(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】2021518036
(43)【公表日】20210729
(54)【発明の名称】リチウム二次電池用分離膜及びこれを含むリチウム二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/409 20210101AFI20210702BHJP
【FI】
   !H01M2/16 L
   !H01M2/16 P
   !H01M2/16 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】2020551844
(86)(22)【出願日】20190429
(85)【翻訳文提出日】20200925
(86)【国際出願番号】KR2019005146
(87)【国際公開番号】WO2019209087
(87)【国際公開日】20191031
(31)【優先権主張番号】10-2018-0049375
(32)【優先日】20180427
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
【住所又は居所】大韓民国 07336 ソウル,ヨンドゥンポ−グ,ヨイ−デロ 128
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・シン
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
(72)【発明者】
【氏名】キョン・ホ・アン
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
(72)【発明者】
【氏名】チョル・ヘン・イ
【住所又は居所】大韓民国・テジョン・34122・ユソン−グ・ムンジ−ロ・188・エルジー・ケム・リサーチ・パーク
【テーマコード(参考)】
5H021
【Fターム(参考)】
5H021BB12
5H021CC04
5H021EE02
5H021EE22
5H021HH03
(57)【要約】
本発明は、基材;エポキシ開環反応を介してゲルポリマー電解質と結合され得る第1有機バインダーを含む第1コーティング層;及び第2有機バインダーを含む第2コーティング層;を含み、前記第1有機バインダーは、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含み、前記ゲルポリマー電解質は、エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーが重合されて形成されるものであるリチウム二次電池用分離膜及びこれを含むリチウム二次電池を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材;
エポキシ開環反応を介してゲルポリマー電解質と結合され得る第1有機バインダーを含む第1コーティング層;及び
第2有機バインダーを含む第2コーティング層;を含み、
前記第1有機バインダーは、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含み、
前記ゲルポリマー電解質は、エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーが重合されて形成されているものである、リチウム二次電池用分離膜。
【請求項2】
前記エポキシ基と開環反応が可能な官能基は、ヒドロキシ基(OH)、カルボン酸基(COOH)、アミン基、イソシアネート基、メルカプタン基及びイミド基よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の官能基である、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項3】
前記第1有機バインダーは、ハロゲン元素が少なくとも1つ以上置換された炭素数1から5のアルキレン基、炭素数1から5のアルキレンオキシド基、ハロゲン元素が少なくとも1つ以上置換された炭素数1から5のアルキレンオキシド基、イミド基及びセルロイドよりなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む単位を含み、
前記単位からなる主鎖にエポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせが置換されている、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項4】
前記オリゴマーは、アルキレンオキシド基を含む単位及びアミン基を含む単位よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の単位を含み、
前記単位からなる主鎖にエポキシ基及びエポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせが置換されている、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項5】
前記第1コーティング層及び第2コーティング層から選択される少なくとも1つ以上のコーティング層は、Si、Al、Ti、Zr、Sn、Ce、Mg、Ca、Zn、Y、Pb、Ba、Hf、及びSrよりなる群から選択される1種以上の元素を含む無機酸化物を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項6】
前記第1コーティング層は、前記基材上に形成されており、
前記第2コーティング層は、前記第1コーティング層上に形成されている、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項7】
前記第2コーティング層は、前記基材上に形成されており、
前記第1コーティング層は、前記第2コーティング層上に形成されている、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項8】
前記第1コーティング層の厚さ及び第2コーティング層の厚さを合わせた総厚さは、0.2μmから20μmである、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項9】
少なくとも1つ以上の正極、少なくとも1つ以上の負極及び前記正極と負極の間に介在される少なくとも1つの第1分離膜を含む単位セルを少なくとも1つ以上含む電極組立体;及び
エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーが重合されて形成されているゲルポリマー電解質;を含むリチウム二次電池であり、
前記第1分離膜は、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜であるリチウム二次電池。
【請求項10】
前記電極組立体は2以上の単位セルを含み、前記単位セルの間に介在される第2分離膜をさらに含む、請求項9に記載のリチウム二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年4月27日付韓国特許出願第10−2018−0049375号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、リチウム二次電池用分離膜及びこれを含むリチウム二次電池に関し、より詳細には、ゲルポリマー電解質を含むリチウム二次電池用分離膜及びこれを用いたリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術の開発と需要の増加に伴い、エネルギー源としての二次電池に対する需要が急激に増加しており、かかる二次電池の中でも高いエネルギー密度と作動電位を示し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池が商用化されて広く用いられている。
【0004】
また、最近は、環境問題に対する関心が大きくなるに伴い、大気汚染の主な原因の1つであるガソリン車両、ディーゼル車両など化石燃料を使用する車両に代替可能な電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などに対する研究が多く進められている。
【0005】
このような電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などは、動力源としてニッケル水素金属(Ni−MH)二次電池、又は高いエネルギー密度、高い放電電圧及び出力安定性のリチウム二次電池を用いているところ、リチウム二次電池を電気自動車に用いる場合には、高いエネルギー密度と短時間に大きな出力を発揮できる特性とともに、過酷な条件下で10年以上用いられなければならないので、既存の小型リチウム二次電池より遥かに優れたエネルギー密度、安全性及び長期寿命特性が必然的に求められる。
【0006】
一般に、リチウム二次電池は、負極(anode)と正極(cathode)、これらの間に介在される分離膜(separator)及びリチウムイオンの伝達媒質である電解質を用いて製造されるところ、従来の二次電池は、液体状態の電解質、特に、非水系有機溶媒に塩を溶解したイオン伝導性有機液体電解質が主に用いられてきた。
【0007】
しかし、このように液体状態の電解質を用いると、電極物質が劣化して有機溶媒が揮発される可能性が高いだけでなく、周辺の温度及び電池自体の温度の上昇による燃焼などの安全性の問題がある。特に、リチウム二次電池は、充放電を進めるとき、カーボネート有機溶媒の分解及び/又は有機溶媒と電極との副反応により電池の内部にガスが発生し、電池の厚さを膨張させるという問題点がある。したがって、電池の性能と安全性の低下が必然的にもたらされることとなる。
【0008】
一般に、電池の安全性は、液体電解質<ゲルポリマー電解質<固体高分子電解質の順で向上されるが、これに反して電池の性能は減少することが知られている。現在、前記固体高分子電解質は、電池の性能が劣るため未だに商業化されていないものと知られている。
【0009】
一方、ゲルポリマー電解質の場合、電気化学的安全性に優れるので、電池の厚さを一定に維持することができるだけでなく、ゲル状固有の接着力により電極と電解質の間の接触に優れて薄膜型電池を製造することができるので、最近はゲルポリマー電解質が多く用いられている。
【0010】
一方、分離膜は、電気化学反応に参加しない非活性素材や電池を作動させるためにリチウムイオンが移動する経路を提供し、正極と負極の物理的接触を分離する素材であって、電池の性能及び安定性に大きな影響を及ぼす核心素材中の1つである。
【0011】
リチウム二次電池の場合、充放電が繰り返される間に発生する運動エネルギーにより容易に熱が出ることがあるが、分離膜はこの熱に脆弱である。特に、ポリエチレン(PE)を用いる分離膜の場合、約130℃近くで溶融し(溶け)始めて気孔が閉鎖される「短絡(shutdown)」の現象が発生することがあり、150℃以上では完全に溶融して内部短絡を防ぐことができず、崩壊(メルトダウン又は機械的一体性(mechanical integrity)の破壊)することもあり得る。
【0012】
このような問題を克服するため、最近は、分離膜の表面に無機物粒子と高分子バインダーをコーティングするディップ(Dip)コーティング方式を用いるなど耐久性を強化するための研究が続けられている。
【0013】
ところが、ゲルポリマー電解質と無機物粒子を含むコーティング層が形成された分離膜をともに用いる場合、前記コーティング層と電解質の間の接着力を付与できる構成要素がない。よって、分離膜に電解質が均一に形成できないので界面抵抗が大きくなり、電池内の短絡現象などが発生するという問題点がある。
【0014】
したがって、多様な電池の形態に適用して用いることができるよう、工程性に優れ、耐久性が一定水準以上維持されながらも、ゲルポリマー電解質の間の密着性が向上され、電池の安全性と寿命特性を改善することができる分離膜、及びこれを含むリチウム二次電池の開発が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2015−0131513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、ゲルポリマー電解質との密着力を向上させて電池の安全性及び寿命特性が改善され、多層構造を有して工程性も改善され得るリチウム二次電池用分離膜、及びこれを含むリチウム二次電池を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一側面において、本発明は、基材;エポキシ開環反応を介してゲルポリマー電解質と結合され得る第1有機バインダーを含む第1コーティング層;及び第2有機バインダーを含む第2コーティング層;を含み、前記第1有機バインダーは、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含み、前記ゲルポリマー電解質は、エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーが重合されて形成されるものであるリチウム二次電池用分離膜を提供する。
【0018】
このとき、前記エポキシ基と開環反応が可能な官能基は、ヒドロキシ基(OH)、カルボン酸基(COOH)、アミン基、イソシアネート基、メルカプタン基及びイミド基よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の官能基である。
【0019】
一方、前記第1有機バインダーは、ハロゲン元素が少なくとも1つ以上置換された炭素数1から5のアルキレン基、炭素数1から5のアルキレンオキシド基、ハロゲン元素が少なくとも1つ以上置換された炭素数1から5のアルキレンオキシド基、イミド基及びセルロイドよりなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む単位を含み、前記単位からなる主鎖にエポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせが置換されるものであってよい。
【0020】
一方、前記オリゴマーは、アルキレンオキシド基を含む単位及びアミン基を含む単位よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の単位を含み、前記単位からなる主鎖にエポキシ基及びエポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせが置換されるものであってよい。
【0021】
本発明の一具現例において、前記第1コーティング層及び第2コーティング層のうち選択される少なくとも1つ以上のコーティング層は、Si、Al、Ti、Zr、Sn、Ce、Mg、Ca、Zn、Y、Pb、Ba、Hf、及びSrよりなる群から選択される1種以上の元素を含む無機酸化物を含むものであってよい。
【0022】
本発明の他の具現例において、前記第1コーティング層は前記基材上に形成され、前記第2コーティング層は前記第1コーティング層上に形成されるものであってよく、また他の具現例として、前記第2コーティング層は前記基材上に形成され、前記第1コーティング層は前記第2コーティング層上に形成されるものであってよい。
【0023】
本発明の一具現例として、少なくとも1つ以上の正極、少なくとも1つ以上の負極、及び前記正極と負極の間に介在される少なくとも1つの第1分離膜を含む単位セルを少なくとも1つ以上含む電極組立体;及びエポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーが重合されて形成されるゲルポリマー電解質;を含むリチウム二次電池であり、前記第1分離膜は、前記リチウム二次電池用分離膜であるリチウム二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によるリチウム二次電池用分離膜は、エポキシ開環反応を介してゲルポリマー電解質と結合し得る第1有機バインダーを含む第1コーティング層を備え、ゲルポリマー電解質との結合力を向上させて電池の内部短絡を抑制し、安全性を改善させてリチウム二次電池の寿命特性を改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1及び2による分離膜の断面を示した図である。
【図2】本発明の実施例3及び4による分離膜の断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0027】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられた用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最良の方法で説明するために、用語の概念を適宜定義することができるとの原則に即し、本発明の技術的思想に適合する意味と概念として解釈されなければならない。
【0028】
本明細書で用いられる用語は、単に例示的な実施例を説明するために用いられるものであって、本発明を限定しようとする意図のものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0029】
本明細書において、「含む」、「備える」、又は「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、構成要素、又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、構成要素、又はこれらの組み合わせなどの存在又は付加の可能性をあらかじめ排除するものではないと理解されるべきである。
【0030】
一方、本発明で特別な言及がない限り、「*」は、同一であるか、異なる原子又は化学式の末端部の間の連結された部分を意味する。
【0031】
また、本発明において、重量平均分子量(Mw)は、ゲル透過クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)を用いて測定することができる。例えば、一定濃度のサンプル試料を準備した後、GPC測定システムalliance 4機器を安定化させる。機器が安定化された後、機器に標準試料とサンプル試料を注入し、クロマトグラムを得た後、分析方法によって分子量を算出することができる(システム:Alliance 4、カラム:Ultrahydrogel linear X 2、eluent:0.1M NaNO(pH 7.0 phosphate buffer、flow rate:0.1mL/min、temp:40℃、injection:100μl)。
【0032】
<リチウム二次電池用分離膜>
本発明によるリチウム二次電池用分離膜は、(1)基材、(2)エポキシ開環反応を介してゲルポリマー電解質と結合され得る第1有機バインダーを含む第1コーティング層、及び(3)第2有機バインダーを含む第2コーティング層を含み、前記第1有機バインダーは、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含み、前記ゲルポリマー電解質は、エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーが重合されて形成される。
【0033】
前記基材は、多孔性基材を用いることができ、通常、多孔性基材は、電気化学素子の分離膜素材として使用可能なものであれば、特に制限なく使用が可能である。このような多孔性基材としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレンのような高分子樹脂のうち少なくとも何れか1つで形成された不織布又は多孔性高分子フィルム、又はこのうち2以上の積層物などがあるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0034】
前記第1コーティング層は、ゲルポリマー電解質とエポキシ開環反応を介して結合され得る第1有機バインダーを含む。また、前記第1コーティング層は選択的に無機酸化物をさらに含むことができる。
【0035】
このとき、前記第1有機バインダーは、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含み、前記ゲルポリマー電解質は、エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーが重合されて形成される。このとき、前記第1コーティング層には選択的に無機酸化物がさらに含まれてよい。
【0036】
具体的には、前記エポキシ基と開環反応が可能な官能基は、水酸化基(OH)、カルボン酸基(COOH)、アミン基、イソシアネート基、メルカプタン基及びイミド基よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の官能基であってよい。
【0037】
より具体的には、アミン基は、−NRで表されてよく、前記R及びRはそれぞれ独立して水素(H)、炭素数1から10の置換又は非置換の鎖状アルキル基、及び炭素数1から10の置換又は非置換の環状アルキル基よりなる群から選択される少なくとも1つ以上のものであってよい。
【0038】
より具体的には、イミド基は、−R−CO−N(R)−CO−Rで表されてよく、前記RからRはそれぞれ独立して水素(H)、炭素数1から10の置換又は非置換の鎖状アルキル基、及び炭素数1から10の置換又は非置換の環状アルキル基よりなる群から選択される少なくとも1つ以上のものであってよい。
【0039】
一方、前記第1有機バインダーは、当該技術分野でよく知られている一般的な有機バインダー、例えば、PVdF(ポリビニリデンフルオライド(Poly(Vinylidene fluoride)))、PVdF−co−HFP(ポリビニリデンフルオライド(Poly(Vinylidene fluoride))とヘキサフルオロプロピレン(hexafluoropropylene)の共重合体)などにエポキシ基及び/又はエポキシ基と開環反応可能な官能基が置換されたバインダーが用いられ得る。より具体的には、前記第1有機バインダーは、前記官能基以外に、ハロゲン元素(F、Cl、Br、I)が少なくとも1つ以上置換された炭素数1から5のアルキレン基、炭素数1から5のアルキレンオキシド基、イミド基、セルロイドよりなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む単位をさらに含んでよい。
【0040】
このとき、前記単位からなる主鎖にエポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせが置換されてよい。具体的には、前記主鎖に位置する水素(H)がエポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせで置換されてよく、前記置換された程度はモル%で計算されてよい。但し、付着される官能基の個数や位置が特定されるものではない。
【0041】
例えば、前記ハロゲン元素が少なくとも1つ以上置換されたアルキレン基を含む単位は、下記化学式X−1又はX−2で表される単位のうち選択される少なくとも1つ以上で表されてよい。
【0042】
【化1】
【0043】
前記化学式X−1で、前記m1は、1から10,000の整数、好ましくは1から7,500の整数、より好ましくは1から5,000の整数である。
【0044】
【化2】
【0045】
前記化学式X−2で、前記m2及びm3は、それぞれ独立して1から10,000の整数、好ましくは1から7,500の整数、より好ましくは1から5,000の整数である。
【0046】
例えば、アルキレンオキシド基を含む単位は、下記化学式X−3のとおり表されてよい。
【0047】
【化3】
【0048】
前記化学式X−3で、前記m4は、1から10,000の整数、好ましくは1から7,500の整数、より好ましくは1から5,000の整数である。
【0049】
例えば、前記ハロゲン元素が置換されたアルキレンオキシド基を含む単位は、下記化学式X−4のとおり表されてよい。
【0050】
【化4】
【0051】
前記化学式X−4で、前記m5は1から10,000の整数、好ましくは1から7,500の整数、より好ましくは1から5,000の整数である。
【0052】
例えば、前記イミド基を含む単位は、下記化学式X−5のとおり表されてよい。
【0053】
【化5】
【0054】
前記化学式X−5で、前記m6は、1から10,000の整数、好ましくは1から7,500の整数、より好ましくは1から5,000の整数である。
【0055】
例えば、前記セルロイドを含む単位は、下記化学式X−6のとおり表されてよい。
【0056】
【化6】
【0057】
前記化学式X−6で、前記m7は、1から10,000の整数、好ましくは1から7,500の整数、より好ましくは1から5,000の整数である。
【0058】
一方、前記第1有機バインダーは、前記第1コーティング層の全重量を基準として100重量%で含まれて単独でコーティング層を形成することができ、無機酸化物をさらに含む場合、第1コーティング層の全重量を基準として10重量%から80重量%で含まれてよく、具体的には10重量%から60重量%で含まれてよく、より具体的には10重量%から50重量%で含まれてよい。
【0059】
前記無機酸化物は、耐熱性及び耐久性が良好な化合物であって、分離膜にコーティングされる場合、分離膜の機械的強度を向上させることができるのはもちろん、耐熱性を改善させることができる。
【0060】
具体的には、例えば、前記無機酸化物は、Si、Al、Ti、Zr、Sn、Ce、Mg、Ca、Zn、Y、Pb、Ba、Hf、及びSrよりなる群から選択された少なくとも1つ以上の元素を含むことができ、好ましくは、Si、Al、Ti及びZrよりなる群から選択された少なくとも1つ以上の元素を含むことができる。
【0061】
より具体的には、前記無機酸化物は、SiO、Al、TiO、ZrO、SnO、CeO、MgO、CaO、ZnO、Y、Pb(Zr、Ti)O(PZT)、Pb(1−a1)Laa1Zr(1−b1)Tib1(0≦a1≦1、0≦b1≦1、PLZT)、PB(MgNb2/3)O−PbTiO(PMN−PT)、BaTiO、HfO(hafnia)、SrTiOなどがあり、前記列記された無機酸化物は、一般に200℃以上の高温になっても物理的特性が変わらないという特性を有している。より好ましくは、前記無機酸化物は、SiO、Al、TiO及びZrOよりなる群から選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。
【0062】
前記無機酸化物は、前記第1コーティング層の全重量を基準として20重量%から90重量%で含まれてよく、具体的には40重量%から90重量%で含まれてよく、より具体的には50重量%から90重量%で含まれてよい。前記無機酸化物が前記範囲内に含まれる場合、無機酸化物が第1コーティング層から脱離されることを防止することができ、分離膜の耐久性を改善させることができる。
【0063】
第2コーティング層は、第2有機バインダーを含み、選択的に無機酸化物をさらに含むことができる。
【0064】
前記第2有機バインダーは、工程性を向上させ、選択的に無機酸化物をさらに含む場合、無機酸化物を固定させるために用いられるものである。具体的には、前記第2有機バインダーは、当該技術分野でよく知られている一般的な有機バインダー、例えば、PVdF(ポリビニリデンフルオライド(Poly(Vinylidene fluoride)))、PVdF−co−HFP(ポリビニリデンフルオライド(Poly(Vinylidene fluoride))とヘキサフルオロプロピレン(hexafluoropropylene)の共重合体)などを用いることができる。一方、前記第2有機バインダーの場合、前記第2コーティング層の全重量を基準として100重量%で含まれて単独でコーティング層を形成することができ、無機酸化物をさらに含む場合、第2コーティング層の全重量を基準として10重量%から80重量%で含まれてよく、具体的には10重量%から70重量%で含まれてよく、より具体的には10重量%から60重量%で含まれてよい。
【0065】
前記無機酸化物は、耐熱性及び耐久性が良好な化合物であって、分離膜にコーティングされる場合、分離膜の機械的強度を向上させることができるのはもちろん、耐熱性を改善させることができる。
【0066】
具体的には、例えば、前記無機酸化物は、Si、Al、Ti、Zr、Sn、Ce、Mg、Ca、Zn、Y、Pb、Ba、Hf、及びSrよりなる群から選択された少なくとも1つ以上の元素を含むことができ、好ましくは、Si、Al、Ti及びZrよりなる群から選択された少なくとも1つ以上の元素を含むことができる。
【0067】
より具体的には、前記無機酸化物は、SiO、Al、TiO、ZrO、SnO、CeO、MgO、CaO、ZnO、Y、Pb(Zr、Ti)O(PZT)、Pb(1−a1)Laa1Zr(1−b1)Tib1(0≦a1≦1、0≦b1≦1、PLZT)、PB(MgNb2/3)O−PbTiO(PMN−PT)、BaTiO、HfO(hafnia)、SrTiOなどがあり、前記列記された無機酸化物は、一般に200℃以上の高温になっても物理的特性が変わらないという特性を有している。より好ましくは、前記無機酸化物は、SiO、Al、TiO及びZrOよりなる群から選択された少なくとも1つ以上を含むことができる。前記無機酸化物は、前記第2コーティング層の全重量を基準として20重量%から90重量%で含まれてよく、具体的には40重量%から90重量%で含まれてよく、より具体的には50重量%から90重量%で含まれてよい。前記無機酸化物が前記範囲内に含まれる場合、無機酸化物が第2コーティング層から脱離されることを防止することができ、分離膜の耐久性を改善させることができる。
【0068】
一方、本発明によるリチウム二次電池用分離膜の場合、(1)第1コーティング層が基材上に形成され、第2コーティング層は第1コーティング層上に形成される構造、又は(2)第2コーティング層が基材上に形成され、第1コーティング層は第2コーティング層上に形成される構造で形成されてよい。
【0069】
このとき、(1)構造のように、第1コーティング層が基材上に先に形成される場合には、耐久性及び耐熱性が強い無機酸化物を含む第2コーティング層が第1コーティング層上に形成されているので、このように形成された分離膜が備えられた電極組立体を用いたラミネーション−スタック工程(lamination−stack)又はラミネーション−フォールディング工程(lamination−folding)も容易に進めることができる。具体的には、ラミネーション−スタック型リチウム二次電池の場合、1つ以上の正極又は負極と1つ以上の分離膜を先ず接着するラミネーション(lamination)工程を経て正極/分離膜/負極を含む単位セルを形成した後、前記単位セルに分離膜を介在してスタック/溶接して電極組立体を形成し、前記電極組立体を電池ケースに挿入した後、電解質を注入する段階などを経て製造されてよい。一方、ラミネーション−フォールディング型リチウム二次電池の場合、前記ラミネーション工程を経て製造された単位セルを長い長さの分離膜シートを用いてフォールディングして電極組立体を形成し、前記電極組立体を電池ケースに挿入した後、電解質を注入して製造されてよい。一方、第2コーティング層の場合、無機酸化物と第2有機バインダーでコーティング層が形成されてコーティング層の内部に空隙が存在する。よって、第1コーティング層とのゲルポリマー電解質の間の間隔内でも電解質組成物に含まれるオリゴマーが浸透して重合反応を進めることができるので、ゲルポリマー電解質と分離膜の間の結合力はある程度の水準以上に維持される。
【0070】
一方、(2)構造のように、第2コーティング層が基材上に先に形成される場合には、耐久性が強い無機酸化物を基材に優先的にコーティングして基材の機械的物性が向上でき、分離膜を作るための工程の経済性を改善させることができる。但し、分離膜を設計するとき、前記2種の積層構造のうち1つの構造に限定されず、リチウム二次電池用分離膜の使用の目的及び製造するための工程に従い積層構造を異ならせて設定することができる。また、前記積層構造に追加で分離膜の耐熱性や機械的性能を改善させるため、第1コーティング層及び/又は第2コーティング層を追加でさらに積層して多層構造のコーティング層をさらに形成することもまた可能である。
【0071】
一方、前記第1コーティング層の厚さ及び第2コーティング層の厚さを合わせた総厚さは0.2μmから20μmであってよい。具体的には、総厚さは0.5μmから17μm、より具体的には、総厚さは1μmから15μmであってよい。前記総厚さが前記範囲内である場合、リチウムイオンの移動性を低下しないながらも、分離膜の機械的性能及びゲルポリマー電解質との結合力を向上させることができる。
【0072】
<リチウム二次電池>
以下、リチウム二次電池に対して説明する。
【0073】
本発明によるリチウム二次電池は、(1)少なくとも1つ以上の正極、少なくとも1つ以上の負極、及び前記正極と負極の間に介在される少なくとも1つの第1分離膜を含む単位セルを少なくとも1つ以上含む電極組立体;及び(2)エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーが重合されて形成されるゲルポリマー電解質を含むリチウム二次電池であり、前記第1分離膜は、本発明による分離膜であってよい。
【0074】
このとき、前記本発明による分離膜に対しては前述した内容と同一なので、具体的な説明を省略する。以下、前記電極組立体内に含まれる単位セルの各構成に対して説明する。
【0075】
先ず、前記単位セルに含まれる少なくとも1つ以上の正極は、正極集電体上に正極活物質、電極用バインダー、電極導電材及び溶媒などを含む正極合剤スラリーをコーティングして製造することができる。
【0076】
前記正極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発することなく、導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、又はアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが用いられてよい。
【0077】
前記正極活物質は、リチウムの可逆的なインタカレーション及びデインターカレーションが可能な化合物であって、具体的にはコバルト、マンガン、ニッケル又はアルミニウムのような1種以上の金属とリチウムを含むリチウム複合金属酸化物を含んでよい。より具体的には、前記リチウム複合金属酸化物は、リチウム−マンガン系酸化物(例えば、LiMnO、LiMnなど)、リチウム−コバルト系酸化物(例えば、LiCoOなど)、リチウム−ニッケル系酸化物(例えば、LiNiOなど)、リチウム−ニッケル−マンガン系酸化物(例えば、LiNi1−Y1MnY1(ここで、0<Y1<1)、LiMn2−z1Niz1(ここで、0<Z1<2)など)、リチウム−ニッケル−コバルト系酸化物(例えば、LiNi1−Y2CoY2(ここで、0<Y2<1)など)、リチウム−マンガン−コバルト系酸化物(例えば、LiCo1−Y3MnY3(ここで、0<Y3<1)、LiMn2−z2Coz2(ここで、0<Z2<2)など)、リチウム−ニッケル−マンガン−コバルト系酸化物(例えば、Li(Nip1Coq1Mnr1)O(ここで、0<p1<1、0<q1<1、0<r1<1、p1+q1+r1=1)又はLi(Nip2Coq2Mnr2)O(ここで、0<p2<2、0<q2<2、0<r2<2、p2+q2+r2=2)など)、又はリチウム−ニッケル−コバルト−遷移金属(M)酸化物(例えば、Li(Nip3Coq3Mnr3S1)O(ここで、Mは、Al、Fe、V、Cr、Ti、Ta、Mg及びMoよりなる群から選択され、p3、q3、r3及びs1はそれぞれ独立した元素の原子分率であって、0<p3<1、0<q3<1、0<r3<1、0<s1<1、p3+q3+r3+s1=1である)など)などを挙げることができ、これらのうち何れか1つ又は2つ以上の化合物が含まれてよい。
【0078】
この中でも、電池の容量特性及び安定性を高めることができるという点で、前記リチウム複合金属酸化物は、LiCoO、LiMnO、LiNiO、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(例えば、Li(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O、Li(Ni0.5Mn0.3Co0.2)O、又はLi(Ni0.8Mn0.1Co0.1)Oなど)、又はリチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.15Al0.05など)などであってよく、リチウム複合金属酸化物を形成する構成元素の種類及び含量比の制御による改善効果の顕著さを考慮すると、前記リチウム複合金属酸化物は、Li(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O、Li(Ni0.5Mn0.3Co0.2)O、Li(Ni0.7Mn0.15Co0.15)O又はLi(Ni0.8Mn0.1Co0.1)Oなどであってよく、これらのうち何れか1つ又は2つ以上の混合物が用いられてよい。
【0079】
前記正極活物質は、正極合剤スラリー中の溶媒を除いた固形物の全重量を基準として60重量%から98重量%、好ましくは70重量%から98重量%、より好ましくは80重量%から98重量%で含まれてよい。
【0080】
前記電極用バインダーは、正極活物質と電極導電材などの結合と集電体に対する結合を助ける成分である。具体的には、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、多様な共重合体などを挙げることができる。通常、前記電極用バインダーは、正極合剤スラリー中の溶媒を除いた固形物の全重量を基準として1重量%から20重量%、好ましくは1重量%から15重量%、より好ましくは1重量%から10重量%で含まれてよい。
【0081】
前記電極導電材は、正極活物質の導電性をさらに向上させるための成分である。前記電極導電材は、当該電池に化学的変化を誘発することなく、導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、グラファイト;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどの炭素系物質;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが用いられてもよい。市販されている導電材の具体的な例としては、アセチレンブラック系の製品など(シェブロンケミカルカンパニー(Chevron Chemical Company)やデンカブラック(Denka Singapore Private Limited)又はガルフオイルカンパニー(Gulf Oil Company)の製品)、ケッチェンブラック(Ketjenblack)、EC系(アルマックカンパニー(Armak Company)の製品)、ブルカン(Vulcan)XC−72(キャボットカンパニー(Cabot Company)の製品)及びスーパー(Super)P(Timcal社)などがある。前記電極導電材は、正極合剤スラリー中の溶媒を除いた固形物の全重量を基準として1重量から20重量%、好ましくは1重量から15重量%、より好ましくは1重量から10重量%で含まれてもよい。
【0082】
前記溶媒は、NMP(N−メチル−2−ピロリドン(N−methyl−2−pyrrolidone))などの有機溶媒を含んでもよく、前記正極活物質、及び選択的に正極用バインダー及び正極導電材などを含む際に好適な粘度となる量で用いられてよい。例えば、正極活物質、及び選択的に正極用バインダー及び正極導電材を含む固形分の濃度が60重量%から95重量%、好ましくは70重量%から95重量%、より好ましくは70重量%から90重量%となるように含まれてよい。
【0083】
また、前記負極は、例えば、負極集電体上に負極活物質、負極用バインダー、負極導電材及び溶媒などを含む負極合剤スラリーをコーティングして製造することができる。一方、前記負極は、金属集電体自体を電極として用いることができる。
【0084】
前記負極集電体は、一般に3μmから500μmの厚さを有する。このような負極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発することなく、導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム−カドミウム合金などが用いられてよい。また、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成することで負極活物質の結合力を強化させてもよく、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態で用いられてよい。
【0085】
前記負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、Ni又はFeである金属類(Me);前記金属類(Me)から構成される合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体よりなる群から選択された1種又は2種以上の負極活物質を挙げることができる。
【0086】
前記負極活物質は、負極合剤スラリー中の溶媒を除いた固形物の全重量を基準として60重量%から98重量%、好ましくは70重量%から98重量%、より好ましくは80重量%から98重量%で含まれてよい。
【0087】
前記電極用バインダー、電極導電材及び溶媒に対する内容は前述した内容と同一なので、具体的な説明を省略する。
【0088】
前記ゲルポリマー電解質は、前記正極と負極及び分離膜の間に配置されてよく、前記ゲルポリマー電解質は、オリゴマーが重合されて形成されるものであって、エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含む。前記オリゴマーを用いる場合、オリゴマー間のエポキシ開環反応を介して熱重合されるのはもちろん、第1コーティング層内に含まれた第1有機バインダーともエポキシ開環反応を介して結合され得る。
【0089】
より具体的には、前記オリゴマーは、エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含む。前記オリゴマーを用いる場合、オリゴマー間のエポキシ開環反応を介して熱重合されるのはもちろん、前記第1コーティング層に含まれた第1有機バインダーともエポキシ開環反応を介して結合され得る。
【0090】
一方、既存のラジカル重合反応を介して重合反応をするオリゴマーの場合、重合開始剤を必須に用いてこそ重合反応を介して結合され得た。しかし、ラジカル重合開始剤として用いられるアゾ系(azo)、ペルオキシド系(peroxide)化合物などの場合、硬化反応の途中、電池の内部にガスを発生させて電池の安全性を低下させるという問題点があった。
【0091】
一方、本発明のゲルポリマー電解質に用いられるオリゴマーは、エポキシ開環反応を介して重合されるオリゴマーであって、既存のオリゴマーを重合するときに用いられる重合開始剤などを用いなくとも重合反応を行うことができる。したがって、重合反応を介して硬化される間にも電池の内部にガスが発生しないので、電池の膨張現象(swelling)及びこれから誘導される電極短絡現象などを予め防止し、電池の安全性を改善させ得る。
【0092】
具体的には、前記オリゴマーは、アルキレンオキシド基を含む単位及びアミン基を含む単位よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の単位を含み、前記単位からなる主鎖にエポキシ基及びエポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせが置換されるものであってよい
【0093】
例えば、前記オリゴマーは、下記化学式1及び化学式2で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の化合物を含んでよい。
【0094】
【化7】
【0095】
前記n1は、2から10,000の整数であり、好ましくは2から7,500の整数、より好ましくは2から5,000の整数であってよい。
【0096】
【化8】
【0097】
前記化学式2で、前記RからR11は炭素数1から5の置換又は非置換のアルキレン基であり、前記R12からR16はそれぞれ独立して、水素(H)、炭素数1から10の置換又は非置換のアルキル基、−NR1718及び−R19NR2021よりなる群から選択される少なくとも1つ以上のものであり、R19は炭素数1から5の置換又は非置換のアルキレン基であり、R17、R18、R20、R21はそれぞれ独立して、水素(H)、炭素数1から5の置換又は非置換のアルキル基及び−R22NHであって、前記R22は炭素数1から5の置換又は非置換のアルキレン基であり、前記n2は1から10,000、好ましくは1から7,500、より好ましくは1から5,000の整数である。
【0098】
一方、前記オリゴマーが化学式1で表される化合物及び化学式2で表される化合物を全て含む場合、前記化学式1で表される化合物及び化学式2で表される化合物は(30〜100):(0〜70)の重量比、好ましくは(40〜95):(5〜60)重量比で混合されてよい。前記オリゴマーを前記重量比で混合して用いると、オリゴマーで形成されるポリマーの機械的物性が向上されるので、ゲルポリマー電解質の漏液を防止することができ、分離膜との密着力が改善され得る。
【0099】
より具体的には、前記化学式2で表される化合物は、下記化学式2−1から化学式2−3で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の化合物を含むものであってよい。
【0100】
【化9】
【0101】
前記化学式2−1で、前記n2は1から10,000の整数である。
【0102】
【化10】
【0103】
前記化学式2−2で、前記n2は1から10,000の整数であり、
【化11】
前記化学式2−3で、前記n2は1から10,000の整数である。
【0104】
前記n2は、好ましくは1から10,000の整数、より好ましくは1から7,500の整数であってよい。
【0105】
前記化学式1又は化学式2で表されるオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、約100から1,000,000であってよい。好ましくは100から900,000、より好ましくは300から800,000のものであってよい。前記オリゴマーが前記範囲の重量平均分子量を有すると、硬化され形成されるゲルポリマー電解質が安定的に形成されるので、電池内の機械的性能が改善され、電池の外部衝撃によって発生し得る発熱及び発火現象を抑制することができ、発熱及び発火によって起こり得る爆発現象も制御することができる。また、電解質の漏液現象と揮発現象を抑制することができるので、リチウム二次電池の高温安全性も大きく向上され得る。
【0106】
一方、前記ゲルポリマー電解質は、前記オリゴマーを含むゲルポリマー電解質用組成物を電池ケース内に注液した後、硬化させて形成されるのが好ましい。
【0107】
より具体的には、本発明による二次電池は、(a)少なくとも1つ以上の正極、少なくとも1つ以上の負極、及び前記正極と負極の間に介在される少なくとも1つの第1分離膜を含む単位セルを少なくとも1つ以上含む電極組立体を電池ケースに挿入する段階、及び(b)前記電池ケースに本発明によるゲルポリマー電解質用組成物を注入した後、重合させてゲルポリマー電解質を形成する段階を経て製造されてよい。
【0108】
このとき、前記ゲルポリマー電解質用組成物は、前記オリゴマー以外に、リチウム塩、非水性有機溶媒を含んでよい。
【0109】
前記リチウム塩は、リチウム二次電池用電解質に通常用いられるものが制限なく用いられてよい。例えば、前記カチオンとしてLiを含み、アニオンとしてF、Cl、Br、I、NO、N(CN)、BF、ClO、AlO、AlCl、PF、SbF、AsF、BF、BC、(CFPF、(CFPF、(CFPF、(CFPF、(CF、CFSO、CSO、CFCFSO、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、CF(CFSO、CFCO、CHCO、SCN及び(CFCFSOよりなる群から選択された少なくとも何れか1つを含んでよい。前記リチウム塩は、1種又は必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。前記リチウム塩は、ゲルポリマー電解質用組成物の0.8Mから2M、具体的には0.8Mから1.5Mの濃度で含んでよい。但し、必ずしも前記濃度範囲に限定されず、ゲルポリマー電解質用組成物のうち他の成分により2M以上の高濃度で含んでもよい。
【0110】
前記非水性有機溶媒は、リチウム二次電池用電解質に通常用いられるものを制限なく用いることができる。例えば、エーテル化合物、エステル化合物、アミド化合物、線状カーボネート化合物、又は環状カーボネート化合物などをそれぞれ単独に又は2種以上混合して用いることができる。その中で代表的には、環状カーボネート化合物、線状カーボネート化合物、又はこれらの混合物を含んでよい。
【0111】
前記環状カーボネート化合物の具体的な例としては、エチレンカーボネート(ethylene carbonate、EC)、プロピレンカーボネート(propylene carbonate、PC)、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネート及びフルオロエチレンカーボネート(FEC)よりなる群から選択される何れか1つ又はこれらのうち2種以上の混合物がある。また、前記線状カーボネート化合物の具体的な例としては、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate、DMC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate、DEC)、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート及びエチルプロピルカーボネートよりなる群から選択される何れか1つ又はこれらのうち2種以上の混合物などが代表的に用いられてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0112】
特に、前記カーボネート系有機溶媒のうち、高粘度の有機溶媒として誘電率が高く、電解質内のリチウム塩をよく解離させるものとして知られているエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートのような環状カーボネートが用いられてよく、このような環状カーボネートに加え、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートのような低粘度、低誘電率の線状カーボネートを適当な割合で混合して用いると、高い電気伝導率を有する電解質を製造することができる。
【0113】
また、前記非水性有機溶媒のうち、エーテル化合物としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル及びエチルプロピルエーテルよりなる群から選択される何れか1つ又はこれらのうち2種以上の混合物を用いてよいが、これらに限定されるものではない。
【0114】
そして、前記非水性有機溶媒のうち、エステル化合物としては、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネートのような線状エステル;及びγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、σ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンのような環状エステルよりなる群から選択される何れか1つ又はこれらのうち2種以上の混合物を用いてよいが、これらに限定されるものではない。
【0115】
一方、他の具現例として、前記電極組立体は2以上の単位セルを含み、前記単位セルの間に介在される第2分離膜をさらに含んでよい。このとき、用いられる単位セルに対しては前記説明の内容と同一であり、前記第2分離膜の場合、一般に用いられる分離膜として、通常知られているポリオレフィン系分離膜であって、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを用いることができ、又はオレフィン系基材に有機/無機複合層が形成された複合分離膜などを用いるか、本発明による分離膜を用いてよい。
【0116】
また、前記電極組立体は、ラミネーション−フォールディング型又はラミネーション−スタック型電極組立体であってよい。リチウム二次電池は、電極組立体内に含まれた正極/分離膜/負極構造の単位セルが如何なる構造からなっているかにより分類され得るところ、代表的には、長いシート状の正極と負極を分離膜が介在された状態で巻き取った構造のゼリーロール(巻取型)単位セル、所定大きさの単位で切り取った多数の正極と負極を分離膜が介在された状態で順次積層したスタック型(積層型)単位セル、前記単位セルをモノセル(Mono−cell)又はバイセル(Bi−cell)フィルム状の分離膜などで巻き取ったスタック−フォールディング型電極組立体などを挙げることができる。
【0117】
このとき、単位セルに含まれる第1分離膜に本発明による前記分離膜を用いる場合、第1分離膜に含まれた第2コーティング層は、耐熱性及び機械的耐久性が強い無機酸化物を含んでいるので、ラミネーション−フォールディング又はラミネーション−スタック方式で製造されるリチウム二次電池内に適用される場合にも、第1、2分離膜に用いられる基材が工程途中に高温、高圧の条件により破損されて電池が短絡されるという問題点を予め防止することができ、工程性が向上される。
【実施例】
【0118】
以下、具体的な実施例を介して本発明をより具体的に説明する。但し、下記実施例は、本発明の理解を助けるための例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本記載の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能なことは当業者において明らかなことであり、このような変形及び修正が特許の請求範囲に属することは当然のものである。
【0119】
[実施例]
1.実施例1
(1)基材の準備
ポリエチレン100g、気孔形成剤としてポリビニルアルコール20gを混合して混合物を形成した。前記混合物を極性溶媒としてジメチルホルムアミドに約1:10重量部の割合で溶解させて高分子溶液を形成した。前記高分子溶液をガラス板の上にキャスティングした後、約100℃のオーブン内に入れ、約30分間乾燥して高分子フィルムを収得した。その後、前記高分子フィルムを水に浸漬することによりポリビニルアルコール(PVA)を抽出して多孔性基材を製造した。
【0120】
(2)リチウム二次電池用分離膜の製造
第1有機バインダーとして、エポキシ基が0.5モル%置換されたポリビニリデンフルオライド(Poly(Vinylidene fluoride)、以下、PVdF)(重量平均分子量:50,000)3g、無機酸化物として、アルミニウムオキシド(Al)27gを溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMP)72.1mlに添加した後、混合して第1コーティング層組成物を製造した。その後、前記多孔性基材上に前記第1コーティング層組成物を塗布した後、乾燥させて5μm厚さの第1コーティング層を形成した。その後、第2有機バインダーとして、エポキシ基が置換されていないPVdF(重量平均分子量:50,000)3g、無機酸化物として、アルミニウムオキシド(Al)27gを溶媒であるNMP72.1mlに添加した後、混合して第2コーティング層組成物を製造し、これを前記第1コーティング層上に塗布した後、乾燥させて5μm厚さの第2コーティング層を形成した。
【0121】
(3)リチウム二次電池の製造
正極活物質として(Li(Ni0.8Mn0.1Co0.1)O)94重量%、導電材としてカーボンブラック(carbon black)3重量%、バインダーとしてPVdF3重量%を溶媒であるNMPに添加し、正極合剤スラリーを製造した。前記正極合剤スラリーを厚さが20μm程度の正極集電体であるアルミニウム(Al)薄膜に塗布し、乾燥した後、ロールプレス(rollpress)を実施して正極を製造した。
【0122】
負極活物質として炭素粉末、バインダーとしてPVdF、導電材としてカーボンブラック(carbon black)をそれぞれ96重量%、3重量%及び1重量%として溶媒であるNMPに添加し、負極合剤スラリーを製造した。前記負極合剤スラリーを厚さが10μmの負極集電体である銅(Cu)薄膜に塗布し、乾燥して負極を製造した後、ロールプレス(rollpress)を実施して負極を製造した。
【0123】
エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(体積比)に、1M LiPFが溶解された有機溶媒94.99gに化学式1で表される化合物(重量平均分子量(Mw):500)及び化学式2−3で表される化合物を7:3重量比で混合した混合物を5g添加して撹拌させた後、完全に溶解させてゲルポリマー電解質用組成物を製造した。
【0124】
前記正極/分離膜/負極を順次積層した単位セル(電極組立体)を電池ケース内に収納し、前記ゲルポリマー電解質用組成物を注入した後、2日間常温で貯蔵した。その後、60℃で24時間加熱し(熱重合反応工程)リチウム二次電池を製造した。
【0125】
2.実施例2
前記実施例1で、第1有機バインダーとして、エポキシ基が0.5モル%置換されたPVdF(重量平均分子量:50,000)の代わりに、エポキシ基が0.5モル%置換されたPVdF−co−HFP(ポリビニリデンフルオライド(Poly(Vinylidene fluoride))とヘキサフルオロプロピレン(hexafluoropropylene)の共重合体、以下、PVdF−co−HFP)(重量平均分子量:100,000)を用い、第2有機バインダーとして、エポキシ基が置換されていないPVdFの代わりに、エポキシ基が置換されていないPVdF−co−HFPを用いたことを除いては、前記実施例1と同一の方法でリチウム二次電池用分離膜及びリチウム二次電池を製造した。
【0126】
3.実施例3
前記実施例1で、基材上に前記第2コーティング層組成物を先に塗布した後に乾燥して第2コーティング層を形成させた後、前記第1コーティング層組成物を塗布した後に乾燥して第1コーティング層を形成させたことを除いては、前記実施例1と同一の方法でリチウム二次電池用分離膜及びリチウム二次電池を製造した。
【0127】
4.実施例4
前記実施例2で、基材上に前記第2コーティング層組成物を先に塗布した後に乾燥して第2コーティング層を形成させた後、前記第1コーティング層組成物を塗布した後に乾燥して第1コーティング層を形成させたことを除いては、前記実施例2と同一の方法でリチウム二次電池用分離膜及びリチウム二次電池を製造した。
【0128】
[比較例]
1.比較例1
前記実施例1で、第1、2コーティング層を全て形成していない基材を分離膜として用いたことを除いては、同一の方法でリチウム二次電池用分離膜及びリチウム二次電池を製造した。
【0129】
2.比較例2
前記実施例1で、第1コーティング層は形成せず、第2コーティング層を基材上に直ちに形成させたことを除いては、同一の方法でリチウムイオン電池用分離膜及びリチウム二次電池を製造した。
【0130】
[実験例]
1.実験例1:初期抵抗測定の実験
実施例1から4と比較例1及び2で製造されたそれぞれのリチウム二次電池に対して200mAの電流(0.1C レート(rate))でフォーメーションを進めた後、4.2V、666mA(0.33C、0.05Cカットオフ)CC/CVの充電と3V、666mA(0.33C)CCの放電を3回繰り返し、5A(2.5C)の電流で10秒放電を進める際に発生する電圧降下を測定する。測定された値をR=V/I(オームの法則)公式に代入して算出したDC−抵抗値を下記表1に初期抵抗値として示した。
【0131】
【表1】
【0132】
表1を参照すると、実施例1から4のリチウム二次電池の場合、比較例1及び2のリチウム二次電池に比べてゲルポリマー電解質と分離膜の間の密着力が高いため、界面特性が改善され、測定される初期抵抗がさらに低いことを確認することができる。
【0133】
2.実験例2:電池の高温サイクル(寿命)測定の実験
実施例1から4で製造されたリチウム二次電池と比較例1及び2で製造されたリチウム二次電池のそれぞれに対して200mAの電流(0.1C レート(rate))でフォーメーション(formation)を進めた後、4.2V、666mA(0.33C、0.05Cカットオフ)CC/CVの充電と3V、666mA(0.33C)CCの放電を45℃の高温で50回進めた。
【0134】
その後、50番目の放電容量と1番目の初期容量(1回充放電を進めた状態における放電容量)を用いて容量維持率を計算し、その結果を表2に示した。
【0135】
【表2】
【0136】
表2を参照すると、実施例1から4のリチウム二次電池の場合、ゲルポリマー電解質が安定的に形成されると同時に、分離膜との接着力に優れ、ゲルポリマー電解質の分布が改善されてゲルポリマー電解質の更なる劣化反応を抑制することができるので、高温でサイクル特性が改善されることを確認することができる。
【0137】
3.実験例3:高温安全性の評価(ホットボックステスト:HOT box test)
実施例1から4、比較例1及び2で製造されたそれぞれのリチウム二次電池をSOC(State Of Charge)100%に完全に充電させた後、リチウム二次電池を150℃で4時間放置して発火されるのか否か及びその発火が開始される時間を確認する実験を実施した。その結果を下記表3に示した。
【0138】
【表3】
【0139】
前記表3で、Xは150℃保管中に発火が起こらない場合を示し、Oは150℃保管中に発火が起こった場合を示す。
【0140】
前記表3を検討すると、実施例1から4のリチウム二次電池は、完全充電の状態で高温貯蔵時にも電解質と分離膜の間の界面安定性に優れるため、発熱反応及び熱暴走現象が抑制され、発火現象も発生しないことを確認することができた。一方、比較例1及び2のリチウム二次電池の場合、電解質と分離膜の間の界面安全性が低いため、150℃で保管する途中に発熱が抑制できずに熱暴走現象及び発火現象が連鎖的に発生することを確認することができる。
【符号の説明】
【0141】
10 基材
20 第1コーティング層
30 第2コーティング層
【図1】
【図2】
【手続補正書】
【提出日】20200925
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材;
エポキシ開環反応を介してゲルポリマー電解質と結合され得る第1有機バインダーを含む第1コーティング層;及び
第2有機バインダーを含む第2コーティング層;を含み、
前記第1有機バインダーは、エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせが置換されている、
前記ゲルポリマー電解質は、エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーが重合されて形成されているものである、リチウム二次電池用分離膜。
【請求項2】
前記エポキシ基と開環反応が可能な官能基は、ヒドロキシ基(OH)、カルボン酸基(COOH)、アミン基、イソシアネート基、メルカプタン基及びイミド基よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の官能基である、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項3】
前記第1有機バインダーは、ハロゲン元素が少なくとも1つ以上置換された炭素数1から5のアルキレン基、炭素数1から5のアルキレンオキシド基、ハロゲン元素が少なくとも1つ以上置換された炭素数1から5のアルキレンオキシド基、イミド基及びセルロースよりなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む単位を含み、
前記単位からなる主鎖にエポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせが置換されている、請求項1または2に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項4】
前記オリゴマーは、アルキレンオキシド基を含む単位及びアミン基を含む単位よりなる群から選択される少なくとも1つ以上の単位を含み、
前記単位からなる主鎖にエポキシ基及びエポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせが置換されている、請求項1から3の何れか一項に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項5】
前記第1コーティング層及び第2コーティング層から選択される少なくとも1つ以上のコーティング層は、Si、Al、Ti、Zr、Sn、Ce、Mg、Ca、Zn、Y、Pb、Ba、Hf、及びSrよりなる群から選択される1種以上の元素を含む無機酸化物を含む、請求項1から4の何れか一項に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項6】
前記第1コーティング層は、前記基材上に形成されており、
前記第2コーティング層は、前記第1コーティング層上に形成されている、請求項1から5の何れか一項に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項7】
前記第2コーティング層は、前記基材上に形成されており、
前記第1コーティング層は、前記第2コーティング層上に形成されている、請求項1から5の何れか一項に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項8】
前記第1コーティング層の厚さ及び第2コーティング層の厚さを合わせた総厚さは、0.2μmから20μmである、請求項1から7の何れか一項に記載のリチウム二次電池用分離膜。
【請求項9】
少なくとも1つ以上の正極、少なくとも1つ以上の負極及び前記正極と負極の間に介在される少なくとも1つの第1分離膜を含む単位セルを少なくとも1つ以上含む電極組立体;及び
エポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーが重合されて形成されているゲルポリマー電解質;を含むリチウム二次電池であり、
前記第1分離膜は、請求項1に記載のリチウム二次電池用分離膜であるリチウム二次電池。
【請求項10】
前記電極組立体は2以上の単位セルを含み、前記単位セルの間に介在される第2分離膜をさらに含む、請求項9に記載のリチウム二次電池。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
一方、前記第1有機バインダーは、ハロゲン元素が少なくとも1つ以上置換された炭素数1から5のアルキレン基、炭素数1から5のアルキレンオキシド基、ハロゲン元素が少なくとも1つ以上置換された炭素数1から5のアルキレンオキシド基、イミド基及びセルロースよりなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む単位を含み、前記単位からなる主鎖にエポキシ基、エポキシ基と開環反応が可能な官能基又はこれらの組み合わせが置換されるものであってよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
一方、前記第1有機バインダーは、当該技術分野でよく知られている一般的な有機バインダー、例えば、PVdF(ポリビニリデンフルオライド(Poly(Vinylidene fluoride)))、PVdF−co−HFP(ポリビニリデンフルオライド(Poly(Vinylidene fluoride))とヘキサフルオロプロピレン(hexafluoropropylene)の共重合体)などにエポキシ基及び/又はエポキシ基と開環反応可能な官能基が置換されたバインダーが用いられ得る。より具体的には、前記第1有機バインダーは、前記官能基以外に、ハロゲン元素(F、Cl、Br、I)が少なくとも1つ以上置換された炭素数1から5のアルキレン基、炭素数1から5のアルキレンオキシド基、イミド基、セルロースよりなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む単位をさらに含んでよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
例えば、前記セルロースを含む単位は、下記化学式X−6のとおり表されてよい。
【国際調査報告】