(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021510647
(43)【公表日】20210430
(54)【発明の名称】制動時のパワーステアリングの軌道偏差補正方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 6/00 20060101AFI20210402BHJP
   B62D 101/00 20060101ALN20210402BHJP
   B62D 119/00 20060101ALN20210402BHJP
【FI】
   !B62D6/00ZYW
   !B62D101:00
   !B62D119:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】2020537136
(86)(22)【出願日】20190107
(85)【翻訳文提出日】20200722
(86)【国際出願番号】FR2019050026
(87)【国際公開番号】WO2019138178
(87)【国際公開日】20190718
(31)【優先権主張番号】18/50203
(32)【優先日】20180110
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】511110625
【氏名又は名称】ジェイテクト ユーロップ
【住所又は居所】フランス国 F−69540 イリニー,ジー.イー.デュ ブロトー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レディエール リュック
【住所又は居所】フランス国 フェーザン,リュ ドゥ ロフェム 18
【テーマコード(参考)】
3D232
【Fターム(参考)】
3D232CC04
3D232CC08
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3D232GG01
(57)【要約】
自動車のパワーステアリングシステムのための方法は、車両がブレーキをかけているときの車両の軌道偏差を補償するためにコンピュータによって制御されるトルクをステアリングに供給し、このトルクは、ブレーキをかけている間の方法の起動要求(20)から、第1ステップ(22)において、車両(30)の速度、この車両のヨーレート(24)、及びステアリングによって操舵されたステアリングによって加えられる力(28)を表す信号を考慮して、大まかな補正トルク(32)を計算する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用のパワーステアリングシステムが、ステアリング(2)上に、コンピュータ(16)によって制御されるトルクを生成し、制動中の進路の偏差を補償する方法であって、
第1ステップ(22)において、ブレーキ中の方法を起動させるための起動要求(20)から開始して、車両(30)の速度、該車両のヨーレート(24)、及びステアリングによって操縦される操舵車輪に加えられる力(28)を表す信号を考慮して、生補正トルク(32)を計算する
ことを特徴とする補償方法。
【請求項2】
請求項1に記載の補償方法において、
前記起動要求(20)は、前記起動要求を確立するために、前記パワーステアリングシステムの内部にある信号と、前記車両の動作に関する情報を含む前記車両の搭載ネットワークから発信される外部信号とを使用する
ことを特徴とする補償方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の補償方法において、
前記第1ステップ(22)は、前記加えられる力を低減するために、前記ステアリングによって加えられる力(28)に依存する第1の補正トルクを第1のマッピングから確立する
ことを特徴とする補償方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の補償方法において、
前記第1ステップ(22)は、前記ヨーレート(24)に依存する第2の補正トルクを、第2のマッピングから確立する
ことを特徴とする補償方法。
【請求項5】
請求項4に記載の補償方法において、
前記ヨーレート(24)は、いくつかの周波数を減衰させるようにフィルタリングされる
ことを特徴とする補償方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の補償方法において、
前記第1ステップは、前記ヨーレートの導関数を低減するために、前記ヨーレート(24)の導関数に依存する第3の補正トルクを第3のマッピングから確立する
ことを特徴とする補償方法。
【請求項7】
請求項6に記載の補償方法において、
前記ヨーレート(24)の導関数のフィルタリングを、前記第3のマッピングに使用する前に実行する
ことを特徴とする補償方法。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1項に記載の補償方法において、
第1、第2及び第3の補正トルクを確立するために、前記車両(30)の速度を考慮に入れる
ことを特徴とする補償方法。
【請求項9】
請求項1に記載の補償方法において、
前記生補正トルク(32)は、前記起動要求からの経過時間に応じた係数(23)で重み付けされている
ことを特徴とする補償方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の補償方法であって、
第2ステップ(34)では、前記パワーステアリングシステムによって適用される安全な補正トルク(36)を、前記生補正トルク(32)に限度を設定することによって算出する
ことを特徴とする補償方法。
【請求項11】
請求項10に記載の補償方法において、
前記安全な補正トルク(36)は、前記生補正トルク(32)に上限(40)及び下限(42)を設定することによって確立され、
前記上限(40)及び下限(42)のそれぞれは、前記ステアリングによって加えられる力(28)の信号の符号及びレベルに依存する
ことを特徴とする補償方法。
【請求項12】
請求項11に記載の補償方法において、
各上限(40)又は下限(42)が、
前記ステアリングによって加えられる力(28)の方向とは反対の方向の補正トルクに対する特定の値レベル(48a,48b)と、
該特定の値レベル(48a,48b)よりも同じ方向の補正トルクに対して低い値レベル(50a,50b)とを含む
ことを特徴とする補償方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の補償方法を実施する手段を含む
ことを特徴とする自動車用パワーステアリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のパワーステアリングシステムにより、自動車の制動時のコースずれを補償する方法及びその補償方法を実施する手段を含むパワーステアリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、コンピュータによって制御されるパワーステアリングシステムを備える。このパワーステアリングシステムは、車両の操舵にかかる力又はトルクを生成するモータを備え、この力又はトルクは、操舵される車輪の旋回に必要な力の一部を供給するために、運転者の意図を検知するセンサによって測定される、運転者によってステアリングホイールに加えられるトルクに依存する。
【0003】
特に、パワーステアリングシステムは、コンピュータによって制御され、ステアリングコラム又はステアリングケースに異なる方法で付加され得るモータトルクを生成する、1つ又は複数の電気モータを含み得る。
【0004】
さらに、車両の制動中に、この制動は、車両の非対称性のために、一方又は他方の側でその偏差を引き起こす傾向がある力を発生させることがある。
【0005】
特に、車輪の制動能力は、各車輪の制動システムの動作のばらつき、又は車輪に加えられる制御圧力のばらつきのために、車両の両側でわずかに異なることがある。
【0006】
下部走行体の幾何学的形状、又はスプリング及びショックアブソーバを含むサスペンションシステムの動作は、製造上のばらつきのために、車両の一方の側又は他方の側に少しだけ偏差を発生させることがある。
【0007】
また、車両の質量体及びこの車両に搭載された質量体は、異なる分布を有し得る。特に、この車両の片側に1人の運転者が単独で乗ったり、乗客がその反対側に乗ったりしている。
【0008】
車両の制動中の偏差は、使用される前部及び後部の下部走行体のタイプにも依存し、一部の下部走行体形状は、他のものよりもこれらの偏差に敏感である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの異なる理由により、ブレーキ中に車両が逸脱することがあり、これは一般に急激なブレーキや高速でより多く発生する。特に、例えば時速100km以上の高速での緊急ブレーキは、ステアリングの精度を失う感覚や不安感を発生させ、ドライバを驚かせるような車両の逸脱を引き起こす可能性がある。
【0010】
その後、運転者はコースを修正するためにステアリングホイールに力を加える必要がある。これにより、特に緊急時に不適切なストレスが加わる。
【0011】
本発明は、特に、従来技術のこれらの欠点を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的のために、本発明は、自動車のパワーステアリングシステムが、コンピュータによって制御されるトルクをステアリング上に生成し、制動中のコースの偏差を補償する方法を提供する。この方法は、第1ステップにおいて、制動中に、前記方法を起動するための要求から開始して、車両の速度、車両のヨーレート、及び操舵される車輪にステアリングによって加えられる力を表す信号を考慮して、生(大まかな)補正トルクを計算する点に注目すべきである。
【0013】
この補償方法の1つの利点は、利用可能な信号を用いて、車両内のいかなる機器も追加することなく、簡単で経済的な方法であることである。第1ステップでは、コース偏差の大きさ、並びに、ヨーレートの変動及びステアリングケース上のステアリングホイールによって加えられる力を考慮することによって、必要となるであろう生補正トルクを推定する。
【0014】
第2ステップは、誤った方向に適用された補正による偏差現象の増幅を回避することにより、この生補正トルクを保障することを可能にする。パワーステアリングが、少なくとも部分的にコース偏差に抵抗して発生する力を自動的に得て、運転者を安心させ、安全性を向上させる。
【0015】
本発明による補償方法は、さらに、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができ、これらの特徴は、一緒に組み合わせることができる。
【0016】
起動要求は、パワーステアリングシステムの内部にある信号と、この車両の動作に関する情報を含む車両の車載ネットワークから発信される外部信号とを使用して、この起動要求を確立すると有利である。
【0017】
第1ステップは、この加えられた力を低減するために、第1のマッピングから、ステアリングによって加えられる力に依存する第1の補正トルクを確立すると有利である。
【0018】
第1ステップは、第2のマッピングから、ヨーレートに依存する第2の補正トルクを確立すると有利である。
【0019】
ヨーレートは、いくつかの周波数を減衰させるようにフィルタリングされると有利である。
【0020】
第1ステップは、このヨーレートの微分を減少させるために、第3のマッピングから、ヨーレートの微分に依存する第3の補正トルクを確立すると有利である。
【0021】
この場合、本方法は、ヨーレートの導関数を第3のマッピングに使用する前に、ヨーレートの導関数のフィルタリングを実行すると有利である。このフィルタリングにより、この信号のいくつかの望ましくない周波数が除去される。
【0022】
この方法は、第1、第2、及び第3の補正トルクを確立するために車両の速度を考慮に入れると有利である。これにより、車両の速度の進化に依存する動的補正を確立することができる。
【0023】
生補正トルクは、起動要求から経過した時間周期に依存する係数によって重み付けされると有利である。この係数は0から1の間で変化する。
【0024】
このようにして、本方法は、補償方法が適用される期間を設定することを可能にする。実際、偏差現象が2秒又は3秒よりも長く続く場合には、ドライバを妨害しないように、機能を徐々に停止させることが好ましい。
【0025】
より具体的には、偏差現象が制動に関係しているので、100km/hでの強い制動の場合、2秒間の制動の後に車両速度が約30km/hになり、約3秒間の制動の後に車両が停止することになるため、それは限られた時間しか持続することができない。進路ずれ現象は低車速では危険ではないので、運転者が知覚する運転の質に関わる理由から、補償方法の作用を制限することが好ましい。
【0026】
第2ステップにおいて、この方法は、生補正トルクに制限を設定することによって、パワーステアリングシステムによって適用される安全な補正トルクを計算すると有利である。
【0027】
この場合、安全な補正トルクは、生補正トルクに上限及び下限を設定することによって確立され、上限及び下限のそれぞれは、ステアリングによって加えられる力の信号の(プラスマイナス)符号及びレベルに依存すると有利である。
【0028】
さらに、各上限又は下限は、操舵によって加えられる力の方向とは反対の方向の補正トルクに対する特定の値レベルと、同じ方向の補正トルクに対する、この特定の値レベルよりも低い値レベルとを含むと有利である。このようにして、偏差を増幅する同じ方向の強い補正が回避される。
【0029】
本発明の別の目的は、前述の特徴のいずれか1つを含む補償方法を実施する手段を含む、自動車用のパワーステアリングシステムを提供することである。
【0030】
本発明は、添付の図面を参照して、例として以下に提供される説明を読むことにより、より良く理解され、他の特徴及び利点がより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る補償方法を実施する自動車ステアリングを示す図である。
【図2】補償方法の動作を示すブロック図である。
【図3】ステアリングによって加えられる力の関数として生補正トルクのいくつかの曲線を示す図である。
【図4】この方法の第2ステップの動作原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、車両に横向きに配置されたラックを含むステアリングのケース2を示しており、その各端部はタイロッド4によって前輪6に連結されて回動するようになっており、これによって車両の操舵が確保されている。
【0033】
ステアリングのケース2に連結された、運転者が操縦するハンドル8を備えたステアリングコラムは、このコラム上で運転者が加えた力を感知するためのセンサ10を含み、運転者の意図を測定するための装置を構成する。
【0034】
電動駆動装置12は、ステアリングのケース2上にアシストトルクを発生する電動モータを含み、これは、運転者がハンドル8上で発生させた力を補助する。又は、電動駆動装置12は、並列に動作するいくつかの独立した駆動システムを含み、これらの駆動装置のうちの1つが故障した場合に安全性を保証する冗長性を達成することができる。
【0035】
コンピュータ16は、車両14の動作に関する異なる情報と同様に力を感知するセンサ10によって出力される信号を受け取り、補助トルクをステアリングのケース2に加えるために、電動駆動装置12に伝達されるトルク設定値を設定する。
【0036】
次いで、コンピュータ16は、それによって行われた異なる測定値から、ステアリングによって前輪6に加えられた力28を表す信号を演算し、それによって電動駆動装置12のトルク設定値を設定するために使用される。
【0037】
図2は、予備ステップ20において、進行中の制動の間のコース偏差を推定するための関数を示しており、この関数は、補償方法を作動させるための要求の信号を構成することになる。特に、コース偏差推定機能は、パワーステアリング内部の信号と、この車両の運行に関する異なる情報を送信する車両の車載ネットワークから発信される外部信号とを用いる。
【0038】
特に、コース偏差の推定は、例えば車輪のブレーキに加えられるブレーキトルクによって、又は慣性ユニットによって示される強い負の長手方向加速度によって測定される、高い車両速度及び強いブレーキの検出から確立されてもよい。また、偏差推定値は、「ESP(Electronic Stability Program、電子安定性プログラム)」と呼ばれる車両の安定性制御機能から来る信号によって提供されることもある。
【0039】
この場合、コース偏差に著しいリスクがあり、偏差推定機能はレベル1の信号を補正トルク計算機能18に送り、コース補正の計算を要求する。
【0040】
第1ステップ22において、補正トルク計算機能18は、ステアリングによって加えられる力28の信号の受信、及び垂直軸に対する車両の回転速度に対応する車両30のヨーレートの信号の受信を行い、特に車両の安定性制御機能の動作のために設けられた慣性ユニットによって与えられ、その後、このヨーレートの微分26の演算を行う。ヨーレートはステアリングホイールの傾き、車両の線速度に依存することに注意すべきである。
【0041】
生ヨーレートは、いくつかの周波数を減衰させるためにフィルタリングされると有利である。
【0042】
その後、第1ステップ22は、ステアリングによって加えられる力28に依存する第1の補正トルクと、車両30のヨーレートに依存する第2の補正トルクと、このヨーレートの微分に依存する第3の補正トルクとの計算を含む。これらの3つの計算されたトルクは、生補正トルク32を形成するように加算される。
【0043】
ステアリングによって加えられる力28に依存する第1の補正トルクは、この補正トルクを最良に適応させるために、例えば車両の速度に応じた設定を含み得る、この力の信号の第1のマッピング依存性から計算される。
【0044】
直線では、ステアリングによって加えられる力28は0であり、運転者によってステアリングホイールを保持することによって補償される偏差に達し、この力の立ち上がりによって検出される。この力に依存する補正トルクは、運転者を補助するために減少する傾向にある。
【0045】
図3は、ステアリングによって加えられる力28の関数として、この力に依存する補正トルク60を与える3つの曲線62,64,66を含むマッピングを提示する。
【0046】
第1の曲線62は、操舵力閾値までは補正トルクを与えず、その後、わずかに増加する値で安定する補正の素早い立ち上がりを与える。第2の曲線64は、操舵力に正比例する補正トルクを与える。第3の曲線66は、ステアリングによって生じる力28の開始時に接線方向が垂直な補正トルクを提供し、次いで、わずかに増加する値で終了するまで徐々に減少する傾斜を提供する。
【0047】
第1の曲線62については、ステアリングによって加えられる力28のいくらかの上昇後の遅延補正が得られ、第2の曲線64については、直ちに比例する補正が得られ、第3の曲線66については、力の開始時に強く始まる早期補正が得られる。これらの異なる曲線は、ますます異なる(intrusive)補正を提示する。
【0048】
ヨーレートに依存する補正トルクは、このヨーレート信号に依存する第2のマッピングから計算される。微分26によって提供されるヨーレート24の微分は、ある周波数を減衰させ、微分の補正トルクに依存する第3のマッピングで使用される信号を得るようにフィルタリングされる。
【0049】
コース偏差が、ステアリングによって加えられる力28に依存する補正トルクによって完全に補償されない場合、増加するヨーレート24が得られ、このヨーレートに依存する第2の補正トルクを正当化する。
【0050】
偏差補償は、順番に動作することができ、この場合、一定のヨーレートは、このレートの変動を補正することによって維持されるべきである。
【0051】
ヨーレートの微分26は、ヨーレート24の変動を検出し、その考慮は、このヨーレートの変動を制限することによって車両を安定させることを可能にする。このようにして、一定のヨーレート24を維持しようとする。
【0052】
特に、異なる補正トルクは、生補正トルク32に対して一般的な方法で、又はこれらの補正トルクの各々に対して独立した方法で、車両の速度に従って調整されてもよい。これらの調整により、車両の各速度に適合した生補正トルク32を得ることができる。なぜなら、制動中の車両偏差現象の重大度は、この速度とともに増加するからである。
【0053】
車両の速度を考慮することにより、制動中に生補正トルクをダイナミックな方法で低減することも可能になる。制動中に速度を減少させると、車両の偏差の大きさが減少する。動的補正は、補正を減少させ、運転者にとって侵入し過ぎる偏差補償を避けるように、この減少を考慮に入れる。
【0054】
生補正トルクは、起動要求から経過した時間の係数23によって重み付けされる。この係数は0から1の間で変化する。
【0055】
第2ステップ34は、安全な補正トルク36を確立するために、ステアリングによって加えられる力28の信号と同様に生補正トルク32の受信を含む。
【0056】
安全な補正トルク36の符号は、偏差現象を増幅する、この補正トルクを回避するために、偏差の方向と反対の力を付与してそれを補正しなければならない。
【0057】
ステアリングによって加えられる力28の信号に応じて、図4は、右向きに向けられた正の方向、上限40、及び上向きに向けられた正の方向を含む生補正トルク32の飽和を形成する下限42を含む水平軸上に提示する。この2つの正の方向は、同じ方向の車両に適用される。
【0058】
2つの上限及び下限40,42は、グラフの中心点0に対して対称である。
【0059】
正の値に向かって変化する上限40に関して、ステアリングによって加えられる力28が負であるとき、又は第1の閾値44aよりもわずかに小さい正であるとき、この上限は高い正のレベル48aにある。この第1の閾値44aと近い第2の閾値46aとの間で、上限40は直線的に減少し、次いでこの第2の閾値を超えて、この上限は低い正のレベル50aにある。
【0060】
対称的に、負の値に向かって範囲の下限42とみなして、ステアリングによって加えられる力28が正であるか、又は、第1の閾値44bをわずかに上回る負の値であるときには、この下限は、高い負のレベル48bである。この第1の閾値44bと近い第2の閾値46bとの間で、下限42は直線的に増加し、次にこの第2の閾値よりも下で、この下限は低い負のレベル50bにある。
【0061】
このようにして、安全な補正トルク36は、ステアリングによって加えられる力28と反対の方向にあるときには高レベル48a,48bによって、又は同じ方向にあるときには低レベル50a,50bによって飽和された値を有することが保証され、これによって、コース偏差をかなり増幅する誤差が回避される。
【0062】
車内に存在する部品やセンサを、一部のソフトウェアを追加するだけで、信頼性のある経済的な方法で、運転を保障し、運転者を安心させるコース偏差補償を得る。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【国際調査報告】