(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021516963
(43)【公表日】20210715
(54)【発明の名称】電気的に動作可能な吸入器用ヒーターを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20210618BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20210618BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20210618BHJP
   H05B 3/26 20060101ALI20210618BHJP
   H05B 3/14 20060101ALI20210618BHJP
【FI】
   !A24F40/46
   !A24F40/70
   !A24F40/10
   !H05B3/26
   !H05B3/14 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】32
(21)【出願番号】2020546476
(86)(22)【出願日】20190215
(85)【翻訳文提出日】20200908
(86)【国際出願番号】EP2019053813
(87)【国際公開番号】WO2019170394
(87)【国際公開日】20190912
(31)【優先権主張番号】102018105220.0
(32)【優先日】20180307
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】595112018
【氏名又は名称】ハウニ・マシイネンバウ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国、21033 ハムブルク、クルト−アー−ケルバー−ショセー、8−32
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】ペルツ・ウーヴェ
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国、79227 シャルシュタット、リンデンストラーセ、16アー
(72)【発明者】
【氏名】ガナム・ムハンナト
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国、79114 フライブルク、ズントガウアレー、19
(72)【発明者】
【氏名】ヤクリン・ヤン
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国、70736 フェルバッハ、マイスナー・ストラーセ、60
(72)【発明者】
【氏名】ヴォイアス・ペーター
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国、79100 フライブルク、マティアス−グリューネヴァルト−ストラーセ、23
(72)【発明者】
【氏名】ラト・ソナリ
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国、91560 ハイルスブロン、ヘルブストストラーセ、7
(72)【発明者】
【氏名】ゴルトシュミットベーイング・フランク
【住所又は居所】ドイツ連邦共和国、77799 オルテンベルク、イム・ゾマーヘルデレ、25
【テーマコード(参考)】
3K034
3K092
4B162
【Fターム(参考)】
3K034AA06
3K034BA08
3K034CA20
3K034JA01
3K034JA10
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3K092QB18
3K092QB22
3K092VV21
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC22
4B162AE02
(57)【要約】
吸入器用の電子式に作動可能なヒーターを製造するための方法において、複数の流路内の液体が、半導体材料を通流可能であるように、半導体材料5が、ほぼプレート状に提供され、これらの流路8が、当該プレート状の半導体材料の面のほぼ法線の方向にこの半導体材料中に形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器、特に電子たばこ製品用の電子式に作動可能な、特に液体を気化させるための、特に扁平なヒーターを製造するための方法において、
複数の流路内の液体が、半導体材料を通流可能であるように、特に金属を含まない半導体材料が、ほぼプレート状に提供され、これらの流路が、当該プレート状の半導体材料の面のほぼ法線の方向にこの半導体材料中に形成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
主にシリコンが、半導体材料として使用され、特にポリシリコンが使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半導体材料の少なくとも特定の領域の導電率が、ドーピングによって改善されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記半導体材料は、特に燐を使用してnドーピングされていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの被覆部が、前記半導体材料の少なくとも片側で前記半導体材料の少なくとも特定の領域に被覆されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
被覆部は、金属製であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
複数の電気接点が、特に金属被覆部を使用して前記半導体材料に設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項、特に請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記半導体材料の少なくとも特定の領域が酸化されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の流路は、特に乾式エッチングによって前記半導体材料中に形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
主に反応性イオンエッチング(RIE)が使用されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の流路は、前記半導体材料の両面を起点として通流可能に形成されることを特徴とする請求項1〜10、特に請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
複数の加熱要素が、1つのウェハ上に形成され、特にその後に、個々のヒーター又は一群のヒーターが、特にいわゆるダイとしてこのウェハから取り出されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒーターは、主にベアダイ(いわゆる「ベアチップ」)として再利用されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
吸入器、特に電子たばこ製品用の加熱要素、特にヒーターにおいて、
請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法にしたがって製造されていることを特徴とする吸入器。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項、特に請求項12に記載の方法にしたがって製造又は準備されている複数の加熱要素として適した複数の要素を有することを特徴とする半導体材料から成るウェハ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に液体を気化させるための、特に電子たばこ製品用の、電気式に作動可能な、特に吸入器用の扁平のヒーターを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
さらに、本発明は、上記の方法にしたがって製造されたヒーター及び当該ヒーターを有するウェハに関する。
【0003】
国際公開第2014/037794号パンフレットには、電子たばこ製品用のヒーターを微小電気機械システム(MEMS)として提供することが開示されている。このため、特にシリコンが、可能な材料として列挙されている。
【0004】
米国特許出願公開第2016/0007653号明細書も、電子たばこ製品用のMEMSヒーターを開示する。
【0005】
独国特許出願公開第2016002665号明細書も、同様に電子たばこ製品用のMEMSヒーターに言及している。
【0006】
米国特許第6,914,220号明細書は、ガスクロマトグラフィー用であるものの、ヒーターをシリコンから製造することを開示する。
【0007】
簡単な金属コイルヒーターの場合に、しかし原理的にはMEMSヒーターの場合にも流動体、いわゆる液体の気化時に発生し得る深刻な問題は、いわゆる「ドライパフ」である。当該「ドライパフ」の場合、ヒーターが、乾燥する、すなわち十分な液量なしに加熱する。その結果、ヒーターが損傷し得るが、特に有害な成分も、当該ヒーターの材料から放出し得る(核沸騰(Blasensieden))。当該核沸騰の場合、液体が、局所的に過熱されて不均一に加熱され得る。その結果、特に、液体が爆発的に噴射し、当該ヒーターの金属成分又は合金が、液体に接触して又は接触することなしに加熱され得る。当該核沸騰の場合、有害な金属成分又は金属原子若しくは金属イオンが放出することがあり、及び/又は、有害な触媒作用が起こることがあり、当該ヒーターが、不正確に電気制御されることがある。当該不正確な電気制御は、異なる複数の液体成分、特に異なる高い沸点を呈する異なる複数の液体成分の独立した気化挙動及び/又はその他の望まない気化挙動を熱力学的に引き起こし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2014/037794号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0007653号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第2016002665号明細書
【特許文献4】米国特許第6,914,220号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、ヒーターが簡単に低コストに再現可能に製造され、吸入器、特に電子たばこ製品内の基板、特に流体又はいわゆる流体の均一に、良好に電気制御可能に制御される確実な加熱を可能にし且つ保証する、ヒーターを製造するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、独立請求項に記載の特徴によって解決される。
【0011】
この場合、本発明の課題を解決する冒頭で述べた方法は、複数の流路内の液体が、半導体材料を通流可能であるように、特に金属を含まない半導体材料が、ほぼプレート状に提供され、これらの流路が、当該プレート状の半導体材料の面のほぼ法線の方向にこの半導体材料中に形成されることを特徴とする。
【0012】
液体に直接に接触し得る金属成分を使用しない場合、ヒーターの「露出した」金属成分を少なくとも使用しない場合、生成すべき蒸気又は吸引を誘い出す生成すべきエアロゾルを、健康に害を及ぼすように汚染する有害な金属成分又は金属原子若しくは金属イオンが放出し得ること、及び/又は有害な触媒作用が起こり得ることが、本発明のヒーターの製造によって有益に回避され得る。
【0013】
さらに有益には、同時に、本発明にしたがって製造された半導体材料から成るヒーターは、金属製のヒーターと同様に、特に温度制御に関して確実に、均一に且つ正確に制御され得る。
【0014】
特に好適な実施の形態によれば、ヒーターは、−少なくとも、例えば100℃〜240℃の動作範囲内の−負の温度係数(NTC)から成り得るか又は製造され得る。すなわち、ヒーターの電気抵抗が、温度の上昇と共に減少する。
【0015】
気化器ユニットの目標温度の範囲内又は動作範囲内にある特殊な抵抗の負の温度係数を有する材料を使用することによって、ホットスポット又は過熱の発生が抑制され得て、より均一な温度分布が達成され得る。負の温度係数を有するヒーターは、マイクロ技術で簡単に半導体基板上に製造され得る。この特徴に起因して、弱く冷却された領域は、より小さい抵抗、すなわちより小さい加熱電力を呈する。したがって、当該より低い冷却は、逆に作用する。
【0016】
当該事項を最も簡単な例に基づいて説明できる。多数の流路を有するヒーターは、例えば、目標温度T0のときに同じ定格抵抗を有する、直列に接続されたn個の部分から成り得る。或る領域、任意の領域1の温度が、減少した熱伝達に起因してTDだけ上昇する。したがって、この領域の抵抗は、R1=R0(1+a*DT)になる。この場合、aは、電気抵抗の温度係数を示す。
【0017】
電圧U0が、1つの電気モジュールに電圧印加される実施の形態では、電圧U1=U0*R1/(R1+(n−1)*R0)が、この抵抗にわたって降下する一方で、電圧U2=U0*R0/(R1+(n−1)*R0)が、残りのそれぞれの抵抗にわたって降下する。これらの抵抗に通電する電流は、I1=U0/(R1+(n−1)*R0)になる。したがって、P1=U1*I1=U0^2*R1/(R1+(n−1)*R0)^2の熱電力が、当該第1部分に対して発生し、P2=U2*I1=U0^2*R0/(R1+(n−1)*R0)^2の熱電力が、当該残りの第2部分に対して発生する。この式の線形化は、僅かな温度に対して許容され、P1=U0^2/(n^2R0)*(1+a*DT)及びP2=U0^2/(n^2R0)*(1−2a/n*DT)になる。定格熱電力は、P0=U0^2/(n^2R0)である。したがって、負の温度係数a<0を有する材料を使用する場合、当該熱出力は、領域1内で減少し、当該残りの領域内で僅かに増大する。したがって、温度は、全体として均一化される。
【0018】
電流I0が、当該電気モジュールに通電される別の実施の形態でも、同様な現象が得られる。この場合、電圧U1=I0*R1が、当該領域にわたって降下し、U2=I0*R0が、当該残りのそれぞれの領域内で降下する。したがって、当該局所の熱出力は、P1=I0^2*R0*(1+a*DT)及びP2=I0^2*R0である。ここで、負の温度係数a<0を有する材料を使用すると、領域1内の熱出力が減少し、当該残りの領域内の熱出力は変化しない。同様にこれも、温度分布の均一化を意味する。したがって、制御概念に応じて、電圧印加と電流通電との双方が有益に使用され得る。
【0019】
ヒーター用の抵抗の負の温度係数を有する材料としては、特に多結晶の半導体材料、例えばポリシリコン又はポリシリコンカーバイドが適する。特定の状況下では、ドーピングレベルの十分に高い活性化エネルギーを有する単結晶の半導体材料も、抵抗の負の温度係数を有し得る。
【0020】
ヒーターは、好ましくはドープされた半導体から成り得る。これは、T^(−3/2)*exp(−Ea/2kT)に比例する導電率の温度依存性を示す。この場合、Eaは、アクセプター準位を示し、kは、ボルツマン定数である。インジウムが、シリコン中に例えばEa=160meVのアクセプター準位を形成し、チタニウムが、Ea=246meVのアクセプター準位を形成する。したがって、インジウム又はチタニウムをドープされたシリコンが、好ましくはヒーターの材料として、気化器ユニットの300℃以上までの動作範囲内で負の温度係数を有する。同様に、良好な材料は、Ea=190meVを有するアルミニウムをドープされたシリコンカーバイド(SiC)又はEa=285meVを有するホウ素をドープされたシリコンカーバイドである。
【0021】
一般に、NTC材料は、金属に比べてより高い温度係数を有し、それ故にヒーターの抵抗の測定による明らかにより正確な温度測定が可能である。当該ヒーターは、好ましくは電気抵抗ヒーターとして形成される。
【0022】
既に上述したように、主にシリコン、特にポリシリコンが、半導体材料として使用されることが、本発明にしたがって有益に提唱されている。この場合、特に半導体材料の少なくとも特定の領域の導電率がドーピングによって改善されている。さらに本発明によれば、半導体材料が、特に燐を使用してnドープされていることが有益に提唱され得る。この場合、代わりに、例えばホウ素によるpドーピングも考慮され得る。
【0023】
本発明の方法の別の構成では、少なくとも1つの被覆部が、当該半導体材料の少なくとも片側で当該半導体材料の少なくとも特定の領域に被覆されることが提唱されている。
【0024】
この場合、当該被覆部は、シリコン基板上に被覆又は成膜される酸化シリコン及び/又は窒化シリコンから成る層でもよい。
【0025】
このため、特にフォトレジストから成る感光性層が被覆され得る。当該感光性層は、マスクを用いた露光(リソグラフィー工程)によってパターン化される。適切なエッチングによって半導体材料をパターン化するためのエッチングマスクが、当該露光されたフォトレジストによって出現する。当該フォトレジストの露光された領域が、適切に且つ公知の方法で除去される。
【0026】
特に、被覆部は金属製であることが提唱されている。当該被覆は、加熱要素又は加熱面を形成するために実行されてもよく、特に、例えば流路の一部内又は流路の内壁内でリング状に実行されてもよい。この場合、リング状は、当該流路の横断面を円形に限定するものではなくて、一般に包囲している形態を意味し得る。金属面自体が、不活性層又は不活性にされた層、例えばガラス状の材料で被覆されることによって、当該金属面と気化すべき液体との接触が有益に回避され得る。特に、非金属材料及び耐温性の材料、例えば酸化シリコン、窒化シリコン又は石英ガラスが使用されてもよい。
【0027】
しかし、特に、複数の電気接点が、特に金属被覆部を使用して当該半導体材料に設けられ、その後に望ましくない場合は、当該金属被覆部の接触面が減少され得ることが提唱されている。
【0028】
当該半導体材料の少なくとも特定の領域が酸化され得る。特に、半導体酸化物から成る中間層又は分離層を設けることも考えられ得る。
【0029】
本発明の方法の場合、通流制御層を貫通して延在する複数の貫通孔を有する当該通流制御層が、層又は被覆部として設けられ得る。これらの貫通孔は、複数の流路に通じている。この場合、特に好ましくは、液体と1つ又はそれぞれの貫通孔の内壁との成す接触角度が、電源によって生成可能な電圧又は当該電圧によって生成された電場を印加することによって変更可能である。これにより、好ましくは、当該通流が、これらの貫通孔によって変更可能であり、特に停止可能であり、及び/又は特に当該電圧を低下若しくは遮断することによって実行可能である。こうして、複数の微細流路内の液体の割合の正確な移送及び配分と逆流の防止と正確な割合での完全な気化とが実現され得る。この場合、特にエレクトロウェッティングの効果が利用される。
【0030】
好ましくは、絶縁層を貫通して延在する複数の貫通開口部を有する当該絶縁層が、通流制御層と基板との間に設けられている。これにより、液体タンク内又は通流制御層内及びドープされた貫通孔内の液体の望まない気化が、気化中に有効に回避され得る。同様に、当該液体タンク内の望まない熱伝達も回避される。換言すれば、基板中への熱流入と、基板中の上方の液体を含む部分の望まない加熱又は気化とが確実に回避され得る。
【0031】
本発明の方法の別の構成では、複数の流路が、特に乾式エッチングによって半導体材料中に形成されることが提唱されている。このため、本発明によれば、好ましくは、主に反応性イオンエッチング(RIE=反応性イオンエッチング、特にDRIE=深掘り反応性イオンエッチング)が使用される。複数の流路を有するヒーターの本発明の製造工程にとって、違法性エッチングが有益になる。当該違法性エッチングの場合、表面からほぼ垂直方向に半導体材料中にエッチングされる。
【0032】
後でさらに説明するように、本発明によれば、代わりに、湿式化学エッチングでエッチングされてもよい。この場合、エッチングが、好ましくは結晶方位の方向に実行される。この場合、複数の流路が形成され得る。これらの流路の長手断面は、矩形の外観を呈するのではなくて、むしろ台形の外観を呈する。
【0033】
特に、複数の流路を、それらの流入面からのとは違った方法で、それらの流出面からエッチングすることも可能である。この場合、完全に連続する流路が、両面から実行される貫通工程によって形成される。例えば、流出面から乾式エッチングされ、流入面から湿式エッチングされてもよい。
【0034】
反応性イオンエッチングの場合、主に半導体材料、すなわち特にウェハが、処理室内に、すなわち交流電圧で作動する電極上に置かれる。自由電子及び荷電イオンを含むプラズマが、当該処理室内にさらに供給されるガス中で衝突イオン化によって生成される。正の電圧半波が、電極に印加され得る。これにより、負に荷電された軽い電子が、高い負のバイアス電圧によって印加されている正の電極に蓄積する。何故なら、当該電子は、当該電子に対して必要な仕事関数に起因して当該電極からもはや遊離できないからである。さらに、より重くて高周波の半波に追従できない正に荷電されているイオンが、半導体材料が付設されている負に荷電されている電極に向かって移動する。これにより、当該イオンが、半導体材料を除去することによって、当該イオンは、当該半導体材料をエッチングする。当該エッチングは、物理エッチングと呼ばれる。さらに、フリーラジカルが材料と反応する化学エッチングが使用されてもよい。当該イオンの移動距離が、ガス圧力によって調整され得る。この場合、違法性エッチングが、より長い移動区間によって実行される。何故なら、当該イオンが、より長い移動区間上で半導体表面に対して直角の方向に移動され得るからである。当該プロセスガスは、例えば1〜100Paでもよい。この場合、好ましくは、例えば約4〜8Pa、好ましくは6Paのガス圧力が、違法性エッチングのために提唱され得る。
【0035】
本発明の方法の次の別の構成は、複数の流路が、半導体材料の両面から開始して通流可能に形成されることを特徴とする。半導体材料の厚さ部分の全体が、1つの表面だけから貫通エッチングされてもよい。しかし、これらの流路は、特に互いに対向する両面からエッチングされてもよい。この場合、それぞれの流路の推移が、異なる直径を有するように、例えば段差付けされて又はテーパー付けされるように、当該エッチングは、例えば異なる横断面寸法又は直径で当該両面から実行されてもよい。その結果、液体の方向付けされた通流及び/又は当該通流の配量が支援され得る。
【0036】
特に、複数の流路を通じて液体を移送させるための毛細管力が、使用すべき液体によって発生するように、これらの流路は細く形成される。好ましくは、これらの流路は、複数の微細流路であり、本発明によれば、特に微小電気機械システム(MEMS)によって製造される。
【0037】
したがって、特に、液体が、複数の流路内の毛細管力に起因して再移送可能であるように、ヒーターは形成されている。気化器ユニットを周期的に作動させるための本発明の方法では、最初に、液体が、安定な定常状態から気化される。初期状態に再び戻るまで、気化した液体を補充するため、後続する再充填段階では、液体が、毛細管力によって再通流する。加熱電圧の時間推移の制御が、この周期的な動作に適合され得る。当該再充填段階中の加熱要素の過熱を回避するため、例えば、当該加熱電圧が、当該再充填段階中に当該加熱要素に印加されるように、当該加熱電圧はパルス化され得る。
【0038】
温度分布を可能な限り均一にするため、より高い熱出力が、その相殺のためにより高い熱伝達を呈する領域内に印加されるように、ヒーターが有益に構成される必要がある。当該構成は、例えば当該ヒーターに形成された狭窄部及び/又は拡張部によって実現され得る。
【0039】
特に、ヒーター用の加熱電圧Uhの周波数及び/又はデューティー比が、複数の微細流路内で発生するガス気泡の振動の固有振動及び/又は固有周波数に適合され得る。このことは、例えば液体を配量式に又はポンプ式に能動的に気化させる物理法則とは違って、例えば芯組織を用いるように、気化が、液体を毛細管作用で受動的に移送させることによって実行されるという認識に基づく。特にヒーターに向かう液体の移送速度に依存する、均一で有害物質のない蒸気の生成を目的とする気化を最適化するため、当該移送速度が、これらの微細流路内の核沸騰中の気泡の発生の固有振動に適合されているように、当該ヒーターのための加熱電圧が有益にパルス化されて制御される。
【0040】
ヒーターの所定の仕様が、生産目標として予め設定されることによって、当該ヒーターのこのような構成が、既にその製造工程時に考慮されてもよく又は考慮される必要がある。
【0041】
20Hz〜200Hzの範囲内、好ましくは25Hz〜100Hzの範囲内、さらにいっそう好ましくは30Hz〜70Hzの範囲内で、例えば50Hzの好適な加熱周波数が、問題となる液体及び液体混合物の大部分を網羅することが分かっている。
【0042】
また、好ましくは、過熱を回避しつつ濃縮蒸気を保証するためには、加熱電圧Uhによって発生した最大加熱電流が、好ましくは7A未満にしなければならない。
【0043】
本発明によれば、ヒーターの流入面を流出面に通流可能に接続する多数の微細流路が、当該ヒーターに形成される。当該流入面は、好ましくは芯組織を介して液体タンクに通流可能に結合可能である。ヒーターの製造時に既に当該ヒーターに装着若しくは成形され得るか又はその他の適切な方法で当該ヒーターに結合され得る芯組織が、毛細管力によって液体を液体タンクからヒーターに受動的に移送するために使用され得る。
【0044】
この場合、毛細管として適したあらゆる形態の多孔性の構造、例えば多孔性のパッド又はフリースが、「芯」又は「芯組織」として認識され且つ使用され得る。多孔性のナノ構造をヒーターの流入面に特に直接に形成することも考えられる。
【0045】
微細流路の平均直径は、特に5μm〜200μmの範囲内にあり、さらに好ましくは30μm〜150μmの範囲内にあり、いっそうさらに好ましくは50μm〜100μmの範囲内にある。これらの寸法に起因して、毛細管作用が有益に発生する。その結果、微細流路が、液体で充填されるまで、流入面から微細流路内に浸入する液体が、微細流路を通じて上に向かって上昇する。ヒーターの多孔率と呼ばれ得るヒーターに対する微細流路の体積比は、例えば、10%〜50%の範囲内にあり、好ましくは15%〜40%の範囲内にあり、さらに好ましくは20%〜30%の範囲内にあり、例えば25%である。微細流路を有するヒーターの面の流路長さは、例えば0.5mm〜3mmの範囲内にある。微細流路を有するヒーターの面の寸法は、例えば、0.95mm×1.75mm、又は1.9mm×1.75mm又は1.9mm×0.75mmであり得る。ヒーターの辺の長さは、例えば0.5mm〜5mmの範囲内にあり、好ましくは0.75mm〜4mmの範囲内にあり、さらに好ましくは1mm〜3mmの範囲内にあり得る。ヒーターの面積(チップサイズ)は、例えば1mm×3mm又は2mm×3mmであり得る。ヒーターの幅は、好ましくは1mm〜5mmの範囲内にあり、さらに好ましくは2mm〜4mmの範囲内にあり、例えば3mmである。ヒーター60の高さは、好ましくは0.05mm〜1mmの範囲内にあり、さらに好ましくは0.1mm〜0.75mmの範囲内にあり、いっそうさらに好ましくは0.2mm〜0.5mmの範囲内にあり、例えば0.3mmである。
【0046】
微細流路の数は、好ましくは4〜1000の範囲内にある。こうして、微細流路内への熱入力が最適化され得て、保証された高い気化出力と十分に大きい蒸気流出面とが実現され得る。
【0047】
複数の微細流路が、正方形、長方形、多角形、円形、楕円形又はその他の別の形のアレイを成して配置され得る。当該アレイは、s個の列とz個の行とを有するマトリクスとして構成され得る。この場合、sは、好ましくは2〜50の範囲内にあり、さらに好ましくは3〜30の範囲内にあり、及び/又は、zは、好ましくは2〜50の範囲内にあり、さらに好ましくは3〜30の範囲内にある。こうして、保証された高い気化出力を有する効率的に且つ簡単に製造可能な複数の微細流路の配置が実現され得る。
【0048】
これらの微細流路の横断面は、正方形、長方形、多角形、円形、楕円形又はその他の別の形でもよく、及び/又は長手方向に部分的に変化してもよく、特に大きくしてもよく、小さくしてもよく又は一定のままでもよい。
【0049】
1つ又はそれぞれの微細流路の長さは、好ましくは100μm〜1000μmの範囲内にあり、さらに好ましくは150μm〜750μmの範囲内にあり、いっそうさらに好ましくは180μm〜500μmの範囲内にあり、例えば300μmである。こうして、最適な液体吸収及び配分(Portionsbildung)が、ヒーター60から微細流路62内への十分に良好な熱入力で実現され得る。
【0050】
2つの微細流路の間隔は、特に1つの微細流路の細径の1.3倍である。この場合、当該間隔は、2つの微細流路の中心軸線同士の間隔である。当該間隔は、1つの微細流路62の細径の好ましくは1.5〜5倍でもよく、さらに好ましくは2〜4倍でもよい。こうして、当該複数の微細流路内への最適な熱入力と、当該複数の微細流路の十分に安定な配置及び壁厚とが保証され得る。
【0051】
上記の特徴に起因して、ヒーターは、ブロックヒーター(Volumenheizer)とも呼ばれ得る。
【0052】
既に複数回言及したように、本発明の方法の場合、特に、複数の加熱要素が、1つのウェハ上に形成され、特にその後に、個々のヒーター又は一群のヒーターが、特にいわゆるダイとしてこのウェハから取り出されることが提唱されている。
【0053】
この場合、それぞれのヒーターは、好ましくは1つのウェハの厚さを有する。同時に、当該厚さは、このウェハを貫通する複数の流路の長さに相当する。1つのウェハの直径は、知られているように、より大きいウェハになる傾向にあり、例えば約100mm〜約450mmの範囲内にあり得る。ウェハが大きい程、より多くのヒーターが製造され得て、いずれにしても、1つのヒーターの単価が基本的により低い。これは、経済的に非常に重要である。何故なら、1つのヒーター又は一群のヒーターが、特にカートリッジ内の密封されているタンクシステム内に提供されなければならず、物質の消耗後に廃棄されるからである。したがって、この場合、当該ヒーターのために本発明にしたがって使用される材料には、当該材料が環境を損なわず、場合によっては再生利用され得るという利点がある。
【0054】
好ましくは1000μm未満、さらに好ましくは750μm、さらにいっそう好ましくは500μm未満の層厚を有するヒーター60が、薄膜技術によって、好ましくは1つのウェハの複数の部分から製造され得る。ヒーター60の表面は、好ましくは親水性でもよい。ヒーター60の流出面64は、好ましくは微細構造化されてもよく、又は複数の微細溝を有してもよい。
【0055】
1つのウェハの複数の領域(「ダイ」)が、1つ又は複数のヒーターを有するように、当該ヒーターのこれらの領域がほぼ完成された後に、当該ウェハは分割(「ダイシング」)され得る。
【0056】
一般に、このようなダイシングは、ソーイング、切削及び切断によって実行され得て、又はレーザー切断によって実行されてもよい。特に、ダイシングは、機械制御されて正確に実行され得る。DGB(「dice before grind」)法の場合、ウェハが、ダイの境界に沿って半分の深さまで切り込みを入れられ、次いでその切り込まれた側で保持テープに保持される一方で、当該ウェハは、その切り込まれていない裏面でその目標の厚さまでバックグラインドされて薄くされる。
【0057】
いわゆる「ステルス」ダイシング(商標)の場合、最初に、ダイの境界が、レーザーによって弱くされ、次いで破断される。好ましくはパルス動作される、特にNd:YAGレーザーが、レーザーとして使用され得る。1064nmの波長を1.11eV大きさの範囲内のシリコンの電子バンドギャップ又は1117nmに可能な限り良好に適合させるため、当該レーザーが、当該1064nmの波長で作動されることで、レーザーエネルギーが、レーザービームを集光することによって最大に吸収され得る。場合によっては複数回にわたって切り出すべきウィークライン(abzufahrende Schwaechungslinie)をダイの境界に沿って得るため、当該レーザーのパルス化が、例えば100kHzで実行され得て、ウェハが、例えば1m/sの速度で移動され得る。この場合、シリコンの数μmの小さい体積領域が、数ナノ秒内に約1000kに加熱され得る。
【0058】
不可欠ではないとしても、ドライダイシング、特に上記のステルスダイシングは、MEMSパターンを分離するために有益である。特に、当該ダイシングは、基本的に穿孔されたヒーターを本発明にしたがって提供する場合にも有益である。何故なら、いずれにしても脆い半導体材料が、ヒーター中に形成された複数の流路(孔)によって壊れやすくなっているからである。それ故に、慎重で且つ管理されたダイシングが推奨される。
【0059】
この点に関しては、エッチングが、ほとんど又は全く実行されずに、これらの流路が、半導体材料中にレーザーで形成され得ることが言える。代わりに、これらの流路は、半導体材料中に別の適切な方法で穿孔されてもよく、又は別の方法で機械式に形成されてもよい。
【0060】
本発明の方法の次の別の構成では、ヒーターが、主にベアダイ(いわゆる「ベアチップ」)として再利用されることが提唱されている。確かに、例えば個々のヒーター又は一群のヒーターが、漏れなしに密封されているタンクシステム内に組み込むために、いずれにしても包囲、例えば装着され得るものの、当該ヒーターは、気化器の機能に対して有益に機能するようなチップとして露出している。
【0061】
本発明にしたがって製造されたヒーターは、独立請求項に記載されている。
【0062】
本発明にしたがって多数のヒーター又はヒーターとして適した複数の要素若しくは複数の領域を有する半導体材料から成るウェハは、特にサブアセンブリーとして同様に独立請求項に記載されている。
【0063】
以下に、本発明を好適な実施の形態に基づいて添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の方法にしたがって製造されたヒーターの実施の形態の斜視図である。
【図2】図1によるヒーターの製造工程の少なくとも部分的に異なる任意の段階を示す。
【図3】図1によるヒーターの製造工程の少なくとも部分的に異なる任意の段階を示す。
【図4】図1によるヒーターの製造工程の少なくとも部分的に異なる任意の段階を示す。
【図5】図1によるヒーターの製造工程の少なくとも部分的に異なる任意の段階を示す。
【図6】図1によるヒーターの製造工程の少なくとも部分的に異なる任意の段階を示す。
【図7】ヒーターの流出面を上から見たときの加熱要素の異なる実施の形態を示す。
【図8】ヒーターの流出面を上から見たときの加熱要素の異なる実施の形態を示す。
【図9】ヒーターの流出面を上から見たときの加熱要素の異なる実施の形態を示す。
【図10】ヒーターの流出面を上から見たときの加熱要素の異なる実施の形態を示す。
【図11】ヒーターの流出面を上から見たときの加熱要素の異なる実施の形態を示す。
【図12】生物学的な構造の微小繊維の概略横断面図である。
【図13】図12による微小繊維から構成された生物工学的な加熱構造を示す。
【図14】本発明の気化器ユニットの斜視横断面図である。
【図15】本発明の気化器ユニットの概略横断面図である。
【図16】気化器ユニットの斜視断面図である。
【図17】電子たばこ製品の簡単な実施の形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1は、本発明の方法にしたがって製造されたヒーターの実施の形態の斜視図を示す。ヒーター1の一方の表面が示されている。ヒーター1の複数の金属接点及び複数の微細流路が、この表面からアクセス可能である一方で、ヒーター1の他方の表面は認識不可能である。ヒーター1のこれらの微細流路の選択された流出面は、吸入器内でほぼ露出している。
【0066】
ヒーター1は、その中央の領域内に多数の微細流路を含む領域2を有する半導体チップとして存在する。これらの微細流路が、このヒーターを液体透過性に貫通している。これらの微細流路の直径が、図1の描写では十分な解像度で認識できない程度に、これらの微細流路の直径は小さい。ヒーター1の縁領域内では、パターン化された金属層から形成された電気接点4を認識することができる。これらの接点4は、例えばエッジコネクタとして、別の電気装置と電気接続するために当該別の電気装置、特に吸入器の制御装置のコネクタホルダ内に差し込まれ得る。
【0067】
図2〜6は、図1によるヒーターの製造工程の少なくとも部分的に異なる任意の段階を示す。図2〜6には、異なる段階にあるウェハの層の構造をそれぞれ認識できる基本的な複数のステップがそれぞれ、半導体材料から成る、特にシリコンから成るウェハの一部によって示されている。
【0068】
図2では、最初に、基本的な半導体材料5を認識することができる。しかし、図2に示された第1段階では、少なくとも1つの絶縁層6が、この半導体材料5の上面と下面とにそれぞれ被覆されている。この絶縁層又はこれらの絶縁層6は、例えば窒化けい素及び/又は酸窒化けい素から形成され得る。
【0069】
窒化けい素(Si)は、アモルファス半導体材料である。当該アモルファス半導体材料には、別の半導体に比べて、当該アモルファス半導体材料は非導電性であり、窒化けい素の層中の「電流リーク」時に、荷電キャリアが流出しないという利点がある。
【0070】
別の又はその他の絶縁層6は、熱酸化物から形成されてもよい。
【0071】
窒化けい素は、特にLPCVD(低圧化学気相成長)処理によって減圧して被覆され得て、例えば約900℃の処理温度で、例えば約100nmの層厚で被覆され得る。熱酸化物は、例えば約400nmの層厚で形成され得る。
【0072】
図3には、第2段階が示されている。この第2段階では、層のポリシリコン7が、ウェハ上に被覆される。同様に、当該被覆は、LPCVD処理によって実行され得る。当該ポリシリコンは、均一に(in−situ)ドープされてもよく、特にnドープされてもよく、好ましくは燐でドープされてもよい。処理温度は、例えば約580℃になり得る。当該ポリシリコンの層厚は、例えば約2μmになり得るが、特にこれよりも大きくてもよい。体積抵抗率は、例えば約7.5×10−6Ω・mに(又は特にこれよりも小さく)なり得る。その後に、加熱工程が、特に窒素雰囲気下で、例えば約1050℃で、例えば30分間実行される。
【0073】
図4は、本発明で可能な製造方法の第3段階を示す。ウェハのリソグラフィー工程が、第1マスクを用いて、特にフォトレジストによって実行される。当該リソグラフィー工程の場合、複数の微細流路8が、当該ウェハの上面から当該ウェハ中にエッチングされる。最初に、これらの微細流路8は、当該ウェハ中に向かってほぼ垂直にその途中だけまで達する。特に、これらの微細流路8は、この第1エッチングステップで(以下のそれぞれの層が存在する場合に)当該ポリシリコン層と当該窒化けい素層と当該熱酸化物層とを貫通し、当該シリコンの約2〜20μmの深さまでエッチングされ得る。これらの微細流路8は、それらの下端部で残りのシリコンの層厚と下の絶縁層6とによって依然として密封されている。これらの微細流路8はそれぞれ、ヒーター1が形成されなければならない当該ウェハ中の領域内に形成される。当該エッチングは、特にドライエッチングとして実行され、好ましくは反応性イオンエッチング(RIE)として実行される。オプションとして、酸化処理が、エッチストップとして及び、パッシベーションのために実行されてもよい。
【0074】
図5は、製造工程における次のオプションの段階を示す。この段階では、第2マスクと第2リソグラフィー工程とによって、例えばアルミニウムから成る複数の電気接点9が、特に「スパッタリング」によってウェハ上に選択的に被覆される。その後に、さらなる加熱が、例えば約450℃で、例えば30分間実行され得る。
【0075】
ただし、基本的には、図4及び5による段階は、反対の時間順序で実行されてもよい。すなわち、複数の微細流路8が、ウェハ中にエッチングされる前に、最初に、複数の電気接点9が、ポリシリコン層7上に被覆され得る。これらの電気接点は、スパッタリングの代わりにプレーティングによって被覆されてもよく、したがって例えば金属化学蒸着によって被覆されてもよい。このため、例えばクロム及び/又は金及び/又はこれらの合金が考慮される。特に、抵抵抗で、容易にはんだ付け可能な接点が考慮され得る。複数の電気接点が、例えば約500nmの層厚で被覆されてもよい。
【0076】
図6には、製造のさらなる段階が示されている。最初に、保護層が、複数の接点9上に被覆されてもよい。しかし、ヒーター1ごとに、例えば1つの大きい中心開口部によってシリコン5の残りの材料を除去するため、すなわち複数の微細流路8の依然として密封されている端部を、液体を通過させるために開口するため、新たなリソグラフィー工程が、第3マスクによって背面又は下面から実行されることによって、ウェハが、主に当該背面又は下面から処理される。この場合、既に上述したように、これらの微細流路は、当該ウェハの上面にあるこれらの微細流路8の開口部とは違う横断面を有してもよい。当該材料の除去は、同様にエッチングによって、特に反応性イオンエッチング及び/又は深掘り反応性イオンエッチングによって実行される。この場合、深掘り反応性イオンエッチングは、シリコン材料又はその他の最初のウェハ材料に対して使用され得る一方で、酸化層が、エッチストップとして予め被覆されてある場合は、好ましくは反応性イオンエッチングが、当該酸化層を貫通するために使用される。
【0077】
(図に詳しく示されていない)次の段階として、個々のヒーター1又はヒーター群が、ウェハから分離され得る(「ダイシング」)。接点9の保護層が、予め被覆されている場合は同様に除去されてもよい。
【0078】
これにより、原理的には、当該ヒーターは完成されていて且つ正常に機能する。流体又は液体が、タンクから複数の微細流路8を通じてこれらの微細流路8の流入面から流出面に向かって移送され得て、このときにヒーター1のドープされた半導体材料の電気抵抗加熱によって加熱され得て、エアロゾルを生成するために気化され得る。この場合、これらの微細流路8は、好ましくは毛細管式に作用するが、適切な種類のポンプ移送が考慮されてもよい。毛細管式の微細流路8の場合、これらの微細流路8は、原理的にはタンクの液体表面上に直接に当接されてもよい。しかし、フリース、芯、多孔性材料等の使用が、特に境界面領域内で液体を移送するために考慮されてもよい。それどころか、多くの場合、当該フリース、芯、多孔性材料等の使用は、ヒーター1による液体の均一な分布及び加熱にとって非常に有益である。いずれにしても、漏洩を防いだ液体移送に寄与し得る。
【0079】
本発明にしたがって製造されたヒーターは、「剥き出しで」使用され得るものの、当然に、液体移送に影響を及ぼすことなしに、又は漏洩の防止を損なうことなしに、当該ヒーターを適切な方法でラップすること、例えば当該ヒーターをポリマー層に接合することも可能である。
【0080】
図7〜11、特に図9から分かるように、ヒーター1の流出口68が、先行する図面とは違って好ましくは縦長に又はスリット形に形成され得る。すなわち、流出口68は、その幅Bよりも好ましくは少なくとも1.5倍だけ、さらに好ましくは少なくとも2倍だけ、さらに一層好ましくは少なくとも2.5倍だけ大きくてもよい。流出口68は、異なって、例えば円形に、正方形に又は多角形に形成されてもよい。
【0081】
ここで例示されたヒーターの加熱要素65は、好ましくは負の抵抗係数を有するNTC材料から成る。特に加熱要素65の抵抗を測定するための装置72が、電子装置19内に設けられている。電子装置19は、好ましくは、抵抗測定装置72又は図示されていないTセンサ又は隣接する加熱要素によって加熱要素65の温度制御又は温度調整を実行できる。
【0082】
好ましくは、例えば約0.3mm〜1mmの厚さのシリコン基板が、ヒーター用の材料として使用される。このときに流路62を形成する当該シリコン基板内の流出口68が、円錐形状に延在するように、当該流出口68は、100ウェハを使用する場合に、例えば水酸化カリウム(KOH)を用いた湿式化学エッチングによって形成され得る。その結果、下流の流れ抵抗が小さくなり、したがって、放出可能な蒸気量が大きくなる。既に冒頭で述べたように、この湿式エッチングは、好ましくはヒーターの流入面から実行され得る一方で、乾式エッチングは、例えば流出面からが有益であり、流出面から実行され得る。
【0083】
しかしながら、チップ寸法を小さく維持するためには、1つの流出口を複数の垂直壁によって形成することが有益であり得る。この流出口の場合、流路62の横断面が、流入面61から流出面64に向かって一定のままである。当該一定の横断面は、110ウェハの乾式エッチング又はKOHエッチングによって達成され得る。
【0084】
加熱要素65は、適切な導電性材料、特にポリシリコンから成る好ましくは0.5μm〜10μmの厚さから成る。基礎となる半導体材料と加熱要素65とが、熱及び/又は電気絶縁層74によって互いに分離され得る。当該構成は、図2〜6の層7,5及び6に相当する。
【0085】
毛細管作用は、好ましくは液体流路62内に設けられている移送装置及び/又は流量制御装置によって支援され得る。この場合、当該移送装置及び/又は流量制御装置は、特にポンプ、弁及び/又はエレクトロウェッティングに基づく装置でもよい。
【0086】
気化周期の周期長は、特に20ms〜200msの範囲内にあり得る。その結果、使用者は、当該気化をパルス状でないと感じ、対応する数の周期が、喫煙ごとに又は吸引ごとに経過し得る。代わりに、例えば約2秒間の一周期が、喫煙又はパフ若しくは吸引として使用されるように、気化制御が実行されてもよい。一般に、当該加熱電圧Uhは、特に1Hz〜10kHzの範囲内のパルス周波数でパルス状にされている。
【0087】
十分に高い毛細管力による液体の流出を回避するため、加熱要素65によって制限される細い流出口幅は、好ましくは約10μm〜500μmの寸法を有する。
【0088】
液体を気化させるための目標温度は、一般に100℃〜400℃の範囲内にある。
【0089】
ヒーターは、特に微小電気機械システム(MEMS)の部品であり、特にクリーンルーム技術で製造され、流出口68及び加熱要素65の所定の幾何構造を有する。
【0090】
均一な温度分布が、加熱要素65にわたって発生するように、当該加熱要素65の幾何構造は有益に構成されている。このため、増大した熱電力が、増大した熱損失の個所で、特に電気抵抗を局所的に減少させることによって調整されるように、加熱要素65の局所的な横断面が変更されてもよい。
【0091】
加熱要素65の異なる好適な実施の形態が、図7〜11に上から見た正面図でそれぞれ示されている。
【0092】
図7による実施の形態では、開口部68の長手方向に対して縦長に平行に整合された1つの中央ウェブ80が形成されているように、ハッチングして示された加熱要素65が、長手方向にスリット形の開口部68にわたって配置される。このウェブ80は、ヒーターにあるスリット68の長手側の両側に沿って、ウェブ80の長手方向に分散している多数の横延在部81を介して、開口部68の縁部に結合されている。こうして、多数の供給口79が形成されている。この場合、それぞれ1つの供給口79が、当該ウェブ80と2つの横延在部81と当該開口部68の開口縁部の一部とによって形成されている。1つの供給口79の開口幅は、約10μm〜0.2mmの範囲内にある。ウェブ80の幅と横延在部81の幅とは、主に加熱要素65の材料に依存する。当該幅は、好ましくは約5μm〜0.1mmの範囲内にある。
【0093】
これらの供給口79自体は、図14〜16に示された流路の代わりとなる流路62とみなされてもよい。一般に、本発明のヒーターの別の構成では、流出路の数K1、貫通開口部の数K2及び/又は貫通孔の数K3が互いに相違することが考えられ、及び/又は、ただ1つの貫通開口部及び/又はただ1つの貫通孔が、つまり特に場合によっては流入口及び/又は流出口として、特にK1以下のグループ数G1を有する一群の流出路に割り当てられていることが考えられる。
【0094】
当該流出路、貫通開口部及び/又は貫通孔は、同じか又は互いに異なる流出横断面を有し得る。当該流出路、特に微細流路の数K1、当該貫通開口部の数K2及び/又は当該貫通孔の数K3は、互いに相違し得る。特に、K1は、K2よりも大きくてもよく、及び/又はK3よりも大きくてもよい。K2は、K3よりも大きくてもよい。ただ1つの貫通開口部及び/又はただ1つの貫通孔が、特にK1以下のグループ数G1を有する一群の流出路/微細流路に割り当てられ得る。この貫通開口部及び/又はこの貫通孔の横断面は、当該一群の流出路/微細流路の横断面に適合されていて、特に当該一群の流出路/微細流路の横断面に一致するか又はこれを超える。こうして、必要に応じて、一群の複数の流路が、より少ない数の貫通開口部によって、特に選択的に閉鎖及び/又は開放され得て、より簡単な製造が実現され得る。こうして、液体を供給するため及びより簡単な製造のため、一群の複数の流路が、より少ない数の貫通孔によって実現され得る。共通の1つの貫通開口部及び/又は共通の1つの貫通孔が、例えば3〜10グループ数G1を有する一群の流路に割り当てられ得る。この場合、この貫通開口部及び/又はこの貫通孔は、3本〜10本の流路に当接する。
【0095】
横延在部81が、熱を放出するので、ウェブ80と横延在部81との合流箇所が、2つの横延在部81間のウェブ80の中央よりも低温である。この影響は、ウェブ80と横延在部81との合流箇所の狭窄部によって、及び/又は2つの横延在部81間の長手方向のウェブ80の拡張部83によって相殺され得る(図8参照)。狭窄部82の領域内の増大した電流密度に起因して、より多くの熱が、狭窄部82で生成される。その結果、増大した熱損失が補償される。
【0096】
加熱要素65が蛇行状に形成されている別の好適な実施の形態が、図9に示されている。開口部68の開口部縁部との合流箇所での増大した別損失が、説明したように狭窄部82又は拡張部83によって補償され得る(図10参照)。
【0097】
別の実施の形態が、図11に示されている。半導体材料中の1つの大きい開口部が、加熱要素65を形成する加熱材料から成る層によって覆われる。この層内には、約10μm〜0.5mmの範囲内の直径を有する多数の小孔71が、蒸気を放出するための供給口79として存在する。
【0098】
図7,11及び13は、加熱電圧Uhを加熱要素65に印加するためにこの加熱要素65に接続されている電極84を示す。
【0099】
加熱要素65は、電熱線の形態又は別の適切な形態を成し得る。測定装置72を用いた加熱要素65の抵抗の測定は、加熱要素65の温度を測定するために使用され、場合によっては作動電流Ih又は作動電圧Uhを適合させることによって加熱要素65を調整するために使用される。当該温度測定は、ヒーターの全体にわたって実行され得るか又は一部分だけにわたって実行され得る。したがって、2つの横延在部81(図7)間又は2つの蛇行巻線(図9)間の電圧の測定による電流供給時に、局所抵抗、すなわち局所温度が測定され得る。
【0100】
加熱要素65の複数の別の実施の形態が、図12及び13に示されている。発熱体85を有する加熱要素65の形は、特に木質繊維細胞又は導管中の微小繊維として見て取れる生物学的な構造を模している(図12参照)。複数の発熱体85間の流路86の好適な寸法、すなわち隣接した複数の加熱構造体85間の自由間隔は、10μm〜0.5mm、さらに好ましくは15μm〜150μmの範囲内にある。
【0101】
複数の導電部87によって互いに直列接続され得る適切に形成され且つ離間した複数の加熱要素65を有する生物学的な加熱構造体が、図13に示されている。図13Aは、加熱要素65の領域内の抜き取られた拡大図である。図13及び13Aで分かるように、複数の加熱要素65又は複数の加熱要素幾何構造体をネット状に適切に結合することによって、表面を広く覆う密な表面構造が得られる。その結果、液体の非常に速くて且つ効率的な気化が可能になる。
【0102】
本発明の気化器ユニット20の複数の別の好適な実施の形態が、図14及び15に異なる横断面で示されている。
【0103】
気化器ユニット20は、ブロック状の、好ましくは一体構造の、導電材料、特に半導体材料、好ましくはシリコンから成るヒーター60を有する。ヒーター60の全体が、導電材料から成る必要はない。例えば、ヒーター60の表面が、導電性に、例えば金属で被覆されているか又は特に適切にドープされていることで十分である。この場合、全ての表面が被覆される必要はなく、例えば、金属の導電路又は非金属の導電路又は非金属で積層された金属の導電路が、非導電性又は半導電性の基体上に設けられてもよい。ヒーター60の全体が加熱されることは必ずしも必要でない。例えば、流出面64の領域内のヒーター60の一部又は加熱層を加熱するだけで十分である。
【0104】
ヒーター60は、液体を導くようにこのヒーター60の流入面61を流出面64に接続する複数の微細流路62を有する。流入面61は、液体を導くように芯組織19を介して液体タンク18に接続されている。芯組織19は、毛細管力によって液体を液体タンク18からヒーター60に受動的に送る役割をする。
【0105】
微細流路62の平均直径は、特に5μm〜200μmの範囲内にあり、さらに好ましくは30μm〜150μmの範囲内にあり、いっそうさらに好ましくは50μm〜100μmの範囲内にある。これらの寸法に起因して、毛細管作用が有益に発生する。その結果、微細流路62が、液体で充填されるまで、流入面61から微細流路62内に浸入する液体が、微細流路62を通じて上に向かって上昇する。ヒーター60の多孔率と呼ばれ得るヒーター60に対する微細流路62の体積比は、例えば、10%〜50%の範囲内にあり、好ましくは15%〜40%の範囲内にあり、さらに好ましくは20%〜30%の範囲内にあり、例えば25%である。微細流路62を有するヒーター60の面の流路長さは、例えば0.5mm〜3mmの範囲内にある。微細流路62を有するヒーター60の面の寸法は、例えば、0.95mm×1.75mm、又は1.9mm×1.75mm又は1.9mm×0.75mmであり得る。ヒーター60の辺の長さは、例えば0.5mm〜5mmの範囲内にあり、好ましくは0.75mm〜4mmの範囲内にあり、さらに好ましくは1mm〜3mmの範囲内にあり得る。ヒーター60の面積(チップサイズ)は、例えば1mm×3mm又は2mm×3mmであり得る。ヒーター60の幅は、好ましくは1mm〜5mmの範囲内にあり、さらに好ましくは2mm〜4mmの範囲内にあり、例えば3mmである。ヒーター60の高さは、好ましくは0.05mm〜1mmの範囲内にあり、さらに好ましくは0.1mm〜0.75mmの範囲内にあり、いっそうさらに好ましくは0.2mm〜0.5mmの範囲内にあり、例えば0.3mmである。さらに、より小さいヒーターが、本発明にしたがって製造され、機能的に作動されてもよい。
【0106】
微細流路62の数は、好ましくは4〜1000の範囲内にある。こうして、微細流路62内への熱入力が最適化され得て、保証された高い気化出力と十分に大きい蒸気流出面とが実現され得る。
【0107】
図14において見て取れるように、複数の微細流路62が、正方形、長方形、多角形、円形、楕円形又はその他の別の形のアレイを成して配置されている。当該アレイは、s個の列とz個の行とを有するマトリクスとして構成され得る。この場合、sは、好ましくは2〜50の範囲内にあり、さらに好ましくは3〜30の範囲内にあり、及び/又は、zは、好ましくは2〜50の範囲内にあり、さらに好ましくは3〜30の範囲内にある。こうして、保証された高い気化出力を有する効率的に且つ簡単に製造可能な複数の微細流路62の配置が実現され得る。
【0108】
これらの微細流路62の横断面は、正方形、長方形、多角形、円形、楕円形又はその他の別の形でもよく、及び/又は長手方向に部分的に変化してもよく、特に大きくしてもよく、小さくしてもよく又は一定のままでもよい。
【0109】
1つ又はそれぞれの微細流路62の長さは、好ましくは100μm〜1000μmの範囲内にあり、さらに好ましくは150μm〜750μmの範囲内にあり、いっそうさらに好ましくは180μm〜500μmの範囲内にあり、例えば300μmである。こうして、最適な液体吸収及び配分(Portionsbildung)が、ヒーター60から微細流路62内への十分に良好な熱入力で実現され得る。
【0110】
2つの微細流路62の間隔は、特に1つの微細流路62の細径の1.3倍である。この場合、当該間隔は、2つの微細流路62の中心軸線同士の間隔である。当該間隔は、1つの微細流路62の細径の好ましくは1.5〜5倍でもよく、さらに好ましくは2〜4倍でもよい。こうして、当該複数の微細流路内への最適な熱入力と、当該複数の微細流路の十分に安定な配置及び壁厚とが保証され得る。
【0111】
上記の特徴に起因して、ヒーター60は、ブロックヒーター(Volumenheizer)とも呼ばれ得る。
【0112】
気化器ユニット20は、特に制御機構部15によって制御可能な加熱電圧源71を有する。当該加熱電圧源71は、ヒーター60の対向する両面の複数の電極72を介してこのヒーター60に接続されている。その結果、加熱電圧源71から発生した電圧Uhが、電流をヒーター60に通電させる。導電性のヒーター60のオーミック抵抗に起因して、当該通電は、ヒーター60を加熱し、それ故に複数の微細流路62内に含まれている液体を気化させる。したがって、ヒーター60は、気化器として作用する。こうして発生した蒸気/エアロゾルが、これらの微細流路62から流出面64に向かって放出し、気流34が混入される(図17参照)。喫煙者の吸引によって引き起こされた空気通路30を通じた気流34の確認時に、制御機構部15が、加熱電圧源71をより正確に制御する。この場合、自動的な加熱によって、これらの微細流路62内に存在する液体が、蒸気/エアロゾルとしてこれらの微細流路62から放出される。
【0113】
ステップごとの気化が、喫煙者によって監視されないにもかかわらず、エアロゾルが、ほぼ均一に、心地よい風味で、繰り返し可能に、正確に生成されることが保証されるように、液体の個々の部分の個々の成分の温度及び/又は気化が異なる場合でも、個々の気化ステップの期間が、短く保持され得て、及び/又は、当該個々の気化ステップが、1つの制御周波数によって制御され得る。特に、好ましくは最初に、液体のより容易に沸騰する成分が、第1気化期間中に第1温度Aで気化され、次いで、当該液体のより高温で沸騰する成分が、第2気化期間中に温度Aを超える第2温度Bで気化される。
【0114】
ヒーターは、例えば圧接接点、ばね接点又は圧着接点によって、場合によっては漏洩保護に対する密封効果を支援するために、及び/又はワイヤボンディング若しくははんだ付けによって電子結合又は電気結合され得る。
【0115】
特に、使用される液体混合物に適合された電圧曲線Uh(t)が、吸入器10のデータメモリ内に記憶されている。当該記憶は、電圧曲線Uh(t)を使用される液体に適合されるように予め設定することを可能にする。その結果、ヒーター60の加熱温度と、毛細管状の微細流路62の温度とが、それぞれの液体の既知の気化特性にしたがって気化工程にわたって時間制御され得る。これにより、最適な気化結果が入手可能である。気化温度は、特に100℃〜400℃、さらに好ましくは150℃〜350℃、いっそうさらに好ましくは190℃〜290℃の範囲内にある。
【0116】
多孔性で及び/又は毛細管状で液体透過性の芯組織19が、ヒーター60の流入面61に配置されている。図14及び図15で分かるように、芯組織19は、ヒーター60の流入面61に平面状に接触し、流入面側で全ての微細流路62を覆う。当該芯組織は、ヒーター60に対向する面で液体タンク18に液体透過性に接合されている。図14及び15に示された芯組織19に対する液体タンク18の直接の接合は、一例に過ぎない。特に、1つの液体インターフェース及び/又は複数の液体管路が、液体タンク18と芯組織19との間に設けられてもよい。それ故に、液体タンク18は、芯組織19から離間して配置されてもよい。液体タンク18の寸法が、芯組織19よりも大きくできる。芯組織19は、例えば、液体タンク18のハウジングの開口部内に嵌入されてもよい。複数の気化器ユニット20が、1つの液体タンク18に割り当てられてもよい。
【0117】
微細流路62の無流通と、このことから発生する問題とを回避するため、芯組織19は、多孔性及び/又は毛細管状の材料から成る。当該材料は、ヒーター60から気化する液体を、毛細管作用によって液体タンク18からヒーター60に十分な量で受動的に送ることができる。
【0118】
芯組織19に通流する液体の望ましくない加熱を回避するため、芯組織19は、好ましくは絶縁性材料から成る。芯組織19は、好ましくは、材料である綿、セルロース、アセテート、ガラス繊維織物、ガラス繊維セラミック、焼結セラミック、セラミックペーパー、アルミノシリケートペーパー、発泡金属、海綿状金属、適切な移送速度を呈するその他の耐熱性の材料、多孔性の材料及び/又は毛細管状の材料のうちの1つ以上の材料、又は前述の材料のうちの2つ以上の材料から成る複合構造から構成される。実際の好適な実施の形態では、芯組織19は、少なくとも1つのセラミックペーパー及び/又は多孔性セラミックを含み得る。芯組織19の体積は、好ましくは1mm〜10mmの範囲内にあり、さらに好ましくは2mm〜8mmの範囲内にあり、さらにいっそう好ましくは3mm〜7mmの範囲内にあり、例えば5mmである。
【0119】
芯組織19が、伝導性の材料から成る場合(このことは排除されない)、好ましくは、電気及び/又は熱絶縁材料、例えばガラス、セラミック又は合成樹脂から成る絶縁層が、この絶縁層にわたって延在し、複数の微細流路62に対応する複数の貫通開口部を伴って芯組織19とヒーター60との間に設けられている。
【0120】
芯組織19の材料中の複数の孔又は複数の毛細管のサイズは、好ましくは所定の規則に従う。したがって、ヒーター60に対する接触領域35,61内の芯組織19の複数の孔又は複数の毛細管の平均孔サイズ/毛細管サイズDwは、好ましくは最小であり、すなわちDw=Pminであり(図5,6参照)、及び/又は好ましくは、2つの微細流路62同士の最小間隔Dpよりも、好ましくは少なくとも2倍だけ、さらに好ましくは少なくとも5倍だけ小さく、すなわちDw≪Dpである(図4)。さらに、ヒーター60に対する接触領域35,61内の芯組織19の複数の孔又は複数の毛細管の平均孔サイズ/毛細管サイズDwは、好ましくは、1つの微細流路62の最小の細径よりも、好ましくは少なくとも2倍だけ、さらに好ましくは少なくとも5倍だけ小さく、すなわちDw≪Dpwである。
【0121】
ヒーター60から芯組織19及び/又は液体タンク18内への気泡を含む液体の望まない逆流を回避するため、ヒーター60に対する接触領域35,61内の芯組織19は、液体を均一に分散させ、耐熱性を呈し、当該芯組織19の比較的小さい孔及び/又は細い毛細管によって或る種の逆止弁を形成する役割をする。
【0122】
図15による実施の形態では、芯組織19は、例えば2つの平板層35,36、すなわちヒーター60の流入面61に平面状に密接し、この流入面61に接触する芯層35と、この芯層35に隣接する、液体タンク18に液体透過性に接合されていて且つより離れた芯層と呼ばれ得る芯層36とを有する。
【0123】
接触層35は、ほぼ一定の孔サイズ/毛細管サイズ分布を呈し、2つの微細流路62同士の最小間隔Dpよりも著しく小さく、1つの微細流路62の最小の細径Dpwよりも著しく小さい(Dw≪Dp,Dpw)ほぼ一定の平均孔サイズ/毛細管サイズDwを有する。
【0124】
より離れた芯層36は、ほぼ一定の孔サイズ/毛細管サイズ分布を呈し、接触層35の平均孔サイズ/毛細管サイズDwよりも著しく大きく(Dw′>Dw)、しかし好ましくはDp及び/又はDpwよりも依然として小さい(Dw′<Dp,Dpw)ほぼ一定の平均孔サイズ/毛細管サイズDw′を有する。
【0125】
好適な実際の実施の形態では、接触層35は、例えば繊維ペーパー層若しくはセラミックペーパー層でもよく、及び/又は、層36は、多孔性のセラミックでもよい。
【0126】
当然に、芯組織19は、2つよりも多い芯層35,36,…を有してもよい。2つよりも多い芯層35,36,…の場合でも、当該平均孔サイズ/毛細管サイズは、ヒーター60に対する間隔が減少するにつれて、好ましくは単調に(すなわち、芯層から芯層にかけて)より小さくなるか、及び/又は同じままであり、それ故にどんな場合でも減少しない。
【0127】
図14による実施の形態では、芯組織19は、ヒーター60に対する間隔dが減少するにつれて、当該平均孔サイズ/毛細管サイズが単調に小さくなる1つの層だけから成る。
【0128】
全ての実施の形態では、希望した孔サイズ/毛細管サイズの勾配が、最適に調整され得て、ヒーター60に向かう液体の流れが、緩やかになり且つ均一にされる。
【0129】
ヒーター60に対する間隔が減少するにつれて、芯組織19内の平均孔サイズ/毛細管サイズが、当該ヒーターの流入面61に対して垂直方向に、すなわちヒーター60と芯組織19との間の接触面に対して垂直方向に、又は微細流路62の延在方向に対して平行に図示されたように減少する。これに対して、ヒーター60に対して同じ間隔dを成す1つの層内では、液体が、ヒーター60の全ての微細流路62に均一に供給されるように、芯組織19内の平均孔サイズ/毛細管サイズは、好ましくは一定である。
【0130】
好ましくは、微細流路62の長手軸線が、層19,35,36に対して直角に配置されているか、又は任意の積層に対して共通に配置されている。こうして、ヒーター60から微細流路62内への最適な熱入力が実現され得る。
【0131】
好ましくは1000μm未満、さらに好ましくは750μm、さらにいっそう好ましくは500μm未満の層厚を有するヒーター60が、薄膜技術によって、好ましくは1つのウェハの複数の部分から製造され得る。ヒーター60の表面は、好ましくは親水性でもよい。ヒーター60の流出面64は、好ましくは微細構造化されてもよく、又は複数の微細溝を有してもよい。
【0132】
液体が、好ましくは1μl〜10μl、さらに好ましくは2μl〜10μl、さらにいっそう好ましくは3μl〜5μlの範囲内で、一般には4μlで喫煙者の吸引ごとに添加されるように、気化器ユニット20は調整されている。好ましくは、気化器ユニット20は、吸引ごとの液体量/蒸気量に関して、すなわち1秒〜3秒の吸引期間ごとの液体量/蒸気量に関して調整可能でもよい。
【0133】
以下に、気化工程のシーケンスを説明する。
【0134】
初期状態では、加熱工程用の電圧源71(図16;図17の蓄電部14も参照)は停止されている。
【0135】
液体50を気化させるため、ヒーター60用の電圧源71が起動される。この場合、ヒーター60内と微細流路82内との気化温度が、使用される液体混合物の個々の気化挙動に適合されているように、電圧Uhが調整される。その結果、局所的な過熱の危険と、当該加熱による有害物質の発生とが回避される。
【0136】
特に、本発明によれば、液体混合物の望まない分別気化(differentiellen Verdampfung)も低減若しくは回避され得るか、又は、当該分別気化が回避され得る。さもなければ、液体の容器が、完全に空になる前に 液体混合物が、異なる沸点に起因して、気化過程、特に「パフ」の進行の途中で複数の成分を早めに失い得る。その結果、特に薬剤的に作用する液体の場合、引き続く喫煙動作時に、望ましくない影響が、喫煙者に及ぼされ得る。
【0137】
微細流路62の容積に相当するか又は当該容積に関連する液体量が気化した直後に、加熱電圧源14,71が停止される。好ましくは、液体特性及び液体量が、正確に既知であるので、この時点は、非常に正確に制御され得る。それ故に、気化器ユニット20のエネルギー消費が、公知の装置に比べて減少され得る。何故なら、必要な気化エネルギーが、配量され得て、したがってより正確に生成され得るからである。 当該加熱工程の終了後に、微細流路62が、ほぼ又は完全に空にされる。このとき、当該微細流路62が、芯組織19を通じた液体の供給によって再び充填されるまで、加熱電圧源14,71が停止されたままである。当該微細流路62が、芯組織19を通じた液体の供給によって再び充填されると、その次の加熱サイクルが、加熱電圧源14,71を起動することによって開始され得る。
【0138】
一般に、加熱電圧源14,71によって生成されたヒーター60の制御周波数は、好ましくは1Hz〜50Hzの範囲内にあり、好ましくは30Hz〜30kHzの範囲内にあり、いっそうさらに好ましくは100Hz〜25kHzの範囲内にある。
【0139】
ヒーター60用の加熱電圧Uhの周波数及びデューティー比が、好ましくは、バルク沸騰(Blasensierung)中の気泡振動(Blasenschwingung)の固有振動又は固有周波数に適合されている。好ましくは、当該加熱電圧の周期1/fは、それ故に5ms〜50ms、さらに好ましくは10ms〜40ms、さらにいっそう好ましくは15ms〜30msの範囲内でもよく、例えば20msでもよい。気化した液体の組成に応じて、上記の周波数とは違う周波数が、当該気泡振動の固有振動又は固有周波数に適合されてもよい。
【0140】
さらに、過熱を回避しつつ濃縮蒸気を保証するためには、加熱電圧Uhによって発生した最大加熱電流が、好ましくは7A未満、さらに好ましくは6.5A未満、さらにいっそう好ましくは6A未満にしなければならず、最適には4A〜6Aの範囲内にしなければならないことが分かっている。
【0141】
液体が、常に十分に移送され得て、ヒーター60の前方の領域での当該液体の欠乏が回避されるように、芯組織19の移送速度が、ヒーター60の気化速度に最適に適合されている。
【0142】
さらに、この点に関して、当該気化器システムは、電圧制御による代わりに電流制御によっても制御され得ることを念のために言及しておく。それ故に、当該電流制御による構成では、電圧Uhの代わりに、電流Ihが、同様に使用されてもよい。
【0143】
気化器ユニット20は、特に微小電気機械システム技術に基づいて、特にシリコンから製造されていて、それ故に、好ましくは微小電気機械システムである。
【0144】
上記にしたがって、好ましくは少なくとも流入面61上の、シリコンを母材とする扁平なヒーター60と、このヒーター60の下にある、好ましくは異なる孔サイズを有する毛細管状組織19とから成る層構造が有益に提唱される。気泡が、さらなる移送作用を回避すると同時に、当該液体の流れの回避による不十分な冷却に起因して、ヒーター60が(局所的に)過熱される一方で、ヒーター60の流入面61に直接に配置された当該芯組織19は、ヒーター60の流入面61での気泡の発生を回避する。さらに、本発明の方法の場合、当該ヒーターをこのヒーターの芯組織と結合して又は当該芯組織と一体的に同時に製造又は提供することも考えられる。
【0145】
本発明の気化器ユニット20の別の好適な実施の形態が、図16に示されている。気化器ユニット20は、ブロック状の半導体基板63、特にシリコン基板を有するヒーター60を有する。基板63は、この基板63の流入面61を流出面64に通流可能に接続する多数の微細流路62を有する。以下に、当該構成をさらに詳しく説明する。
【0146】
複数の微細流路62に通流する液体を制御する通流制御装置66が、基板60の流入面61に設けられている。好適な実施の形態では、通流制御装置66は、1つの通流制御層69を貫通して延在する複数の貫通孔68を有するこの通流制御層69である。
【0147】
特に好ましくは、電場が、液体と貫通孔68の内壁との成す接触角度に影響を及ぼすために通流制御層66中の液体に印加可能である。この場合、特にエレクトロウェッティングの効果が利用される。このため、気化器ユニット20は、コントローラ29によって制御可能なEW(エレクトロウェッティング)電圧源74を有する。このWE電圧源74は、通流制御層69の対向する複数の側面にある複数の電極75を介してこの通流制御層69に接続されている。その結果、EW電圧源74によって生成された電圧Uewが、複数の貫通孔68内の液体中の荷電キャリアを移動させる。こうして、液体と1つの貫通孔68の内壁との成す接触角度が、親水性(適切な電圧の印加)と疎水性(無電圧)との間で変更され得る。これらの貫通孔68内の接触角度が、親水性に設定されているときに、当該液体は、液体タンク18からこれらの貫通孔68内に毛管現象で移送され、当該毛管現象の移送作用に起因して複数の貫通開口部67内へ上昇し得て、さらに複数の微細流路62内へ上昇し得る。これらの貫通孔68内の接触角度が、疎水性に設定されているときに、液体タンク18からこれらの貫通孔68を通じたこれらの貫通開口部67内へとこれらの微細流路62内への上昇が禁止されている。毛管現象の移送作用が発生しないので、当該液体は、液体タンク18内に留まっている。すなわち、通流制御層69の機能は、これらの貫通孔68を通じた液体の自由な通流とこれらの貫通孔68を通じた液体の通流の禁止との間の切り替えを可能にすることである。それ故に、通流制御層69は、切替層とも呼ばれ得る。上記によれば、通流制御層69は、気化本体60中のこれらの微細流路62の充填工程を制御するために使用される。
【0148】
さらに、通流制御層69は、好ましくはEWOD(electro wetting on dielectrics)層として形成され得る。この場合、複数の貫通孔68の内壁の表面が、誘電材料で被覆されている。このような誘電材料は、好ましくは自己組織化単分子層(SAM)として形成され得る。液体とこれらの貫通孔68との成す接触角度が、当該自己組織化単分子層によってさらに影響され得る。
【0149】
好ましくは、絶縁層70を貫通して延在する複数の貫通開口部67を有する、絶縁材料、例えばガラス又はセラミックから成る当該絶縁層70が、通流制御層69と基板63との間に設けられている。絶縁層70は、特に液体タンク18内の液体の望まない高温の加熱及び/又は気化を当該気化中に回避するように、気化本体60を液体タンク18から熱絶縁するために使用される。絶縁層70は、基板63を通流制御層69から電気絶縁するためにも使用され得る。これにより、当該気化及び/又は加熱が、当該通流制御から分離され得る。これらの貫通開口部67は、特に複数の微細流路62及び/又は複数の貫通孔68に相当する。その結果、貫通している複数の微細流路が、液体タンク18から基板63の流出面64上の流出開口部76まで形成される。
【0150】
複数の微細流路62、複数の貫通開口部67及び/又は複数の貫通孔68の長手軸線が、特に層69,70に対して直角に配置されている。一般に、層列が、基板63及び通流制御層69及び/又は絶縁層70及び/又は少なくとも1つの別の層によって形成されているときに、これらの微細流路62の長手軸線が、この層列に対して直角に有益に配置されている。こうして、熱が、基板63からこれらの微細流路62内に最適に流入され得て、これらの微細流路62は、密封の問題から大幅に開放され得る。
【0151】
好ましく且つ特に有益に、全ての層63,69,70等が、本発明の方法によって、好ましくは1つのウェハの少なくとも1つの領域内で製造又は形成され得る。
【0152】
図17に示された吸入器10、ここでは電子たばこ製品は、空気流路30が少なくとも1つの空気流入口31とたばこ製品10のマウスエンド32にある空気流出口24との間に設けられているハウジング11を有する。この場合、たばこ製品10のマウスエンド32は、喫煙者が喫煙の目的で吸引し、これによってたばこ製品10に負圧を発生させ、気流34を空気通路30内に生成させる端部である。
【0153】
たばこ製品10は、好ましくは、気化器ユニット20と液体タンク18とを有し、特に交換可能なカートリッジとして形成されている基幹部16と消耗ユニット17とから構成される。流入口31を通じて吸引された空気が、空気通路30内で気化器ユニット20に向かって又は気化器ユニット20に沿って送られる。気化器ユニット20は、少なくとも1つの液体50が貯蔵されている少なくとも1つの液体タンク18、特に芯組織19に通流可能に接続されているか又は接続可能である。気化器ユニット20は、液体タンク18から供給される液体50をヒーター60によって気化させ、当該気化した液体をエアロゾル/蒸気として流出面64で気流34中に混入させる。液体タンク18の有益な容積は、0.1ml〜5ml、特に0.5ml〜3ml、さらに好ましくは0.7ml〜2mlの範囲内にあるか又は1.5mlである。
【0154】
さらに、電子たばこ10は、蓄電部14を電圧源として有し、電子制御機構部15を有する。蓄電部14は、通常は基幹部16内に配置されていて、特に使い捨て電池又は再充電可能な電池、例えばリチウムイオン電池でもよい。電子制御機構部15は、少なくとも1つのデジタルデータ処理装置、特にマイクロプロセッサ及び/又はマイクロコントローラを基幹部16及び/又は消耗ユニット17内に有する。
【0155】
ハウジング11内には、好ましくは、センサ、例えば圧力センサ又は圧力スイッチ又はフロースイッチが配置されている。この場合、制御機構部15は、当該センサによって出力されるセンサ信号に基づいて、喫煙者が喫煙のためにたばこ製品10のマウスエンド32で吸引することを確認できる。この場合、制御機構部15は、液体タンク18からの液体50をエアロゾル/蒸気として気流34中に混入させるために気化器ユニット20を制御する。
【0156】
液体タンク18内に貯蔵された当該配量すべき液体50は、例えば1,2−プロピレングリコールとグリセリンと水と少なくとも1つのアロマ(香料)及び/又は少なくとも1つの物質、特にニコチンとから成る混合物である。
【0157】
消耗ユニット又はカートリッジ17は、好ましくは、消耗ユニット又はカートリッジ17に関する情報又はパラメータを記憶するための不揮発性のデータ記憶装置を有する。当該データ処理装置は、電子制御機構部15の一部でもよい。当該データ処理装置内には、好ましくは、液体タンク18内に貯蔵された液体に関する情報、プロセスプロファイル、特に出力制御/温度制御に関する情報、状態監視又はシステム検査、特に漏れ試験に関するデータ、コピープロテクト及び偽造防止に関するデータ、当該消耗ユニット又はカートリッジ17を一義的に特徴づけるID、シリアルナンバー、製造年月日及び/又は使用期限及び/又は吸引回数(喫煙者による喫煙吸引の回数)又は使用期間が記憶されている。当該データ記憶装置は、好ましくは接点及び/又は導線を介して制御機構部15に接続されているか又は接続可能である。
【0158】
適切に且つ公知の方法で少なくとも一時的に当該吸入器に通信技術を用いて接続され得る吸入器10内及び/又は外部記憶装置内には、喫煙者に関するデータ、特に喫煙挙動に関するデータが記憶され得て、特に当該吸入器を制御又は調整するために使用され得る。
【符号の説明】
【0159】
1 ヒーター
2 領域
3 縁領域
4 電気接点
5 半導体材料
6 絶縁層
7 ポリシリコン
8 微細流路
9 電気接点
10 吸入器、電子たばこ
11 ハウジング
14 蓄電部
15 電子制御機構部
16 基幹部
17 消耗ユニット、カートリッジ
18 液体タンク
19 芯組織
20 気化器ユニット
24 空気流出口
29 コントローラ
30 空気通路
31 空気流入口
32 マウスエンド
34 気流
35 芯層、接触領域、接触層
36 芯層
50 液体
60 ヒーター、気化本体
61 流入面
62 微細流路、液体流路
63 半導体基板
64 流出面
65 加熱要素
66 通流制御装置
67 貫通開口部
68 流出口、開口部、スリット、貫通孔
69 通流制御層
70 絶縁層
71 小孔、加熱電圧源
72 電極、抵抗測定装置、測定装置
74 EW電圧源
75 電極
76 流出開口部
79 供給口
80 中央ウェブ
81 横延在部
82 狭窄部
83 拡張部
84 電極
85 発熱体、加熱構造体
86 流路
87 導電部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13-13A】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【国際調査報告】