(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021516971
(43)【公表日】20210715
(54)【発明の名称】上流生産プロセスでの段階的な分画による生体高分子の生産方法、生産モジュール、および生産における使用
(51)【国際特許分類】
   C12P 21/00 20060101AFI20210618BHJP
   C12M 1/12 20060101ALI20210618BHJP
【FI】
   !C12P21/00 A
   !C12P21/00 C
   !C12M1/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】2020547218
(86)(22)【出願日】20190308
(85)【翻訳文提出日】20201104
(86)【国際出願番号】CN2019077502
(87)【国際公開番号】WO2019170145
(87)【国際公開日】20190912
(31)【優先権主張番号】201810194834.9
(32)【優先日】20180309
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】511227196
【氏名又は名称】嘉和生物▲薬▼▲業▼有限公司
【住所又は居所】中国上海市浦東張江張衡路1399号
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】周新華
【住所又は居所】中国上海市浦東新区張衡路1690号3号楼
(72)【発明者】
【氏名】李子財
【住所又は居所】中国上海市浦東新区張衡路1690号3号楼
(72)【発明者】
【氏名】徐水清
【住所又は居所】中国上海市浦東新区張衡路1690号3号楼
(72)【発明者】
【氏名】▲カン▼子義
【住所又は居所】中国上海市浦東新区張衡路1690号3号楼
(72)【発明者】
【氏名】林軍
【住所又は居所】中国上海市浦東新区張衡路1690号3号楼
(72)【発明者】
【氏名】王建清
【住所又は居所】中国上海市浦東新区張衡路1690号3号楼
(72)【発明者】
【氏名】段清堂
【住所又は居所】中国上海市浦東新区張衡路1690号3号楼
(72)【発明者】
【氏名】安明岩
【住所又は居所】中国上海市浦東新区張衡路1690号3号楼
(72)【発明者】
【氏名】李民珠
【住所又は居所】中国上海市浦東新区張衡路1690号3号楼
【テーマコード(参考)】
4B029
4B064
【Fターム(参考)】
4B029AA02
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(57)【要約】
本発明は、上流生産プロセスでの段階的な分画による生体高分子の生産方法、この方法と併用される生産モジュール、並びにポリペプチド、融合タンパク質および免疫グロブリン分子の工業化生産におけるこの方法/モジュールの使用を提供する。本発明の方法によれば、大規模の組換えタンパク質の上流プロセスの効率、収量および純度の向上が効果的に実現される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオリアクタと分画システムとを併用する生産方式を含む上流生産プロセスでの段階的な分画による生体高分子の生産方法であって、
第1生産段階と第2生産段階を含み、
前記第1生産段階において、第1濾過モジュールを含む分画システムを使用し、前記第1濾過モジュールは、濾過孔が0.05μm〜1μmである濾過部材を含み、
前記第2生産段階において、第2濾過モジュールを含む分画システムを使用し、前記第2濾過モジュールは、濾過孔の分画分子量が生成物分子量の1/15〜2/3である濾過部材を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1濾過モジュールは、濾過孔が0.1μm〜0.5μmである濾過部材を含み、および/または
前記第2濾過モジュールは、濾過孔の分画分子量が生成物分子量の2/15〜7/15である濾過部材を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1濾過モジュールは、濾過孔が0.2μm〜0.3μmである濾過部材を含み、および/または
前記第2濾過モジュールは、濾過孔の分画分子量が生成物分子量の1/5〜1/3である濾過部材を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記生成物の分子量は、50〜300KDである、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記生成物の分子量は、100〜250KDまたは150〜200KDである、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2生産段階での細胞培養密度は、15±5×10細胞数/ml以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2生産段階での細胞密度は、35±5×10細胞数/ml以上である、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2生産段階での細胞培養密度の変動範囲は、10×10細胞数/ml以下であり、または
前記第2生産段階での細胞培養密度は、増加傾向にあり、その変動範囲が10×10細胞数/mlよりも高い、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記分画システムは、交互接線流システム、接線流濾過システム、回転濾過システム、深層濾過システム、遠心分離システムまたは沈降システムを含み、および/または
前記バイオリアクタは、エアリフト型バイオリアクタ、機械的撹拌型バイオリアクタ、気泡塔型バイオリアクタ、メンブレンバイオリアクタを含み、および/または
前記培養細胞は、哺乳動物細胞、植物細胞、昆虫細胞及び微生物細胞を含み、好ましくは、哺乳動物細胞である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
生体高分子の上流生産プロセスは、灌流培養、濃縮灌流培養、流加回分培養および濃縮流加回分培養を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記生体高分子は、ポリペプチドまたは組換えタンパク質を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記組換えタンパク質は、遺伝子組換え抗体、生物学的活性を有する機能性タンパク質またはFc融合タンパク質を含む、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
分画システムに取り付けられ、バイオリアクタと併用可能な請求項1に記載の方法に用いる生産モジュールであって、
第1濾過モジュールと第2濾過モジュールを含み、
前記第1濾過モジュールは、濾過孔が0.05μm〜1μmである濾過部材を含み、
前記第2濾過モジュールは、濾過孔の分画分子量が生成物分子量の1/15〜2/3である濾過部材を含み、
前記第1濾過モジュールおよび第2濾過モジュールは、それぞれ2つの分画システムに取り付けられるか、または同一の分画システムに互いに交換可能に取り付けられる、ことを特徴とする生産モジュール。
【請求項14】
前記第1濾過モジュールは、濾過孔が0.2μm〜0.3μmである濾過部材を含み、および/または
前記第2濾過モジュールは、濾過孔の分画分子量が生成物分子量の1/5〜1/3である濾過部材を含む、ことを特徴とする請求項13に記載の生産モジュール。
【請求項15】
前記第1濾過モジュールは、濾過孔が0.2μm〜0.3μmである濾過部材を含み、および/または
前記第2濾過モジュールは、濾過孔の分画分子量が生成物分子量の1/5〜1/3である濾過部材を含む、ことを特徴とする請求項14に記載の生産モジュール。
【請求項16】
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法または請求項13から15のいずれか1項に記載の生産モジュールの使用であって、
前記方法またはモジュールは、生体高分子の上流生産プロセスに使用可能であり、
前記生体高分子は、タンパク質生成物である、ことを特徴とする使用。
【請求項17】
前記生体高分子は、ポリペプチドまたは組換えタンパク質を含む、ことを特徴とする請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記組換えタンパク質は、遺伝子組換え抗体、生物学的活性を有する機能性タンパク質またはFc融合タンパク質を含む、ことを特徴とする請求項17に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的製品生産分野に属し、具体的には、生体高分子の工業化生産、特にポリペプチド、融合タンパク質または免疫グロブリンの上流製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、バイオ医薬品分野では、生体高分子、特に融合タンパク質および免疫グロブリン分子は注目されており、その生産には、主に細胞培養による上流製造プロセス、細胞培養液から取得、純化、精製、濃縮する下流製造プロセス、および抗体分子を人体に適する製剤溶液に配合する製剤製造プロセスの3つのプロセスがある。
【0003】
上流プロセスにおいて、組換えタンパク質を生産するための発現系は、主に哺乳動物細胞培養系において構築され、一般的には、ワーキングセルバンクの単一の保存チューブでの細胞活性化から、順に三角フラスコ、2L、10L、50L、500Lの細胞リアクタを用いて生産される。細胞培養に用いる培地には70−80種の成分があり、かつ細胞培養過程において細胞反応中で分泌されるプロテアーゼ、小さな細胞破片および宿主細胞タンパク質、DNA、RNA分子などの様々な物質が累積される可能性があり、不完全な抗体分子または酸化還元反応による電荷分布が異なる抗体分子も存在するので、下流プロセスにおいて、遠心分離法および深層濾過により細胞を除去した後、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにより抗体を取得する必要がある。この工程による製品の収率は95%を超えるが、Fc断片を有する完全抗体分子だけでなく、不完全な抗体分子など製品の性質に関連する不純物も混在するため、後の純化および精製工程の操作が難しくなる。このような場合において、製品の高品質または異なる生産バッチの類似性を保証するために、下流プロセスの純化および精製工程において収率を犠牲にせざるをえない。
【0004】
従来の生体高分子の大規模工業生産における上流細胞培養段階では、通常、灌流培養(perfusion culture)または流加回分培養(fed−batch culture)と異なる細胞分画プロセスとの組み合わせを使用することにより、高密度の細胞培養を実現するとともに、細胞培養液中の不純物の濾別を達成する。ATF技術(Alternating Tangential Flow Filtration,交互接線流濾過)は、最も先進的な分画プロセスであり、細胞に対する剪断力が低く、濾過面積が大きく、かつ目詰まり防止能力が高い濾過システムであり、高密度の細胞濾過培養を実現することができる。しかしながら、実際の操作過程において、細胞が継続的に増殖するため、細胞の大規模培養過程中で発現タンパク質以外の性質が異なる代謝生成物または製品に関する不純物が累積的に生成する。例えば、細胞培養の初期に主に培地において細胞代謝生成物が累積し、細胞が大量に増殖する初期の培養条件下で、培地において少量の抗体生成物が生成し、この部分の抗体生成物は、比較的高い初期培養温度などの条件の影響を受け、脱アミノ化または分解などの変化が発生し、製品関連物質または不純物になりやすい。これらの代謝生成物および製品関連不純物は、細胞および所望タンパク質の濃度の増加に伴い、最終的なタンパク質生成物の収量および純度に影響を与え、タンパク質生成物の天然構造にも影響を与え、高濃度タンパク質の相互凝集を引き起こす恐れがある。その結果、後処理にかかるコストは大幅に高くなる。
【0005】
そのため、従来の生体高分子の上流生産プロセスの制限により、企業は、短時間内でスケジュール通りに高品質、高速度および高収率の製品化を実現することが困難である。そこで、上流生産段階の細胞培養過程における代謝生成物および製品関連不純物の生産に対する影響を克服できる生産方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上流生産プロセスにおいて段階的に分画することにより生体高分子を生産する方法、この方法と組み合わせて用いる生産モジュール、並びにポリペプチド、融合タンパク質および免疫グロブリン分子の工業化生産におけるこの方法/モジュールの使用を提供する。この方法により、組換えタンパク質の大規模生産における上流プロセスでの効率、収量および純度の向上が達成される。
【0007】
本発明の第1態様では、バイオリアクタと分画システムとを併用する生産方式を含む上流生産プロセスでの段階的な分画による生体高分子の生産方法であって、第1生産段階と第2生産段階を含み、前記第1生産段階において、第1濾過モジュールを含む分画システムを使用し、前記第1濾過モジュールは、濾過孔が0.05μm〜1μmである濾過部材を含み、
前記第2生産段階において、第2濾過モジュールを含む分画システムを使用し、前記第2濾過モジュールは、濾過孔の分画分子量が生成物分子量の1/15〜2/3である濾過部材を含む方法が提供される。
【0008】
好ましい実施例において、前記第1濾過モジュールは、濾過孔が0.1μm−0.5μm、好ましくは0.2μm−0.3μmである濾過部材を含む。
【0009】
好ましい実施例において、前記第2濾過モジュールは、濾過孔の分画分子量が生成物分子量の2/15〜7/15、好ましくは1/5〜1/3の濾過部材を含む。
【0010】
好ましい実施例において、前記生成物の分子量は50〜300KD、好ましくは100〜250KD、より好ましくは、150〜200KDである。
【0011】
前記第1生産段階は、細胞の初期増殖段階であり、生成物合成最適化段階と呼ばれてもよい。初期環境における培養温度が比較的高い(37C)ため、細胞は高速増殖段階にあり、大量の細胞代謝廃棄物、乳酸生成物および少量の脱アミノ化または分解した抗体不純物は累積しやすい。前記第2生産段階は、生成物合成および収集段階である。本発明者は、第1生産段階で生成した代謝生成物および不純物を除去しておくことが、第2生産段階での高品質生成物の合成および収集に有利であることを予想外に発見した。そこで、後期生成物の品質および収率を向上させるために、段階的な分画システムを創造的に導入した。
【0012】
好ましい実施例において、第1生産段階において、前記分画システムは、主に細胞を分画し、代謝生成物および不純物を除去し、第2生産段階において、前記分画システムは、主に細胞を分画し、タンパク質生成物をエンリッチさせ、小分子代謝生成物を除去する。
【0013】
一実施例において、生体高分子の上流生産において、第1生産段階は、細胞がバイオリアクタに接種された後、直ちに開始させることができる。
【0014】
他の実施例において、生体高分子の上流生産において、細胞培養密度が6±1.5×10細胞数/mlに達するときに第1生産段階を開始させる。
【0015】
他の実施例において、生体高分子の上流生産において、細胞培養密度が10±5×10細胞数/mlに達するときに、第1生産段階を開始させる。
【0016】
一実施例において、前記第2生産段階の細胞培養密度は、15±5×10細胞数/ml以上であり、好ましくは、前記第2生産段階の細胞密度は、35±5×10細胞数/ml以上である。
【0017】
他の好適実施例において、前記「培養密度は15±5×10細胞数/ml以上である」ということは、培養密度が10×10〜30×10細胞数/mlであることをいう。
【0018】
他の好適実施例において、前記「培養密度は35±5×10細胞数/ml以上である」ということは、培養密度が30×10〜50×10細胞数/mlであることをいう。
【0019】
他の好適実施例において、前記「培養密度は15±5×10細胞数/ml以上である」ということは、培養密度が10×10〜300×10細胞数/mlであることをいう。培養細胞の生存率が50%に下がったときに、細胞発酵液を収集し、第2生産段階を完成させる。好ましくは、培養細胞の生存率が70%に下がったときに、細胞発酵液を収集する。より好ましくは、培養細胞の生存率が80%に下がったときに、細胞発酵液を収集する。最も好ましくは、培養細胞の生存率が90%に下がったときに、細胞発酵液を収集する。
【0020】
他の好適実施例において、前記「培養密度は35±5×10細胞数/ml以上である」ということは、培養密度が30×10〜100×10細胞数/mlであることをいう。
【0021】
一実施例において、前記第2生産段階での細胞培養密度は、比較的安定した傾向にあり、その変動範囲は10×10細胞数/ml以下である。
【0022】
他の実施例において、前記第2生産段階での細胞培養密度は、増加傾向にあり、その変動範囲は10×10細胞数/mlを超える。
【0023】
他の実施例において、前記「変動範囲は10×10細胞数/mlを超える」ということは、変動範囲が10×10〜290×10細胞数/mlであることをいう。
【0024】
他の好適実施例において、前記「変動範囲高于10×10細胞数/ml」ということは、変動範囲が10×10〜90×10細胞数/mlであることをいう。
【0025】
一実施例において、前記分画システムは、交互接線流システム、接線流濾過システム、回転濾過システム、深層濾過システム、遠心分離システムまたは沈降システムを含むが、これらに限定されない。
【0026】
一実施例において、前記バイオリアクタは、エアリフト型バイオリアクタ、機械的撹拌型バイオリアクタ、気泡塔型バイオリアクタ、メンブレンバイオリアクタを含むが、これらに限定されない。
【0027】
他の実施例において、前記バイオリアクタは、インキュベーションシェーカー、マイクロバイオリアクタ、卓上型バイオリアクタ、ステンレス鋼バイオリアクタ、ガラスバイオリアクタ、使い捨てバイオリアクタ、揺動型バイオリアクタまたは複数の並列タンクを含むが、これらに限定されない。
【0028】
一実施例において、前記培養細胞は、哺乳動物細胞、植物細胞、昆虫細胞および微生物細胞などの産業化発酵培養に適用される発現系を含むが、これらに限定されない。好ましくは、前記哺乳動物細胞は、CHO細胞、NSO細胞、Sp2/0細胞、HEK細胞、BHK細胞などを含むが、これらに限定されない。
【0029】
一実施例において、前記生産プロセスは、灌流培養、濃縮灌流培養、流加回分培養および濃縮流加回分培養を含むが、これらに限定されない。
【0030】
一実施例において、細胞上流生産過程は、S1からS4を含む。
【0031】
S1において、拡大すべき細胞を活性化し、所定仕様のバイオリアクタ中で段階的に拡大培養する。
【0032】
S2において、第1濾過モジュールを含む分画システムとバイオリアクタを併用して細胞に対して第1生産段階の培養生産を行う。
【0033】
S3において、細胞密度が15±5×10細胞数/mlに達したときに、第2濾過モジュールを含む分画システムに交換し、第2生産段階の培養生産を行う。
【0034】
好ましい実施例において、細胞密度が35±5×10細胞数/mlに達したときに、第2濾過モジュールを含む分画システムに交換し、第2生産段階の培養生産を行う。
【0035】
他の好適実施例において、細胞密度が55±5×10細胞数/mlに達したときに、第2濾過モジュールを含む分画システムに交換し、第2生産段階の培養生産を行う。
【0036】
S4において、細胞の生存率をリアルタイムに監視し、培養細胞の生存率が50%に下がったときに、細胞発酵液を収集し、下流生産プロセスに入る。好ましくは、培養細胞の生存率が70%に下がったときに、細胞発酵液を収集する。より好ましくは、培養細胞の生存率が80%に下がったときに、細胞発酵液を収集する。最も好ましくは、培養細胞の生存率が90%に下がったときに、細胞発酵液を収集する。
【0037】
下流生産純化プロセスは、異なる生体分子生成物の特性に応じて設計されるため、本発明の好適実施例において、ハーセプチンの生物学的類似体の生産を例として段階的な分画システムによる生産の収率および製品品質上の利点を説明する。
【0038】
本発明の他の好適実施例において、アバスチンの生物学的類似体の生産を例として段階的な分画システムによる生産の収率および製品品質上の利点を説明する。
【0039】
本発明の第2態様では、上流生産プロセスでの生体高分子の段階的分画用の生産モジュールが提供される。前記生産モジュールは、分画システムに取り付け、バイオリアクタと併用することができ、少なくとも2つの濾過モジュールを含む。第1濾過モジュールは、濾過孔径が0.05μm−1μmである濾過部材を含み、細胞培養液中の代謝生成物および製品不純物を除去する。前記第2濾過モジュールは、濾過孔の分画分子量が生成物分子量の1/15〜2/3である濾過部材を含み、生体高分子生成物を収集してエンリッチさせる。
【0040】
好ましい実施例において、前記第1濾過モジュールは、濾過孔が0.1μm−0.5μm、好ましくは0.2μm−0.3μmである濾過部材を含む。前記第2濾過モジュールは、濾過孔の分画分子量が生成物分子量の2/15〜7/15、好ましくは1/5〜1/3である濾過部材を含む。
【0041】
一実施例において、前記不純物濾過モジュールの濾過孔径は、20−50KD分子の直径、より好ましくは、50KD分子の直径である。
【0042】
前記濾過部材は、形態的には、中空繊維状、管状、ロール状、平板状などが含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
前記濾過部材の材料は、セルロースエステル類または非セルロースエステル類である。前記セルロースエステル類材料は、酢酸セルロース、ニトロセルロース、エチルセルロースなどを含むが、これらに限定されない。前記非セルロースエステル類は、ポリスルホン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、塩化ポリビニル(PVC)、ポリエーテルスルホン(PES)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの材料を含むが、これらに限定されない。
【0044】
前記バイオリアクタは、エアリフト型バイオリアクタ、機械的撹拌型リアクタ、気泡塔型バイオリアクタ、メンブレンバイオリアクタなどを含むが、これらに限定されない。
【0045】
他の実施例において、前記バイオリアクタは、インキュベーションシェーカー、マイクロバイオリアクタ、卓上型バイオリアクタ、ステンレス鋼バイオリアクタ、ガラスバイオリアクタ、使い捨てバイオリアクタ、揺動型バイオリアクタまたは複数の並列タンクを含むが、これらに限定されない。
【0046】
一実施例において、前記分画システムは、交互接線流システム、接線流濾過システム、回転濾過システム、深層濾過システム、遠心分離システムまたは沈降システムを含むが、これらに限定されない。
【0047】
前記培養細胞は、哺乳動物細胞、植物細胞、微生物細胞、昆虫細胞などの大規模発酵培養に適用される発現系を含むが、これらに限定されない。好ましくは、前記哺乳動物細胞は、CHO細胞、NSO細胞、Sp2/0細胞、HEK細胞、BHK細胞などを含むが、これらに限定されない。
【0048】
本発明の第3態様では、上流生産プロセスでの生体高分子段階的濾過用の生産モジュール/生産方法の使用が提供される。前記生体高分子段階的濾過用の生産モジュール/生産方法は、生体高分子の工業化生産に適用される。
【0049】
前記生体高分子は、ポリペプチド又は組換えタンパク質を含むが、これらに限定されない。
【0050】
好ましくは、前記組換えタンパク質は、免疫グロブリンまたは遺伝子組換え抗体であり、ヒト/マウスキメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、Fab断片、F(ab')2、Fv、ScFv、シングルドメイン抗体、二重/多重特異性抗体などを含むが、これらに限定されない。
【0051】
他の好適実施例において、前記組換えタンパク質は、生物学的活性を有する機能性タンパク質およびFc融合タンパク質である。
【0052】
前記使用は、微生物培養、培地、クローンまたは発現ベクターのスクリーニング、小規模タンパク質供給、プロセス開発、最適化および特性同定、種子拡張、生産などの各段階に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】細胞の上流第1生産段階の模式図である。
【図2】細胞の上流第2生産段階の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
従来技術における生体高分子の上流生産プロセスでの効率が低く、収量が低く、純度が低い問題に対して、本発明者は多くの研究により、上流生産過程において段階的な分画プロセスを使用することにより、下流生産での発現タンパク質の品質が大幅に最適化され、高品質タンパク質の収率が大幅に向上することを予想外に発見した。
【0055】
本発明の理解を容易にするために、本発明の重要なパラメータを定義する。
【0056】
SEC−HPLC:サイズ排除クロマトグラフィー
製品純度を測定する方法の一つであり、面積正規化法により計算し、モノマー、ポリマー(高分子量群)および断片(低分子量群)に分けられる。モノマーの百分率が大きいほど、製品の純度が高いことを示す。
【0057】
CEX−HPLC:陽イオン交換クロマトグラフィー
製品電荷純度を測定する方法の一つであり、製品の均一性問題を反映し、製品の電荷状況に応じて酸性ピーク、メインピークおよび塩基性ピークに分けられる。酸性ピークまたは塩基性ピークの比率が高いほど、製品の電荷不均一性の程度が高く、製品の均一性が悪いことを示す。
【0058】
rCE−SDS:還元キャピラリーゲル電気泳動法
還元キャピラリーゲル電気泳動を使用し、高電圧電界を駆動力とし、製品を還元した後、分子量によってキャピラリー内での移動速度が異なることにより分離する。重鎖+軽鎖の合計の比率が高いほど、製品の純度が高いことを示す。
【0059】
nrCE−SDS:非還元キャピラリーゲル電気泳動法
非還元キャピラリーゲル電気泳動を使用し、高電圧電界を駆動力とし、分子量によってキャピラリー内での移動速度が異なることにより製品を分離する。モノマーの比率が高いほど、製品の純度が高いことを示す。
【0060】
細胞生存率:単位体積あたりの細胞の総数に対する生細胞の比率。
【0061】
抗体が発酵過程において培養温度、培養時間、撹拌速度、pHなどの条件の影響により脱アミノ化、酸化、糖化、N−端ピログルタミン酸環化などの様々な翻訳後修飾の変化が発生しやすい。これらの変化は、抗体の電荷分布に影響を与える。これらの翻訳後修飾は、発生する位置が主要であるか否か(CDR領域で発生して機能に影響を与えるか、FcRn結合部位で発生してPKに影響を与えるかなど)に基づいて主要な品質属性であるか否かを判断する。また、電荷分布/電荷純度は、非常に敏感な品質属性であり、プロセスの一貫性を評価するための非常に良い指標として使用することができる。電荷の不均一性の制御は、常に抗体医薬品製造の焦点で困難である。本発明の優位性は、製品の比較的高い電荷純度を保持し(電荷に影響を与える可能性がある翻訳後修飾または分解を減少させ)ながら、多バッチ大規模生産での生成物の電荷分布の類似性を保証することである。また、細胞拡大段階で生成する物質、例えば、アンモニウムイオン、プロテアーゼ、他の宿主タンパク質、DNAなどは、細胞増殖および製品品質特性に影響を与える可能性がある(例えば、製品の分解を引き起こす酵素がある)。さらに、大量の不純物が製品収集液に入ることにより、下流純化の収率に大きい影響を与え、これらの不純物を完全に除去できず、製品の収量および品質に影響を与える可能性がある。
【0062】
また、本発明のシステムおよび方法により、従来の流加培養システムに存在する製品品質および均一性の問題がさらに解決される。大規模の抗体生産分野において、回分流加モードで製品の不純物の制御が不安定であるため、灌流培養に切り替える場合が多い。これによって、プロセスがより複雑になる。本発明によれば、回分流加モードでの不安定、製品関連不純物の高含有量の問題が解決され、プロセスを切り替えずに高品質の生成物が得られ、大規模抗体生産分野における主要な革新と進歩である。
【0063】
以上より、本発明の従来技術に比べ、細胞培養過程において、不純物および細胞代謝生成物の排出に適用される第1濾過部材並びに製品収集およびエンリッチに適用される第2濾過部材を順に使用することにより、製品が分画段階において、比較的安定した細胞世代、密度、生存率の条件下で、短い時間範囲内で、抗体製品を大規模、高収率で生産し、製品を収集することが保証される。本発明は、以下の有益な効果を有する。
1)製品の均一性を向上させ、抗体生産中の電荷不均一性の問題を解決できる。
2)細胞拡大段階で生成した代謝物、特に、高分子量のプロテアソームなどを除去し、これらの代謝物の分画段階での製品に対する影響を低減させ、製品の純度および品質を向上させる。
3)細胞拡大の初期段階において比較的高い温度の培養条件による少量の抗体生成物を除去することができる。これらの初期生成物は、比較的高い温度の条件下で分解しやすく、製品関連不純物として製品に入る。本発明は、製品関連不純物の減少に有利であり、最終製品の高収量および高純度を保証することができる。
4)生産周期を短縮させ、下流生産プロセスを簡単化させ、コストを削減することができる。
【0064】
以下、具体的な実施例により本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明を説明するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。以下の実施例における条件が明記されていない実験方法は、通常の条件、「分子クローニング試験ガイド」第3版に記載の基本試験方法、または製造業者に推奨される条件で行われる。
【0065】
実施例1:段階的な分画に基づく200Lバイオリアクタの培養
抗体
本実施例では、市販の治療性抗体ハーセプチンに対して開発された類似バイオ医薬品の生産プロセスを使用し、発現細胞系は、中国ハムスター卵巣細胞(CHO)であり、モノクローナル抗体はIgG1/kappaタイプであり、そのアミノ酸配列は、一次薬であるハーセプチン(Herceptin(登録商標))と同じ(INN:trastuzumab,IMGT番号:7637)、その分子量は145kDaであった。
【0066】
細胞上流第1生産段階のフローチャートは図1、細胞上流第2生産段階のフローチャートは図2に示される。
【0067】
細胞回復
細胞凍結保存チューブを取り出し、そのまま手で持って37℃恒温水浴に浸漬し、振って溶解させた。37℃水浴から凍結保存チューブを取り出し、75%アルコールで表面を消毒した後、在スーパークリーンベンチにおいて凍結保存チューブを開き、滅菌ピペットで細胞懸濁液を吸い出し、1mLのプレインキュベートされたCD FortiCHOTM Medium基礎培地が入った15mL遠心分離管に置き、均一に混合し、30〜60秒後、2mLのプレインキュベートされた基礎培地を追加し、均一に混合し、さらに30〜60秒後、4mLのプレインキュベートされた基礎培地を追加し、均一に混合し、30〜60秒後、遠心分離管を700rpmで5分間遠心分離し、上清を捨て、2mLのプレインキュベートされた基礎培地を遠心分離管に移し、細胞を溶解して沈殿させ、さらに8ml基礎培地が入った細胞培養フラスコに移し、均一に混合した。
【0068】
拡大培養
2日ごとにサンプリングしてカウントし、1回の拡大培養を行った。培地はCD OptiCHOTM培地(ThermoFisher製)を使用した。拡大した後、初期細胞密度を6〜10x10cells/mLに回復させた。体積が10Lリアクタの接種要求を満たすまで拡大した。細胞密度は2.5〜4.5x10cells/mL、生存率は90%以上であった。具体的な制御パラメータを表1に示す。
【表1】
【0069】
10LのWAVEバイオリアクタに接種した後、毎日サンプリングした。具体的な制御パラメータを表2に示す。
【表2】
【0070】
3日培養した後、バイオリアクタの容積を50Lに拡大し、具体的な制御パラメータを表3に示す。
【表3】
【0071】
ATFと200Lバイオリアクタとの組み合わせによる灌流培養
本実施例において、Refine Techologyの200L−交互接線流システムを使用した。まず、ATF装置における中空繊維カラムおよび台座頂端の隔膜を組み立てた後、さらに、真空ポンプおよびコントローラに接続し、0.2umおよび50KD分画分子量の中空繊維膜をATFシステムに組み立て、25%エタノールで10分間洗い流した後、脱イオン水で繰り返して洗浄し、残留エタノールを除去した後、高温湿熱滅菌キャビネットに入れて45分間滅菌し、使用まで保存した。
【0072】
0.2um濾過部材を含むATFシステムを200Lのバイオリアクタに取り付け、細胞を50Lのバイオリアクタ中で3日培養した後、200Lのバイオリアクタに接種した。初期の細胞密度は1x10cells/mLであった。具体的な制御パラメータを表4に示す。
【表4】
【0073】
細胞密度が10x10cells/mlに達した後、ATFシステムと接続し、ATF装置中のコントローラおよび真空ポンプを起動し、細胞増殖量および細胞増殖速度に基づいて毎日の培地交換体積を計算し、新鮮培地の導入速度および培養廃液の排出速度を調整した。細胞密度が40〜50x10cells/mlに達した後、0.2μm濾過部材を含むATFシステムを50KD分画分子量の濾過部材を含むATFシステムに変更し、引き続きATF装置中のコントローラおよび真空ポンプを起動し、第2生産段階に入った。好ましい実施例において、細胞密度が40〜50x10cells/mlに達する前、バイオリアクタの培養温度を34℃に調節し、pH値を6.9に調節し、50%の溶存酸素を保持し、培養回転速度を125rpmに調節した(結果を表6に示す)。別の好ましい実施例において、バイオリアクタ温度および培養条件の調節は、50KD分画分子量の濾過部材を含むATFシステムへの変更と同時に行うことができる。細胞増殖密度が約100x10cells/mlに達した後、上清を収集した。
【0074】
細胞浄化
細胞培養液の浄化は、遠心分離またはマイクロ濾過と深層濾過との組み合わせにより培養液中の細胞および細胞破片を除去することにより行う場合が多い。本実施例において、200Lバイオリアクタから細胞懸濁液を4Cの低温、6000gで15分間遠心分離した後、細胞を除去し、細胞発酵液を保留した。さらに、細胞培養液の浄化で一般的に使用される深層濾過方式を使用した。ここで、緩い多孔質セルロース骨格構造を使用し、珪藻土成分が充填され、注入端の表面孔径は漏斗状である。このような構造は、従来のマイクロ濾過の表面分画構造が目詰まりを引き起こしやすく、濾過効率が低いとの欠点を克服するとともに、遠心分離機が有さない小体積細胞破片を分画可能な利点を有し、珪藻土の吸着作用によりDNAおよびHCPを分画することができる。本実施例において、密理博社のMX0HC10FS1深層濾過器を使用し、遠心分離液を蠕動ポンプ(流速需要を満たせばよい)に連通した後、超純水で深層濾過膜を洗い流した。洗い流し体積は10CVであった。その後、深層濾過緩衝液25mM Tris−HCl+100mM NaCl(pH7.4±0.2)で深層濾過膜を洗い流し体積1CV、洗い流し速度100−300LMHで洗い流した。細胞培養液を濾過した直後、濾液を収集した。濾過速度は100−300LMHであった。注入終了後、深層濾過緩衝液25mM Tris−HCl+100mM NaCl(pH7.4±0.2)で濾過膜を洗浄して濾液を収集した。洗い流し体積は2CVであり、この過程において膜前圧力を2bar以下に制御した。
【0075】
Protein Aアフィニティークロマトグラフィー
Protein Aアフィニティークロマトグラフィーは、抗体純化における捕獲ステップとして、宿主タンパク質、エンドトキシン、DNAのいずれに対しても除去効果を有する。本実施例において、Protein Aアフィニティークロマトグラフィーの充填剤はMabselect Sure(GE製)であった。深層濾過して得られた上清液を注入し、流速300cm/h、カラム負荷量が35mg/ml充填剤より少なかった。サンプル注入終了後、洗浄液25mM Tris−HCl、50mM NaCl(pH7.4)を用いて300cm/hの流速でカラム5CVを洗浄した。その後、溶出操作を行った。溶出液は100mM酢酸−酢酸ナトリウム(pH3.6±0.2、導電率0.9±0.2mS/cm)、流速は300cm/hであった。UV280により検出し、UV280の数値が0.1AUに上がった時から溶出ピークを収集し、0.5AU値に下がった時に収集を停止させた。Protein Aアフィニティークロマトグラフィーを3回行った。
【0076】
ウイルス不活化と不活化後の深層濾過
本実施例のウイルス不活化では、アフィニティークロマトグラフィー後の溶出ピークを低pHでインキュベートし、レトロウイルスおよびエンベロープを有するウイルスを不活化した。10%の酢酸でアフィニティークロマトグラフィーの溶出液をpH3.6−3.8に調整し、60−120分間不活化した。
【0077】
ウイルス不活化後のサンプルを密理博社のMX0HC10FS1深層濾過器により深層濾過した。使用前に超純水で10CVの深層濾過膜を洗浄し、緩衝液50mM酢酸−酢酸ナトリウム(Ph5.2)で1CVの深層濾過膜を洗浄した後、管路を接続し、流速:100−300LMH、濾過圧力:2bar未満でサンプルを濾過し、サンプルを注入した後、緩衝液50mM酢酸−酢酸ナトリウム(Ph5.2)で1CVを洗浄し、引き続き深層濾過膜2CVを洗浄し、洗浄濾液を回収した。
【0078】
陽イオン交換クロマトグラフィー
製品中の不純物およびDNA、エンドトキシンをさらに除去するために、本実施例において、ウイルス不活化および深層濾過では、陽イオン交換クロマトグラフィーを3回循環させた。陽イオン交換クロマトグラフィーはFractogel EMD COO−(M)(メルク製)を使用した。平衡液(50mM酢酸−酢酸ナトリウム,pH5.2)でカラム3CVを平衡化させ、サンプルを注入し、流速120cm/h、カラム負荷量を45mg/ml未満に保証した。サンプル注入後に平衡液(180cm/h流速)でカラム5CVを洗浄した。その後、溶出操作を行った。溶出液は50mM酢酸−酢酸ナトリウム、300mM塩化ナトリウム(pH5.2)であった。平衡液および溶出液0−100%で10CVを段階的に溶出し、流速は180cm/hであり、溶出過程において溶出サンプルを収集した。
【0079】
陰イオン交換クロマトグラフィー
陰イオン交換クロマトグラフィーにより、サンプル中の微量の不純物、例えば、様々なウイルス、DNA、エンドトキシンなどを効果的に除去した。モノクローナル抗体の高等電点により、陰イオン交換クロマトグラフィーは、フロースルーモードを採用することにより、不純物が充填剤に結合し、目的タンパク質がカラムを通過して結合しない。本実施例の陰イオン交換クロマトグラフィーは、Capto Q(GE製)、予備平衡液(50MmのTris−HCl+1MのNaCl,Ph8.0)でカラム2CVを平衡化させ、その後、平衡液(50mMのTris−HCl,Ph8.0)でカラム3CVを平衡化させ、サンプルを注入し(流速180cm/h)、UV280数値が0.1AUに達した時から溶出ピークを収集し、カラム負荷量を40mg/ml充填剤未満に制御した。サンプル注入後、平衡液(180cm/h流速)でカラム3CVを洗浄し、UV280が0.1AUに下がった時にサンプルの収集を停止させた。
【0080】
ウイルス濾過
ウイルス濾過によりエンベロープがないウイルスを除去することができる。生産過程において1.02m/バッチのウイルス濾過膜により濾過した。圧力タンクを使用し、0.5M NaOHで処理し、注射用水で洗浄した後、圧縮空気を導入して濾過した。本実施例において、VPMG201NB1(Merck Millipore製)により深層濾過を行い、使用前に超純水で10CVを洗浄し、緩衝液50mM酢酸−酢酸ナトリウム(Ph5.2)で2CVの深層濾過膜を洗浄し、洗浄終了後、管路を接続してサンプル濾過を行い(流速100−300LMH、濾過圧力1.9−2.0bar)、サンプル注入後、緩衝液50mM酢酸−酢酸ナトリウム(Ph5.2)で1CVを洗浄し、引き続き深層濾過膜2CVを洗浄し、洗浄濾液を回収した。
【0081】
限外濾過と液交換
型番P2C030C25(MerckMillipore製)の孔径が30KDの限外濾過膜を洗浄し、20mMのリン酸ナトリウムpH6.0緩衝液で膜後端pH6.0まで洗浄した。蠕動ポンプで限外濾過膜に導入し、入口端の流速を200LMH、膜差圧を0.35barに制御し、20mMリン酸ナトリウムpH6.0緩衝液で液交換を行い、抗体生成物を取得した。
【0082】
比較例1:単一分画法に基づく200Lバイオリアクタ培養
基本的には実施例1と同様であるが、細胞密度が10x10cells/mlに達した時に、ATFシステムに接続し、ATF装置中のコントローラおよび真空ポンプを起動したことで相違する。用いたATFシステムは、50KD分画分子量の中空繊維膜部材を含み、細胞増殖密度が約100x10cells/mlに達した時に発酵ステップが完成した。次の純化ステップは実施例1と同様であった。
【0083】
Protein Aアフィニティークロマトグラフィー終了後、それぞれ実施例1および比較例1で得られたサンプルをに対して陽イオンHPLC分析を行い、電荷異性体の含有量を調べた。酸性ピークと塩基性ピークの分布結果を表5に示す。
【表5】
【0084】
表5から分かるように、段階的な分画法で得られた抗体生成物は、単一分画法の抗体生成物よりも優れた電荷純度を有し、中性ピークの含有量がより高く、酸性ピークの含有量がより低い。
【0085】
製品を純化した後、この2種の上流生産プロセスの最終製品を比較した結果、単一分画法で生産された最終生成物の酸性ピークの比率はある程度改善されたが、改善程度が高くなく、生物学的活性では、段階的な分画法は、単一分画法の生物学的活性よりも明らかに優れているとともに、段階的な分画法で得られた良品の収量は高いのに対し、単一分画法で得られた良品の収率は顕著に低いことを発見した。詳細を表6に示す。
【0086】
【表6】
【0087】
実施例2:段階的な分画に基づく2Lバイオリアクタ培養
抗体
本実施例において、生産用の抗体は、組換え抗血管内皮増殖因子(VEGF)ヒト化モノクローナル抗体であり、インビトロ哺乳動物細胞中で発酵、発現することにより得られた。動物細胞は中国ハムスター卵巣細胞(CHO)であり、モノクローナル抗体はIgG1/kappaタイプであり、そのアミノ酸配列は一次薬アバスチン(Avastin(登録商標))と同じ(INN:bevacizumab,IMGT番号:8017,http://www.imgt.org/mAb−DB/)、その分子量は149kDaであった。
【0088】
細胞回復と2LバイオリアクタATF灌流培養
細胞回復の手順は実施例1と同様であった。
【0089】
通常の細胞培養プロセスにより種細胞を培養した。細胞密度が4.0〜6.5x10cells/mLに達し、生存率が90%以上である場合、接種要求を満たし、種細胞をCD FortiCHOTM Medium基礎培地を含む2Lバイオリアクタ中に滅菌接種して培養した。接種後の細胞密度は1.0x10cells/mLであり、生存率は90%以上であった。初期細胞培養条件は、培養温度37℃、撹拌回転速度95rpm、pH7.20±0.05、溶存酸素50%であった。
【0090】
Refine Techology製のATFシステムを用い、まずATF装置中の中空繊維カラムおよび底座頂端の隔膜を組み立てた後、さらに真空ポンプおよびコントローラに接続し、孔径が0.2μmの中空繊維カラムの頂端のリアクタと接続する管路を接続し、細胞がバイオリアクタ中で細胞密度4.5〜5.5x10cells/mLまで培養されたときに、ATF装置中のコントローラおよび真空ポンプを起動し、細胞増殖量および細胞増殖速度に基づいて毎日の培地交換体積を計算し、新鮮培地の導入速度および培養廃液の排出速度を調整した。毎日灌流体積が所定値に達する場合において、葡萄糖が足りない場合、30%の葡萄糖溶液を適宜に補充した。細胞密度が65±5×10cells/mLに達したときに、培養温度を32℃に下げ、pHを7.00±0.05に下げた。細胞密度がさらに95±5×10cells/mLに上がったときに、処理された滅菌50KD中空繊維膜で元の0.2μmの中空繊維膜を交換し、第2生産段階に入った。細胞密度を10×10cells/mLの範囲内に維持し、細胞生存率が90%に下がったときに、バイオリアクタ培養を停止させ、細胞培養液を収集した。
【0091】
一実施例において、細胞培養液を収集するタイミングを細胞生存率が80%に下がった時点に制御する。他の実施例において、細胞培養液を収集するタイミングを細胞生存率が70%に下がった時点に制御する。他の実施例において、細胞培養液を収集するタイミングを細胞生存率が50%に下がった時点に制御する。
【0092】
細胞澄清
本実施例では、深層濾過膜(D0HC(MD0HC10FS1,メルク)を蠕動ポンプ(流速需要を満たせばよい)に連通した後、超純水で深層濾過膜を洗い流した。洗い流し体積は10CVであった。その後、深層濾過緩衝液25mM Tris−HCl+100mM NaCl(pH7.4±0.2)で深層濾過膜を洗い流し体積1CV、洗い流し速度100−300LMHで洗い流した。細胞培養液を濾過した直後、濾液を収集した。濾過速度は100−300LMHであった。注入終了後、深層濾過緩衝液25mM Tris−HCl+100mM NaCl(pH7.4±0.2)で濾過膜を洗浄して濾液を収集した。洗い流し体積は2CVであり、この過程において膜前圧力を2bar以下に制御した。
【0093】
Protein Aアフィニティークロマトグラフィー
Protein Aアフィニティークロマトグラフィーの充填剤はJWT203(JSR製)であった。深層濾過して得られた上清液を注入し、流速300cm/h、カラム負荷量が35mg/ml充填剤より少なかった。サンプル注入終了後、洗浄液25mM Tris−HCl、50mM NaCl(pH7.4)を用いて300cm/hの流速でカラム5CVを洗浄した。その後、溶出操作を行った。溶出液は100mM酢酸−酢酸ナトリウム(pH3.6±0.2、導電率0.9±0.2mS/cm)、流速は300cm/hであった。UV280により検出し、UV280の数値が0.5AUに上がった時から溶出ピークを収集し、0.5AU値に下がった時に収集を停止させた。室温でサンプルのpH値を3.5−3.7に調整し、低pHウイルス不活化工程を1−2時間行った。
【0094】
陰イオン交換クロマトグラフィー
一次精製された後のサンプルを用いて精製クロマトグラフィーにより原液を製造した。陰イオン交換クロマトグラフィーはCapto Q充填剤を使用した(GE healthcare製)。予備平衡液(50MmのTris−HCl+1MのNaCl,Ph8.0)でカラム2CVを平衡化させ、その後、平衡液(50mMのTris−HCl,Ph8.0)でカラム3CVを平衡化させ、サンプルを注入し(流速240cm/h)、UV280数値が0.1AUに達した時から溶出ピークを収集し、カラム負荷量を40mg/ml充填剤未満に制御した。サンプル注入後、平衡液(240cm/h流速)でカラム3CVを洗浄し、UV280が0.1AUに下がった時にサンプルの収集を停止させた。
【0095】
陽イオン交換クロマトグラフィー
サンプルを収集し、次の陽イオン交換クロマトグラフィーに入った。陽イオン交換クロマトグラフィーはFractogel EMD COO−(M)(メルク製)を使用した。平衡液(50mM酢酸−酢酸ナトリウム,pH5.2)でカラム3CVを平衡化させ、GB222サンプルを注入し、流速180cm/h、カラム負荷量を45mg/ml未満に保証した。サンプル注入後に平衡液(180cm/h流速)でカラム5CVを洗浄した。その後、溶出操作を行った。溶出液は50mM酢酸−酢酸ナトリウム、300mM塩化ナトリウム(pH5.2)であった。平衡液および溶出液0−100%で10CVを段階的に溶出し、流速は180cm/hであり、溶出過程において溶出サンプルを収集した。
【0096】
限外濾過と液交換
生成された後のサンプルを限外濾過により液交換した。手順は以下の通りである。型番P3C030C05の孔径が30KDの限外濾過膜(MerckMillipore製)を洗浄し、20mMのリン酸ナトリウムpH6.0緩衝液で膜後端pH6.0まで洗浄した。陽イオンクロマトグラフィーサンプルを蠕動ポンプにより限外濾過膜に導入し、限外濾過濃縮を行い、入口端の流速を300LMH、膜差圧を0.3〜0.7barに制御し、約20mg/mlまで初回濃縮した後、20mMのリン酸ナトリウムpH6.0緩衝液で10倍の等体積液交換を行い、終了後に限外濾過膜によりタンパク質を原液として回収した。
【0097】
比較例2:単一分画法に基づく2L−ATFシステムの抗体生産
同様にRefine Techology製のATFシステムを使用した。まず、ATF装置における中空繊維カラムおよび台座頂端の隔膜を組み立てた後、さらに、真空ポンプおよびコントローラに接続し、孔径50KDの中空繊維カラムの頂端とリアクタに接続される管路を取り付け、25%のエタノールに入れ、実施例1の方法に従って滅菌消毒を行った。
【0098】
基本的には実施例2と同様であるが、細胞密度が4.5〜7.5 x 10 cells/mLに達した時に、ATFシステムに接続し、ATF装置中のコントローラおよび真空ポンプを起動したことで相違する。用いたATFシステムは、50KD分画分子量の中空繊維膜部材を含み、細胞活性が90%に下がったときに反応を停止させた。次の純化ステップは実施例2と同様であった。
【0099】
単一分画法による細胞培養の10日目に細胞培養液を取り分析した結果、その酸性ピークの含有量は約26%であった一方、段階的な分画法による培養の10日目の酸性ピークはわずか約10%であった。次の純化ステップを完成させたときにおける段階的な分画法の生産プロセスにより得られた最終生成物の酸性ピークの含有量も単一分画法よりも低かった。限外濾過により液交換した後、SEC−HPLCに対して抗体モノマーの純度が95%以上であることが要求されているが、3つの単一分画法の生産批次において、検出された抗体モノマーの数値は93%、92.8%および93%であり、実施例2で用いた段階的な分画法の収率よりも大幅に低かった。従って、収率上の利点に加えて、段階的な分画プロセスで生産されたサンプルは、電荷純度および分子サイズ純度においても単一分画法の生成物よりも著しく優れている。サンプルのパラメタをさらに分析した結果を以下の表7に示す。
【0100】
【表7】
【0101】
実施例3:異なる細胞増殖密度で段階的な分画を実行する上流生産
さらなる研究により、段階的な分画プロセスに適用できる細胞密度は15±5×10細胞数/mlと低く、低密度細胞培養の条件下で細胞密度が15±5×10細胞数/mlに達したときに第2生産段階に入ることができ、細胞密度が35±5×10細胞数/mlに達したときに効果はより高いことが発見された。前記細胞密度下で第2生産段階に入った場合においても、最終製品の収量および製品電荷の純度は、従来の単一分画プロセスよりも著しく高かった。実施例2の抗体を例とすると、細胞密度が15±5×10細胞数/ml、その変動範囲が10×10細胞数/ml〜20×10細胞数/mlである場合、または細胞密度が35±5×10細胞数/ml、その変動範囲が30×10細胞数/ml〜40×10細胞数/mlである場合の単一分画法と段階的な分画法との比較結果を表8に示す。
【0102】
【表8】
【0103】
実施例4:異なる分子量の生成物の適用性
本発明の段階的な分画的生産プロセスは、異なる分子量のタンパク質製品の生産にも適用され得る。遺伝子組換え抗体を例とすると、抗体Fab領域は、平均分子量が約50KDであり、二重/多重特異性抗体は、分子量が約300KDに達することができ、いずれも段階的な分画プロセスに良好に適用できる。特に二重/多重特異性抗体は、構造が複雑で、常に特別に設計される変異を伴い、製品関連不純物が出る可能性が非常に高いため、段階的な分画の上流生産プロセスにより、第1生産段階において関連する不純物を比較的大きい濾過孔を排除し、後期の純化と開発により有利である。タンパク質製品お分子量の差が大きいため、本発明において、本発明者は生産段階で用いた濾過部材の濾過孔の範囲を検討した。第1生産段階では、0.05μm−1μm範囲内の濾過部材であれば、小分子代謝生成物および大分子製品関連不純物を除去することができる。好ましい実施例において、0.1μm−0.5μmの濾過部材を使用することにより、除去効率および製品収率をより効果的に向上させることができる。第2生産段階では、本発明者は、生成物の分子量を参照として、分画孔径が生成物分子量の1/15〜2/3である濾過部材を使用する場合、良好な生成物エンリッチ効果を実現することができ、分画孔径が生成物分子量の2/15〜7/15である場合、収率はより高く、分画孔径が生成物分子量の1/5〜1/3である場合、エンリッチ抗体の収率は最も高かった。
【0104】
本実施例において、発明者は単一分画法および段階的な分画法によりそれぞれ実施例1のハーセプチン抗体配列のFab領域(〜50KD)タンパク質断片を発現して純化した。段階的な分画法において、Refine TechologyのATF−2Lシステムを用い、まず孔径0.1μmの中空繊維カラムを取り付けて第1段階の培養を実現し、細胞密度が10〜15×10に達したときに、処理された滅菌10KD中空繊維膜で元の0.1μmの中空繊維膜を交換し、第2生産段階に入った。単一分画法において、最初からATFシステムに10KDの中空繊維膜が取り付けられた。この2つの培養方法は、同じ培養条件下で使用され、単一分画法に比べ、段階的な分画法は、ハーセプチン抗体配列のFab領域収量を4%向上させ、純度を2%向上させた。本発明者は、分子量が50KDの他のタンパク質断片を用いて比較した結果、段階的な分画法は、従来の単一分画法に比べ、50KDのタンパク質断片の製造において、効果的に収量を2−4%、純度を1−2%向上できることを発見した。
【0105】
本実施例において、本発明者は、単一分画法および段階的な分画法により二重特異性抗体の発現および純化を行った。即ち、実施例1におけるハーセプチン抗体配列のFab領域(〜50KD)のC端を直接実施例2の一次薬アバスチン抗体の可変領域のN端に結合して対称構造を有する分子量が約250KDである二重特異性抗体を形成した。段階的な分画法において、Refine TechologyのATF−2Lシステムを用い、まず孔径が0.5μmの中空繊維カラムを取り付け、第1段階の培養を達成し、細胞密度が30〜40×10に達した後、処理された滅菌された50KD中空繊維膜で元の0.5μmの中空繊維膜を交換し、第2生産段階に入った。単一分画法では、最初からATFシステムに50KDの中空繊維膜が取り付けられた。この2つの培養方法は、同じ培養件下で使用され、単一分画法に比べ、二重抗体分子の複雑性により、第1生産段階では、細胞培養の初期で代謝生成物、ポリポリマー、および初期の品質がよくない抗体分子を除去できるため、段階的な分画法は、二重特異性抗体配列の収量を10%、純度を5%効果的に向上できる。本発明者は、分子量が250KDの他のタンパク質断片を用いて比較した結果、段階的な分画法は、従来の単一分画法に比べ、大分子量の二重特異性または三重特異性抗体の製造において、効果的に収量を5−10%、純度を3−5%向上できることを発見した。
【0106】
以上、本発明の好ましい生産形態に基づいて、実施例により本発明を無制限に説明した。本発明に記載の段階的な分画の上流生産プロセスは、異なる形態のバイオリアクタの培養と併用することができ、または従来の様々な分画システム(例えば、接線流濾過システム(TFF,tangential flow filtration)、回転濾過システム、深層濾過システム、遠心分離システムまたは沈降システムなど)に適用することができる。添付する特許請求の範囲内であれば、全ての変化および/または変形は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【図1】
【図2】
【国際調査報告】