(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021516737
(43)【公表日】20210708
(54)【発明の名称】切削アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/10 20060101AFI20210611BHJP
   E21C 25/00 20060101ALI20210611BHJP
   E21C 25/18 20060101ALI20210611BHJP
   E21C 25/62 20060101ALI20210611BHJP
【FI】
   !E21D9/10 Z
   !E21C25/00
   !E21C25/18
   !E21C25/62
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】2020550652
(86)(22)【出願日】20190321
(85)【翻訳文提出日】20201022
(86)【国際出願番号】EP2019057147
(87)【国際公開番号】WO2019180170
(87)【国際公開日】20190926
(31)【優先権主張番号】1804697.9
(32)【優先日】20180323
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517056608
【氏名又は名称】エレメント、シックス、(ユーケー)、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ELEMENT SIX (UK) LIMITED
【住所又は居所】イギリス国オックスフォードシャー、ディドコット、ハーウェル、オックスフォード、フェルミ、アベニュ、グローバル、イノベーション、センター
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、ジョン、イアン、リーミング
【住所又は居所】イギリス国オックスフォードシャー、ディドコット、ハーウェル、キャンパス、フェルミ、アベニュ、ケアオブ、エレメント、シックス、グローバル、イノベーション、センター
(72)【発明者】
【氏名】バレンタイン、カンヤンタ
【住所又は居所】イギリス国オックスフォードシャー、ディドコット、ハーウェル、キャンパス、フェルミ、アベニュ、エレメント、シックス、グローバル、イノベーション、センター
(72)【発明者】
【氏名】ハビブ、サリディクメン
【住所又は居所】イギリス国オックスフォードシャー、ディドコット、ハーウェル、キャンパス、フェルミ、アベニュ、エレメント、シックス、グローバル、イノベーション、センター
【テーマコード(参考)】
2D054
2D065
【Fターム(参考)】
2D054BA07
2D054BB06
2D065AA02
2D065AA09
(57)【要約】
本開示は、円形ディスクカッタを備えた切削アセンブリに関する。複数の切削要素および対応する個数の工具ホルダが、ディスクカッタの円周表面の周囲に配置されている。各工具ホルダが、円形胴体に対して少なくとも部分的に横方向にずれている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
岩石掘削機用の切削アセンブリであって、
ベースユニットと、
前記ベースユニットから延びる1つ以上の可動支持アームと、
前記可動支持アームまたは各可動支持アームに、回転可能に取り付けられた駆動スピンドルと、
ディスクカッタであって、前記駆動スピンドルの回転が前記ディスクカッタの対応する回転を引き起こすように、前記駆動スピンドルに対して固定されたディスクカッタと、を備え、
前記ディスクカッタは、カッタ胴体と、複数の切削要素と、対応する個数の工具ホルダと、を含み、
各切削要素に1つの工具ホルダが設けられ、
前記切削要素および前記工具ホルダは、前記カッタ胴体の円周表面の周囲に配置され、
各工具ホルダは、前記カッタ胴体に対して少なくとも部分的に横方向にずれている、切削アセンブリ。
【請求項2】
前記円周表面の周囲で連続する工具ホルダは、第1の方向および第2の方向を交互に横方向にずれている、請求項1に記載の切削アセンブリ。
【請求項3】
各工具ホルダは、交差部で交わる近位部分および遠位部分を含む、請求項1または2に記載の切削アセンブリ。
【請求項4】
前記遠位部分は、前記近位部分に対して横方向にずれている、請求項3に記載の切削アセンブリ。
【請求項5】
各切削要素は、前記工具ホルダの前記遠位部分に取り付けられている、請求項3または4に記載の切削アセンブリ。
【請求項6】
各工具ホルダ上または各工具ホルダの近くに設けられた硬質肉盛材料を更に備えた、請求項1から5のいずれか一項に記載の切削アセンブリ。
【請求項7】
前記硬質肉盛材料は、各切削要素の材料とは異なっている、請求項6に記載の切削アセンブリ。
【請求項8】
前記硬質肉盛材料は、各工具ホルダの先行面に位置している、請求項6または7に記載の切削アセンブリ。
【請求項9】
前記硬質肉盛材料は、各工具ホルダの後行面に位置している、請求項6、7または8に記載の切削アセンブリ。
【請求項10】
前記硬質肉盛材料は、前記円形胴体の前記円周表面上または前記円周表面内に位置している、請求項6から9のいずれか一項に記載の切削アセンブリ。
【請求項11】
各切削要素は、円錐形プロファイルまたは角錐形プロファイルを有するストライクチップを有している、請求項1から10のいずれか一項に記載の切削アセンブリ。
【請求項12】
各切削要素は、半球形プロファイルを有するストライクチップを有している、請求項1から9のいずれか一項に記載の切削アセンブリ。
【請求項13】
各切削要素は、弾道形プロファイルを有するストライクチップを有している、請求項1から9のいずれか一項に記載の切削アセンブリ。
【請求項14】
各切削要素は、平坦な頂点を有する切頭形ストライクチップを有している、請求項10から12のいずれか一項に記載の切削アセンブリ。
【請求項15】
各切削要素は、多結晶ダイヤモンドコンパクト(PDC)である、請求項1から10のいずれか一項に記載の切削アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、採掘機および掘削機に関する。特に、本開示は、岩石掘削機用の切削アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
世界中には、一般的にスラブと呼ばれる、多くの種類の岩石層が、大きな堆積物として存在している。地上の採石場では、地上からスラブを抽出するために様々なタイプの採掘装置が配備されている。スラブは専用の装置を使用して回収され、通常は大型で非常に強力な車両で載置場から取り出される。岩石スラブの重量は40トン(40,000キロ)になる場合もある。研磨などの加工は現場で行われる場合があり、あるいは、家庭用や工業用に適切な大きさに切削するために現場から搬出される場合もある。
【0003】
地上で使用されている同じ装置が、地下鉱山の限られたスペースでそのまま使用できるとは限らない。
【0004】
本発明の目的は、特定の岩石層の幾何学的または非幾何学的形状のブロックの採掘および抽出を容易にするためのコンパクトで汎用性の高い切削アセンブリを提供することであり、地上または地下で使用することができる切削アセンブリを提供することである。
【発明の概要】
【0005】
本発明によれば、岩石掘削機用の切削アセンブリが提供される。この切削アセンブリは、ベースユニットと、ベースユニットから延びる1つ以上の可動支持アームと、可動支持アームまたは各可動支持アームに回転可能に取り付けられた駆動スピンドルと、駆動スピンドルの回転がディスクカッタの対応する回転を引き起こすように駆動スピンドルに固定されたディスクカッタと、を備え、ディスクカッタは、カッタ胴体と、複数の切削要素と、対応する個数の工具ホルダと、を含み、各切削要素に1つの工具ホルダが設けられ、切削要素および工具ホルダは、カッタ胴体の円周表面の周囲に配置され、各工具ホルダは、カッタ胴体に対して少なくとも部分的に横方向にずれている。
【0006】
いくつかの実施形態では、円周表面の周囲で連続する工具ホルダは、第1の方向および第2の方向を交互に横方向にずれている。
【0007】
オプションとして、各工具ホルダは、交差部で交わる近位部分および遠位部分を含む。好ましくは、遠位部分は、近位部分に対して横方向にずれている。
【0008】
好ましくは、各切断要素は、工具ホルダの遠位部分に取り付けられている。
【0009】
オプションとして、切削アセンブリは、各工具ホルダ上または各工具ホルダの近くに設けられた硬質肉盛材料を更に備えている。
【0010】
一実施形態では、硬質肉盛材料は、各切削要素の材料とは異なっている。
【0011】
硬質肉盛材料は、各工具ホルダの先行面に位置していてもよい。加えて、または代わりに、硬質肉盛材料は各工具ホルダの後行面に位置していてもよい。加えて、または代わりに、硬質肉盛材料は、円形胴体の円周表面上または円周表面内に位置していてもよい。
【0012】
オプションとして、少なくとも一つの切削要素は、円錐形プロファイルまたは角錐形プロファイルを有するストライクチップを有している。
【0013】
オプションとして、少なくとも一つの切削要素は、半球形プロファイルを有するストライクチップを有している。
【0014】
オプションとして、少なくとも一つの切削要素は、弾道形プロファイルを有するストライクチップを有している。
【0015】
オプションとして、少なくとも一つの切削要素は、平坦な頂点を有する切頭形ストライクチップを有している。
【0016】
切削要素の形状の組み合わせは、単一のディスクカッタに、または使用される場合には1つ以上の複数のディスクカッタに用いられてもよい。
【0017】
各切削要素は、多結晶ダイヤモンドコンパクト(PDC)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、長壁式採掘システムの一部としての切削アセンブリの第1実施形態を組み込んだ地下鉱山の概略平面図であって、特に、水平配向の切削アセンブリを示す図である。
【図2】図2は、図1の長壁式採掘システムの概略端面図である。
【図3】図3は、長壁式採掘システムの一部としての切削アセンブリの第2の実施形態を組み込んだ地下鉱山の概略平面図であって、特に、垂直配向の切削アセンブリを垂直方向に示す図である。
【図4】図4は、図3の長壁式採掘システムの概略端面図である。
【図5】図5は、ディスクカッタの第1実施形態の正面立面図を示す。
【図6】図6は、図5のディスクカッタで使用するための切削要素の正面立面図を示す。
【図7】図7は、図6の切削要素の側面立面図を示す。
【図8】図8は、ディスクカッタの第2の実施形態の正面斜視図を示す。
【図9】図9は、図8のディスクカッタと共に使用するための複数の切削要素の側面立面図を示す。
【図10a】図10aは、図9の第1の個別の切削要素の側面立面図である。
【図10b】図10bは、図9の第2の個別切削要素の側面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、添付した図面を参照して、例示のためだけに、より具体的に説明される。
【0020】
図面では、同様の部品には、同様の参照番号が割り当てられている。
【0021】
まず、図1から図2を参照すると、地下の自然の地層2にスライスするための切削アセンブリ(cutting assembly)が、10で概略的に示されている。
【0022】
切削アセンブリは、地下鉱山で一般的に見られる長壁式採掘システム(long wall mining system)1の一部を形成する。切削アセンブリは、一連の調節可能な屋根支持体6の中で、坑内床(mine floor)4上で動作する既知の剪断機(shearer)技術の代替品である。剪断機が採掘方向に進むと、屋根支持体6が、剪断機のすぐ後ろで坑内天盤(mine roof)8を支えるように位置付けられる。屋根支持体6の背後では、坑内天盤6は比較的制御された態様で崩壊する。典型的には、収集アームが、切削面で採掘された岩石を収集し、鉱山からの後続の除去のために搬送システム上に移送する。
【0023】
図1および図2に示された第1の実施形態では、切削アセンブリ10は、ベースユニット12と、ベースユニット12から延びる一対の間隔をあけて配置された支持アーム14と、一対の可動支持アーム14の間に延び、かつ一対の可動支持アーム14に回転可能に取り付けられた駆動スピンドル16と、駆動スピンドル16の周囲に固定された複数のディスクカッタ18と、を備える。
【0024】
図3および図4に示される第2の実施形態では、単一の支持アーム14がベースユニット12から延びている。駆動スピンドル16は、単一の支持アーム14によって中央で支持され、複数のディスクカッタ18は、単一の支持アーム14の両側に分散して駆動スピンドル16に取り付けられている。
【0025】
図示しない代替実施形態では、単一のディスクカッタ18のみが使用される。
【0026】
好ましくは、ディスクカッタ18または各ディスクカッタ18は、駆動スピンドル16について中心位置に(すなわち中心に)取り付けられる。しかしながら、このことは本質的ではなく、ディスクカッタ18または各ディスクカッタ18は、代替的に、駆動スピンドル16についてその中心からずれて取り付けられてもよい。オプションとして、2つの配置の組み合わせを代わりに使用してもよい。例えば、複数のディスクカッタ18が直列に、すなわち駆動スピンドル16に沿って互いに隣接して並列に使用される場合、交互に配置されたディスクカッタ18は、駆動スピンドル16について中心に取り付けられてもよい。残りのディスクカッタ18の各中心は、ディスクカッタ18が駆動スピンドル16について取り付けられている位置から半径方向にずれていてもよい。他の組み合わせが想定される。
【0027】
ベースユニット12は、ディスクカッタ18の運搬システムとして機能する。ベースユニット12は、ディスクカッタ18を、切削される岩石2に近接して、動作位置に前進させるとともに動作位置から後退させるために移動可能である。ベースユニット12が岩石層2に接近する速度は、切削アセンブリ10の岩石層2への送り速度を決定するいくつかの変数のうちの1つである。ベースユニット12(屋根支持体6と協働して)はまた、採掘される岩石層2の長壁に沿って、左から右へ、またはその逆へ、横方向に移動可能である。
【0028】
各支持アーム14は、第1の切削配向および第2の切削配向に移動可能に構成されている。図1および図2に最も良く示されているように、第1の切削配向では、駆動スピンドル16は水平である。その結果、ディスクカッタ18によってなされる岩石層2の切削は、それに対応して垂直である。図3および図4に最も良く示されているように、第2の切削配向では、駆動スピンドル16は垂直である。その結果、ディスクカッタ18によってなされる岩石層2の切削は、それに対応して水平である。第1の切削配向および第2の切削配向は、上述した第1の実施形態または第2の実施形態のいずれかで可能である。
【0029】
オプションとして、駆動スピンドル16が前述の垂直と水平との間の任意の切削配向で操作可能であるように、支持アーム14が移動可能であってもよいが、このことは本質的ではない。支持アーム14は、第1の切削配向および第2の切削配向の間で移動可能であるが、第1の切削配向および第2の切削配向では完全に動作可能(すなわち、岩石の切削または粉砕を容易にするために回転するディスクカッタ)であるように構成されてもよい。
【0030】
各支持アーム14は、要求される切削の深さに応じて、第1の操作可能な位置と第2の操作可能な位置との間で、任意には第1の切削配向と第2の切削配向の各々で、移動可能である。これは、図2の両矢印Aによって示されている。例えば、第1の操作位置では、駆動スピンドル16は、坑内床4に近接するように下降し、第2の操作位置では、駆動スピンドル16は、坑内天盤8に近接するように上昇する。
【0031】
オプションとして、各支持アーム14は、ピボットジョイント(または代替的にユニバーサルジョイント)によって第2のアーム部分に接続された第1のアーム部分を有していてもよい。第1のアーム部分および第2のアーム部分の各々は、互いに独立して相対的に移動可能である。この配置は、切削アセンブリ10が動作する自由度を増大させ、有利にはその操縦性を向上させる。
【0032】
駆動スピンドル16は、特定の速度で回転するようにモータによって駆動される。モータの動力は、選択されたディスクカッタ18のタイプと要求される切削力とに応じて、典型的には、ディスクカッタ18あたり20kWから50kWの間である。
【0033】
図5に最も良く示されているように、一実施形態では、ディスクカッタ18は、円形胴体20と、円形胴体20の周囲に周方向に配置された複数の切削要素22と、を含む。駆動スピンドル16の回転は、ディスクカッタ18の対応する回転を引き起こす。しかしながら、ディスクカッタ18は、円形である必要はなく、単に略円形であってもよく、例えば、そのサイズに応じて、八角形の形状のカッタが略円形のディスクカッタに近似してもよい。したがって、ディスクカッタ18は、六角形、八角形、十角形などであってもよく、実際には、円周方向に延びる任意の数の側面を有していてもよい。
【0034】
ディスクカッタ18または各ディスクカッタ18は、1つ以上のセンサを更に含んでいてもよい。これらのセンサは、カッタ胴体20に埋め込まれていてもよく、または一体化されていてもよい。センサは、温度センサ、圧力センサ、X線センサ、ガンマ線センサ、加速度センサ、切削条件の化学的性質を監視するように構成されたセンサ、または岩石層または抽出のための材料を識別するように構成されたセンサのうちのいずれか1つであってもよい。そのような実施形態では、センサは、データ収集システムに連結されてもよく、また、潜在的には、採掘/抽出操作からオンラインまたはリモートでデータ分析パッケージに連結されてもよい。
【0035】
好ましい実施形態では、複数のディスクカッタ18が駆動スピンドル16上に配置されている。典型的には、6個以上のディスクカッタ18が設けられてもよい。ディスクカッタ18は、実施形態に応じて、間隔をあけて配置された一対の支持アーム14a、14bの間で、または、支持アーム14の両側で、好ましくは駆動スピンドル16の長さに沿って規則的に間隔をあけて配置されている。
【0036】
ディスクカッタ18の間隔は、要求される切削深さおよび切削される岩石層2の機械的特性、例えば最大抗張力(UTS)に従って選択され、特定の切削エネルギを最適化し、要求される電力消費量を決定する。その目的は、切削された材料が自重で破断する条件を得ることである。例えば、キンバーライトの切削深さが0.4mの場合、隣接するディスクカッタ間の理想的な間隔は約0.3mである。しかしながら、これは、破断に必要な力に応じて増大したり減少したりすることができる。好ましくは、間隔はその場で調整可能であり、自動化されたプロセスであってもよいし、手動プロセスであってもよい。間隔は、遠隔で調整可能であってもよく、例えば、地上のオペレーションオフィスから調整可能であってもよい。くさび形の工具は、このような破断力を適用するために使用されてもよく、岩石の破断を補助する。
【0037】
ディスクカッタ18は、好ましくは0.01mと2mの間、より好ましくは0.01mと0.5mの間で測定されるギャップによって間隔をあけて配置されている。
【0038】
ディスクカッタ18の円形胴体20は、典型的には鋼製であり、約1000mmの直径を有し、約11mmの厚さ(軸方向に測定され、以下の説明では横方向の大きさともみなされる)を有する。現実的には、そのような直径は、最大400mmの切削深さを可能にする。円形胴体20は、60mmから100mmの間のシャフト直径23を有し、駆動スピンドル16を受けるためのサイズおよび形状を有している。
【0039】
ディスクカッタ18の直径(非円形ディスクカッタの場合は有効直径)および厚さは、切削アセンブリの意図された用途に従って適切に選択される。例えば、ケーブル敷設用途では、より小さい直径のディスクカッタ18が要求されるであろう。ロボットアームのアングルグラインダでは、更に小さな直径が要求されるであろう。しかし、トンネル掘削用途では、かなり大きな直径のディスクカッタ18が要求され、それに応じて適合されるであろう。
【0040】
この実施形態では、ディスクカッタ18はまた、対応する個数の切削要素22を受容するための複数の工具ホルダ24を含む。別の実施形態では、ディスクカッタは、1個以上の工具ホルダを含む。
【0041】
好ましくは、本質的ではないが、各工具ホルダ24は、1つの切削要素22のための座部を提供する。好ましくは、各工具ホルダ24は、鋼から作られているが、代わりに、70HV(ビッカース硬度)を超える硬度を有する任意の金属系材料、炭化物系材料またはセラミック系材料を含んでいてもよい。各工具ホルダ24は、図5、図6および図7に示す実施形態のように、(例えば、ろう付けまたは溶接を使用して)カッタ胴体20に恒久的に接続されるか、または、図8、図9および図10a、図10bに示す実施形態のように、保持機構を使用してカッタ胴体20に着脱可能に取り付けられる。ろう付け、溶接、および/または機械的接続の混合物を使用することができる。あるいは、工具ホルダ24は、例えば、鍛造、粉末冶金等によって、ディスクカッタ18の胴体20と一体的に形成されてもよい。
【0042】
保持機構は、工具ホルダ24をカッタ胴体20に固定するために使用されるロックピン構造25を含んでいてもよい。クランピング、焼き嵌め等が代替的に使用されてもよい。
【0043】
一実施形態では、各切削要素22は、工具ホルダ24の1つによって堅くまたは固定的に支持されている。各工具ホルダ24は、好ましくは、カッタ胴体20の円周表面の周囲に等しい角度で間隔をあけて配置されている。各切削要素22は、ろう付けを用いて、工具ホルダ24内または工具ホルダ24上の所定の位置に固定されてもよい。代替的に、工具ホルダ24または各工具ホルダ24は、切削要素22を回転可能に受容するように構成されてもよい。そのような実施形態では、切削要素22および工具ホルダ24は、切削要素22が工具ホルダ24内で自由に、例えばすきま嵌めで回転するように構成されていてもよく、または代替的に、切削要素22が採掘/掘削されている岩石層と接触するときにのみ、例えば中間嵌めで工具ホルダ24内で回転できるように構成されてもよい。
【0044】
切削要素22の各々は、硬度値130HV以上の硬い耐摩耗性材料を含む。切削要素22は、好ましくは、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンド、ダイヤモンドライク材料、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される超硬質材料(superhard material)を含むが、代わりにタングステンカーバイドのような硬質材料であってもよい。切削要素22は、超硬質材料が結合された超硬合金(cemented carbide)基板を含んでいてもよい。
【0045】
一実施形態では、切削要素22は、石油・ガス掘削の分野でより一般的に見られる多結晶ダイヤモンドコンパクト(PCD)である。このようなPCDは、しばしば円筒形であり、通常、鋼または炭化物基板に結合されたダイヤモンド層焼結体を含む。
【0046】
PCDは、6mmから30mmの間の直径を有し、好ましくは8mmから25mmの間の直径を有する。例えば、PCDは、13mmの直径を有していてもよく、16mmまたは19mmの直径を有していてもよい。好ましくは、PCDは16mmの直径を有する。ディスクカッタでは、直径の組み合わせが使用されてもよい。
【0047】
各PCDは、面取りされていてもよく、二重面取りされていてもよく、または複数に面取りされていてもよい。
【0048】
各PCDは、研磨されたカッタ表面を含んでいてもよく、少なくとも部分的に研磨されていてもよい。
【0049】
あるいは、従来のPCDであるよりもむしろ、切削要素22は、3次元形状のカッタであってもよい。切削要素22のストライクチップは、円錐形、角錐形、弾道形、ノミ形、または半球形であってもよい。ストライクチップは、平坦な頂点を有する切頭形であってもよく、非切頭形であってもよい。ストライクチップは、軸対称であってもよいし、非対称であってもよい。切削要素22の任意の形状は、本発明の任意の態様と組み合わせて使用することができる。そのような形状のカッタの例は、WO2014/049162およびWO2013/092346に記載されている。
【0050】
工具ホルダ24の第1の実施形態では、図5、図6および図7において、各工具ホルダ24は、軸方向に見たときに(図6参照)、略円錐台形である(図6参照)。各工具ホルダ24は、先行面26と、後行面28と、を有し、各切削要素22は、工具ホルダ24の先行面26内の座部30内に受容される。各座部30は、切削要素22が意図された回転方向に接線方向を向くように角度が付けられている(または意図された回転方向に向かって概略的に位置づけられている)。このことは、平坦な一次切削表面32を有するPCDにとって特に有益である。座部のおかげで、切削要素22の刃先33は、カッタ胴体20に対するある角度範囲に方向付けられることができる。このことは、切削要素22が岩石面の進行方向においてもっぱら半径方向または軸方向に外側を向いている従来のアプローチとは対照的である。これにより、切削要素のストライクチップの構成を変更することなく、所望の切削角度を得るための大きな柔軟性が得られる。
【0051】
更に、別個の切削要素22を受容するための座部を有することは、有利には、任意の余剰のPDCストックを使い切って新たな用途で有用性を見出すことができ、それによって企業の運転資本を減少させることを意味する。
【0052】
オプションで、切削要素のすくい角(rake angle)は、25度から30度の間である。オプションで、すくい角は約25度である。オプションで、すくい角は、正または負であってもよい。
【0053】
工具ホルダ24の先行面26は、後行面28よりも一般的には短く、それにより、使用中に切削要素22のための有意な構造的後方支持を提供する。工具ホルダ24、特に回転方向における工具ホルダ24の後部は、使用中の衝撃力のかなりの割合を吸収し、そうでなければ切削要素22がカッタ胴体20から飛び出して失われる危険性を低減する。
【0054】
好ましくは、座部は、切削要素22の後部(すなわち、切削面32と略対向する面)を完全に支持する。
【0055】
側面図(図7参照)において、各工具ホルダ24は、矢印Bで示されるように、変化する横方向の断面を有しており、各工具ホルダ24は、切削要素22の近くの工具ホルダ24の頭部34から、円形胴体20の近くの足部36に向かって、横方向内側に先細状になっている。
【0056】
各切削要素22の横方向の大きさ(図7に最もよく示されている)は、工具ホルダ24の横方向の大きさよりも大きい。この張り出しは、使用中の著しい摩耗から工具ホルダ24を保護する。好ましくは、工具ホルダ24の厚さ(すなわち横方向の大きさ)は、約14mmである。この実施形態では、切削要素22は、工具ホルダ24を越えて両側に約1mm突出している。これにより、使用中に主要な摩耗を受けるのは、工具ホルダ24またはカッタ胴体20ではなく、切削要素22であることが保証される。はみ出しは、工具ホルダ24が岩石層2に対して擦れることを防止する。擦れた場合には、ハードコーティングまたは多層アプローチが使用されてもよい。
【0057】
図8および図9に示すように、工具ホルダ24の第2の実施形態では、連続する工具ホルダ24は、カッタ胴体20に対して横方向にずれている。図10aおよび図10bに示されるように、各工具ホルダ24は、一方の側にわずかなキンク(kink)を含む。言い換えれば、工具ホルダ24の遠位部分24aは、円形胴体20および工具ホルダ24の近位部分24bに対して横方向にずれている。遠位部分24aおよび近位部分24bは共に横方向に延びている。工具ホルダ24の遠位部分24aおよび近位部分24bは、38で概略的に示されている交差部で交わっている。横方向のずれの方向は、カッタ胴体20の一方の側から軸方向に離れる第1の方向、またはカッタ胴体20の他方の側から離れる反対の第2の方向のいずれかである。図10aでは、工具ホルダ24は右側にキンクしており、図10bでは、工具ホルダ24は左側にキンクしている。交差部38は、ドッグレッグのような鋭い方向転換であってもよく、またはカーブのような引き延ばされた方向転換であってもよい。交差部38は、遠位部分24aと近位部分24bとを結合する中間部分を構成していてもよい。
【0058】
代替として、遠位部分24aが円形胴体20と整列している一方で、近位部分24bは、カッタ胴体20に対して横方向にずれていてもよいことが想定される。しかしながら、切削要素22は、通常、工具ホルダ24の遠位部分24a上に位置しているため、最初に述べた配置が好ましい。
【0059】
カッタ胴体20の円周表面40に沿って、横方向ずれの方向は、連続する工具ホルダ24に対して交互になる。この配置の利点は、切削要素22の大きさに関係なく、円形ボディ20の回転中に切削要素22によって提供される有効な切削面積を増加させることである。また、カッタ胴体20全体を取り外す必要なく、メンテナンスおよび修理中に個々の工具ホルダ24を迅速かつ容易に交換することを容易にする。更に、この配置は、切削アセンブリ10を通過する切削岩石の流れに起因するカッタ胴体20の浸食(「ボディウォッシュ」と呼ばれることもある)を低減するのに役立つ。
【0060】
切削アセンブリ10は、加えて、硬質肉盛材料(図示せず)を含んでいてもよい。硬質肉盛材料(hard-facing material)は、鉄を基材とすることを特徴とする低融点炭化物(LMC)材料を含んでいてもよい。例示的な材料は、US8,968,834、US8,846,207およびUS8,753,755に記載されているが、代わりに他の耐摩耗性材料を使用することもできる。硬質肉盛材料の目的は、円形胴体20のボディウォッシュを制限することである。硬質肉盛材料は、工具ホルダ24の後方で、後行面28に近接して回転可能に位置していてもよい。工具ホルダ24が間隔をあけて配置されている場合、硬質肉盛材料は、連続する工具ホルダ24の間で、カッタ胴体20内に、またはカッタ胴体20上に設けられていてもよい。加えて、または代わりに、硬質肉盛材料は、後行面28に設けられていてもよい。加えて、または代わりに、硬質肉盛材料は、先行面26に設けられてもよい。硬質肉盛材料は、先行面26、後行面28、および円周表面40に設けられていてもよい。カッタ胴体20および/または工具ホルダ24上の硬質肉盛材料の位置は、現場固有のものであり、その現場で採掘される岩石層の性質に応じて選択される。
【0061】
使用時には、ディスクカッタ18が岩石層2と接触し、駆動スピンドル16、したがってそのディスクカッタ18の回転が、岩石層2のスライスを引き起こす。切削アセンブリ10は、岩石層2をスライスして、選択された切削要素22のサイズに応じて、例えば、約16mmのきれいな直交カットを形成する。カットされた岩石は、自重で破断したり、または二次的なくさびの力で、例えばくさび形の工具を使用して破断したりする。
【0062】
上記では切削アセンブリのいくつかの用途が述べられたが、トンネル掘削は特に魅力的な用途である。一般的には、地下に新たなトンネルを形成するために、トンネルボーリングマシン(TBM)が使用される。TBMは、公知の方法で円筒形のトンネルを形成する。トンネルの目的が車両または歩行者の交通のためであり、円形の横方向の断面のみが可能である場合には、トンネルの下部内に新しい水平床が含まなければならない。事実上、トンネルの直径が大きくなりすぎる。トンネル上部に実際に要求される使用可能な空間を形成するためには、余剰の岩石材料が抽出されなければならない。より大きなTBMが、より小さなTBMよりも多くの消耗品である切削チップを必要とするだけでなく、トンネル掘削作業にかなりの時間がかかるため、トンネル掘削コストが増加する。更に、新しい床の建設には追加の材料が要求される。本明細書に記載された切削アセンブリにより、より小さい横方向の断面でトンネルを形成することができ、それにより、上部トンネルの所望の形状を作成することができる。また、切削アセンブリは、より小さいTBMに従ってトンネルの下半分を形成し、壁に垂直な床を作成し、より大きいTBMを使用した場合よりも除去する材料を著しく少なくする。
【0063】
本発明は、特に実施形態を参照しながら示されて説明されたが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更が行われ得ることは、当業者によって理解されるであろう。
【0064】
例えば、切削アセンブリの第2の実施形態では、単一の支持アーム14のみが記載されているが、代わりに、間隔をあけて配置された2つ以上の支持アーム14が設けられてもよい。
【0065】
例えば、本明細書に記載された2つの実施形態は、両方とも、駆動スピンドル16に取り付けられた複数のディスクカッタ18を含む。これは、そうである必要はなく、代わりに単一のディスクカッタ18を使用してもよい。
【0066】
例えば、一対の切削要素22と工具ホルダ24との組み合わせを使用する代わりに、切削要素は、その周縁部でディスクカッタ18の胴体に直接一体化されてもよく、それによって中間工具ホルダ24の必要性を除去することができる。
【0067】
例えば、切削要素または各切削要素は、多結晶ダイヤモンド材料の代わりに単結晶ダイヤモンドを含んでいてもよい。
【0068】
例えば、切削要素22は、ダイヤモンドまたは研磨グリットを含んだ金属を含んでいてもよく、またはセラミック系であってもよい。
【0069】
切削アセンブリ10は、地下で実用的であると説明したが、地上、例えば、開放された採石場で同様に使用されてもよい。
【0070】
更に、小型版は、例えば、小径の光ファイバケーブルを敷設するために、道路や舗道に小さな溝を掘るために使用することができる。この場合、切削アセンブリ10は、岩ではなく、アスファルトやコンクリートを切削するであろう。このような実施形態では、カッタ胴体20の直径は300mm、最大20mmまでのカッタ胴体の横方向の厚さ、およびそれに対応するサイズの切削要素のオーダであるだろう。約50mm〜約100mmの切削深さを達成するようになる。
【0071】
本明細書で使用される特定の標準用語および概念を以下に簡単に説明する。
【0072】
本明細書で使用されるように、多結晶ダイヤモンド(PCD)材料は、複数のダイヤモンド粒を含み、そのかなりの数が互いに直接相互に結合しており、ダイヤモンドの含有量が材料の少なくとも約80体積%である。ダイヤモンド粒の間の隙間は、実質的に空であってもよく、またはそれらは、バルク充填材で少なくとも部分的に充填されていてもよく、またはそれらは実質的に空であってもよい。バルク充填材は、焼結促進材を含んでいてもよい。
【0073】
PCBN材料は、金属材料、半金属材料、またはセラミック材料からなるマトリックス内に分散された立方晶窒化ホウ素(cBN)の粒を含む。例えば、PCBN材料は、炭窒化チタンのようなTi含有化合物、窒化アルミニウムのようなAl含有化合物、またはCoやWのような金属を含む化合物からなるバインダーマトリックス材料中に分散された少なくとも約30体積%のcBN粒を含んでいてもよい。PCBN材料のいくつかのバージョン(または「グレード」)は、少なくとも約80体積%または少なくとも約85体積%のcBN粒を含んでいてもよい。
【0074】
PCBN材料は、立方晶窒化ホウ素(cBN)の粒が、金属材料、半金属材料、またはセラミック材料からなるマトリックス内に分散されたものからなる。例えば、PCBN材料は、炭窒化チタンのようなTi含有化合物、窒化アルミニウムのようなAl含有化合物、またはCoやWのような金属を含む化合物からなるバインダーマトリックス材料中に分散された少なくとも約30体積%のcBN粒を含んでいてもよく、PCBN材料のいくつかのバージョン(または「グレード」)は、少なくとも約80体積%または少なくとも約85体積%のcBN粒を含んでいてもよい。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【国際調査報告】