(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021510058
(43)【公表日】20210408
(54)【発明の名称】無線電力伝送システムにおける電力の制御
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20210312BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20210312BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210312BHJP
【FI】
   !H02J50/80
   !H02J50/10
   !H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】2020536940
(86)(22)【出願日】20190102
(85)【翻訳文提出日】20200702
(86)【国際出願番号】EP2019050033
(87)【国際公開番号】WO2019134913
(87)【国際公開日】20190711
(31)【優先権主張番号】18150150.3
(32)【優先日】20180103
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーヘー アインドーフェン ハイテック キャンパス 52
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ファン ワーゲンニンゲン アンドリース
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイ テック キャンパス 5
(72)【発明者】
【氏名】スターリング アントニウス アドリアーン マリア
【住所又は居所】オランダ国 5656 アーエー アインドーフェン ハイ テック キャンパス 5
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB08
(57)【要約】
電力受信機105に電力を提供する電力送信機101は、電力受信機105と通信する通信機309と、電力伝送フェーズに先立って電力受信機105と保証された電力レベルを交渉するネゴシエータ305とを有する。保証された電力レベルは、電力伝送フェーズを通して電力送信機101によって保証される最小電力レベルである。電力伝送フェーズの間、決定器307は、現行の動作パラメータに基づいて利用可能電力レベルを動的に決定する。利用可能電力レベルは、現在は供給可能なものではあるが、保証はされていないものである。電力コントローラ309は、電力伝送フェーズの間、電力制御メッセージに応答して保証された最小レベル以上に電力レベルを増加させ、電力レベルが利用可能電力レベルを超えていることの検出に応じて、電力制御メッセージに関係なく電力レベルを減少させるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導電力伝送信号を介して電力受信機に電力を無線で供給する電力送信機であって、
前記電力受信機と通信するための通信器と、電力伝送フェーズに先立って前記電力受信機と保証された電力レベルを交渉するためのネゴシエータであって、前記保証された電力レベルは、前記電力伝送フェーズを通して前記電力送信機によって保証された最小電力レベルである、ネゴシエータと、
前記電力伝送フェーズの間に、前記電力送信機の動作パラメータに応じて、前記電力伝送信号のための最大許容可能な利用可能電力レベルを動的に決定するための決定器であって、前記最大許容可能な利用可能電力レベルは、前記電力送信機によって現在は供給されることができるが、前記電力伝送フェーズの間中は保証されていない電力レベルである、決定器と、前記電力受信機から受信された電力制御メッセージに応じて前記電力伝送フェーズの間前記電力伝送信号の電力レベルを制御するための電力コントローラと、
を有し、前記電力コントローラは、前記電力伝送フェーズの間、前記電力制御メッセージに応じて前記保証された最小レベル以上に電力レベルを増加させ、電力レベルが前記最大許容可能な利用可能電力レベルを超えることの検出に応じて、前記電力制御メッセージに関係なく電力レベルを減少させるように構成される、電力送信機。
【請求項2】
前記通信器が、前記最大許容可能な利用可能電力レベルを前記電力受信機に伝達する、請求項1に記載の電力送信機。
【請求項3】
前記決定器が変更された利用可能電力レベルを決定したときに、前記通信器が、前記最大許容可能な利用可能電力レベルの新しい値を前記電力受信機に伝達する、請求項2に記載の電力送信機。
【請求項4】
前記通信器が、前記電力伝送信号の電力レベルに対する相対値として前記最大許容可能な利用可能電力レベルを伝達する、請求項2又は請求項3に記載の電力送信機。
【請求項5】
前記電力コントローラが、前記電力伝送信号の電力レベルが遅延時間間隔より長い間前記最大許容可能な利用可能電力レベルを超えるまで前記電力制御メッセージによらない前記電力レベルの低減を遅延させる、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項6】
前記遅延時間間隔が、0.5秒以上10秒以下である、請求項5に記載の電力送信機。
【請求項7】
前記動作パラメータが、前記電力送信機のコンポーネントの温度及び周囲温度のうちの少なくとも一つである、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項8】
前記ネゴシエータが、基準電力受信機の特性に基づいて前記保証された電力レベルを交渉する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項9】
前記保証された電力レベルが、電力伝送の間の動作条件から独立している、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項10】
前記決定器が、前記電力受信機と通信せずに前記最大許容可能な利用可能電力レベルを決定する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項11】
前記ネゴシエータが、前記電力送信機にとって可能な最大電力レベルの70%を超えないように前記保証された電力レベルを決定する、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の電力送信機。
【請求項12】
誘導電力伝送信号を介して電力送信機から電力を無線で受け取る電力受信機であって、
前記電力送信機と通信するための通信器と、電力伝送フェーズに先立って前記電力送信機と保証された電力レベルを交渉するためのネゴシエータであって、前記保証された電力レベルは、前記電力伝送フェーズを通して前記電力送信機によって保証された最小電力レベルである、ネゴシエータと、電力制御メッセージを前記電力送信機に送信して電力制御ループを確立する電力コントローラと、
を有し、
電力伝送信号レベルが前記保証された電力レベルを超える場合に前記電力制御メッセージに従って電力伝送信号レベルが変化しないにもかかわらず前記電力伝送フェーズの間電力伝送動作を維持する、電力受信機。
【請求項13】
前記通信器が、前記電力送信機から最大許容可能な利用可能電力レベルを受信し、前記最大許容可能な利用可能電力レベルは、前記電力送信機によって現在は供給されることができるが、前記電力伝送フェーズの間中は保証されていない電力レベルであり、前記電力コントローラが、前記電力伝送フェーズの間、前記保証された電力レベル以上に電力レベルの増加を要求する電力制御メッセージを送信し、電力レベルが前記最大許容可能な利用可能電力レベルを超えることの検出に応じて電力レベルの低減を要求する電力制御メッセージを送信する、請求項12に記載の電力受信機。
【請求項14】
誘導電力伝送信号を介して電力受信機に電力を無線で供給する電力送信機を動作させる方法であって、前記電力受信機と通信するステップと、電力伝送フェーズに先立ち前記電力受信機と保証された電力レベルを交渉するステップであって、前記保証された電力レベルは、前記電力伝送フェーズを通して前記電力送信機により保証された最小電力レベルである、ステップと、前記電力伝送フェーズの間に、前記電力送信機の動作パラメータに応じて前記電力伝送信号のための最大許容可能な利用可能電力レベルを動的に決定するステップであって、前記最大許容可能な利用可能電力レベルは、前記電力送信機によって現在は供給されることができるが、前記電力伝送フェーズの間中は保証されていない電力レベルである、ステップと、前記電力受信機から受信された電力制御メッセージに応じて前記電力伝送フェーズの間前記電力伝送信号の電力レベルを制御するステップと、
を有し、
前記電力レベルの制御が、前記電力伝送フェーズの間、前記電力制御メッセージに応じて前記電力レベルを前記保証された電力レベル以上に増加させ、前記電力レベルが前記最大許容可能な利用可能電力レベルを超えたことの検出に応じて前記電力制御メッセージにかかわらず前記電力レベルを低減する、方法。
【請求項15】
誘導電力伝送信号を介して電力送信機から電力を無線で受け取る電力受信機を動作させる方法であって、
前記電力送信機と通信するステップと、電力伝送フェーズに先立ち前記電力送信機と保証された電力レベルを交渉するステップであって前記保証された電力レベルは、前記電力伝送フェーズを通して前記電力送信機により保証された最小電力レベルである、ステップと、前記電力送信機に電力制御メッセージを送信して電力制御ループを確立するステップと、
電力伝送信号レベルが前記保証された電力レベルを超える場合に前記電力制御メッセージに従って電力伝送信号レベルが変化しないにもかかわらず前記電力伝送フェーズの間電力伝送動作を維持するステップと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力伝送システムにおける電力の制御に関するものであり、特に、動作条件を変化させながら電力受信機に供給される電力を制御することに関するものであるが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
現在の電気製品の多くは、外部電源から電源を供給するために専用の電気接点を必要とする。しかし、これは現実的ではない傾向があり、ユーザが物理的にコネクタを挿入するか、またはその他の物理的な電気的接触を確立する必要がある。一般的に、電力要件も大きく異なり、現在、ほとんどのデバイスにはそれぞれ専用の電源が提供されており、その結果、一般的なユーザは多数の異なる電源を持ち、各電源は特定のデバイス専用となっている。内蔵バッテリを使用することで、使用中に電源への有線接続が不要になるかもしれないが、バッテリの充電(または交換)が必要になるため、これは部分的な解決策に過ぎない。バッテリの使用はまた、デバイスの重量、潜在的なコストおよびサイズを実質的に追加する可能性がある。
【0003】
大幅に改善されたユーザ体験を提供するために、電力が電力送信装置内の送信インダクタから個々の装置内の受信コイルに誘導的に伝送される無線電源装置を使用することが提案されている。
【0004】
磁気誘導による電力伝送はよく知られた概念であり、主に一次送信インダクタ/コイルと二次受信コイルとの間の緊密な結合を有するトランスに適用される。2つの機器間で1次送信コイルと2次受信コイルを分離することで、これらの間での疎結合トランスの原理を利用した無線給電が可能になる。
【0005】
このような構成により、ワイヤまたは物理的な電気的接続を必要とせずに、装置への無線電力伝送が可能となる。実際、それは単に、外部から充電されるか、または電力を供給されるために、送信コイルに隣接して、または送信コイルの上に装置を配置することを可能にする。例えば、電力送信装置は、電力を供給するために装置を単に配置することができる水平面を有するように構成されてもよい。
【0006】
さらに、そのような無線電力伝送構成は、有利には、電力送信装置が様々な電力受信装置と使用できるように設計されることができる。特に、Qi規格と呼ばれる無線電力伝送アプローチが定義され、現在さらに開発が進められている。これにより、Qi 規格に適合した送信機と、Qi 規格に適合した受電機を、同じメーカーのものでなくても、あるいは互いに専用のものでなくても使用することが可能になる。Qi規格はさらに、(例えば、特定のパワードレインに依存している)特定の受電装置に適合された動作を可能にするためのいくつかの機能を含んでいる。
【0007】
Qi規格はWireless Power Consortiumによって開発されており、詳細はWireless Power Consortiumのウェブサイトhttp://www.wirelesspowerconsortium.com/index.htmlを参照されたい。
【0008】
無線電力伝送システムの重要なパラメータは、電力受信機に供給される電力の制御である。これは非常に困難な問題であり、電力レベルが所定の電力伝送動作中に大幅に変化するだけでなく、異なる電力アプリケーションや異なる受電デバイスの間で膨大な量の変化をする可能性があるという事実によって、さらに悪化される。
【0009】
電力伝送動作中の電力を制御するために、Qiのようなシステムは、電力受信機から受信された電力制御(エラー)メッセージに応答して、電力送信機が生成される電力伝送信号の電力レベルを調整する電力制御ループを実装している。
【0010】
さらに、電力送信機と電力受信機の互換性を確保し、電力伝送動作中に発生する競合を回避するために、Qi規格には、電力送信機と電力受信機が、電力送信機が利用可能にすることを保証する電力レベルを交渉するネゴシエーションフェーズが含まれている。Qi v1.2.2.1 および v1.2.2 では、保証された電力のネゴシエーションについての仕様が記述されている。
【0011】
ネゴシエーションフェーズは、初期化フェーズの間に実行され、電力送信機が電力受信機に十分な電力を供給することができること、または電力受信機がその動作を利用可能な電力レベルに適応させることができることを保証する(例えば、充電器が充電電流を適応させることができる)。したがって、電力伝送が開始される前に、動作点を電力送信機と電力受信機の両方にとって許容可能な値に制限するパラメータがネゴシエートされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、記載されたアプローチの問題点は、不必要に保守的なアプローチになる可能性があることである。具体的には、多くのシナリオにおいて、交渉された保証された電力は、現在提供される可能性のある電力よりも低くなる可能性がある。例えば、電力送信機は、すべての状況で保証された電力を提供できるようにしなければならないが、状況によっては、動作条件がワーストケースレベルではないために、より高い電力レベルを提供することが可能である場合がある(例えば、入力電力レベルが最小レベルよりも高い場合や、電力送信機のコンポーネントの温度が最悪の場合よりも低い場合がある)。
【0013】
これに対処する方法としては、電力伝送の間に保証された電力を変化させ、現在の動作条件をより正確に反映させることが考えられる。しかし、このようなアプローチは、多くのシナリオでは理想的ではないだろう。例えば、保証された電力レベルの再交渉を必要とするような、ゆっくりとした複雑なアプローチになる傾向がある。このような再交渉は、時間がかかり煩雑になるだけでなく、受電装置と電力送信装置との間で追加の通信を必要とする。さらに、このアプローチは、状況によっては何らかのリスクを導入する場合がある。例えば、動作条件が急にワーストケースの値に変化した場合、電力送信機は、電力受信機が期待する保証された電力レベルを提供することができなくなる。これは、最悪の場合、誤動作を引き起こす可能性がある。
【0014】
それゆえ、無線電力伝送システムにおける電力制御への改善されたアプローチは有利であり、特に、増加した柔軟性、減少したコスト、減少した複雑さ、改善された電力制御、および/または改善された性能を可能にするアプローチは有利であるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、本発明は、好ましくは、単独でまたは任意の組み合わせで、上述した欠点のうちの1つ以上を軽減、緩和または除去することを目的とする。
【0016】
誘導電力伝送信号を介して電力受信機に無線で電力を供給するための電力送信機の本発明の一側面によれば、当該電力送信機は、
電力受信機と通信するための通信機、
電力伝送フェーズに先立って、電力伝送フェーズを通して電力送信機によって保証された最小電力レベルである保証された電力レベルを電力受信機と交渉するためのネゴシエータ、
電力伝送フェーズ中に、電力送信機の動作パラメータに応じて、電力伝送信号のための最大許容可能な利用可能電力レベルを動的に決定するための決定器であって、最大許容可能な利用可能電力レベルは、電力送信機によって現在提供されることができるが、電力伝送フェーズでは保証されない電力レベルである、決定器、
前記電力受信機から受信された電力制御メッセージに応じて、前記電力伝送フェーズ中に前記電力伝送信号の電力レベルを制御するための電力制御器、
を有し、
前記電力制御器は、前記電力伝送フェーズの間、前記電力制御メッセージに応じて保証された最小レベル以上に電力レベルを増加させ、前記電力レベルが前記最大許容可能な利用可能電力レベルを超えることの検出に応じて前記電力制御メッセージに関係なく前記電力レベルを減少させるように構成されている。
【0017】
本発明は、多くの実施形態において、改善された電力制御および電力動作を提供することができる。特に、Qiシステムのような無線給電システムにおいて、より柔軟な電力管理を可能にする可能性がある。
【0018】
多くの実施形態では、このアプローチは、複雑なプロセスまたは通信を必要とせずに、電力伝送を増加させることができるかもしれない。多くの実施形態では、より柔軟で効率的な電力制御動作を実現することができる。このアプローチは、多くの実施形態において、ネゴシエーションに基づく電力管理の利点と、一方的な適応電力管理の利点の両方を提供することができる。
【0019】
多くのシナリオでは、このアプローチは、適切な場合には、電力受信機へのより高電力の伝送を可能にすることができるだろう。例えば、バッテリを充電するための電力受信機は、交渉された最小保証電力レベルに基づいて電力伝送フェーズを開始してもよく、それに応じて、提供される充電電流を対応するレベルに適応させてもよい。しかし、システムは、すべての条件でこの最悪の場合の充電電流を維持するように制限されているのではなく、むしろ、動作条件が許す場合には、電力伝送フェーズの間に提供される変化するより高い充電電流をサポートすることができる。
【0020】
多くの実施形態では、保証された電力レベルは、電力伝送フェーズの間に動作パラメータの変化の関数として変化しない静的な電力レベルであってもよい。対照的に、多くの実施形態では、最大許容可能な利用可能電力レベルは、少なくとも1つの変化する動作パラメータの関数として変化する動的電力レベルである。
【0021】
保証された電力レベルおよび最大許容可能な利用可能電力レベルは、電力伝送信号に参照されてもよいし、例えば、電力受信機の出力電力のレベルに参照されてもよいが、最大許容可能な利用可能電力レベルを電力受信機に伝送するように構成されている。
【0022】
これは、多くの実施形態およびシナリオにおいて改善された性能を提供することができる。それにより、多くのシステムにおいて、電力受信機が電力伝送信号の電力レベルを制御し続けることができ、具体的には、電力制御ループが、これが動的に変化する利用可能な電力レベルによって引き起こされる制限に従うように、電力伝送信号によって提供される実際の電力を適応させるために使用されてもよい。
【0023】
本発明の任意の特徴によれば、通信器は、決定器が変更された最大許容可能な利用可能電力レベルを決定したときに、最大許容可能な利用可能電力レベルの新しい値を電力受信器に通信するように構成されている。
【0024】
これは、改善された性能を提供し、電力受信機が変化する条件に動的に適応することを可能にすることができる。それは、具体的には多くのシナリオで電力伝送の動的最適化を可能にすることができる。
【0025】
本発明の任意の特徴によれば、通信装置は、電力伝送信号の電力レベルに対する相対値として、最大許容可能な利用可能電力レベルを通信するように構成されている。
【0026】
これは、多くの実施形態において、改善されたおよび/または容易化された動作を提供することができる。特に、電力送信機が、電力受信機の特定の特性とは無関係に、最大許容可能な利用可能電力レベルを決定し、報告することを容易にすることができる。同様に、電力受信機が、電力送信機の動作に関する特定の知識、または電力送信機の特性に関する特定の知識を必要とせずに、適用すべき最大許容可能な利用可能電力レベルを決定してもよい。
【0027】
このアプローチは、通信された最大許容可能な利用可能電力レベルが相対的かつ無次元であるという利点を提供することができる。電力送信機は、典型的には、電力伝送を制限する可能性のある任意の値に基づいて相対的な最大許容可能な利用可能電力レベルを決定してもよく、基準からの翻訳が必要ないので、実際の状況をより正確に反映することができる。
【0028】
本発明の任意の特徴によれば、電力コントローラは、電力伝送信号の電力レベルが遅延時間間隔よりも長く最大許容可能な利用可能電力レベルを超えるまで、電力制御メッセージに関係なく電力レベルを低減するステップを遅延させるように構成されている。このアプローチは、改善された性能を可能にすることができ、多くの実施形態では、特に、より信頼性の高い動作を達成することができる。このアプローチは、電力受信機が、変化する条件および最大許容可能な利用可能電力レベルへの電力伝送の適応を制御し続けることを効果的に可能にしながら、同時に、電力送信機が、電力受信機がそうしない場合でも、最大許容可能な利用可能電力レベルが適応されることを確実にすることができる安全動作を提供することを可能にする。
【0029】
いくつかの実施形態では、電力コントローラは、電力信号の電力レベルが遅延時間間隔よりも長く最大許容可能な利用可能電力レベルを超えるまで、電力制御メッセージに関係のない電力レベルの低減を遅延させるように構成されてもよい。
【0030】
本発明の任意の特徴によれば、遅延時間間隔は、0.5秒以上10秒以下である。
【0031】
これは、多くの実施形態およびシナリオにおいて、特に有利な動作を提供することができる。
【0032】
本発明の任意の特徴によれば、動作パラメータは、少なくとも、電力送信機のコンポーネントの温度、周囲温度のうちのいずれかである。
【0033】
これは、動作条件および現在提供され得る電力に対するそれらの影響を反映するために、特に有利に最大許容可能な利用可能電力レベルの決定を提供することができる。本発明の任意の特徴によれば、ネゴシエータは、基準電力受信機の特性に基づいて保証された電力レベルを交渉するように構成される。
【0034】
これは、促進されたおよび/または改善された性能を提供することができる。保証された電力レベルは、現在サポートされている特定の電力受信機の特定の特性よりも、電力受信機の基準/公称特性に基づいて決定されてもよい。これは、電力送信機が適切な保証された電力レベルを決定するのを実質的に補助することができ、電力受信機と電力送信機との間に、それらの特定の特性の情報を交換することを必要とすることなく、互換性を提供するか、または促進にしてもよい。
【0035】
本発明の任意の特徴に従って、保証された電力レベルは、電力伝送中の動作条件に依存しない。
【0036】
これは、多くの実施形態において有利な動作を提供することができる。具体的には、電力伝送の動作パラメータが変化しても、保証された電力レベルは変化しない場合がある。保証された電力レベルは、特定の特性ではなく、基準特性を考慮して決定されてもよく、その特性の値の変化とは無関係であってもよい。
【0037】
本発明の任意の特徴によれば、決定器は、電力受信機と通信することなく、最大許容可能な利用可能電力レベルを決定するように構成されている。
【0038】
これは、多くの実施形態において有利な動作を提供し得る。特に、動作を容易にし、通信要件を軽減することができる。
【0039】
本発明の任意の特徴によれば、ネゴシエータは、電力送信機のための可能な最大電力レベルの70%を超えないように保証された電力を決定するように構成される。
【0040】
これは、多くの実施形態において有利な動作を提供し得る。多くの実施形態では、保証された電力レベルはさらに、最小値に、例えば5Wまたは10Wの最小値に従うことができる。
【0041】
本発明の一側面によれば、誘導電力伝送信号を介して電力送信機からの電力を無線で受信するための電力受信機が提供され、当該電力受信機は、
電力送信機と通信するための通信機、
電力伝送フェーズに先立って、電力送信機と保証された電力レベルを交渉するためのネゴシエータであって、前記保証された電力レベルは、前記電力伝送フェーズを通して前記電力送信機によって保証される最小電力レベルである、ネゴシエータ、
電力制御ループを確立するために前記電力送信機に電力制御メッセージを送信するための電力制御器を有し、
前記電力受信機は、前記電力伝送信号レベルが前記保証された電力レベルを超えている場合に前記電力制御メッセージに従って電力伝送信号レベルが変化しないにもかかわらず、前記電力伝送フェーズの間、電力伝送動作を維持するように構成される。
【0042】
本発明の任意の特徴によれば、通信機は、電力送信機から最大許容可能な利用可能電力レベルを受信するように構成され、最大許容可能な利用可能電力レベルは、電力送信機によって現在提供されることができるが、電力伝送フェーズでは保証されていない電力レベルであり、前記電力コントローラは、前記電力伝送フェーズの間、前記電力レベルの増加を要求する前記電力制御メッセージを送信し、前記電力レベルが前記最大許容可能な利用可能電力レベルを超えることの検出に応じて、前記電力レベルの減少を要求する電力制御メッセージを送信するように構成されている。
【0043】
本発明の一側面によれば、誘導電力伝送信号を介して電力送信機が電力受信機に無線で電力を供給するための動作方法が提供され、当該方法は、
電力受信機と通信するステップと、
電力伝送フェーズに先立って電力受信機と保証された電力レベルを交渉するステップであって、保証された電力レベルは、電力伝送フェーズを通して電力送信機によって保証された最小電力レベルである、ステップと、
電力伝送フェーズ中に、電力送信機の動作パラメータに応じて、電力伝送信号の最大許容可能な利用可能電力レベルを動的に決定するステップであって、最大許容可能な利用可能電力レベルは、電力送信機によって現在提供されることができるが、電力伝送フェーズでは保証されていない電力レベルである、ステップと、
前記電力受信機から受信された電力制御メッセージに応じて、前記電力伝送フェーズ中に前記電力伝送信号の電力レベルを制御するステップとを有し、
電力レベルの制御は、
電力伝送フェーズの間に、電力制御メッセージに応じて保証された最小レベル以上に電力レベルを増加させ、電力レベルが最大許容可能な利用可能電力レベルを超えていることの検出に応じて、電力制御メッセージに関係なく電力レベルを減少させる。
【0044】
本発明の一側面によれば、誘導電力伝送信号を介して電力送信機からの電力を無線で受信する電力受信機の動作方法が提供され、当該方法は
電力送信機と通信するステップと、
電力伝送フェーズに先立って、電力送信機と保証された電力レベルを交渉するステップであって、保証された電力レベルは、電力伝送フェーズを通して電力送信機によって保証された最小電力レベルである、ステップと、
電力制御ループを確立するために、電力制御メッセージを電力送信機に送信するステップとを有し、
前記電力伝送信号レベルが前記保証された電力レベルを超えている場合に前記電力制御メッセージに従って電力伝送信号レベルが変化しないにもかかわらず、前記電力伝送フェーズの間、前記電力伝送動作を維持する。
【0045】
本発明のこれらおよび他の側面、特徴および利点は、以下に記載される実施形態を参照して明らかにされ、説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明の実施形態を、単なる例示として、図面を参照して説明する。
【図1】本発明のいくつかの実施形態による動力伝送システムの要素の例を示す図。
【図2】図1の電力伝送システムにおける電力レベルの例を示す図。
【図3】本発明のいくつかの実施形態による電力送信機の要素の例を示す図。
【図4】本発明のいくつかの実施形態による電力受信機の要素の例を示す図。
【図5】図1の電力伝送システムにおける電力レベルの例を示す図。
【図6】図1の電力伝送システムにおける電力レベルの例を示す図。
【図7】図1の電力伝送システムにおける電力レベルの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下の説明では、Qi 規格から知られているような電力伝送アプローチを利用した無線電力伝送システムに適用可能な本発明の実施形態に焦点を当てて説明する。しかしながら、本発明はこのアプリケーションに限定されるものではなく、他の多くの無線電力伝送システムに適用され得ることが理解されるであろう。
【0048】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に従った動力伝送システムの一例を示す。電力伝送システムは、送信コイル/インダクタ103を含む(またはそれに結合される)電力送信機101を有する。システムはさらに、受信コイル/インダクタ107を含む(またはそれに結合される)電力受信機105を有する。
【0049】
このシステムは、電力送信機101から電力受信機105に電力を誘導的に伝送することができる電磁電力伝送信号を提供する。具体的には、電力送信機101は、送信コイルまたはインダクタ103によって磁束として伝搬される電磁信号を発生させる。電力伝送信号は、一般的に約20kHzから約500kHzの間の周波数を持つことがあり、Qi対応システムでは通常95kHzから205kHzの範囲内であることが多い(または、高出力のキッチンアプリケーションなどでは、周波数は通常20kHzから80kHzの範囲内である場合がある)。 送信コイル103と受電コイル107は緩く結合されているため、電力受信機コイル107は、電力送信機101からの電力伝送信号(の少なくとも一部)をピックアップする。このように、送信コイル103から受電コイル107への無線誘導結合を介して、電力送信機101から電力受信機105へ電力が伝送される。電力伝送信号という用語は、主に、送信コイル103と受電コイル107との間の誘導信号/磁場(磁束信号)を参照するために使用されるが、同様に、送信コイル103に提供されるか、または受電コイル107によって拾われる電気信号への参照としても考えられ、使用されることが理解されるであろう。
【0050】
本実施例では、電力受信機105は、具体的には、電力受信機コイル107を介して電力を受けとる電力受信機である。しかしながら、他の実施形態では、電力受信機105は、金属発熱体のような金属要素を有してもよく、この場合、電力伝送信号は、要素の直接加熱をもたらす渦電流を直接誘導する。
【0051】
システムは、十分な電力レベルを伝送するように構成されており、具体的には、電力送信機は、多くの実施形態において、500mW、1W、5W、50W、100Wまたは500Wを超える電力レベルをサポートすることができる。例えば、Qi 対応アプリケーションでは、低電力アプリケーション(ベースライン電力プロファイル)では通常 1〜5W の範囲、Qi 仕様バージョン 1.2 では最大 15W、電動工具、ラップトップ、ドローン、ロボットなどの高電力アプリケーションでは最大 100W の範囲、キッチンなどの超高電力アプリケーションでは 100W を超え、最大 1000W を超える場合がある。
【0052】
以下では、電力送信機101および電力受信機105の動作を、一般的にQi規格(本明細書に記載された(または結果的な)修正および拡張を除く)に準拠した実施形態、またはワイヤレスパワーコンソーシアムによって開発されているより高い電力の菌珍仕様に適した実施形態を具体的に参照して説明する。特に、電力送信機101および電力受信機105は、Qi規格バージョン 1.0、1.1 または 1.2 の要素に従うか、または実質的に互換性がある(明細書に記載されている(または結果的な)修正及び改善を除く)。
【0053】
電力伝送動作の初期化の間、電力送信機と電力受信機は複数の動作パラメータを決定する。このプロセスでは、通信パラメータや機能などを確立する。具体的には、初期化の一環として、電力送信機と電力受信機は、電力送信機と電力受信機との間の通信のやりとりに基づいて複数の動作パラメータを決定するネゴシエーションフェーズを実行する。具体的には、電力受信機が動作パラメータを提案し、電力送信機がそのパラメータを受け入れるか拒否するかを判断するプロセスである。
【0054】
ネゴシエーションフェーズで決定される特定のパラメータは、保証された電力レベル(Qi 規格では Guaranteed Power と呼ばれる)であり、これは、電力送信機が電力伝送フェーズを通して提供できることを保証する最小の電力レベルである。このように、Qiでは、電力伝送の初期化において、電力送信機と電力受信機が、あらゆる状況下で電力送信機が電力受信機に提供できる最小電力レベルである保証された電力レベルを確立する。これにより、電力受信機は、保証された電力レベルが保証可能な最大電力レベルであることを知りながら電力伝送に進み、この制約の下で電力伝送動作が進行する。
【0055】
一般的に、このプロセスでは、電力受信機が必要と予想される最大電力レベルを決定し、この保証された電力レベルに同意するよう電力送信機に要求する。その後、電力送信機は、この電力レベルに同意することを選択することができ、この場合、電力伝送はそれに応じて進行する。ただし、電力送信機によって要求が拒否された場合には、電力受信機は、保証された電力レベルのより低いレベルの要求を新たに送信するように進行してもよい。このアプローチは、電力送信機が保証された電力レベルに同意するまで繰り返されてもよく、その後、電力伝送はこの制約を受けて進行することができる。電力受信機は、電力伝送中に特にこの電力レベル以下に制約され、一般的にはそれに応じて適応する。例えば、バッテリに対する充電電流は、取り出される電力が保証された電力レベルを超えないことを保証するようなレベルに設定されることができる。
【0056】
しかし、このアプローチの欠点は、一般的に、不必要に低い電力レベルになることである。実際、保証された電力レベルは、電力伝送フェーズを通して考え得るすべての動作条件に対して保証される静的な電力レベルとして決定される。その結果、保証された電力レベルは、最悪のケースを考慮して設定され、結果的に、電力送信機が通常は現在の動作条件に対してより高い電力レベルを提供することができるという状況になる。これにより、例えば、電力受信機が必要以上に低い充電電流でバッテリを充電することになる場合がある。
【0057】
この問題の解決策としては、保証された電力レベルが電力伝送フェーズの間に動的に再ネゴシエーションされるようにすることが考えられる。これにより、保証された電力レベルを電力伝送フェーズの間に変化させることができ、したがって、動作条件が許すときには、電力受信機が取り出すことが可能であるとみなす電力を増加させることができ、それにより、例えば、より高い充電電流を適切なときに提供することができるようにすることができる。
【0058】
しかしながら、図1のシステムでは、複数の電力レベルが同時に使用されて相乗的により有利な電力管理アプローチを提供する改良されたアプローチが使用される。
【0059】
具体的には、システムは、電力受信機と電力送信機との間でネゴシエーションを行うことにより、電力伝送フェーズに先立って、保証された電力レベルを決定できるようにしてもよい。多くの実施形態では、Qiのための電力伝送初期化ネゴシエーションフェーズに対応するアプローチが採用されることができる。このように、電力伝送フェーズに先立ち、保証された電力レベルが交渉され、それにより、電力送信機と電力受信機の互換性が確保され、電力受信機と電力送信機の両方に受け入れられる(保証された)動作パラメータを確立することができる。このように、ネゴシエーションプロセスは、電力伝送フェーズに進むことができ、これがどのような状況でも受け入れ可能な動作につながること確立する。
【0060】
交渉中に決定された保証された電力レベルは、電力伝送フェーズ全体で、すべての予想される(あるいは可能性のある)動作条件の下で保証される静的な値であることができる。このように、保証された電力レベルは、全動作範囲内で電力送信機によって提供され得る電力レベルを反映する。ほとんどの実施形態では、動作範囲全体が、特定の電力伝送動作を参照して決定されること、すなわち、必ずしも無線伝送システムのすべての可能な動作点を指すのではなく、その後の電力伝送に対して予想または推定される動作範囲を指すことが理解されるべきである。
【0061】
さらに、保証された電力レベルは、典型的には、電力送信機、または電力受信機、または多くの場合はその両方についての基準特性の考慮に基づいて決定される。このように、多くの実施形態では、電力送信機は、電力伝送フェーズを受信している特定の電力受信機の特定の特性に基づくのではなく、基準電力受信機の特性に基づいて保証された電力レベルを決定してもよい。
【0062】
基準電力受信機は、典型的には、一セットの動作パラメータを持つ標準または公称電力受信機である。例えば、基準受信機は、特定の基準寄生電力損失能力(例えば、電力受信機の金属部分の渦電流による電力損失)、電力受信機コイルの基準サイズ、基準内部消費電力などを有するように定義されてもよい。
【0063】
この情報は、電力送信機がサポートすることができる保証された電力レベルを決定するための電力送信機のアプローチによって、または実際には一般的にそれに組み込まれて使用されることができる。例えば、多くの実施形態では、交渉および保証された電力レベルは、電力受信機の出力電力を参照してもよく、実際に多くの実施形態では、存在する実際の電力受信機ではなく、基準または公称電力レシーバの出力電力を参照してもよい。したがって、電力受信機は、所定の出力電力レベルを負荷に提供するための電力送信機への要求を送信することができる。この要求は、この出力電力レベルに対応する保証された電力レベルを直接要求してもよい。次に、電力送信機は、この出力電力レベルをサポートするのに十分な電力が電力伝送信号によって提供され得ることを保証することができるかどうかを評価するように進行することができる。この決定は、基準電力受信機の特性だけでなく、電力送信機の特性を考慮したものであってもよい。したがって、この決定は、電力受信機が基準電力受信機に対応することを前提としている。電力送信機は、要求された保証された電力レベルを提供できると判断した場合、要求を受け入れ、そうでない場合は要求を拒否して、電力受信機がより低い保証された電力レベルのための新たな要求を発行する(または電力伝送を中止する)ことになる。
【0064】
基準電力受信機アプローチを使用する利点は、電力受信機の特定の特性を電力送信機に伝達する必要がないことであり、それにより、より効率的なアプローチにつながる。電力送信機は、基準電力受信機の既知の情報に基づいて動作することができ、電力受信機は、例えば、電力受信機の特性と基準電力受信機の特性との間の違いを反映するために、保証された電力レベルの要求を局所的に適応させることができる。
【0065】
このように、アプローチでは、保証された電力レベルは、最初にネゴシエーションによって決定され、ここで、保証された電力レベルは、電力伝送フェーズの間にいつでも利用可能であることを電力送信機が保証する適切な基準電力受信機の出力電力の量に具体的に対応する。保証された電力レベルは、ほとんどの実施形態では、電力伝送フェーズの間、および動作ポイントの全範囲にわたって保証される静的な電力レベルである。さらに、多くの実施形態では、実際に関与する特定の電力受信機の特性に基づいて決定されるのではなく、基準電力受信機の特性に基づいて決定される。
【0066】
典型的には、電力送信機は、提供され得る潜在的な最大電力を考慮して、保証された電力レベルを決定するように構成される。この潜在的な電力は、電力送信機が最適条件の下で電力伝送フェーズの間に利用可能にすることができる適切な基準電力受信機の出力電力の量に対応する。このパラメータは、電力送信機の設計によって固定されており、理想的な状態での保証された電力レベルの最大可能な電力レベルと考えることができる。保証された電力レベルは、十分なマージンを提供し、特定の動作条件および電力受信機特性を補償するために、実際には十分に低いレベルに設定されてもよい。
【0067】
保証された電力レベルは、電力受信機の最低動作条件を保証し、許容される電力伝送が行われることを保証します。したがって、電力伝送のロバスト性と信頼性を確保する。しかし、それは動作の最適化を保証するものではなく、多くのシナリオでは、保証された電力レベルは、特定の現行の状況では電力送信機によって潜在的に提供され得る電力レベルよりも低くなる。
【0068】
図1のシステムでは、電力制御管理に更なるパラメータを導入し、電力受信機が、合意され交渉された保証された電力レベルよりも多くの電力を電力伝送信号から抽出するように進行することを可能にすることによって改善された性能が達成される。このように、電力送信機と電力受信機が、送信機が保証できる電力レベルを決定し、電力受信機がこのレベルを超えないことを保証するというアプローチとは対照的に、現在のアプローチでは、電力受信機がその電力レベルを超えて、電力送信機と合意された以上の電力を取り出すことが可能である。
【0069】
このアプローチでは、電力送信機は、電力送信機の動作パラメータに応じて、電力伝送信号のための最大許容可能な利用可能電力レベルを動的に決定するように構成されている。最大許容可能な利用可能電力レベルは、現在の動作パラメータの下で電力送信機が提供できる電力レベルとして決定される。保証された電力レベルは、最悪の場合に提供可能な最小電力を反映しているのに対し、最大許容可能な利用可能電力レベルは、現在の動作条件の電力レベルを反映しているため、最大許容可能な利用可能電力レベルは(通常)保証された電力レベルよりも低くはならない(保証された電力レベルを決定する際に電力伝送フェーズで考慮される動作間隔が有効であることを前提とする。例えば、送信機と受信機のコイル間の結合が非常に低い例外的なケースでは、送信機は通常、結合が許容可能であると仮定して保証された電力を決定し、受信機は基準受信機に似ているので、最大許容可能電力は保証された電力よりも低くなる可能性がある)。 最大許容可能な利用可能な電力レベルは、したがって、受電機との間で合意され、保証されている電力レベルよりも高い電力レベルを反映することができる。ただし、同時に、現在の動作条件では送信機が超えない電力レベルを反映することができる。
【0070】
簡潔にするために、以下では、最大許容可能な利用可能電力レベルを単に利用可能電力レベルと呼ぶこともある。
【0071】
このアプローチでは、システムは、電力伝送フェーズの前に合意された電力レベルよりも要求される/引き出される電力レベルを増加させることを電力受信機に許可しようとするが、これを利用可能電力レベルを超えないように制限しようとする。いくつかの実施形態およびシナリオでは、この第2の制限は、電力受信機によって遵守されてもよいが、他の実施形態およびシナリオでは、利用可能電力レベルの第2の制限は、電力送信機によって制御され、課されてもよい(例えば、電力受信機が、あまりに長時間にわたって電力を抽出しすぎる場合)。
【0072】
電力受信機にとって利用可能な電力間隔を(動的か否かに関わらず)交渉するアプローチとは対照的に、図1のシステムのアプローチは、図2に示すように、利用可能な電力範囲を3つの異なる間隔に分割する(ここで、PPは潜在的な電力レベル(Potential Power Level)、APは利用可能電力レベル(Available Power Level)、GPは保証された電力レベル(Guaranteed Power Level)を意味する)。また、システムは、常に電力を供給することが保証されており、電力受信機が十分に当てにできる電力間隔(保証された電力レベル以下の電力レベル)を定義する。また、このアプローチでは、電力送信機がサポートしていない電力間隔(利用可能電力レベル以上の電力レベル)を採用する。しかし、再ネゴシエーション・アプローチとは対照的に、システムはまた、電力送信機が現在サポートされているかもしれないが、電力受信機が当てにできる保証がない第3の動的に決定された電力レベル間隔(保証された電力レベルより上であり、利用可能電力レベルより下の電力レベル)を採用する。
【0073】
このように、ネゴシエーションに続いて、電力伝送フェーズの開始時に、電力受信機は、常に当てにすることができ、動作の基礎を形成することができる合意された保証された電力レベルを有していてもよい。これは、電力受信機が要求される動作を提供することができ、適切なサービスが実行されることができることを保証する。
【0074】
動作中、電力受信機は、さらに、合意されたよりもさらに電力レベルを増加させようとすることができ、電力送信機が要求された電力よりも高い利用可能電力レベルを決定した場合、その動作が実際にサポートされ、サービスが最適化されることができる。
【0075】
例えば、電力受信機は、大電流バッテリ充電器(例えば、高耐久性車用バッテリ用)の一部であってもよい。電力伝送フェーズに先立って、電力受信機および電力送信機は、保証された電力レベルを決定するために交渉してもよい。バッテリのための許容可能な充電電流を可能にするのに十分ではない保証された電力レベルを決定することしかできない場合、電力受信機は、許容可能な動作が実行可能ではないとして、電力伝送および充電プロセスを中止してもよい。このような場合、受電装置は、例えば、充電が不可能であることをユーザに表示することができる。しかし、最低限の条件を満たすことができる限り、受電装置は、許容可能な動作が保証され、そのプロセスを通じて保証されているので、充電動作を進めることができる。しかしながら、電力伝送フェーズおよび充電動作の間、電力受信機は、充電電流を保証された量以上に増加させようとすることができ、これが電力送信機によって現在サポートされ得るならば、より速い充電動作を達成することができる。
【0076】
このように、このアプローチは、保証された動作とサポートの信頼性とロバスト性を両立させつつ、同時に、瞬間的な条件に対する性能及び適応を最適化することができる。さらに、このアプローチは、Qiのような既存の無線給電システムとの優れた下位互換性を提供することができる。
【0077】
図3は、図1の電力送信機101の幾つかの要素の例を示す図である。
【0078】
電力送信機101は、所望の動作原理に従って電力送信機101の動作を制御するように構成された電力送信機コントローラ301を有する。具体的には、電力送信機101は、Qi仕様書に従って電力制御を行うために必要な機能の多くを含んでいてもよい。
【0079】
電力送信機コントローラ301は、送信コイル103に供給される(電力伝送)駆動信号を生成することができるドライバを含み、送信コイル103は、引き換えに、電磁電力伝送信号を生成し、それによって電力受信機105への電力伝送を提供する。電力伝送フェーズの電力伝送時間間隔の間に電力伝送信号が提供される。
【0080】
ドライバは、典型的には、当業者にはよく知られているフルブリッジまたはハーフブリッジを駆動することによって形成されるインバータの形の出力回路を構成してもよい。電力送信機コントローラ301は、特に、駆動信号の電力レベルを変化させることができ、それに応じて、(典型的には、駆動信号の電圧、電流、または周波数を変化させることによって)生成される電力伝送信号のレベルを変化させることができる。
【0081】
電力受信機105との間でデータおよびメッセージを送受信するために、電力送信機101は、電力受信機105との間でデータおよびメッセージを送受信するように構成された通信器303を有する(当業者には理解されるであろうが、データメッセージは、1または複数のビット情報を提供することができる)。実施例では、電力受信機105は、送信コイル103で生成された電力伝送信号を負荷変調するように構成され、通信器303は、送信コイル103の電圧および/または電流の変動を感知し、これらに基づいて負荷変調を復調するように構成されている。通信器303は、(例えば、振幅変調または周波数変調を使用して)電力受信機にメッセージを送信するために電力伝送信号を変調するように電力送信機コントローラ301を制御するようにさらに構成されていてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、通信は、別個の通信コイルを使用して達成されることができる別個の通信チャネルを使用して行われてもよく、実際には送信コイル103を使用して達成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、近距離通信が実装されてもよく、または高周波キャリア(例えば、13.56MHzのキャリア周波数による)が電力伝送信号上にオーバーレイされてもよい。当業者は、無線電力伝送システム(例:Qi無線電力伝送システム)におけるデータ通信に一般的に使用される原理とアプローチを認識しているから、これらについてはさらに詳細には説明しない。
【0083】
電力送信機101はさらに、電力伝送フェーズに先立って電力受信機105との間で保証された電力レベルを交渉するように構成されたネゴシエータ305を有する。
【0084】
さらに、電力送信機101は、電力伝送フェーズの間、電力伝送信号のための利用可能電力レベルを動的に決定する決定器307を有する。
【0085】
決定器307とネゴシエータ305は、電力伝送信号の電力レベルを適切に設定するように電力送信機コントローラ301を制御するように構成された電力コントローラ309に結合されている。電力伝送フェーズの間、電力送信機コントローラ301は、電力受信機105から受信された電力制御メッセージに応答して、電力伝送信号の電力レベルを制御する。このように、電力送信機101および電力受信機105は、電力伝送フェーズの間、電力制御ループを確立する。
【0086】
電力伝送フェーズの間、電力コントローラ309は、電力制御メッセージに応答して、保証された最小レベル以上に電力レベルを増加させることができる。このように、電力伝送信号が既に保証された電力レベルを超える電力レベルを有しているにもかかわらず、電力受信機105が電力増加要求を送信し続けた場合、電力コントローラ309は、電力伝送信号の電力レベルを依然として増加させる。
【0087】
電力コントローラ309は、電力レベルが利用可能電力レベルを超えていることが検出された場合、電力レベルを低減するようにさらに構成されている。これは、電力受信機105から受信される電力制御メッセージに関係なく行われる(多くの実施形態では、電力受信機が電力制御ループを使用して動作点を調整することを可能にするために適切な遅延の後に)。このように、電力受信機105が供給される電力の増加要求を送信しても、電力コントローラ309は、電力伝送信号の電力レベルを低下させるように進行する(典型的には、利用可能電力レベルまで低下するまでだが、電力コントローラ309は、いくつかの実施形態では、過剰電力状況が検出された後にマージンを提供するために電力レベルをさらに低下させるように構成されてもよい)。
【0088】
図3の電力送信機は、このようにして、先に説明したアプローチをサポートし、合意され保証されたレベルを超える電力を電力受信機105が抽出することを可能にするが、それでも、利用可能電力レベルに電力を制限するように進行する。
【0089】
図4は、図1の電力受信機105の幾つかの要素の例を示す図である。
【0090】
受信コイル107は、受信コイル107を負荷403に結合する受信機コントローラ401に結合されている。受信機コントローラ401は、受信コイル107で抽出された電力を負荷403に適した供給に変換する電力制御経路を含む。また、電力受信機コントローラ401は、電力伝送を実行するために必要な各種の電力受信機コントローラ機能、特に、Qi規格に従って電力伝送を実行するために必要な機能を含んでいてもよい。
【0091】
電力受信機105と電力送信機101との間の通信をサポートするために、電力受信機105は、電力受信機通信器405を有する。 電力受信機通信器405は、電力送信機101の通信器303との通信をサポートするために必要な機能を構成している。
【0092】
電力受信機105は、さらに、電力送信機101との間で保証された電力レベルを交渉するように構成された受信機ネゴシエータ407を有する。
【0093】
電力受信機105はまた、電力制御メッセージを電力送信機101に送信して電力制御ループを確立するように構成された受信機電力コントローラ409を有する。実施例では、受信電力コントローラ409は、負荷403において消費された電力を測定し、対応する電力要求メッセージを生成する。
【0094】
実施例では、受信機電力コントローラ409は、保証された最小レベル以上への電力レベルの増加を要求する電力制御メッセージを送信するように構成されている。このように、受信された電力レベルが電力送信機と電力受信機との間で合意されたレベルを超えても、電力受信機は、それを超えて電力を増加させようとすることができる。
【0095】
したがって、図4の電力受信機は、先に説明したアプローチをサポートし、具体的には、電力送信機によって合意され保証された電力を超える電力を抽出することができる。
【0096】
電力送信機101は、異なる実施形態およびシナリオにおいて、保証された電力レベルを決定するために異なるアプローチを適用してもよいことが理解されるであろう。多くの実施形態では、保証された電力レベルが常に提供され得ることを確実にするために、保証された電力レベルが潜在的な電力に近すぎないことを適用してもよい。このアプローチの特に優れた点は、現在のアプローチでは保証された電力レベル以上の動作をサポートできるため、潜在的な電力に対する大きいマージンの保証された電力レベルは、このアプローチを使用しない場合よりも低く設定することができることである(すなわち、低いレベルの保証された電力レベルが選択されることができる)。
【0097】
実際、保証された電力レベル以下の電力レベルに動作が制限されるアプローチでは、この制限値が可能な限り高く設定されることが重要である。その結果、危機的な状況に陥りがちである。しかし、本発明のアプローチでは、より保守的なアプローチを採用することができ、保証された電力レベルを潜在的な電力に対して低いレベルに抑えることができる。実際に適用される電力レベルとサポートされる電力レベルが保証される電力レベルを超えることができるので、保証される電力レベルの最大化はそれほど重要ではない。
【0098】
多くの実施形態では、電力送信機は、保証された電力を、可能な最大電力レベル、すなわち潜在的な電力の70%を超えないように決定するように構成されてもよい。このように、そのような実施形態では、ネゴシエータ305は、潜在的な電力の70%を超える保証された電力レベルの要求を拒否するが、この値以下の要求を受け入れるように構成されている。他の実施形態では、マージンは、例えば50%であってもよい。
【0099】
多くの実施形態では、ネゴシエータ305は、保証された電力レベルに最小レベルをさらに課してもよく、例えば、多くの実施形態では、保証された電力レベルは、最小レベルとして、例えば、5Wに設定されてもよい。
【0100】
同様に、利用可能電力レベルを決定するために、異なるアプローチが決定器307によって使用されてもよいことが理解されるであろう。特に、異なる実施形態では、異なる動作パラメータが考慮され得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、検出器213は、電力送信機のコンポーネントの温度の関数として、または例えば周囲温度の関数として、利用可能な電力レベルを決定してもよい。 例えば、ケースの温度や駆動信号を発生するインバータの出力スイッチトランジスタの温度が測定されることができる。その後、測定された温度は、最大許容可能な利用可能電力レベルに変換されることができる。例えば、設計/製造段階において、温度と許容電力レベルとの関係が決定されてもよい。この関数は、例えば、電力送信機のルックアップテーブルに格納され、そして電力伝送フェーズの間に使用されて、測定された温度を利用可能電力レベルに変換することができる。
【0102】
代替的または追加的に、利用可能電力レベルは、インバータに供給可能な入力電圧または電流に基づいて決定されてもよい。これは、例えば、電力送信機がバッテリ駆動である場合に有用であり、例えば、バッテリの放電に伴って利用可能電力レベルを徐々に減少させることができる。
【0103】
別の例として、利用可能な電力レベルは、EMC状態に(少なくとも部分的に)基づいて決定されてもよい。例えば、電力送信機は、電力信号が同じ周波数を使用する他のアプリケーションと干渉する環境で動作する可能性がある。その場合、電力送信機は、他のアプリケーションがアクティブであれば、その周波数を避けるか、電力信号の振幅を制限したい場合がある。電力送信機は、電力信号の振幅を制御するために動作周波数を変化させるように、例えば、共振に近い動作周波数を使用して大きな振幅を生成し、共振から比較的離れた動作周波数を使用して小さな振幅を生成するように構成されることができる。他の機器の動作周波数が電力送信機の共振周波数に近い場合、他のアプリケーションが動作している場合には電力送信機は共振周波数から離れることができる。
【0104】
別の例として、電力受信機での過電圧状態を防止するために、コイル(103)に供給される電流を制限することが挙げられる。コイル103と107の間の結合が相対的に弱い場合、十分な電力伝送を達成するためには、電力信号を相対的に大きくする必要がある。そのような状況下で、結合が急激に強くなると(例えば、ユーザが電力受信機の位置を調整するなど)、電力受信機における誘導電圧が急激に上昇する可能性がある。
【0105】
多くの実施形態では、利用可能電力レベルの決定は、電力送信機101の動作条件のみに基づいて行われる。このように、この値は、電力送信機101の動作パラメータを反映しており、利用可能電力レベルは、これらの条件で電力送信機101によって提供され得る電力レベルを具体的に反映している。
【0106】
このように、多くの実施形態では、検出器213は、電力受信機における任意の変動条件に依存することなく、利用可能電力レベルを決定することができる。多くの実施形態では、決定器307は、電力受信機と通信することなく利用可能電力レベルを決定するように構成されている。したがって、利用可能電力レベルを決定するために使用される入力データは、電力送信機自体によって決定され、それに関連するものであってもよく、入力データのいずれも、電力受信機の変化する条件に関連するものでなくてもよい。実際、このアプローチの実質的な利点は、提供されることができる電力を制御する変動する利用可能電力レベルを、電力受信機との通信、特に交渉を必要とせずに、動的かつ一方的に変更することができることである。確かに、このアプローチは、例えば電力送信機と電力受信機との間の交渉や複雑な通信の遅延や複雑さを避けることができる。
【0107】
異なる実施形態では、電力レベルは、電力伝送経路の異なるポイントに関連していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電力レベル(保証された電力レベル、利用可能な電力レベル、および潜在的な電力レベル)は、駆動信号の電力レベルまたは電力伝送信号の電力レベルであってもよい。しかしながら、多くの実施形態では、電力レベルは、電力受信機の出力電力、すなわち電力受信機105の負荷403に提供される電力に関連していてもよい。
【0108】
電力受信機、電力省新規の特性や現在の条件を考慮することで、経路上の異なる点での電力レベルを相互に関連付け/変換することができる。例えば、電力送信機101が受信機での特定の電力レベルに対応する保証された電力レベルまたは利用可能な電力レベルを提供するために、基準電力受信機および基準設定が駆動信号の電力レベルを推定するために使用されることができる。電力レベルへの参照は、電力伝送経路内の任意の適切なポイントでの電力レベルを参照することができることが理解されるであろう。例えば、電力送信機が所定の利用可能な電力レベルを提供することができるという基準は、これが使用される基準である場合、電力受信機の出力で所定の電力レベルをもたらすための駆動信号/電力伝送信号を生成することができる電力送信機を含む。
【0109】
多くの実施形態では、電力送信機101は、電力受信機105に通信することなく、利用可能電力レベルをローカルに決定して適用するように構成されてもよい。 そのような実施形態では、電力受信機105は、これが保証された電力レベルを超えているにもかかわらず、(例えば、保証された電力レベルを一定のマージンで超えない限り)所望の場合に電力増加を要求し続けるように単に構成されていてもよい。電力送信機は、電力伝送信号の生成された電力レベルを監視し、利用可能電力レベルと比較するように構成されていてもよい。現在の電力レベルが利用可能電力レベルを超える場合、電力コントローラ309は、受電装置105が増加を要求するか否かにかかわらず、電力伝送信号のレベルを低下させるように進む。このように、本実施例では、電力レベルが利用可能電力レベル以上に上昇しない限り、電力受信機105が動作して電力制御を行うことができ、利用可能電力レベル以上に上昇した場合には、電力送信機101が引き継ぎ、電力レベルを制限することができる。
【0110】
このような動作の一例を図5に示し、この図は潜在的な電力レベルPP、保証された電力レベルGP、および利用可能電力レベルAPを示している。 この例では、利用可能電力レベルは、電力伝送フェーズの一部で低下した後、元のレベルに戻るように変化している。図5はさらに、伝送された、すなわち実際の電力DPを示す。最初に、電力受信機は、特定のケースでは保証された電力レベルを超えるが利用可能電力レベルを下回る静的レベルに達するまで、電力の増加を要求する。しかし、利用可能電力レベルが低下すると、伝送された/実際の電力が利用可能電力レベルを超える。これは、電力送信機101によって検出され、電力送信機101は、新しい低い利用可能電力レベルを超えないように、伝送される電力を低下させるように進行する。これは、電力受信機105が所望のより高い電力レベルに戻るために電力の増加を継続的に要求しているにもかかわらず行われる。
【0111】
ある時点で、利用可能電力レベルは元のレベルに戻る。そして電力送信機101は、受信された電力制御メッセージに反応するように進行し、それに応じて、シナリオが再びより高いレベル(現在は利用可能電力レベル以下)で安定するまで、受信された電力増加要求に応答して電力レベルを増加させる。
【0112】
多くの実施形態では、通信機303は、利用可能電力レベルを電力受信機に通信するように構成されており、具体的には、通信機303は、変更されるたびに利用可能電力レベルの新しい値を通信してもよい。
【0113】
このように、電力受信機は、利用可能電力レベルの情報を提供されることができ、それに応じて、電力伝送全体に対して保証されている最小電力レベルと、現在提供可能であるが保証されていない電力レベルとの両方の情報を提供されることができる。
【0114】
そのような実施形態では、電力受信機は、利用可能電力レベルを超えないように制限しながら、電力レベルが保証された電力レベルを超えて増加することを許可することを含む電力管理の制御をし続けることができる。
【0115】
具体的には、受信機通信装置405は、電力送信機から利用可能電力レベルの情報を受信してもよい。受信機電力コントローラ409は、保証された最小レベルを超える電力レベルの増加を要求する電力制御メッセージを送信することができ、結果として、伝送される電力が保証された最小レベルを超える。しかし、電力レベルが利用可能電力レベルを超えていることが検出された場合、受信機電力コントローラ409は、もはや電力増加メッセージを送信せず、その代わりに(利用可能電力レベルを下回るまで)電力を減少させるように要求するように進行することができる。
【0116】
そのような動作の例は、利用可能電力レベルが減少したことによる伝送される電力レベルの減少が、電力受信機が電力低減を要求し、利用可能電力レベルが減少している間隔の間、より低い電力レベルを維持することによって達成されることを除いて、図5の例に対応する図6に提供される。
【0117】
このような例では、電力送信機101は、適切に利用可能電力レベルの変化の情報を送信してもよく、電力受信機105は、利用可能電力レベルの変化に応じて、その電力要求および所望の電力レベルを適応させるように構成されてもよい。
【0118】
多くの実施形態では、利用可能電力レベルが電力受信機に伝達され、それに応じて電力レベルを制御するように進行する、複合的なアプローチが使用されてもよい。しかし、電力送信機101は、電力受信機105が利用可能電力レベルを下回るように電力要求を適応させていないことを検出すると、電力送信機101が引き継ぎ、一方的に電力を減少させる。
【0119】
例えば、利用可能な電力レベルが低減された場合、これは電力受信機105に伝達されてもよい。そして、電力受信機105が反応して、電力レベルを利用可能電力レベル以下に低下させることが期待される。システムは、この減少が緩やかであることを許容してもよい(実際、電力制御ループの反応時間は、この変化が瞬間的であることを妨げている(例えば、メッセージ頻度が低いため)。
【0120】
しかし、電力受信機105が一定時間内に反応しない場合、電力送信機101は、受信した電力制御メッセージにかかわらず、引き継いで、電力レベルを利用可能電力レベル以下に低下させるように進行する。そのようなアプローチは、電力送信機101があらゆる状況で電力を確実に減少させるためのセーフガード動作を実行することを可能にしつつ、適切に電力受信機105が適応して制御を維持することを可能にすることができる。
【0121】
そして、このような組み合わされた実施形態では、電力コントローラ309は、遅延時間間隔内で受信された電力制御メッセージに応答して動作している間に、電力伝送信号の電力レベルが所定の遅延時間間隔よりも長い間利用可能電力レベルを超える場合には、電力制御メッセージに関係なく電力レベルを低減するように構成されている。
【0122】
遅延時間間隔の正確な期間は、個々の実施形態の好みおよび要件に依存する。しかしながら、多くの実施形態では、特に有利な動作およびトレードオフは、典型的には、1秒から10秒の間の遅延時間間隔に対して見出される。
【0123】
このような動作の例は、図6の例に対応する図7に示されている。しかし、図6を参照して説明したように電力受信機が反応するシナリオに加えて、図7には、電力レベルの変化に電力受信機が反応しない場合の電力レベル701の例も示されている。図示されているように、遅延時間間隔Tdの後、電力送信機101が引き継ぎ、それ自体が、供給される電力レベルを利用可能電力レベルの新しい値以下に減少させる。さらに、これが元のレベルに戻ると、それに応じて電力レベルの上昇が許容される。
【0124】
それぞれの実施形態では、電力レベル、特に利用可能電力レベルを通信するために、異なるアプローチが使用されることができる。しかしながら、多くの実施形態では、通信器309は、利用可能電力レベルを、電力伝送信号の電力レベルに対する相対値として通信するように構成されている。このように、利用可能なワット数のような絶対的な電力レベルを提供するのではなく、システムは相対値を使用して、したがって値が基準に対して相対的にどのように変更され得るかを示す。
【0125】
例えば、電力伝送の間、電力送信機は、利用可能な電力レベルが、例えば、現在の電力レベルよりも50%高いという指示を電力受信機に送信してもよい。これは、電力抽出レベルを50%増加させることが可能であることを電力受信機に直接指示してもよく、この情報と利用可能電力レベルの値を用いて処理を進めるようにしてもよい。しかしながら、特に有利な点は、電力パスのどの部分に関して参照されるかに依存して電力受信機がこの値を変換したり翻訳したりする必要がないことである。実際、このアプローチにより、電力レベルがどの程度変化されるかについて、電力送信機が局所的な相対的な決定を行うことができる。(例えば、損失に関して)十分に直線的な関係を仮定すると、電力受信機は、適切な利用可能電力レベルを決定するために、この相対的な変化をそのローカル値に直接適用することができる。
【0126】
このアプローチには、通信される利用可能電力レベルが相対的で無次元であるという利点がある。電力受信機は、電力供給を制限する可能性のある任意の値に基づいてそれを決定することができ、基準からの翻訳が必要ないので、実際の状況をより正確に反映することができる。
【0127】
いくつかのシナリオでは、利用可能電力レベルは、例えば、以前の利用可能電力レベル、または保証された電力レベルに対する相対値として提供されることができることが理解されるであろう。
【0128】
明確にするための上記の説明は、異なる機能回路、ユニットおよびプロセッサを参照して本発明の実施形態を説明してきたことが理解されるであろう。しかしながら、本発明を損なうことなく、異なる機能回路、ユニット、またはプロセッサ間の機能の任意の適切な分配が使用されてもよいことは明らかであろう。例えば、別々のプロセッサまたはコントローラによって実行されるように図示された機能が、同じプロセッサまたはコントローラによって実行されてもよい。したがって、特定の機能ユニットまたは回路への言及は、厳密な論理的または物理的な構造または組織を示すものではなく、記載された機能を提供するための適切な手段への言及としてのみ考慮される。
【0129】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせを含む任意の好適な形態で実施することができる。本発明は、任意に、少なくとも部分的に、1つ以上のデータプロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして実装されてもよい。本発明の実施形態の要素およびコンポーネントは、任意の好適な方法で物理的に、機能的におよび論理的に実装されてもよい。実際、機能は単一のユニット、複数のユニット、または他の機能ユニットの一部として実装されることができる。このように、本発明は、単一のユニットで実施されてもよいし、異なるユニット、回路、およびプロセッサ間で物理的および機能的に分散されてもよい。
【0130】
本発明は、いくつかの実施形態に関連して記載されてきたが、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。さらに、ある特徴が特定の実施形態に関連して記載されているように見えるかもしれないが、当業者であれば、記載された実施形態の様々な特徴が本発明に従って組み合わされてもよいことを認識するであろう。特許請求の範囲において、「有する」という用語は、他の要素またはステップの存在を排除するものではない。
【0131】
さらに、個々に記載されているが、複数の手段、要素、回路または方法ステップは、例えば単一の回路、ユニットまたはプロセッサによって実装されてもよい。さらに、個々の特徴が異なる請求項に含まれている場合があるが、これらは有利に組み合わされることができ、異なる請求項に含まれていることは、特徴の組み合わせが実現可能でないことおよび/または有利でないことを意味するものではない。また、ある特徴を特許請求の範囲の1つのカテゴリに含めることは、このカテゴリへの制限を意味するものではなく、むしろ、その特徴が他の特許請求のカテゴリにも同様に適切に適用可能であることを示すものである。さらに、請求項中での特徴の順序は、特徴が動作されなければならない特定の順序を暗示するものではなく、特に、方法の請求項の個々のステップの順序は、ステップがこの順序で実行されなければならないことを暗示するものではない。むしろ、ステップは、任意の適切な順序で実行されることができる。また、単数での参照は複数を排除するものではない。したがって、「a」、「an」、「第1」、「第2」等の言及は、複数を排除するものではない。特許請求の範囲に記載された参照符号は、単に明確な例として提供されたものであり、特許請求の範囲をいかなる意味でも制限するものと解釈されてはならない。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【国際調査報告】