むフラビウイルスペプチドは技術上既知である。CD8+T細胞エピトープを同定する方法は技術上既知である。エピトープマッピング法は、X線共結晶構造解析、アレイベースオリゴペプチドスキャンニング(時にオーバーラッピングペプチドスキャンまたはペプスキャン分析と呼ばれる)、部位指向変異生成、高スループット変異生成マッピング、水素−重水素交換、架橋結合質量分析、ファージディスプレイおよび制限タンパク分解を含む。MCHモチーフ予測法を用いることもある。
【0042】
ワクチン組成物に含めることを目的としてCD8+T細胞エピトープを直接同定するために、フラビウイルス感染細胞によって提示されるCD8+T細胞エピトープを同定することができる。これは単独でも、またはMCHモチーフ予測法によって同定されたCD8+T細胞エピトープ候補の有用性を確認する目的でも用いることができる、効率的且つ論理的方法である。この方法は、本発明者らによって、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープを同定するために用いられた(実施例を参照のこと)。
【0043】
この方法を実施するために、細胞をフラビウイルスに感染させ、培養において約72時間の間約37℃の温度で維持する。培養後に細胞を回収して洗浄する。次に、たとえばホモジナイゼーションおよび凍結/解凍などによって、1%NP40を含有するバッファーに細胞を溶解する。2000rpmで30分間遠心分離して細胞デブリを除去することにより、ライセートを清澄化する。
【0044】
次に、W6/32(汎MHCクラスI分子を認識するモノクローナル抗体)でコーティングしたプロテインA/Gビーズ(UltraLink Immobilized Protein A/G, pierce、イリノイ州ロックフォード)を用いたイムノアフィニティークロマトグラフィーにより、ライセートからMHC/ペプチド複合体を分離する。ビーズを抗体でコーティングするために、ビーズを低pHバッファーで洗浄した後、PBSですすぎ、抗体0.5mgと共に2時間室温でインキュベートし、3回洗浄して未結合抗体を除去する。イムノアフィニティークロマトグラフィー用に、コーティングしたビーズをライセートと共に持続的に振盪しながら室温で2時間インキュベートする。その後、1000rpmで5分間遠心分離することにより、ビーズをライセートから分離する。0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)、pH1.5を添加することにより、結合したMHC複合体をビーズから溶離する。
【0045】
次に、溶離液を85℃で15分間加熱して結合したペプチドをMCH分子から解離させる。室温まで冷却した後、たとえば3kDa分子量カットオフメンブランフィルター(ミリポア)などを用いて、遠心分離によりペプチドを抗体から分離する。真空遠心分離を用いて濾液を濃縮した後、再溶解して最終体積100μLとする。精製されたペプチド混合物を、たとえばオフラインHPLCを用いるC−18逆相(RP)カラム(直径4.6nm×長さ150mmなど)を用いて分画化する。このステップでは、移動相Aは2%アセトニトリル(CAN)および0.1%ギ酸水溶液である一方、移動相Bは0.1%FAおよび90%CAN水溶液でありえる。
【0046】
次にペプチド含有分画をカラムから溶離させ、真空乾燥し、質量分析で分析して画分中の配列を同定する。その後、取得されたスペクトルデータを全てのデータベース化フラビウイルスタンパク質と照合して検索し、フラビウイルス関連ペプチド配列を同定することができる。次に、同定された配列にしたがって合成ペプチドを生成し、質量分析に付して、ペプチド含有画分中のペプチドとのその同一性を確認する。
【0047】
この方法においては、任意の種類の細胞をフラビウイルスに感染させることができる。細胞は抗原提示細胞でありえる。細胞はHepG2細胞などの肝癌細胞、JY細胞などのEBV形質転換リンパ芽球様B細胞、またはT2細胞などのリンパ芽球でありえる。
【0048】
同様に、任意の目標とするフラビウイルスを用いて細胞を感染させることがある。たとえば、フラビウイルスはジカウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルス、黄熱病ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、Kunjin脳炎ウイルス、ロシオ脳炎ウイルス、ロシア春夏脳炎ウイルス、Negeishiウイルス、キャサヌール森林、オムスク出血熱ウイルス、ポワッサンウイルス、跳躍病ウイルス、リオブラボーウイルス、チュレーニーウイルス、ウンタヤウイルスおよびモドックウイルスでありえる。ジカウイルスは、たとえば、アフリカジカウイルスまたはアジアジカウイルスでありえる。デングウイルスは、たとえば、DENV−1、DENV−2、DENV−3またはDENV−4でありえる。
【0049】
フラビウイルス感染細胞によって提示されるCD8+T細胞エピトープの直接的な同定は、MHCモチーフ予測法と比較して有利である。免疫エピトープデータベース(IEDB;http://www.iedb.org)は、機能的な方法ではなくモチーフ予測法によって生成され、またMHC結合スコアが高く且つCTL特性が限定されたいくつかの共有エピトープを含む、数多くの予測HLA特異的フラビウイルスT細胞エピトープを含む。優位および準優位エピトープのいずれもがフラビウイルス感染細胞によって提示される可能性があるので、データベースを用いて自然に提示されるエピトープの優位性の順位を決定することは困難である。したがって、リストに挙げられたエピトープのうちいずれが、ワクチン組成物に含まれた場合にCD8+T細胞応答を効率よく誘導すると期待できるかは、免疫エピトープデータベースのみからでは不明瞭である。上述の直接同定法は、エピトープの有用性を確認するためのメカニズムを提供する。
【0050】
本発明のワクチン組成物などの、フラビウイルス感染細胞が提示するエピトープに基づくワクチン組成物は、ウイルスタンパク質サブユニットまたはモチーフ予測エピトープに基づくワクチンよりも優れている。免疫系によるタンパク質プロセシングは、ナイーブなウイルスエピトープを変化させる可能性がある。ワクチン組成物が、感染細胞によって提示されると証明されたペプチドを基にすると、ペプチドがすでにタンパク質プロセシングを受けていることから、この不確実性の元が取り除かれる。
【0051】
さらに、直接同定法を用いて、異なるフラビウイルスに感染した細胞が提示する維持CD8+T細胞エピトープを同定することもある。このようにして、交差防御ワクチンに含めるのに適したCD8+T細胞エピトープを同定することもある。本発明者らは、上記の表1および実施例に提示するように、2つ以上で維持されるCD8+T細胞エピトープを数多く同定している。
【0052】
(交差防御ワクチン組成物)
本発明者らによって同定された配列番号1から23の多くが、複数のフラビウイルスによって発現される。たとえば、配列番号1、2および4はデングウイルスおよびジカウイルスによって発現され、また配列番号3はデングウイルス、ジカウイルスおよび西ナイルウイルスによって発現される。さらに、配列番号1から23はフラビウイルス間で高度に維持されている。したがって本発明のワクチン組成物は、2つ以上のフラビウイルスに対する防御免疫応答を誘発する可能性がある。換言すると、本発明のワクチン組成物は異なる多くのフラビウイルスに対して交差防御的である免疫応答を誘発する可能性がある。
【0053】
本発明者らによって同定された配列番号1から23の多くがフラビウイルス(デングウイルスなど)によって、またチクングニアウイルスによっても発現される。たとえば、配列番号11、12、13および14はデングウイルスおよびチクングニアウイルスによって発現される。したがって、本発明のワクチン組成物は1つ以上のフラビウイルス(デングウイルスおよび/またはジカウイルスなど)およびチクングニアウイルスに対して防御的である免疫応答を誘発することがある。ワクチン組成物は、いずれも同じ種のカによって伝播される可能性のあるデングウイルス、ジカウイルス、チクングニアウイルスに対して有効な三重ワクチン組成物でありえる。
【0054】
他のウイルスに由来する配列と100%相同であるエピトープを含む組成物の接種によって生成される免疫応答は、後にそのウイルスによる感染に対して防御する可能性がある。他のウイルスによってコードされる配列と約50%以上(たとえば60%、70%、75%、80%、90%、95%、98%または99%)相同であるエピトープを含む組成物の接種によって生成する免疫応答は、後にそのウイルスによる感染に対して防御する可能性がある。一部の例においては、防御効果は、他のウイルスによってコードされる配列とエピトープの間での一定の残基の維持と関連する。したがって、本発明のワクチン組成物による免疫は、他のフラビウイルスなどの、表1または表4で言及されていない多様なウイルスに対する防御免疫応答を誘導することがある。
【0055】
このように、本発明のワクチン組成物は固有の種間および/または属間有効性を有する、すなわち交差防御的ワクチン組成物でありえる。したがって、本発明の単一のフラビウイルスワクチン組成物を用いて、多様な異なるフラビウイルスに対する防御を付与することができる。これにより、フラビウイルス感染の蔓延を抑制する費用対効果の高い手段が提供される。本発明の単一のワクチン組成物を用いて、1つ以上の異なるフラビウイルスおよびチクングニアウイルスなどの1つ以上の他のウイルスに対する防御を付与することができる。これにより、カによって伝播される感染症の蔓延を抑制する費用対効果の高い手段が提供される。
【0056】
維持ペプチドをワクチン組成物に含めることで、フラビウイルスゲノムの迅速な進化に随伴する新興フラビウイルス株に対する防御能を付与することもできる。これによりフラビウイルス感染の長期的抑制を促進することができる。
【0057】
維持されたCD8+T細胞エピトープを含むフラビウイルスペプチドを本発明のワクチン組成物に含めることで、ワクチン組成物投与後のデングウイルス感染の抗体依存的亢進の発生を有利に予防または最小化することができる。
【0058】
(HLAサブタイプとの相互作用)
ワクチン組成物は、異なるHLAサブタイプとそれぞれ相互作用するCD8+T細胞エピトープを含む少なくとも2つのフラビウイルスペプチドを含むことがある。ワクチン組成物にそのようなペプチドを複数含めることで、ワクチン組成物を投与した個体に対し、より高い割合でワクチン組成物がCD8+T細胞応答を誘発することが可能となる。これは、複数のフラビウイルスペプチドに含まれるCD8+T細胞エピトープのうち1つと相互作用するHLAスーパータイプの個体全てに対し、ワクチン組成物がCD8+T細胞応答を誘発することが可能であるはずであるからである。各CD8+T細胞エピトープはHLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A24、HLA−B7、HLA−B8、HLA−B27、HLA−B44、HLA−B58またはHLA−B62、または技術上既知である任意の他のHLAスーパータイプと相互作用することができる。そのようなCD8+T細胞エピトープを含むフラビウイルスペプチドのあらゆる組み合わせが可能である。たとえば、ワクチン組成物は(i)HLA−A2と相互作用するフラビウイルスペプチド、(ii)HLA−A3と相互作用するフラビウイルスペプチド、(iii)HLA−A24と相互作用するフラビウイルスペプチド、および(iv)HLA−B7と相互作用するフラビウイルスペプチドのうち2つ以上を含むことがある。ワクチン組成物は(i)および(ii);(i)および(iii);(i)および(iv);(ii)および(iii);(ii)および(iv);(iii)および(iv);(i)、(ii)および(iii);(i)、(ii)および(iv);(i)、(iii)および(iv);(ii)、(iii)および(iv);または(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含むことがある。
【0059】
ワクチン組成物は、少なくとも2つの異なるHLAスーパータイプと相互作用するCD8+T細胞エピトープを含む少なくとも1つのフラビウイルスペプチドを含むことがある。やはりこれにより、ワクチン組成物を投与した個体に対し、ワクチン組成物がより高い割合でCD8+T細胞応答を誘発することが可能となる。ワクチン組成物は、少なくとも2つの異なるHLAサブタイプとそれぞれ相互作用するCD8+T細胞エピトープを含む少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも2つの、少なくとも15の、または少なくとも20のフラビウイルスペプチドを含むことがある。各フラビウイルスペプチドは、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つのまたは少なくとも10の異なるHLAスーパータイプと相互作用することがある。各フラビウイルスペプチドは、HLA−A1、HLA−A2、HLA−A3、HLA−A24、HLA−B7、HLA−B8、HLA−B27、HLA−B44、HLA−B58またはHLA−B62、または技術上既知である任意の他のHLAスーパータイプのうち2つ以上と任意の組み合わせで相互作用することがある。たとえば、各フラビウイルスペプチドは(i)HLA−A2、(ii)HLA−A3、(iii)HLA−A24、および(iv)HLA−B7のうち2つ以上と相互作用することがある。各フラビウイルスペプチドは(i)および(ii);(i)および(iii);(i)および(iv);(ii)および(iii);(ii)および(iv);(iii)および(iv);(i)、(ii)および(iii);(i)、(ii)および(iv);(i)、(iii)および(iv);(ii)、(iii)および(iv);または(i)、(ii)、(iii)および(iv)と相互作用することがある。
【0060】
好ましくは、ワクチン組成物はHLA−A2およびHLA−24と相互作用するCD8+T細胞を含むフラビウイルスペプチドを含む。この場合ワクチン組成物は、たとえば、配列番号1、2、6、12、13 15、16、17、19または20に記載されるCD8+T細胞を含むフラビウイルスペプチドを含む。
【0061】
好ましくは、ワクチン組成物はHLA−A2、HLA−A3およびHLA−24と相互作用するCD8+T細胞エピトープを含むフラビウイルスペプチドを含む。この場合ワクチン組成物は、たとえば、配列番号19または20に記載される1つのCD8+T細胞を含むフラビウイルスペプチドを含む。
【0062】
(CD4+T細胞エピトープ)
本発明のワクチン組成物は、CD4+T細胞エピトープを含むペプチドを含むことがある。ワクチン組成物は、CD4+T細胞エピトープを含むペプチドを2つ以上、たとえば3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上、15以上、または20以上含むことがある。CD4+T細胞エピトープは、(i)クラスII MHC分子による提示および(ii)CD4+T細胞上に存在するT細胞受容体(TCR)による認識が可能であるペプチドである。好ましくは、TCRによる認識によってCD4+T細胞の活性化がもたらされる。CD4+T細胞活性化は、増殖および/またはサイトカイン産生の亢進をもたらすことがある。
【0063】
CD4+T細胞エピトープはフラビウイルスCD4+T細胞エピトープでありえる。すなわち、CD4+T細胞エピトープは1つ以上のフラビウイルスによって発現され、且つ(i)クラスII MHC分子による提示および(ii)CD4+T細胞上に存在するT細胞受容体(TCR)による認識が可能であるペプチドでありえる。そのようなペプチドは技術上既知である。
【0064】
CD4+T細胞エピトープは、フラビウイルスCD4+T細胞エピトープ以外のCD4+T細胞エピトープでありえる。たとえば、CD4+T細胞はフラビウイルス以外の生物によって発現されることもある。CD4+T細胞エピトープは、たとえば、Clostriudium tetaniによって発現されることもある。たとえば、CD4+T細胞エピトープは破傷風毒素に由来することもある。
【0065】
CD4+T細胞エピトープは、全てのクラスII HLA型と反応するCD4+T細胞エピトープ、すなわちいわゆる「乱交雑」エピトープでありえる。ワクチン組成物に乱交雑エピトープを含めることは、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドに対する免疫応答を誘導するワクチン組成物の能力を改善する可能性がある。CD4+T細胞エピトープは、たとえば配列FKLQTMVKLFNRIKNNVA(配列番号24)および/または配列LQTMVKLFNRIKNNVAGGC(配列番号25)などを含む。配列番号24および25は破傷風毒素に由来する乱交雑エピトープである。
【0066】
CD4+T細胞エピトープを含むペプチドは、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドとは異なるペプチドでありえる。CD4+T細胞エピトープは、たとえばワクチン組成物中の追加的ペプチド、すなわち配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含まないペプチドに含まれることがある。上述のように、追加的ペプチドは1つ以上のCD8+T細胞エピトープおよび/または1つ以上のB細胞エピトープさらにはCD4+T細胞エピトープを含むことがある。たとえば、追加的ペプチドは1つ以上のフラビウイルスCD8+T細胞エピトープを含むことがある。
【0067】
CD4+T細胞エピトープを含むペプチドは、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドと同じペプチドでありえる。すなわち、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドは、CD4+T細胞エピトープをさらに含むことがある。
【0068】
CD4+T細胞エピトープを含むペプチドがCD8+T細胞エピトープ(配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上など)も含む場合、CD8+T細胞エピトープはCD4+T細胞エピトープ内に入れ子状に配置されることがある。CD4+T細胞エピトープは、典型的にはCD8+T細胞エピトープよりも長い。したがって、CD8+T細胞エピトープの一方または双方の末端を延長することにより、その配列がなおCD8+T細胞エピトープを含む、さらに長いCD4+T細胞エピトープを得ることがある。したがって、CD4+T細胞エピトープは、そのN末端またはC末端が延長された、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体などのCD8+T細胞エピトープを含むことがある。CD8+T細胞エピトープはそのN末端で1、2、3、4、または5アミノ酸延長されることがある。CD8+T細胞エピトープはそのC末端で1、2、3、4、または5アミノ酸延長されることがある。好ましくは、CD8+T細胞エピトープはN末端で3アミノ酸、且つC末端で3アミノ酸延長される。しかし、CD8+T細胞エピトープの各末端の延長アミノ酸数が同じである必要はない。
【0069】
CD4+T細胞エピトープ内に入れ子状に配置されたCD8+T細胞エピトープは、頑健なCTL応答を生成することが可能でありえる。延長ペプチド(CD4+T細胞エピトープ)は、Tヘルパー媒介サイトカイン応答を誘導することが可能でありえる。したがって、CD8+T細胞エピトープおよびCD4+T細胞エピトープを含むフラビウイルスペプチドをワクチン組成物に含めることで、ワクチン組成物が細胞傷害性応答およびヘルパーT細胞応答の双方を誘導することが可能となることがある。
【0070】
CD4+T細胞エピトープを含むフラビウイルスペプチドはナノ粒子と結合することがある。CD4+T細胞エピトープを含むペプチドが、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドと異なるペプチドである場合、各ペプチドが同じナノ粒子と結合することも、または異なるナノ粒子と結合することもある。ナノ粒子は金ナノ粒子でありえる。ナノ粒子およびこれとの結合は後述される。
【0071】
(B細胞エピトープ)
本発明のワクチン組成物は、B細胞エピトープを含むペプチドを含むことがある。ワクチン組成物は、B細胞エピトープを含むペプチドを2つ以上、たとえば3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上、15以上、または20以上含むことがある。B細胞エピトープは、B細胞上に存在するB細胞受容体(BCR)による認識が可能なペプチドである。好ましくは、BCRによる認識によってB細胞の活性化および/または成熟がもたらされる。B細胞活性化は増殖、および/または抗体産生の亢進をもたらすことがある。
【0072】
B細胞エピトープはフラビウイルスCD4+T細胞エピトープでありえる。すなわちB細胞エピトープは、1つ以上のフラビウイルスによって発現されることがあり、且つB細胞上に存在するB細胞受容体(BCR)による認識が可能なペプチドでありえる。そのようなペプチドは技術上既知である。
【0073】
B細胞エピトープは線型エピトープ、すなわちフィロウイルスタンパク質の特定領域のアミノ酸一次配列によって定義されるエピトープでありえる。またその代わりに、エピトープは高次構造的エピトープ、すなわちナイーブフラビウイルスタンパク質の高次構造によって定義されるエピトープでありえる。この場合、エピトープは連続的(すなわち抗体と相互作用するコンポーネントがタンパク質上で互いに隣接して連続的に位置する)であることも、非連続的(すなわち抗体と相互作用するコンポーネントがタンパク質上の異なる部分に位置し、折りたたまれたナイーブタンパク質構造において互いに近づく)であることもある。
【0074】
典型的には、B細胞エピトープは約5から20アミノ酸長、たとえば6から19、7から18、8から17、9から16、10から15、11から14または12から13アミノ酸長である。
【0075】
B細胞エピトープを同定する方法も技術上既知である。たとえば、エピトープマッピング法を用いてB細胞エピトープを同定することもある。これらの方法は、既知のまたはモデル化したタンパク質の構造をアルゴリズムベースのアプローチに用いて表面エピトープを予測する構造的アプローチ、およびタンパク質全体、タンパク質フラグメントまたはペプチドと抗体との結合を、たとえば酵素結合免疫測定法(ELISA)などを用いて定量化することのできる機能的アプローチを含む。競合的マッピング、抗原修飾またはタンパク質フラグメント化法も用いることができる。
【0076】
(ナノ粒子)
本発明のワクチン組成物においては、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドがナノ粒子と結合することもある。また、ワクチン組成物にさらに含まれる他の任意のペプチドも、ナノ粒子と結合することがある。たとえば金ナノ粒子などのナノ粒子との結合は有益である。
【0077】
上記で、および以下の実施例に記載するように、ペプチドのナノ粒子(金ナノ粒子など)との結合は、ワクチン組成物にウイルスまたはアジュバントを含める必要性を低減または除外する。ナノ粒子は、ペプチドに対する免疫応答を効率的に誘導することを促進する免疫的「危険信号」を含むこともある。ナノ粒子は、頑健な免疫応答に必要とされる樹状細胞(DC)の活性化および成熟を誘導することもある。ナノ粒子は、抗原提示細胞などの細胞によるナノ粒子の取り込みを改善しかつこれによりペプチドの取り込みを改善する非自己コンポーネントを含むことがある。したがって、ペプチドのナノ粒子との結合は、抗原提示細胞がウイルス特異的Tおよび/またはB細胞を刺激する能力を促進することがある。またナノ粒子との結合により、皮下、皮内、経皮および経口/バッカル経路からのワクチン組成物の送達も促進され、投与における融通性を提供する。
【0078】
ナノ粒子は,リガンドを固定するための基質として用いることのできる1から100ナノメートル(nm)のサイズの粒子である。本発明のワクチン組成物においては、ナノ粒子は1から100、20から90、30から80、40から70または50から60nmの平均直径を有することがある。好ましくは、ナノ粒子は20から40nmの平均直径を有する。20から40nmの平均直径は、ナノ粒子のサイトゾルへの取り込みを促進する。平均直径は、透過電子顕微鏡などの技術上周知の技術を用いて測定することができる。
【0079】
フラビウイルスペプチドなどの抗原の送達に適したナノ粒子は技術上既知である。そのようなナノ粒子を生成するための方法も既知である。
【0080】
ナノ粒子は、たとえばポリマーナノ粒子、無機ナノ粒子、リポソーム、免疫刺激複合体(ISCOM)、ウイルス様粒子(VLP)、または自己集合タンパク質などでありえる。ナノ粒子は、好ましくはリン酸カルシウムナノ粒子、シリコンナノ粒子または金ナノ粒子である。
【0081】
ナノ粒子はポリマーナノ粒子でありえる。ポリマーナノ粒子は、ポリ(d,l−ラクチド−コ−グリコリド)(PLG)、ポリ(d,l−乳酸−コグリコール酸)(PLGA)、ポリ(g−グルタミン酸)(g−PGA)mポリ(エチレングリコール)(PEG)、またはポリスチレンなどの1つ以上の合成ポリマーを含むことがある。ポリマーナノ粒子は、たとえばプルラン、アルギン酸、イヌリンまたはキトサンなどの多糖類などの1つ以上の天然ポリマーを含むことがある。ポリマーナノ粒子の使用は、ナノ粒子に含まれることのできるポリマーの特性によって有利でありえる。たとえば、上に列挙した天然および合成ポリマーは、良好な生体適合性および生分解性、無毒性および/または操作されて所望の形状およびサイズとなる能力を有することがある。ポリマーナノ粒子はハイドロゲルナノ粒子を形成することがある。ハイドロゲルナノ粒子はナノサイズ親水性3次元ポリマーネットワークの一種である。ハイドロゲルナノ粒子は、融通性のあるメッシュサイズ、多価コンジュゲーションのための大きな表面積、高い水分含有量、および高い抗原装填能力を含む好ましい特性を有する。ポリ(L−乳酸)(PLA)、PLGA、PEGおよび多糖類などのポリマーは、ハイドロゲルナノ粒子を形成するのに特に適している。
【0082】
ナノ粒子は無機ナノ粒子でありえる。典型的には、無機ナノ粒子は強固な構造を有し且つ非生分解性である。しかし、無機ナノ粒子は生分解性でありえる。無機ナノ粒子は、その中に抗原がカプセル化されることのできるシェルを含むことがある。無機ナノ粒子は、そこに抗原が共有結合することのできるコアを含むことがある。コアは金属を含むことがある。たとえば、コアは金(Au)、銀(Ag)または銅(Cu)原子を含むことがある。コアは、2種類以上の原子から形成されることがある。たとえば、コアはAu/Ag、Au/Cu、Au/Ag/Cu、Au/Pt、Au/PdまたはAu/Ag/Cu/Pdの合金などの合金を含むことがある。コアはリン酸カルシウム(CaP)を含むことがある。コアは、たとえばセレン化カドミウムなどの半導体材料を含むことがある。
【0083】
他の典型的な無機ナノ粒子は、カーボンナノ粒子およびシリカベースナノ粒子を含む。カーボンナノ粒子は良好な生体適合性を有し且つ合成してナノチューブおよびメソポーラス球とすることができる。シリカベースナノ粒子(SiNP)は生体適合性であり、且つ調整可能な構造パラメーターで調製してその治療的用途に適合させることができる。
【0084】
ナノ粒子は、ケイ素元素ナノ粒子などのシリコンナノ粒子とすることができる。ナノ粒子はメソポーラスであることも、またはハニカム孔構造を有することもある。好ましくは、ナノ粒子はハニカム孔構造を有するケイ素元素粒子である。そのようなナノ粒子は技術上既知であり、ほぼ任意の装填、投与経路、標的または放出プロフィールに調節可能な、調整および制御可能な薬剤装填、標的化および放出を提供する。たとえば、そのようなナノ粒子はその装填物のバイオアベイラビリティを高め、且つ/または腸透過性および経口投与した活性体の吸収を改善する。ナノ粒子は、その多孔性構造および大きな表面積によって、例外的に高い装填能力を有する。ナノ粒子は、その物理的特性に応じて、その装填物を数日間、数週間または数ヶ月間にわたって放出することができる。ケイ素は人体の天然元素であるので、ナノ粒子が免疫系から応答を誘発する可能性はない。これは、ナノ粒子のインビボ安全性にとって有利である。
【0085】
上記のいずれかのSiNPは、生分解性であることも非生分解性であることもある。生分解性SiNPは、溶解してケイ素の生体利用可能な形態であるオルトケイ酸(orthosilic acid)となる。オルトシリック酸は骨、結合組織、毛髪および皮膚の健康にとって有益であることが示されている。
【0086】
ナノ粒子はリポソームでありえる。リポソームは、典型的には生分解性、無毒性リン脂質から形成され、且つ水性コアを伴う自己集合型リン脂質二重層シェルを含む。リポソームは単一リン脂質二重層を含む単層小胞であることも、水の層で隔てられた数層の同心性リン脂質シェルを含む多重膜小胞であることもある。その結果、リポソームは親水性分子を水性コアに、または疎水性分子をリン脂質二重層に取り込むよう調整することができる。リポソームは、送達を目的として抗原をコア内にカプセル化することができる。リポソームはウイルスエンベロープ糖タンパク質をシェルに取り込んでビロソームを形成することができる。当技術において数多くのリポソームベース製品が確立され、ヒトへの使用が承認される。
【0087】
ナノ粒子は免疫刺激複合体(ISCOM)でありえる。ISCOMは、典型的にはコロイドサポニン含有ミセルから形成される籠様粒子である。ISCOMはコレステロール、リン脂質(ホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリンなど)およびサポニン(樹木Quillaia saponariaに由来するQuil Aなど)を含むことがある。ISCOMは、従来、単純ヘルペスウイルス1型、B型肝炎ウイルスまたはインフルエンザウイルスに由来するエンベロープタンパク質などの、ウイルスエンベロープタンパク質を捕捉するために使用されている。
【0088】
ナノ粒子はウイルス様粒子(VLP)でありえる。VLPは感染性核酸が欠如した自己集合型ナノ粒子であり、生体適合性カプシドタンパク質の自己集合によって形成される。VLPは、典型的には直径約20から約150nm、たとえば約20から約40nm、約30から約140nm、約40から約130nm、約50から約120nm、約60から約110nm、約70から約100nm、または約80から約90nmでありえる。VLPは、免疫系との相互作用に対して自然に最適化される、進化したウイルス構造の力を有益に利用する。自然に最適化されたナノ粒子のサイズおよび繰り返し構造の順序は、アジュバントが欠如していてもVLPが強力な免疫応答を誘導することを意味する。
【0089】
ナノ粒子は自己集合型タンパク質でありえる。たとえば、ナノ粒子はフェリチンを含むことがある。フェリチンは、自己集合してほぼ球形の10nm構造となることのできるタンパク質である。ナノ粒子は主要ヴォールトタンパク質(MVP)を含むことがある。MVPの96ユニットが自己集合して、幅約40nm長さ約70nmサイズの樽型のヴォールトナノ粒子となることができる。
【0090】
ナノ粒子はリン酸カルシウム(CaP)ナノ粒子でありえる。CaPナノ粒子はCaPを1分子以上(2分子以上、10分子以上、20分子以上、50分子以上、100分子以上、200分子以上、または500分子以上など)含むコアを含むことがある。CaPナノ粒子およびその生成方法は技術上既知である。たとえば、CAPナノ粒子の安定したナノ懸濁液は、所定の比率のカルシウムとリン酸の無機塩溶液を一定して混合することによって生成されることがある。
【0091】
CaPナノ粒子は、約80から約100nm、たとえば約82から約98nm、約84から約96nm、約86から約94nm,または約88から約92nmの平均粒径を有することがある。この粒径は、免疫細胞取り込みおよび免疫応答の点で、他のより大きな粒径より優れた性能をもたらすことがある。粒径は、たとえば1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月、36ヶ月、または48ヶ月にわたって測定する場合に安定でありえる(すなわち著しい変化を示さない)。
【0092】
CaPナノ粒子は、ナノ粒子の表面に吸着されたか、または粒子の合成中にCaPと共沈殿した1つまたは複数の抗原と共製剤化することができる。たとえば、フラビウイルスペプチドなどのペプチドは、ペプチドを(たとえば約10mg/mLの濃度で)DMSOに溶解し、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)(たとえば0.093mol/Lの濃度および超純水と共にCaPナノ粒子の懸濁液に添加し、約4時間の間(たとえば1時間、2時間、3時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間または10時間)室温で混合することによってCaPナノ粒子と結合することができる。
【0093】
ワクチン組成物は、約0.15から約0.8%、たとえば0.2から約0.75%、0.25から約0.7%、0.3から約0.6%、0.35から約0.65%、0.4から約0.6%、または0.45から約0.55%のCaPナノ粒子を含むことがある。好ましくは、ワクチン組成物はCaPナノ粒子を約0.3%含む。
【0094】
CaPナノ粒子は、骨や歯などのヒト硬組織とのその化学的類似性により高度な生体適合性を有する。したがって、有利なことに、CaPナノ粒子は治療用途に用いるとき無毒性である。CaPナノ粒子は、筋肉内、皮下、経口または吸入経路からの投与について安全である。CaPナノ粒子は、商業的に合成する上で簡便でもある。さらに、CaPナノ粒子は抗原の緩徐な放出を伴い、これはナノ粒子と結合したペプチドに対する免疫応答の誘導を促進することがある。CaPナノ粒子はアジュバントとしても、また薬剤送達担体としても用いられることがある。
【0095】
ナノ粒子は金ナノ粒子でありえる。金ナノ粒子は技術上既知であり、具体的には国際公開第2002/32404号、国際公開第2006/037979号、国際公開第2007/122388号、国際公開第2007/015105および国際公開第2013/034726号に記載される。各ペプチドと結合した金ナノ粒子は国際公開第2002/32404号、国際公開第2006/037979号、国際公開第2007/122388号、国際公開第2007/015105号、および国際公開第2013/034726のいずれかに記載された金ナノ粒子でありえる。
【0096】
金ナノ粒子は金(Au)原子を含むコアを含む。コアは1つ以上のFe、CuまたはGd原子をさらに含むことがある。コアは、Au/Fe、Au/Cu、Au/Gd、Au/Fe/Cu、Au/Fe/GdまたはAu/Fe/Cu/Gdなどの金合金から形成されることがある。コア内の原子の総数は100から500原子、たとえば150から450、200から400または250から350原子などでありえる。金ナノ粒子は1から100、20から90、30から80、40から70または50から60nmの平均直径を有することがある。好ましくは、金ナノ粒子は平均直径20から40nmを有する。
【0097】
ナノ粒子は、α−ガラクトースおよび/またはβ−GlcNHAcでコーティングされた表面を含むことがある。たとえば、ナノ粒子はα−ガラクトースおよび/またはβ−GlcNHAcで不動態化された表面を含むことがある。この場合ナノ粒子は、たとえば金属および/または半導体原子を含むコアを含むナノ粒子などでありえる。たとえば、ナノ粒子は金ナノ粒子でありえる。β−GlcNHAcは細菌病原体関連分子パターン(PAMP)であり、これは抗原提示細胞を活性化することができる。このようにして、β−GlcNHAcでコーティングまたは不動態化された表面を含むナノ粒子は、免疫応答を非特異的に刺激することがある。したがって、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドとそのようなナノ粒子との結合は、本発明のワクチン組成物の個体への投与によって誘発される免疫応答を改善することがある。
【0098】
当該ペプチド以外の1つ以上のリガンドをナノ粒子と結合させることもあり、これは上記のナノ粒子の任意の種類でありえる。リガンドは、コアの表面を部分的に被覆することもあれば完全に被覆することもある層またはコーティングである「コロナ」を形成することがある。コロナは、ナノ粒子コアを取り囲むかまたは部分的に取り囲む有機層と考えることができる。コロナは、ナノ粒子のコアの不動態化を提供することもあれば、これに関与することもある。したがって一定の例においては、コロナはコアを安定化させるための十分に完全なコーティング層でありえる。コロナは、本発明のナノ粒子の水溶性などの溶解性を促進することがある。
【0099】
ナノ粒子は少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、または少なくとも50個のリガンドを含むことがある。リガンドは1つ以上のペプチド、タンパク質ドメイン、核酸分子、脂質基、炭水化物基、陰イオン基、または陽イオン基、糖脂質および/または糖タンパク質を含むことがある。炭水化物基は多糖類、またはオリゴ糖類または単糖類(グルコースなど)でありえる。リガンドのうち1つ以上は非自己コンポーネントであってもよく、これは病原性コンポーネントと類似しているのでナノ粒子が抗原提示細胞によって取り込まれる可能性を高める。たとえば、1つ以上のリガンドが炭水化物部分(細菌炭水化物部分など)、界面活性物質部分および/またはグルタチオン部分を含むことがある。典型的なリガンドはグルコース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、グルタチオン、2’−チオエチル−β−D−グルコピラノシドおよび2’−チオエチル−D−グルコピラノシドを含む。好ましいリガンドは、糖ナノ粒子を形成する糖コンジュゲートを含む。
【0100】
リガンドのコアとの結合はリンカーによって促進されることがある。リンカーはチオール基、アルキル基、グリコール基またはペプチド基を含むことがある。たとえば、リンカーはC2〜C15アルキルおよび/またはC2〜C15グリコールを含むことがある。リンカーは、コアとの共有結合が可能であるイオウ含有基、アミノ含有基、リン酸含有基または酸素含有基を含むことがある。またその代わりに、リガンドが、たとえばリガンドに含まれるイオウ含有基、アミノ含有基、リン酸含有基または酸素含有基を介してコアと直接結合することもある。
【0101】
(ナノ粒子との結合)
ペプチドはそのN末端でナノ粒子と結合することがある。典型的には、ペプチドはナノ粒子のコアと結合するが、コロナまたはリガンドとの結合もまた可能である。
【0102】
ペプチドは、たとえばペプチド内のイオウ含有基、アミノ含有基、リン酸含有基または酸素含有基内の原子と、ナノ粒子またはそのコア内の原子との共有結合などにより、ナノ粒子と直接連結されることもある。
【0103】
リンカーを用いてペプチドをナノ粒子と結合することもある。リンカーは、コア内の原子との共有結合が可能であるイオウ含有基、アミノ含有基、リン酸含有基または酸素含有基を含むことがある。たとえば、リンカーはチオール基、アルキル基、グリコール基またはペプチド基を含むことがある。
【0104】
リンカーはペプチド部分と非ペプチド部分を含むことがある。ペプチド部分は、XがAおよびGから選択されるアミノ酸;XがAおよびGから選択されるアミノ酸;且つZ1がYおよびFから選択されるアミノ酸である配列Xを含むことがある。ペプチド部分は配列AAYまたはFLAAYを含むことがある。リンカーのペプチド部分はペプチドのN末端と結合することがある。リンカーの非ペプチド部分はC2〜C15アルキルおよび/C2〜C15グリコール、たとえばチオエチル基またはチオプロピル基を含むことがある。
【0105】
リンカーは(i)HS−(CH−CONH−AAY;(ii)HS−(CH−CONH−LAAY;(iii)HS−(CH−CONH−AAY;(iv)HS−(CH−CONH−FLAAY;(v)HS−(CH10−(CHOCH2)−CONH−AAY;および(vi)HS−(CH10−(CHOCH−CONH−FLAAYでありえる。この場合、リンカーの非ペプチド部分のチオール基がリンカーをコアに結合する。
【0106】
ペプチドをナノ粒子と結合するのに適した他のリンカーは技術上既知であり、当業者によって容易に同定および施行されることができる。
【0107】
上記に説明されるように、ワクチン組成物は、配列番号1から9に記載されるCD8+T細胞エピトープのうち1つ以上をそれぞれ含む複数のフラビウイルスペプチドを含むことがある。ワクチン組成物はエピトープ、たとえばCD4+T細胞エピトープ、B細胞エピトープ、または配列番号1から9に記載されるCD8+T細胞エピトープ以外のCD8+T細胞エピトープなどをそれぞれ含む1つ以上の追加的ペプチドを含むことがある。したがって、ワクチン組成物は2つ以上のペプチドを含むことがある。
【0108】
ワクチン組成物が2つ以上のペプチドを含む場合、ペプチドのうち2つ以上(3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上、または20以上など)が同じナノ粒子と結合することがある。ペプチドのうち2つ以上(3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上、または20以上など)が異なるナノとそれぞれ結合することがある。しかし、ペプチドが結合するナノ粒子は同じ種類のナノ粒子でありえる。たとえば、各ペプチドが金ナノ粒子と結合することがある。各ペプチドがCaPナノ粒子と結合することがある。ペプチドが結合するナノ粒子は、異なる種類のナノ粒子でありえる。たとえば、一方のペプチドが金ナノ粒子と結合し、且つ他方のペプチドがCaPナノ粒子と結合することがある。
【0109】
(ポリヌクレオチドワクチン)
本発明は、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むワクチン組成物を提供する。そのようなポリヌクレオチドワクチンの有利な特性を以下に記載する。
【0110】
ワクチン組成物は、異なるCD8+T細胞エピトープをそれぞれ含む2つ以上のフラビウイルスペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むことがある。ワクチン組成物は、異なるCD8+T細胞エピトープを含むフラビウイルスペプチドをそれぞれコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含むことがある。いずれの場合も、各フラビウイルスペプチドは配列番号1から23に記載されるペプチドまたはその変異体を含むことがある。
【0111】
フラビウイルスペプチド、CD8+T細胞エピトープおよび変異体は、本発明のペプチドワクチンに関連して上記に詳述される。ペプチドワクチンに関連して記載された態様のいずれも、ポリヌクレオチドワクチンに適用することができる。
【0112】
ポリヌクレオチドはDNAでありえる。ポリヌクレオチドはRNAでありえる。たとえば、ポリヌクレオチドはmRNAでありえる。換言すると、ポリヌクレオチドは、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドをコードするDNAポリヌクレオチドと相補的なRNAポリヌクレオチドでありえる。
【0113】
(医薬品、治療の方法および治療的使用)
本発明は、フラビウイルス感染を予防または治療するための方法であって、フラビウイルスに感染したか、またはこれに感染するリスクのある個体に本発明のワクチン組成物を投与することを含む方法を提供する。また本発明は、個体におけるフラビウイルス感染を予防または治療する方法における使用を目的とした本発明のワクチン組成物も提供する。
【0114】
たとえば、フラビウイルス感染はジカウイルス感染、デングウイルス感染、西ナイルウイルス感染、黄熱病ウイルス感染、セントルイス脳炎ウイルス感染、日本脳炎ウイルス感染、マレー渓谷脳炎ウイルス感染、ダニ媒介性脳炎ウイルス感染、Kunjin脳炎ウイルス感染、ロシオ脳炎ウイルス感染、ロシア春夏脳炎ウイルス感染、Negeishiウイルス感染、キャサヌール森林感染、オムスク出血熱ウイルス感染、ポワッサンウイルス感染、跳躍病ウイルス感染、リオブラボーウイルス感染、チュレーニーウイルス感染、ウンタヤウイルス感染またはモドックウイルス感染などでありえる。ジカウイルス感染は、たとえば、アフリカジカウイルス感染またはアジアジカウイルス感染でありえる。デングウイルスは、たとえば、DENV−1感染、DENV−2感染、DENV−3感染またはDENV−4感染でありえる。
【0115】
ワクチン組成物は医薬組成物として提供することができる。医薬組成物は、好ましくは医薬として許容できる担体または希釈液を含む。医薬組成物は任意の適切な方法を用いて製剤化することができる。標準的な医薬として許容できる担体および/または添加剤を用いた細胞の製剤化は、医薬技術において常用的な方法を用いて遂行することができる。製剤の厳密な性質は、投与しようとする細胞および所望の投与経路を含む数種類の因子に依存するであろう。適切な製剤の種類は、『Remington薬剤学』第19版、Mack出版、米国東ペンシルバニアに完全に記載されている。
【0116】
ワクチン組成物または医薬組成物は任意の経路によって投与することができる。適切な経路は静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、皮内、経皮および経口/バッカル経路を含むが、これに限定されない。
【0117】
組成物は、生理学的に許容される担体または希釈液と共に調製されることができる。典型的には、そのような組成物はペプチドおよび/またはペプチド結合ナノ粒子の液状懸濁液として調製される。ペプチドおよび/またはペプチド結合ナノ粒子は、医薬として許容でき且つ有効成分と適合する添加剤と混合されることもできる。適切な添加剤は、たとえば水、生理食塩水、デキストロース、グリセロールなど、およびその組み合わせである。
【0118】
さらに所望の場合、医薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、および/またはpH緩衝化剤などの少量の補助物質を含むことができる。
【0119】
ペプチドまたはペプチド結合ナノ粒子は、投与製剤と適合する方法で投与され、且つそのような量で治療的に有効であろう。投与しようとする量は、治療しようとする対象、治療しようとする疾患、および対象の免疫系の能力に依存する。投与する必要のあるナノ粒子の正確な量は、臨床家の判断に依存し、且つ各対象に特有でありえる。
【0120】
任意の適切な数のペプチドまたはペプチド結合ナノ粒子を対象に投与することができる。たとえば、少なくとも、または約0.2×10、0.25×10、0.5×10、1.5×10、4.0×10または5.0×10個/患者体重kgのペプチドまたはペプチド結合ナノ粒子を投与することができる。たとえば、少なくとも、または約10、10、10、10、10ペプチドまたはペプチド結合ナノ粒子を投与することができる。目安として、投与しようとする本発明のペプチドまたはペプチド結合ナノ粒子の数は10から10、好ましくは10から10でありえる。
【0121】
(方法)
本発明は、受動免疫療法における使用を目的とした細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を生成するための方法であって、フラビウイルスに感染した対象から採取したT細胞を、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドに接触させることを含む方法を提供する。
【0122】
用語「受動免疫療法」は、疾患の治療において支援する個体に対する免疫系コンポーネント(免疫細胞など)の投与に関する。疾患は感染でありえる。感染は、ジカウイルス感染、デングウイルス感染、西ナイルウイルス感染、黄熱病ウイルス感染、セントルイス脳炎ウイルス感染、日本脳炎ウイルス感染、マレー渓谷脳炎ウイルス感染、ダニ媒介性脳炎ウイルス感染、Kunjin脳炎ウイルス感染、ロシオ脳炎ウイルス感染、ロシア春夏脳炎ウイルス感染、Negeishiウイルス感染、キャサヌール森林感染、オムスク出血熱ウイルス感染、ポワッサンウイルス感染、跳躍病ウイルス感染、リオブラボーウイルス感染、チュレーニーウイルス感染、ウンタヤウイルス感染またはモドックウイルス感染などのフラビウイルス感染でありえる。ジカウイルス感染は、たとえば、アフリカジカウイルス感染またはアジアジカウイルス感染でありえる。デングウイルスは、たとえば、DENV−1感染、DENV−2感染、DENV−3感染またはDENV−4感染でありえる。
【0123】
フラビウイルスペプチド、CD8+T細胞エピトープおよび変異体は、本発明のペプチドワクチンに関連して上記に詳述される。ペプチドワクチンに関連して記載されたフラビウイルスペプチド、CD8+T細胞エピトープおよび変異体に関連する態様のいずれも、CTLを生成するための方法に適用することができる。
【0124】
方法はインビトロまたはエクスビボで実施することができる。接触させるステップはインビトロまたはエクスビボで実施することができる。
【0125】
対象から採取されたT細胞はCD8+T細胞を含むことがある。対象から採取されたT細胞はCD8+T細胞およびCD4+T細胞を含むことがある。
【0126】
そこからT細胞を採取した対象は、当該方法によって生成されるCTLのレシピエントでもありえる。すなわち、そこからT細胞を採取した対象は、当該方法によって生成されるCTLによって治療されることがある。この場合、CTLはCTLのレシピエントの自己由来である。
【0127】
そこからT細胞を採取した対象は、当該方法によって生成されるCTLのレシピエントと異なる個体でありえる。換言すると、T細胞はドナーから採取され且つ当該方法で使用され、且つ生成されるCTLが異なる個体に投与されることがある。したがって、CTLはCTLのレシピエントに対して同種異系でありえる。
【0128】
そこからT細胞を採取した対象は、当該方法によって生成されるCTLのレシピエントとHLA適合することがある。換言すると、T細胞はドナーから採取され且つ当該方法で使用され、且つ生成されるCTLがHLA適合する個体に投与されることがある。したがって、CTLはCTLのレシピエントに対してHLA適合することがある
【0129】
本発明は、対象におけるフラビウイルス感染を診断するための方法であって、(i)対象から採取したT細胞を、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含むフラビウイルスペプチドに接触させることおよび(ii)T細胞のフラビウイルスペプチドに対する応答を判定することを含む方法をさらに提供する。
【0130】
たとえば、フラビウイルス感染はジカウイルス感染、デングウイルス感染、西ナイルウイルス感染、黄熱病ウイルス感染、セントルイス脳炎ウイルス感染、日本脳炎ウイルス感染、マレー渓谷脳炎ウイルス感染、ダニ媒介性脳炎ウイルス感染、Kunjin脳炎ウイルス感染、ロシオ脳炎ウイルス感染、ロシア春夏脳炎ウイルス感染、Negeishiウイルス感染、キャサヌール森林感染、オムスク出血熱ウイルス感染、ポワッサンウイルス感染、跳躍病ウイルス感染、リオブラボーウイルス感染、チュレーニーウイルス感染、ウンタヤウイルス感染またはモドックウイルス感染などでありえる。ジカウイルス感染は、たとえば、アフリカジカウイルス感染またはアジアジカウイルス感染でありえる。デングウイルスは、たとえば、DENV−1感染、DENV−2感染、DENV−3感染またはDENV−4感染でありえる。
【0131】
当該方法のステップ(i)はインビトロまたはエクスビボで実施することができる。T細胞はCD4+T細胞、CD8+T細胞、またはCD4+T細胞とCD8+T細胞の混合でありえる。好ましくは、T細胞はCD8+T細胞である。ステップ(i)においては、T細胞は配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上を含む1つのフラビウイルスペプチドと接触させることがある。T細胞は、配列番号1から23に記載されるCD8+T細胞エピトープまたはその変異体のうち1つ以上をそれぞれ含む、任意の組み合わせの2つ以上のフラビウイルスペプチドと接触させることがある。フラビウイルスペプチド、CD8+T細胞エピトープおよび変異体は、本発明のペプチドワクチンに関連して上記に詳述される。ペプチドワクチンに関連して記載されたフラビウイルスペプチド、CD8+T細胞エピトープおよび変異体に関連する態様のいずれも、フラビウイルス感染を診断するための方法に適用されることがある。
【0132】
ペプチドと接触するT細胞の応答を判定するメカニズムは、技術上既知である。そのようなメカニズムのいずれも、当該方法のステップ(ii)においてT細胞のフラビウイルスペプチドに対する応答を判定するために用いることができる。応答はたとえばT細胞の増殖などでありえる。T細胞増殖は、たとえば、トリチウム標識チミジンの取り込みを測定すること、CFSE(カルボキシフルオレセインサクシニミジルエステル)などの細胞内色素の希釈、またはアラマーブルーなどの代謝活性の蛍光またはカラリメティック(colorimetic)指示薬を使用することによって判定することができる。応答はたとえばT細胞の活性化などでありえる。活性化T細胞のマーカーは技術上周知である。フローサイトメトリーまたは免疫蛍光イメージングを用いてマーカーの発現を判定することができる。応答はたとえばサイトカイン発現などでありえる。フローサイトメトリー、免疫蛍光イメージングまたはELISA(酵素結合免疫測定法)を用いてサイトカインの発現を判定することができる。パーフォリンまたはグランザイムなどの他の免疫系メディエーターの発現も、同様に判定することができる。
【0133】
(本発明のさらなる実施形態)
本発明のさらなる実施形態は以下のものを含む:
1.配列番号1から14からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドを含む医薬組成物中の分離オリゴペプチドまたはペプチドであって、前記オリゴペプチドまたはペプチドが8から約30個のアミノ酸残基からなり、前記オリゴペプチドまたはペプチドがクラスI MHC分子と結合するかまたはクラスI MHC分子と結合するようプロセシングすることが可能で且つTリンパ球応答を活性化し、且つオリゴペプチドまたはペプチドが医薬として許容できる塩の形態にあるオリゴペプチドまたはペプチド。
2.態様1のオリゴペプチドであって、前記オリゴペプチドが少なくとも2つのエピトープペプチドを含むオリゴペプチド。
3.態様1のオリゴペプチドであって、前記オリゴペプチドが少なくとも3つのエピトープペプチドを含むオリゴペプチド。
4.態様1のオリゴペプチドであって、前記オリゴペプチドが少なくとも4つのエピトープペプチドを含むオリゴペプチド。
5.態様1のオリゴペプチドまたはペプチドであって、前記オリゴペプチドまたはペプチドが配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14と異なり前記の差異が1アミノ酸単位を越えないオリゴペプチドまたはペプチド。
6.態様5のオリゴペプチドまたはペプチドであって、前記1つのアミノ酸の差異が保存的アミノ酸置換の結果であるオリゴペプチドまたはペプチド。
7.態様5のオリゴペプチドまたはペプチドであって、前記1つのアミノ酸の差異が1つの疎水性アミノ酸の他の疎水性アミノ酸による置換であるオリゴペプチドまたはペプチド。
8.態様5のオリゴペプチドまたはペプチドであって、前記のアミノ酸の差異が前記エピトープペプチドへの1つのアミノ酸の追加またはこれからの削除であるオリゴペプチドまたはペプチド。
9.(a)態様1のオリゴペプチドまたはペプチドをコードするポリヌクレオチド、および(b)(a)の完全補体からなる群から選択されるポリヌクレオチドを含む医薬組成物中のポリヌクレオチドであって、ポリヌクレオチドが医薬として許容できる塩の形態にあるポリヌクレオチド。
10.態様9のポリヌクレオチドであって、(a)のポリヌクレオチドがDNAであるポリヌクレオチド。
11.態様9のポリヌクレオチドであって、(a)のポリヌクレオチドがRNAであるポリヌクレオチド。
12.対象に任意のフラビウイルス感染に対する予防接種および治療をするための方法であって、前記感染細胞が任意のクラスI MHC分子を発現し、クラスI MHC分子と結合するかまたはクラスI MHC分子と結合するようプロセシングすることが可能な組成物であって:配列番号1から14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むエピトープペプチドを、前記感染細胞に対するCTL応答を誘導するのに十分な量、且つ医薬として許容できる塩の形態で含む少なくとも1つのポリペプチド;または配列番号1から14からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも1アミノ酸の差異を有するエピトープペプチドを、前記感染細胞に対するCTL応答を誘導するのに十分な量、且つ医薬として許容できる塩の形態で含む少なくとも1つのポリペプチドを含む組成物を前記対象に投与することを含む方法。
13.任意のフラビウイルス感染を有する対象に予防接種および治療をするための方法であって、前記感染細胞が任意のクラスI MHC分子を発現し、前記方法が、クラスI MHCと結合するかまたはクラスI MHC分子と結合するようプロセシングすることが可能な組成物であって:配列番号1から14からなる群から選択されるアミノ酸配列を、前記感染細胞に対するCTL応答を誘導するのに十分な量、且つ医薬として許容できる塩の形態で含む少なくとも1つのポリペプチド;または配列番号1から14からなる群から選択されるアミノ酸配列との少なくとも1アミノ酸の差異を含むエピトープペプチドを、前記感染細胞に対するCTL応答を誘導するのに十分な量、且つ医薬品として許容できる塩の形態で含む少なくとも1つのポリペプチドをコードする核酸配列を含むポリヌクレオチドを含む組成物を前記対象に投与することを含む方法。
14.任意のフラビウイルスに感染した対象に由来するT細胞を用いてエクスビボで免疫応答を生成するための方法であって、前記方法が:配列番号1から14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、且つ医薬品として許容できる塩の形態にある少なくとも1つのポリペプチド;または配列番号1から14からなる群から選択されるアミノ酸配列との1アミノ酸の差異を含み、且つ医薬品として許容できる塩の形態にある少なくとも1つのポリペプチドと前記T細胞が反応する、受動免疫療法における使用を目的としたCTL応答の生成を刺激することを含む方法。
15.態様14の方法であって、前記T細胞養子療法が自己由来またはHLA適合対象から生成される方法。
16.任意のフラビウイルスに感染したか、または任意のフラビウイルスおよび関連ウイルスに対する予防接種を受けた対象における免疫応答を評価または診断するための方法であって、前記方法が:配列番号1から14からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、且つ医薬として許容できる塩の形態にある少なくとも1つのポリペプチド;または配列番号1から14からなる群から選択されるアミノ酸配列との1アミノ酸の差異を含み、且つ医薬として許容できる塩の形態にある少なくとも1つのポリペプチドと前記T細胞が反応する、CTL応答の生成を刺激することを含む方法。
17.医薬として許容できる塩の形態にある配列番号1から14を用いて任意のフラビウイルス感染に対してヒトに予防接種するための方法。
【0134】
開示された生成物および方法の異なる用途は、技術上の特定のニーズに合わせて調整されることがあることを理解すべきである。本願で用いる用語は本発明の具体的な実施形態を記述することのみを目的とし、制限することを意図していないことも理解すべきである。
【0135】
さらに、本明細書および付属の請求項に用いられるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈より別段明示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、たとえば、「1つのペプチド」への言及は「複数のペプチド」を含み、「1つのナノ粒子」への言及は2つ以上のそのようなナノ粒子を含むなどである。
【0136】
本願に引用する全ての出版物、特許および特許明細書は、上記であれ下記であれ、その全文を参照文献として本願に援用する。
【0137】
以下の実施例は本発明を例示する。
【実施例1】
【0138】
(序論)
ジカウイルス(ZIKV)は、ヤブカ属のカによってヒトに伝播されるRNAウイルスである。最近までは、感染のわずか20%が発疹、頭痛および結膜炎といった軽度で短期的な症状をもたらし、比較的無害と考えられていた。最近の報告で、現在の南米でのZIKV集団発生がブラジルにおける小頭症乳児の出生数およびエルサルバドルにおけるギランバレー症候群症例の増加と関連付けられ、再評価を促している。これらの病状の重症度により、製薬業界のワクチン開発への関心が高まっている。関連疾患に対するワクチンの修飾に集中して取り組むことも可能である。フラビウイルスはデング熱と密接に関連する。フラビウイルスはフラビウイルス科の一員であり、デング熱、黄熱病、日本脳炎、ダニ媒介脳炎、および西ナイルウイルスを含む。現在はZIKVに対するワクチンまたは特効薬が存在しない。
【0139】
デング熱(1〜3)およびチクングニアは、それ自体が世界的に優先度の高い感染症であり、デング熱は年間3億9千万人に感染し、チクングニアは間欠的に注目度の高い集団発生を引き起こす。ジカ、デング熱およびチクングニアは、同じ低/中所得地域において同じ種類のカによって蔓延するので、共有T細胞エピトープからなるワクチンは、3つの感染症全てに対して三重防御を提供し、実践的且つ合理的利点を提供できるであろう
【0140】
デング、ジカおよびチクングニアウイルスはいずれも同じカによって運ばれ、且つ三者の間には著しい臨床的重複が存在する(図1(a))。それらは全て同様のウイルスタンパク質配列を共有する。3つのウイルスの間には、デング熱、ジカおよびチクングニアに対する三重ワクチンを生成することができるような、十分な交差反応性エピトープが存在することが実験によって確認されている。
【0141】
ヒトフラビウイルス感染は、吸血性ヤブカ属の雌性カがヒトの皮膚および血流にウイルスを沈着させるときに発生する。ヒト表皮角化細胞および真皮線維芽細胞のいずれも、フラビウイルス感染に対して許容的である。病原体認識受容体(PRR)、Toll様受容体(TLR)、RIG−1およびMDA−5の発現は、真皮線維芽細胞のフラビウイルス感染によってアップレギュレートされ、これらの受容体は後に1型IFN、OAS2、ISG−15およびMX−1を含むIFN刺激遺伝子、および炎症性サイトカインの発現を惹起する。1型および2型IFNは全てのフラビウイルス感染の抑制にとって重要であることが知られている。いずれのIFN型もヒト線維芽細胞におけるフラビウイルスの複製を阻害する。宿主防御メカニズムにおけるこれらのサイトカインの役割はマウスモデルにおいてさらに確認され、このモデルにおいて、1型IFN受容体欠損マウス(A129)または1型および2型IFN受容体欠損マウス(AG129)は、ウイルス血症および年齢依存的死亡を示し、フラビウイルス感染に対する感受性が高かった。フラビウイルス疾患を有する患者の血清学的分析により抗ZIKVウイルスIgGおよびIgMおよび中和抗体が証明され、これは乳仔および成体マウスにおいて致死的フラビウイルス感染に対する部分的防御を提供することが証明された。中和抗体は部分的防御を提供し、その一方で1型および2型IFNはフラビウイルス感染を抑制する上で重要である(4)。ヒトにおけるフラビウイルスの伝播は、カによる伝播に加えて輸血、性交渉、および分娩の際の母体から胎児への周産期伝播を介して証明される。したがって、末梢におけるウイルスクリアランスをもたらす免疫因子を同定することは、フラビウイルス感染に対する免疫療法およびワクチンの開発に対する重大な見通しを提供するであろう(5)。
【0142】
フラビウイルスワクチンプログラムの利点は、デング熱、西ナイルウイルス、およびチクングニアなどのフラビウイルスと呼ばれる科の一部である同様のカによる疾患を「出発点」として用いることができることである。研究者らは、現在、疾患がどのように新規であるかを前提として、フラビウイルスの基礎およびその人体への影響についてさらに知ろうと努めているが、その一方で、他のフラビウイルスが同様の様態で蔓延することから、他のフラビウイルスからの過去のワクチン開発プラットフォームをすでに基盤として用いることができる。NIAIDは、西ナイルウイルスに対して用いた戦略と類似し、第I相治験で安全および有効であると認められているDNAベースワクチンを含むフラビウイルス感染予防のための複数のワクチン候補を積極的に追求している。デング熱予防のためにすでに開発されたものと同様の、主としてウシに感染する動物ウイルスである小胞性口内炎ウイルスの遺伝子操作型を用いた、より従来型の生ワクチンである治験ZIKVワクチン、およびWalter Reed Army Institute of Research(WRAIR)が関連する日本脳炎ウイルスおよびデング熱ウイルスに対するワクチンを開発するために用いた同様のワクチンアプローチに基づく全粒子不活化ZIKVワクチンにも取り組んでいる。治験ZIKVワクチンは2016年の秋に初期ヒト治験に入る準備ができる可能性がある。初期治験では、実験ワクチンが安全であり且つ接種されたボランティアに免疫応答を生成するか検討するであろう。安全且つ有効で、完全に承認されたZIKVワクチンは数年間利用できない可能性がある。
【0143】
具体的には、先天性ジカウイルス症候群の住民の健康に対する持続的影響を前提とすると、ZIKVの流行は主として胎児−母体の問題である(6)。エビデンスより、妊娠母体のZIKV感染と先天性欠損(すなわち小頭症、頭蓋内病変、視力障害、難聴)との関連が確認されている(7,8)。また現在、母体ZIKV症例の20%は胎児に対して何らかの形態の神経障害をもたらす可能性があるとも提唱されている。ZIKV集団発生の主たる胎児関連病態特性に対抗するための有効な予防接種レジメンを得るために、母体と胎児の双方に同時に接種することのできるワクチンが必要とされる。最近のワクチン技術の大半は子宮内接種に適合していない(9−18)。抗体は妊娠後期まで胎盤を通過できないので抗体ワクチンは適合せず、それゆえ第1/2三半期に発生するZIKV関連病態は母体の抗体によって減少しない。母体CD8+CTL細胞は胎盤においてHLA−G系を介して破壊されるので、母体においてT細胞応答を促進するワクチンは胎児を保護できない(14,15)。何らかの胎児または母体微小キメラ化も、胎児調節性T細胞によって抑制される(16)。弱毒性生ウイルスであれば通過して胎児に到達し、免疫応答を誘発することができるが(胎児は約10週間免疫能力を有する)、胎児を生ウイルスに曝露することは安全性の観点から不適切であろう(9〜18)。さらに、母体が事前にZIKVに対して免疫されていても短期間のウイルス血症期間が常に存在し(完全と見なされるワクチンはない)、胎児が常に感染リスクを有することを意味する。母体の感染細胞を消失させて長期的なウイルス血症を短縮するT細胞免疫応答を生成し、且つより重要なことに胎児に接種することのできる純合成ワクチンは、胎児における先天性欠損を低減する可能性を有するであろう。この性質のワクチンは、それを子宮内接種に適合させるいくつかの重要な性質を有する。
【0144】
(裏付けデータ)
我々のT細胞エピトープ発見に対するアプローチは、罹患しているが健常ではない細胞に発現された特異抗原に対し、免疫系が有効な応答を開始することができるという前提に基づいている。イムノプロテオミクスの方法論は、感染細胞からMHC関連ペプチドを直接分離し、罹患細胞の表面に提示されたエピトープ(真のT細胞標的)を同定する。我々は、この技術的アプローチを用いてZIKV、デングウイルス、HBVおよびインフルエンザウイルス感染細胞さらには多様な癌指標からT細胞エピトープを同定している。
【0145】
(イムノプロテオミクス分析によって感染細胞から同定されたフラビウイルスエピトープ)
当初の発見の時期には、我々はHLA−A2およびA24陽性HepG2細胞を感染に用いた。ZIKVはATCCから取得し(ATCC #1839)、Vero細胞の72時間感染により増殖させた。デングウイルスはWalter Reed研究所から取得し、Vero細胞感染を用いて増殖させた。感染より72時間後(hpi)、上清からのウイルス価をプラーク測定法により特性解析した。HepG2細胞をMOI 0.1で72時間感染させた。感染HepG2細胞を回収し、透過処理および抗フラビウイルスグループ抗原(抗4G2 MAb;MAB10216、ミリポア)抗体染色し、フローサイトメトリーで分析することにより感染性について評価した。感染細胞をさらに処理し、文献の記載に従いイムノプロテオミクスで分析した(19〜21)。簡単に述べると、感染細胞から細胞ライセートを調製し、汎MHCクラスI抗体W632を用いた免疫沈降によってMHC/ペプチド複合体を分離した。その後、MHC分子に関連するペプチドを分離し、分析的方法で精製した。オフラインHPLCを用いて精製したペプチド混合物を分画化し、ナノアルティメットHPLC(ダイオネクス)に接続するVelos LTQ−Orbitrap質量分析計(サーモフィッシャー)上で画分をデータ依存的ナノLC−MS/MS実験によって分析した。Sequest検索アルゴリズム(サーモ)によるプロテオーム発見ソフトウェア(v1.3)を用いて、LC−MS/MS生データをZIKVゲノムデータベースと比較して探索することにより、MHCペプチドおよびその配列を同定した。さらに、他のフラビウイルス、デングウイルス、チクングニアウイルスゲノムデータベースと比較してデータを検索した。ZIKV感染細胞のイムノプロテオミクス分析により、数種類のT細胞エピトープが同定された(表4)。エピトープの大半は、我々のデング熱ワクチン研究で認識しているように、HLA−A2またはA2/A24二重HLA結合エピトープであった(19)。さらに、我々は多様なZIKVタンパク質からB7およびB44結合エピトープを同定した。最も重要なことに、我々はZIKV、デングウイルスおよびチクングニアウイルスの間で維持される数種類のエピトープを同定した。これらのエピトープはウイルスゲノムの維持領域に由来し、この領域は宿主であるカにおける生存を担う可能性がある。これらのエピトープは合成ペプチド共溶離実験によってさらに確認された(図2−実験および合成ペプチド質量スペクトル分析から得られたPMAペプチド(表4)スペクトルおよび図3−実験および合成ペプチド質量スペクトル分析から得られたFLMペプチド(表4)スペクトル)。
【0146】


【表4】


【0147】
(参照文献)
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【実施例2】
【0148】
(序論)
1つの属全体を包含する「汎用」ワクチンの概念は、(抗体の標的であるビリオンの表面抗原自体とは対照的に)ウイルス感染細胞の表面上に発現される同一または交差反応性クラスIウイルスエピトープの生成に依存する。これらのペプチド標的は(抗体ベースワクチンで必要とされるような)無傷のウイルスの認識とは無関係で、且つ宿主細胞におけるその合成の際にウイルスの内部タンパク質からプロセシングされたクラスIペプチドに概ね由来する。免疫−リボソームまたは欠陥リボソーム産物(DRiP)経路によって生成されるペプチドは、ある属の生物全てに存在するタンパク質に由来することがある。たとえば、フラビウイルス属はデングウイルス、ジカウイルス、黄熱病ウイルスを含む66の種を含み、且つこれらのウイルス系統の全ては、宿主感染細胞上に広範な交差反応性ペプチドリガンドームシグネチャ(CD8T細胞の標的)を生成する共通の(著しい相同性を伴う)内部タンパク質を有する。高い安定性および好ましい生産タイムスケール/経済性は、これらのワクチンがデング熱/フラビウイルス集団発生に対するオンデマンド型の実践的解決策として完全に適合することを意味する。
【0149】
デングウイルスの全系統に対するワクチンを開発するためには、CD8T細胞は必ず宿主デング熱感染細胞上のクラスIウイルスシグネチャを標的とするナイーブクローンから増殖しなければならない。これらのクラスI複合体は、同族T細胞受容体(TCR)の認識を介して感染細胞を死滅させるCD8T細胞の標的である。T細胞ワクチンは、ウイルス血症を低減することのみが可能な抗体ワクチンと対照的に、「滅菌」ワクチンと考えられ、その後宿主免疫系に残り、CD8細胞傷害性T細胞を用いてウイルス工場細胞を除去する。自然感染においては、リガンドーム情報はエキソソームを介して遠隔の感染細胞からリンパ系器官、皮膚などにある免疫系(すなわち抗原提示細胞(APC))に伝達される。これらの粒子はAPCにペプチド情報を送達し、APCはその後ナイーブT細胞を活性化する。これは純粋な情報転送系である。ワクチンによってこのプロセスを模倣するには、感染細胞のウイルスシグネチャ(すなわちリガンドーム)を知る必要がある。一旦その情報を得たならば、何らかの形態の人工エキソソームによってそれを免疫系に送達する必要がある。本願における用語「ワクチン」は、一般的な意味で、ウイルス感染時点で存在している初期免疫条件を変更することのできる物質を示すために用いられる。本願に記載されたワクチン候補は、ナイーブT細胞を活性化するために、APCへの移行時の分解からペプチドを保護すると共に、APC表面上のクラスI構造への取り込みを目的とした未変化クラスIペプチドの細胞質放出を可能とする特殊な粒子のリンパ系取り込みを介して、クラスIペプチドをAPCに直接送達する素量クラスターを用いる。他のワクチン企業はこの一連の技術上の問題を解決していない。現在、汎用ワクチンを生産する試みは、導入後にプロセシングされてクラスIペプチドを産生することが望まれるウイルスタンパク質の宿主細胞への導入に概ね依存する。この方法論は質量作用の法則により機能しない可能性がある。ヒト細胞上では任意の所与の時間においてわずか100,000のクラスI分子が発現する。しかし、全ての宿主タンパク質から誘導することのできるクラスI結合タンパク質は数百万存在する。これらは全て100,00のクラスI分子上の結合部位について拮抗する。ウイルス感染細胞においては、全ての内部ペプチドがそこに「殺到」しないよう、ウイルスシグネチャを表すクラスIペプチドを生成するために別のプロセシング経路が用いられる。ベクターによってクラスIペプチドを生成しようと試みるウイルスワクチンについては、これらのタンパク質はあたかも宿主タンパク質であるかのようにプロセシングされるので、生成されるあらゆるペプチドは希釈され、トランスフェクトされた細胞の表面上に現れる確率が低くなる。さらに、これらの細胞は、一般に、ペプチドフラグメントを遠隔のAPCに送達するエキソソームを大量に放出しない(対照的に、ウイルス感染細胞はもろく、大量のデブリを放出する)。実験的汎用ワクチンを開発する過去の試みが失敗した原因のうち少なくとも1つはこれである。さらに、一般的に、単一のウイルスベクターまたはRNAパッケージにおいては、宿主細胞に送達できるウイルスタンパク質は1/2個のみであるので、ウイルス発現タンパク質から生成されるペプチドが実際に細胞リガンドームの一部として現れるか知るために、実験的リガンドームの知識が必要とされる。これらのワクチンは実験的に判定されたリガンドームの知識無しに開発されるので、失敗率は高いであろう。
【0150】
(1.技術的要約)
(1.1ワクチンのデザインおよびペプチド選択戦略)
イムノプロテオミクスアプローチを用いて、フラビウイルスの維持領域に由来するMHC−クラスIウイルスペプチドを同定している。簡単に述べると、既定のヒトHLAスーパータイプのヒト細胞にフラビウイルス(すなわちデングウイルスまたはジカウイルス)を感染させ、その細胞の表面に発現したペプチドを抽出し、質量分析法を用いて同定する。抽出および同定ペプチドのタンパク質源を、ウイルスタンパク質または内因性(すなわちヒト)タンパク質(自己)のいずれかの由来に割り当てることができる。感染と関連するMHC−1ペプチドは確認することが可能であり、この同定されたMHC−1ペプチドのライブラリーは、T細胞免疫系が感染シグナルと認識するペプチドのレパトワであり―そのクラスI分子内に発現されたこれらのペプチドを発現する感染細胞の死滅に至る。リガンドームは、自然免疫応答が誘導されることのできる構造の完全なセットである。したがって、それらのペプチドは感染に対して免疫系を刺激する予防接種物質の基盤として用いることができる。同定されたペプチドのセットはウイルス「リガンドーム」と呼ばれる。ワクチンおよびペプチドのデザインの困難な点は、最終的な臨床ワクチン候補を形成し且つ訓練されたナイーブT細胞への送達メカニズムも有する「リガンドーム」ライブラリーからペプチドを選択し、自然感染後に発生するものと同様のメモリーT細胞の免疫レパトワをもたらすことである。
【0151】
以下はそのようなペプチドを選択するための根拠および基準である:
【0152】
(1.HLAの範囲)
ペプチドは、適切な人口範囲を提供するために一定のHLAスーパータイプを包含しなければならない。一般に、1つのHLAスーパータイプは人口の約30〜50%、2つのHLAスーパータイプは人口の70〜75%を包含し、3つのHLAスーパータイプは人口の約85〜95%を包含し、且つ4つのHLA型は95%以上を包含する。このワクチンのデザインを目的として、4つのスーパータイプの範囲が選択されている(HLA−A2/A3/24/B7)。この選択の背後にある根拠は、それが合理的な人口範囲と、その一方で必要なペプチド数を限定することでワクチンデザインを単純化することとの適切なバランスと考えられることである。
【0153】
(2.複数のタンパク質/ペプチド範囲)
最適なT細胞ワクチンは、ペプチドクラスI(pMHC)の認識を介した感染細胞に対する免疫系により複数の「攻撃」の標的を促進するであろう。したがって、各HLA型について複数のペプチドを有すれば有利であろう。同様に、内部および維持タンパク質である幅広いウイルスタンパク質に由来するペプチドを有することで、感染細胞認識の範囲が拡張するので、ワクチンは抗原ドリフトおよび/またはシフトに対して非感受性となるであろう。デングウイルスなどのRNAウイルスは、協調的に作用して疾患を引き起こす疑似種と呼ばれるウイルス集団から形成されるので、「クラウド」構造と考えられる。したがって、全ての変異体が同じクラスIペプチドの組を発生させるわけではない。実際には、カの咬傷によるデングウイルスの宿主への接種は、その都度新規創始ウイルス集団と考えられる。感染宿主において疾患を引き起こし、新規集団を生成するには複数の咬傷が同時に必要とされる。この問題に対処するために、ディープシーケンシング分析で異なるフラビウイルス属から同定された交差反応性クラスペプチドは、ウイルスの生存にとって決定的であり且つ致死的な結果を生成する変異事象に対する感受性がより低いペプチド部位の高い確率を提供する(Mullerのラチェット)。そのため、異なるタンパク質に由来する複数のクラスIペプチドが、ボトルネックの拡張を低減することにより疾患を予防するT細胞レパトワを作製するはずである。現在の我々のワクチン候補は以下の表5に示すように9つのペプチドを含む。
【0154】
(3.製造しやすさ)
全般的に、ペプチドが疎水性であればあるほど、合成およびナノ粒子担体システムとのコンジュゲート化がより複雑となる。したがって、可能であれば親水性ペプチドが選好される。
【0155】
上記の基準に基づき、デング熱(フラビウイルス)臨床候補を構成するために9つのペプチドが選択されている(表5):
【0156】
(表5:臨床的候補ペプチドの選択)
【表5】
【0157】
(1.2金ナノ粒子担体)
最終的なワクチン候補は、それぞれにフラビウイルスペプチドエピトープが結合してGNP−ペプチドコンジュゲートを形成する金GNPベース粒子の混合物から構成されるであろう(図2)。(数多くの異なるペプチドを有する各ナノ粒子と反対に)各粒子は特定の単一ペプチドを有する。ペプチドが結合する基盤粒子は、ガラクトース/GlcNAcの不動態化表面に被覆されれば、ヘルパー/アジュバントシグナルを含むであろう。ペプチドエピトープは、N末端AAY−メカプト酢酸リンカーを介して基盤粒子と結合するであろう。内部抗原が一旦細胞に現れると、このリンカーは開裂してGNP−ペプチドコンジュゲートから遊離ペプチドを放出する。GNP−ペプチドコンジュゲートはヒト皮膚の皮内注射部位から広範囲に拡散し、コンジュゲートが結合したペプチドを表皮ランゲルハンス細胞および真皮樹状細胞に接触させることができる。ヒト皮膚生検材料を用いた注射実験より、存在する表皮ランゲルハンス細胞の94%がGNP−ペプチド構築物を取り込んだことが示されている。このことは、遊離ペプチドまたは硫酸アルミニウムと複合体化したペプチドが注射部位外に拡散せず、それゆえ抗原提示細胞との遭遇が少ないことと対照的である。
【0158】
(1.3 CTL分析)
通例、全てのリガンドームペプチドはCTL応答を生成することが可能であり、またそれゆえ特定のペプチドに対するCTL応答の定量的評価はワクチンデザインの決定における決定因子ではない。しかし、原理の証明として、遊離ペプチドおよびナノ粒子担体系と結合したペプチドのCLT誘導活性を示すデータがこれに含まれる。これらの試験は以下のものを含む:
【0159】
(a.エクスビボ)
ナイーブドナー(すなわち過去にデング熱に感染したことのない健常ドナー)から提供されたヒト血液を、ワクチン構築物に対する一次免疫応答について試験する。これらの実験は、免疫のプロセスを細胞レベルで有効に模倣し、且つ実験ワクチンがナイーブT細胞を活性化して、デング熱感染ヒト標的細胞を死滅させることのできる抗原特異的CD8細胞傷害性T細胞とすることができるメカニズムの証拠を提供する。これらの実験は、過去に感染に曝露した者の血液を用いて感染後のメモリーT細胞を観察することで拡張される。同定されたペプチドが感染後血液におけるCTL応答を誘導する場合(リコール応答)、それらが通常の感染においてT細胞応答を誘導した同じMHC−1ペプチドであることが例示される。デンドリマー染色でも、候補ワクチンで用いようとするペプチドに対する、自然感染において存在するメモリーT細胞の個数が定量される。
【0160】
(b.インビボ)
HLAトランスジェニックマウスを用いて、ペプチドが生体系において一次免疫応答を誘導する能力を用いている。これは、特定のペプチド構築物で免疫したトランスジェニックマウスから脾細胞を摘出すること、およびペプチド標的およびデング熱感染ヒト細胞に対するそれらの活性化細胞のCTL活性を評価することを含む。
【0161】
(c.)
ヒト特異的HLAワクチンによるウイルス攻撃試験を実施することは不可能である。ヒト化マウスはヒト免疫系を有する一方で、標的組織はマウスのままである(ヒトHLAではなくマウスMHCを有するであろう)。
【0162】
(1.3.1 インビトロ)
ナイーブドナー(すなわち過去にデング熱/ジカに感染したことのない健常ドナー)から提供されたヒト血液を、ワクチン構築物に対する一次免疫応答について試験した。これらの実験は免疫のプロセスを細胞レベルで有効に模倣し、且つ実験ワクチンがナイーブ細胞を免疫することができるメカニズムの証拠を提供する。これらの実験はHLA−A2(図3a/図3b)およびHLA−A24(図4)スーパータイプについて完了している。
【0163】
1つの実験においては、健常(ナイーブ)ヒトHLA−A2+ドナーを利用し、サイトカインカクテル中で末梢血単核球(PBMC)をペプチドエピトープで刺激し、抗原特異的CTL応答を誘導した。その後、抗原特異的応答を目的としてペプチド装填標的で共培養することにより、これらの刺激されたPBMCを測定した(図3a)。ペプチド装填にはTAP−欠損細胞(T2)を用い、ブランクT2細胞を対照として用いた。増殖したPBMCのCD107a脱顆粒およびインターフェロンγ(IFN−g)マーカーの双方をフローサイトメトリーで測定した。6つのペプチドエピトープのいずれも、ペプチド装填T2細胞に対してCD8+ CD107aおよびIFNg発現をペプチド特異的に誘導した。ペプチド「PMA」は特に明確なIFNg+効果を有する。
【0164】
もう1つの実験においては、健常(ナイーブ)ヒトHLA−A2+ドナーを利用し、サイトカインカクテル中で末梢血単核球(PBMC)をペプチドエピトープで刺激し、抗原特異的CTL応答を誘導した。その後、Hep2G感染細胞(DV2/Zika)と共培養することによってこれらの刺激されたPBMCを測定した(図3b)。未感染HepG2細胞を対照として用いた。増殖したPBMCのCD107a脱顆粒およびインターフェロンγ(IFN−g)マーカーの双方をフローサイトメトリーで測定した。
【0165】
さらなる実験においては、健常(ナイーブ)ヒトHLA−A24+ドナーを利用し、サイトカインカクテル中で末梢血単核球(PBMC)をペプチドエピトープで刺激し、抗原特異的CTL応答を誘導した。その後、ペプチド装填標的を共培養することによってこれらの刺激されたPBMCの抗原特異的応答を測定した(図4)。ペプチド装填にはHep2G細胞を用い、ブランクHep2G細胞を対照として用いた。デング熱(DV2)およびジカに感染したHepG2細胞も用いた。CD8/IFNgの双方の二重発現について、フローサイトメトリーで増殖PBMCを測定した。4つのペプチドエピトープのいずれも、ペプチド装填HepG2細胞に対してCD8+ IFNg発現をペプチド特異的に誘導した。ペプチド「PMA」は特に明確なIFNg+効果を有する。
【0166】
トランスジェニックA2マウスも、NP−デング熱ペプチド200ngで免疫した。脾細胞を分離した後、ジカまたはデング熱感染細胞のいずれかに曝露した。図5は、HepG2標的細胞が、トランスジェニックA2マウス由来の脾細胞を刺激することのできるペプチドクラスI標的を含むことを示す。ペプチドの酸ストリッピングにより細胞は無反応となる。同様に、図6に示すように、HepG2細胞のフラビウイルス感染により自己ペプチドが置換され、細胞表面上のウイルス由来ペプチドの露出がもたらされる。図6は、非免疫マウス由来の脾細胞がデングまたはジカ感染細胞に反応しないことを示す。対照的に、NP−デングまたはNP−ジカで免疫されたA2マウスは、デングまたはジカ感染HepG2細胞のいずれも死滅させることができる。
【0167】
(2.ワクチンプラットフォーム)
本願に記載されたワクチンプラットフォームは2つの技術の組み合わせに由来し、これらは実験的に検証された交差反応性ウイルスペプチドのライブラリーと金ナノ粒子担体系である。本発明者らは、幅広いウイルス指標に対するT細胞応答に関与する、実験的に検証された交差反応性ウイルスMHCクラスIペプチドのライブラリーを生成している。金ナノ粒子技術は、ペプチドのインビボ免疫原性を改善して、その投与が有効な臨床ワクチンに対して十分なT細胞応答を生成することの担保に役立つことがある。ウイルスペプチドおよび多様な炭水化物を金ナノコア(典型的には<1.6nmナノメートル)に結合することにより、免疫原性であり且つ免疫応答を誘導して抗原特異的CD8T細胞を生成するウイルスペプチドを送達することのできるワクチン構築物を生成することができる。ペプチドライブラリーと金ナノ粒子担体技術の組み合わせに成功すると、正しいペプチドをAPC(抗原提示細胞)に送達することの可能なワクチンが生成され、且つ強力なT細胞ワクチン応答が生成されるであろう。
【0168】
この技術を用いて生成されたワクチンは以下の特性を有する:
【0169】
(a.)
全てのデング熱に共通する維持された内部T細胞誘導エピトープの組み合わせを用いて、単一ワクチン2回投与レジメンにより全ての既存株および新興株に対する生涯免疫防御を誘導することも可能である。一定のHLAスーパータイプ(HLA−A2/A24/A3)を有するエピトープを含むペプチドの正しい組み合わせを選択することにより、人口の95%以上を有効に免疫することが可能である。
【0170】
(b.)
活性免疫原/ワクチンが合成されているという性質は、ワクチン製品が環境温度で高度に安定であり且つ長い有効期間(>2年)を有することを意味する。ワクチンは低温流通システムを必要とせず、機能条件でのユーザーベースへの到達および/または長期的な備蓄の費用およびリスクが低減される。同じGNP送達システムを用いたペプチド製品の安定性は、>2年の安定性を示している。また、GNPは結合ペプチドをタンパク質分解からも保護する。
【0171】
(c.)
ワクチンは従来の非経口投与経路に適合されると思われるものの、ワクチンの小さなサイズおよび安定性は、マイクロニードルパッチを用いた真皮(皮膚)を介する送達にも適合できることを意味する。この投与方法の簡便さは、接種に専門家の技能が必要とされないことを意味する。これにより、ユーザーは初回の用量を地域のワクチン供給者/販売者から受けながらも、家庭で任意の追加接種を自己投与で接種することができる。この方法により移動の必要性が低下するので、おそらくはコンプライアンスが改善されるであろう。
【0172】
(d.)
経皮送達のもう1つの利点は、ワクチンが真皮/表皮の抗原提示細胞に直接提示されるので、他の投与方法と比較して必要とされる用量がさらに少なくなることであり、これは安全性および保健経済的視点の双方から好ましい。ウイルスペプチド受容体を取り込むAPCは局所/遠隔リンパ節に迅速に移動し、そこで強力且つ長期間持続する免疫応答を開始するであろう。
【0173】
(e.)
生産プロセスは迅速で、安価で、高スケール化することができる。全てのコンポーネントは広範に利用可能な器具を用いて合成することができるので、原則的に生産能力の限界も、原料供給の既知のボトルネックもない。GNP−ペプチド製品はGMP品質で成功裏に製造されてきた。一旦プロセスが完全に開発された場合、現在の年間1000万用量以上の生産能力では、製造コストは1用量あたり0.1064米ドルと概算される。この能力は、施設の拡張および多数の製造所を用いることで著しく高めることも可能である。
【0174】
(f.)
このプラットフォームを用いたワクチンは優れた安全性プロフィールを示すことが予測される。これは、ワクチンが生ウイルスまたは弱毒化ウイルスをコンポーネントとして必要としないこと、または有効とするために潜在的に毒性である化学アジュバントを必要としないことによる。GNP担体技術は、インスリン送達系(Swiss Medic reference 2011 DR1183)および1型糖尿病ワクチン(Clinical trials.gov Reference:NCT02837094)を含む第I相および第II相治験ですでに安全であることが示されている。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【配列表】
2021509400000001.app
【国際調査報告】